ウィザード

ウィザード Wizard

エズレン

 世俗のヴェイルの向こう側には究極の力の秘密が隠されている。常命の者を超えた存在による作品、神と精霊が歩む領域の伝説、極めて素晴らしく極めて恐ろしい創造物の口伝――そうした神秘的な呼びかけに知性的かつ野心あふれた人々が応じ、ただの人を超えて真実の力をつかむ。それがウィザードの道である。この賢明なる魔法使いは高度な知識を切望し、探し集める。そして、単なる人間の能力を超えた驚くべき成果を生み出すのだ。何人かは特定の魔法の分野を専門に研究し、その力の達人となる。他のものは柔軟に学び、全ての魔法の限りない神秘を大いに楽しむ。いずれにせよ、ウィザードは狡猾で強力であり、敵を討ち、友を助け、そして世界を己の望みのままに形作る。

 役割:総合術士はあらゆる危険に対する備えを学び、専門家たちは特定の秘術系統を研究し熟達する。たとえその専門を外れていても全てのウィザードは不可能の達人であり、さまざまな危険に襲われた仲間を助けることができる。

 属性:どれでも。

 ヒット・ダイスの種類:d6。

クラス技能

 ウィザードのクラス技能は以下の通り:〈鑑定〉【知】、〈言語学〉【知】、〈呪文学〉【知】、〈職能〉【判】、〈製作〉【知】、〈知識:全て〉【知】、〈飛行〉【敏】

 レベル毎の技能ランク:2+【知】修正値。

表:ウィザード
レベル 基本攻撃
ボーナス
頑健
セーヴ
反応
セーヴ
意志
セーヴ
特殊 1日の呪文数
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 +0 +0 +0 +2 秘術の絆秘術系統初級秘術呪文《巻物作成》 3 1
2 +1 +0 +0 +3   4 2
3 +1 +1 +1 +3   4 2 1
4 +2 +1 +1 +4   4 3 2
5 +2 +1 +1 +4 ボーナス特技 4 3 2 1
6 +3 +2 +2 +5   4 3 3 2
7 +3 +2 +2 +5   4 4 3 2 1
8 +4 +2 +2 +6   4 4 3 3 2
9 +4 +3 +3 +6   4 4 4 3 2 1
10 +5 +3 +3 +7 ボーナス特技 4 4 4 3 3 2
11 +5 +3 +3 +7   4 4 4 4 3 2 1
12 +6/+1 +4 +4 +8   4 4 4 4 3 3 2
13 +6/+1 +4 +4 +8   4 4 4 4 4 3 2 1
14 +7/+2 +4 +4 +9   4 4 4 4 4 3 3 2
15 +7/+2 +5 +5 +9 ボーナス特技 4 4 4 4 4 4 3 2 1
16 +8/+3 +5 +5 +10   4 4 4 4 4 4 3 3 2
17 +8/+3 +5 +5 +10   4 4 4 4 4 4 4 3 2 1
18 +9/+4 +6 +6 +11   4 4 4 4 4 4 4 3 3 2
19 +9/+4 +6 +6 +11   4 4 4 4 4 4 4 4 3 3
20 +10/+5 +6 +6 +12 ボーナス特技 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4

クラスの特徴

 ウィザードのクラスの特徴は以下の通り。

 武器と防具の習熟:ウィザードは、クラブ、ダガー、ヘヴィ・クロスボウ、ライト・クロスボウ、クオータースタッフに習熟しているが、いかなる鎧や盾にも習熟していない。いかなる物であれ鎧は、ウィザードの秘術魔法に必要な身振りを妨げ、動作要素を含む呪文失敗の要因となる。

 呪文/Spells:ウィザードはウィザード/ソーサラー呪文リストから秘術呪文を使用することができる。ウィザードは事前に呪文を選択して準備しておかなければならない。

 ウィザードが呪文を修得し、準備または発動するには、最低でも10+呪文レベルに等しい【知力】がなければならない。ウィザードの呪文に対するセーヴィング・スローのDCは10+呪文レベル+【知力】修正値である。

 ウィザードは各呪文レベルの呪文を1日に一定の回数ずつしか発動できない。1日に発動できる呪文の基本回数は表:ウィザードの1日の呪文数に記されている。もし高い【知力】を持つならば、ウィザードは1日の呪文数にボーナス呪文数を加えることができる(表:能力値修正と1日毎のボーナス呪文数を確認すること)

 ウィザードはいくつでも呪文を修得できる。ウィザードは呪文を選択して準備する前に、8時間の睡眠と、1時間かけて自分の呪文書から呪文を獲得しなければならない。この呪文を獲得する間にウィザードはどの呪文を準備するかを決定する。

 ボーナス言語/Bonus Languages:ウィザードは種族によって得られるボーナス言語の1つを竜語に置き換えることができる。

 秘術の絆(変則または擬呪)/Arcane Bond:ウィザードはレベル1の時点で物体または生物と強力な絆で結ばれる。この絆は以下の2つの効果から1つを選択する:使い魔か絆の品。使い魔はウィザードの技能や感覚を強化し魔法の助けをする魔法のペットで、絆を結んだアイテムは追加の呪文を発動するか、魔法のアイテムとして使うことができる。ウィザードが一旦選択をしたら、それは永久に変更することはできない。絆の品のルールは下記の通りである。使い魔のルールはこの節の最後に記載する。

 ウィザードは選択した絆を結んだアイテム(絆の品)を無償で入手した状態で開始する。秘術の絆で結ばれたアイテムは以下の分類の中から1つを選択しなければならない:護符(アミュレット)、指輪、スタッフ、ワンド、武器。これらのアイテムは常に高品質である。レベル1の状態で得た武器は特殊な材質ではない。アイテムが護符や指輪の場合、身に着けていなければならず、スタッフやワンド及び武器の場合は片手に保持していなければならない。ウィザードが絆の品を着用または手に持っていない状態で呪文を発動しようと試みる場合、精神集中判定をしなければならず、失敗すると呪文を失う。この判定のDCは20+呪文レベルに等しい。アイテムが指輪や護符の場合、それらは、指輪もしくは首周りのスロットを占有する。

 絆の品は1日1回、ウィザードの呪文書に納められ発動できる呪文の中から、好きな呪文(例えその呪文が準備されていなかったとしても)を1つ発動するために使用できる。この呪文の発動時間と持続時間はウィザードの他の呪文と同様に扱い、それ以外の効果はウィザードのレベルに依存する。この呪文は呪文修正特技やその他の能力によって修正できない。絆の品はウィザードの対立系統(秘術系統を確認すること)の呪文を発動するために使用することはできない。

 アイテム作成特技の必要条件を満たしている場合、ウィザードはその特技を持っているかの様に絆の品に魔法の能力を付与することができる。例えばダガーと絆を結んだウィザードのレベルが5以上ある場合、ダガーに魔法の能力を付与できる(特技の章の《魔法の武器防具作成》を確認すること)。絆の品がワンドの場合、チャージを消費し切るとその能力は失われるが破壊されることはなく、更にその絆の品の特性を保有したまま、新たなワンドを作成するために用いることができる。絆の品の付与された能力を含む魔法の特性は、その所有者であるウィザードのためだけに機能する。絆の品の所有者が死ぬか、別のアイテムと取り替えた場合、そのアイテムはその分類の普通の高品質なアイテムに戻る。

 絆の品がダメージを受けている場合、ウィザードが次に呪文を準備する際に完全なヒット・ポイントに修復する。絆の品を失うか破壊されてしまったなら、特別な儀式と高品質なアイテムの費用としてウィザードのレベル毎に200gpを支払うことで1週間後に取り替えることができる。この儀式には8時間を必要とする。この方法により取り替えられたアイテムは以前の絆の品に付与されていたいかなる能力も有していない。ウィザードは既存の魔法のアイテムを絆の品とすることができる。これは新しい魔法のアイテムの特性を保持したままである利点と絆を結んだアイテムとなる欠点がある以外は、失うか破壊されたアイテムと取り替えることと同様に機能する。

 秘術系統/Arcane Schools:ウィザードは魔法の系統を1つ専門化することができ、系統に応じた追加の呪文と能力を得る。この選択はレベル1の時点で行わなければならず、一旦決定したらそれは永久に変更することはできない。系統を選択しないウィザードは系統全般を扱う。

 1つの秘術系統を専門化したウィザードは2つの対立系統を選択しなければならない。これは1つの秘術系統の知識に精通する代わりに他の知識を犠牲にしたことを意味する。ウィザードは対立系統の呪文を準備するために呪文スロットを2つ使わなければならない。例えば、力術を対立系統とするウィザードはファイアーボールを準備するために3レベルの呪文スロットを2つ費やさなければならない。加えて魔法のアイテムを作成する場合、必要条件に対立系統の呪文がある際は、技能判定に-4のペナルティを被る。総合魔術のウィザードは全ての系統を制限なく準備できる。

 各々の秘術系統はウィザードにいくつかの系統能力を与える。加えて、専門化ウィザードは発動できる1レベル以上の呪文に対して、レベル毎に追加の呪文スロットを得る。毎日ウィザードは専門化した系統の呪文をその呪文スロットに準備できる。この呪文はウィザードの呪文書に書き込まれていなければならない。ウィザードは追加の呪文スロットに呪文修正特技を適用した呪文を準備することができるが、通常通り高いレベルの呪文スロットを必要とする。総合魔術のウィザードは系統から追加の呪文スロットを獲得しない。

 初級秘術呪文/Cantrips:ウィザードは表:ウィザードの“1日の呪文数”に記載の様に、いくつかの0レベル呪文を初級秘術呪文として準備できる。これらの呪文は通常通り発動できるが、発動した際に消費されず、再び使用することができる。ウィザードは対立系統からも初級秘術呪文を準備することができるが、それには呪文スロットを2つ使用する(後述を参照すること)。

 《巻物作成》/Scribe Scroll:ウィザードはレベル1の時点でボーナス特技として《巻物作成》を得る。

 ボーナス特技/Bonus Feats:ウィザードはレベル5、10、15、20の時点でボーナス特技を1つ得る。この様な機会を得る毎に、ウィザードは呪文修正特技、アイテム作成特技及び《呪文体得》の中から1つを選択する。ウィザードは最低術者レベルを含むこれらのボーナス特技の全ての前提条件を満たしている必要がある。これらのボーナス特技は全てのクラスのキャラクターがレベル上昇で得られる特技とは別個に与えられる。ウィザードはレベル上昇で得られる特技を得る場合、呪文修正特技、アイテム作成特技及び《呪文体得》以外の特技を選択することができる。

 呪文書/Spellbooks:ウィザードは毎日その日に使う呪文を準備するために呪文書で学習しなければならない。ウィザードは自分の呪文書に記録されていない呪文を準備することはできないが、リード・マジックだけは例外で、全てのウィザードは自分の記憶の中からこの呪文を準備できる。

 ウィザードは0レベルのウィザード呪文全て(対立系統があるならその系統の呪文は除く;秘術系統を参照すること)と、プレイヤーが選択した1レベル呪文が3つ記録された呪文書を持って開始する。また、呪文書にはウィザードの持つ【知力】修正値+1につき1レベル呪文1つを選択し、追加で記録されている。ウィザードのレベルを得る毎に、ウィザードは(新たなウィザードのレベルにおいて)自分が発動できる呪文レベルの呪文をどれでも2つ呪文書に書き加えることができる。また、ウィザードは他のウィザードの呪文書の中で見つけた呪文を自分の呪文書に書き加えることもできる(魔法の章を参照すること)。

秘術系統 Arcane Schools

 以下に各々の秘術系統と対応する系統能力の詳細を記述する。

幻術 Illusion School

 幻術士は幻影や虚構、幻像を用いて、敵に困惑と苦痛を与えるために魔法を使う。

 幻術の延長(超常)/Extended Illusions:ウィザードが発動した持続時間が“精神集中”の幻術呪文は、精神集中を止めた後もウィザード・レベルの半分(最低1)に等しいラウンドだけ追加で持続する。レベル20の時点で、ウィザードが発動した持続時間が“精神集中”の幻術呪文1つの持続時間を永続化できる。ウィザードが永続化させることができる幻術呪文は1度に1つまでである。別の幻術を永続化させると、前に永続化された幻術は即座に終了する。

 盲目の光線(擬呪)/Blinding Ray:標準アクションとして、30フィート以内の敵に対して、揺らめく光線を遠隔接触攻撃として放つ。光線は命中したクリーチャーを1ラウンドの間、盲目状態にする。ウィザード・レベルより高いヒット・ダイスのクリーチャーは、代わりに1ラウンドの間目が眩んだ状態になる。この能力は1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。

 不可視の領域(擬呪)/Invisibility Field:レベル8の時点で、即行アクションとして、1日にウィザード・レベルに等しいラウンドの間、自身を不可視状態にできる。このラウンドは連続している必要はない。この点以外についてはグレーター・インヴィジビリティと同様に扱う。

召喚術 Conjuration School

 召喚術士はモンスターと魔力を召喚し、己に従わせることを専門としている。

 召喚者の魅力(超常)/Summoner's Charm:ウィザードが召喚術(招来)の呪文を発動する時は常に、ウィザード・レベルの半分(最低1)に等しいラウンドだけ持続時間を延長する。レベル20の時点で、全てのサモン・モンスターに類する呪文の持続時間を永続化することができる。ウィザードが永続化させることができる呪文は一度に1つまでである。別のサモン・モンスター呪文を永続化させると、前に永続化されたサモン・モンスター呪文は即座に終了する。

 酸の矢(擬呪)/Acid Dart:標準アクションとして、30フィート以内の敵1体に酸の矢で遠隔接触攻撃を行なう。酸の矢は命中すると1d6+ウィザード・レベルの半分の[酸]ダメージを与える。この能力は1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。この能力は呪文抵抗を無視する。

 次元またぎ(擬呪)/Dimensional Steps:ウィザードはレベル8の時点で、標準アクションとして1日にウィザード・レベル毎に30フィートまでの距離を瞬間移動する能力を得る。この瞬間移動は5フィート単位で使用しなければならず、そしてこの移動は機会攻撃を誘発しない。この移動には同意するクリーチャーも同時に運ぶことができるが、そのクリーチャー毎にこの瞬間移動能力を消費する。

死霊術 Necromancy School

 畏怖と恐怖の存在である死霊術士は、亡者を威伏し、穢れた死の力を敵に対して用いる。

 不死者を超える力(超常)/Power over Undead:ウィザードはボーナス特技として《アンデッド威伏》または《アンデッド退散》を得る。ウィザードは1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけエネルギー放出を使用できるが、この能力は選択したボーナス特技に対してしか使用できない。ウィザードはこの能力を強化するために《エネルギー放出回数追加》《エネルギー放出強化》などの強化する特技は取得できるが、この能力を改変する《エレメンタルへのエネルギー放出》《来訪者へのエネルギー放出》などの特技は取得できない。これらの特技へのセーヴのDCは10+ウィザード・レベルの半分+【魅力】修正値に等しい。レベル20の時点で、アンデッドはこの能力に対するセーヴにエネルギー放出抵抗を加えることができない。

 死の接触(擬呪)/Grave Touch:標準アクションとして、生きているクリーチャーに近接接触攻撃を行ない、ウィザード・レベルの半分(最低1)に等しいラウンドの間怯え状態にすることができる。怯え状態のクリーチャーにこの能力で接触した場合、そのクリーチャーがウィザード・レベルよりも低いヒット・ダイスを持つのであれば、そのクリーチャーは1ラウンドの間恐れ状態になる。この能力は1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。

 生命視覚(超常)/Life Sight:レベル8の時点で、1日にウィザード・レベルに等しいラウンドの間、非視覚的感知10フィートを得る。この能力は生きているクリーチャーとアンデッド・クリーチャーのみ感知できる。この視覚はクリーチャーが生者かアンデッドかが分かる。人造やその他のクリーチャーは生者でもアンデッドでもないため感知できない。12レベルの時点と以降4レベル毎に、この非視覚的感知の間合いは10フィートずつ増加する。この効果を使用するラウンドは連続している必要はない。

心術 Enchantment School

 心術士は獲物の心を支配し、操るために魔法を使用する。

 魅惑的な微笑み(超常)/Enchanting Smile:ウィザードは〈はったり〉〈交渉〉〈威圧〉の技能判定に+2の強化ボーナスを得る。このボーナスはウィザード・レベル5毎に+1(レベル20の時点で最大+6)される。レベル20の時点で、ウィザードが心術系統の呪文に対するセーヴィング・スローに成功した時はいつでもスペル・ターニング呪文と同様に、その呪文は発動した者へと跳ね返る。

 幻惑の接触(擬呪)/Dazing Touch:ウィザードは生きているクリーチャー1体に近接接触攻撃を行ない、1ラウンドの間幻惑状態にすることができる。ウィザード・レベルより高いヒット・ダイスのクリーチャーはこの影響を受けない。この能力は1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。

 絶望のオーラ(超常)/Aura of Despair:8レベルの時点で、1日にウィザード・レベルに等しいラウンドの間、ウィザードの周囲に半径30フィートの絶望のオーラを放出することができる。このオーラの範囲内にいる敵は能力値判定、攻撃ロール、ダメージ・ロール、セーヴィング・スロー、技能判定に-2のペナルティを受ける。このラウンドは連続している必要はない。これは[精神作用]効果である。

占術 Divination School

 占術士は遠隔透視、予言及び世界中を捜索する魔法の達人である。

 警戒(超常)/Forewarned:ウィザードは敵に気づくための〈知覚〉判定に失敗したとしても、常に不意討ちラウンドに行動できる。しかし、ウィザードは行動するまでは立ちすくみ状態である。加えて、イニシアチブ判定にウィザード・レベルの半分に等しい値(最低1)のボーナスを得る。レベル20の時点で、ウィザードのイニシアチブ判定の出目は常に20であると見なされる。

 占術士の幸運(擬呪)/Diviner's Fortune:この系統能力を発動しクリーチャー1体に標準アクションとして接触することで、1ラウンドの間、対象の行う全ての攻撃ロール、技能判定、能力値判定、セーヴィング・スローにウィザード・レベルの半分に等しい値(最低1)の洞察ボーナスを与える。この能力は1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。

 念視の達人(超常)/Scrying Adept:ウィザードはレベル8の時点で、ディテクト・スクライングが永続化されたかの様に魔法的な念視に対して気がつく。加えて、ウィザードが念視を行なう際には、対象について1段階親しいものとして扱う。対象が親密な対象である場合、対象はこの念視に対するセーヴに-10のペナルティを受ける。

変成術 Transmutation School

 変成術士は自ら周囲の世界を変貌させるために魔法を使う。

 肉体強化(超常)/Physical Enhancement:ウィザードは肉体能力値(【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】)のいずれか1つに+1の強化ボーナスを得る。このボーナスはウィザード・レベル5毎に+1ずつ増加する(レベル20時点で最大+5)。呪文を準備する際にボーナスを与える能力値を変更できる。レベル20の時点で、このボーナスを2つの能力値に適用できる。

 念動の拳(擬呪)/Telekinetic Fist:標準アクションとして念動の拳を放ち、30フィート以内の敵に遠隔接触攻撃を行う。念の拳は命中したなら1d4+ウィザード・レベルの半分に等しい殴打ダメージを与える。この能力は1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。

 形態変化(擬呪)/Change Shape:レベル8の時点で、ウィザードは1日にウィザード・レベルに等しいラウンドの間、自分の姿を変えることができる。このラウンドは連続している必要はない。この点以外についてはビースト・シェイプIIエレメンタル・ボディIと同様に扱う。レベル12の時点で、この能力はビースト・シェイプIIIエレメンタル・ボディIIと同様に扱う。

防御術 Abjuration School

 防御術士は防御や警戒の魔法を使用し、熟練している。

 抵抗力(変則)/Resistance:ウィザードは呪文を準備する際、エネルギー種別を1つ選択する。選択したエネルギー種別に対する抵抗5を得る。この抵抗は毎日変更することができる。レベル11の時点でこの抵抗は10に増加する。レベル20の時点で、選択したエネルギー種別に対する完全耐性となる。

 守護の守り(超常)/Protective Ward:標準アクションとして、ウィザードの周囲に半径10フィートの防御領域を生成する。この領域はウィザードの【知力】修正値に等しいラウンドの間持続する。この範囲内の全ての仲間(術者を含む)はACに+1の反発ボーナスを得る。このボーナスはウィザード・レベル5毎に+1される。この能力は1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。

 エネルギー吸収(超常)/Energy Absorption:ウィザードはレベル6の時点で、1日につきウィザード・レベルの3倍のエネルギー吸収を得る。ウィザードがエネルギー・ダメージを受ける時、完全耐性、脆弱性(あるならば)、抵抗を適用した後に残りのダメージをこの吸収の値だけ軽減する。エネルギー吸収を上回ったダメージは通常通り適用する。

力術 Evocation School

 力術士は魔法そのものの力を大いに楽しみ、創造や破壊のために驚くほど容易にその力を使う。

 強き呪文(超常)/Intense Spells:ヒット・ポイントにダメージを与える力術呪文をウィザードが発動する時、ウィザード・レベルの半分(最低1)のダメージを追加する。このボーナスは1つの呪文につき1回だけ適用し、それぞれのミサイルや光線に加えたり分割したりすることはできない。このボーナスは《呪文威力強化》やその他同様の効果によって増加することはない。このダメージは呪文と同じ種別である。レベル20の時点で、ウィザードの発動した力術呪文はいつでも、クリーチャーの呪文抵抗を貫くためのロールを2回行い、良い方の結果を適用できる。

 力場のミサイル(擬呪)/Force Missile:標準アクションとして、マジック・ミサイルの様に自動的に命中する力場のミサイルを放つことができる。この力場のミサイルは1d4ポイントのダメージに加え、力術能力である強き呪文の追加ダメージを与える。これは[力場]効果である。この能力は1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。

 精霊の壁(擬呪)/Elemental Wall:レベル8の時点で、1日にウィザード・レベルに等しいラウンドの間、エネルギーの壁を作り出すことができる。このラウンドは連続している必要はない。この壁は[酸]、[冷気]、[電気]、[火]から作成時に選択したダメージ種別のダメージを与える。この点以外については、ウォール・オヴ・ファイアーと同様に扱う。

総合術 Universalist School

 専門化しないウィザード(総合術士と呼ばれる)は全ての秘術呪文使いの中で最も多様性がある。

 徒弟の手(超常)/Hand of the Apprentice:ウィザードは近接武器を飛ばして敵を打ち、即座に手元に戻すことができる。標準アクションとして30フィート以内の敵に近接武器での攻撃を行なう。この攻撃は投擲武器による遠隔攻撃として扱うが、攻撃ロールには【敏捷力】修正値の代わりに【知力】修正値を加える(ダメージには通常通り【筋力】修正値を加算する)。この能力は戦技に用いることはできない。この能力は1日に3+【知力】修正値に等しい回数だけ使用できる。

 呪文修正体得(超常)/Metamagic Mastery:レベル8の時点で、ウィザードは発動しようとした呪文に対して修得している呪文修正特技を適用できる。これにより、呪文レベルや発動時間の増加は発生しない。ウィザードはこの能力をレベル8の時点で1日に1回だけ使用でき、以降2レベル毎に1日の使用回数が1回だけ増える。この能力によって呪文レベルを2レベル以上増加させる呪文修正特技を適用する時は、1レベルを超えるレベル毎に1回分の呪文修正体得の使用数を追加で消費しなければならない。この能力は実際には呪文レベルを修正しないが、特技を適用した結果、修正された呪文レベルがウィザードの発動できる呪文レベルを超える場合には、この能力を適用することはできない。

使い魔 Familiars

 使い魔はウィザードが魔法の研究の際に自分を助力させるために選択した動物である。使い魔の外見、ヒット・ダイス、基本攻撃ボーナス、基本セーヴ・ボーナス、技能、特技は通常の動物であった頃のものをそのまま用いるが、種別に関係した効果を判断する際は魔獣として扱われる。通常の特別に変更を加えられていない動物だけが使い魔になれる。動物の相棒を使い魔にすることはできない。

 使い魔は自らの主人に、下記の表に示した特殊能力を授ける。この特殊能力は自らの主人と使い魔が1マイル以内の距離にいる時にだけ適用される。

 自らの主人レベルに基づき使い魔の能力を決定する際に、使い魔を得ることのできる異なるクラスのレベルは累積する。

 使い魔を罷免するか、失うか、死亡させてしまった場合、特別な儀式の費用としてウィザードのレベル毎に200gpを支払うことで1週間後に新たに使い魔を得ることができる。この儀式には8時間を必要とする。

使い魔 特殊能力
* 烏の使い魔は超常能力として主人が選択した言語を1つ話すことができる。
アウル(フクロウ) 主人は薄暗いまたは暗闇の下での視覚に基づく〈知覚〉の対抗判定に+3のボーナスを得る。
ヴァイパー(マムシ) 主人は〈はったり〉判定に+3のボーナスを得る。
ウィーゼル(イタチ) 主人は反応セーヴに+2のボーナスを得る。
キャット(猫) 主人は〈隠密〉判定に+3のボーナスを得る。
トード(ヒキガエル) 主人は+3のヒット・ポイントを得る。
バット(コウモリ) 主人は〈飛行〉判定に+3のボーナスを得る。
ホーク(鷹) 主人は明るい光の下での視覚に基づく〈知覚〉の対抗判定に+3のボーナスを得る。
モンキー(猿) 主人は〈軽業〉判定に+3のボーナスを得る。
ラット(鼠) 主人は頑健セーヴに+2のボーナスを得る。
リザード(トカゲ) 主人は〈登攀〉判定に+3のボーナスを得る。
レイヴン(大鴉)* 主人は〈鑑定〉判定に+3のボーナスを得る。

 使い魔の基本事項:使い魔のデータは同種のクリーチャーのものを基本とするが、以下の変更を加える。

 ヒット・ダイス:ヒット・ダイスに関連した効果を判断する際は、自らの主人のキャラクター・レベルか、使い魔の通常の合計HDのどちらか高い方を用いる。

 ヒット・ポイント:使い魔のヒット・ポイントは実際のヒット・ダイスに関係なく、自らの主人のヒット・ポイントの半分(一時的ヒット・ポイントは含めない)、端数切り捨てである。

 攻撃:使い魔は自らの主人の基本攻撃ボーナス、つまり自らの主人の持つ全てのクラスの基本攻撃ボーナスを合計したものを用いる。使い魔の肉体武器の近接攻撃ボーナスには、使い魔の【敏捷力】と【筋力】のどちらか高い方の修正値を用いる。

 ダメージは使い魔と同種の通常のクリーチャーと同じである。

 セーヴィング・スロー:それぞれのセーヴィング・スローについて、使い魔のセーヴ・ボーナス(頑健+2、反応+2、意志+0)か、自らの主人の基本セーヴ・ボーナス(全てのクラスのセーヴ・ボーナスを合計したもの)のどちらか高い方を用いる。使い魔はセーヴに自らの能力値修正値を用いるが、自らの主人が有しているかもしれない他のボーナスは共有しない。

 技能:自らの主人か使い魔の少なくともどちらか一方がランクを有しているそれぞれの技能について、使い魔は同種の動物が持つ通常の技能ランクか、主人の技能ランクのどちらか高い方を適用する。どちらを使用する場合でも、使い魔は自らの能力値修正値を用いる。一部の技能については技能修正値の合計に関わらず、使い魔の能力では使いこなせないことがある。使い魔は〈軽業〉〈登攀〉〈飛行〉〈知覚〉〈隠密〉〈水泳〉をクラス技能とする。

 使い魔の特殊能力の解説:全ての使い魔は自らの主人の使い魔を得ることのできる異なるクラスのレベルを累積した結果に応じて、以下の表で示される様に特殊能力を得る(あるいは自らの主人に能力を授ける様になる)。この能力は累積する。

主人のクラス・レベル 外皮ボーナス調整 【知】 特殊能力
1~2 +1 6 鋭敏感覚身かわし強化呪文共有共感的リンク
3~4 +2 7 接触呪文伝達
5~6 +3 8 主人との会話
7~8 +4 9 同類との会話
9~10 +5 10
11~12 +6 11 呪文抵抗
13~14 +7 12 使い魔からの念視
15~16 +8 13
17~18 +9 14
19~20 +10 15

 外皮ボーナス調整/Natural Armor Adj.:使い魔が保有している外皮ボーナスがここに示した値だけ増加する。

 【知】/Int:使い魔の【知力】能力値。

 鋭敏感覚(変則)/Alertness:使い魔が手の届くところにいる間、使い魔の主人は《鋭敏感覚》の特技を得る。

 身かわし強化(変則)/Improved Evasion:反応セーヴに成功することでダメージを半減できる攻撃の対象となった場合に、使い魔はセーヴィング・スローに成功すればダメージを全く受けずにすみ、セーヴィング・スローに失敗してもダメージを半減させることができる。

 呪文共有/Share Spells:ウィザードは目標が“自身”の呪文を、自身の代わりに自分の使い魔に対して(距離が接触の呪文として)発動することができる。ウィザードはまた、通常であれば使い魔の種別(魔獣)に効果を発揮しないものであっても自身の使い魔に対して呪文を発動できる。

 接触呪文伝達(超常)/Deliver Touch Spells:使い魔の主人のクラス・レベルが3以上ならば、使い魔は接触呪文を伝達することができる。使い魔の主人と使い魔が接触している時に主人が接触呪文を発動した場合、使い魔の主人は使い魔を“接触者”に指名することができる。指名された使い魔はあたかも使い魔の主人が接触したかの様に、接触呪文を伝達することができる。通常の場合と同様、接触呪文が伝達される前に使い魔の主人が別の呪文を発動した場合、接触呪文は消滅してしまう。

 主人との会話(変則)/Speak with Master:使い魔の主人のクラス・レベルが5以上ならば、使い魔と使い魔の主人は、あたかも共通語で会話しているかの様に言葉で意思疎通を行なうことができる。他のクリーチャーは魔法的な助けがない限り、この会話を理解することはできない。

 同類との会話(変則)/Speak with Animals of Its Kind:使い魔の主人のクラス・レベルが7以上ならば、使い魔は自身と同類の動物(ダイア種も含む)と意思疎通を行なうことができる:蝙蝠なら翼手類、猫ならネコ類、鷹と梟と烏なら鳥類、蜥蜴と蛇なら爬虫類、猿なら類人猿、鼠なら齧歯類、蛙なら両生類、鼬ならアーミンやミンクとなる。どの程度の意思疎通をはかれるかは会話するクリーチャーの【知力】によって制限される。

 呪文抵抗(変則)/Spell Resistance:使い魔の主人のクラス・レベルが11以上ならば、使い魔は使い魔の主人のレベル+5に等しい呪文抵抗を得る。他の呪文の使い手が使い魔に呪文を作用させるためには、術者レベル判定(1d20+術者レベル)を行ない、使い魔の呪文抵抗以上の結果を出さなければならない。

 使い魔からの念視(擬呪)/Scry on Familiar:使い魔の主人のクラス・レベルが13以上ならば、使い魔の主人は1日1回、使い魔から(あたかもスクライングの呪文を使用したかの様に)念視を行なうことができる。

秘術呪文と鎧 Arcane Spells and Armor

 鎧は動作要素を含む呪文を発動する際に行わなければならない複雑な身振りの妨げとなる。鎧や盾を装備した際にどれ位の秘術呪文失敗率を被るかは、鎧と盾の章に記述されている。

 動作要素を含まない呪文ならば、秘術呪文の使い手は鎧を着用したまま秘術呪文失敗率もなく発動することができる。その様な呪文は術者の両手が縛られていたり組みつき状態であったりする時でも、発動することができる(但し、通常通り精神集中判定は必要)。呪文修正特技の《呪文動作省略》を用いれば、呪文の使い手は通常より1レベル高い呪文スロットで準備ないし発動する代わりに、動作要素なしでその呪文を発動することができる。これは秘術呪文を失敗する危険を冒さずに鎧を着用したまま呪文を発動する手段として使用できる。


添付ファイル