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技能の詳細 Skill Descriptions

 このセクションは、個々の技能の一般的な使い方や典型的な修正値について説明する。GMの裁量において、キャラクターは、時にはここに書いてある以外の目的に技能を使うこともできる。全技能の概要については、表『技能の概要』を参照すること。

表:技能の概要
技能 ウィザード クレリック ソーサラー ドルイド バード バーバリアン パラディン ファイター モンク レンジャー ローグ 未修得 対応能力値
〈威圧〉 Intimidate C C C C C C C 【魅】
〈隠密〉 Stealth C C C C 【敏】*
〈軽業〉 Acrobatics C C C C 【敏】*
〈鑑定〉 Appraise C C C C C 【知】
〈騎乗〉 Ride C C C C C C 【敏】*
〈芸能〉 Perform C C C 【魅】
〈言語学〉 Linguistics C C C C 不可 【知】
〈交渉〉 Diplomacy C C C C 【魅】
〈呪文学〉 Spellcraft C C C C C C C 不可 【知】
〈職能〉 Profession C C C C C C C C C C 不可 【判】
〈真意看破〉 Sense Motive C C C C C 【判】
〈水泳〉 Swim C C C C C C 【筋】*
〈製作〉 Craft C C C C C C C C C C C 【知】
〈生存〉 Survival C C C C 【判】
〈装置無力化〉 Disable Device C 不可 【敏】*
〈脱出術〉 Escape Artist C C C 【敏】*
〈知覚〉 Perception C C C C C C 【判】
〈知識:貴族〉 Knowledge(nobility) C C C C 不可 【知】
〈知識:工学〉 Knowledge(engineering) C C C 不可 【知】
〈知識:次元界〉 Knowledge(planes) C C C 不可 【知】
〈知識:自然〉 Knowledge(nature) C C C C C 不可 【知】
〈知識:宗教〉 Knowledge(religion) C C C C C 不可 【知】
〈知識:神秘学〉 Knowledge(arcana) C C C C 不可 【知】
〈知識:ダンジョン探検〉 Knowledge(dungeoneering) C C C C C 不可 【知】
〈知識:地域〉 Knowledge(local) C C C 不可 【知】
〈知識:地理〉 Knowledge(geography) C C C C 不可 【知】
〈知識:歴史〉 Knowledge(history) C C C C 不可 【知】
〈治療〉 Heal C C C C 【判】
〈手先の早業〉 Sleight of Hand C C 不可 【敏】*
〈登攀〉 Climb C C C C C C C 【筋】*
〈動物使い〉 Handle Animal C C C C C 不可 【魅】
〈はったり〉 Bluff C C C 【魅】
〈飛行〉 Fly C C C 【敏】*
〈変装〉 Disguise C C 【魅】
〈魔法装置使用〉 Use Magic Device C C C 不可 【魅】
C=クラス技能;* =防具による判定ペナルティが適用される。

 技能の説明は、次のような指針に従って記載されている。
 技能名:技能名の行には、(技能名以外にも)以下のような情報が含まれている。
 対応能力値:その技能判定に修正値が適用される能力値の略称。
 修得時のみ:“修得時のみ”とあれば、その技能を使うには最低1ランクの技能がなければならない。この注記がない場合、その技能は“未修得”(0ランク)で使用できる。修得時と未修得時の使用に特別な違いがある場合は“未修得”の項(下記参照)で説明する。
 防具による判定ペナルティ:この注記がある場合、この技能の判定には、防具による判定ペナルティが入る(“装備”を参照)。この記載がない場合、防具による判定ペナルティが適用されることはない。
 詳細:技能名に続く行からは、その技能を使用するとはどういうことなのかが大まかに説明されている。
 判定:技能判定に成功すればキャラクター(技能の説明では“君”と表記)に何ができるか。判定の難易度(DC)。
 アクション:その技能を使用するのが、どんな種類のアクションか。あるいは、1回の判定にどれだけ時間がかかるか。
 再挑戦:技能を成功させるために続けて何度も試みる場合に適用される条件。1つの作業は1回しか試みられない、失敗によって何らかの不利な状況が起こる(〈登攀〉判定など)、“出目20”を選択できないなど。この項目がないなら、その技能は時間をさらに消費する以外、特に罰則なしで再挑戦できる。
 特殊:技能に適用される追加事項。使用によって起きる特殊な効果、種族やクラスや特技によって得られる利益など。
 制限:特定の技能は、特定のクラスのキャラクターにしか完全には使えない。この項目は、その技能にそんな制限があるかどうかを示すものである。
 未修得:この項目は、技能ランクを持たないキャラクターの場合、その技能で何ができるかを示すものである。この項目がなく、未修得での使用が可能なら、未修得のキャラクターでも普通にその技能を使える。また、もし技能名の行に“修得時のみ”とあれば、未修得のキャラクターはその技能判定を一切行えない。


〈威圧〉(【魅】) Intimidate

 君はこの技能を用いて敵を怖れさせたり君の役に立つように行動させることができる。この技能は言葉による脅迫と腕力の誇示が含まれる。
 判定:君は相手に対して判定に成功することで、1d6×10分間“友好的”に振る舞うよう〈威圧〉を使って強制することができる。この判定のDCは(10+目標のヒット・ダイス+目標の【判断力】修正値)に等しい。成功すれば、目標は君に君の望んでいる情報を与えたり、危険に晒されない行動を取ったり、限定的な援助を提供したりする。〈威圧〉の効果が終わると、目標は“非友好的”となり、君を地元当局者に通報するかもしれない。判定に5以上の差で失敗した場合、目標は君を欺いたり、さもなければ君の活動を妨害しようとする。
 士気をくじく:君はこの技能を用いて敵1体を数ラウンドの間“怯え状態”にすることができる。この判定のDCは(10+目標のヒット・ダイス+目標の【判断力】修正値)に等しい。君が勝てば、目標は1ラウンドの間“怯え状態”になる。この持続時間は、DCを5上回るごとに1ラウンドずつ増加する。君はこのやり方で脅せるのは、30フィート以内にいて、君をはっきりと見、君の声を聞くことができる相手1体のみである。同じクリーチャーへの士気をくじくの使用は持続時間を延長するだけである;より強い[恐怖]状態にすることはない。
 アクション:相手の態度を変化させるために〈威圧〉判定を用いるには1分間の会話が必要である。敵の士気をくじくのは1回の標準アクションである。
 再挑戦:君は相手を再度〈威圧〉しようと試みることができるが、追加で判定を行なうたびにDCは+5される。この増加分は、1時間経つと元に戻る。
 特殊:君が目標よりも大きい場合、君はまた〈威圧〉判定に+4のボーナスを得る。同様に、君が目標よりも小さい場合は〈威圧〉判定に-4のペナルティを受ける。
 《説得力》特技があるなら、〈威圧〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。
 ハーフオークは〈威圧〉判定に+2のボーナスを得る。


〈隠密〉(【敏】;防具による判定ペナルティ) Stealth

 君は発見されないことに長けており、敵をすり抜けたり見えない位置から攻撃を行なうことができる。この技能は隠れ身と忍び足を含んでいる。
 判定:君の〈隠密〉判定は、君に気づくかもしれないすべての者の〈知覚〉判定との対抗になる。君の〈隠密〉判定を破ることに失敗したクリーチャーは君に気がつかず、君が完全視認困難を得ているかのように扱う。君は通常の半分までの移動速度で移動しながら、ペナルティなしで〈隠密〉を用いることができる。1/2を越えて、通常の移動速度までなら、-5のペナルティを被る。攻撃したり疾走したり突撃しながら〈隠密〉を用いるのは不可能である。
 クリーチャーはそのサイズに基づいて〈隠密〉判定にボーナスあるいはペナルティを受ける:極小+16、微小+12、超小型+8、小型、+4、大型-4、超大型-8、巨大-12、超巨大-16。
 人々が君を何らかの感覚(一般的には視覚)で観察しているなら、〈隠密〉を用いることはできない。ほとんどのクリーチャーに対して遮蔽や視認困難となるものを見出している場合、〈隠密〉を用いることができる。観察している者がわずかの間(〈はったり〉判定等で)気をそらされたなら、その時は〈隠密〉を用いようと試みることができる。他の者たちの注意が君からそれている間に、何らかの観察を受けない場所にたどり着ければ〈隠密〉判定を試みられる。しかし、この判定は君が速く移動しなければならないため、-10の修正を受ける。
 隠密を解除する:君が〈隠密〉を使用した状態で自身のターンを開始した場合、〈隠密〉判定に成功し、遮蔽または視認困難中にターンを終了する限り、君は遮蔽や視認困難を維持して気づかれずにい続けることができる。攻撃が成功したかどうかに拘わらず、君が攻撃ロールを行った後〈隠密〉は即座に終了する(以下に記載の狙撃を行う場合を除く)。
 狙撃:目標から10フィート以上離れた位置で〈隠密〉に成功している場合、君は1回の遠隔攻撃を行ない、その後すぐに再度〈隠密〉を行なうことができる。位置を特定されないままにしておくための〈隠密〉判定には-20のペナルティが付く。
 隠れ身のための隙を作る:君は、〈隠密〉を使えるようにするために〈はったり〉技能を使うことができる。〈はったり〉判定に成功すれば、人々が君に気づいていても、〈隠密〉判定を試みるのに必要な一瞬の隙を作ることができる。
 アクション:通常、この技能の使用自体が何らかのアクションだということはない。通常、〈隠密〉判定は移動の一部として行なうので、独立したアクションではないのである。ただし(先述の“狙撃”で)遠隔攻撃後すぐに〈隠密〉を用いる際の〈隠密〉判定は1移動アクションである。
 特殊不可視状態の者は、じっとしている場合には〈隠密〉判定に+40、移動している場合には+20のボーナスを得る。
 《忍びの技》特技があるなら、君は〈隠密〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。


〈軽業〉(【敏】;防具による判定ペナルティ) Acrobatics

 君は狭かったり危険な表面を横切る際にバランスを保つことができる。君はまた、跳び込み、宙返りし、跳躍し、転がることで攻撃を避けたり障害物を越えることができる。
 判定:君は〈軽業〉判定を用いて、狭い表面やでこぼこした地面を倒れずに移動することができる。判定に成功することにより、君は通常の半分の移動速度で移動することができる――判定は1ラウンドに1回のみでよい。基本DCを決定するには以下の表を用いること。それから、以下に注記された〈軽業〉技能の修正値で修正を行うこと。このようにして〈軽業〉を使っている間は、君は立ちすくみ状態とみなされ、ACへの【敏捷力】ボーナス(もしあれば)を失う。〈軽業〉中にダメージを受けた場合、落下したり倒れたりするのを避けるために、君は同じDCに対して即座にもう一度〈軽業〉判定を行わねばならない。
表面の広さ 基本〈軽業〉DC
幅3フィートよりも広い 0 *
幅1~3フィート 5 *
幅7~11インチ 10
幅2~6インチ 15
幅2インチよりも狭い 20
 * 表面による修正値(以下参照)によってDCが10以上にならない限り、こうした表面を横切って移動するためには〈軽業〉判定は必要ない。

 加えて、〈軽業〉を使うことによって敵の機会攻撃を誘発せずに機会攻撃範囲内のマス目を通って移動することができる。このようにして移動する際、君は半分の移動速度で移動する。君は、判定のDCを10増やすことにより、通常の移動速度で移動することができる。中または重荷重になるものを運搬していたり、中または重装鎧を着用することによって移動速度が減少している場合、敵をすり抜けて移動するために〈軽業〉を使うことはできない。何らかの能力によってこうした条件下でも通常の移動速度で移動できるなら、敵をすり抜けて移動するために〈軽業〉を使うことができる。君は伏せ状態であってもこのやり方で〈軽業〉を使うことができるが、そうするには5フィート移動するのに1回の全ラウンド・アクションが必要となり、DCは5増加する。君が敵のマスを通過することを試みて判定に失敗した場合、君は移動アクションを失って機会攻撃を誘発する。

状況 基本〈軽業〉DC*
機会攻撃範囲をすり抜ける 敵の戦技防御値
敵の接敵面を通過する 5+敵の戦技防御値
 * このDCは、移動による機会攻撃を避けるために用いられる。このDCは1ラウンドに避ける敵1体につき2ずつ増加する。

(訳注:FAQによれば、機会攻撃範囲でのみ移動速度が半分になるという解釈になる)

 最後に、君は跳躍したり落下した時に軟着陸するために〈軽業〉技能を使うことができる。跳躍を行う際の基本DCは、(幅跳びの場合)飛び越える距離か(高跳びの場合)跳びつこうとする高さの4倍に等しい。君が少なくとも10フィートの助走距離を取れない場合、DCは2倍になる。君が跳躍する表面に関係する修正値だけが〈軽業〉判定に適用される。4以下の差で判定に失敗したなら、跳躍には失敗するものの、DC20の反応セーヴに成功すれば向こう側の縁に手をかけることができる。5以上の差で失敗したなら、君は跳躍に失敗し、そして落下する(高跳びの場合は伏せ状態となる)。30フィートより高い基本地上移動速度を持つクリーチャーは、移動速度が30より10フィート高いごとに跳躍のための〈軽業〉判定に+4の種族ボーナスを得る。30フィートより低い基本地上移動速度を持つクリーチャーは、移動速度が30より10フィート低いごとに跳躍のための〈軽業〉判定に-4の種族ボーナスを得る。1ラウンドの最大移動距離を超えて跳躍を行うことはできない。走り幅跳びの場合、〈軽業〉判定の結果は跳躍で移動した距離(判定が失敗した場合、君が着地し伏せ状態になる場所までの距離)を表す。立ち幅跳びの場合、着地点を決めるために、この結果を半分にすること。
幅跳び 〈軽業〉DC
5フィート 5
10フィート 10
15フィート 15
20フィート 20
20フィートを超える 5フィートごとに+5

高跳び 〈軽業〉DC
1フィート 4
2フィート 8
3フィート 12
4フィート 16
4フィートを超える 1フィートごとに+4

 一定の距離を意図的に飛び降りる場合、それが跳躍に失敗した結果であっても、DC15の〈軽業〉技能判定に成功することで落下の最初の10フィートを無視することができる。それでも君が落下によりダメージを受けたのであれば、結局のところ伏せ状態になる。より詳しくは落下のルールを参照すること。
 〈軽業〉判定に関しては、君の成功の可能性はいくつもの状況に左右される。目標となるDCに対する以下の修正値は、〈軽業〉技能判定すべてに適用される。修正値は互いに累積するが、ある状況には最も厳しい修正値だけが適用される。
〈軽業〉修正値 DC修正
少し障害物がある(砂利、砂地) +2
大いに障害物がある(洞窟、瓦礫) +5
少しすべりやすい(濡れている) +2
大いにすべりやすい(凍っている) +5
緩やかな傾斜(<45°) +2
かなりの傾斜(>45°) +5
少し足場が悪い(荒れた水面のボート) +2
中程度に足場が悪い(大荒れの水面のボート) +5
大いに足場が悪い(地震) +10
狭かったりでこぼこした表面を通常の移動速度で移動している +5 *
 * これは跳躍の判定には適用されない。

 アクション:なし。〈軽業〉判定は他のアクションの一部として行われる。さもなければ状況への対応として行われる。
 特殊:〈軽業〉が3ランク以上あるなら、防御的戦闘で通常ならACに+2のところ+3の回避ボーナスを得る。また、防御専念で通常ならACに+4のところ+6の回避ボーナスを得る。
 《軽業師》特技があるなら、〈軽業〉判定にボーナスを得る(特技を参照)。


〈鑑定〉(【知】) Appraise

 君は物品の貨幣価値を評価することができる。
 判定:DC20の〈鑑定〉判定によって一般的な物品の価値を見積もる。5以上の差で成功した場合、君はまたそのアイテムが魔法の特性を持っているかどうかを見分けることができる。もっとも、成功しても魔法のアイテムの能力に関する知識がもたらされることはない。4以内の差で失敗すれば、君はその物品の価値を実際価値の20%以内で見積もる。5以上の差で失敗すれば、価格は実に不正確なものとなり、GMの裁量の適用を受ける。希少な、あるいは特殊なアイテムについて判定する場合、DCが5以上増える可能性がある。
 君はまた、宝物の山の中から目に見える最も価値のあるアイテムを見定めるためにこの判定を使うことができる。この判定のDCは通常20であるが、特に大きな宝の山の場合30まで増加しうる。
 アクション:1つのアイテムを〈鑑定〉するには1回の標準アクションが必要である。宝物の山の中から最も価値のある物品を見定めるには1回の全ラウンド・アクションが必要である。
 再挑戦:あるアイテムを重ねて〈鑑定〉しようと試みても同じ結果がもたらされる。
 特殊:レイヴン(大烏)を使い魔に持っている呪文の使い手は〈鑑定〉判定に+3のボーナスを得る。


〈騎乗〉(【敏】;防具による判定ペナルティ) Ride

 君は乗騎に乗る技術に長けている。乗騎は通常はホースだが、時にグリフィンペガサスのような風変わりなものとなるかもしれない。乗騎とするに向かないクリーチャーに乗る場合、〈騎乗〉判定に-5のペナルティを受ける。
 判定:一般的な騎乗行動には判定は不要である。まったく問題なく、乗騎に鞍を置き、乗り、走らせ、そして降りることができる。ただし、以下の作業には判定が必要になる。
作業 〈騎乗〉DC
膝で操る 5
鞍に留まる 5
戦闘訓練を受けた乗騎とともに戦う 10
遮蔽を取る 15
軟着陸 15
障害跳び 15
乗騎に拍車をあてる 15
戦闘中に乗騎を操る 20
素早く乗り降りする 20
 膝で操る:君は乗騎を膝で操り、戦闘中に両手を使用可能にできる。君のターンの始めに判定を行なうこと。失敗すれば、君は乗騎を操るのに片手を使う必要があるため、そのラウンドにはもう一方の手しか使うことができない。これはアクションではない。
 鞍に留まる:君は乗騎が後脚立ちしたり、突然走り出した時、あるいは自分がダメージを受けた時に、とっさに反射的対応として落下を回避できる。技能をこう使用するにはアクションを要しない。
 戦闘訓練を受けた乗騎とともに戦う:戦闘中、戦いの訓練を受けた乗騎に攻撃を指示した場合も、さらに自分自身の通常の攻撃を行なうことができる。この用法はフリー・アクションである。
 遮蔽を取る:君はとっさに反応して身を低くし、乗騎の片側にぶらさがることで、乗騎を遮蔽として使用できる。乗騎を遮蔽として使用している間は、君は攻撃することも、呪文を発動することもできない。失敗すれば、遮蔽の利益を得ることはできない。この用法は割り込みアクションであるが、この位置から復帰するのは移動アクションである(判定の必要はない)。
 軟着陸:君は乗騎から落下する際にダメージを無効にする。失敗したら、君は1d6ポイントの落下ダメージを受け、“伏せ状態”となる。この用法はアクションを要しない。
 障害跳び:君は乗騎に、乗騎の移動の一部として障害を跳び越えさせることができる。障害跳びの〈騎乗〉判定に成功した場合、〈騎乗〉修正値か乗騎の跳躍修正値のいずれか低い方を用いて、クリーチャーがどれくらい遠くまで跳躍できたかを確認するために判定を行うこと。乗り手は〈騎乗〉判定に失敗したなら乗騎から落ち、しかるべき落下ダメージ(1d6ポイント以上)を受ける。この用法はアクションではなく、乗騎の移動の一部である。
 乗騎に拍車をあてる:乗り手は自分の1回の移動アクションを使って乗騎に拍車をかけ、乗騎の移動速度を上げようとすることができる。1回〈騎乗〉判定に成功したなら、乗騎の速度は1ラウンドの間10フィート上昇するが、そのクリーチャーは1d3ポイントのダメージを受ける。君はこの行動を毎ラウンド実行できるが、乗騎は【耐久力】能力値に等しいラウンド数が経過すると“疲労状態”になる。この能力は“疲労状態”の乗騎には使用できない。
 戦闘中に乗騎を操る:戦闘中に、移動アクションとしてライト・ホースポニーヘヴィ・ホース、そのほかの戦闘騎乗用に訓練されていない乗騎を操ろうとすることができる。失敗すれば、君はそのラウンド中、他に何もすることができない。戦闘用に訓練されたホースポニーについてはロールする必要はない。
 素早く乗り降りする:乗騎のサイズ分類が乗り手よりも1段階大きいかそれ以下であり、かつ乗り手にそのラウンドで使用できる移動アクションが残っているなら、乗り手は乗騎にフリー・アクションで乗ったり降りたりしようと試みることができる。判定に失敗した場合、乗ったり降りたりするのは移動アクションになる。乗騎のサイズ分類が乗り手よりも2段階以上大きい場合、“素早く乗り降りする”ことはできない。
 アクション:さまざま。普通に乗ったり降りたりするのは移動アクションである。他の判定は先述の通り、移動アクションだったり、フリー・アクションだったり、そもそもアクションでなかったりする。
 特殊:鞍なしで騎乗しているなら、〈騎乗〉判定に-5のペナルティを被る。
 《動物の友》特技があるなら、〈騎乗〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。
 軍用鞍を使用していれば、“鞍に留まる”際の〈騎乗〉判定に+2の状況ボーナスを得る。
 〈騎乗〉は《騎射》《騎乗戦闘》《駆け抜け攻撃》《猛突撃》《騎乗蹂躙》特技の前提条件である。


〈芸能〉(【魅】) Perform

 君は歌を歌ったり、楽器を演奏したりといった、1種類の芸能に熟練している。〈製作〉〈知識〉〈職能〉と同様、〈芸能〉も実際にはいくつもの別個の技能である。君は複数の〈芸能〉技能に別個にランクを割り振って取ることができる。
 以下に挙げる〈芸能〉の9分野には、それぞれ複数の手法、楽器、技術が含まれる。それゆえ各分野につき、そこに含まれる手法の小さな一覧を付した。
  • 演劇(喜劇、芝居、パントマイム)
  • お笑い(おどけ、ざれ歌、冗談)
  • 舞踏(バレエ、ワルツ、ジグ)
  • 鍵盤楽器(ハープシコード、ピアノ、パイプオルガン)
  • 朗誦(叙事詩、頌歌、物語)
  • 打楽器(ベル、チャイム、太鼓、銅鑼)
  • 弦楽器(フィドル、ハープ、リュート、マンドリン)
  • 管楽器(フルート、パン・パイプ、リコーダー、トランペット)
  • 歌唱(物語詩、宗教歌、歌曲)
 判定:君は選択した芸能の種別に関するその才と技で聴衆に感銘を与えることができる。
〈芸能〉DC 上演
10 退屈な上演。公衆の前で上演してお金を儲けようとすることは、物乞いと同じである。1d10CP/日を得る。
15 楽しめる上演。豊かな町では1d10SP/日を得る。
20 素晴らしい上演。豊かな町では3d10SP/日を得る。やがて職業的な一座に加わるよう招かれるかもしれず、その地方で評判になるかもしれない。
25 記憶に残る上演。豊かな町では1d6GP/日を儲ける。やがて高貴な後援者の目に留まったり、国じゅうで評判になるかもしれない。
30 並はずれた上演。豊かな町では3d6GP/日を儲ける。やがて遠方の後援者や、他次元界の存在の目に留まることすらあるかもしれない。
 高品質の楽器は、その楽器の使用に関わるすべての〈芸能〉判定に+2の状況ボーナスを与える。
 アクション:さまざま。公衆の面前で芸能によって金を稼ぐ場合、一夕から丸一日の時間がかかる。〈芸能〉に基づくバードの特殊能力についてはバードの項を参照のこと。
 再挑戦:可。とはいえ、それで以前の失敗が取り消されるわけではない。過去に感銘を受けなかった聴衆は、将来の上演に対して偏見を持つだろう(以前の失敗1回につきDCを+2すること)。
 特殊バードは、呪芸のうちいくつかを用いるには特定の分野の〈芸能〉を持っていなければならない。


〈言語学〉(【知】;修得時のみ) Linguistics

 君は会話や読み書きのいずれにおいても言語を操ることに熟練している。君はいくつもの言語を話すことができ、十分な時間さえあればほぼどんな言語でも解読することができる。読み書きする技術を使って同じぐらいうまく偽造書類を作ったり、見破ったりすることができる。
 判定:君はよく知らない言語で書かれたものや、不完全な文書、古代の形式で書かれた文書を解読できる。基本DCは、単純なメッセージなら20、標準的な文章なら25、複雑だったり特殊だったり非常に古い文字なら30以上である。判定に成功すれば、君は1分間で約1ページ(相当)の文章を読み取り、書いてあることのだいたいの内容を理解する。判定に失敗すれば、君がその文章について間違った結論を導き出すことを避けられたかどうか調べるために、【判断力】判定(DC5)を行なう(成功すれば、君は間違った結論を導き出さなかったということになる。失敗すれば、間違った結論を導き出してしまったと言うことになる)。
 〈言語学〉判定も【判断力】判定(必要なら)も、GMがひそかに行なう。従って、自分が導き出した結論が正しいのか間違っているのか、君が見分けることはできない。
状況 〈言語学〉判定修正値
読み手が知らない種類の書類 -2
読み手がある程度知っている種類の書類 +0
読み手がよく知っている種類の書類 +2
読み手が知らない筆跡 -2
読み手がある程度知っている筆跡 +0
読み手がよく知っている筆跡 +2
読み手が書類をざっと見ただけ -2
書類が命令や知識と矛盾している +2
 偽造書類の作成と判別:偽造には、でっち上げる書類に合った筆記用具が要る。筆跡が特定個人のものでない書類を偽造するには、君は前に同様の書類を見たことがあればよく、判定に+8のボーナスを得る。サインを偽造するためには、その模写すべき人物のサインが必要で、キャラクターは判定に+4のボーナスを得る。特定の人物の手で書かれた長い書類を偽造するためには、その人物の筆跡の豊富な見本が必要である。
 〈言語学〉判定はひそかに行なわれるので、君は自分の偽造したものがどのくらいうまくいったのか知ることはできない。〈変装〉と同様、誰かが作品を調べるまでは判定を行なわない。この〈言語学〉判定は、偽造書類を調査してその信憑性を調べる者との対抗判定になる。相手は偽造者の〈言語学〉判定に〈言語学〉判定で対抗する。上の表にある通り、読み手は判定にボーナスやペナルティを得る。
 言語の修得:君がこの技能のランクを1上げるごとに、会話し読み書きできる新しい言語を1つ学ぶ。主要な言語(およびその典型的な使用者)は以下の通りである。

 アクション:さまざま。普通の文章1ページぶんを判読するのは1分(連続する10ラウンド)を必要とする。偽造文書を作るには、1ページあたりざっと1~1d4分かかる。〈言語学〉を用いて偽造書類を見破るには、1ページ吟味するのに1ラウンドを必要とする。
 再挑戦:可。
 特殊:君はこの技能を修得していなければならない。もっとも、自分自身の種族によるボーナス言語の古語や慣れない表現を読み解こうとすることは常に可能である。加えて、偽造文書を見破る試みに関しても、常に行なうことができる。


〈交渉〉(【魅】) Diplomacy

 この技能を使えば、君は自分の話に賛成するように他人を説得したり、意見の食い違いを解決したり、人々の間に埋もれている価値ある情報や噂を集めたりすることができる。この技能はまた、事態にふさわしい適切な礼儀作法や態度を使うことによって、対立を処理するためにも使われる。
 判定:判定に成功すればNPCの最初の態度を変えることができる。この判定のDCはクリーチャーの君に対する最初の態度によって変化し、それはその者の【魅力】修正値によって修正される。君が成功した場合、そのキャラクターの君に対する態度は1段階改善される。判定結果がDCを5上回るごとに、そのキャラクターの君に対する態度はさらにもう1段階追加で改善される。クリーチャーの態度はこのやり方では2段階を超えて変わることはない。もっとも、状況によってはGMはこのルールを無視することができる。4以下の差で判定に失敗した場合、そのキャラクターの君に対する態度は変化しない。5以上の差で失敗した場合、そのキャラクターの君に対する態度は1段階悪化する。
 君は君を理解しなかったり【知力】3以下のクリーチャーに対して〈交渉〉を使用することができない。ふつう、戦闘中やすぐにも君や味方に害を与えるつもりのクリーチャーに対しては、〈交渉〉はあまり役に立たない。〈交渉〉による態度の変化は通常1d4時間持続するが、状況によってはそれよりも長かったり短くなったりする可能性がある(GMの裁量による)。
最初の態度 〈交渉〉DC
敵対的 25+クリーチャーの【魅力】修正値
非友好的 20+クリーチャーの【魅力】修正値
中立的 15+クリーチャーの【魅力】修正値
友好的 10+クリーチャーの【魅力】修正値
協力的 0+クリーチャーの【魅力】修正値
 クリーチャーの君に対する態度が少なくとも中立的であれば、君はそのクリーチャーに要請を行なうことができる。これは1回の追加の〈交渉〉判定であり、DCを決定するのにそのクリーチャーの現在の態度を使用し、以下の修正値のうち1つを加える。そのクリーチャーの態度が協力的になっていれば、要請が本性に反していたり深刻な危険を招かない限り、そのクリーチャーは判定なしでたいていの要請に従う。GM裁量によるが、その要請がクリーチャーの価値観や本性に反するなら、要請によっては自動的に失敗することもある。
要請内容 〈交渉〉DC修正値
簡単な助言や指示を与える -5
詳しい助言を与える +0
簡単な援助を与える +0
ささいな秘密を明かす +5
長々と、あるいはめんどうな援助を与える +5
危険な援助を与える +10
重要な秘密を明かす +10以上
処罰されかねないような援助を与える +15以上
追加の要請 要請1つにつき+5
 情報収集:君はまた〈交渉〉を特定の話題や個人についての情報を集めるために使うことができる。これをするためには、君は地元の居酒屋や市場、集会所で人々に聞き回り、少なくとも1d4時間を過ごさなくてはならない。この判定のDCは求めている情報のあいまいさによるが、通常広く知られた事実や噂の場合で10となる。あいまいであったり、秘密の知識の場合、DCは20かそれ以上に増加する可能性がある。話題によっては、普通の人々が単に知らないだろうとGMが判断する可能性もある。
 アクション:クリーチャーの態度に影響を与えるために〈交渉〉を使うには1分の間継続して話をする必要がある。クリーチャーに要請を行なうには、要請の複雑さにもよるが、1ラウンド以上話をする必要がある。情報を集めるために〈交渉〉を使うには、噂や情報提供者を捜すのに1d4時間を必要とする。
 再挑戦:〈交渉〉を使ってあるクリーチャーの態度に影響を与えることは、24時間の間に1回を超えて行なうことはできない。要請が拒絶された場合、その結果がさらなる判定で変化することはない。もっとも、別の要請であれば成功する可能性はある。情報収集のための〈交渉〉判定は再挑戦できる。
 特殊《説得力》特技があるなら、〈交渉〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。


〈呪文学〉(【知】;修得時のみ) Spellcraft

 君は呪文の発動のわざや魔法のアイテムの識別、魔法のアイテムの作成や発動中の呪文の識別を行なうことに長けている。
 判定:〈呪文学〉は、呪文の発動や魔法のアイテムの作成についての技術的な側面に関して、知識や技能が問題となる際に使用される。この技能はまた、ディテクト・マジックアイデンティファイといった呪文を使うことで、所持している魔法のアイテムの特性を識別する際にも用いられる。以下のように、この判定のDCは作業によってさまざまである。
 アクション:発動されようとしている呪文を識別するのはアクションではないが、君はその呪文が発動されるのをはっきりと見ることができなければならず、このため距離や不利な状況、その他の要因に関して、〈知覚〉判定と同様のペナルティを受ける。呪文書や巻物から呪文を学ぶのは呪文のレベルにつき1時間(0レベル呪文は30分)かかる。借りた呪文書から呪文を準備するのは、呪文の準備以上に時間がかかることはない。魔法のアイテムを作成するために〈呪文学〉判定を行なうのは製作過程の一部である。魔法のアイテムの特性を識別する試みは、識別しようとするアイテム1個につき3ラウンドかかり、その品を徹底的に吟味できる状態である必要がある。
 再挑戦:呪文の識別は再挑戦できない。呪文書や巻物から呪文を学ぶのに失敗した場合、君は再挑戦するまでに最低でも1週間待たなくてはならない。借りた呪文書から呪文を準備するのに失敗した場合、君は次の日まで再挑戦できない。ディテクト・マジックを用いて魔法のアイテムの特性を識別する際には、アイテム1つの特性を突きとめようとすることができるのは1日1回までである。再度試みても同じ結果がもたらされる。
 特殊:専門家のウィザードは、自分の専門である系統の呪文の識別、学習、準備を行なう際には+2のボーナスを得る。同様に、対立系統の呪文に関して同じような判定を行なう際には-5のペナルティを被る。
 エルフは、魔法のアイテムの特性を識別するための〈呪文学〉判定に+2の種族ボーナスを得る。
 《魔法の才》特技があるなら、〈呪文学〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。

表:〈呪文学〉DC
作業 〈呪文学〉DC
発動されようとしている呪文を識別する 15+呪文レベル
呪文書や巻物から呪文を学ぶ 15+呪文レベル
借りた呪文書から呪文を準備する 15+呪文レベル
ディテクト・マジックを用いて魔法のアイテムの特性を識別する 15+アイテムの術者レベル
巻物を解読する 20+呪文レベル
魔法のアイテムを作成する アイテムによりさまざま


〈職能〉(【判】;修得時のみ) Profession

 君は特定の仕事に熟練している。〈製作〉〈知識〉〈芸能〉と同様、〈職能〉も実際にはいくつもの別個の技能である。君は複数の〈職能〉技能に別個にランクを割り振って取ることができる。〈製作〉技能がアイテムを作る才能を表しているのに対し、〈職能〉技能はそれほど専門化していない知識を広い範囲で必要とする職業の才を表す。一般的な〈職能〉技能には、建築家、パン屋、法律家、酒つくり、肉屋、事務員、料理人、高級娼婦、御者、技師、農夫、漁師、賭博師、庭師、薬草商、宿屋の主人、司書、商人、産婆、粉ひき、鉱夫、荷かつぎ、船乗り、書記、羊飼い、厩舎の主人、軍人、革なめし工、わな猟師、木こりといったものがある。
 判定:仕事に打ち込んだ1週間につき、君は〈職能〉判定結果の半分に等しい枚数の金貨を稼げる。君は商売道具の使い方、職業に必要な日々の作業のやり方、未熟な助手の監督の仕方、よくある問題の取り扱い方を知っている。君はまた自分の職業に関する問題に答えることができる。簡単な問題はDC10であるが、より複雑な質問は15かそれ以上のDCとなる。
 アクション:この技能の使用自体が何らかのアクションだということはない。1回の判定は1週間の作業を表すことが多い。
 再挑戦:可能なことも不可能なこともある。収入を得るために〈職能〉技能を使う試みには、再挑戦することができない。君の判定の結果生じた1週間分の賃金は、どんな値であれ動かすことはできない(次の週の新たな収入を決めるため、1週間後に別の判定を行なうことはできる)。一方、ある特定の作業を成し遂げる試みには、通常は再挑戦することができる。
 未修得:未修得の労働者や助手(つまり〈職能〉にランクのないキャラクター)は1日あたり平均で銀貨1枚を稼ぐ。
 特殊ノームは自分が選んだ〈製作〉または〈職能〉判定に+2ボーナスを得る。
最終更新:2021年01月18日 00:06