技能の詳細 > 3


〈登攀〉(【筋】;防具による判定ペナルティ) Climb

 君は、滑らかな市壁やごつごつした崖といった垂直の表面を登る技術を持っている。
 判定:〈登攀〉判定に成功すれば、坂や壁、その他の急斜面を(それどころか手がかりさえあれば天井すら)通常の移動速度の1/4で登ったり、降りたり、横切ったりすることができる。傾斜角60°未満のすべての傾斜は“坂”と見なされ、60°以上の険しい傾斜はすべて“壁”と見なされる。
 〈登攀〉判定に4以下の差で失敗すると移動できなかったことになり、5以上の差で失敗すれば、すでに登っただけの高さから落ちることになる。
 判定のDCは登攀の条件による。次の表を参照して、作業の内容からしかるべきDCを導き出すこと。
〈登攀〉DC 表面または活動の例
0 普通に歩いて登るには急すぎる傾斜。足を踏ん張る壁と、結び目のあるロープの組み合わせ。
5 足を踏ん張る壁とロープ。結び目のあるロープ。ロープ・トリック呪文のかかったロープ。
10 取りついたり上に立ったりできる出っぱりのある表面。たとえば、非常にでこぼこした壁や船の索具など。
15 (自然のものであれ、人工のものであれ)適度な手がかり足がかりのある表面。たとえば、非常にでこぼこした自然石の表面や木、結び目のないロープなど。
20 わずかな手がかり足がかりとなる凹凸のある表面。たとえば、ダンジョンの典型的な壁。
25 ざらざらとした表面。たとえば、自然石の表面やレンガ造りの壁。
30 手がかりはあるが、足をかけるところのないオーバーハングや天井。
完全に滑らかで平らな垂直面(あるいは天井)を登ることはできない。

〈登攀〉DC修正値* 表面または活動の例
-10 煙突や岩の縦の裂け目、あるいはその他の、向き合った2つの面に足を踏ん張ることのできる場所を登る。
-5 直角に交わる2つの面に足を踏ん張ることのできるコーナー部を登る。
+5 表面がすべりやすい。
 * これらの修正値は累積する。当てはまるものをすべて加算すること。

 登攀時には両手が自由でなければならない。ただし片方の手で壁にしがみつき、もう一方の手を使って動作要素のある呪文を発動したり、その他片手でできる作業をすることは可能である。登攀中は攻撃をよけるために動くことはできないので、ACへの【敏捷力】ボーナスを(もしあれば)失う。登攀中に盾を使うことはできない。登攀中にダメージを受けた場合、坂や壁のDCに対して〈登攀〉判定を行なうこと。失敗すれば、君はその時点での高さから落ち、落ちた距離に対応するダメージを被る。
 登攀速度の上昇:通常より速く登攀しようと試みることもできる。〈登攀〉判定に-5のペナルティを受けて判定に成功すれば、移動速度の1/4ではなく、半分で移動できる。
 自分で手がかりや足がかりを作る:壁にピトン(くさび)を打ち込んで、手がかりや足がかりを作ることもできる。そうするにはピトン1本あたり1分かかり、5フィート(約150cm)ごとに1本のピトンが必要である。ピトンの打ち込まれた壁のDCは、手がかりや足がかりのあるすべての表面と同様、15である。これと同様、ハンドアックスやそれに類する道具を持った登り手は、氷壁に手がかりを刻むことができる。
 落下中にしがみついたり踏みとどまったりする:落下中に“壁”にしがみつくのはほとんど不可能である。それでもなお、この難しい行為を試みるならば、そうするためには〈登攀〉判定を行なうこと(DCは壁のDC+20)。“坂”で落下中に踏みとどまるのはそれよりかなり容易である(DC=坂のDC+10)。
 落下するキャラクターをつかまえる:君の上や隣で登攀中だったキャラクターが落下し、かつ君の手が届く範囲にいるなら、君は相手をつかまえようとすることができる。そうするためには、落下するキャラクターに対して近接接触攻撃に成功する必要がある。このとき、落下するキャラクターはACへの【敏捷力】ボーナスを使わないことにしてもよい。接触攻撃に成功したなら、君は即座に〈登攀〉判定を行なうこと(DC=表面のDC+10)。成功すれば、君は落下するキャラクターをつかまえることができた。ただし、相手の装備込みの総重量が君の重荷重の上限を越えていてはならない。もし越えていれば、君たちは自動的に落下する。4以下の差で失敗すれば、君は落下するキャラクターをつかまえることはできないが、自分自身は落ちずにすむ。5以上の差で失敗すれば、君は相手をつかまえることができず、自分も落ちる。
 アクション:登攀は移動の一部である。そのため、普通は移動アクションの一部として処理され、1回の移動アクションの中で他の種類の移動と組み合わせて使うこともできる。登攀を含む移動アクション1回ごとに、別々の〈登攀〉判定が必要となる。“落下中にしがみついたり踏みとどまったりする”ことや、“落下するキャラクターをつかまえる”ことはアクションを要しない。
 特殊:ロープを使えば、技能を使わず単に力だけでキャラクターを上に引き上げたり下に下ろしたりできる。あるキャラクターがどれだけの重さを引き上げることができるかは、最大荷重の2倍の数値を使うこと。
 登攀移動速度のあるクリーチャーは、あらゆる〈登攀〉判定に+8の種族ボーナスを得る。こうしたクリーチャーも、DC1以上の壁や坂に登る場合、〈登攀〉判定は必要だが、常に“出目10”を選択できる。どんなに急いでいても脅威が迫っていても、である。
 登攀移動速度のあるキャラクターが“登攀速度の上昇”(上記参照)を試みる場合、1回の〈登攀〉判定を-5のペナルティを付けて行なうこと。成功すれば登攀移動速度の2倍か地上移動速度か、どちらか低い方の速度で移動できる。こうしたクリーチャーは登攀中に攻撃されてもACへの【敏捷力】ボーナスを失わず、敵はそのクリーチャーを攻撃する際に特別なボーナスを得ることがない。しかし、こうしたクリーチャーも登攀中に“疾走”アクションをとることはできない。
 《運動能力》特技があるなら、〈登攀〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。


〈動物使い〉(【魅】;修得時のみ) Handle Animal

 君は動物と作業する訓練を受けており、動物に芸を教えたり、単純な指示に従わせたり、飼い慣らしたりできる。
 判定:DCは用途による。
作業 〈動物使い〉DC
動物を扱う 10
動物を“せき立てる” 25
動物に芸を仕込む 15か20 *
動物を特定用途のために訓練する 15か20 *
野生動物を育てる 15+動物のHD
 * 特定の芸や、以下の用途を参照。

 動物を扱う:特定の動物に、すでに仕込まれている芸や仕事をさせるのは、この作業に含まれる。その動物が傷ついているか、少しでも非致傷ダメージや能力値ダメージを受けているなら、DCは+2される。君が判定に成功すれば、その動物は次のアクションで命じられた任務や芸を実行する。
 動物を“せき立てる”:動物をせき立てるというのは、その動物が憶えてはいないが物理的には可能なことをさせるということである。動物に強行軍をさせたり、睡眠から睡眠の間に合計1時間より長く走行させるのも、“せき立てる”うちに入る。その動物が傷ついているか、少しでも非致傷ダメージや能力値ダメージを受けているなら、DCは+2される。君が判定に成功すれば、その動物は次のアクションで命じられた任務や芸を実行する。
 動物に芸を仕込む:1体の動物に特定1種類の芸を仕込むには、1週間の作業を行ない、表にある通りのDCの〈動物使い〉判定に成功する必要がある。【知力】が1の動物は最大で3つまでの芸を憶えることができる。【知力】が2の動物は最大で6つまでの芸を憶えることができる。芸の種類(および関連するDC)には以下のようなものがあるが、必ずしも以下のものに限られるわけではない。
  • 「後に続け」(DC15):動物は君の後に従い、普通なら行かないような所にもついてくる。
  • 「演技しろ」(DC15):動物は後脚で立つ、横転する、吠えるなど、さまざまな簡単な演技をする。
  • 「来い」(DC15):動物は、普段なら来ないような状況でも、君のもとにやって来る。
  • 「攻撃しろ」(DC20):動物は明らかに敵とわかる相手を攻撃する。君は特定のクリーチャーを指し、動物にそのクリーチャーを攻撃するよう指示することができる。通常、動物が攻撃する相手は人型生物、人怪、巨人、動物に限られる。動物にあらゆるクリーチャー(アンデッドや異形など、自然に反するクリーチャーも含む)を攻撃させるよう仕込むのは、芸2つ分に相当する。
  • 「下がれ」(DC15):動物は戦闘をやめたり、戦闘以外のことから離れて後ろに下がる。この芸を仕込まれていない動物は、負傷や[恐怖]効果等によって敗走するか、相手を打ち負かすまで戦いつづける。
  • 「調べろ」(DC15):動物はあるエリアに移動し、何か明らかに生きているものや動いているものがないかと周囲を見回す。
  • 「追跡しろ」(DC20):動物は指示された匂いを追跡する。これを実行するには、その動物が“鋭敏嗅覚”の能力を持っている必要がある。
  • 「取ってこい」(DC15):動物は行って何かを取ってくる。君が特定の物体を指定しなかった場合、動物はランダムに何か物体を持ってくる。
  • 「働け」(DC15):動物は中荷重ないし重荷重相当の荷物を押したり牽いたりして運ぶ。
  • 「番をしろ」(DC20):動物は一箇所に留まり、他のものが近づいてくるのを防ぐ。
  • 「待て」(DC15):動物は一箇所に留まり、君が戻ってくるのを待つ。他のクリーチャーがやって来ても進んで攻撃をしかけることはないが、必要なら自分の身は守る。
  • 「守れ」(DC20):動物は以後、どんな命令も下さなくても君を守る(明らかな脅威がない場合、いつでも君の身を守れるように身構える)。また、他の特定のキャラクターを守るように命令することもできる。
 動物を特定用途のために訓練する:動物に個々の芸を仕込むのではなく、単に1種類の一般的な用途のために訓練することもできる。事実上、動物の“用途”というのは、(番、重労働など)特定の使い道のために複数の芸をあらかじめ選択して組み合わせたものと言える。動物は、訓練パッケージ内のあらゆる芸の前提条件を満たしていなければならない。パッケージ内に4つ以上の芸が含まれる場合、その動物は【知力】が2以上なければならない。
 1体の動物は1つの特定用途のためにしか訓練できない。ただしその特定用途に含まれる芸に加えて、追加で別の芸を仕込むことはできる(その動物に余計に芸を憶えるだけの“あき”があるなら)。ある動物を特定用途のために訓練する場合には、個々の芸を教え込む時よりも判定回数が少なくてすむが、所要時間は変わらない。
  • 演技(DC15):演技を見せるために訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「後に続け」、「演技しろ」、「来い」、「取ってこい」、「待て」。1体の動物を演技用に訓練するには5週間かかる。
  • 騎乗(DC15):騎手を乗せるように訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「後に続け」、「来い」、「待て」。1体の動物を騎乗用に訓練するには3週間かかる。
  • 重労働(DC15):重労働のために訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「来い」、「働け」。1体の動物を重労働用に訓練するには2週間かかる。
  • 狩猟(DC20):狩猟用に訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「後に続け」、「攻撃しろ」、「下がれ」、「調べろ」、「追跡しろ」、「取ってこい」。1体の動物を狩猟用に訓練するには6週間かかる。
  • 戦闘(DC20):戦闘に参加するよう訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「攻撃しろ」、「下がれ」、「待て」。1体の動物を戦闘用に訓練するには3週間かかる。
  • 戦闘騎乗(DC20):騎手を乗せて戦うよう訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「後に続け」、「来い」、「攻撃しろ」、「下がれ」、「番をしろ」、「守れ」。1体の動物を戦闘騎乗用に訓練するには6週間かかる。また、騎乗用に訓練された動物を戦闘騎乗用に格上げすることもできる。これには3週間かかり、〈動物使い〉判定(DC20)に成功する必要がある。この場合、新しい用途と芸は、古い用途と芸を完全に上書きする。多くのホースライディング・ドッグはこの方法で訓練されている。 編注:この戦闘騎乗の訓練により、《鎧習熟:軽装》をボーナス特技として得る。さらにホースやポニーは蹄を主要武器として扱えるようになる。ただし、動物の相棒(パラディンの乗騎を含む)は戦闘騎乗を修得しても《鎧習熟:軽装》を獲得できない(非公式FAQより)。
  • 番(DC20):番をするよう訓練された動物は、以下の芸を仕込まれている:「攻撃しろ」、「下がれ」、「番をしろ」、「守れ」。1体の動物を番用に訓練するには4週間かかる。
 野生動物を育てる:動物を育てるとは、野生のクリーチャーを飼い慣らすために子供の頃から育てることを指す。調教師は同時に同じ種類のクリーチャーを最大3体まで育てることができる。
 飼い慣らすのに成功した動物は、育てるのと同時に芸を仕込むことができる。また、まず飼い慣らしておいた後で、飼い慣らされた動物に対するDCで芸を仕込むこともできる。
 アクション:さまざま。動物を扱うのは移動アクションであり、動物を“せき立てる”のは全ラウンド・アクションである。ドルイドレンジャーが動物の相棒を扱うのはフリー・アクションであり、せき立てるのは移動ラウンド・アクションである。特定の概算時間が書いてある作業の場合、実際に技能判定を行なうまでに、作業の完遂に向けて(扱う動物1体につき、1日に3時間の割合で)その時間の半分を費やさなければならない。判定に失敗すれば、その動物を仕込んだり、育てたり、訓練する試みは失敗だったことになり、それ以上続ける必要はなくなる。判定に成功すれば、仕込み、飼育、訓練が完了するまで残りの時間を費やさねばならない。作業時間が中断されたり、作業を最後までやり通せなかったなら、その試みは自動的に失敗となる。
 再挑戦:可能。ただし“野生動物を育てる”場合のみは不可。
 特殊:【知力】が1か2で、かつクリーチャー種別が“動物”ではないクリーチャーに対して〈動物使い〉技能を用いることもできる。その場合、DCは一律+5される。こうしたクリーチャーにも、動物の場合と同様の限界(訳注:芸の修得数の上限、特定の芸を修得できるかどうかなど)がある。
 ドルイドレンジャーは、動物の相棒に関する〈動物使い〉判定に+4の状況ボーナスを得る。
 加えてドルイドレンジャーの動物の相棒は1つ以上の追加の芸を知っている。これは芸の修得数の上限を勘定する際、勘定に入れない。また、この追加の芸には訓練時間も、仕込むための〈動物使い〉判定も不要である。
 《動物の友》特技があるなら、〈動物使い〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。
 未修得:〈動物使い〉にランクを割り振っていない場合でも、【魅力】判定で“動物を扱う”ことや飼い慣らされた動物を“せき立てる”ことはできるが、芸を仕込んだり訓練したり育てたりすることはできない。ドルイドレンジャーは〈動物使い〉にランクを割り振っていなくとも、【魅力】判定で動物の相棒を“扱う”ことや“せき立てる”ことはできるが、他の飼い慣らされていない動物に芸を仕込んだり訓練したり育てたりすることはできない。


〈はったり〉(【魅】) Bluff

 君は嘘をつくやり方を知っている。
 判定:〈はったり〉は相手の〈真意看破〉技能との対抗判定である。他人を騙すのに〈はったり〉を使い判定に成功した場合、君は自分の言うことを相手に真実だと思わせることができる。〈はったり〉判定は、嘘のもっともらしさによって修正を受ける。嘘をつこうと試みるクリーチャーの判定には以下の修正が適用される。嘘があまりに荒唐無稽であれば、(GMの裁量により)誰もそれを真に受けないことに注意すること。
状況 〈はったり〉修正値
対象が君を信じたがっている +5
その嘘は信じられるものである +0
その嘘はまゆつばものである -5
その嘘にはかなりの無理がある -10
その嘘はおよそあり得ない -20
目標が酔っているか障害がある +5
君が説得力のある証拠を持っている +10

 フェイント:君は戦闘中に〈はったり〉を使い、君の次の攻撃に対して、相手がアーマー・クラスに【敏捷力】ボーナスを加えることができないようにすることができる。この判定のDCは(10+相手の基本攻撃ボーナス+相手の【判断力】修正値)である。相手が〈真意看破〉を修得している場合、(10+相手の〈真意看破〉ボーナス)の方が高いならばDCはその値を用いる。戦闘におけるフェイントに関する内容については、『戦闘』を参照のこと。
 ひそかなメッセージ:〈はったり〉を使い、実際のメッセージを覆い隠すためにほのめかしを用いることで、他人に真の意味を理解されることなく特定のキャラクターにひそかなメッセージを送ることができる。この判定のDCは、単純なメッセージなら15、複雑なメッセージであれば20である。成功した場合、理解できる言語で伝えているならば、目標は君の言いたいことを自動的に理解する。5以上の差で失敗した場合、間違った情報を伝えてしまう。他のクリーチャーは、君の〈はったり〉に対する〈真意看破〉の対抗判定に成功すれば、メッセージの内容を理解する。
 アクション:他人を欺く試みには最低でも1ラウンドかかる。嘘がこみいったものである場合、もっと時間がかかることもある(事例ごとにGMが判断する)。
 戦闘におけるフェイントは1回の標準アクションである。
 ひそかにメッセージを送るために〈はったり〉を用いると、そうせずに伝わるよりも2倍の時間がかかる。
 再挑戦:他人を欺くのに失敗し、同じ人物をもう一度欺こうとする試みは-10のペナルティを受ける。GMの判断によっては、試みること自体が不可能となる可能性もある。
 誰かにフェイントをかけることは、失敗した場合でも自由に再挑戦できる。ひそかなメッセージも、一度失敗した場合でも再度伝えることはできる。
 特殊:ヴァイパー(蛇)を使い魔に持っている呪文の使い手は〈はったり〉判定に+3のボーナスを得る。
 《欺きの名人》特技があるなら、〈はったり〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。


〈飛行〉(【敏】;防具による判定ペナルティ) Fly

 君は、翼や魔法を使って飛ぶ技術を持っており、飛行中に大胆で複雑な動作を取ることができる。この技能が君に飛行能力を与えるわけではないことに注意すること。
 判定:普通、君が〈飛行〉判定を必要とするのは複雑な動作を試みる場合のみである。移動速度の半分を超える距離を移動している限り、飛行しているクリーチャーは自分のターンの終了時点で技能判定なしで飛行したままでいることができる。君はまた、移動速度5フィート分を消費することで最高45°までの方向転換を行なうことができる。また、45°の角度で移動速度の半分で上昇したり、通常の移動速度で(角度を問わず)下降することができる。こうした制限は、君の現在のターンに行なわれる移動にのみ適用されることに注意すること。次のターンの開始時点においては、君は以前のターンに判定なしでそうしたのとは違う方向に移動することができるのである。こうしたルールに反する行動を行なおうとすれば〈飛行〉判定が必要となる。こうした動作の難しさは下表に示されているが、試みようとする動作によってさまざまである。
〈飛行〉の動作 〈飛行〉DC
移動速度の半分よりも少ない移動を行なった後に飛行を維持する 10
ホバリング 15
移動速度のうち5フィート分を消費して45°を超えて方向転換する 15
移動速度のうち10フィート分を消費して180°方向転換する 20
45°を超える角度で上昇する 20
 飛行中に攻撃を受ける:飛行中、君は立ちすくみ状態とは見なされない。翼を用いて飛行している時にダメージを受けた場合、君はDC10の〈飛行〉判定を行なわねばならず、失敗すると10フィート分の高度を失う。この降下は機会攻撃を誘発せず、クリーチャーの移動には含まれない。
 飛行中の衝突:翼を用いて飛行していて自分と同じかより大きなサイズの物体に衝突した場合、地面に墜落して落下距離に対応したダメージを受けるのを避けるため、君は即座にDC25の〈飛行〉判定を行なわねばならない。
 落下ダメージを避ける:飛行能力を持っている状態で落下した場合、君はダメージを無効化するためにDC10の〈飛行〉判定を行なうことができる。君は〈飛行〉判定の失敗や衝突による落下の場合にはこの判定を行なうことができない。
 強い風:強い風のさなかに飛行すると、表:『〈飛行〉と風力効果』にあるように〈飛行〉判定にペナルティを受ける。“釘付け状態”は、風が持続する限り、示されたサイズ以下のクリーチャーがDC20の〈飛行〉判定に成功しなければならないことを意味する。“吹き飛ばされた状態”は、示されたサイズ以下のクリーチャーがDC25の〈飛行〉判定に成功しなければ2d6×10フィート吹き戻され、2d6ポイントの非致傷ダメージを受けることを意味する。この判定はクリーチャーが空中にあるなら毎ラウンド行なわなければならない。“吹き飛ばされた”クリーチャーは、移動するにはDC20の〈飛行〉判定を行なわねばならず、さもなければ“釘付け状態”になる。

表:〈飛行〉と風力効果
風力 風速 釘付け状態となるサイズ 吹き飛ばされた状態となるサイズ 〈飛行〉ペナルティ
微風 毎時0~10マイル
軟風 毎時11~20マイル
疾風 毎時21~30マイル 超小型 -2
強風 毎時31~50マイル 小型 超小型 -4
暴風 毎時51~74マイル 中型 小型 -8
台風 毎時75~174マイル 大型 中型 -12
竜巻 毎時175+マイル 超大型 大型 -16
 アクション:なし。〈飛行〉判定はアクションを必要としない;他のアクションの一部であるか、状況に対する反射的対応である。
 再挑戦:可能なことも不可能なこともある。君は次のラウンドも同じ動作をするために〈飛行〉判定を試みることができる。翼を用いていて〈飛行〉判定に5以上の差で失敗した場合、君は地面に墜落し、落ちた距離に対応したダメージを受ける(『環境』を参照)。
 特殊:バット(コウモリ)を使い魔に持っている呪文の使い手は〈飛行〉判定に+3のボーナスを得る。
 飛行移動速度を持つクリーチャーは〈飛行〉技能をクラス技能として扱う。生得の飛行移動速度を持つクリーチャーは、〈飛行〉判定にその機動性によるボーナス(またはペナルティ)を受ける:劣悪-8、貧弱-4、標準+0、良好+4、完璧+8。機動性を持たないクリーチャーは“標準”の機動性を持っているものと見なす。
 中型より大きいクリーチャーや小さなクリーチャーは〈飛行〉判定にサイズ・ボーナスやサイズ・ペナルティを受ける:極小+8、微小+6、超小型+4、小型、+2、大型-2、超大型-4、巨大-6、超巨大-8。
 君は飛行や滑空の手段を生まれつき持っていなければこの技能のランクを取ることができない。クリーチャーはまた、(呪文あるいは他の特殊能力によって)毎日利用できる確かな飛行の手段を持ったならば、〈飛行〉にランクを割り振ることができる。
 《軽業師》特技があるなら、〈飛行〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。


〈変装〉(【魅】) Disguise

 君は自分の外見を変えることに長けている。
 判定:君の〈変装〉判定の結果は、その変装がどれほど上手なものかを決めるものであり、他の者たちの〈知覚〉判定の結果との対抗判定に使う。君が注意を引くようなことをしなければ、他の者たちは〈知覚〉判定をすることもない。君が疑いを抱いている者たち(市門を通る一般人を監視している衛兵など)の注意にさらされた場合、そうした者は〈知覚〉判定で“出目10”を選択していると見なされる。
 複数の相手が〈知覚〉判定を行なう場合でも、〈変装〉判定は1回の変装につき1回だけ行なうこと。自分がどれだけうまくやったかわからないように、〈変装〉判定は秘密裏に行なわれる。
 君の変装がどのくらい効果的かは、君がどのくらい外見を変化させようとしているかにもよる。〈変装〉は、自分の外見を実際よりもサイズ分類が1段階大きかったり小さかったりするクリーチャーに変えるために使うこともできる。こうした変装をまとったまま戦闘に入ったとしても、こうした変装が君の実際のサイズや間合いを変化させることはない。
変装 〈変装〉判定への修正
大きな変化を加えない +5
異なる性別に変装している * -2
異なる種族に変装している * -2
異なる年齢段階に変装している * -2 **
異なるサイズ分類に変装している * -10
 * これらの修正は累積する。当てはまるものをすべて適用すること。
 ** キャラクターの実際の年齢段階と変装後の年齢段階(少年[青年より若い]、青年、中年、老年、古希)が1段階違うごとに。

 君が特定の個人になりすましているなら、その人物がどんな外見をしているか知っている者たちは、〈知覚〉判定にボーナスを得る。そして、自動的に君に対して疑いを抱いているものと見なされ、従って常に対抗判定を行なう。
 1人の人物は君に出会ってすぐと、その後1時間ごとに再び見破るかどうかの判定を行なう。君が大人数の異なるクリーチャーと、それぞれ短時間ずつ何かということもなしに顔を合わせる場合、その集団の平均的な〈知覚〉ボーナスを用いて、1日あるいは1時間ごとに判定すること。
親しさ ボーナス
見覚えがある +4
知人、同僚 +6
親しい友人 +8
親友、恋人、肉親 +10
 アクション:変装を行なうには1d3×10分の作業が必要である。たとえばディスガイズ・セルフのような魔法を使えば、アクションに必要な時間は呪文や効果を発動するために必要な時間までに減少する。
 再挑戦:可能。キャラクターは失敗した変装をやり直すことができる。ただし、人々は一旦誰かが変装を試みたと知ったら、より疑い深くなるだろう。
 特殊:受け手の姿を変える魔法、たとえばオルター・セルフシェイプチェンジディスガイズ・セルフポリモーフは、変装している者の〈変装〉判定に+10のボーナスを与える(個々の呪文の説明を参照)。幻影を見通す占術魔法、たとえばトゥルー・シーイングなどは、魔法によらない変装を見破ることはできないが、魔法によって強化された変装の“魔法の部分”を見破ることはできる。
 君がシミュレイクラムの呪文を発動する際には、その似姿がどのくらいよく似ているかを決定するために〈変装〉判定を行なわなければならない。
 《欺きの名人》特技があるなら、〈変装〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。


〈魔法装置使用〉(【魅】;修得時のみ) Use Magic Device

 たとえ別の使用方法を訓練していなくとも、君は魔法のアイテムを起動させることに長けている。
 判定:君はこの技能を、呪文を読んだり、魔法のアイテムを起動させるために使用できる。この技能により、まるで自分が呪文能力や他のクラスの特徴を持っていたり、別の種族だったり、別の属性であるかのように魔法のアイテムを使用できる。
 ワンドのようなアイテムを起動しようとする場合、そのたびごとに〈魔法装置使用〉判定を行なう。属性その他、何らかの性質をずっと真似ているためにこの判定を用いる場合、うまく真似るための〈魔法装置使用〉判定を毎時間1回ずつ行なわなければならない。
 どんな性質を真似るかは意識して選ばなければならない。すなわち、真似るための〈魔法装置使用〉判定をする際には、自分が何を真似ようとしているのか知っていなければならない。〈魔法装置使用〉判定を行なう各種作業のDCは次の表を参照。
作業 〈魔法装置使用〉DC
やみくもに起動させる 25
書かれた呪文を解読する 25+呪文レベル
巻物を使う 20+術者レベル
ワンドを使う 20
クラスの特徴を真似る 20
能力値を真似る 本文参照
種族を真似る 25
属性を真似る 30
 やみくもに起動させる:魔法のアイテムの中には、特別な言葉、思考、あるいは行動によって起動するものもある。君は起動の言葉、思考、行動を行なわず、たとえそれを知らなかったとしても、あたかもそれを用いたかのようにそうしたアイテムを起動させることができる。君は何かそれに相当するものを用いなければならない。君は何かを言ったり、アイテムを振り回したり、あるいは起動させるために他の何らかの試みを行なわなければならない。以前に少なくとも一度そのアイテムを起動させたことがあれば、特別の+2のボーナスを得る。9以下の差で失敗した場合、その魔法装置を起動させることはできない。10以上の差で失敗した場合、君は事故を起こす。事故とは、魔法のエネルギーは解放されたものの、君が望んだとおりにではなかったということである。よくある事故としては、アイテムが間違った目標に影響を及ぼしたり、制御されていない魔法エネルギーが解放されて君に2d6ポイントのダメージを与えたりすることなどが考えられる。通常でも君が自力では発動できない呪文を巻物から発動した場合には事故の危険が伴うが、この事故はそちらを考慮した上でさらに発生する可能性がある。
 書かれた呪文を解読する:これは、書かれた呪文を〈呪文学〉技能で解読するのと同じように機能するが、DCが5ポイント高くなる。書かれた呪文を解読するには1分間の精神集中が必要である。
 能力値を真似る巻物から呪文を発動するには、しかるべき能力値(ウィザード呪文なら【知力】、信仰呪文なら【判断力】、ソーサラーバードの呪文なら【魅力】)が高い必要がある。君の有効能力値(巻物から呪文を発動しようとする時に真似るクラスに応じた能力値)は判定結果-15となる。しかるべき能力値がすでに十分高い値なら、この判定を行なう必要はない。
 属性を真似る:魔法のアイテムの中には、君の属性しだいで有益な効果や有害な効果を持つものもある。君は、自分があたかも特定の属性であるかのように、そうしたアイテムを使うことができる。一度に真似ることのできる属性は1つだけである。
 クラスの特徴を真似る:時には、魔法のアイテムを起動させるためにクラスの特徴を用いる必要がある。真似たクラスにおける君の有効クラス・レベルは判定結果-20に等しい。この技能で別のクラスの特徴が使用できるようになるわけではない。あたかも君がそのクラスの特徴を持っているかのように、魔法のアイテムを起動させることができるようになるだけである。特徴を真似ようとしているクラスに属性の必要条件があるなら、君はそちらも満たす必要がある。正直に満たしてもいいし、別個に“属性を真似る”ための〈魔法装置使用〉判定を行なって真似てもよい(上記を参照)。
 種族を真似る:魔法のアイテムの中には、特定の種族しか使用できなかったり、特定の種族の者が使うとうまく働くものもある。君は、あたかも自分が特定の種族であるかのように、そうしたアイテムを使うことができる。一度に真似ることのできる種族は1つだけである。
 巻物を使う:通常、巻物から呪文を発動するには、その巻物の呪文が自分のクラス呪文リストになくてはならない。だが〈魔法装置使用〉を使えば、あたかもその呪文が自分のクラス呪文リストにあるかのように巻物を使える。判定DCは(20+巻物から発動しようとする呪文の術者レベル)。加えて、巻物から呪文を発動するには、対応する能力値が最低限の値(10+呪文レベル)を満たしている必要がある。能力値が足りないなら、別個に“能力値を真似る”ための〈魔法装置使用〉判定を行なわねばならない。
 “巻物を使う”用法は、他の呪文完成型の魔法のアイテムにも使える。
 ワンドスタッフ、その他の呪文解放型のアイテムを使う:通常、ワンドを使うには、そのワンドの呪文が自分のクラス呪文リストになければならない。だが〈魔法装置使用〉で“ワンドを使う”なら、特定の呪文が自分のクラス呪文リストにあるかのようにワンドを使うことができる。ロールに失敗してもチャージは消費しない。
 アクション:なし。〈魔法装置使用〉判定は、魔法のアイテムを起動する際のアクション(もしあれば)の一部として行なわれる。
 再挑戦:可。ただしアイテムを起動させようとして失敗した時、修正値を加える前の出目が1だったら、以後24時間の間、そのアイテムを再び起動させようとすることはできない。
 特殊:〈魔法装置使用〉判定で“出目10”は選択できない。〈魔法装置使用〉に“援護”は行なえない。アイテムの使用者だけが判定を行なえるのである。
 《魔法の才》特技があるなら、〈魔法装置使用〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。