イリセン

イリセン(Irrisen)


イリセンは、アヴィスタン亜大陸北部に位置する、魔女の支配する冬の王国である。

歴史

3313 ARのとりわけ厳しい寒さの冬に、世界の冠から魔女王バーバ・ヤーガがトロルや北のモンスターからなる軍勢を率いてリノーム諸王の地の東部に侵攻してきた。(冬戦争 Winter War)わずか23日後、抵抗する者は全て殺され、残りは奴隷となり、この地は魔女の国イリセンとなった。以後イリセンの地は魔女王の魔法によって永遠の冬に閉ざされた。

政治

建国後、バーバ・ヤーガはすぐに大いなる彼方に去り、かわりに自らの娘を統治者として残した。1世紀に一度、バーバ・ヤーガは再来し、娘を呼び戻して代わりに新しい娘を置いていく。娘の子供たちがイリセンの支配階層 White Witches であり、男はトロルやウィンター・ウルフからなる軍隊の指揮を執り、女は政府と土地の管理者となる。
現在の女王は女王エヴァンナ Elvanna で、彼女の任期は終わりに近づいており、自分の爪痕をゴラリオンに残そうと狂奔している。

the Heralds of Summer's Return という、もともとのウールフェン人の住人の子孫、理想に燃えた自由の闘士、ドルイドからなる地下組織が何世紀もの間抵抗運動を続けている。

悪運やバーバ・ヤーガやその子供たちの怒りを避けるため、イリセンではシンボルが重要な役割を果たしている。犬、猫、門、木の意匠や、実際のそれがいたるところで見られる。またレイヴンは人気のある使い魔であり、高貴で知的な生物だとみなされているが、その小さな親族である烏は悪運の象徴として、見つかり次第殺される。

国境地帯には、隣国のほうに1つの開け放たれ扉を向けた、小さな小屋(ヒュッテ、hut)が点在する。それらはニワトリのような脚があり、バーバ・ヤーガの帽子(hut)に非常に似ている。その中には灰色の髪の老婆の形をした磁器人形が椅子に座っており、外を瞬きもせずにじっと見ている。噂では隣国からさらわれた子供の魂が入っており、夜になると小屋から離れ、イリセンに侵入しようとする愚か者を狩っているのだと言う。

地理

イリセンは永遠に続く超自然的な冷気の下にある。天候を変更する呪文は、術者レベルに等しい分数か、その呪文の通常の効果時間の半分の、どちらか短い間だけしか続かない。
ホワイトスローンWhitethrone:グレイシャー湖 Glacier Lake の東岸にあるイリセンの首都。魔女の子供たちの遊び場であり、モンスターが人間の上位の階級を占める。門から宮殿に向う道は Bone Road と呼ばれ、冬戦争でころされたリノーム諸王の戦士の頭蓋骨で舗装されており、時々反逆者やホワイトウィッチの怒りを買った市民の頭蓋骨で拡張される。
アルギッドハート Algidheart:ライムフロー河 Rimeflow River のほとりにあるこの街は、建物がお互いに積み重なって、川の細い部分に掛かったこんがらかったガラクタのような、眩暈がするほどの高さの橋になっている。迷路のような階段や梯子、斜道、空中橋、木製のプラットフォームで建物同士が繋がっている。
チルブライト Chillblight:Frozen Road のほとりにある、輝く氷を彫って作られた息を呑むほど美しい町。冷気のフェイの最大の居住地であり、First World との境界が薄く、フェイなら自由に行き来ができる。ここに住む人間は、交易許可証を持った商人以外はフェイの奴隷。
クロウトップ Crowtop:ホアーウッド森 Hoarwood Forest にある寒村。屋根の上にいる無数の烏を除き、全ての住人が謎の消失を遂げた。イリセンの住人は凶兆である烏を嫌がって近づかず、その結果謎も解き明かされていない。
フローズンフォグ Frosen Fog:グレイシャー湖の南岸は1400年前の冬戦争から不自然な霧につつまれている。霧の中はイリセンの超自然的な冷気をさらに下回って温度が低く、生物は一瞬で凍り付いてしまう。時としてこの霧は広がり、近くにいた生き物は飲み込まれ、また霧が引いた時には死体となって残される。
ホルヴァーガング Holvirgang:イリセンの北の境界にあるフロスト・ジャイアントの要塞。マンモス諸侯領からの蛮族交易者、イリセンのフェイの行商人、世界の冠からの隊商がであう交易所としてにぎわう。
ホープロスト:魔女たちを怒らせた者が送り込まれる氷の鉱山。凶暴なアイス・トロルに追い立てられながら、人間の奴隷がアイス・ダイアモンドと呼ばれる希少な青水晶を探す。

参考文献

[1] Erik Mona et al. (2008). Campaign Setting, p. 80. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-112-1
[2] James Jacobs et al. (2011). The Inner Sea World Guide, p. 78. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-169-2
カテゴリー:内海地域
最終更新:2015年10月12日 05:42
添付ファイル