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ダンジョン Dungeons

 冒険者が探検する可能性がある不可解な場所の中でも、ダンジョンより致命的なものはない。地下迷宮、無数の致命的な罠、飢えたモンスター、そして金には替えられない財宝がキャラクターの持つあらゆる技能を試すのである。以降のルールは沈没船の残骸から広大な洞窟網まで、どのような種別のダンジョンであっても適用することができる。

ダンジョンの種別 Types of Dungeons

 ダンジョンには大別して4種があり、現在どんな状態にあるかによって分類される。多くのダンジョンは、この基本4種のバリエーションか、4種のうち複数を組み合わせたものである。古いダンジョンの中には、何度も別々の住人が住みつき、何度も別々の目的で使われたものがある。
 廃墟と化した構造物:この場所には、かつては住人がいたのだが、もともとの建造者はこのダンジョンを(完全に、または一部)放棄した。別のクリーチャーがうろついて来て、入りこんだ、地下に住むクリーチャーの多くは、自分の巣穴にできそうな、放棄された地下構造物を探しているものだ。この種のダンジョンの場合、もともと罠があったとしても、すでに作動して無害になっている可能性がある。そのかわり、ワンダリング・ビースト(さまよう獣)はぞろぞろいるだろう。
 住人のいる構造物:このダンジョンは今現在も使われている。ダンジョンには、(往々にして知性のある)クリーチャーが住み着いている。ただし、そのクリーチャーがダンジョンを作ったのと同じクリーチャーとは限らない。“住人のいる建造物”には家、要塞、寺院、操業中の鉱山、牢獄、軍の司令部などがある。この種のダンジョンでは、罠やワンダリング・ビーストの出てくる割合は低く、組織された守備要員の出てくる割合が高い。守備要員には、1ヶ所で番をしているものもあれば、見張りで歩き回っているものもあるだろう。罠やワンダリング・ビーストは、もし出てくるとしたら、ダンジョンの住人たちに制御されていることが多い。“住人のいる構造物”には住人にあった調度、装飾、物資がある。また、住人が中を移動するのに便利なようになっている。この種のダンジョンの住人たちは、情報を伝え合う手段を共有しており、また、ほとんどの場合は外部と自由に行き来できる。
 ダンジョンの中には、一部は住人がおり、一部はカラだったり廃墟と化していたりするものもある。そんな場合、そこに住んでいるのはダンジョンのもともとの建造者ではなく、廃棄されたダンジョンの中に自分たちの基地、巣穴、砦を構えた知性あるクリーチャーの群れであることが多い。
 大事なものの隠し場所:人は、守りたい大事なものを、地下に埋めて隠しておこうとすることがある。彼らが守ろうとするものは、莫大な財宝かもしれず、禁断のアーティファクトかもしれず、重要人物の死体かもしれない。いずれにせよ、こうした価値ある物品はダンジョンの中に安置され、周囲には障壁、罠、守護者が配置される。
 “大事な物の隠し場所”型のダンジョンは、他の型と比べて、罠の出てくる公算は最も高く、ワンダリング・ビーストの出てくる公算は最も低い。この種のダンジョンは、見ばえより実用を優先して作られるのが普通だが、時には像や壁画といった装飾が施されていることもある。重要人物の墓などは特にそうである。
 時として、墓や宝物庫が、生きた守護者が住むようなつくりに造られることもある。この方法の問題は、侵入を試みる相手がいない間も、守護者を生かしておかねばならないという点にある。こうしたクリーチャーに食料と水を与える方法としては、通常、魔法が一番の早道である。墓や宝物庫を作る際、ダンジョンを守るためにアンデッドや人造、つまり食料も休息も不要なクリーチャーを配しておくのはよくあることである。魔法の罠でモンスターをダンジョン内に招来して侵入者を攻撃させるようにしておく手もある。招来されたモンスターは用が済めば消えるからである。
 天然の洞窟網:地下洞窟はあらゆる種類の地下モンスターの住みかとなる。自然の力で形成され、迷路のごときトンネル群によってつながった、これらの洞窟には、いかなるパターンも秩序も装飾もない。生成に知性ある者の力が一切関与していないので、この種のダンジョンでは、罠や扉の出てくる公算は最も低い。
 洞窟にはあらゆる種類の菌類がはびこり、ときには巨大なキノコが大森林よろしく生育していることもある。地下の肉食生物が、菌類を食べる生き物を探して、この森をうろついている。ときには菌類がぶきみな燐光を放ち、“天然の洞窟網”の微弱な光源となっていることもある。一部のエリアではデイライトその他の魔法効果によって、緑の植物が育つのに十分な光があるかもしれない。
 時として、“天然の洞窟網”が他の種類のダンジョンにつながっていることもある。人工のダンジョンを掘っていて、“天然の洞窟網”に行き当たったのだ。これにより、本来無関係な2つのダンジョンが合体し、奇妙な複合環境を生み出すこともある。“天然の洞窟網”と他の種類のダンジョンが合体すると、往々にして地下のクリーチャーが道を見つけて人工ダンジョンに入りこみ、住みつくようになる。

ダンジョンの構成要素 Dungeon Terrain

 以降のルールは、ダンジョン内に見られる基本的な構成要素についてまとめている。

Walls

 時として、石造りの壁――これは石を積み上げたもので、モルタルでつなぎ合わせてあることが多いが、常にそうであるとは限らない――が、ダンジョンを通路や部屋に分けていることがある。また、ダンジョンの壁は単に石を掘り進んだだけで、のみあとの残るざらざらしたものもある。また、自然にできた洞窟の、傷のないすべすべした石の場合もある。ダンジョンの壁を討ち壊したり打ち抜いたりするのは難しいが、壁に上るのは概してやさしい。

表:『壁』
壁の種類 典型的な厚み 破壊DC 硬度 ヒット・ポイント 1 〈登攀〉DC
石造り 1 フィート 35 8 90hp 20
質のいい石造り 1 フィート 35 8 90hp 25
補強された石造り 1 フィート 45 8 180hp 15
岩盤を掘りぬいてできた壁 3 フィート 50 8 540hp 25
自然石 5 フィート 65 8 900hp 15
3 インチ 30 10 90hp 25
紙のように薄い 1 1hp 30
6 インチ 20 5 60hp 21
魔法処理ずみ 2 +20 ×2 ×2 3
1……10フィート×10フィートの区画ごとに。
2……壁の種類から割り出される数値にこの修正を施すこと。
3……または50。どちらか大きい方。

 石造りの壁:もっとも一般的なダンジョンの壁である石造りの壁には、普通は1フィート以上の厚みがある。古びたものは往々にして割れ目や裂け目だらけで、その中には特に、厄介なスライムのたぐいや、小さなモンスターが潜んで獲物を待ち受けている。石つくりの壁に上るには、〈登攀〉判定(DC20)が必要になる。
 質の良い石造りの壁:石造りの壁の中には、特に造りのいいものがある。普通よりでこぼこが少なく、石の噛み合わせがよく、すきまが少ないのである。こうした質のいい壁は、壁土や化粧しっくいで塗りこめてあったりもする。塗りこめた壁には絵、浮き彫り、その他の装飾が施されていることも多い。この種の壁は通常の石造りの壁に比べて、打ち壊す難しさは変わらないが、よじ登るのは難しくなる(〈登攀〉判定のDCは25)。
 補強された石造りの壁:壁の片側あるいは両側や内部に鉄棒を配して補強された石造りの壁も存在する。補強された壁の硬度はもとと同じだが、ヒット・ポイントは2倍になり、破壊DCは10上昇する。
 岩盤を掘りぬいてできた壁:この種の壁は、石塊の中に部屋や通路を掘りぬいた結果としてできることが多い。岩盤を掘りぬいた荒い表面には、しばしば小さな岩棚があって、キノコが生え、小さな生物が棲息している。蟲のたぐいやバット(コウモリ)や地下に棲むスネーク(ヘビ)など。壁に“むこう側”がある場合(つまり、その壁がダンジョンの2つの部屋を分かっている場合)、この種の壁の厚さは3フィート以上あるのが普通である。それより薄いと頭上の岩の重みに耐えかねて崩れ落ちてしまう危険があるのだ。岩盤を掘りぬいてできた壁に登るには、〈登攀〉判定(DC25)が必要になる。
 自然石の壁:この種の壁面はでこぼこしており、平らなことはめったにない。触った感じはなめらかだが、小さな穴や隠れたくぼみ、さまざまな高さの岩棚でいっぱいである。また、塗れていたり湿っていたりするのが普通である。というのも、自然の洞窟ができる一番よくある原因は水だからである。壁に“むこう側”がある場合、この種の壁の厚さは5フィート以上あるのが普通である。自然石の壁に登るには、〈登攀〉判定(DC15)が必要になる。
 鉄の壁:この種の壁は、もっぱらダンジョン内の重要箇所(宝物庫など)の周囲に巡らされる。
 紙の壁:紙の壁は視界を遮る障壁として配され、それだけの役にしか立たない。
 木の壁:木の壁はしばしば、古いダンジョンに新しく付け加わった部品として存在する。動物の囲いや物の貯蔵場を造ったり、一時的な構造物であったり、あるいは単に大きな部屋を区切っていくつもの小さな部屋にするのに使われる。
 魔法処理ずみの壁:この種の壁は普通より強固で、硬度もヒット・ポイントも破壊DCも上がっている。魔法によってできる強度は、普通は硬度2倍、ヒット・ポイント2倍、破壊DC+20までである。魔法処理ずみの壁は、壁に影響を与える可能性のある呪文に対して、セーヴィング・スローを行なうことができるようになる。セーヴ時のボーナスは2+(壁を増強した魔法の術者レベル÷2)である。魔法処理ずみの壁を作るには、《その他の魔法のアイテム作成》特技に加えて、壁を一辺10フィートの正方形1つぶん作るごとに1,500gpが必要になる。
 狭間窓のある壁:狭間窓のある壁は、耐久性のある素材ならどんな素材からできていてもいいが、石造りや岩盤を掘りぬいてできた壁や木の壁が元になっていることが一番多い。狭間窓のある壁を使えば、防御側は壁で身を守りながら侵入者にアローやクロスボウのボルトを射かけることができる。このような場合、射手は良好な遮蔽を受け、これによってACに+8のボーナス、反応セーヴに+4のボーナスを得、加えて“身かわし強化”のクラスの特徴を持っているものとして扱われる。

Floors

 壁と同様、ダンジョンの床にも多くの種類がある。
 石畳:石造りの壁と同様、石畳も石を組み合わせてできている。大概はひび割れており、何とか平らというレベルのもの。われめにはスライムが育ちモールド(カビ)がはびこっている。ときには水が石と石の間を小川となって流れたり、1ヶ所に水たまりを作っていることもある。石畳はダンジョンの床のうち、もっともよく見受けられるものである。
 でこぼこした石畳:時がたつと、石畳の一部はでこぼこがひどくなる。こうした床面を通って疾走や突撃を行なうには、〈軽業〉判定(DC10)が必要である。失敗すると、そのキャラクターはこのラウンドの間、移動することができない。これと同じくらい不安定な床はルールに規定せず、例外とすべきである。
 岩盤を掘りぬいた床:岩盤を掘りぬいた床はごつごつ、でこぼこしており、ぐらぐらする石や砂利や泥などに覆われていることが多い。こうした床を通って疾走や突撃を行なうには、〈軽業〉判定(DC10)が必要である。失敗してもキャラクターが行動できなくなるわけではないが、ただ、そのラウンドには疾走も突撃もできなくなる。
 軽度の瓦礫:小さな瓦礫の塊が地面のそちこちに転がっている。軽度のがれきは〈軽業〉のDCを+2する。
 重度の瓦礫:地面が大小の瓦礫に覆われている。“重度の瓦礫”に覆われたマスに入るには、1マスにつき2マスぶんの移動がかかる。“重度の瓦礫”は〈軽業〉のDCを+5、〈隠密〉のDCを+2する。
 なめらかな石材の床:仕上げをほどこし、時には磨きまでかけた、なめらかな石の床。この種の床は有能で丁寧な建設者が造ったダンジョンにのみ見られる。
 自然石の床:自然洞窟の床は、自然洞窟の壁と同様にでこぼこしている。洞窟に広い平らな底面があることはめったにない。というより、自然洞窟の床は高さが一定ではないのである。隣の床面の高さがほんの1フィートしか違わないこともあり、そんなところを通るのは階段を登るのと同様にやさしい。しかし別の場所では、床が突然何フィートも高くなったり低くなっており、1つの床から次の床へ進むのに〈登攀〉判定が要る。自然洞窟の床に“踏み分け道”のようなものができて、はっきりとわかるようになっていれば別だが、そうでない場合、自然石の床のマス目に入るには1マスにつき2マスぶんの移動がかかる。また、〈軽業〉判定のDCは+5される。疾走や突撃は、先ほど述べた“踏み分け道”を通って行なうのでない限り、不可能である。
 すべりやすい床:この段で述べたダンジョンの床はどれも、水や氷や粘液や血によって、より厄介になることがある。床がすべりやすくなっている場合、〈軽業〉のDCは+5される。
 格子:床に格子があり、その下には穴や、通常の床よりも低いエリアがある。格子は鉄製なのが普通だが、大きな格子の中には鉄で補強した木製のものもある。格子の多くはちょうつがいで開き、下へ行けるようになっている(この種の格子は扉と同様、鍵がかかっていることもある)。ただし、中には稼働しない、固定式のものもある。厚みが1インチの典型的な格子は、hp25、硬度10、打ち破ったり壊して取りのけたりするDCは27。
 岩棚や張り出し:岩棚や張り出しがあると、クリーチャーは低いエリアの上を歩くことができる。岩棚や張り出しはしばしば、縦穴の壁面をぐるりと囲み、地下水脈に沿って走り、大きな部屋の周りのバルコニーになり、あるいは射手が眼下の敵に矢弾を射かける足場となる。狭い岩棚や張り出し(幅12インチ未満のもの)を渡る場合、〈軽業〉判定が必要になる、失敗すると落ちる。岩棚や張り出しには手すりが付いていることもある。その場合、そこを移動する際の〈軽業〉判定には+5の状況ボーナスがつく。また、手すりのそばにいるキャラクターは、突き飛ばしによって岩棚や張り出しから突き落とされるかどうかを判定する際、対抗【筋力】判定に+2の状況ボーナスを得る(訳注:現在、突き飛ばしのルールは変わっていることから、この+2の状況ボーナスは戦技防御値に適用されると思われる)。
 岩棚や張り出しには、へりに高さ2、3フィート程度の低い壁がついていることもある。こうした壁は、壁の向こう30フィート以内からの攻撃に対して遮蔽を提供する(ただし、防御側が攻撃側よりも壁に近い場合に限る)。
 透明な床:補強したガラスや魔法の材質(それこそウォール・オヴ・フォースの場合もある)でできた透明な床があれば、危険な舞台を上から安全に眺めることができる。透明な床は時として溶岩の池、闘技場、モンスターを入れる囲い、拷問部屋などの上に配置される。また、防御側が重要なエリアに侵入者が入ってくるのを見張るのに使われることもある。
 スライドする床:スライドする床というのは、実のところ床についた“落とし戸”の一種だと言ってよい(動いて、その下にあるものを明るみに出すのが役目だから)。スライドする床は、普通はごくゆっくり動くので、上に立っている者たちは、床がスライドしてできる隙間に落ちることはなくてすむ(逃げ場があれば)。最も中には、急速にスライドするので、キャラクターたちが下に落ちてしまいかねないものもある。落ちた先に何があるのかはいろいろである。針の植わった穴、燃える油の大おけ、シャーク(鮫)でいっぱいの水中……いずれにせよ、こうした急速にスライドする床は“罠”扱いになる。
 しかけ床:しかけ床は突然危険なものになるように作られている。一定の重量をかけたり、近くのどこかでレバーを引いたりすると、床から槍が飛び出したり、隠れた穴から蒸気や炎がごうと吹き出したり、床全体が回り舞台よろしく一回転したりするのである。この種の風変わりな床は、戦闘の舞台となるエリアに配置されていることが多く、戦闘をより面白く危険なものにするようにできている。この種の床は罠と同様に作成すること。

Doors

 ダンジョン内の扉は単なる入口や出口ではない。扉自体が遭遇であることも多い。ダンジョンの扉には大別して3種がある。木製、石製、鉄製。

表:『扉』
扉の種類 一般的な厚さ 硬度 ヒット・ポイント 破壊DC
たてつけの悪い場合 鍵がかかっている場合
普通の木製の扉 1インチ 5 10hp 13 15
上質の木製の扉 1.5インチ 5 15hp 16 18
頑丈な木製の扉 2インチ 5 20hp 23 25
石製の扉 4インチ 8 60hp 28 28
鉄製の扉 2インチ 10 60hp 28 28
木製の落とし格子 3インチ 5 30hp 25 * 25 *
鉄製の落とし格子 2インチ 10 60hp 25 * 25 *
15 30hp
ちょうつがい 10 30hp
* ……これは持ち上げる場合のDC。破壊する場合のDCは、同じ材質の扉のものを使うこと。

 木製の扉:分厚い板材を釘止めしたもの。強度を上げるためや、ダンジョンの湿気で木の板が反るのをおさえるために、鉄で補強する例もある。木製の扉は最もよくある扉である。その頑丈さはさまざまで、普通、上質、頑丈の3種がある。普通の木製の扉(破壊DC15)は、本気で扉を壊そうとする相手を通さないようには作られていない。上質な木製の扉(破壊DC18)は、しっかりしていて長持ちするが、それでも打撃が続けば持ちこたえられない。頑丈な木製の扉(破壊DC25)は鉄で補強されており、無理やり通ろうとする者に対して、かなりよい障壁となる。扉は鉄のちょうつがいで戸口の枠に取り付けられている。扉の中ほどには引き輪があって、これを持って扉を開けるようになっていることが多い。引き輪の代わりに鉄の引き棒が扉の一方または両方に付いていて、これが取っ手代わりになるというつくりの扉もある。住人のいるダンジョンでは、こうした扉は手入れが行き届いており(たてつけが悪くなってはおらず)、鍵もかかっていないことが多い。それでも重要エリアの扉は、鍵がかけられるものなら、かけてあるだろう。
 石製の扉:堅固な石塊から掘り出した、この種の重く扱いにくい扉は、まん中を軸に回転するつくりになっていることが多い。とはいえドワーフなど、腕のいい工匠なら、石製の扉を支えるだけの強度を持つちょうつがいをこしらえることもできる。石の壁にある隠し扉は石製の扉であることが多い。それ以外では、石製の扉は何か大事なものを守るための頑丈な障壁として配置される。従って鍵やかんぬきがかかっていることが多い。
 鉄製の扉:ダンジョン内の鉄製の扉は、錆を吹いてはいても堅牢で、木製の扉と同様にちょうつがいで固定されている。魔法によらない扉の中では、最も頑丈な代物である。鍵やかんぬきがかかっていることが多い。
 扉の破壊:ダンジョンの扉は鍵がかかっていたり、罠があったり、補強されていたり、魔法の力で封印されていたり、単にたてつけが悪くて開かなかったりする。よほど力が弱くない限り、キャラクターなら誰でも、重い道具(大金槌など)を使って時間をかければ扉を打ち壊せる。また、特定の呪文や魔法のアイテムを使えば、キャラクターたちが鍵のかかった扉を片付けるのも簡単になる。
 扉を斬撃武器や殴打武器で文字通り粉砕する場合、表『扉』にある硬度とヒット・ポイントを使用すること。扉を打ち壊す際のDCを決めるには、以下をガイドラインとして用いること。
 DC10以下:誰でも打ち破れるような扉
 DC11~15:力の強い人物なら1回で打ち破れるだろうし、平均的な人物でも1回で打ち破れるかもしれない扉
 DC16~20:時間があればほとんど誰でも破ることができる扉
 DC21~25:力の強い、あるいは非常に力の強い人物だけが打ち破れる可能性があり、そうした人物でもおそらくは1回では破れないであろう扉
 DC26以上:極めて力の強い人でもなければ、打ち破ることはできないであろう扉
 :ダンジョンの扉には往々にして鍵がかかっている。このため〈装置無力化〉技能はたいそう重宝する。錠は通常、扉の内部の、ちょうつがいがあるのと逆側のヘリか、扉の中ほどに仕込まれている。組みこみ型の錠は、扉から鉄の棒が突き出して戸口の枠の穴にはまる仕組みだったり、鉄やがんじょうな木の棒が横すべりにすべって扉の向こう側でかんぬき状になる仕組みだったりする。一方、南京錠は扉の内部に組み込まれているのではなく、通常は扉についた輪っかと壁に付いた輪っかを錠前でつないでいる。もっと複雑な錠、たとえば組み合わせ錠やパズル式の錠などは、扉の内部に組み込まれているのが普通である。この種の“鍵のない錠前”は値が張るので、もっぱら堅牢な扉(すなわち、鉄で補強した木製の扉、石製の扉、鉄製の扉)に付いている。
 〈装置無力化〉判定で鍵を開ける際のDCは、20~30の枠内に収まることが多いが、これよりDCの高い錠や低い錠もあるにはある。1つの扉に2つ以上の錠がついていることもあり、それぞれ別々に解錠しなければならない。錠に罠が仕込まれていることも多い。毒針が出てきてローグの指をちょんとつっつくというのが普通である。
 時として、錠を壊すほうが、扉全体を壊すより早いことがある。PCが武器で錠をがつんとやろうとしたら、典型的な錠は硬度15、30ヒット・ポイントとして扱うこと。錠が壊れるのは、扉と別々に攻撃された場合だけである。従って、組みこみ式の錠をこの手段で壊すことはできない。住人のいるダンジョンでは、扉に鍵がかかっている場合、必ずどこかに鍵があることをお忘れなく。
 特殊な扉には、錠があっても鍵がないという場合もある。かわりに扉の近くにある複数のレバーを正しい組み合わせで上げ下げすることで開いたり、模様の書かれたボタンがたくさんあって、それを正しい順番で押すと開いたりするのである。
 たてつけの悪い扉:ダンジョンは往々にして湿気が多いため、扉のたてつけが悪くなって開かなくなることもある。特に木製の扉に多い。木製の扉の約10%、木製でない扉の約5%は“たてつけが悪い”ものと見なすこと。長いこと忘れられていたり、放っておかれたりしたダンジョンの場合、この確率を2倍にすること(つまり木製の扉は20%、木製でない扉は10%になる)。
 かんぬきのかかった扉:キャラクターがかんぬきのかかった扉を打ち開けようとする場合、扉自体の材質ではなく、かんぬきの頑丈さの方が重要になる。木のかんぬきのかかった扉を打ち明けるにはDC25の【筋力】判定、かんぬきが鉄ならDC30の【筋力】判定が必要になる。ただし望むならかんぬきを無視して扉のほうを攻撃して破壊し、かんぬきは開いた戸口に突き出したままでほうっておくという手もある。
 魔法の封印アーケイン・ロック等の呪文によって、扉を通過するのがより面倒になっていることがある。アーケイン・ロック呪文のかかった扉は、たとえ物理的な錠はなくとも、鍵のかかったものと見なされる。これを開けるにはノックディスペル・マジックの呪文を使うか、【筋力】判定に成功しなければならない。
 ちょうつがい:ほとんどの扉にはちょうつがいがある。もちろんスライド式のドアにはついていない(代わりにレールかみぞがあって、簡単に片方にすべらせることができるようになっているのだ)。
 普通のちょうつがい:このちょうつがいは金属製で、扉の片方の端と戸口枠や壁をつないでいる。扉はちょうつがいのあるほうに向けて開くことを忘れないように。このため、ちょうつがいがPCたちのいるほうにあれば、扉はPCたちのほうに開く。そうでなければ、扉はむこう側に開く。冒険者たちは〈装置無力化〉判定に1度成功するごとに1つのちょうつがいを取り外せる(もちろん、ちょうつがいが扉のこちら側にあればの話だが)。ほとんどのちょうつがいは錆びて離れなくなっているので、取り外す作業はDC20。一方、ちょうつがいを打ち壊すのは難しい。ほとんどのちょうつがいは硬度10、30ヒット・ポイントを有する。ちょうつがいの破壊DCは扉を打ち壊す際のDCに等しい。
 入れ子式ちょうつがい:このちょうつがいは普通よりずいぶん複雑なつくりで、よほど立派なつくりの場所にのみ見られる。この種のちょうつがいは壁の内部に仕込まれており、扉をどちらの向きにも開くようにしている。PCたちがちょうつがいに取りついていじろうと思ったら、まず戸口の枠なり壁なりをぶち抜かないといけないというありさま。入れ子式ちょうつがいは石の扉に見られることが多いが、木や鉄の扉に付いていることもある。
 旋回軸:旋回軸というのは実のところ、ちょうつがいでもなんでもない。単に扉の上下にこぶがついていて、そのこぶが戸口の枠に開いた穴にはまるようになっているだけのものである。旋回軸の利点は、ちょうつがいと違って取り外されずにすみ、作るのも簡単だということ。欠点は扉が重心(普通は中央)を中心に旋回するため、扉の幅の半分までのものしか通れないということだ。旋回軸のついた扉は石製のものが多く、先述の欠点を補うために横幅がかなり広くなっていることがよくある。欠点を補う方法その2は、旋回軸を片側に寄せ、扉の一方を厚く、もう一方を薄くして、もっと通常の扉に似た開き方をするようにしておくことである。壁にある隠し扉には、旋回軸を中心に旋回するものが多い。ちょうつがいがないぶん、扉があることを隠しやすいからである。また、旋回軸を使えば、本棚等の調度を隠し扉として働くようにすることもできる。
 隠し扉:一見、単なる壁面(や床や天井)や書棚や暖炉や噴水のように偽装してある隠し扉を除けば、そこには秘密の通路や秘密の部屋がある。隠し扉のある区画を調べるものは、〈知覚〉判定(典型的な隠し扉ならDC20、巧みに隠してある隠し扉ならDC30)に成功すれば、隠し扉を発見できる(そこにあればの話だが)。
 隠し扉には、隠れたボタンや踏み板を押すなど、特別な方法でないと開かないものも多い。いざ開くときには、通常の扉のように開くものもあれば、回転したり横にすべったり床に沈みこんだり天井に上がっていったり、はね橋上に下りたりして入口ができるものもある。ダンジョンを作る側は、隠し扉を床近くの低いところや壁の高い所に配して、見つけたり取りついたりするのを難しくすることもある。ウィザードやソーサラーにはフェイズ・ドア呪文があり、これを使えば彼らにしか使えない魔法の隠し扉ができる。
 魔法の扉:ダンジョンの本来の建設者たちが魔法をかけたことにより、扉は探検家たちに話しかけたり、戻れと警告したりするかもしれない。損害を受けるのを防ぐために、硬度やヒット・ポイントや、ディスインテグレイト等の呪文に対するセーヴィング・スローが高くなっていることもある。魔法の扉は、扉の向こうに見える空間につながっているとは限らず、どこか遠くの土地や、ことによると別の次元界につながる門になっている場合もある。また、合言葉や特殊な鍵がないと開かないものもある。
 落とし格子:これも言ってみれば扉の一種で、鉄の棒や、鉄のたがをはめた太い木の棒を組み合わせたつくりで、戸口の上の天井のくぼみから落ちてくる。横棒があって格子状になっていることも、そうでないこともある。巻き上げ機やキャプスタンを使って引き上げるしくみになっていることが多い。落とすときはすぐに落ちる。落とし戸の下端にはスパイク(棘)が着いていて、下に立つ者をおどし、落とし格子が落ちる最中に下をくぐりぬけようという気をなくさせる。下に落ちた落とし格子はそこで固定される。ただし中にはあまり重くて、固定するまでもなく常人には持ち上げられない代物もある。典型的な落とし格子を持ち上げるには【筋力】判定(DC25)が必要となる。

壁と扉とディテクト系呪文の関係 Walls, Doors, and Detect Spells

 石の壁、鉄の壁、鉄製の扉には、ディテクト系の呪文(ディテクト・ソウツなど)を妨害するだけの厚さがあるのが普通である。木の壁、木製の扉、石製の扉には、それだけの厚さはないのが普通である。ただし壁に仕込まれた、壁と同じだけの(かつ1フィート以上の)厚さがある石造りの隠し扉は、ほとんどのディテクト系呪文を妨害する。

階段 Stairs

 ダンジョン内の階と階をつなぐ通常の方法は、階段を使うことである。階段の上り下りにおいてキャラクターは移動速度にペナルティを受けることはないが、疾走することはできない。階段では、〈軽業〉技能の判定のDCが4上昇する。階段には特に急であるため移動困難な地形と見なされるものもある。

落盤と崩落(脅威度8) Cave-Ins and Collapses

 トンネルの落盤や崩落は実に危険なしろものだ。ダンジョン探検家たちは、落ちてくる何米トンもの岩に押し潰される危険に加えて、たとえ生き延びても山のように積もった石くれに埋もれて動けなくなったり、これまでにわかっている唯一の出口への道を閉ざされてしまったりする。落盤が起きると、崩落したエリアのまっただ中(埋没域という)にいる者はみんな埋もれてしまい、崩落の周辺部(流出域という)にいる者も転げてくる瓦礫でダメージを受ける。天井が弱くなっていて落盤の可能性があることに気付くには、〈知識:工学〉または〈製作:石工〉の判定(DC20)に成功すればよい。〈製作〉技能は未修得でも【知力】判定で代用できることに注意されたい。ドワーフは弱くなっている天井の10フィート以内を通りがかっただけで自動的にこの種の判定を行える。
 弱くなっている天井は、何か大きな衝撃や振動が始まれば崩落する可能性がある。また、キャラクターが天井を支えている柱の半分以上を破壊した場合も崩落が起きる。
 埋没域内のキャラクターは8d6ポイントのダメージを受ける。反応セーヴ(DC15)に成功すれば半分ですむ。その上で、いずれにせよ“埋没”する。流出域内のキャラクターは3d6ポイントのダメージを受ける。反応セーヴ(DC15)に成功すればダメージを受けない。この反応セーヴに失敗したキャラクターは“埋没(buried)”する。
 “埋没”したキャラクターは、その状態が続く限り、1分ごとに1d6ポイントの非致傷ダメージを受ける。意識を失ったなら【耐久力】判定(DC15)を行なうこと。これに失敗すれば、以後は掘り返されるか死ぬまで、1分ごとに1d6ポイントの致傷ダメージを受ける。
 “埋没”せずにすんだキャラクターは、仲間を掘り出すことができる。なにも道具なしに手だけでやるなら、1分ごとに自分の重荷重の5倍までの石や瓦礫を取り去れる。一辺5フィートの立方体の空間を満たす石くれの量は1米トン(2,000ポンド)である。つるはし、かなてこ、ショベルなど、しかるべき道具を持っていれば、手でやる場合の2倍の早さで石くれをきれいに取り除けられる。“埋没”したキャラクターは【筋力】判定(DC25)に成功すれば自力で脱出することができる。

スライム、カビ、菌類 Slimes, Molds, and Fungi

 ダンジョンの暗くじめじめした片隅には、カビや菌類が繁茂している。呪文その他の特殊効果に関しては、スライム、カビ、菌類はみな植物として扱うこと。罠と同様、危険なスライムやカビには脅威度があり、キャラクターはこれと遭遇することで経験値を得る。
 暗く湿った場所にあまり長く放っておかれると、ほとんどのものは有機物のねばねばに覆われる。この種のスライム(ねばねばしたもの)は、たしかに気色の悪いものかもしれないが、危険なものではない。暗く涼しく湿った場所には、カビや菌類がはびこる。ダンジョンによくあるスライムと同様に無害なものもあれば、きわめて危険な物もある。マッシュルーム、ホコリタケ、酵母菌、白カビ、その他いろいろの丸いキノコや細長いキノコや平たいキノコは、大方のダンジョン中に生息している。通常は無害であり、一部は食用に適する(あまりうまくなかったり、変な味がするものも多いが)。
 ブラウン・モールド(茶色いカビ)脅威度2:ブラウン・モールドは熱を食って生きており、周囲のあらゆるものから熱を奪い取る。通常は直径5フィートの斑点となって生育しており、その周囲、半径30フィートの気温は常に冷たい。このカビから5フィート以内の生きているクリーチャーは3d6ポイントの[冷気]による非致傷ダメージを受ける。5フィート以内に炎を持っていくと、カビの斑点は即座に2倍の大きさになる。[冷気]ダメージ、例えばコーン・オヴ・コールドによるダメージなどを与えれば、ブラウン・モールドは即座に破壊される。
 グリーン・スライム(緑色のねばねばしたもの)脅威度4:スライム(ねばねばしたもの)はダンジョンにはごくありふれたものだが、グリーン・スライムはその危険なバージョンである。触れた肉や有機物をむさぼり食い、金属すら溶かしてしまう。色は明るい緑色、水気があってねばねばしており、壁や床や天井に斑点のように群生して、有機物を取りこむにつれて増殖する。下で何らかの動きが(そしておそらくは食物が)あると、壁や天井から落ちてくる。
 一辺5フィートのマスを占めるグリーン・スライムは、肉を1ラウンドむさぼり食うごとに、相手に1d6ポイントの【耐久力】ダメージを与える。接触した最初のラウンドには、グリーン・スライムをクリーチャーからこそげ落とすことができる。これにより、こそげ落としに使った器具は破壊される公算が高い。だが次のラウンドからは、凍らすか焼くか切り取るしかない。これにより、スライムの犠牲者にも同様にダメージが及ぶ。[冷気]ダメージや[火]ダメージを与えるもの、太陽の光、リムーヴ・ディジーズの呪文はグリーン・スライムの一塊を破壊する。木材や金属に対しては、グリーン・スライムは1ラウンドあたり2d6ポイントのダメージを与える。このとき金属の硬度は無視されるが、木材の硬度は有効である。石にはダメージはない。
 フォスフォレッセント・ファンガス(ヒカリゴケ):この地下で育つ奇妙なキノコは、ちょうど小さな森のようなかっこうで群生する。そしてスミレ色のおぼろげな光を放ち、その光はちょうどろうそくと同じように地下洞窟や通路を照らす。ごく稀に、松明ほどの光を放つものも存在する。
 シュリーカー:この人間大の紫色のマッシュルームは、動くものや光源が10フィート以内に近づくやいなや、1d3ラウンド続くひどい音を発生させる。この叫び声により、50フィート以内で発生した一切の音が聞こえなくなってしまう。また、この音を調査するために配置された近くのクリーチャーを引き寄せる。シュリーカーの近くに生息するクリーチャーには、この音が食料や侵入者が近くにいることを意味すると学習したものもいる。
 イエロー・モールド(黄色いカビ)脅威度6:この一辺5フィートのマスを占めるカビの群れは、平穏を乱されると有毒な胞子の雲を放出する。10フィート以内にいる者は、みな頑健セーヴ(DC15)を行い、失敗すると1d3ポイントの【耐久力】ダメージを受ける。以降の5ラウンドの間、毎ラウンド頑健セーヴ(DC15)を行ない、失敗したならラウンドごとに1d3ポイントの【耐久力】ダメージを受ける。頑健セーヴに成功したなら、この効果は終了する。イエロー・モールドは火で焼かれると破壊される。また、太陽光を受けると活動を休止する。

Traps

 ダンジョンを取り巻く環境において、罠はよく見られる危険である。赤熱した炎から無数の毒のダーツまで、罠は価値ある財宝を守ったり侵入者の侵攻を止めるのに役立つ。

罠の諸要素 Elements of a Trap

 機械式の罠も魔法の罠もひっくるめて、あらゆる罠には以下の要素がある:脅威度、種類、〈知覚〉DC、〈装置無力化〉DC、作動条件、再準備条件、効果である(訳注:“持続時間”が追加されている)。トラップには毒や回避方法といった、オプション要素が含まれるトラップもある。個々の要素については、以下に示していく。

種類 Type

 事実上、罠は機械式の罠か魔法の罠のいずれかである。
 機械式の罠:ダンジョンには邪悪きわまる機械式の(=魔法のものではない)罠が頻繁にしかけられている。罠はおおむね、以下のことがらを持って定義される――どこにあるか、どうすれば作動するか、作動する前に見つけるのがどの程度難しいか、ダメージをどの程度与えるか、影響を最小限にするためにキャラクターはセーヴィング・スローを行なうことができるかどうか、である。アロー(矢)や切り払う刃など、武器で攻撃する罠は、通常の攻撃ロールを行なう。攻撃ボーナスは罠の作りしだいで、個々の罠ごとに違う。PCが機械式の罠を作るには、〈製作:罠〉技能に成功する必要がある(『罠の設計方法』と〈製作〉技能を参照)。
 〈知覚〉判定に成功したクリーチャーは、罠が作動する前にその存在に気付く。この判定のDCは罠ごとに設定されている。一般に、判定に成功したということは、罠が起動する機構(踏み板や、扉の取っ手に取り付けられた奇妙な機構など)についてクリーチャーが識別できたことを表す。DCを5以上上回ったなら、罠が発動した際に起こることの示唆を得ることができる。
 魔法の罠:危険な罠を作り出すのに使える呪文は多い。呪文やアイテムの説明に特に記述がない限り、以下のルールが適用される。
  • 〈知覚〉判定(DC25+呪文レベル)に成功すれば、魔法の罠が作動する前にその存在に気づける。
  • セーヴィング・スローに成功すれば、魔法の罠の効果を受けずにすむ(DCは10+呪文のレベル×1.5)。
  • クラス特徴“罠探し”を持っているキャラクターは〈装置無力化〉判定(DC25+呪文レベル)に成功することで魔法の罠を解除できる。他のキャラクターは〈装置無力化〉技能の判定で魔法の罠を解除することはできない。

 魔法の罠は呪文の罠と魔法装置の罠に大別される。魔法装置の罠は、作動すると、ちょうどワンドやロッドやリング等の魔法のアイテムのように呪文の効果を生み出す。魔法装置の罠を作るには、《その他の魔法のアイテム作成》の特技が必要である。 呪文の罠というのは、単に“罠としてはたらく呪文”のこと。呪文の罠を作るには、その呪文を発動できるキャラクターの協力が要る。普通は罠を作る本人が発動するか、罠を作るために雇われた呪文の使い手のNPCが発動する。

〈知覚〉と〈装置無力化〉のDC Perception and Disable Device DCs

 作成者は機械式の罠の〈知覚〉DCと〈装置無力化〉DCを設定できる。魔法の罠の場合、これらのDCは罠を作るのに使った呪文のうち、最も呪文レベルの高いものによって定まる。
 機械式の罠の場合:〈知覚〉および〈装置無力化〉の基本的なDCは20である。これらのDCのいずれかを上下させると、罠の脅威度が変化する(表:『機械式の罠の脅威度修正値』)。
 魔法の罠の場合:〈知覚〉および〈装置無力化〉のDCは(25+使った呪文のうち最も呪文レベルの高いものの呪文レベル)である。魔法の罠に対して〈装置無力化〉を行えるのは“罠探し”のクラス特徴を有するキャラクターのみである。

作動条件 Trigger

 作動条件というのは、“何をどうしたらその罠が動き出すか”である。
 場所:作動条件が“場所”となっている罠は、誰かが特定のマス目に立ち入った時点で作動する。
 距離:この作動条件が付いている罠は、誰かが特定のマス目に立ち入った時点で作動する。この作動条件が“場所”と違うのは、クリーチャーが特定のマス目に立っている必要はないという点である。たとえば飛行しているクリーチャーは、作動条件が“距離”の罠を作動させることはあるが、“場所”の罠を作動させることはない。“距離”式の作動条件のうち機械式のものは、空気のほんのわずかな動きにも過敏に反応するので、空気が本来ほとんど動かない場所(墓所など)でしか使い物にならない。
 魔法装置の罠にもっともよく使われる“距離”式の作動条件は、アラーム呪文である。この呪文を通常に発動した場合と違い、作動条件として用いられるアラーム呪文は、罠で守りたい範囲だけをカバーするようにしておくことができる。
 魔法装置の罠の中には、特定の種類のクリーチャーが近づいた時のみ作動する、特殊な“距離”式の作動条件を有するものもある。たとえば悪の祭壇にディテクト・グッド呪文が“距離”式の作動条件として仕掛けてあり、善の属性を持つ者が充分近づいてきた時のみ、かねて用意の罠を作動させるといった具合。
 音声:この作動条件は、何らかの音を感知したなら罠を作動させる。“音声”式の作動条件は、ちょうど生き物の耳のように働き、〈知覚〉判定のボーナスは+15である。〈隠密〉判定に成功するか、魔法的な静寂か、そのほか音を聞こえなくする何らかの効果を用いれば、罠を作動させずにすむ。“音声”式の作動条件を有する罠を作るには、作成過程でクレアオーディエンスを発動する必要がある。
 視覚:この作動条件は魔法の罠用のもので、ちょうど実際の目のように働き、何かを“見る”と罠を働かせる。“視覚”式の作動条件を有する罠を作るには、作成過程でアーケイン・アイクレアヴォイアンストゥルー・シーイングのいずれかを発動する必要がある。見える距離と罠側に付く〈知覚〉ボーナスは、次の表にある通り、呪文によって異なる。

呪文 見える距離 〈知覚〉ボーナス
アーケイン・アイ 視線が通る範囲(距離無制限) +20
クレアヴォイアンス あらかじめ選択した1箇所 +15
トゥルー・シーイング 視線が通る範囲(最大120フィート) +30

 暗闇で闇を見る力を罠に与えたいなら、トゥルー・シーイング版を使うか、あるいは追加でダークヴィジョンまで発動する必要がある(ダークヴィジョンのほうにした場合、暗闇で物が見える距離は60フィートに制限される)。透明化や変装や幻術は、罠に使われた呪文自体をごまかせるようなら、“視覚”式の作動条件をもごまかせる。
 接触:“接触”式の作動条件は、何かが触れると罠が作動するというもの。作動条件の中でも、ごく容易にしつらえられるものである。この作動条件はダメージを与えるからくりに物理的にくっついている場合もあるし、そうでない場合もある。魔法の“接触”式の作動条件を設けることもできる。それには罠にアラーム呪文を付け足し、呪文の効果範囲を狭めて作動の引き金となる一点だけにする必要がある。
 時限:“時限”式の作動条件は、一定時間が経過するごとに、定期的に罠を働かせる。
 呪文:呪文の罠はすべて、“呪文”式の作動条件を有する。“呪文”式の作動条件がどうやったら作動するかは、各呪文の記述を参照のこと。

持続時間 Duration

 別の方法で始めたのでない限り、ほとんどの罠の持続時間は瞬間である。ひとたび作動したなら、その効果が表れ、そしてその機能はとまる。罠にはラウンド単位で持続時間があるものもある。そのような罠は、ラウンドごとのイニシアチブの一番最初で記載された効果を発動する(あるいは戦闘の間、起動条件を満たし続ける限り起動し続ける)。

再準備条件 Reset

 罠の再準備条件というのは、“何をどうしたらその罠がもう一度作動可能になるか”である。罠を再準備するのは、普通は1分かそこらですむ。罠の再準備方法がもっと複雑な場合、かかる手間はGMが決定すること。
 再準備不可:この罠は、罠全体を一から作り直さない限り、一度しか作用しない。呪文の罠は再準備不可である。
 修理:この罠が再び機能するようにするには、罠を修理しなければならない。機械式の罠を修理するには、〈製作:罠〉が必要である。DCはその罠を作る際のDCに等しい。修理にかかる原材料費は、罠本来の市価の1/5である。罠を直すのにかかる時間を計算するのは、作成時と同様の計算方法でやるが、罠の市価の代わりに修理にかかる原材料費を用いること。
 手動:この罠を再準備するには、誰かが罠の部品を本来の位置に戻してやらなければならない。機械式の罠の大方は、再準備条件が“手動”になっている。
 自動:この罠はひとりでに再準備される。即座に再準備されるものもあり、一定の期間をおいて再準備されるものもある。

通りぬけ方法(オプション要素) Bypass

 罠の作成者が、作成後/設置後もその罠をくぐりぬけて移動したいと思っているなら、何らかの通りぬけ用のしかけ(罠を一時的に解除するしかけ)をしておくというのはよい考えだ。“通りぬけ方法”の要素は、機械式の罠にしかないのが普通である。呪文の罠の場合、もともと術者自身は迂回できるようになっていることが多い。
 :錠による通りぬけが可能になっている場合、〈装置無力化〉判定(DC30)に成功すれば通り抜けられる。
 隠しスイッチ:隠しスイッチは〈知覚〉判定(DC25)に成功すれば発見できる。
 隠し錠:隠し錠は“錠”の要素と“隠しスイッチ”の要素を組み合わせたものといえる。発見するには〈知覚〉判定(DC25)、その後罠を無事通りぬけるには〈装置無力化〉判定(DC30)が必要となる。

効果 Effect

 罠の効果というのは、“その罠を働かせてしまった奴に何が起こるか”をあらわす。通常、これはダメージか呪文効果の形をとるが、中にはもっと別の、特別な効果を有するものもある。罠は通常、自ら攻撃ロールを行なうか、相手に罠を避けるためのセーヴィング・スローを強要する。中には両方を行なう罠もあれば、どちらも行わない罠(『決して外れない』を参照)もある。
 落とし穴:落とし穴というのは、キャラクターが落ちてダメージをこうむる可能性のある穴のことである。覆いをして隠してあるものも、覆いがなくむき出しのものもある。落とし穴に攻撃ロールはない。キャラクターは反応セーヴ(DCは作成者が決定)に成功すれば穴に落ちずにすむ。セーヴを要するこれ以外の機械式の罠もこの分類に属する。
 覆いのないむきだしの落とし穴と自然の裂け目は、主に侵入者を脅かして特定の(落とし穴のある)道を進む気をなくさせるのに使われる。とはいえ、暗闇でうっかり落ち込んでしまったキャラクターたちは、まことに悲しい目を見ることになろう。また、むきだしの落とし穴のそばで近接戦闘が起きた場合、穴は事態をいっそう厄介なものにするだろう。
 覆いをして隠してある落とし穴は、一層危険な代物である。これを発見するには〈知覚〉(DC20)が必要で、しかもキャラクターが落とし穴の上を通る前に時間をかけてそのエリアを子細に捜索した場合に限られる。覆いをした落とし穴を見つけられなかったキャラクターも、反応セーヴ(DC20)はでき、成功すれば落ちずにすむ。しかし疾走中だったり、その他不注意な移動をしていたりすれば、セーヴィング・スローは行えず、自動的に落ちる。
 落とし穴の覆いかたはいろいろで、藁や木の葉や棒切れやごみくずなど、いらないものを積み重ねただけだったり、大きなぼろきれ一枚だったり、普通の床の一部に見えるように偽装された落とし戸だったりする。落とし戸は普通、十分な重量(通例、50~80ポンド)がかかると開くしくみになっている。ずるがしこい罠つくりは、開いた後で元通りに閉じ、次の獲物を待ち受けるしくみの落とし戸を作ることもある。これのバリエーションとして、いったん元通りに閉じると鍵がかかり、引っかかったキャラクターはまったく完全に閉じこめられてしまうというものもある。この手の落とし戸を開けること自体は、通常の扉を開けるのと同程度の難しさだが、それもキャラクターたちが落とし戸に取りつくことができたとしての話だ。加えて、ばねで閉まる仕組みの扉を開けたままにしておくには、【筋力】判定(DC13)が必要になる。
 落とし穴の罠の底には、ただの固い床より、もっとひどいものがあることも多い。罠を作る側は、穴の底にスパイクやモンスター、酸の池、溶岩の海、あるいは水があるようにする。落とし穴の底にあるスパイクやその他、追加される物については、“罠のその他の特徴”の項を参照のこと。
 モンスターが罠の中にいる場合もある。穴の底に住みついているモンスターは、ダンジョンの設計者によってそこに配置された場合もあれば、単に落ちてしまって登れなかった場合もある。
 落とし穴の底に第2の罠がしかけてあったら、その罠が機械式のものだろうが魔法のものだろうが、これはもう危険極まりないことになる。犠牲者が落ちてくると、第2の罠が作動し、すでに傷ついている犠牲者を、相手がまったく備えのできていないときに襲うのである。
 遠隔攻撃型の罠:この型の罠は、ダーツやアローやスピア等々を、罠を作動させたものに浴びせかける。攻撃ボーナスは作成者が決定する。遠隔攻撃型の罠は高い【筋力】等級を持つコンポジット・ボウの効果を模するように作ることもできる。これにより、その罠のダメージには【筋力】等級と同じだけのボーナスがつく。この型の罠は、同じ型のの矢弾が普通に及ぼすだけのダメージを与える。罠が高い【筋力】等級を有するように作られたなら、ダメージにはその等級と同じだけのボーナスが付く。
 近接攻撃型の罠:壁から飛び出す鋭い刃、天井から落ちかかる岩のブロックなどが“近接攻撃型”の罠である。この型でも、攻撃ボーナスは作成者が決定する。この型の罠は、“使用している”近接武器と同じだけのダメージを与える。石のブロックが落ちてくる場合、GMは石が与える殴打ダメージを隙に設定してよいが、その罠を再準備にはそれだけの石を元通り上に戻さなければならないことに注意。
 近接攻撃型の罠は、まるでその罠自体が高い【筋力】値を有しているかのように、ダメージ・ロールにボーナスが付くように作ることもできる。
 呪文の罠:この種の罠は対応する呪文と同じの呪文の効果を生み出す。セーヴィング・スローを許す呪文の罠のセーヴDCは、呪文と同様、(10+呪文レベル+術者の対応する能力修正値)である。
 魔法装置の罠:この種の罠は作成時に仕込まれた呪文の効果を生み出す。効果は呪文の項にある通り。魔法装置の罠に仕込まれた呪文がセーヴィング・スローを許すなら、セーヴDCは(10+呪文レベル×1.5)である。中にはセーヴがなく、攻撃ロールを行なう呪文もある。
 特殊:罠の中には特殊な効果を生み出すようになっているものもある。たとえば相手をおぼれさせる水攻めの罠や能力値ダメージを与える独など。毒のセーヴDCやダメージは毒の種類によるか、作成者がしかるべく決定する。

罠のその他の特徴 Miscellaneous Trap Features

 一部の罠には追加の特徴があって、一層物騒なものになっている。そうした特徴のうち、比較的よく見られるものを以下に挙げる。
 液体:溺れの危険のある罠がこの分類に入る。液体を用いた罠には“決して外れない”とタイムラグという特徴(いずれも後述)があるのが普通である。
 落とし穴の底にあるもの:落とし穴の底に何かスパイク以外のものがある場合は、それを別個の罠として扱うのが一番よい(『複数の罠』を参照)。その新しい罠には“場所”式の作動条件があって、(落ちてきたキャラクター等によって)大きな衝撃を受けると作動する、という扱いとなる。
 落とし穴の底のスパイク:落とし穴の底のスパイク(棘)はダガー相当の扱いで、それぞれ+10の攻撃ボーナスで攻撃する。穴の深さが10フィートに達するごとに攻撃ボーナスは+1される(最大で+5)。穴に落ちたキャラクターはみな、1d4本のスパイクに攻撃を受ける。このダメージは落下によるダメージに加えられる。後述する統計は、単に最も一般的なものについて述べたものにすぎない。中には、その下にはるかに危険なスパイクを据えた罠もある。落とし穴の底のスパイクは罠の平均ダメージを向上させる(『平均ダメージ』を参照)。
 ガス:ガスの罠は何が危険かというと、そのガスに混じっている毒を吸入するのが危険なのである。ガスを用いた罠には“決して外れない”とタイムラグという特徴(いずれも後述)があるのが普通である。
 決して外れない:ダンジョンの壁全体がキャラクターを押し潰そうと迫ってくる場合、素早い反応も助けにならない(そもそも外れる可能性などありえないので)。“決して外れない”の特徴を有する罠に攻撃ボーナスはない。セーヴィング・スローでこれを回避することもできない。しかしタイムラグ(後述)はある。ガスや液体を用いる罠のほとんどは“決して外れない”である。
 接触攻撃:近接接触攻撃ないし遠隔接触攻撃に成功しさえすれば命中を与えるような罠には、必ずこの特徴がついている。
 タイムラグ:タイムラグとは、その罠が働いてから実際に害を及ぼすまでにどれだけの時間がかかるかである。“決して外れない”罠には必ずタイムラグがある。
 :毒まで使う罠は、同じしくみで毒を使わない罠より危険なので、脅威度も上がる。特定の毒を使うと脅威度がどれだけ上がるのかについては、表『機械式の罠の脅威度修正値』を参照。罠に使えるのは吸入型、接触型、致傷型の毒のみであり、摂取型の毒は使えない。一部の罠は単に毒自体のダメージのみを及ぼす。毒のダメージだけでなく遠隔攻撃や近接攻撃のダメージまで及ぼすものもある。
 複数目標:この特徴を有する罠は、2体以上のキャラクターに影響を与えることがある。
 錬金術アイテム:機械式の罠には錬金術アイテムなどの特殊な物質やアイテムが組みこまれている場合がある。足留め袋、錬金術師の火、雷石などなど。こうしたアイテムの中には、呪文の効果に似たものを生み出すことがある。罠に組み込まれたアイテムが呪文の効果に似たものを生み出す場合、罠の脅威度は上昇する(表:『機械式の罠の脅威度修正値』を参照)。

罠の例 Sample Traps

 以下に挙げるのは、プレイヤー・キャラクターに挑むために罠を作成する際、まさにありそうな罠の例である。

矢の罠 脅威度1

種類 機械式;〈知覚〉DC20;〈装置無力化〉DC20
効果
起動接触式;再準備不可
効果 攻撃+15遠隔(1d8+1/×3)

落とし穴の罠 脅威度1

種類 機械式;〈知覚〉DC20;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備手動
効果 深さ20フィートの落とし穴(2d6、落下);反応セーヴ(DC20)で回避;複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)

毒を塗られたダーツの罠 脅威度1

種類 機械式;〈知覚〉DC20;〈装置無力化〉DC20
効果
起動接触式;再準備不可
効果 攻撃+10遠隔(1d3+グリーンブラッド・オイル)

振り降ろされる斧の罠 脅威度1

種類 機械式;〈知覚〉DC20;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備手動
効果 攻撃+10近接(1d8+1/×3);複数目標(10フィート直線状の範囲にいる全てを目標とする)

バーニング・ハンズの罠 脅威度2

種類 魔法装置;〈知覚〉DC26;〈装置無力化〉DC26
効果
起動距離式(アラーム);再準備不可
効果 呪文効果(バーニング・ハンズ、2d4[火]、反応セーヴ(DC11)に成功すればダメージ半減);複数目標(15フィート円錐形の範囲にいる全てを目標とする)

ジャヴェリンの罠 脅威度2

種類 機械式;〈知覚〉DC20;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備不可
効果 攻撃+15遠隔(1d6+6)

底にスパイクが植わった落とし穴の罠 脅威度2

種類 機械式;〈知覚〉DC20;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備手動
効果 深さ10フィートの落とし穴(1d6、落下);底にスパイク(攻撃+10近接、各目標に対して1d4本のスパイクが、それぞれ1d4+2ダメージ);反応セーヴ(DC20で回避);複数目標 (一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)

アシッド・アローの罠 脅威度3

種類 魔法装置;〈知覚〉DC27;〈装置無力化〉DC27
効果
起動距離式(アラーム);再準備不可
効果 呪文効果(アシッド・アロー、攻撃+2遠隔接触、1ラウンドあたり2d4[酸]ダメージが4ラウンド)

巧みに偽装した落とし穴の罠 脅威度3

種類 機械式;〈知覚〉DC25;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備手動
効果 深さ30フィートの落とし穴(3d6、落下);反応セーヴ(DC20)で回避;複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)

電撃の弧の罠 脅威度4

種類 機械式;〈知覚〉DC25;〈装置無力化〉DC20
効果
起動接触式;再準備不可
効果 電撃の弧(4d6[電気]、反応セーヴ(DC20)で半減ダメージ);複数目標(30フィート直線状の範囲にいる全てを目標とする)

壁に仕込んだ大鎌の罠 脅威度4

種類 機械式;〈知覚〉DC20;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備自動
効果 攻撃+20近接(2d4+6/×4)

落ちてくるブロックの罠 脅威度5

種類 機械式;〈知覚〉DC20;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備手動
効果 攻撃+15近接(6d6);複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)

ファイアーボールの罠 脅威度5

種類 魔法装置;〈知覚〉DC28;〈装置無力化〉DC28
効果
起動距離式 (アラーム);再準備不可
効果 呪文効果(ファイアーボール、6d6[火]、反応セーヴ(DC14)で半減ダメージ);複数目標(半径20フィート爆発の範囲にいる全てを目標とする)

フレイム・ストライクの罠 脅威度6

種類 魔法装置;〈知覚〉DC30;〈装置無力化〉DC30
効果
起動距離式(アラーム);再準備不可
効果 呪文効果(フレイム・ストライク、8d6[火]、反応セーヴ(DC17)で半減ダメージ);複数目標(半径10フィートの円柱の範囲にいる全てを目標とする)

ワイヴァーン毒矢の罠 脅威度6

種類 機械式;〈知覚〉DC20;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備不可
効果 攻撃+15遠隔(1d6およびワイヴァーンの毒/×3)

冷気の牙の罠 脅威度7

種類 機械式;〈知覚〉DC25;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;持続3ラウンド;再準備不可
効果 凍える水の噴射(3d6[冷気]、反応セーヴ(DC20)で半減ダメージ);複数目標(一辺40フィートの正方形の部屋にいる全てを目標とする)

サモン・モンスターVIの罠 脅威度7

種類 魔法装置;〈知覚〉DC31;〈装置無力化〉DC31
効果
起動距離式(アラーム);再準備不可
効果 呪文効果(サモン・モンスターVI、大型のエレメンタル1d3体か超大型のエレメンタル1体を召喚する)

巧みに偽装した、底にスパイクが植わった落とし穴の罠 脅威度8

種類 機械式;〈知覚〉DC25;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備手動
効果 深さ50フィートの落とし穴(5d6、落下);底にスパイク(攻撃+15近接、各目標に対して1d4本のスパイクが、それぞれ1d6+5ダメージ);反応セーヴ(DC20で回避);複数目標 (一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)

“狂気の霧”を含んだ蒸気の罠 脅威度8

種類 機械式;〈知覚〉DC25;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備修理
効果 毒のガス(狂気の霧);決して外れない;タイムラグ(1ラウンド);複数目標10フィート×10フィートの部屋内の全目標に効果あり)

雨あられと飛んでくる矢の罠 脅威度9

種類 機械式;〈知覚〉DC25;〈装置無力化〉DC25
効果
起動視覚式(アーケイン・アイ);再準備修理
効果 攻撃+20遠隔(6d6);複数目標(20フィートの直線状の範囲にいる全てを目標とする)

床全てを覆うショッキング・グラスプの罠 脅威度9

種類 魔法装置;〈知覚〉DC26;〈装置無力化〉DC26
効果
起動距離式(アラーム);持続1d6ラウンド;再準備不可
効果 呪文効果(ショッキング・グラスプ、攻撃+9近接接触、4d6[電気]);複数目標(一辺40フィートの正方形の部屋にいる全てを目標とする)

エナジー・ドレインの罠 脅威度10

種類 魔法装置;〈知覚〉DC34;〈装置無力化〉DC34
効果
起動視覚式(トゥルー・シーイング);再準備不可
効果 呪文効果(エナジー・ドレイン、攻撃+10遠隔接触、2d4ポイントの一時的負のレベル、24時間後にDC23の頑健セーヴで無効化)

刃の部屋の罠 脅威度10

種類 機械式;〈知覚〉DC25;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;持続1d4ラウンド;再準備修理
効果 攻撃+20近接(3d8+3);複数目標(一辺20フィートの正方形の部屋にいる全てを目標とする)

コーン・オヴ・コールドの罠 脅威度11

種類 魔法装置;〈知覚〉DC30;〈装置無力化〉DC30
効果
起動距離式(アラーム);再準備不可
効果 呪文効果(コーン・オヴ・コールド、15d6[冷気]、反応セーヴ(DC17)で半減ダメージ);複数目標(60フィート円錐形の範囲にいる全てを目標とする)

底に毒のスパイクが植わった落とし穴の罠 脅威度12

種類 機械式;〈知覚〉DC25;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備手動
効果 深さ50フィートの落とし穴(5d6、落下);底にスパイク(攻撃+15近接、各目標に対して1d4本のスパイクが、それぞれ1d6+5ダメージおよびシャドウ・エッセンス);反応セーヴ(DC20で回避);複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)

《呪文威力最大化》されたファイアーボールの罠 脅威度13

種類 魔法装置;〈知覚〉DC31;〈装置無力化〉DC31
効果
起動距離式(アラーム);再準備不可
効果 呪文効果(ファイアーボール、60[火]ダメージ、反応セーヴ(DC14)で半減ダメージ);複数目標(半径20フィート爆発の範囲にいる全てを目標とする)

ハームの罠 脅威度14

種類 魔法装置;〈知覚〉DC31;〈装置無力化〉DC31
効果
起動接触式;再準備不可
効果 呪文効果(ハーム、+6近接接触、130ダメージ、意志セーヴ(DC19)で半減ダメージ、1ヒット・ポイントまでしかヒット・ポイントを減少させない)

落石の罠 脅威度15

種類 機械式;〈知覚〉DC30;〈装置無力化〉DC20
効果
起動場所式;再準備手動
効果 攻撃+15近接(16d6);複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)

《呪文威力強化》されたディスインテグレイトの罠 脅威度16

種類 魔法装置;〈知覚〉DC33;〈装置無力化〉DC33
効果
起動視覚式(トゥルー・シーイング);再準備不可
効果 呪文効果(《呪文威力強化》されたディスインテグレイト、+9遠隔接触、30d6ダメージおよび50%、頑健セーヴ(DC19)に成功すれば5d6ダメージ及び50%に減少)

ライトニング・ボルトの展示室の罠 脅威度17

種類 魔法装置;〈知覚〉DC29;〈装置無力化〉DC29
効果
起動距離式(アラーム);持続1d6ラウンド;再準備不可
効果 呪文効果(《呪文レベル上昇》されたライトニング・ボルト、8d6[電気]、反応セーヴ(DC16)で半減ダメージ);複数目標(一辺60フィートの正方形の部屋にいる全てを目標とする)

致死毒を塗られた槍の罠 脅威度18

種類 機械式;〈知覚〉DC30;〈装置無力化〉DC30
効果
起動視覚式(トゥルー・シーイング);再準備手動
効果 攻撃+20遠隔(1d8+6及びブラック・ロータス抽出液)

メテオ・スウォームの罠 脅威度19

種類 魔法装置;〈知覚〉DC34;〈装置無力化〉DC34
効果
起動視覚式(トゥルー・シーイング);再準備不可
効果 呪文効果(メテオ・スウォーム、別の目標を持つ4つの火球、+9遠隔接触、2d6および6d6[火]、反応セーヴ(DC23、-4のペナルティを受けて判定)に成功すれば半減ダメージ、他の火球から18d6[火]、反応セーヴ(DC23)に成功すれば半減ダメージ);複数目標(4体の目標、どのに体を取っても40フィート以上離れていないこと)

ディストラクションの罠 脅威度20

種類 魔法装置;〈知覚〉DC34;〈装置無力化〉DC34
効果
起動距離式で(アラーム);再準備不可
効果 呪文効果(《呪文レベル上昇》したディストラクション、190ダメージ、頑健セーヴ(DC23)に成功すれば、10d6ダメージに減少)

罠の設計法 Designing a Trap

 新しい罠の設計は簡単な手法をとる。まず、どの種類の罠を作成したいのかを決定するところから始める。

表:機械式の罠の脅威度修正値
特徴 脅威度修正値
〈知覚〉DC
~15 -1
16~20
21~25 +1
26~29 +2
30~ +3
〈装置無力化〉DC
~15 -1
16~20
21~25 +1
26~29 +2
30~ +3
反応セーヴDC(落とし穴など、セーヴが必要な罠の場合)
~15 -1
16~20
21~25 +1
26~29 +2
30~ +3
攻撃ボーナス(近接攻撃や遠隔攻撃を行なう罠の場合)
~0 -2
+1~+5 -1
+6~+10
+11~+15 +1
+16~+20 +2
接触攻撃 +1
ダメージ/効果
平均ダメージ 10ポイントごとに+1
その他の特徴
錬金術アイテム 模する呪文のレベル
自動的に再準備 +1
液体 +5
複数目標(ダメージを与えない) +1
決して外れない +2
距離式か視覚式で起動 +1
ブラック・アダーの毒 +1
ブラック・ロータス抽出液 +8
アカネグサ +1
ブルー・フィニス +1
オーサー焼香 +6
デスブレード +5
ドラゴンの胆汁 +6
ジャイアント・ワスプの毒 +3
グリーンブラッド・オイル +1
狂気の霧 +4
大型スコーピオン毒 +3
マリスの根のペースト +3
中型スパイダー毒 +2
ニサリット +4
パープル・ワームの毒 +4
サソーヌの葉の残滓 +3
シャドウ・エッセンス +3
小型センチピード毒 +1
トリアネフの根 +5
アンゴル・ダスト +3
ワイヴァーンの毒 +5

表:魔法の罠の脅威度修正値
特徴 脅威度修正値
最も呪文レベルの高い呪文効果 +呪文レベル
ダメージを与える呪文効果 平均ダメージ10ポイントごとに+1

表:魔法装置の罠のコスト修正値
特徴 コスト修正値
作動条件に使うアラーム呪文
再準備不可の罠
罠に用いられる個々の呪文 +50gp×術者レベル×呪文レベル
物質要素 +全ての物質要素の費用
自動で再準備の罠
罠に用いられる個々の呪文 +500gp×術者レベル×呪文レベル
物質要素 +物質要素の費用×100

表:〈製作:罠〉のDC
罠の脅威度 基本〈製作:罠〉DC
1~5 20
6~10 25
11~15 30
16~ 35

追加条件 〈製作:罠〉DC修正値
起動距離式 +5
自動で再準備 +5

 機械式の罠:単に特定の罠に備えさせたい要素を選択し、それらの要素による罠の脅威度の修正値を合計して、最終的な脅威度を算出すること(表:『機械式の罠の脅威度修正値』を参照)。脅威度によって、キャラクターが罠を製作する際の〈製作:罠〉のDCが求められる。
 魔法の罠:機械式の罠と同様、その罠に備えさせたい要素を選択し、その結果できる罠の脅威度を算出すればよい(表:『魔法の罠の脅威度修正値』を参照)。PCが魔法の罠を設計し製作するには、《その他の魔法のアイテム作成》の特技を有しておらねばならない。加えて、その罠に必要な呪文を発動できなければならない。自分で発動できないなら、代わりに発動してくれるNPCを雇う必要がある。

罠の脅威度 Challenge Rating of a Trap

 罠の脅威度を求めるには、脅威度修正値(表:『機械式の罠の脅威度修正値』、表:『魔法の罠の脅威度修正値』を参照)をすべて合計し、それを罠の種類ごとの基本脅威度に足すこと。
 機械式の罠:機械式の罠の基本脅威度は0である。最終的な脅威度が0以下になってしまったら、1以上になるようになんらかの特徴を付け加えること。
 魔法の罠:呪文の罠や魔法装置の罠の基本脅威度は1である。その罠に使われた最も呪文レベルの高い呪文によって脅威度に修正が加わる(表:『魔法の罠の脅威度修正値』を参照)。
 平均ダメージ:罠が(機械式の罠であろうと魔法の罠だろうと)ヒット・ポイントにダメージを与えるものなら、命中した場合の平均ダメージを算出し、その値を10で割ること(四捨五入)。罠が2体以上の目標を持つよう設計されているなら、この値を2倍すること。罠が複数ラウンドに渡りダメージを与えるよう設計されているなら、罠が起動しているラウンド数(持続時間が一定でないのなら、持続する平均ラウンド)とこの値とをかけ合わせること。この値は表:『機械式の罠の脅威度修正値』にある通り、罠の脅威度に対する修正値になる。毒のダメージはこの計算に入れないが、落とし穴の底に植わったスパイクによるダメージや複数回攻撃によるダメージは計算に加える。
 魔法の罠の場合、脅威度に影響を与える修正は1つしかない。最もレベルの高い呪文の呪文レベルと、平均ダメージとの、どちらか高い方である。
 複数の罠:罠が実際にはほぼ同一の範囲に影響を及ぼす2つ以上の罠を組み合わせたものであるなら、それぞれの罠の脅威度を個別に算出すること。
 独立していない複数の罠:片方の罠がもう一方の罠の成功に頼っているなら(つまり最初の罠をかわせばもう一方は自動的にかわせるなら)、キャラクターは最初の罠と相対したことで両方の罠による経験値を獲得する。第二の罠が起動したかどうかには関係しない。
 独立している複数の罠:2つ以上の罠が独立して働くなら(つまりどれもがほかの罠の成功に依存せずに起動するなら)、キャラクターは相対した罠の経験値のみを獲得する。

機械式の罠のコスト Mechanical Trap Cost

 機械式の罠のコストは(1,000gp×罠の脅威度)である。罠の起動や再準備に呪文が使用されている場合、それらのコストを個々に加える。罠が再準備不可の場合、コストを半分にする。“自動で再準備”の罠なら、コストを半分だけ加える(+50%する)。落とし穴の罠のような、特に単純な罠の場合、GMの判断に従いコストが削減されるかもしれない。そのようにして削減された罠でも、少なくとも(250gp×罠の脅威度)のコストはかかる。
 脅威度によるコストを算出した後、罠に組み込んだ錬金術アイテムや毒の値段がもしあれば、それも加算すること。もし罠が錬金術アイテムか毒を用いており、かつ“自動で再準備”なら、毒や錬金術アイテムのコストを20倍すること(20回分準備するわけである)。
 複数の罠:罠が実際には複数の罠を組み合わせたものであるなら、各々の罠の最終コストを求めた上で合計すること。これは“独立した複数の罠”の場合も、“独立していない複数の罠”の場合も同じである。

魔法装置の罠のコスト Magic Device Trap Cost

 魔法装置の罠の製作には金貨の支払いが必要なだけでなく、呪文の使い手が働かなければならない。表:『魔法装置の罠のコスト修正値』は魔法装置の罠のコストをまとめたものである。罠に複数の呪文が用いられているなら(例えば、メインの呪文効果以外に音声式や視覚式の起動条件のように呪文が使われている場合など)、制作者はすべての呪文のコストを払う必要がある(ただしアラームは例外で、NPCに発動してもらう場合以外はコストを支払わなくてよい)。
 表:『魔法装置の罠のコスト修正値』に表示されているコストは、制作者が必要な呪文を自力で発動する(あるいは他のPCが無料で呪文を使ってくれる)場合のものである。NPCの呪文の使い手を雇って発動してもらわねばならない場合、そのコストもまた考慮する必要がある(『装備』項を参照)。
 魔法装置の罠は、コスト500gpごとに製作に1日間かかる。

呪文の罠のコスト Spell Trap Cost

 呪文の罠にコストがかかるのは、制作者がNPCの呪文の使い手を雇って呪文を発動させる場合だけである。

機械式の罠の〈製作〉DC Craft DCs for Mechanical Traps

 製作する罠の脅威度がわかったなら、表:『〈製作:罠〉のDC』の値と修正値を参照して、その〈製作:罠〉DCを求めること。
 判定方法:製作を担当するキャラクターは1週間ごとに、その週で罠の製作がどれだけ進んだかを見るために〈製作:罠〉判定を行う。〈製作〉判定の詳しいやり方や判定に影響を及ぼす各種環境の詳細は〈製作〉技能の説明文を参照のこと。

野外での冒険 Wilderness

 安全な都市の城壁を離れた危険な野外では、多くの冒険者たちが辿る跡無き大自然の中で道を見失い、あるいは恐ろしい悪天候の犠牲になっていく。
 以下のルールは野外環境での冒険を行う際のガイドラインを提供する。

道に迷う Getting Lost

 野外では色々な理由で道に迷うことがある。道や踏み分け道、川や海岸線といった分かりやすい地形に沿って移動すれば迷うことはないのだが、そういった目印を離れて野原のただ中に踏み込む旅人は、道がわからなくなってしまう可能性がある。ことに視界が狭くなっていたり、地形が険しかったりすると。
 狭い視界:あたり一帯の状況のせいで、キャラクターたちの視界が60フィート未満しかない場合、道に迷う可能性がある。霧や雪や激しい雨の中を旅するキャラクターたちは、すぐそばの目印すら見えなくなってしまうことがままある。これと同様、夜に旅するキャラクターたちも、光源の質や月光の明るさ、夜目や暗視の有無によっては、道に迷う可能性がありうる。
 移動困難な地形:森林やムア、丘陵、山岳では、キャラクターたちはみな、道や踏み分け道や川などのはっきりわかる通り道や痕跡に沿って旅するのでない限り、道に迷う可能性がある。森林は特に危険である。なにしろ木々に隠れて遠くの目印は見えず、太陽や星も見えにくいので。
 道に迷う可能性:道に迷う可能性のある状況では、先頭に立っているキャラクターが〈生存〉判定を行う。失敗すると道に迷う。判定DCは地形、視界の状況、いま旅している土地の地図を持っているかどうかによって異なる。次の表を参照し、最も高いDCを用いること。
地形 〈生存〉判定DC
砂漠平地 14
森林 16
ムア丘陵 10
山岳 12
外海 18
都市、遺跡、ダンジョン 8
状況 修正値
適切な補助具(地図、六分儀) +4
狭い視界 -4

 今旅している土地についての〈知識:地域〉ないし〈知識:地理〉のいずれかが5ランク以上あるキャラクターは、この判定に+2のボーナスを得る。
 旅人たちが1時間の間区域移動や野外移動を行うごとに、道に迷ったかどうかを判定すること。1時間単位で割り切れない余りの時間があったなら、その部分についても1回判定を行う。一行が一緒になって行動している場合、先頭に立っているキャラクターのみが判定を行う。
 道に迷うとどんな影響があるか:パーティーが道に迷った場合、彼らはもはや本来目指していた方向に進めるとは限らないパーティーが実際はどちらの方角に移動しているかをランダムに決定すること。見間違いようのない目印に行き当たるか、あるいは道に迷ったことに気づいて方向感覚を取り戻すべく努力するまでは、一行の移動はランダムなままである。
 道に迷ったことに気づく:ランダムな方向への移動を1時間行うごとに、パーティー内の全キャラクターが〈生存〉判定(DC20、ランダムな方向に1時間旅するごとに-1)を行う。成功すると、自分たちがもはや旅する方角をはっきり把握していないことに気づく。また、特定の状況によって迷ったことに気づく場合もある。
 新しい進路を定める:一旦パーティーが道に迷ってしまった後で、正しい進行方向を定めるには、〈生存〉判定(DC15、ランダムな方向に1時間旅するごとに+2)を行う必要がある。これに失敗したキャラクターは、ランダムな方向を“正しい”ものとして旅を再開する。
 キャラクターたちが新しい進路を決めて旅しはじめたなら、その進路が正しかろうと間違っていようと、やはり再度道に迷う可能性がある。旅人たちが道に迷う可能性のある状況が続いているなら、1時間旅するごとに前述の処理を行うこと。これにより、パーティーが進路を保持できるか、それとももう一度ランダムに進行しはじめるかがわかる。
 「あっちだ」「いやちがうあっちだ」:道に迷った後では、正しい方向はどっちなのかを、複数のキャラクターが突き止めようとする可能性がある。その場合、GMは各キャラクターの〈生存〉判定をひそかに行い、判定に成功したキャラクターに正しい進路を、失敗したキャラクターに正しいと思い込んでいるランダムな進路を教えるべきである。
 正しい状況判断を取り戻す:道に迷ったあとで、正しい進路を発見するには複数の方法がある。1、キャラクターたちが新しい進路を定め、かつそれが正しく、かつその進路を辿って本来の目的地に首尾よく到達したなら、彼らはもはや道に迷っていない。2、キャラクターたちが、ランダムな移動の結果、見間違いようのない目印に行き当たることもありうる。3、霧が晴れる、日が昇るなど、状況が突然改善されたなら、道に迷っていたキャラクターたちは新しい進路を定める試みを行える。手順は上記の通りだが、この場合は〈生存〉判定に+4のボーナスがつく。

地形:森林 Forest Terrain

 地形としての森林には3種がある。まばらな森林、中くらいの森林、密生した森林である。広大な森林は、その境界線の内部にこれら3種の全てを有し得る。森の外縁部では“まばらな森林”が多く、中心部では“密生した森林”が多い。
 次の表は、バトル・グリッド上の特定のマス目に地形の構成要素のある可能性がどのくらいかを示すものである。
森林の種類
まばら 中くらい 密生
普通の木 50% 70% 80%
大木 10% 20%
軽度の下生え 50% 70% 50%
重度の下生え 20% 50%

 :森林で最も重要な地形の構成要素は(もちろん)木である。木と同じマス目にいるクリーチャーは、部分的遮蔽を得、ACに+2のボーナスと反応セーヴに+1のボーナスを与えられる。木があるからといって、クリーチャーが戦闘に使う空間に、その他の影響が出ることはない。クリーチャーは木を利用できる時は利用するものとして扱われているのである。普通の木の幹はAC4、硬度5、150hpを有する。木に登るにはDC15の〈登攀〉判定に成功せねばならない。中くらいの森林や密生した森林には、普通の木だけではなく大木もある。大木は丸まる1マスを占め、背後のものに遮蔽を提供する。大木はAC3、硬度5、600hpを有する。大木に登る場合にもDC15の〈登攀〉判定に成功せねばならない。
 下生え:森林の地面の大方はつる草や木の根っこや背の低い灌木で覆われている。軽度の下生えで覆われたマス目に入る場合、1マス移動するのに2マス分の移動がかかる。また、軽度の下生えは視認困難を提供してくれる。軽度の下生えは〈軽業〉と〈隠密〉のDCを+2する(木の葉や枝が邪魔になるので)。重度の下生えのあるマス目に入る場合、1マス移動するのに4マス分の移動がかかる。また、重度の下生えは失敗確率30%(通常の20%ではなく)の視認困難を提供する。重度の下生えは〈軽業〉のDCを+2する。一方重度の下生えは身を隠すにはよいので、〈隠密〉判定には+5の状況ボーナスを提供する。疾走や突撃は不可能である。下生えのマス目どうしは、くっついてかたまりになっていることが多い。下生えと木は互いに排除しあうものではなく、5フィート四方のマス目の中に木と下生えの両方が存在することはよくある。
 林冠:エルフなど森の住人たちは、森の地面ではなく、ずっと高いところに平らな台を設けて、そこに住むことがよくある。こうした木製の台と台の間はロープ橋が渡してあることが多い。樹上の家を訪れるには、木の幹を登るか(〈登攀〉DC15)、縄梯子を登るか(〈登攀〉DC0)、滑車仕掛けの昇降機(毎ラウンド、1回の全ラウンド・アクションで【筋力】判定の結果×1フィートだけ昇れる)を使うのが普通である。樹上の台や林冠の枝の上にいるクリーチャーは、地べたのクリーチャーと戦う際には遮蔽を得る。中くらいの森林や密生した森林では視認困難も得る。
 森林のその他の構成要素:倒木はおおむね高さ3フィートで、“低い壁”と同様に遮蔽を提供する。これを乗り越えるには5フィート分の移動と同じだけの手間がかかる。森の小川は普通、幅5~10フィートで、深さは5フィートに満たない。大方の森林には曲がりくねった小道が通っている。森の小道は通れば通常の移動速度で移動できるが、遮蔽も視認困難も得られない。こうした小道は密生した森林ではそれほど見られないが、たとえ人跡未踏の森林でも、獣道は時として存在する。
 森林での隠密行動と探知:まばらな森林では、近くに他者がいるのを探知するために〈知覚〉判定を行える最大距離は3d6×10フィートである。中くらいの森林では2d8×10フィート、密生した森林では2d6×10フィート。
 下生えのあるマス目は全て視認困難を提供するため、森林で〈隠密〉技能を使うのは概して容易い。倒木や大木は遮蔽を提供し、これも〈隠密〉を可能にしてくれる。
 森のそこらじゅうのざわめきも、聴覚による〈知覚〉判定をより困難にする。〈知覚〉の判定DCは10フィート離れるごとに1ではなく2上昇する。

森林火災(脅威度6) Forest Fires

 野営のかがり火から飛ぶ火花は、普通は物に火をつけることはない。けれども気候が乾燥していたり、風が強かったり、折敷く朽葉が乾ききって燃えやすくなっていたりすると、森林火災の起きる可能性がある。また、落雷で木が燃え上がり、森林火災につながることもある。火災の原因がどうあれ、旅人が大火事に巻き込まれる可能性があることには変わりない。
 2d6×100フィートまでの距離にいるキャラクターは、〈知覚〉判定に成功すれば森林火災を視認できる。森林火災は超巨大サイズのクリーチャーとして扱うので、DCは-16される。もしもキャラクター全員が〈知覚〉判定に失敗したなら、火災は近づいてくる。元々の距離の半分まで近づいてきたなら自動的に見える。
 盲目状態だったり、その他の理由で〈知覚〉判定が行えないキャラクターも森林火災が100フィート以内に近づいてきたら火災の熱を感じ取ることができ、自動的に“視認”したものとして扱われる。
 火災の風下側の“へり”は、人間の疾走する速度よりも速く移動することもある(軟風の場合で1ラウンドあたり120フィートとして処理すること)。森林の一部が炎上したなら、その部分の火が消えて煙を上げる消し炭になるまでは2d4×10分かかる。森林火災につかまったキャラクターは、風下の“へり”が自分たちから(追いつきようのないほど速く)離れて行き、刻一刻といっそう炎のまっただ中に閉じ込められる格好になることもあろう。
 森林火災の境界線内では、キャラクターたちは3つの危険に直面する。熱気によるダメージ、着火、煙の吸入。
 熱気によるダメージ:森林火災の中につかまってしまうのは、単なる高温にさらされる(『熱気による危険』参照)よりももっとひどいことだ。空気を吸い込むことで、キャラクターは毎ラウンド1d6ポイントの致傷ダメージを受ける(セーヴ不可)。加えて、キャラクターは5ラウンドごとに1回頑健セーヴ(DC15、2回目以降は1回ごとに+1)を行い、失敗すると1d4ポイントの非致傷ダメージを受ける。息を止めれば致傷ダメージは受けずにすむが、非致傷ダメージは防げない。厚い衣服を着ている者や、何らかの鎧を着用している者は、この頑健セーヴに-4のペナルティを受ける。金属製の鎧を着ている者や、高温の金属と接触しているものは、ヒートメタル呪文と同様の影響を受ける。
 着火:森林火災に飲み込まれたキャラクターは、火災の“へり”を通過した時点で1回、以後1分間経過するごとに1回、着火の可能性がある。
 煙の吸入:森林火災はおのずと大量の煙を生み出す。濃い煙を吸い込んだキャラクターは毎ラウンド頑健セーヴ(DC15、2回目以降は1回ごとに+1)を行いそのラウンドは煙で息が詰まって咳き込む。2ラウンド続けて息が詰まるごとに1d6ポイントの非致傷ダメージを被る。加えて煙は中にいるキャラクターに視認困難を提供する。

地形:湿地 Marsh Terrain

 湿地には2種がある。比較的乾燥した“ムア”と水気の多い“沼地”である。いずれもしばしば湖(後出の『地形:水界』で説明)と隣りあっている。湖は事実上、湿地でみられる3種類目の地形といっていいかもしれない。
湿地の種類
ムア 沼地
浅い泥濘 20% 40%
深い泥濘 5% 20%
軽度の下生え 30% 20%
重度の下生え 10% 20%

 泥濘/Bogs:特定のマス目が“浅い泥濘”の一部なら、そこには深い泥やたまり水がたまっており、深さはおよそ1フィート。浅い泥濘のマス目に入る場合、1マス移動するのに2マス分の移動がかかる。浅い泥濘のマス目では〈軽業〉判定のDCが+2される。
 あるマス目が“深い泥濘”の一部なら、そこにはたまり水が4フィートほどもたまっている。サイズ分類が中型以上のクリーチャーは、深い泥濘のマス目に入る場合、1マス移動するのに4マス分の移動がかかる。望むなら泳ぐこともできる。サイズ分類が小型以下のクリーチャーは、深い泥濘を通るには泳がなければならない。深い泥濘では〈軽業〉判定は不可能である。
 深い泥濘の水はサイズ分類が中型以上のクリーチャーに遮蔽を提供する。サイズ分類が小型以下のクリーチャーは良好な遮蔽(ACに+8のボーナス、反応セーヴに+4のボーナス)を受ける。サイズ分類が中型以上のクリーチャーも、1回の移動アクションで身をかがめることにより、この良好な遮蔽を得ることができる。この良好な遮蔽を得ているキャラクターは、水中にいないクリーチャーに対する攻撃に-10のペナルティを受ける。
 深い泥濘のマス目どうしは、一つところにかたまりあっていることが多い。そうしてその周りを浅い泥濘のマス目が不規則な形で取り巻いている。
 浅い泥濘および深い泥濘は、どちらも(隠密)判定のDCを+2する。
 下生え:湿地に生える灌木や葦などの背の高い草は、森林の下生えと同様の機能を有する。泥濘のマス目には下生えは存在し得ない。
 流砂:流砂は一見ごくしっかりした、下生えまたは何もない地形のように見える。そのせいで不注意なキャラクターは往々にして引っかかるのだ。通常の速度で流砂に近づいたキャラクターは、DC8の〈生存〉判定を行い、成功すれば流砂の区域に足を踏み入れる前に危険に気づく。一方、突撃や疾走を行っているキャラクターは、実際に突っ込むまでは隠れていた流砂に気づくことはない。典型的な流砂の区域は直径20フィート。突撃や疾走を行っていたキャラクターは、慣性によって流砂の区域の中を1d2×5フィートぶん進んでしまう。
 流砂の効果:流砂の中にいるキャラクターは、毎ラウンド、単に今の地点にとどまるだけでもDC10の〈水泳〉判定を行わなければならず、望む方向に移動したいならDC15の〈水泳〉判定を行わなければならない。流砂につかまったキャラクターがこの判定に5以上の差で失敗したなら、地面の下に沈み、息を止めていられなくなった時点で溺れ始める(〈水泳〉技能の説明を参照)。
 流砂の地面の下にいるキャラクターは、〈水泳〉判定(DC15、加えて1ラウンド連続で地面の下にいるごとに+1)に成功すれば地表まで戻ってくることができる。
 救助:流砂につかまったキャラクターを引き上げるのは困難な仕事になる可能性がある。助ける者には木の枝、槍の柄、ロープ等、その一方の端が流砂の犠牲者に届くような道具が要る。道具の端が犠牲者に届いたなら、助ける者は犠牲者を無事に引き上げるためにDC15の【筋力】判定を行い、犠牲者は道具にしっかり捕まっているためにDC10の【筋力】判定を行う。両方の判定が成功したなら、犠牲者は安全圏に5フィートだけ近くなる。犠牲者は、しっかりつかまっていられなかったら、即座にDC15の〈水泳〉判定を行い、失敗すると地面の下に沈んでしまう。
 生け垣状の茂み:刺の多い灌木や石や土がひとかたまりになったもので、ムアによく見られる。こうした茂みのうち、狭いものは低い壁と同様に機能する。これを越えるには3マス移動するだけの手間がかかる。広いものは高さ5フィートを越え、グリッド上ではまるまる1マスを占める。広い生け垣状の茂みは、壁と同様に完全遮蔽を提供する。広い生け垣状の茂みのマスを通って移動するには、1マスあたり4マス分の移動を要する。ただし新しいマス目に入る際にDC10の〈登攀〉判定に成功すれば、そのマス目に入るには2マス分の移動でよい。
 湿地のその他の地形構成要素:湿地、特に沼地には、森林と同様に木の生えているものがある。こうした木々は1箇所にかたまりあって小さな木立になっていることが多い。大方の湿地には小道があり、泥濘の部分を避けるために曲がりくねっている。森林の場合と同様、小道を通れば通常の移動速度で移動できるが、遮蔽も視認困難も得られない。
 湿地での隠密行動と探知:ムアでは、近く他者のいるのを探知するために〈知覚〉判定を行える最大距離は6d6×10フィート、沼地では2d8×10フィートである。下生えや深い泥濘が視認困難をたっぷり提供してくれるため、湿地では〈隠密〉技能を用いるのは概して容易い。

地形:丘陵 Hills Terrain

 丘はどんな地形にあってもおかしくないが、丘陵群が景色の主要な要素になっている土地もある。このような地形としての丘陵には、大別して2種がある。なだらかな丘陵と起伏の多い丘陵である。丘陵地形はしばしば、移動困難な地形(山岳など)と平坦な地形(平地など)の間に中間地帯として存在する。
丘陵の種類
なだらかな丘陵 起伏の多い丘陵
ゆるやかな斜面 75% 40%
急な斜面 20% 50%
5% 10%
軽度の下生え 15% 15%

 ゆるやかな斜面:ゆるやかな斜面の勾配は、移動に影響を与えるほどではない。それでも、斜面の上のほうにいるものは、下の敵への近接攻撃に+1のボーナスを得る。
 急な斜面:急な斜面を登る(隣の、より高度の高いマス目に移動する)キャラクターは“急な斜面”のマス目に入る場合、1マスあたり2マス分の移動がかかる。上から下へ(隣の、より高度の低いマス目へ)疾走または突撃を行うキャラクターは、その疾走や突撃の中で最初に“急な斜面”のマス目に入った時点で、DC10の〈軽業〉判定を行わねばならない。騎乗したキャラクターは〈軽業〉ではなくDC10の〈騎乗〉判定を行う。これらの判定に失敗したものはつまづき、1d2×5フィート先で移動を終えねばならなくなる。5以上の差で失敗したものはそのマス目で転倒して伏せ状態になり、そこで移動を終える。急な斜面では〈軽業〉のDCは+2される。
 :典型的な崖はよじ登るのにDC15の〈登攀〉判定が必要で、高さは1d4×10フィート。ただし自作のマップに必要なら、もっと高い崖を出しても差し支えない。崖は完全に垂直なものではなく、高さ30フィート未満なら一辺5フィートの正方形を占め、高さ30フィート以上なら一辺10フィートの正方形を占める。
 軽度の下生え:丘陵にはヤマヨモギその他の小ぶりな灌木が生えているが、あたりじゅう下生えだらけということはない。軽度の下生えは視認困難を提供し、〈軽業〉と〈隠密〉の判定DCを+2する。
 丘陵のその他の地形の構成要素:丘陵に木が生えているのは珍しくない。谷間には水の流れる小川(幅5から10フィート、深さ5フィート以下)や水の涸れた川床(幅5~10フィートの塹壕として扱う)がよくある。水は常に上から下へ流れることに注意。
 丘陵での隠密行動と探知:なだらかな丘陵では、近くに他者のいるのを探知するために〈知覚〉判定を行える最大距離は2d10×10フィート、起伏の多い丘陵では2d6×10フィートである。丘陵で〈隠密〉技能を使うのは、手近に下生えがないかぎり困難である。丘のてっぺんや尾根は、背後にいる者に遮蔽を提供してくれる。

地形:山岳 Mountain Terrain

 地形としての山岳には3種がある。高原、起伏の多い山岳、険しい山岳である。キャラクターが山岳地帯を上へ上へと登っていくと、これら3種類に順番に出くわすことになる。まず高原、次に起伏の多い山岳、最後に山頂近くの険しい山岳。
 山岳には岩壁という重要な地形の構成要素が存在する。これはマス目を占めるのではなく、マス目とマス目の間の境界線上に記される。

山岳の種類
高原 起伏の多い山岳 険しい山岳
ゆるやかな斜面 50% 25% 15%
急な斜面 40% 55% 55%
10% 15% 20%
裂け目 5% 10%
軽度の下生え 20% 10%
ガレ場 20% 30%
重度の瓦礫 20% 30%

 ゆるやかな斜面、急な斜面:これについては『地形:丘陵』を参照。
 :丘陵の崖と同様に機能するが、ただ山岳の典型的な崖は高さ2d6×10フィート。高さ80フィートよりも高い崖は、水平方向にして20フィートを占める。
 裂け目:裂け目は、普通の地学的プロセスによって形成されたものであり、ダンジョンにおける落とし穴と同様の機能を有する。裂け目は隠されているわけではないので、うっかり裂け目に落ち込んでしまうなどということはない(突き飛ばしを受ければ話は別だが)。典型的な裂け目は深さ2d4×10フィート、長さ20フィート以上、幅は5~20フィート。裂け目を登って出るにはDC15の〈登攀〉判定を要する。“険しい山岳”では、典型的な裂け目の深さは2d8×10フィートになる。
 軽度の下生え:これについては『地形:森林』を参照。
 ガレ場:ガレ場には小さなぐらぐらする石くれが一面に散らばっている。移動速度に影響はないが、斜面にこんなものがあると、とんだことになりかねない。ゆるやかな斜面がガレ場になっていると、〈軽業〉判定のDCが+2され、急な斜面にあると+5される。また、なんらかの斜面がガレ場になっていると、〈隠密〉の判定DCが+2される。
 重度の瓦礫:地面が大小の瓦礫に覆われている。“重度の瓦礫”に覆われたマス目に入るには、1マスにつき2マス分の手間がかかる。重度の瓦礫の上では〈軽業〉のDCは+5、〈隠密〉のDCは+2される。
 岩壁:岩壁は石の垂直な平面であり、これを登るにはDC25の〈登攀〉判定が必要になる。典型的な岩壁の高さは“起伏の多い山岳”では2d4×10フィート、“険しい山岳”では2d8×10フィート。岩壁はマス目の中ではなく、マス目とマス目の間に描かれる。
 洞窟の入り口:洞窟の入り口は崖のマス目、急な斜面のマス目、岩壁の隣などにあり、典型的なもので幅5~20フィート、高さ5フィート。その奥には単なる1個の岩室から、複雑極まりない大迷宮まで、あらゆるものが存在し得る。モンスターの巣になっている洞窟には、典型的なもので1d3個の部屋があり、それぞれ差し渡し1d4×10フィート。
 山岳のその他の地形の構成要素:高原は森林限界線よりも標高が高いところから始まるのが普通である。このため、山岳では木などの森林でよく見られる地形の構成要素は稀になっている。水の流れる小川(幅5~10フィート、深さ5フィート以下)や水の涸れた川床(幅5~10フィートの塹壕として扱う)はよくある。標高が特に高い場所は、周りのもっと低い場所よりも概して気温が低く、氷に覆われていることがある(『地形:砂漠』を参照)。
 山岳での隠密行動と探知:山岳では一般に、近くに他者のいるのを探知するために〈知覚〉判定を行える最大距離は4d10×10フィートである。むろん一部の頂や尾根に立てば、もっと遠くまで見渡せ、入り組んだ谷や渓谷では視認可能な距離がもっと短くなる。視線をさえぎる植生が少ないので、マップがどうなっているかを細かに見れば、それだけで遭遇がどの距離で始まるかを判断するヒントが得られるだろう。丘陵と同様、山岳でも山頂や尾根は背後のものに遮蔽を提供してくれる。
 山岳では遠くの音を聞き取るのが容易い。音による〈知覚〉判定のDCは、聞く者と音源の間が(10フィートではなく)20フィート離れているごとに+1される。

雪崩(脅威度7) Avalanches

 多くの山岳地帯では、高い頂と大量の降雪が組み合わさると、雪崩の恐るべき脅威が生じる。雪や氷の雪崩はよくあるが、岩や土の雪崩(地すべり)が起きることもある。
 雪崩はDC20の〈知覚〉判定に成功したキャラクターであれば1d10×500フィート先から視認できる、超巨大クリーチャーとして扱う。キャラクターたちが〈知覚〉判定で遭遇距離を決定することに失敗したなら、雪崩は近づいてくる。元々の距離の半分まで近づいてきたなら自動的に見える。雪崩の接近を見つけることはできなくとも、聞きつけることはできるかもしれない。最適の状況下(他に大きな音がない場合)では、キャラクターはDC15の〈知覚〉判定に成功すれば1d6×500フィート先の雪崩や地すべりの音を聞きつけることができる。雷雨など、音を聞きつけるのが難しい状況下では、DCは20、25、あるいはもっと高くなるかもしれない。
 地すべりや雪崩には判然とした2種の区域がある。埋没域(なだれ落ちてくる物の通り道)と流出域(なだれ落ちてくるものの一部が左右に広がって覆う範囲)である。埋没域内のキャラクターは必ず雪崩のダメージを受ける。流出域内のキャラクターは災難を避けられる可能性がある。埋没域内のキャラクターは8d6ポイントのダメージを受ける。DC15の反応セーヴに成功すれば半分のダメージですむ。そしてどちらにしても埋もれてしまう。流出域内のキャラクターは3d6ポイントのダメージを受ける。DC15の反応セーヴに成功すればダメージはない。セーヴに失敗したなら雪崩に埋もれてしまう。
 雪崩に埋もれたキャラクターは、1分ごとに1d6ポイントの非致傷ダメージを受ける。埋もれたキャラクターが意識を失ったなら、DC15の【耐久力】判定を行うこと。これに失敗すれば、以後は掘り出されるか死ぬまで、1d6ポイントの致傷ダメージを受ける。埋もれたクリーチャーを掘り起こすためのルールは落盤と崩落を参照。
 典型的な雪崩は、流出域の一方の端から他方の端まで、さしわたし1d6×100フィート。中央部の埋没域の幅は、雪崩全体の半分である。
 雪崩の進路上でキャラクターたちが正確にどこにいるかを判断するには、1d6×20をロールすること。この結果が埋没域の中心の進む道がキャラクターたちと何フィート離れているかを示すものである。雪と氷の雪崩は1ラウンド500フィートの速度で進む。岩雪崩(地すべり)は1ラウンド250フィートの速度で進む。

山岳の旅 Mountain Travel

 標高の高い場所を旅するのは、慣れていないクリーチャーにはひどく疲れる──それどころか、時には致命的である。寒さははなはだしく、空気中の酸素不足はもっとも頑健な戦士をもへたばらせてしまう。
 高地に順応したキャラクター:高地に慣れたキャラクターは、山岳では低地民よりもうまくやっていける。“出現環境”の項に山岳が入っているキャラクターは山岳の原住者であり高地に慣れている者として扱われる。また、高地で1ヶ月以上暮らしたキャラクターは高地に慣れる。2ヶ月以上山岳から離れていたキャラクターは、再び山岳に戻る際には、もう一度順応をやり直さなければならない。アンデッド、人造、その他呼吸をしないクリーチャーは高度の影響を受けない。
 高度帯:一般的に言って、山岳には3つの高度帯がありうる。低い峠、低い頂/高い峠、高い頂である。
 低い峠(高度5,000フィート未満/約1,500メートル未満):低い山での旅の多くは、低い峠を進むことになる。この高度帯の多くは高原と森林でできている。旅人たちは進むのが難しいと感じるかもしれない(これは山岳を移動する際の修正に反映されている)。ただし高度自体の影響はない。
 低い頂/高い峠(高度5,000フィート~15,000フィート/約1,500メートル~4,500メートル):低い山の頂近くの斜面を登る場合や、高い山を普通に旅するにあたってのほとんどの場合は、この高度を通ることになる。高地に順応していないクリーチャーはみな、この高度の薄い空気を呼吸するだけで一苦労である。こうしたキャラクターは、1時間ごとに1回頑健セーヴ(DC15、加えて2回目以降1回ごとに+1)を行い、失敗すると疲労状態になる。この疲労は、キャラクターがもっと空気の濃い場所に降りた時点で終わる。高地に順応しているキャラクターは、この頑健セーヴを行う必要がない。
 高い頂(高度15,000フィート以上/約4,500メートル以上):もっとも高い山には高度20,000フィート(約6,000メートル)を越えるものもある。この高度ではキャラクターは高い高度による疲労(前項参照)の影響を受け、加えて高山病の影響を受ける。キャラクターが高地に順応していようといまいと関係ない。いわゆる高山病というのは、“長い間体に酸素が十分回っていないことをあらわすもの”であり、精神的能力値と肉体的能力値の両方に影響を与える。キャラクターは高度15,000フィート以上の場所で6時間を過ごすごとに1回、頑健セーヴ(DC15、加えて2回目以降1回ごとに+1)を行い、失敗すると全ての能力値に1ポイントの能力値ダメージを受ける。高地に順応しているキャラクターは、高い高度による疲労や高山病に抵抗する際のセーヴィング・スローに+4の技量ボーナスを得る。とはいえ、どんなベテランの山男も、この高度にいつまでもとどまっているわけにはいくまい。

地形:砂漠 Desert Terrain

 地形としての砂漠は、暑熱、温暖、寒冷のいずれの気候にも存在する。そうして1つの共通点を有する。雨が少ないことである。地形としての砂漠には3種ある。ツンドラ(寒冷気候)、岩砂漠(温暖気候に多い)、砂砂漠(暑熱気候に多い)である。
 ツンドラには他の種類の砂漠と大いに違うところが2点ある。まず、雪と氷が地形の少なからぬ部分を覆っており、このため水を見つけるが容易い。次に、夏の盛りには永久凍土層の最上層1フィートばかりが溶けて、満目ただ泥の海になる。泥の海になったツンドラは移動や技能判定に対して、湿地の“浅い泥濘”と同じ影響を与える(たまり水がほとんどないのが違いである)。
 次の表は、3種の砂漠にそれぞれどんな地形の構成要素がどれだけあるかを示すものである。この表にある地形の構成要素は皆、同じマス目の中には共存し得ない。たとえばツンドラの1個のマス目には、軽度の下生えがあるかもしれないし、氷床があるかもしれない。しかし両方が同時に存在することはない。

砂漠の種類
ツンドラ 岩砂漠 砂砂漠
軽度の下生え 15% 5% 5%
氷床 25%
軽度の瓦礫 5% 30% 10%
重度の瓦礫 30% 5%
砂丘 50%

 軽度の下生え:悪環境にも強い小ぶりな灌木やサボテンからなる。他の環境に見られる“軽度の下生え”と同様に働く。
 氷床:地面が滑りやすい氷で覆われている。氷床に覆われたマス目に入るには、1マスあたり2マス分の移動がかかる。また〈軽業〉判定のDCは+5される。氷床を通って疾走や突撃を行うには、DC10の〈軽業〉判定が必要である。
 軽度の瓦礫:小ぶりの岩があちこちに転がっており、素早く動き回るのが難しくなっている。〈軽業〉判定のDCが+2される。
 重度の瓦礫:より大きな岩がよりたくさんある。“重度の瓦礫”のあるマス目に入るには、1マスあたり2マス分の移動がかかる。〈軽業〉判定のDCが+5、〈隠密〉判定のDCが+2される。
 砂丘:風が砂に働きかけてできあがった砂丘は、ゲームではいわば動く丘として機能する。風が強く、かつ一定方向に吹き続けるなら、砂丘は1週間に数百フィートほども移動することがある。時として、砂丘群は何百ものマス目を覆って連なることもある。砂丘は卓越風(一定期間を通じて一地方で吹く回数の最も多い風向き)の風上側が“ゆるやかな斜面”で、風下側が“急な斜面”になっている。
 砂漠のその他の地形の構成要素:ツンドラは森と境界を接していることがあり、この寒い荒地に木が生えているのはそう珍しくもない。岩砂漠には天然の塔やメサ(卓上地形)がある。これは上が平らで全周が“崖”および“急な斜面”(いずれも『地形:山岳』参照)にとりまかれた地形である。砂砂漠には時として流砂がある。効果自体は『地形:湿地』で既述。ただし砂漠の流砂は湿地のそれとは違い、水気抜きの、目の細かな砂と塵の混じったものである。いずれの種類の砂漠にも、水の涸れた川床(幅5~15フィートの塹壕として扱う)が縦横に走っている。まれに雨が降るとこの川床に水が満ちる。
 砂漠での隠密行動と探知:概して、砂漠で近くに他者のいるのを探知するために〈知覚〉判定を行える最大距離は、6d6×20フィートである。これより遠くでは、熱による光の歪みや地面のでこぼこのせいで視覚による知覚は不可能になる。砂砂漠における砂丘の存在は、この距離を6d6×10フィートにする。下生えなど、視認困難や遮蔽を提供してくれるものが少ないため、〈隠密〉を試みるのは困難である。

砂塵嵐 Sandstorms

 砂塵嵐は視界を1d10×5フィートにまで狭め、〈知覚〉判定に-4のペナルティを与える。開けた場所で砂塵嵐につかまったキャラクターは1時間あたり1d3ポイントの非致傷ダメージを受ける。砂塵嵐の過ぎていった通り道では、何もかもが砂で薄く覆われている。運ばれてきた砂は、よほどしっかりしたもの以外のどんな封印や継ぎ目にも入り込んで、旅人の肌をざらざらにすりむき、運搬中の装備に混じりこむ。

地形:平地 Plains Terrain

 地形としての平地には3種がある。農地、草地、戦場である。農地は定住地で一般的に見られる。草地は未開拓の平地をあらわす。戦場は大軍どうしがぶつかりあう(ぶつかりあった)場所をいう。戦場が戦場であるのは一時のことで、やがては自然に草が生えて草地になるか、農夫の鋤に耕されて農地になるのが常である。戦場を農地や草地と並べて平地の種類のうちに数えているのは、冒険者たちが戦場で時を過ごしがちだからであって、どこにでもあるからではない。
 次の表は、3種の平地にそれぞれどんな地形の構成要素がどれほどあるかを示すものである。農地の“軽度の下生え”は、刈入れを待つ穀物の穂をあらわす。このため、野菜を育てている農地や、収穫後から作物を植えて2、3ヵ月後くらいまでの農地には、“軽度の下生え”は少ない。
 この表にある地形の構成要素はどれも、同じマス目の中には共存し得ない。

平地の種類
農地 草地 戦場
軽度の下生え 40% 20% 10%
重度の下生え 10%
軽度の瓦礫 10%
塹壕 5% 5%
バーム 5%

 下生え:穀物であるか、自然の植生であるかを問わず、平地に生える背の高い草は、森林における“軽度の下生え”と同じ機能を有する。特に密生した灌木群は“重度の下生え”として扱われる。平地にはこのような“重度の下生え”が点在している。
 軽度の瓦礫:戦場にある“軽度の瓦礫”は、破壊された何物かをあらわすことが多い。建物の廃墟、石壁が崩れて石が散乱したものなど。その機能は『地形:砂漠』にある通り。
 塹壕:塹壕は戦いの前に兵を守るために掘られることが多い。“低い壁”として働くが、ただ、隣接した敵からの攻撃に対しては遮蔽を提供してくれないところが違う。塹壕を出るには2マス分の移動がかかる。塹壕に入るには何も余分な手間はかからない。塹壕の外にいるクリーチャーが、塹壕の中にいるクリーチャーに対して近接攻撃を行う場合、相手より高い場所にいるということで攻撃ロールに+1のボーナスを得る。
 バーム:バームというのはよくある防御用の構造物である。要は低い土壁で、敵の移動を遅らせ、かつ、ある程度の遮蔽を得るのに使う。バームをマップ上に配置するには“急な斜面”(『地形:丘陵』を参照)を2列、互いにくっつけて描き込むこと。このとき、斜面の向きは、バームの両側が中央より低くなるようにする。従って、幅2マスのバームを越えようとするキャラクターは、まず1マス坂を上り、それから1マス坂を下ることになる。幅2マスのバームは、その背後に立つ者に、“低い壁”と同様に遮蔽を提供する。もっと大きなバームは、バームの一番高いところから1マス下だったところにいる者に“低い壁”と同様の特典を与える。
 :木の柵はおおむね、家畜を1箇所に集めておくためや、やってくる敵兵を邪魔するために使われる。木の柵を1つ乗り越えるには、1マス分の移動をするのと同じだけの手間がかかる。石の柵はこれに加えて“低い壁”と同様に、ある程度の遮蔽を与える。騎乗したキャラクターは、DC15の〈騎乗〉判定に成功すれば、移動速度を落とすことなく柵を越えることができる。失敗したなら、乗騎は柵を越えるが、騎手は鞍から落ちてしまう。
 平地のその他の地形の構成要素:大方の平地には、木がぽつぽつと点在している。ただし戦場では切り倒されて攻城兵器(『市街地にあるもの』参照)の材料にされてしまうことも多い。生け垣状の茂み(『地形:湿地』参照)は平地でも見られる。小川(通常は幅5~20フィート、深さ5~10フィート)もよくある。
 平地での隠密動向と探知:平地では、近くに他者のいるのを探知するために〈知覚〉判定を行える最大距離は6d6×40フィートである。ただし実際にはマップ上の物が視界を遮るかもしれない。遮蔽や視認困難を提供してくれるものはかなりあるので、身を隠す場所はすぐそばにはなくとも、近場にはあることが多い。

地形:水界 Aquatic Terrain

 水界は、ほとんどのPCにとって、最もやさしくない地形である。呼吸できないので。地上の各種地形と違い、地形としての水界には、ルール上、細かな地形の構成要素はない。もとより海底には多くの不思議があり、本章でこれまで見てきた地上の様々な地形の構成要素にはみな海底版がある。しかしキャラクターが海賊船の甲板で突き飛ばしにあって水中にどぼんといった場合、数百フィート下の海底に丈の高い海草の林があったとしても、それがなんであろう。そこで当ルールでは、地形としての水界を単に2つに大別する。流れる水(川や小川)と流れない水(海や湖)である。
 流れる水:穏やかな大河は時速わずか数マイルで流れるので、ほとんどの場合、流れない水として機能する。しかし中にはもっと流れの速い川や小川もある。こうした川の水上や水中にあるものは、1ラウンドあたり10~40フィートの速度で下流に流される。真に流れの速い急流は1ラウンドあたり60~90フィートの速度で、泳ぐ者を下流に押しやってしまう。流れの速い川は、常に最低でも“荒れた水面”(〈水泳〉DC15)として扱われる。白く泡立つ急流は“大荒れの水面”(〈水泳〉DC20)として扱われる。流れる水の中にいるキャラクターは、自分のターンの最後に、所定の距離だけ下流に流される。川岸に対する相対位置を保とうとするキャラクターは、自分のターンの一部または全部を上流へ泳ぐことに費やさなければならない。
 押し流される:1ラウンド60フィート以上の速度で流れる川によって押し流されているキャラクターは、毎ラウンド1回、DC20の〈水泳〉判定を行わねばならず、失敗すると水中に沈む。5以上の差で判定に成功したなら、岩や木の枝や水底の倒木につかまって体を固定することができる。岸にたどり着いて急流を脱出するには、DC20の〈水泳〉判定に3回連続で成功する必要がある。岩や枝や水底の倒木につかまって体を固定しているキャラクターが自力で脱出するには、そこを離れ水中に飛び出して泳ぎきらねばならない。ただし、他のキャラクターが彼らを救助することはできる。これはちょうど流砂(『地形:湿地』で既述)につかまったキャラクターを救出する場合のように行う。
 流れない水:海や湖で移動するには、単に水泳移動速度を使うか、〈水泳〉判定に成功すればよい。DCは穏やかな水面で10、荒れた水面で15、大荒れな水面で20である。水中にいる場合、キャラクターは呼吸する方法を見つけねばならない。そうできないなら溺れる可能性がある。水中では、キャラクターはどちらの方向へも移動することができる。
 水中での隠密行動と探知:水中でどれだけ遠くが見えるかは、水の透明度によって変わる。大体において、クリーチャーは水が澄んでいれば4d8×10フィート先まで、水がにごっていれば1d8×10フィート先まで見通せる。動いている水は常に濁っているものとして扱う。ただし、特に流れのゆるい大きな川は例外である。
 水中では身を隠すための遮蔽や視認困難を提供してくれるものをみつけるのは(海底を除き)難しい。
 不可視状態について:不可視状態のクリーチャーは、水を押しのけることになる。そして水を押しのけた場所には、そのクリーチャーの体の形をした“泡”のようなものが見える。このため、クリーチャーは完全視認困難(失敗確率50%)ではなく、視認困難(失敗確率20%)を得るにとどまる。

水中戦闘 Underwater Combat

 本来陸上に住んでいるクリーチャーにとって、水中で戦うのはかなり骨である。水中の環境はクリーチャーのAC、攻撃ロール、ダメージ、移動に影響を与える。そのクリーチャーの相手が攻撃にボーナスを得ることもある。こうした効果を『表:水中での戦闘に関する影響』にまとめた。キャラクターが泳いでいる場合も、胸まで水に浸かって歩いている場合も、水底を歩いている場合も、みなこの表を使えばよい。

表:水中での戦闘に関する影響
状況 攻撃/ダメージ 移動速度 バランスを崩すか 1
斬撃または殴打 刺突
フリーダム・オヴ・ムーヴメント 通常/通常 通常/通常 通常 崩さない
水泳移動速度を有する -2/半分 通常 通常 崩さない
〈水泳〉判定に成功 -2/半分 2 通常 1/4または半分 3 崩さない
しっかりした足場 4 -2/半分 2 通常 半分 崩さない
上記のいずれでもない -2/半分 2 -2/半分 通常 崩す

1……水中でばたばたともがいているクリーチャー(〈水泳〉判定に失敗した結果そうなっていることが多い)には、効果的に戦闘することは難しい。バランスを崩したクリーチャーは、ACへの【敏】ボーナスを失う。また、こうしたクリーチャーに対する攻撃には+2のボーナスがつく。
2……フリーダム・オヴ・ムーヴメントの効果を受けておらず、かつ水泳移動速度のないクリーチャーは、水中での組みつき判定には-2のペナルティを受けるが、組みつき時のダメージは通常通りに与える。
3……〈水泳〉判定に成功すれば、そのクリーチャーは1移動アクションによって本来の移動速度の1/4、1全ラウンド・アクションによって本来の移動速度の1/2で移動できる。
4……水底を歩いていたり、船体を支えにしていたりする場合、そのクリーチャーは“しっかりした足場”を有するものとみなされる。クリーチャーが水底を歩けるのは、自分自身を水に沈めるだけの重さの装備品を運搬している場合だけである。中型サイズのクリーチャーで最低16ポンド。この重量はサイズ分類が1段階大きくなるごとに×2され、サイズ分類が1段階小さくなるごとに×1/2される。

 水中での遠隔攻撃:水中では投擲武器は無効である(たとえ陸上から投げたとしても)。他の遠隔武器による攻撃には、通常の距離によるペナルティに加えて、水中を5フィ-ト通るごとに攻撃ロールに-2のペナルティがつく。
 陸上からの攻撃:泳いでいる者、水に浮かんでいる者、水面に顔を出して立ち泳ぎしている者、胸までかそれ以上の深さのある水をかき分けて歩いている者は、陸上の相手からの攻撃に対して良好な遮蔽を得る(ACに+8のボーナス、反応セーヴに+4のボーナス)。ただし陸上にいる相手がフリーダム・オヴ・ムーヴメントの効果を得ており、水中の目標に対して近接攻撃を行うのであれば、この遮蔽は無視される。完全に水面下にいるクリーチャーは、地上の相手に対して完全遮蔽を得る(ただし地上の相手がフリーダム・オヴ・ムーヴメントの効果を得ている場合を除く)。魔法効果は影響を受けないが、攻撃ロールを要するもの(これは他の効果と同様に影響を受ける)と[火]効果は別である。
 :魔法のものでない火(錬金術師の火を含む)は水中では燃えない。呪文および擬似呪文能力のうち、補足説明に[火]とあるものは、術者が術者レベル判定(DC20+呪文レベル)に成功しない限り、水中では効果がない。術者が判定に成功すれば、呪文は通常の火炎の効果の代わりに蒸気の泡を生み出すが、それ以外の点では呪文の説明通りに働く。超常能力の[火]効果は、特記なき限り水中では効果がない。水面は[火]呪文の効果線を遮断する。術者が術者レベル判定に成功して[火]呪文を水中で使い得たとしても、やはり水面はその呪文の効果線を遮断する。
 水中での呪文:水中で呼吸ができない者にとって、水面下で呪文を使うのは困難である可能性がある。水中で呼吸できないクリーチャーが水中で呪文を使うには、精神集中判定(DC15+呪文レベル)に成功しなければならない(これは[火]呪文を水中で使うための術者レベル判定とは別に行われる)。水中で呼吸できるクリーチャーはなんら影響を受けず通常に呪文を発動できる。GM判断により、ある呪文が水中では異なる機能を発揮するようにしてもよい。

氾濫 Floods

 野外の多くの場所では、よく川が氾濫する。
 春になると、大量の雪解け水が流れ込み、川や小川の水かさを増して氾濫を起こす。また、激しい雨嵐や堤防の決壊といった事件によって、氾濫がおきることもある。
 氾濫の際には、川はより広く、深く、流れが速くなる。春の氾濫期には、川の水面は1d10+10フィート高くなり、幅も1d4×50%増しになる。浅瀬は数日にわたって消滅する。橋が流されることもありうる。そして渡し舟も氾濫する川を渡ることはできない場合がある。氾濫中の川では〈水泳〉判定が1段階難しくなる(“穏やかな水面”は“荒れた水面”に、“荒れた水面”は“大荒れの水面”になる)。また、川の流れも50%分速くなる。

市街地の冒険 Urban Adventures

 壁と扉と部屋と通路が組み合わさってできているあたり、都市は一見してダンジョンに似ている。だが、都市での冒険にはダンジョンでの冒険と大きく違う点が2つある。キャラクターたちが活用できるリソースが多いことと、司直の目にさらされることだ。
 リソースの活用:ダンジョンや野外と違い、キャラクターたちは都市にいるとすぐに装備の売り買いができるのである。大きな都市や巨大都市には、おそらく高レベルのNPCや細かな知識分野の専門家がいて、力を貸してくれたり手がかりを読み解いてくれたりする。そしてPCたちは打撲や生傷を受けても、すぐに居心地のいい宿の一室に引っこむことができる。
 撤退がきくことと、すぐ市場に着けることで、都市ではPCたちが比較的自由に冒険のペースをコントロールできる。
 司直の目:都市での冒険とダンジョン探索との、もう1つの大きな違いは何か。ダンジョンは定義上ほぼ無法の地であり、そこにある掟はただ一つ、弱肉強食のジャングルの掟だけである。一方、都市は法律によって維持されており、そして法律のうちの少なからぬものは、まさに冒険者たちの日常の活動、すなわち殺しと死体あさりを防止するために作られている。とはいえ、多くの都市の法律は、モンスターを都市の安定に対する脅威と見なしており、殺しを禁じる法律は異形や悪の来訪者などには適用されないことが多い。だが邪悪な人型生物の多くは、全市民を保護する同じ法律によって保護される。悪の属性を有することは犯罪ではない(魔法の力が秩序を支えている重度の神権国家なら犯罪になるかもしれないが)。邪悪な“行為”のみが法に背くのである。たとえば冒険者たちが、悪党が市民に凶行をはたらく現場に出くわしたとしよう。そのとき冒険者たちが悪党に勝手に裁きを下して、その結果悪党が死んでしまったり、その他何らかの理由で裁判で証言することができなくなったなら、法律はこれを喜ばない。

武器・呪文の制限

 公共の場での武器の携行や呪文の制限に関する法律は都市ごとに違う。
 都市の法律はあらゆるキャラクターに同程度の影響を与えるとは限らない。モンクは武器を封印されてもさほど影響を受けないが、クレリックは聖印をすべて城門で没収されてしまうと大いに弱まる。

市街地にあるもの Urban Features

 壁、扉、貧弱な明かり、足もとのでこぼこ――都市はいろいろな点でダンジョンに似ている。都市設定で特に考慮すべきことをいくつか以下に挙げる。

壁と門

 多くの都市は街壁で囲まれている。典型的な“小さな都市”の街壁は、要塞化された石の壁で、厚さ5フィート、高さ20フィート。こうした壁は比較的なめらかで、よじ登るにはDC30の〈登攀〉判定を要する。壁の一方には狭間が設けられており、これにより街壁の上の衛兵が体をむきだしにしなくてすむようになっている。また、街壁の上には衛兵が歩き回れるだけの空間がある。典型的な“小さな都市”の街壁はAC3、硬度8で、10フィートの区画ごとに450hpを有する。
 典型的な“大きな都市”の街壁は厚さ10フィート、高さ30フィート。街壁の上の衛兵のために、両側に狭間が設けられている。それ以外はなめらかで、よじ登るにはDC30の〈登攀〉判定を要する。この種の壁はAC3、硬度8で、10フィートの区画ごとに720hpを有する。
 典型的な“巨大都市”の街壁は厚さ15フィート、高さ40フィート。両側に狭間があり、しばしば街壁の内部にトンネルや小部屋がある。“巨大都市”の街壁はAC3、硬度8で、10フィートの区画ごとに1,170hpを有する。
 より小さな都市と違って、巨大都市は周囲の街壁の他に都市内部にも壁を有する場合がある。単に都市が大きくなったせいで古い街壁が市内に残っているのかもしれないし、都市内部の地区と地区を区切る壁なのかもしれない。こうした壁は外部の街壁と同じほど大きく分厚い場合もあるが、普通は“大きな都市”や“小さな都市”の街壁程度である。
 見張り塔:一部の街壁には見張り塔が設けられている。塔と塔の間隔は不規則である。常時すべての塔に人員を配しておけるだけの衛兵がいる都市は少ないが、外から攻撃が来そうな時は話が別である。塔は周囲の野を見渡すによく、寄せ手に対する防衛の拠点によい。
 典型的な見張り塔は、街壁に組みこまれていて街壁よりも10フィート高く、直径は街壁の厚みの5倍。塔の上のほうの階には矢狭間が並び、屋上には周囲の街壁と同様に狭間がある。小さな塔(厚さ5フィートの壁に付いている直径25フィートの塔)では、塔の階と階、階と屋上は単なる1本の梯子でつながっている。もっと大きな塔だと梯子のかわりに階段がある。
 門が普段から使われているのでなければ、その入り口には、良い錠前(〈装置無力化〉DC30)のかかった、鉄で補強された重たい木製の扉が閉まっている。規定では、塔の鍵は衛兵隊長が身につける。また、合鍵が市内の要塞ないし兵舎に保管されることになっている。
 :典型的な街門には、落とし格子が2つあり、その間には天井に穴が開いていてここから物が落ちてくるしくみの門楼になっている。“町”や一部の“小さな都市”では、正門は街壁に設けられた両開きの鉄製の門である。
 門は通常、昼間は開き、夜には錠前やかんぬきがかかる。通例、夜中も1つは旅人を入れる門があって、正直そうな者やしかるべき書類を持った者や充分な賄賂を出す者(このあたり個々の都市や個々の衛兵によって違う)は衛兵に門を開けてもらうことができる。

兵と衛兵

 典型的な都市には成人人口の1%にあたる専業兵士がいる。加えて人口の5%にあたる民兵ないし徴集兵がいる。専業兵士は市の衛兵であり、市内の秩序維持に責任を負う。言うなれば現代の警察に類する役目であり、加うるに副次的な任務として都市を外敵から守る役目がある。一方、徴集兵は都市への攻撃があるとなった時に召集される。
 典型的な衛兵隊は、8時間ごとの3交代制で勤務につく。部隊の30%は昼の勤め(午前8時~午後4時)、35%は夕の勤め(午後4時~午前0時)、35%は夜の勤め(午前0時~午前8時)である。どんな時も、勤務中の衛兵の80%は通りを見回り、残る20%は詰所に詰めておいて、近くで警報があったら反応する。この手の衛兵詰所は都市の各地区に1つ以上あり、1地域は数個の区画からなる。
 都市の衛兵の大方はウォリアー、うちほとんどは1レベルである。士官の中には高レベルのウォリアーやファイターに加えて、一定数のクレリック、ウィザード、ソーサラー、またファイターと呪文の使い手のマルチクラス・キャラクターもいる。

攻城兵器

 攻城兵器とは、城や要塞を包囲攻撃する際に伝統的に用いられる大型の武器、仮設建造物、装備類のことである。

表:攻城兵器
アイテム 価格 ダメージ クリティカル 射程単位 典型的操作員数
ヘヴィ・カタパルト 800gp 6d6 200フィート(最低100フィート) 4
ライト・カタパルト 550gp 4d6 150フィート(最低100フィート) 2
バリスタ 500gp 3d8 19~20 120フィート 1
攻城槌 1,000gp 3d6 * 10
攻城櫓 2,000gp 20
*…特殊ルールあり、本文参照

カタパルト攻撃への修正値
状況 修正値
目標のマス目まで視線が通っていない -6
連続射撃(最新の失敗の着弾点が操作員に見える) 1回失敗するごとに+2加算(最大+10)
連続射撃(最新の失敗の着弾点が操作員に見えないが、着弾観測員からの報告がある) 1回失敗するごとに+1加算(最大+5)

 〈装置無力化〉を使って無力化しようとする場合、攻城兵器は“複雑な装置”として扱う。無力化には2d4ラウンドかかり、DC20の〈装置無力化〉判定に成功しなければならない。典型的な攻城兵器は木製で、AC3(-5【敏捷力】、-2サイズ)、硬度5、80ヒット・ポイントを有する。別の素材で作られた攻城兵器だと異なる値になることもある。攻城兵器の中には装甲が施されているものもある。その種の鎧の価格を決める際には、攻城兵器を超大型のクリーチャーとして扱うこと。攻城兵器は高品質にしたり、魔法の武器として強化することができ、攻城兵器を命中させるための判定にその攻撃ロールへのボーナスを加えることができる。高品質の攻城兵器は表の価格より300gp高い。魔力が付与された攻城兵器は魔力を付与するのに通常の2倍のコストがかかる。例えば、フル・プレートで鎧われた+1フレイミング・ヘヴィ・カタパルトは、AC11となり、23,100gpかかることになる(基本価格800gp+鎧6,000gp+高品質300gp+強化16,000gp)。
 ヘヴィ・カタパルト(重投石器):ヘヴィ・カタパルトは強烈な力で岩や重い物体を投げることのできる大型装置である。カタパルトから投射された物体は高い弧を描いて飛ぶため、視線の通らないマス目にも命中し得る。発射の際には、操作員の長が特殊な判定を行なう。DC15に対して、自分の基本攻撃ボーナス、【知力】修正値、射程単位によるペナルティ、『攻城兵器』表後半の各種修正のみを加えてロールすること。判定に成功すればカタパルトの石は目標のマス目に命中し、そのマス目内のすべての物体とキャラクターに対して表にある通りのダメージを与える。キャラクターはDC15の反応セーヴに成功すればダメージを半分にできる。カタパルトの石が特定のマス目に命中したなら、以後の弾も同じマス目に命中する。ただしカタパルトが狙いを変えたり、風の方向や速度が変われば話は別である。
 カタパルトの石が目標のマス目から外れたなら、どこに着地するかを決めるために1d8をロールすること。これによって、どちらの方向へそれたかが決まる。出た目が1ならばカタパルトのほうへそれる。以下、2~8まで時計回り。その方向へ、攻撃の1射程単位ごとに目標のマス目から1d4マスぶんそれる。
 1基のカタパルトを再び発射可能にするには、一連の全ラウンド・アクションを必要とする。弾を撃ち出す“腕”の部分をウィンチを使って引き下ろすには、DC15の【筋力】判定1回が必要である。大方のカタパルトには巻きあげ用の滑車がついていて、最大2人までの操作員が援護アクションによってウィンチの主操作員を手助けできるようになっている。DC15の〈職能:攻城技師〉判定1回で“腕”の部分をしかるべき位置に固定でき、さらにもう1回の〈職能:攻城技師〉判定でカタパルトに弾をこめることができる。また、ヘヴィ・カタパルトの狙いをつけなおすには合計4回の全ラウンド・アクションを要する(これらの全ラウンド・アクションは複数の操作員が同一ラウンドに行なうこともできる。従って4人の操作員がいれば、わずか1ラウンドでヘヴィ・カタパルトの狙いをつけなおすことができる)。
 ヘヴィ・カタパルトは一辺15フィートの接敵面を占める。
 ライト・カタパルト(軽投石器):ヘヴィ・カタパルトの小型軽量版。ヘヴィ・カタパルトと同様に機能するが、“腕”の部分をしかるべき位置まで引き下ろすのはDC10の【筋力】判定でよく、また狙いをつけなおすには合計2回の全ラウンド・アクションでよい。
 ライト・カタパルトは一辺10フィートの接敵面を占める。
 バリスタ:バリスタとは要するに非常に大きな固定式のクロスボウである。あまりに大きいため、大方のクリーチャーにとってこの武器の狙いを定めるのは難しい。このため中型サイズのクリーチャーはバリスタ使用時の攻撃ロールに-4、小型サイズのクリーチャーは-6のペナルティを受ける。サイズ分類が大型未満のクリーチャーは、バリスタを発射後再装填するのに2回の全ラウンド・アクションを要する。
 バリスタは一辺5フィートの接敵面を占める。
 破城槌:重い棒。しばしば可動式の櫓(やぐら)に吊り下げられており、操作員たちは棒を勢いよく揺り動かして構造物にぶつけることができる。1回の全ラウンド・アクションで、操作員のうち破城槌の正面に一番近いキャラクターが構造物のACに対して攻撃ロールを行なう。この攻撃には、武器に習熟していないことによる-4のペナルティが付く(この装置に習熟することはできない)。『攻城兵器』表にある通りのダメージに加えて、破城槌を操作しているその他のキャラクター9人までが、1回の攻撃アクションによって、その【筋力】修正値を破城槌のダメージに足すことができる。1本の破城槌を揺り動かすには、最低でもサイズ分類が超大型以上のクリーチャー1体か、大型のクリーチャー2体か、中型のクリーチャー4体か、小型のクリーチャー8体が必要になる。
 典型的な破城槌は長さ30フィート。戦闘では、破城槌を操作するクリーチャーたちは同じ長さの隣接したタテ2列になって並び、その間に破城槌が位置することになる。
 攻城櫓:大きな木製の櫓。車輪かコロ(訳注:物を動かすために下に敷いて転がして用いる丸い棒)の上に乗せて移動できるようになっている。これを防壁に近づければ、攻撃側は遮蔽を得つつ櫓を登り、そこから防壁の上に乗り移ることができる。攻城櫓の木製の壁は通常1フィートである。
 典型的な攻城櫓は、一辺15フィートの接敵面を占める。櫓の内側のクリーチャーは、これを押して10フィートの移動速度で動かすことができる(攻城櫓は疾走はできない)。地面の高さで攻城櫓を押す8体のクリーチャーは完全遮蔽を得る。櫓のより高い階にいる者たちは良好な遮蔽を得たうえで狭間窓から矢を射ることができる。

街路

 都市の典型的な通りは狭く、曲がりくねっている。大方の通りの幅は平均で15~20フィート程度。路地は幅10フィートから、狭いときにはわずか5フィートほど。街路の敷石は、状態のよいものなら移動に何の障りもないが、修理の行き届いていない、わだちのついた泥道は“軽度の瓦礫”と見なされ、〈軽業〉判定のDCを+2する。
 一部の都市、ことに小さな集落からより大きな都市へと成長していった都市には、これより大きな大通りというものが存在しない。計画都市や、大火事からの復興に際して上層部が計画的に(人家のあったところに)新しい道をひいた都市には数本、街区を通るより大きな大通りが存在するかもしれない。こうした大通りは幅25フィートで、四輪馬車どうしがすれちがえるようになっている。加えて、左右に幅5フィートの歩道がある。
 群集:街路はしばしば、日々の暮らしを営む人々でごった返している。ほとんどの場合、都市の目抜き通りで戦闘になったからといって、そこにいあわせた1レベルのコモナーを全員マップに配置する必要はない。そうではなく、単にマップ上のどのマス目に群集がいるかを示せばいい。何か明白に危険なものを目にしたなら、群集は毎ラウンド、イニシアチブ・カウント0で、1ラウンドあたり30フィートの割合で離れてゆく。群衆のいるマス目に入るには、1マスあたり2マスぶんの移動がかかる。群集のいるマス目にいるキャラクターには、群集が遮蔽を提供する。これにより、そのキャラクターは〈隠密〉判定を行なうことが可能になり、またACと反応セーヴにボーナスを得る。
 群集を操る:DC15の〈交渉〉判定、ないしDC20の〈威圧〉判定に成功すれば、群集を説得して特定の方向へ移動させることができる。ただし、このとき群集は試みを行なう者の声を聞くか、姿を見ることができねばならない。この〈交渉〉判定には1全ラウンドを要するが、〈威圧〉ならば1回のフリー・アクションである。
 2人以上のキャラクターが、同じ群集をそれぞれ別々の方向へ動かそうとしている場合、〈交渉〉か〈威圧〉を用いた対抗判定を行なって、群集がどちらの言うことをきくかを決定する。2人の判定結果のどちらも上記のDCに達しなかった場合、群集は両方を無視する。

街路の上と下

 屋根の上:建物の屋根の上に出るには、普通は壁を登る必要がある。もっとも、もっと高いところにある窓なりバルコニーなり橋なりから飛び降りる手もある。平らな屋根の上を走るのは容易いが、こうした屋根はおおむね暑熱気候にのみ見られる(雪がつもると平らな屋根はつぶれてしまうのだ)。斜めの屋根や“へ”の字型の屋根の一番高いところを伝ってゆくには、DC20の〈軽業〉判定が必要になる。屋根の斜めの面を高度を変えずに(つまり一番高いところと平行に)移動するには、DC15の〈軽業〉判定が必要になる。屋根の上で高いほうへ登っていったり、低いほうへ降りていったりするのは、DC10の〈軽業〉判定でよい。
 屋根が尽きたら、隣の屋根に飛び移ったり地面に飛び降りたりするには、幅跳びを試みることになる。隣の屋根までの距離は普通、水平距離にして1d3×5フィート。ただし、この空間のむこうの屋根がこちらより5フィート高い確率、5フィート低い確率、同高度である確率はあい等しい。〈軽業〉技能の記述(水平方向の跳躍の頂点での高さは、水平距離の1/4に等しい)に従って、キャラクターが首尾よく跳躍できたかどうかを判定すること。
 下水道:下水道に入るには、ほとんどの場合、まず下水の格子を持ち上げて(1回の全ラウンド・アクション)から、10フィート下へ飛び降りる必要がある。下水道はちょうどダンジョンと同じようにつくられているが、“すべりやすい床”や水に覆われた床がより多い。そこでどんなクリーチャーと遭遇するかという点においても、下水道はダンジョンによく似ている。一部の都市は古い文明の遺跡の上に築かれているため、そんな土地の下水は、時として過ぎた昔の財宝や危険につながっている可能性がある。

都市の建築物

 都市の建築物の多くは3種に分類され得る。まず大方は2~5階建てで、軒を並べて長い列をなして建っており、通りや大通りがこの列を断ち切っている。立ち並ぶこれらの家々は、普通は1階で家業を営み、上の階を事務所や住居にしている。
 宿屋、成功している事業の拠点、大きな倉庫。それに粉屋や皮なめし屋のような、普通以上に場所をとる仕事の場。こういったものは、概して大きな一戸建ての建物になっており、階数は5階まで。
 最後に、小さな住宅や店や倉庫や物置き場などの、簡単な木造1階建ての建物がある。特に貧しい地区に多い。
 都市の大方の建築物は、下の1、2階は粘土製の煉瓦と石を組み合わせたもので、上の階や内壁や床は木でできている。屋根は板、わら、スレート(石板)を並べてピッチ(訳注:タールを蒸留した後に残る黒いかす)で継ぎ目をふさいだものなど、いろいろ。典型的な下の階の壁は厚さ1フィート、AC3、硬度8、90hpを有し、〈登攀〉DCは25である。典型的な上の階の壁は厚さ6インチ、AC3、硬度5、60hpを有し、〈登攀〉DCは21である。多くの建物の外側の扉は、“上質の木製の扉”であり、商店や酒場などの人の集まる建物でない限り、普通は鍵がかかっている。

都市の明かり

 都市に大通りがあるなら、そこにはランタンが、家々の窓の日よけよりも7フィートほど高いところに連なって灯っている。ランタンとランタンの間は60フィートほどなので、その明かりはまあなんとか続いているといったところ。二次的な通りや路地に明かりはない。市民が夜中こうした道を歩くときはランタン持ちを雇うのが常である。
 路地はまわりの高い建物のおかげで昼なお暗い。昼間に関して言えば、暗い路地といってもほんとうに視認困難を提供してくれるほど暗いことはめったにないが、〈隠密〉判定には+2の状況ボーナスが付く。

次元界 The Planes

 ゲームでは終わりのない冒険が待ち受けている。他の大陸、他の惑星、他の銀河……これらを越えたさらに他の世界がある。無限の惑星の存在をすら越えたさらなる世界とは、全く異なる異次元世界であり、“存在の諸次元界”と呼びならわされている。稀にしかない連結点を除けば、各次元界は独自の自然法則を持つ独立した世界として存在している。これら異次元界の総体は“大いなる彼方”として知られている。
 次元界は想像力の限界まで無数にあるが、それら全ては5つの一般的な型に分類できる。物質界、中継界、内方次元界、外方次元界、そして数え切れないほどの擬似次元界である。
 物質界:物質界はもっとも地球によく似ており、我々が住む現実世界と同じ自然法則が働いている。物質界の“広がり”はキャンペーンによって異なる。君のゲームの設定では1つの世界のみに限られるかもしれないが、あるいは他の惑星、衛星、星々、銀河など全宇宙に拡がるかもしれない。パスファインダーRPGのキャンペーンは普通物質界が“本拠地”になる。
 中継界:中継界は1つの共通した重要な特性を持っている。いずれも他の次元界と重なり合っていて、重なり合う世界の間の移動に用いられるのだ。これらは物質界と最も密接に影響しあう次元界であり、様々な呪文によって頻繁に行き来される。こうした次元界を出身とするクリーチャーも存在する。中継界の例としては以下のものがある。
 アストラル界:物質界と内方次元界を外方次元界とつないでいる銀色の虚空であるアストラル界は、魂が死後の世界へと旅するための媒介である。アストラル界を旅する者には、この次元界は、重なり合う諸次元界から生み出された現実のかけらがまるで塵のようにちりばめられた広大な空虚に見える。強力な呪文の使い手は瞬間移動する時にほんのわずかな時間アストラル界を利用している。またアストラル・プロジェクション呪文のような次元間旅行を行う呪文もアストラル界を利用している。
 エーテル界:エーテル界は物質界と影界との間の緩衝地帯として存在するおぼろな世界であり、この2つの世界と重なり合っている。エーテル界を旅する者は、現実の世界がまるで実体を持たない亡霊のようなものとして見え、現実世界からは見られることなく固形物を通り抜けて移動することができる。エーテル界に住む奇妙なクリーチャーは、まる亡霊や夢と同様に、神秘的かつ恐るべき方法で現実世界に影響を及ぼすことがある。強力な呪文の使い手は、エーテル界をブリンクイセリアルネスイセリアル・ジョーントなどの呪文で利用している。
 影界:不気味で危険な影界は、物質界の恐ろしく、色のない“複製”である。物質界と重なり合っているものの、大きさはより小さく、多くの点でねじくれ歪んだ物質界の“投影”であり、一部は負のエネルギー(内方次元界を参照)と融合しており、アンデッドのシャドウやもっと悪い奇妙なモンスターたちの故郷である。強力な呪文の使い手はシャドウ・ウォーク呪文を使って物質界の長距離を速やかに移動したり、シャドウ・エヴォケーション呪文やシェイドのような擬似現実的な効果やクリーチャーを生み出すために影界を利用する。
 内方次元界:内方次元界は現実の構成要素から成り立っている。これは、これらの次元界が物質界と一体であるかのように思わせるが、中継界のように物質界と重なり合っているわけではない。それぞれの内方次元界は1種類の元素ないしエネルギーのみで構成された世界であり、その力が他の全てを圧倒している。内方次元界の出身者の身体は、次元界と同じ元素やエネルギーでできている。内方次元界の例としては以下のものがある。
 元素界:古典的な4つの内方次元界、すなわち風の次元界、地の次元界、火の次元界、水の次元界である。エレメンタルとして知られるクリーチャーはこれらの次元界から召喚されるが、ジンニー、金属喰いのゾーン、インヴィジブルストーカー、イタズラ好きのメフィットなどの奇妙な住人も住んでいる。
 エネルギー界:正のエネルギー界(ここから生命を呼び覚ます火花が降り注ぐ)と負のエネルギー界(ここからアンデッドの不吉な穢れがやってくる)がある。双方の次元界からのエネルギーは現実世界に満ちあふれ、全てのクリーチャーはこのエネルギーの満干によって生から死への行路を進む。クレリックはこれらの世界からのエネルギーをエネルギー放出に利用している。
 外方次元界:死すべき定めのものの世界の彼方、現実の礎である世界の彼方に、外方次元界は存在する。これらの世界は死者の魂の終着点であり、神々自らが統治する領域がある場所でもある。それぞれの外法次元界はどれも属性を持ち、特定の道徳観や規律観を具現している。各外方次元界の出身者たちも、その属性に傾倒しているものが多い。外方次元界は物質界を離れた魂が最後の安息──安らかなる悟りに至るにせよ、永遠に苦しみ続けるにせよ──を得る場所でもある。外方次元界の住人は、エンジェルとデーモン、ティタンとデヴィル、その他考えられる無数の存在の顕現を含む、神話的存在たちである。各キャンペーンはそれぞれの主題と必要に応じて独自の外方次元界を持つべきだが、古典的な外方次元界としては、秩序にして善の天上界ヘヴン、混沌にして悪の奈落界アビス、圧制的な秩序にして悪の地獄界ヘル、移り気で自由と喜びに満ちた混沌にして善の浄土界エリュシオンがある。強力な呪文の使い手は、コミューンコンタクト・アザー・プレインのような呪文を使って助言や導きを得るために外方次元界と接触し、あるいはプレイナー・アライサモン・モンスターのような呪文を使って味方を召喚する。
 擬似次元界:これは次元界と同じ機能を持つが、大きさが計測可能で、限られた手段によってしか出入りできない異次元空間全てを含む包括的な分類である。他のタイプの次元界の大きさが理論上無限であるのに対し、擬似次元界は直径数百フィート程度しかないこともある。無数の擬似次元界が現実世界を漂い、ほとんどがアストラル界とエーテル界を通じてつながっているが、いくつかは中継界から切り離され、隠蔽されたポータルや適切な呪文によってのみ出入りすることができる。

階層化された次元界

 無限大はいくつもの、より小さな無限大に分割できる。そして次元界もまた関連性のあるより小さな次元界に分けることができる。こうしてできた階層は、実質上別個の存在の次元界であり、各階層が独自の次元界特性を持つことができる。階層は様々な種類のプレイナー・ゲート(次元門)、自然に存在する“渦動”や“行路”、移動する境界線などを通じて互いにつながっている。
 他の次元界と階層化された次元界との行き来は、次元界ごとに決まった特定の階層――最上層か最下層――を通じてのみ行われるのが普通である。固定された進入ポイント(ポータルや自然に存在する渦動など)は、ほとんどがこの階層に通じており、他の階層への玄関口になっている。プレイン・シフト呪文も、呪文の使い手を第1階層へ連れて行く。

次元界の相関関係

 隔絶している2つの次元界は互いに重なり合うことも直接つながることもない。こうした次元界は異なる軌道をめぐる惑星のようなものである片方の次元界から隔絶したもう片方の次元界に行くには、別の第3の次元界(中継界のような)を経由していかねばならない。
 隣接した次元界:隣接した次元界は、特定の場所で互いに接触している。接触している場所には“連結点”が存在し、旅人たちはそこから自分の世界を後にして別の世界へ行くことができる。
 併存する次元界:2つの次元界が併存しているなら、両者をつなぐ連結をどこにでも作り出すことができる。併存する次元界は互いに完全に重なり合っている。併存する次元界には重なり合った次元界のどこからでも行くことができる。併存する次元界から重なり合った次元界を見たり、互いに影響を及ぼしたりできることも多い。

天候 Weather

 天候が冒険に重要な役割を果たすこともある。

表:天気ランダム決定表
d% 天気 寒冷な気候 温暖な気候 1 砂漠
01~70 通常の天気 寒冷 その季節の標準 2 猛暑
71~80 異常な天気 熱波(01~30)か寒波(31~100) 熱波(01~50)か寒波(51~100) 猛暑風が強い
81~90 荒れ模様の天気 降水 降水(その季節の標準) 猛暑風が強い
91~99 吹雪 雷雨吹雪 砂嵐
100 激しい嵐 猛吹雪 暴風猛吹雪台風竜巻 豪雨
1…温暖な気候には、森林、丘陵、湿地、山岳、平原、暑熱な気候帯の水界が含まれる。
2…冬は寒冷、夏は暑い、春と秋は穏やか。湿地は冬でも少し暖かい。

『表:天気ランダム決定表』は一般的な地域の天気を決めるために使うことができる。表の用語は以下の通り。
 暑い/Warm:日中が華氏60~85度(15.6℃~29.4℃)、夜間はそれより華氏10~20度(5.6~11.1℃)低い。
 砂嵐吹雪雷雨:風速は毎時30~50マイル(強風)で、目視できる距離は1/4に減る。は2d4-1時間持続する。詳細は後述の『』の項を参照。
 穏やか/Moderate:日中が華氏40~60度(4.4℃~15.6℃)、夜間はそれより華氏10~20度(5.6~11.1℃)低い。
 風が強い/Windy:風速は時速10~30マイル(軟風疾風)。『表:風力効果』参照。
 寒波/Cold Snap:気温が華氏10度(5.6℃)下がる。
 寒冷/Cold:日中が華氏0~40度(-17.8~4.4℃)、夜間はそれより華氏10~20度(5.6~11.1℃)低い。
 豪雨/Downpourとして扱う(後述の“降水”を参照)が、と同様に視認困難を与える。氾濫が起こる。豪雨は2d4時間続く。
 降水/Precipitation:d%をロールして、降水が(01~30)であるか(31~90)であるか、みぞれひょう(91~00)であるか決定する。みぞれは気温が華氏30度以下(氷点下)の時にだけ発生する。ほとんどの降水は2d4時間持続する。一方、ひょうは1d20分しか持続しないが、通常は1d4時間のを伴う。
 凪/Calm:風速は低い(毎時0~10マイル)。
 熱波/Heat Wave:気温が華氏10度(5.6℃)上がる。
 激しい嵐暴風猛吹雪台風竜巻)/Powerful Storm:風速は毎時50マイルを超える(『表:風力効果』参照)。さらに猛吹雪は積雪(深さ1d3フィート)を伴い、台風豪雨を伴う。暴風は1d6時間持続する。猛吹雪は1d3日持続する。台風は1週間まで持続することがあるが、嵐の中心部が直撃する際の24~48時間の時間帯が、キャラクターたちにもっとも大きな影響がある。竜巻の寿命は非常に短く(1d6×10分)、たいていは雷雨システムの一部として形成される。
 猛暑/Hot:日中が華氏85~110度(29.4~43.3℃)、夜間はそれより華氏10~20度(5.6~11.1℃)低い。

雨、雪、みぞれ、ひょう

 悪天候にあうと、旅の足は遅くなり、時にはとまる。目的地までの行程を定めることも事実上不可能になる。すさまじい豪雨猛吹雪は、濃いと同様に視界をぼやけさせてしまう。降水の大方はとして現れるが、寒い時にはみぞれひょうとなって現れることもある。何らかの降水の後に寒波が続き、寒波の現れる前には氷点より上だった温度が氷点下になったなら、氷が生じる。
 雨/Rain:雨は目視できる距離を半分にし、〈知覚〉判定に-4のペナルティを及ぼす。また、炎、遠隔武器による攻撃、〈知覚〉判定に対しては、強風と同じ効果を及ぼす。
 大雪/Heavy Snow:大雪は普通の降雪と同じ効果を有する。加えて霧(『』参照)と同様に視界を制限する。1日間の大雪は地面に1d4フィートの深さのを残す。大雪に覆われたマス目に入る場合、1マスあたり4マス分の移動がかかる。大雪に疾風ないし強風がともなうと、あちこちにが吹き寄せられて高さ1d4×5フィートほどになったかたまりができる。特に小屋や大きなテントなど、風を跳ね返すほど大きなものの周囲や中にできることが多い。大雪には10%ほどの確率で稲妻(『雷雨』参照)が伴う。は炎に対しては軟風と同じ効果を及ぼす。
 ひょう/Hail:ひょうは視界を狭めることはないが、ひょうの落ちる音は聴覚による〈知覚〉判定をより難しくする(-4のペナルティ)。時として(5%の確率で)、屋外にいる者全員に(1回の嵐につき)1ポイントのダメージを与えるほどの大粒のひょうが降ってくることもある。一旦地面につくと、ひょうは移動に関してと同じ効果をあらわす。
 みぞれ/Sleet:みぞれというのはつまり氷まじりの雨である。降っている間はと同じ効果を有し(ただし覆われている炎を消す確率は75%)、一旦地面につくとと同じ効果を有する。
 雪/Snow:降雪は視界、遠隔武器による攻撃、技能判定に対して、と同じ効果を及ぼす。また、雪に覆われたマス目に入る場合、1マスあたり2マス分の移動がかかる。1日間の降雪は地面に1d6インチの深さの雪を残す。

 一方に降水または砂、もう一方にあらゆる嵐につきものの風、この両者があいまって、嵐の中では目視できる距離が1/4になり、〈知覚〉判定に-8にペナルティがつく。嵐は遠隔武器による攻撃を不可能にする。ただし攻城武器は例外で、攻撃ロールに-4のペナルティを受けるだけでよい。ろうそくや松明などの“覆われていない火”は自動的に消える。ランタンなどの“覆われている火”は激しくゆらめき、50%の確率で消えてしまう。このような嵐の中、屋外で身を隠す場所にいるわけでもないクリーチャーがどんな目にあうかについては『表:風力効果』を参照。嵐には次の3種がある。
 砂嵐(脅威度3)/Duststorm:この砂漠の嵐は、他の嵐と違って降水を伴わない。代わりに目の細かな砂を吹きつけて、視界をさまたげ、覆われていない火をくすぶらせて消してしまう。覆われている火も消してしまう可能性(50%)がある。砂嵐はほとんどの場合強風を伴っており、その吹き荒れた後には深さ1d6インチの砂が積もる。10%の確率で暴風級の砂嵐(『表:風力効果』参照)を伴った大砂嵐が起きることもある。こうした大砂嵐は、身を隠す場所もなく屋外にいる全ての者に毎ラウンド1d3ポイントの非致傷ダメージを与え、窒息の危険をも及ぼす(『溺れ』のルールを参照。ただしスカーフなどの防御手段で鼻と口を覆った者は、【耐久力】+10ラウンドが過ぎるまでは窒息し始めることはない)。大砂嵐は通った後に2d3-1フィートの細かな砂を残していく。
 吹雪/Snowstorm:他の嵐と同様の風と降水に加えて、吹雪は地面に深さ1d6インチのを残していく。
 雷雨/Thunderstorm:風と降雨(通常はだが、ひょうが降ることもある)に加えて、雷雨は稲妻も伴っており、これはしかるべき隠れ場にいない者(なかんずく、金属製の鎧を着用している者)には危険となる可能性がある。大まかなルールとして、嵐の中心付近にいる1時間の間、1分間に1回の落雷があるとみなすこと。1回の落雷は4d8~10d8ポイントの[電気]ダメージを与える。10の雷雨のうち1つは竜巻を伴っている。
 激しい嵐:風と降水がすさまじいので視界はゼロになり、〈知覚〉判定と全ての遠隔武器による攻撃は不可能になる。覆われていない火は自動的に消え、覆われている火も75%の確率で水浸しになって消えてしまう。激しい嵐の範囲に入ったクリーチャーは頑健セーヴを行わねばならず、失敗すればクリーチャーのサイズに基づいて影響を受ける(『表:風力効果』参照)。激しい嵐には以下の4種がある。
 暴風暴風はほとんど、あるいは全く降水を伴わないが、風の力だけでかなりのダメージを与える。
 猛吹雪/Blizzard:激しい風と大雪(たいていは深さ1d3フィート)、そして厳寒の複合効果のため、備えをしていなかった者にとっては猛吹雪は死に至る危険となる。
 台風:非常に激しい風と豪雨のため、台風は氾濫を伴う。このような条件下では、冒険活動はまず不可能である。
 竜巻:信じられないほどの激しい風のため、竜巻にまきこまれた者は、重傷を負うか死んでしまうかもしれない。

 低くかかった雲か、地面から立ち上ったもやであるかに関わらず、霧は5フィートを超える全ての視界(暗視を含む)を妨げる。5フィート先のクリーチャーには視界困難を得る(そうしたクリーチャーからの攻撃やそうしたクリーチャーへの攻撃には20%の失敗確率がつく)。

 風は砂やほこりを痛いほど吹き付けたり、大きな火を煽り立てたり、小舟をひっくり返したり、ガスや蒸気を吹き払ったりすることがある強い風なら、キャラクターを打ち倒したり(『表:風力効果』参照)、遠隔攻撃を妨げたり、一部の技能判定にペナルティを与えたりすることもある。

表:風力効果
風力 風速 遠隔攻撃
(通常兵器/攻城兵器) 1
釘付けにされる
サイズ 2
吹き飛ばされる
サイズ 3
〈飛行〉への
ペナルティ
微風 毎時0~10マイル ─/─
軟風 毎時11~20マイル ─/─
疾風 毎時21~30マイル -2/─ 超小型 -2
強風 毎時31~50マイル -4/─ 小型 超小型 -4
暴風 毎時51~74マイル 不可能/-4 中型 小型 -8
台風 毎時75~174マイル 不可能/-8 大型 中型 -12
竜巻 毎時175~300マイル 不可能/不可能 超大型 大型 -16
1…攻城兵器の分類には、バリスタやカタパルトによる攻撃のほか、ジャイアントによる投石も含まれる。
2…釘付けにされるサイズ/Checked Size:このサイズと同じかより小さなサイズのクリーチャーは、DC10の【筋力】判定(地上にいる時)かDC20の〈飛行〉判定(空中にいる時)に成功しなければ、風の力に逆らって前に進むことができない。
3…吹き飛ばされるサイズ/Blown Away Size:地上にいるクリーチャーは、DC15の【筋力】判定に成功しなければ、風の力によって打ち倒されて伏せ状態になり、1d4×10フィート転がされ、10フィート転がされるごとに1d4ポイントの非致傷ダメージを受ける。飛行中のクリーチャーは、DC25の〈飛行〉判定に成功しなければ、2d6×10フィート吹き戻され、もみくちゃにされて2d6ポイントの非致傷ダメージを受ける。

 微風/Light:穏やかなそよ風。ゲーム上の効果はおおむね何もない。
 軟風/Moderate:ろうそくのような小さな“覆われていない火”を50%の確率で消してしまう風。
 疾風/Strong:ろうそく、松明などの“覆われていない火”を自動的に消してしまう強い風。これだけの風になると、遠隔攻撃ロールおよび〈知覚〉判定に-2のペナルティがつく。
 強風/Severe:あらゆる種類の“覆われていない火”を自動的に消してしまうだけではなく、これほどの風になると、ランタンの火などの“覆われている火”も激しく揺らめき、50%の確率で消えてしまう。遠隔武器攻撃と〈知覚〉判定に-4ペナルティがつく。ガスト・オヴ・ウィンド呪文で生み出される風の速度はこれにあたる。
 暴風/Windstorm:木丸ごとは無理でも、枝くらいは吹き散らしてしまう。暴風は“覆われていない火”を自動的に消し、ランタンなどの“覆われている火”も75%の確率で吹き消してしまう。遠隔武器攻撃は不可能で、攻城兵器でも-4のペナルティがつく。風の立てる轟音のため〈知覚〉判定には-8のペナルティがつく。
 台風級の風/Hurricane:全ての火は消されてしまう。遠隔攻撃は不可能である(攻城兵器だけは例外だが、攻撃ロールに-8のペナルティがつく)。聴覚に基づく〈知覚〉判定も不可能で、キャラクターに聞こえるのは風の怒号ばかり。台風級の風が吹けば、木々が倒されることも多い。
 竜巻(脅威度10)/Tornado:全ての火は消されてしまう。どんな遠隔攻撃も(攻城兵器のよるものも)、聴覚に基づく〈知覚〉判定も不可能である。竜巻の近くにいるキャラクターは、頑健セーヴに失敗すると、吹き飛ばされる(『表:風力効果』参照)のではなく、竜巻の方に吸い寄せられる。じょうごの形をした竜巻の本体に接触したものは、巻き上げられて1d10ラウンドの間振り回され、乱暴に放り出される(落下ダメージが適用されるかもしれない)までの毎ラウンド6d6ポイントのダメージを被る。竜巻の回転速度は最大で毎時300マイルにまで及ぶことがあるが、竜巻自体は平均時速30マイル(およそ1ラウンドあたり250フィート)で進む。竜巻は木々を根こそぎにし、建物を壊し、そのほかこれに類する大きな破壊をもたらす。

環境の各種ルール Environmental Rules

 特定の1種類の地形に特有の災害については『環境(野外)』で説明してある。以下に複数種類の舞台背景でよく起こりうる環境的な災害について述べる。

飢えと渇き

 食料も水もなく、それらを手に入れる手段もないということもありうる。通常の気候では、中型サイズのキャラクターが飢えぬためには、1日に少なくとも1ガロン(約3.8リットル)の飲み物と、それなりの食料が1ポンド必要である(小型サイズのキャラクターはこの半分の量が必要)。非常に暑い気候では、脱水症状を起こさぬために、この2倍から3倍の水が必要である。
 キャラクターは丸一日に加えて【耐久力】に等しい時間数だけ水なしで過ごすことができる。この期間が過ぎると、キャラクターは毎時間1回の【耐久力】判定(DC10、これ以前に行った判定1回ごとに+1)を行わなくてはならず、失敗すると1d6ポイントの非致傷ダメージを被る。自分の全ヒット・ポイントに等しい非致傷ダメージを被ったキャラクターは、そこから代わりに致傷ダメージを被るようになる。
 キャラクターは食料なしで3日過ごすことができるが、空腹感はどんどんつのっていく。この期間が過ぎると、キャラクターは毎日1回の【耐久力】判定(DC10、これ以前に行った判定1回ごとに+1)を行わなくてはならず、失敗すると1d6ポイントの非致傷ダメージを被る。自分の全ヒット・ポイントに等しい非致傷ダメージを被ったキャラクターは、そこから代わりに致傷ダメージを被るようになる。
 食料や水の欠乏から非致傷ダメージを被ったキャラクターは疲労状態となる。飢えや渇きによる非致傷ダメージは、そのキャラクターが必要な食料や水を手に入れるまでは回復しない。ヒット・ポイントを回復させる魔法ですらこのダメージを治癒することはできない。

暗闇

 多くのキャラクターやモンスターは暗視を用いて全く明かりのない状況でも問題なくものを見ることができる。しかし通常の視覚または夜目しか持たないキャラクターは明かりが消されると完全な盲目状態に陥ってしまう。松明やランタンは地下に吹く突風で吹き消されてしまうことがあるし、魔法の光源が解呪されたり呪文相殺されたり、あるいは魔法の罠によって何も見通せぬ暗闇が作り出されたりもする。
 キャラクターやモンスターの一部だけがものを見ることができ、他のものたちは盲目状態となる、といったことはよく起こる。下記に挙げる点に関して、盲目状態のクリーチャーというのは周囲の暗闇を見通すことができないものたちを指す。
 暗闇によって盲目状態となったクリーチャーは、正確さに基づいて追加ダメージを与える能力(たとえば急所攻撃やデュエリストの精密打撃)を失う。
 盲目状態のクリーチャーは移動速度の半分よりも速く移動するためにはDC10の〈軽業〉判定を行わなければならない。この判定に失敗したクリーチャーは転倒する。盲目状態のクリーチャーは疾走も突撃もできない。
 全ての敵は盲目状態のクリーチャーに対して完全視認困難を持ち、そのため戦闘において盲目状態のクリーチャーは50%の失敗確率を持つ。盲目状態のクリーチャーはまず最初に、正しいマス目を攻撃するために敵の位置を特定しなければならない。盲目状態のクリーチャーが敵の位置を特定せずに攻撃を行った場合、間合いの内にあるランダムなマス目を攻撃する。位置を特定できていない敵に対して遠隔攻撃や呪文を使用するのであれば、ロールによって、盲目状態のクリーチャーが隣接するマス目のうちどちらの方向を向いているのかを決定する。その方向にいるもののうち、最も近い目標に対して攻撃が向けられる。
 盲目状態のクリーチャーは(もしあるなら)ACへの【敏捷力】ボーナスを失い、ACに対して-2のペナルティを受ける。
 盲目状態のクリーチャーは〈知覚〉判定と【筋力】および【敏捷力】に基づくほとんどの技能判定に-4のペナルティを被る。防具による判定ペナルティが適用される判定は全てこれに含まれる。暗闇によって盲目状態となったクリーチャーは、視覚に依存する全ての技能判定に自動的に失敗する。
 暗闇によって盲目状態になったクリーチャーは凝視攻撃を使用することができず、また凝視攻撃に対して完全耐性を持つ。
 暗闇によって盲目状態になったクリーチャーは、各ラウンド1回のフリー・アクションとして敵の位置を特定するための〈知覚〉判定(DCは敵の〈隠密〉判定に等しい)を行うことができる。判定に成功したなら盲目状態のキャラクターは見えないクリーチャーが「どこかそのあたりにいる」ことが判る。見えないクリーチャーの正確な位置を特定することはほぼ不可能である。〈知覚〉判定がDCを20以上上回ったなら、見えないクリーチャーのいるマス目を特定できる(しかしながら見えないクリーチャーはやはり盲目状態のクリーチャーに対して完全視認困難を持っている)。
 盲目状態のクリーチャーは手探りで見えないクリーチャーを発見しようとすることもできる。キャラクターは手や武器を使い、1回の標準アクションとして、隣接する2つのマス目に対して接触攻撃を行う。もし見えないクリーチャーが指定したマス目にいたなら、接触攻撃には50%の失敗確率がある。成功したなら、手探りをしていたキャラクターはダメージを与えはしないが、見えないクリーチャーの現在位置を特定することに成功する。しかし見えないクリーチャーが移動すれば、またその位置はわからなくなる。
 盲目状態のクリーチャーが見えないクリーチャーに打撃を加えられたなら、盲目状態のキャラクターは打撃を加えたキャラクターの位置を特定できる(もちろん見えないクリーチャーが移動するまででしかないが)。例外は、見えないクリーチャーが5フィートよりも長い間合いを持っていた時(この場合盲目状態のキャラクターは見えない的の大体の位置を知るが、正確に特定することはできない)か、遠隔攻撃をしてきた時(この場合盲目状態のキャラクターは敵の大体の方向を知るが、位置はわからない)のみである。
 鋭敏嗅覚の特殊能力を持つクリーチャーは自動的に、自らの5フィート以内にいる見えないクリーチャーの位置を特定する。

煙の効果

 濃い煙を吸い込んでしまったキャラクターは、毎ラウンド1回の頑健セーヴィング・スロー(DC15、これ以前に行った判定1回ごとに+1)を行わなければならず、失敗すると、そのラウンド息が詰まって咳き込むだけで終わってしまう。2ラウンド連続して息の詰まったキャラクターは、1d6ポイントの非致傷ダメージを受ける。煙は視界を妨げ、内部にいるキャラクターに視認困難(20%の失敗確率)を与える。

[酸]の効果

 腐食性の酸に触れると、毎ラウンド、1d6ポイントのダメージを被る。酸の入った桶に落ちるなどしてキャラクターの全身が酸に浸かっている場合は別で、その場合は10d6ポイントのダメージを被る。投げた酸の小瓶やモンスターの吐いた酸による攻撃については、1ラウンドの接触とみなす。
 ほとんどの酸から立ち上る気体は吸入性の毒である。大量の酸に隣接した者は、毎ラウンドに1回、DC13の頑健セーヴィング・スローを行わなければならず、失敗すると1ポイントの【耐久力】ダメージを被る。この毒には“頻度”はなく、クリーチャーが酸から離れれば即座に影響は受けなくなる。
 [酸]の腐食能力に完全耐性のあるクリーチャーでも、全身浸かってしまえば、溺れる可能性がある(『溺れ』参照)。

窒息 Suffocation

 呼吸すべき空気がないキャラクターは【耐久力】1ポイントにつき2ラウンドの間、息を止めておくことができる。キャラクターが標準アクションか全ラウンド・アクションを行うのであれば、息を止めておくことができる残り時間が1ラウンド減少する。この期間が過ぎると、息を止め続けるためには、そのキャラクターは【耐久力】判定(DC10)を行わなくてはならない。この判定は毎ラウンド行い、それ以前に成功した判定1回ごとにDCが+1されていく。
 この【耐久力】判定に1回でも失敗すると、そのキャラクターは窒息し始める。1ラウンド目にそのキャラクターは気絶状態(hp0)となる。次のラウンドには、そのキャラクターは-1ヒット・ポイントになり、瀕死状態となる。3ラウンド目に、そのキャラクターは窒息死する。
 緩慢な窒息:中型サイズのキャラクターは、一辺10フィートの密閉された部屋の中でゆうに6時間は呼吸できる。この期間が過ぎると、そのキャラクターは15分ごとに1d6ポイントの非致傷ダメージを被る。中型サイズのキャラクターが1人増えるか、それなりの大きさの火元(たとえば松明など)が1つあるごとに、空気が保つ時間はそれに反比例し減る。非致傷ダメージの蓄積によって気絶状態となってしまうと、キャラクターは同じ速度で致傷ダメージを被るようになる。小型サイズのキャラクターは、中型サイズのキャラクターの半分の空気を消費する。

熱気による危険

 熱は非致傷ダメージを与え、このダメージはキャラクターが涼む(日陰に入る、日没まで生き延びる、水を浴びる、エンデュア・エレメンツの目標となる、など)までは回復させることができない。総ヒット・ポイントと同じだけの非致傷ダメージを被ったキャラクターは、それ以降は熱気から致傷ダメージを被るようになる。
 華氏90度(32.2℃)を越える非常に暑い環境にいるキャラクターは毎時間、1回の頑健セーヴィング・スロー(DC15、これ以前に行った判定1回ごとに+1)を行わなければならず、失敗すると1d4ポイントの非致傷ダメージを受ける。厚い衣服や何らかの鎧を着用しているキャラクターはこのセーヴに-4のペナルティを被る。〈生存〉技能を持つキャラクターはこのセーヴィング・スローにボーナスを得ることができ、このボーナスを他のキャラクターに及ぼせることがある(技能の説明を参照)。気絶状態になってしまったキャラクターは、致傷ダメージを被り始める(1時間につき1d4ポイント)。
 華氏110度(43.3℃)を越える極暑環境にいるキャラクターは10分ごとに1回の頑健セーヴィング・スロー(DC15、これ以前に行った判定1回ごとに+1)を行わなければならず、失敗すると1d4ポイントの非致傷ダメージを受ける。厚い衣服や何らかの鎧を着用しているキャラクターはこのセーヴに-4のペナルティを被る。〈生存〉技能を持つキャラクターはこのセーヴィング・スローにボーナスを得ることができ、このボーナスを他のキャラクターに及ぼせることがある(〈生存〉技能を参照)。気絶状態になってしまったキャラクターは、致傷ダメージを被り始める(10分につき1d4ポイント)。
 熱にさらされることで非致傷ダメージを被ったキャラクターは熱射病を患い、疲労状態になる。これらのペナルティはキャラクターが熱により被った非致傷ダメージを回復した時に終了する。
 華氏140度(60℃)を越える気温、火、熱湯、溶岩などの高温は致傷ダメージを与える。こうした高温の中で呼吸をすると、毎分(セーヴなしで)1d6ポイントの[火]ダメージを受ける。さらに、キャラクターは5分ごとに1回の頑健セーヴ(DC15、これ以前に行った判定1回ごとに+1)を行わなければならず、失敗すると1d4ポイントの非致傷ダメージを受ける。厚い衣服や何らかの鎧を着用しているキャラクターはこのセーヴに-4のペナルティを被る。
 熱湯に触れると、毎ラウンドやけどによる1d6ポイントのダメージを被る。キャラクターの全身が熱湯に浸かっている場合は別で、その場合は毎ラウンド10d6ポイントのダメージを被る。

着火 Catching on Fire

 燃える油や焚き火、瞬間的でない魔法の火にさらされたキャラクターは、衣服や髪の毛、装備などに着火することがある。通常、持続時間が“瞬間”の呪文によってキャラクターに火がつくことはない。これらの呪文による熱と炎は一瞬のうちに現れ消えるからである。
 着火の危険にあるキャラクターは、火がつくのを避けるために1回の反応セーヴィング・スロー(DC15)を行うことができる。衣服や髪の毛に火がつけば、そのキャラクターは即座に1d6ポイントのダメージを被る。それ以降、火のついたキャラクターは毎ラウンド1回の更なる反応セーヴィング・スローを行わなければならない。失敗すれば、そのキャラクターはそのラウンドに1d6ポイントのダメージを被ったことになる。成功すれば火は消える。つまり、1回でもこのセーヴィング・スローに成功すれば、もはや火はついていないのだ。
 火のついたキャラクターが身体を浸すのに十分な量の水に飛び込めば、火は自動的に消える。近くに大量の水がなければ、地面を転がったり外套などで火をくすぶらせて消火しようとすることで、+4のボーナスを得て再度セーヴを行うことができる。
 衣服や装備に火がついたものは、各アイテムごとに1回ずつの反応セーヴィング・スロー(DC15)を行わなければならない。これに失敗した可燃性のアイテムはキャラクターと同じだけのダメージを被る。

溶岩の効果

 溶岩やマグマに触れると、毎ラウンド、2d6ポイントの[火]ダメージを受ける。活火山の火口に落ちるなどしてキャラクターの全身が溶岩に浸かっている場合は別で、その場合は毎ラウンド20d6ポイントの[火]ダメージを受ける。
 マグマによるダメージは、マグマに接触しなくなってから1d3ラウンド持続するが、この追加ダメージは実際に接触していた時に受けるダメージの半分だけである(つまり毎ラウンド1d6ポイントや10d6ポイントになる)。[火]への完全耐性や抵抗は溶岩やマグマにも有効である。しかし [火]に完全耐性があるクリーチャー (訳注:更新;[火]への完全耐性か抵抗があるクリーチャー)でも、溶岩に全身浸かってしまえば溺れる可能性がある(『溺れ』参照)。

水の危険

 どんなキャラクターも、頭まで浸かってしまわない程度の比較的穏やかな水ならば、歩いて渡ることができ、この場合判定は不要である。同様に、静かな水面を泳ぐならば、DC10の〈水泳〉技能判定に成功するだけでよい。訓練を受けた泳ぎ手ならば、単に出目10をするだけでよい。ただし防具や重い装備を身につけていれば、泳ぐのは難しくなる(〈水泳〉技能の説明を参照)。
 一方、流れの速い水はもっと危険である。1ラウンドに1回のDC15の〈水泳〉判定か【筋力】判定を行い、成功すればキャラクターは沈まずにいられる。また判定に失敗すれば、キャラクターは1d3ポイントの非致傷ダメージ(岩場や階段状の滝を流れる水の場合は1d6ポイントの致傷ダメージ)を被る。
 非常に深い水の中はたいてい真っ暗で、方向を定めるのが難しい上、水面から100フィート下にいるごとに水圧により毎分1d6ポイントのダメージを受ける。1回の頑健セーヴィング・スロー(DC15、これ以前に行った判定1回ごとに+1)に成功すれば、その1分の間はダメージを被らなかったことになる。非常に冷たい水はそれに浸かっている1分ごとに1d6ポイントの非致傷ダメージを与える。

溺れ Drowning

 どんなキャラクターも、自分の【耐久力】の2倍に等しいラウンドの間、息を止めておくことができる。そのキャラクターが標準アクションまたは全ラウンド・アクションをとるごとに、息を止めていられる残り時間が1ラウンド減少する。この期間が過ぎると、息を止め続けるためには、そのキャラクターは毎ラウンド1回の【耐久力】判定(DC10)を行わなくてはならない。1ラウンドごとにこの判定はDCが+1されていく。
 ついにこの【耐久力】判定に失敗すると、そのキャラクターは溺れ始める。1ラウンド目にそのキャラクターは気絶状態(hp0)となる。次のラウンドには、そのキャラクターは-1ヒット・ポイントになり、瀕死状態となる。3ラウンド目に、そのキャラクターは溺死する。
 気絶状態のキャラクターが水中に沈んだ場合(あるいは水中にいる意識のあるキャラクターが気絶状態になった場合)、【耐久力】判定を行わなければならない。この判定に失敗すると、即座に、そのキャラクターは-1ヒット・ポイントになり(すでにヒット・ポイントが-1以下ならさらに1ヒット・ポイントを失う)。次のラウンドに、そのキャラクターは溺死する。
 水以外の物質で溺れることもある。砂や流砂、細かい粉末、サイロ一杯の穀物などである。

冷気による危険

 冷気と風雪は非致傷ダメージを与える。寒冷環境によるダメージは、キャラクターが冷気から逃れ、再び温まるまでは回復させることができない。総ヒット・ポイントと同じだけの非致傷ダメージを被ったキャラクターは、それ以降は冷気から致傷ダメージを被るようになる。
 華氏40度(4.4℃)を下回る寒天にさらされ、しかも備えのできていないキャラクターは毎時間、1回の頑健セーヴィング・スロー(DC15、これ以前に行った判定1回ごとに+1)を行わなければならず、失敗すると1d6ポイントの非致傷ダメージを受ける。〈生存〉技能を持つキャラクターはこのセーヴィング・スローにボーナスを得ることができ、このボーナスを他のキャラクターに及ぼせることがある(技能の説明を参照)。
 華氏0度(-17.8℃)を下回る厳しい冷気や風雪の中におり、しかも備えのできていないキャラクターは10分ごとに1回の頑健セーヴィング・スロー(DC15、これ以前に行った判定1回ごとに+1)を行わなければならず、失敗すると1d6ポイントの非致傷ダメージを受ける。〈生存〉技能を持つキャラクターはこのセーヴィング・スローにボーナスを得ることができ、このボーナスを他のキャラクターに及ぼせることがある。防寒服を着ているキャラクターは、冷気や風雪によるダメージに対して、1時間に1回だけ判定をすればよい。
 冷気や風雪によって非致傷ダメージを被ったキャラクターは凍傷や低体温症を患う(疲労状態として扱う)。これらのペナルティはキャラクターが冷気や風雪により被った非致傷ダメージを回復した時に終了する。
 華氏-20度(-28.9℃)を下回る極端な冷気は毎分(セーヴなしで)1d6ポイントの致傷ダメージを与える。さらに、キャラクターは1回の頑健セーヴ(DC15、これ以前に行った判定1回ごとに+1)を行わなければならず、失敗すると1d4ポイントの非致傷ダメージを受ける。

氷の効果

 氷の上を歩くキャラクターは、氷でおおわれたマス目に進入する際に2マス分の移動を支払わなければならず、〈軽業〉判定のDCは+5上昇する。長い間、氷と接触しているキャラクターは、厳しい冷気によるダメージを被る危険がある。

落下

 クリーチャーは10フィート落下するごとに1d6ポイント、最大で20d6のダメージを被る。落下により致傷ダメージを被ったクリーチャーは伏せ状態で着地する。
 キャラクターが単に滑ったり落ちたりしたのではなく、進んで飛び降りた場合、ダメージ自体は同じだが、最初の1d6分が非致傷ダメージになる。〈軽業〉判定(DC15)に成功すれば、キャラクターは最初の10フィート分のダメージを無視し、次の10フィート分のダメージを非致傷ダメージにできる。たとえば、高さ30フィートの岩棚を滑り落ちたキャラクターは3d6ダメージを受ける。進んで飛び降りた場合、1d6ポイントの非致傷ダメージと2d6ポイントの致傷ダメージを受ける。進んで飛び降り、かつ〈軽業〉判定に成功した場合、この飛び込みで受けるのは1d6ポイントの非致傷ダメージと1d6ポイントの致傷ダメージだけである。
 落ちた先がやわらかい表面(柔らかい地面、泥など)だった場合も、最初の1d6分が非致傷ダメージになる。この現象は進んで飛び降りた場合の減少や〈軽業〉による減少に加算される。
 落下距離が500フィートを越えているか、フェザーフォールのような割り込みアクションで使えるものでない限り、キャラクターは落下中に呪文を使うことはできない。落下中に呪文を使うには、DC20+呪文レベルの精神集中判定が必要である。テレポートや同種の呪文を落下中に使った場合、位置を変えるだけで慣性を打ち消すことはできない。つまり地面の上に瞬間移動したとしても、落下した分のダメージを受けることになる。
 水に落ちる場合:水に落ちる場合は若干処理が異なる。水深が10フィート以上なら、落下の最初の20フィート分はダメージを及ぼさない。次の20フィートは非致傷ダメージを及ぼす(10フィートごとに1d3)。そこから先は、落下ダメージは致傷ダメージになり、ダメージも通常通り(10フィートごとに1d6)。
 進んで水に飛び込むキャラクターは、〈水泳〉か〈軽業〉判定(DC15)に成功すればダメージを受けない。水深10フィートにつき30フィート分の落下までは。ただし判定のDCは、落下距離50フィートごとに5増える。

落下してくる物体

表:落下してくる物体からのダメージ
サイズ ダメージ
小型 2d6
中型 3d6
大型 4d6
超大型 6d6
巨大 8d6
超巨大 10d6

 10フィート以上の距離から落ちればキャラクターはダメージを被るが、落下してきた物体があたってもダメージを被る。
 キャラクターの上に落ちてきた物体は、そのサイズと落下してきた距離に基づいたダメージを与える。『表:落下してくる物体からのダメージ』には物体のサイズに基づくダメージ量が記載されている。これは物体が石のような密度の高く重い物であると仮定している。より軽い物体は、GMの判断により、表の半分のダメージを与えることにしてもよい。たとえば超大型の丸石がキャラクターにあたれば6d6ポイントのダメージを与えるが、木製の馬車なら3d6ポイントだけということにしてもよい。さらに、物体の落下距離が30フィート未満なら、与えるダメージは表の半分になる。落下距離が150フィートを越えるなら、表の2倍のダメージを与える。落下してきた物体も同じだけのダメージを受けることに注意。
 物体をクリーチャーの上に落とすのは、遠隔接触攻撃になる。このような攻撃の射程単位は20フィートである。物体がクリーチャーの上に落ちた場合、そのクリーチャーは物体に気がついていれば、反応セーヴィング・スロー(DC15)に成功すれば、ダメージを半分にできる。落下する物体が罠の一部であるなら、これらの一般的なルールの代わりに罠のルールを用いる。