呪文 > さ行 > しやう~しん

シャウト

Shout/絶叫
系統:力術[音波];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー4、バード4
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声
距離:30フィート
効果範囲:円錐形の爆発
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:頑健・不完全または反応・無効(物体);本文参照;呪文抵抗:可(物体)
 術者は耳をつんざくような叫びをあげ、効果範囲内にいるクリーチャーを聴覚喪失状態にし、ダメージを与える。範囲内のすべてのクリーチャーは2d6ラウンドの間、聴覚喪失状態となり、5d6ポイントの[音波]ダメージを被る。セーヴに成功すれば聴覚喪失状態になるのを無効化し、ダメージを半減させることができる。この音にさらされた脆い物体や結晶質の物体、結晶質のクリーチャーは術者レベルごとに1d6(最大15d6)ポイントの[音波]ダメージを被る。作用を受けたクリーチャーは頑健セーヴを行なうことができ、成功すればダメージを半減する。また、脆い物体を待ったクリーチャーは反応セーヴに成功すればその物体へのダメージを無効化できる。シャウト呪文の効果はサイレンス呪文の範囲内に入ったり、通り抜けたりすることはできない。

グレーター・シャウト

Shout, Greater/上級絶叫
系統:力術[音波];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8、バード6
構成要素:音声、動作、焦点(金属、もしくは象牙で作られた角笛)
距離:60フィート
セーヴィング・スロー:頑健・不完全または反応・無効(物体);本文参照
 この呪文はシャウト呪文と同様だが、その円錐形の爆発は10d6ポイントの[音波]ダメージを与える(もしくは、脆い物体や結晶質の物体、結晶質のクリーチャーに対して術者レベルごとに1d6(最大20d6)ポイントの[音波]ダメージ)。さらに、クリーチャーは1ラウンド朦朧状態、4d6ラウンド聴覚喪失状態となる。円錐形の効果範囲内にいるクリーチャーは皆、頑健セーヴに成功することで朦朧効果を無効化し、ダメージと聴覚喪失状態の持続時間を半減できる。また、脆い物体を手に持っているクリーチャーは反応セーヴに成功すればその物体へのダメージを無効化できる。


シャター

Shatter/破砕
系統:力術[音波];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、クレリック2、バード2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質/信仰(雲母のかけら)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)効果範囲あるいは
目標:半径5フィートの拡散;あるいは固体の物体1つ、あるいは結晶質のクリーチャー1体
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:意志・無効(物体);意志・無効(物体)あるいは頑健・半減;本文参照;呪文抵抗:
 シャターは大きな騒音を鳴り響かせ、もろくて魔法の力を持たない複数の物体を砕くか、魔法の力を持たない固体の物体を1つ壊すか、結晶質のクリーチャーにダメージを与える。
 範囲攻撃として使用した場合、シャターは水晶やガラスや陶器や磁器でできた魔法の力を持たない物体を破壊する(小ビン、ビン、陶器のつぼ、窓、鏡など)。起点から半径5フィート以内にあるその種の装備中でない物体はすべてこの呪文によってバラバラに砕かれてしまう。術者のレベルごとに1ポンドまでの重量の物体にしか作用しないが、それより軽くてその種の材質でできた物体はすべて破砕されてしまう。
 また、術者は固体の魔法的ではない物体1つを目標としてシャターをかけることができる。この場合、目標の材質は関係なく、術者レベルごとに10ポンドの重量のものまで破砕できる。結晶質のクリーチャー(重量制限はなし)を目標とした場合、シャターは術者レベルごとに1d6(最大10d6)ポイントの[音波]ダメージを与える。このダメージは頑健セーヴで半減させることができる。


シャドウ・ウォーク

Shadow Walk/影界旅行
系統:幻術(操影);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー6、バード5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:接触したクリーチャー1体/レベルまで
持続時間:1時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:意志・無効;呪文抵抗:
 シャドウ・ウォーク呪文を使うためには、術者は薄明かりの範囲にいなければならない。術者と術者が接触したクリーチャーは影界と境を接する物質界の縁へと、渦巻く影の道を通って運ばれる。この呪文の効果はおおむね幻に属するものだが、影の道そのものは半ば実体である。術者は自分と一緒に1体以上のクリーチャーを(レベルによる上限に従って)連れて行くことができるが、その全員が互いに接触していなければならない。
 影の世界では、術者は1時間に50マイルの速度で移動することができ、影界との境では通常通り移動していながら、物質界では相対的にもっと速く移動することになる。従って、術者は影界に入り込み、望むだけの距離を移動し、その後、物質界に戻ることで、素早く旅をすることができる。
 影界と物質界の間では現実がぼやけているため、術者はこの移動の間に通り過ぎる地形や地域について詳しいことを知ることも、自分の旅がどこで終わるのかを正確に予知することもできない。距離を正確に判断することは不可能であり、この呪文は事実上、偵察やスパイに対しては役に立たない。さらに、この呪文の効果が終了した時点で、術者は意図した終点から水平方向にランダムな方角に1d10×100フィート放り出される。これによって固体の中に入ってしまうような場合、術者は同じ方向に1d10×1,000フィート放り出される。それでも固体の中に入ってしまう場合、術者(と術者と一緒にいるすべてのクリーチャー)は最寄りの開けた空間に放り出されるが、こうした活動による無理がたたって疲労状態となってしまう(セーヴ不可)。
 シャドウ・ウォークを使って、影界と境を接する他の次元界へと旅をすることもできるが、そうするためには影界の中を移動して他の次元界との境界へと向かわねばならない。影界の中を移動するには1d4時間かかる。
 シャドウ・ウォークが発動された時に術者が接触していたクリーチャーも影界との境へ移される。
 彼らは術者について行くか、影界へとさまよい出るか、物質界へとよろめき出るかを選ぶことができる(彼らが迷子になったり、術者に捨てられた場合、後者の2つのどちらかが起こる可能性が50%ずつある)。術者に従って影界に行くことに同意しないクリーチャーは意志セーヴィング・スローをすることができ、成功すればこの効果を無効化することができる。


シャドウ・エヴォケーション

Shadow Evocation/影の力術
系統:幻術(操影);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5、バード5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:本文参照
効果:本文参照
持続時間:本文参照
セーヴィング・スロー:意志・看破(やりとりがあった場合);呪文抵抗:
 術者は影界からエネルギーを引き出し、ウィザードとソーサラーの4レベル以下の力術呪文の半ば実在する幻術版を発動する。ライトニング・ボルトのようなダメージを与える呪文は、作用を受けたクリーチャーが意志セーヴに成功しない限り通常の効果がある。看破したクリーチャーはその攻撃からそれぞれ1/5のダメージしか受けない。看破された攻撃にダメージ以外の特殊な効果がある場合、その効果は(そうすることが適切なら)1/5の強度であるか、20%の確率でしか発生しないかである。シャドウ・エヴォケーションであると気付かれた場合、ダメージ呪文は1/5(20%)のダメージしか与えない。看破するためのセーヴの結果いかんに拘らず、作用を受けたクリーチャーは模擬した呪文が本来セーヴ(あるいは呪文抵抗)可能なものであればそのセーヴ(あるいは呪文抵抗)を行なうことができるが、セーヴDCはその呪文の本来のレベルではなく、シャドウ・エヴォケーションのレベル(5レベル)によって決まる。
 ガスト・オヴ・ウィンドのようなダメージを与えない効果は、看破した者以外に対しては通常の効果がある。看破した者に対しては、効果はない。
 物体はこの呪文に対して、自動的に意志セーヴに成功する。

グレーター・シャドウ・エヴォケーション

Shadow Evocation, Greater/上級影の力術
系統:幻術(操影);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8
 シャドウ・エヴォケーションと同様だが、術者はウィザード/ソーサラーの7レベル以下の力術呪文の半ば実在する幻術版を発動する。グレーター・シャドウ・エヴォケーションであると気付かれた場合、ダメージ呪文は3/5(60%)のダメージしか与えない。


シャドウ・カンジュレーション

Shadow Conjuration/影の召喚術
系統:幻術(操影);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー4、バード4
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:本文参照
効果:本文参照
持続時間:本文参照
セーヴィング・スロー:意志・看破(やりとりがあった場合);さまざま;本文参照;呪文抵抗:可;本文参照
 術者は影界の物質を用いて、1体以上のクリーチャー、物体、力場の半ば実在する幻を作り出す。シャドウ・カンジュレーションはウィザードとソーサラーの3レベル以下の召喚術(招来)あるいは召喚術(創造)呪文を真似る。
 シャドウ・カンジュレーションは実際には本物の1/5(20%)の強度しかないが、シャドウ・カンジュレーションが本物であると信じたクリーチャーは完全な強度の作用を受ける。呪文とやりとりのあったクリーチャーはすべて、その正体に気付くために意志セーヴを行なうことができる。
 ダメージを与える呪文は、作用を受けたクリーチャーが意志セーヴに成功しない限り通常の効果がある。看破したクリーチャーはその攻撃からそれぞれ1/5(20%)のダメージしか受けない。看破された攻撃にダメージ以外の特殊な効果がある場合、その効果は20%の確率でしか発生しない。看破するためのセーヴの結果いかんに拘らず、作用を受けたクリーチャーは模凝した呪文が本来セーヴ可能なものであればそのセーヴを行なうことができるが、セーヴDCはその呪文の本来のレベルではなく、シャドウ・カンジュレーションのレベル(4レベル)によって決まる。さらに、シャドウ・カンジュレーションの模凝した呪文が本来呪文抵抗可能なものであるか否かに拘らず、シャドウ・カンジュレーションによって生み出された効果に対しては呪文抵抗が可能である。看破した者に対しては20%の確率で効果を及ぼす。
 影のクリーチャーは(正体が影だと気付かれたかどうかに拘らず)同種の通常のクリーチャーの1/5しかヒット・ポイントを持たない。それらは通常通りのダメージを与え、通常の能力と弱点のすべてを備えている。しかし、その正体が影だと気付いたクリーチャーに対しては、影のクリーチャーのダメージは通常の1/5(20%)となり、致傷ダメージを与えないすべての特殊能力は20%の確率でしか効果がない(使うたびに、そして作用を及ぼすクリーチャー1体ごとに別々にロールすること)。さらに、影のクリーチャーのACボーナスは1/5しかない。
 セーヴに成功したクリーチャーには、シャドウ・カンジュレーションはぼんやりとした影のようなかたちの上に透き通ったイメージが重ねあわせられているかのように見える。物体はこの呪文に対して、自動的に意志セーヴに成功する。

グレーター・シャドウ・カンジュレーション

Shadow Conjuration, Greater/上級影の召喚術
系統:幻術(操影);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー7
 シャドウ・カンジュレーションと同様だが、ウィザード/ソーサラーの6レベル以下の召喚術(招来)か召喚術(創造)を真似る。この幻の召喚術は、信じない者に対しては3/5(60%)のダメージを与え、ダメージを与えない効果であれば信じない者に対して60%の確率で効果を及ぼす。


シャレイリ

Shillelagh/梶棒
系統:変成術;呪文レベル:ドルイド1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:接触
目標:接触した、魔法の力を持たないオーク製のクラブかクオータースタッフ1本
持続時間:1分/レベル
セーヴィング・スロー:意志・無効(物体);呪文抵抗:可(物体)
 術者の持つ魔法の力を持たないクラブやクオータースタッフは、攻撃とダメージのロールに+1の強化ボーナスを持つ武器となる。クオータースタッフでは武器の両端にこの強化ボーナスが与えられる。これらの武器のダメージは、武器本来のサイズ分類よりも2段階大きなもの(小型サイズのクラブまたはクオータースタッフは1d8ポイント、中型サイズなら2d6、大型サイズなら3d6のダメージを与えるように変化する)に強化ボーナスの+1を加えたものとしてダメージを与える。この呪文の効果は、その武器が術者によって用いられている際にのみ働く。術者が振るわない場合、この武器はシャレイリが作用していないかのように扱われる。


ジャンプ

Jump/跳躍
系統:変成術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1、ドルイド1、レンジャー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(バッタの後ろ脚)
距離:接触
目標:接触したクリーチャー
持続時間:1分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害);呪文抵抗:
 対象は高跳び、または幅跳びを行なう際の〈軽業〉判定に+10の強化ボーナスを得る。この強化ボーナスは術者レベルが5レベルに達すると+20へ、9レベルに達すると+30(最大値)に上昇する。


シャンブラー

Shambler/よろめき歩くもの
系統:召喚術(創造);呪文レベル:ドルイド9
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果:シャンブリング・マウンド3体以上、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない;本文参照
持続時間:7日あるいは7ヶ月(解除可);本文参照
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 シャンブラー呪文はそれぞれアドヴァンスト・テンプレートを適用したシャンブリング・マウンドを1d4+2体作り出す。シャンブラーたちは自発的に戦闘で術者を助けたり、特定の使命を果たしたり、番人を務めたりする。シャンブラーたちは術者が解除しない限り、7日の間、術者のそばに付き従う。ただし、シャンブラーたちが警備任務のためにだけ作り出された場合、呪文の持続時間は7ヶ月となる。この場合、シャンブラーたちには特定の敷地や場所を守るよう命じることしかできない。警備任務のために呼び出されたシャンブラーたちは、最初に現れた地点から測って呪文の“距離”より外へと移動することはできない。術者は一度にシャンブラー呪文の効果を1つだけ発揮することができる。前の呪文の効果が残っている間に新しく発動したなら、前の呪文は解呪される。シャンブラーによって招来された場所の地形が雨の多い土地や沼地や湿気の多い土地である場合にのみ、シャンブリング・マウンドは通常と同様に[火炎]への抵抗力を持つ。


シュリンク・アイテム

Shrink Item/アイテム縮小
系統:変成術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:接触した、2立方フィート/レベルまでの物体1つ
持続時間:1日/レベル;本文参照
セーヴィング・スロー:意志・無効(物体);呪文抵抗:可(物体)
 術者は魔法の力を持たないアイテム1つを(それが大きさ制限内のものであれば)高さ・幅・奥行きともに本来の大きさの1/16に縮小できる(体積や重量は本来の約1/4,000となる)。この変化は実質的には物体のサイズ分類を4段階小さくする(訳注:3.5版ではここに(たとえば、大型サイズから微小サイズへと)という括弧書きが入った)。あるいは、術者の選択で、縮小後の材質を布のようなものに変えることもできる。シュリンク・アイテムの呪文によって変化した物体は、固い表面に投げつけるか、この呪文をかけたものが言葉を唱えるかするだけで本来の材質と大きさを取り戻す。燃えている火とその燃料でさえ、この呪文で縮小できる。縮小された物体を本来の大きさと材質に戻せば、呪文は終了する。
 シュリンク・アイテムパーマネンシイの呪文によって、効果を永続化させることができる。シュリンク・アイテムを永続化した場合、作用を受けた物体は回数無制限に縮小したり元に戻したりすることができるようになるが、そうできるのは本来呪文を発動した術者たけである。


ショッキング・グラスプ

Shocking Grasp/電撃の手
系統:力術[雷撃];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:接触したクリーチャーあるいは物体
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:
 術者は近接接触攻撃が成功すると、術者レベルごとに1d6(最大5d6)ポイントの[雷撃]ダメージを与えることができる。敵が金属製の鎧をまとっている(あるいは、金属製の武器を運搬したり、敵自体が金属製であったりなどの)場合、電撃を与える時に術者は攻撃ロールに+3のボーナスを得る。


シンティレイティング・パターン

Scintillating Pattern/きらめく色彩の紋様
系統:幻術(紋様)[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(水晶のプリズム)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:半径20フィートに拡散する色とりどりの光
持続時間:精神集中+2ラウンド
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:
 ぴかぴか光る色の捻れた紋様が空中を漂い、中にいるクリーチャーに作用を及ぼす。この呪文は、合計で術者レベル(最大で20)に等しいヒット・ダイス分のクリーチャーに作用する。最初に最もヒット・ダイスの低いクリーチャーに作用し、同じヒット・ダイスのクリーチャーの中では、まず呪文の起点に最も近いものに作用する。1体のクリーチャーに作用を及ぼすのに充分でなかったヒット・ダイス分は無駄になってしまう。この呪文は各対象に、ヒット・ダイスに従って作用する。
 6以下:1d4ラウンドの間、気絶状態となり、その後さらに1d4ラウンドの間、朦朧状態となり、その後さらに1d4ラウンドの間、混乱状態となる(アンデッド・クリーチャーの場合、気絶状態朦朧状態として扱うこと)。
 7~12:1d4ラウンドの間、朦朧状態となり、その後さらに1d4ラウンドの間、混乱状態となる。
 13以上:1d4ラウンドの間、混乱状態となる。
 シンティレイティング・パターンは視覚を持たない(または失っている)クリーチャーには作用しない。


シンパシー

Sympathy/共感
系統:心術(強制)[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8、ドルイド9
発動時間:1時間
構成要素:音声、動作、物質(磨り潰した真珠1,500GPぶんと蜂蜜一滴)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:場所(10立方フィート/レベルまで)1つあるいは物体1つ
持続時間:2時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:意志・無効;本文参照;呪文抵抗:
 術者は、1つの物体か場所から、術者が定義した特定の種類の知的クリーチャーか、特定の属性のクリーチャーを惹きつける魔法的な波動を放射させる。作用を及ぼす特定の種類のクリーチャーは、具体的に名称を指定しなければならない――たとえば、ヴァンパイア、ヒル・ジャイアント、ラマッス、レッド・ドラゴン、ワーラットなどのように。“ゴブリン類”のような副種別では具体的とは言えない。同様に、属性の場合も具体的に指定しなければならない。
 指定された種類あるいは属性のクリーチャーは、この呪文の作用が及ぶ場所を気に入って入りたくなったり、物体に触れたり手に入れたくなったりする。その場所に留まったり、その物体に触れたいという衝動は圧倒的なものである。セーヴィング・スローに成功したクリーチャーは、この心術効果から解放されるが、1d6×10分後にさらにもう1度セーヴを行なわなければならない。このセーヴに失敗すれば、影響を受けたクリーチャーはその場所や物体のところへ戻ろうとする。
 シンパシーアンティパシーを相殺し、解呪する。


シンパセティック・ヴァイブレーション

Sympathetic Vibration/共振
系統:力術[音波];呪文レベル:バード6
発動時間:10分
構成要素:音声、動作、焦点(音叉1つ)
距離:接触
目標:支えなしで立っている構造物1つ
持続時間:最大1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー:不可;本文参照;呪文抵抗:
 術者は支えなしで立っている構造物に同調し、その構造物の内部に、ダメージを与える振動を発生させることができる。一旦振動が始まると、それは目標の構造物に対して、1ラウンドあたり2d10ポイントのダメージを与える。このダメージは高度を無視する。術者は発動の時点で呪文の持続時間を制限できる。制限しなかった場合、呪文は術者レベルごとに1ラウンド持続する。呪文を“支えなしで立っている構造物”でないものに対して発動した場合、周囲の石が効果を拡散させてしまいダメージは生じない。
 シンパセティック・ヴァイブレーションは(人造を含む)クリーチャーには作用しない。構造物は“装備中の物体”ではないので、セーヴィング・スローを行なって呪文の効果に抵抗することはできない。


シンボル・オヴ・インサニティ

Symbol of Insanity/狂気の印形
系統:心術(強制)[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8、クレリック8
構成要素:音声、動作、物質(水銀、燐、加えて5,000GPの価値があるダイアモンドとオパールの粉末)
セーヴィング・スロー:意志・無効
 この呪文はシンボル・オヴ・デスと同様に作用するが、ただシンボル・オヴ・インサニティの60フィート以内の全クリーチャーは(死亡するのではなく)恒久的な狂気に陥る(インサニティ呪文と同様)。
 シンボル・オヴ・デスと違って、シンボル・オヴ・インサニティにはヒット・ポイント上限はない。一旦作動したなら、単に術者レベル×10分間稼動しつづける。
 シンボル・オヴ・インサニティのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。いかなるキャラクターも〈知覚〉を用いてシンボルを見つけることができるが、罠探しのクラス特徴を有するキャラクターだけが〈装置無力化〉を用いてシンボルを解除できる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、シンボル・オヴ・インサニティの場合は33である。


シンボル・オヴ・ウィークネス

Symbol of Weakness/弱体の印形
系統:死霊術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー7、クレリック7
構成要素:音声、動作、物質(水銀、燐、加えて5,000GPの価値があるダイアモンドとオパールの粉末)
セーヴィング・スロー:頑健・無効
 この呪文はシンボル・オヴ・デスと同様に作用するが、ただシンボル・オヴ・ウィークネスの60フィート以内の全クリーチャーは(死亡するのではなく)体から力が抜けてゆき、3d6ポイントの【筋力】ダメージを被る。
 シンボル・オヴ・デスと違って、シンボル・オヴ・ウィークネスにはhp上限はない。一旦作動したなら、単に術者レベル×10分間稼動しつづける。クリーチャーはこのシンボル1つにつき一度しか影響を受けない。
 シンボル・オヴ・ウィークネスのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。いかなるキャラクターも〈知覚〉を用いてシンボルを見つけることができるが、罠探しのクラス特徴を有するキャラクターだけが〈装置無力化〉を用いてシンボルを解除できる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、シンボル・オヴ・ウィークネスの場合は32である。


シンボル・オヴ・スタニング

Symbol of Stunning/朦朧の印形
系統:心術(強制)[精神作用];呪文レベル: ウィザード/ソーサラー7、クレリック7
構成要素:音声、動作、物質(水銀、燐、加えて5,000GPの価値があるダイアモンドとオパールの粉末)
セーヴィング・スロー:意志・無効
 この呪文はシンボル・オヴ・デスと同様に作用するが、ただシンボル・オヴ・スタニングの60フィート以内の全クリーチャーは(死亡するのではなく)1d6ラウンド朦朧状態になる。
 シンボル・オヴ・スタニングのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。いかなるキャラクターも〈知覚〉を用いてシンボルを見つけることができるが、罠探しのクラス特徴を有するキャラクターだけが〈装置無力化〉を用いてシンボルを解除できる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、シンボル・オヴ・スタニングの場合は32である。


シンボル・オヴ・スリープ

Symbol of Sleep/睡眠の印形
系統:心術(強制)[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5、クレリック5
構成要素:音声、動作、物質(水銀、燐、加えて1,000GPの価値があるダイアモンドとオパールの粉末)
セーヴィング・スロー:意志・無効
 この呪文はシンボル・オヴ・デスと同様に作用するが、ただシンボル・オヴ・スリープの60フィート以内にいるHDが10以下の全てのクリーチャーは3d6×10分間、深い眠りにおちる。スリープ呪文の場合と違って、眠っているクリーチャーはこの期間が終わるまでは魔法以外の手段では目覚めることがない。
 シンボル・オヴ・デスと違って、シンボル・オヴ・スリープにはhp上限はない。一旦作動したなら、単に術者レベル×10分間稼動しつづける。
 シンボル・オヴ・スリープのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。いかなるキャラクターも〈知覚〉を用いてシンボルを見つけることができるが、罠探しのクラス特徴を有するキャラクターだけが〈装置無力化〉を用いてシンボルを解除できる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、シンボル・オヴ・スリープの場合は30である。


シンボル・オヴ・デス

Symbol of Death/即死の印形
系統:死霊術[即死];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8、クレリック8
発動時間:10分
構成要素:音声、動作、物質(水銀、燐、加えて5,000GPの価値があるダイアモンドとオパールの粉末)
距離:0フィート;本文参照
効果:印形1つ
持続時間:本文参照
セーヴィング・スロー:頑健・無効;呪文抵抗:
 この呪文によって、術者は強力なルーンを何らかの表面の上に描くことができる。シンボル・オヴ・デスは作動したなら半径60フィートの爆発内の(ヒット・ポイントの合計が150点までの)1体以上のクリーチャーを殺す。シンボル・オヴ・デスはまず最も近くにいるクリーチャーに作用し、作用を及ぼすにはヒット・ポイントの多すぎるクリーチャーがいれば無視して次に進む。作動すると、このシンボルは稼動状態となって輝き、術者レベル×10分間または150ヒット・ポイントぶんのクリーチャーに作用するまで(どちらか早いほう)持続する。シンボル・オヴ・デスが稼動している間に効果範囲に入ったクリーチャーは、シンボルの作動開始時点で効果範囲内にいたかどうかに関係なく、シンボルの効果にさらされる。クリーチャーは、効果範囲内に留まっている限り、このシンボルに対して1回セーヴを行なうだけでよい。ただし1度効果範囲から出て、稼動中にまた戻ってきた場合、再度セーヴを行なわねばならない。
 作動するまでは、シンボル・オヴ・デスは非稼動状態である(それでも60フィートの距離では見えるし読める)。効果を現すためには、シンボル・オヴ・デスは常に目立つ場所にはっきりと見えるように設置しておかなければならない。ルーンを覆ったり隠したりすれば、シンボルは効果がなくなってしまう(ただし、クリーチャーが覆いを取った時には、シンボルは通常に機能する)。
 普通、シンボルはクリーチャーが以下のいずれか1つ以上のこと(術者が選ぶ)を行なった場合に作動する。すなわち、ルーンを読む、ルーンに触れる、ルーンの上を通り過ぎる、ルーンを描いた戸口を通り抜ける、である。いずれの場合にも、シンボルを作動させるためには、クリーチャーはルーンから60フィート以内にいなければならない(たとえ1つ以上の条件に合致していようと、である。たとえば60フィートよりも遠くからルーンを読んでもシンボルは作動しない)。一旦呪文を発動してしまったなら、そのシンボル・オヴ・デスの作動条件を変更することはできない。
 なお、ここでルーンを“読む”というのは、ルーンを調べたり、正体を見極めようとしたり、意味を推測しようとするすべての試みを指す。触れると作動するルーンの場合、シンボルの効き目をなくそうとして覆いになるものを投げかけると作動してしまう。シンボル・オヴ・デスを攻撃に使うことはできない。たとえば、ルーンに触れると作動するシンボル・オヴ・デスをアイテムに描き、そのアイテムでクリーチャーに接触しても、シンボルが作動することはない。これと同様、シンボル・オヴ・デスを武器に描き、武器が敵に命中を与えた際に作動するようにしておくなどということはできない。
 術者は独自の特殊な作動条件を設定することもできる。これは術者の望みしだいで、どれだけ単純にも複雑にもできる。シンボルを作動させる特殊な条件はクリーチャーの名前、身元、属性に基づいて設定できるが、それ以外は識別可能な行動や特性に基づいたものでなければならない。レベルやクラス、HD、ヒット・ポイントなどのつかみどころのないものは不適当である。
 シンボル・オヴ・デスを描く際に、術者は合言葉を指定し、それを使ったクリーチャーはシンボルを作動させないようにすることができる。合言葉を使った者は、ルーンから60フィート以内に留まっている限り、そのルーンの効果に対する完全耐性を有する。1度効果範囲から出て、作動中にまた戻ってくる場合には、再び合言葉を使わねばならない。
 術者はまた、シンボル・オヴ・デスにクリーチャーを何体でも同調させることができるが、そうすると発動時間が延びてしまう。1~2体のクリーチャーを同調させるのにかかる時間は無視できるほどだが、小さな集団(10体まで)を同調させるには1時間かかり、大きな集団(25体まで)を同調させるには1日かかる。これより大人数の集団を同調させるには、25体ごとに24時間ずつ必要になる。特定のシンボル・オヴ・デスに同調したクリーチャーは、そのシンボルを作動させることはなく、そのシンボルの効果に対する完全耐性を有する(たとえ作動開始時点で効果範囲内にいても)。術者は自分の描いたシンボル・オヴ・デスには自動的に同調したものと見なされるので、常にそのシンボルの効果を無視でき、うっかり作動させてしまうこともない。
 リード・マジックを使えば、〈呪文学〉判定(DC10+シンボルの呪文レベル)に成功することでシンボル・オヴ・デスを識別できる。むろん、そのシンボルが“ルーンを読む”ことで作動するようになっていた場合、この作業によってシンボルが起動する。
 シンボル・オヴ・デスは、そのルーン単体を目標としたディスペル・マジックに成功すれば取り除くことができる。イレイズ呪文はシンボル・オヴ・デスには効果がない。シンボルが刻み込まれた表面を破壊すれば、シンボルを破壊できるが、その効果も作動させてしまう。
 シンボル・オヴ・デスパーマネンシイ呪文で永続化できる。永続化したシンボル・オヴ・デスが、〈装置無力化〉等によって無力化されるか、影響を及ぼせるヒット・ポイント上限まで作用を及ぼしてしまったなら、そのシンボルは10分間非稼動状態となるが、その後は元通り、普通に作動するようになる。
 シンボル・オヴ・デスのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。いかなるキャラクターも〈知覚〉を用いてシンボルを見つけることができるが、罠探しのクラス特徴を有するキャラクターだけが〈装置無力化〉を用いてシンボルを解除できる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、シンボル・オヴ・デスの場合は33である。


シンボル・オヴ・パースウェイジョン

Symbol of Persuasion/説得の印形
系統:心術(魅惑)[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー6、クレリック6
構成要素:音声、動作、物質(水銀、燐、加えて5,000GPの価値があるダイアモンドとオパールの粉末)
セーヴィング・スロー:意志・無効
 この呪文はシンボル・オヴ・デスと同様に作用するが、ただシンボル・オヴ・パースウェイジョンの60フィート以内の全クリーチャーは(死亡するのではなく)術者レベル×1時間の間、(チャーム・パースンの呪文のように)術者に魅惑される。
 シンボル・オヴ・デスと違って、シンボル・オヴ・パースウェイジョンにはhp上限はない。一旦作動したなら、単に術者レベル×10分間作動しつづける。
 シンボル・オヴ・パースウェイジョンのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。いかなるキャラクターも〈知覚〉を用いてシンボルを見つけることができるが、罠探しのクラス特徴を有するキャラクターだけが〈装置無力化〉を用いてシンボルを解除できる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、シンボル・オヴ・パースウェイジョンの場合は31である。


シンボル・オヴ・フィアー

Symbol of Fear/恐怖の印形
系統:死霊術[恐怖、精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー6、クレリック6
構成要素:音声、動作、物質(水銀、燐、加えて1,000GPの価値があるダイアモンドとオパールの粉末)
セーヴィング・スロー:意志・無効
 この呪文はシンボル・オヴ・デスと同様に作用するが、ただシンボル・オヴ・フィアーの60フィート以内の全クリーチャーは(死亡するのではなく)術者レベルに等しいラウンド数だけ恐慌状態になる。
 シンボル・オヴ・フィアーのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。いかなるキャラクターも〈知覚〉を用いてシンボルを見つけることができるが、罠探しのクラス特徴を有するキャラクターだけが〈装置無力化〉を用いてシンボルを解除できる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、シンボル・オヴ・フィアーの場合は31である。


シンボル・オヴ・ペイン

Symbol of Pain/苦痛の印形
系統:死霊術[悪];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5、クレリック5
構成要素:音声、動作、物質(水銀、燐、加えて1,000GPの価値があるダイアモンドとオパールの粉末)
セーヴィング・スロー:頑健・無効
 この呪文はシンボル・オヴ・デスと同様に作用するが、ただシンボル・オヴ・ペインの60フィート以内の全クリーチャーは(死亡するのではなく)すさまじい苦痛に襲われ、攻撃ロール、技能判定、能力値判定に-4のペナルティを被る。この効果は、クリーチャーがシンボルの60フィート以内から出た後も1時間にわたって持続する。
 シンボル・オヴ・デスと違って、シンボル・オヴ・ペインにはhp上限はない。一旦作動したなら、単に術者レベル×10分間稼動しつづける。
 シンボル・オヴ・ペインのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。いかなるキャラクターも〈知覚〉を用いてシンボルを見つけることができるが、罠探しのクラス特徴を有するキャラクターだけが〈装置無力化〉を用いてシンボルを解除できる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、シンボル・オヴ・ペインの場合は30である。
最終更新:2023年05月02日 02:23