モンスターの共通ルール > 1

 アークデヴィルの特性(擬呪、超常、または変則)/Archdevil Traits アークデヴィルは地獄界ヘルの領界を支配する。アークデヴィルは全て、秩序にして悪の来訪者であり、最低でもCRは26。(クリーチャーの項に記載されていない限り)アークデヴィルは特に、以下に示す特性とデヴィルの副種別を共有している。
  • アークデヴィルは自らが神格であるかのように、自分の信者に呪文を与えることができる。アークデヴィルの領域は悪と秩序に加え、その主題と興味に関連した領域を2つと副領域を4つ持つ。
  • アークデヴィルの肉体武器とその他の手にした武器は、ダメージ減少を克服する際、悪、エピック、秩序の武器として扱われる。
  • 畏怖すべき存在(超常)/Frightful Presence:アークデヴィルは攻撃、擬似呪文能力、特殊攻撃、大きく声を上げることなどの一部として、フリー・アクションとして畏怖すべき存在を起動できる。
  • 言語体得(変則)/Language Mastery:アークデヴィルはすべての言語を理解している。これはタンズ呪文と同様に扱うが、この能力は超常能力ではなく、解呪されない。〈言語学〉は常にアークデヴィルのクラス技能である。
  • 再生(変則)/Regeneration:神話ダメージ、あるいは自身と同等かより上位の力を持つクリーチャー(他のアークデヴィル、クリフォト・ロード、グレート・オールド・ワン、神格、至高天の王、デーモン・ロード、ホースマンなど)によるダメージのみが、アークデヴィルの再生を妨げる。
  • 地獄の蘇生(変則)/Infernal Resurrection:アークデヴィルが死亡すると、その肉体は速やかに腐敗しながら溶けていく(身につけていた装備品だけをその場に残す)。その魂はこの領界の隠された場所に帰り、その場で即座に(トゥルー・リザレクションとして)息を吹き返す。一度使用すると、丸一年が経過するまでアークデヴィルはこの能力を再度使用することができず、一年が経過するまでの間は可能な限り直接戦闘を避ける。アークデヴィルが丸一年が経過する前に再び殺されたり、特殊な方法(本当の神格の手で、あるいはこの目的のために作られたアーティファクトを用いて)で殺されると、永遠に死亡する。領界を統制しないアークデヴィルはこの能力を得ない(そのようなものは厳密には真のアークデヴィルではなく、地獄の公爵である)。
  • (強制)効果、生命力吸収、石化、[即死]効果、能力値吸収、能力値ダメージ、および(魅惑)効果に対する完全耐性。
  • [強酸]に対する抵抗30および[氷雪]に対する抵抗30。
  • デヴィル招来(擬呪)/Summon Devils:1日3回、即行アクションとして、アークデヴィルは合計CRが20以下となる任意の組み合わせで、デヴィル1体もしくは複数体を招来することができる。その他の点についてはこの能力は招来として機能するが、100%の確率で成功し、9レベル呪文の効果として扱う。
  • テレパシー300フィート。

 悪臭(変則)/Stench 悪臭の特殊能力を持つクリーチャーは、ほとんどすべての他のクリーチャーにとって不快と感じられる油状の化学物質を分泌する。30フィート以内にいる全てのクリーチャー(悪臭の特殊能力を持つクリーチャーを除く)は、頑健セーヴ(DC10+悪臭クリーチャーの種族ヒット・ダイスの1/2+悪臭クリーチャーの【耐久力】修正値;正確なDCは各クリーチャーの説明文に書かれている)に成功しない限り、不調状態になる。不調状態の持続時間は各クリーチャーの説明文を参照。セーヴに成功したクリーチャーは、以後24時間の間、同一個体のクリーチャーの悪臭能力の作用を受けることはない。ディレイ・ポイズンニュートラライズ・ポイズンの呪文は不調状態に陥ったクリーチャーからこの状態を取り去る。“毒に対する完全耐性”を持つクリーチャーはこの悪臭の作用を受けない。“毒に対する抵抗”を持つクリーチャーは、セーヴィング・スローに通常のボーナスを得る。
 書式:悪臭(DC15、10ラウンド);位置:オーラ。

 足払い(変則)/Trip 足払いの特殊能力を伴う攻撃を命中させたクリーチャーは、機会攻撃を誘発せずにフリー・アクションで足払いを行うことができる。足払いが失敗しても相手はこのクリーチャーを足払いし返すことはできない。
 書式:足払い(噛みつき);位置:個別の攻撃手段。

 暗視(超常または変則)/Darkvision 暗視を持つクリーチャーは全くの暗闇であっても見ることができ、通常60フィートの有効距離を持つ。この範囲内でクリーチャーは明るい光の範囲で目が見えるクリーチャーが見えるものと同程度明確に見ることができる。暗視は白黒であるが、それ以外は通常通り見えることができる。
 書式:暗視60フィート;位置:感覚。

 アンデッドの種別特性(変則)/Undead Traits アンデッドは、[精神作用]効果((強制)、士気効果、(魅惑)、(紋様)、そして(惑乱))、睡眠効果、[即死]効果、毒、病気、麻痺、朦朧化、頑健セーヴを要求する全ての効果(ただし特に物体に対しても働くか、(無害)である場合は除く)に対する完全耐性を持つ。アンデッドは生命力吸収、能力値吸収、非致傷ダメージの対象とならない。肉体系能力値(【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】)へのダメージと疲労および過労効果に対する完全耐性を持つ。大規模ダメージによって即死する危険性はない。
 書式:アンデッドの種別特性;位置:完全耐性。

 息こらえ(変則)/Hold Breath クリーチャーは、溺れの危険が生じるまでに、【耐久力】値の6倍に等しい分数の間、息を止めておくことができる。
 書式:息こらえ;位置:その他の特殊能力。

 息詰め(変則)/Smother (訳注:MAが必要。)このクリーチャーの敵が息を止めている場合、クリーチャーは目標が窒息判定を試みなければならなくなるまでの時間を減少させることができる。フリー・アクションとして、この敵に対してクリーチャーは組みつき戦技判定を試みることができる。成功すると、目標は息を止めておくことのできる残りの時間が1d6ラウンドだけ減少する。
 書式:息詰め;位置:特殊攻撃。

 畏怖すべき存在(変則)/Frightful Presence この能力を待ったクリーチャーは存在するだけで敵の心をかき乱す。この能力の使用はフリー・アクションであり、通常は攻撃や突撃の一部として使用される。有効距離内にいる敵のうち、そのアクションを知覚したものは恐れ状態あるいは怯え状態となりうる。通常、有効距離は30フィート、持続時間は5d6ラウンドである。この能力は、クリーチャーよりもヒット・ダイスやレベルが低い敵にしか作用しない。作用を受けた敵は、意志セーヴ(DC10+畏怖すべきクリーチャーの種族HD数の1/2+畏怖すべきクリーチャーの【魅力】修正値;DCの具体的な値についてはクリーチャーの説明文を参照)に成功すれば、効果に抵抗できる。セーヴィング・スローに成功した敵は、そのクリーチャーの“畏怖すべき存在”能力に対し、24時間の間、完全耐性を持つ。セーヴに失敗した場合、4ヒット・ダイス以下の敵は恐慌状態に、それより高ければ怯え状態になる。“畏怖すべき存在”は[精神作用]の[恐怖]効果である。
 書式:畏怖すべき存在(60フィート、セーヴDC21);位置:オーラ。

 異様なオーラ(超常)/Unnatural Aura 主人がDC25の〈動物使い〉判定か〈騎乗〉判定か野生動物との共感判定に成功しない限り、動物は自ら望んでこのクリーチャーに近づくことはない。
 書式:異様なオーラ(30フィート);位置:オーラ。

 岩つかみ(変則)/Rock Catching クリーチャー(少なくとも大型サイズでなければならない)は、小型、中型、大型サイズの岩または同様の形状をした投射物をつかみとることができる。1ラウンドに1回、岩に打たれそうになったクリーチャーは、反応セーヴに成功すれば、フリー・アクションで岩をつかみとることができる。セーヴDCは、小型サイズの岩なら15、中型サイズの岩なら20、大型サイズの岩なら25である(投射物に攻撃ロールに対する魔法のボーナスがある場合は、そのボーナスの分だけセーヴDCは上昇する)。岩つかみを試みるためには、クリーチャーはその攻撃に気がついていなければならない。
 書式:岩つかみ;位置:防御的能力。

 岩投げ(変則)/Rock Throwing このクリーチャーは岩を投げることに熟達しており、岩投げによる攻撃ロールに+1の種族ボーナスを得る。クリーチャーは自身のサイズ分類よりも2段階小さなサイズまでの岩を放り投げることができる。例えば、大型サイズのヒル・ジャイアントは小型サイズの岩を投げることができる。“岩”とは、大きくてかさ張る、比較的まとまった形をした物体であり、少なくとも硬度5以上の材質でできている。クリーチャーは岩を射程単位の5倍の距離まで放り投げることができる。射程単位の大きさはクリーチャーごとに異なる。岩投げのダメージは通常は、クリーチャーの叩きつけの基本ダメージの2倍+【筋力】ボーナスの1.5倍である。
 書式:岩投げ(120フィート);位置:特殊攻撃(ダメージは遠隔攻撃に記載)。

 鋭敏嗅覚(変則)/Scent この能力によってクリーチャーは嗅覚を用いて、近付いてくる敵を感知したり、隠れている敵を探したり、嗅覚を頼りに追跡したりすることができる。また鋭敏嗅覚の能力を待ったクリーチャーは馴染みのある匂いを、ちょうど人間が馴染みのある風景を見分けるように、嗅ぎ分けることができる。
 クリーチャーは嗅覚によって、30フィート以内の敵を感知することができる。敵が風上にいるなら有効距離は60フィートに伸びる。風下なら、有効距離は15フィートに縮まる。煙や腐ったゴミなどの強い匂いは、上記の2倍先の距離から感知することができる、スカンクの臭気やトログロダイトの悪臭といった強烈な匂いは、通常の3倍の距離から感知できる。
 クリーチャーが匂いを感知した場合、そのはっきりとした位置を知ることはできず、有効距離内のどこかに居るということしかわからない。クリーチャーは1回の移動アクションを使用して、匂いの方向を調べることができる。クリーチャーは匂いの元から5フィート以内にいる場合は匂いの元の位置を特定できる。
 鋭敏嗅覚を持つクリーチャーは匂いで迫跡を行なえる。痕跡を発見したり追跡できたかどうかを知るために【判断力】(または〈生存〉)判定を行なう。新しい痕跡の典型的なDCは10である(地面の状態は関係ない)。DCは、匂いの強さ、クリーチャーの数、痕跡の古さなどによって上下する。痕跡ができてから1時間たつごとに、DCを2上昇させること。この他の点では、この能力は〈生存〉技能のルールに従う。鋭敏嗅覚を用いて相手を追跡しているクリーチャーは、地面の状態や貧弱な視界を無視する。
 書式:鋭敏嗅覚;位置:感覚。

 X線視覚(超常)/X-Ray Vision このモンスターはリング・オヴ・Xレイ・ヴィジョンを身につけているかのように、固体を見通すことができる。この能力を使用すると、このモンスターが実際にこのリングを使用しているかのように消耗する。
 書式:X線視覚;位置:感覚。

 エネルギーに対する抵抗(変則)/Resistance この“その他の特殊能力”を持つクリーチャーは、記載されたタイプのダメージのうちいくらかを、そのタイプ(通常は[強酸][雷撃][火炎][氷雪])のダメージを受けるたびに無視することができる。各クリーチャーの行に無視することのできるダメージの量とタイプが示されている。
 書式抵抗[強酸]10;位置:防御的能力。

 エネルギー放出に対する抵抗(変則)/Channel Resistance この“その他の特殊能力”を持つクリーチャー(通常はアンデッド)は、通常よりもクレリックやパラディンによる作用を受けにくい。“エネルギー放出に対する抵抗”を持つクリーチャーは、エネルギー放出の効果に抵抗するためのセーヴに所定のボーナスを得る。この効果には、エネルギー放出の使用を前提とする効果(《アンデッド威伏》特技など)も含む。
 書式:エネルギー放出に対する抵抗+4;位置:防御的能力。

 音真似(変則)/Sound Mimicry クリーチャーは一定の音や特定の声を完全に真似することができる。クリーチャーは、聞いた者が真似を見抜くための〈真意看破〉判定に対抗して〈はったり〉判定を行う。聞いた者が真似されている人物やクリーチャーの種類に慣れ親しんでいない場合は、〈真意看破〉判定に-8のペナルティを被る。クリーチャーは、少なくとも10分間聞いた音を真似るため(声を真似る場合はアクセントや喋りの癖を含む)の〈はったり〉判定に+8の種族ボーナスを得る。クリーチャーは魔法的な効果(バードの呪芸やハーピーの心を奪う歌など)を複製することはできないが、そのような能力の音を真似することはできる。この能力によってクリーチャーが知らない言語を話せるようになったり理解できるようになったりはしない。
 書式:音真似(声);位置:その他の特殊能力。

 かきむしり(変則)/Rend 1ラウンドの間に複数の肉体攻撃を命中させた場合、かきむしりの特殊攻撃を持つクリーチャーは相手の肉体に爪を立て肉を裂くことで途轍もないダメージを与える攻撃ができる。この攻撃は追加で多量のダメージを与えるが、1ラウンドに複数回発生しない。この命中させなければならない攻撃の種類と追加ダメージはクリーチャーの説明に含まれている。追加ダメージは通常その攻撃の1つに加えクリーチャーの【筋力】ボーナスの1.5倍で与えられるダメージに等しい。
 書式:かきむしり(爪(×2)、1d8+9);位置:特殊攻撃。

 活性MA(超常)/Surge このクリーチャーは困難な試練に打ち勝つために、神話パワーを呼び下ろすことができる。このクリーチャーは神話パワーを1回分消費することで、ダイス1つをロールして今まさに行ったd20ロールの結果に加えることができる。この能力の使用は割り込みアクションを必要とし、元のロールの出目が明らかになった後に使用する。これによりロールの結果を変更することができる。ボーナス・ダイスはクリーチャーの神話ランクによって決定される。例え精神のないクリーチャーや動物程度の知性しか持たないクリーチャーであっても、モンスターはこの能力を使用することができる。
 活性はモンスターの性能の区画の内で独立した項目を持つ事はない――活性ダイスは神話パワー能力の内に記載される。

 活動停止(変則)/Freeze クリーチャーは適切な形状の無生物の物体(彫像、菌類の苗床、など)であるかのように自身を保つことができる。クリーチャーはこの種の無生物の物体として風景の中に溶け込んで隠れるための〈隠密〉判定に出目20を行うことができる。
 書式:活動停止;位置:特殊攻撃。

 感情オーラ(超常)/Emotion Aura この能力を持つクリーチャーは、渦巻く混沌とした感情の範囲で自分を包む。これらの感情は術者が感情要素を持つ呪文を発動するのを難しくする。30フィート以内の生きているクリーチャーは感情要素を持つ呪文を発動するために精神集中判定に成功しなければならない(DC=10+感情オーラを持つクリーチャーのヒット・ダイスの1/2+クリーチャーの【魅力】修正値)。この判定に失敗するとその呪文は何の効果も及ぼさず失われる。これに加え、このオーラの中の目標に[感情]もしくは[恐怖]の補足説明のある呪文を発動する術者は、この判定に成功しない限り、オーラ内にいる目標に対し呪文の影響を与えるのに失敗してしまう(しかし範囲外の者は通常通り影響を受ける)。この能力を持つクリーチャーは、その影響に完全耐性を持ち、通常通り呪文を発動することができる。
 書式:感情(DC17); 位置:オーラ。

 完全耐性(超常または変則)/Immunity 完全耐性を持つクリーチャーは、記載されているダメージ源からのダメージを受けない。完全耐性は苦痛、状態、呪文(特定の呪文の系統やレベル、セーヴの種類のものに対してのみ適用されることもある)にも適用される。完全耐性を持つクリーチャーは、完全耐性の対象である効果から引き起こされる二次的な効果からも悪影響を被らない。
 書式完全耐性[強酸]、[火炎]、麻痺;位置:防御的能力。

 擬似視覚(変則)/Blindsight この能力は非視覚的感知と似ているが、それよりもはっきりと認識できる。視覚によらない感覚、例えば振動を感じる能力や鋭い嗅覚、鋭い聴覚、超音波などの反響を感じ取る能力などによって、擬似視覚を持つクリーチャーは目の見えるクリーチャーと同じように動いたり戦うことができる。不可視状態、暗闇、ほとんどの種類の視認困難は無意味だが、擬似視覚を持つクリーチャーがクリーチャーや物体を知覚するためには、そのクリーチャーや物体に対して効果線が通ってなくてはならない。能力の効果範囲はクリーチャーの説明文に明記されている。クリーチャーは通常、自らの擬似視覚の有効距離内にいるクリーチャーに気付くために〈知覚〉判定を行う必要はない。特に明記されていない限り、擬似視覚は常に働き続けており、クリーチャーはその使用のために何かを行う必要はない。しかしながら、擬似視覚の中には1回のフリー・アクションとして起動しなければならないものもある。クリーチャーが擬似視覚能力の起動を行わなければならない場合、クリーチャーは自らのターン中にしか擬似視覚の利益を得られない。
 書式:擬似視覚60フィート;位置:感覚。

 擬似呪文能力(擬呪)/Spell-Like Abilities 擬似呪文能力は魔法的なものであり、呪文と同様に作用する(しかし呪文そのものではないので、音声要素、動作要素、物質要素、焦点具は必要としない)。アンティマジック・フィールドで遮断され、その能力が呪文抵抗の対象に該当する場合はその対象となる。
 通常は擬似呪文能力には使用回数の制限がある。“常時”または“回数無制限”の擬似呪文能力には使用の制限はない。特に断りのない限り、クリーチャーは“常時”の擬似呪文能力を自身自身にのみ使用することができる。“常時”の擬似呪文能力を再活性化することは即行アクションである。その他の全ての擬似呪文能力の使用は、特に明記されていない限り標準アクションである。呪文を使用する場合と同様に、擬似呪文能力で機会攻撃を誘発しないように防御的発動するための精神集中判定を行うことができる。擬似呪文能力は呪文と同様に発動を妨害することができる。擬似呪文能力で呪文相殺を行ったり、呪文相殺の対象になったりすることはない。
 擬似呪文能力を持つクリーチャーの項には擬似呪文能力の術者レベルが明記されており、擬似呪文能力を解呪する際のDCやレベルに依存する変数(効果範囲や効果時間など)を決定することができる。クリーチャーが呪文の術者レベルを有していても、それが擬似呪文能力に影響することはない。時に擬似呪文能力の術者レベルが、同名の呪文を発動する際に必要な術者レベルを下回ることがある。術者レベルが特に記されていない時は、そのクリーチャーのヒット・ダイスの数と等しい術者レベルを持つ。擬似呪文能力に抵抗するためのセーヴィング・スローがある場合は、それは10+その能力が模倣ないし複製している呪文のレベル+クリーチャーの【魅力】修正値である。
 擬似呪文能力の一部が複製している呪文は、使用するキャラクターのクラスによって異なる作用を及ぼすことがある。モンスターの擬似呪文能力はウィザード/ソーサラーの呪文と同様のものであるとする。問題の呪文がウィザード/ソーサラー呪文ではない場合は、クレリック、ドルイド、バード、パラディン、レンジャーの順であてはまるものを使う。
 書式:回数無制限-バーニング・ハンズ(DC13);位置:擬似呪文能力。

 吸血(変則)/Blood Drain クリーチャーは敵に組みついている場合、そのターンの終わりに吸血し、【耐久力】ダメージを与える。
 書式:吸血(1d2【耐】);位置:特殊攻撃。

 休息MA(変則)/Recuperation このクリーチャーは死亡していない限り、8時間の休息後にヒット・ポイントを全て回復する。加えて、神話パワーを1回分消費して1時間休息することで、最大ヒット・ポイントの半分に等しいヒット・ポイントを回復し(最大でヒット・ポイントの最大値まで)、1日の使用回数に制限のあるクラス特徴(バーバリアンの激怒、バードの呪芸、1日の呪文数など)の使用回数を回復する。この休息はこのような能力については8時間の休息として扱われる。この休息を使用しても、神話パワーや1日の使用回数に制限のある神話能力を回復することはできない。
 書式:休息;位置:その他の特殊能力。

 急所防御(変則)/Fortification (訳注:MAが必要。)このモンスターは、まるでモデレット・フォーティフィケーション鎧を装備しているかのように、クリティカル・ヒットや急所攻撃を通常の攻撃として扱う可能性が50%存在する。
 書式:急所防御(50%);位置:防御的能力。

 驚愕のイニシアチブMA(変則)/Amazing Initiative このクリーチャーは、イニシアチブ判定に神話ランクに等しいボーナスを得る。加えて、君のターンにフリー・アクションとして神話パワーを1回分消費することで、そのターンの間に追加の標準アクションを1回行うことができる。この追加の標準アクションでは呪文の発動を行うことはできない。君はこの方法で1ラウンドに1回より多くの追加のアクションを得ることはできない。
 書式:驚愕のイニシアチブ;位置:特殊攻撃。

 凝視攻撃(超常)/Gaze 凝視攻撃による特殊攻撃は、敵がこのクリーチャーの目を見た時に効果を持つ。この攻撃は、石化、[即死]、(魅惑)などほぼどんな効果でも持ちうる。典型的な有効距離は30フィートであるが、詳細は各クリーチャーの項を参照せよ。凝視攻撃に対して使用するセーヴィング・スローの種類はさまざまだが、通常は意志か頑健セーヴ(DC10+凝視を行うクリーチャーの種族ヒット・ダイス数の1/2+凝視を行うクリーチャーの【魅力】修正値;DCの具体的な値についてはクリーチャーの説明文を参照)である。セーヴィング・スローに成功すれば効果を無効にする。モンスターの凝視攻撃は説明文中に短く省略された形で記載されている。凝視攻撃の範囲内にいる敵は全て、毎ラウンドイニシアチブ順の自身のターンの開始時に、セーヴィング・スローを試みなければならない。敵はこのクリーチャーを直接見ている場合にのみ凝視の効果を受けうる。敵はセーヴィング・スローを行うことを避けるために、このクリーチャーを見ないようにすることができる。これには2つの方法がある。
 目をそむける:敵はこのクリーチャーの顔を見ることを避け、その身体や影を見たり、鏡状の面に映った姿を見て相手の姿を知ろうとするといったことなどができる。各ラウンド、敵は50%の確率で凝視攻撃に対するセーヴィング・スローを要求されることから免れる。しかしながら、凝視攻撃を持つクリーチャーは、その敵からの視認困難を得る。
 目隠しをする:敵はこのクリーチャーを全く見ることができない(このクリーチャーに背を向けたり、目をとじたりする事でも同じことが得られる)。凝視攻撃を持つクリーチャーは、その敵からの完全視認困難を得る。
 凝視攻撃を持つクリーチャーは、1回の攻撃アクションとして、有効距離内の目標1体を選んで能動的に凝視を行うことができる。その敵はセーヴィング・スローを行わなければならないが、上記で説明した方法でこれを避けることはできる。敵は1ラウンドに2回、あるクリーチャーの凝視攻撃に対してセーヴを行うこともありうる。自分自身のアクションの前に1回、このクリーチャーのターン中に1回である。
 凝視攻撃はエーテル状態の敵に対しても作用する。クリーチャーは特に明記されていない限り、同じクリーチャー種の他の個体の凝視攻撃に対して完全耐性を持つ。凝視攻撃を持つクリーチャーの仲間は凝視攻撃の作用を受けてしまうこともありうる。凝視攻撃を持つクリーチャーの仲間はみなそのクリーチャーから目をそむけているとみなされ、そのため各ラウンドにつき凝視攻撃に対するセーヴィング・スローを行わなくてもよい確率が50%ある。クリーチャーは自らの目を何かで覆うことによって自分の凝視能力を無効化することもできる。
 書式:凝視;位置:特殊攻撃。

 [恐怖](超常または擬呪)/Fear [恐怖]攻撃にはさまざまな効果のものがある。
 [恐怖]のオーラ(超常)/Fear Aura この能力の使用は1回のフリー・アクションである。オーラは敵を恐怖のあまり動けなくするか(たとえばミイラの“絶望”)、あるいはフィアー呪文のように機能する。これ以外の効果を持つものもありうる。[恐怖]のオーラは範囲効果である。範囲の広さや種類に関してはそれぞれの説明文に明記されている。
 フィアーの円錐形(擬呪)および光線(超常)/Fear Cone and Ray これらは通常、フィアーの呪文のように働く。
 [恐怖]効果に対してセーヴィング・スローが許されている場合、それは意志セーヴ(DC:10+恐怖の対象となるクリーチャーの種族ヒット・ダイスの1/2+恐怖の対象となるクリーチャーの【魅力】修正値;DCの具体的な値については各クリーチャーの説明文を参照)である。全ての[恐怖]攻撃は[精神作用]の[恐怖]効果である。
 書式:[恐怖]のオーラ(30フィート、DC17);位置:オーラ。
 書式フィアーの円錐(50フィート、DC19);位置:特殊攻撃。

 凶暴性(変則)/Ferocity 凶暴性を持つクリーチャーは、ヒット・ポイントが0未満になったときでも意識を保ち戦い続けることができる。クリーチャーはよろめき状態となり、毎ラウンド1ポイントのヒット・ポイントを失うのは変わらない。凶暴性を持つクリーチャーでも、負のヒット・ポイントの合計が【耐久力】能力値に達してしまった時死亡する。
 書式:凶暴性;位置:防御的能力。

 強力打撃(変則)/Powerful Blows (訳注:MAが必要。)特定の攻撃は、ダメージ・ロールに通常の【筋力】ボーナスや【筋力】ボーナスの半分ではなく、このクリーチャーの【筋力】ボーナスの1.5倍を加える。
 書式:強力打撃(叩きつけ);位置:その他の特殊能力。

 強力突撃(変則)/Powerful Charge この特殊攻撃を持つクリーチャーが突撃する際、通常の突撃の利益と不利益に加え追加でダメージを与える。攻撃と攻撃によるダメージの量はクリーチャーの解説に書かれている。
 書式:強力突撃(突き刺し、4d8+24);位置:特殊攻撃。

 霧を見通す(変則)/Mistsight (訳注:MAが必要。)このモンスターは濃霧、霧、濁った水を完全に透明なものであるかのように見通すことができ、これらで妨害されることによる失敗確率を受けない。この効果は通常の視覚が届くところまで及ぶ。
 書式:霧を見通す;位置:感覚。

 筋力の誇示MA(超常)/Display of Strength フリー・アクションとして、君は神話パワーを1回分消費して【筋力】の技を示そうと試みることで、【筋力】基準の技能判定か【筋力】能力値判定に+20の状況ボーナスを得ることができる。また、君はこの能力を使用することで自分の神話ランクに等しい時間の間、君の運搬能力を決定する目的における【筋力】値に+20の状況ボーナスを得る。
 書式:筋力の誇示;位置:その他の特殊能力。

 首絞め(変則)/Strangle この能力を持つクリーチャーに組みつかれている相手は、話したり音声要素を有する呪文を発動したりすることができない。
 書式:首絞め;位置:特殊攻撃。

 蜘蛛の糸(変則)/Web 蜘蛛の糸の能力を持つクリーチャーは自分自身と追加で最大1体の同じサイズのクリーチャーを支えるために蜘蛛の糸を使うことができる。加えて、1日に最大8回まで蜘蛛の糸を投擲することができる。これはネットによる攻撃と同様だが、最大有効距離は50フィート、射程単位は10フィートで、蜘蛛の糸を紡いだものより最大で1サイズ大きいものまでに対して効果がある。絡みつかれたクリーチャーは〈脱出術〉判定に成功するか【筋力】判定で蜘蛛の糸を破るかすれば脱出することができる。どちらもDCが10+クリーチャーのヒット・ダイスの1/2+クリーチャーの【耐】修正値である、標準アクションだ。蜘蛛の糸にとらわれたものがそれを破ろうとする試みは-4のペナルティをこうむる。
 蜘蛛の糸を紡ぐものは最大で自身のサイズの3倍のねばねばする蜘蛛の糸の布をつくることができる。これは通常飛行するクリーチャーを捕えるのに向いたものだが地上の獲物を捕えるのに使うこともできる。接近したクリーチャーは蜘蛛の糸に気付くためにDC20の〈知覚〉判定に成功しなければならない;失敗したら蜘蛛の糸へ入り込み蜘蛛の糸による攻撃が成功したかのように捕えられる。もし捕えられたクリーチャーが自由になろうとする間歩いたり掴んだりするための何かがあれば、蜘蛛の糸から脱出しようとしたり破る試みは+5のボーナスを得る。蜘蛛の糸の5フィートのマスごとにそれをつくったクリーチャーのヒット・ダイスに等しいヒット・ポイントと、ダメージ減少5/―を持つ。
 クリーチャーは自身の蜘蛛の糸を登攀移動速度で通過することができ、自身の蜘蛛の糸に触れているクリーチャーの位置を特定できる。
 書式:蜘蛛の糸(+8遠隔、セーヴDC16、5HP);位置:特殊攻撃。

 食らいつき(変則)/Attach クリーチャーは表示されている攻撃が成功した場合、自動的に目標にまといつく。クリーチャーは組みつき状態にあると見なされるが、目標は組みつき状態とは見なされない。目標はこのクリーチャーに通常通り攻撃または組みつきを行うことができ、あるいは組みつき判定または〈脱出術〉判定を成功することで食らいつきをもぎ離すことができる。この能力を有するほとんどのクリーチャーは組みつきを維持するための種族ボーナスを持つ(CMBの項目に表記)。
 書式:食らいつき;位置:個別の攻撃手段。

 暗闇を見通す(超常)/See in Darkness クリーチャーはディーパー・ダークネス呪文で作られたものも含め、あらゆる暗闇を完全に見通すことができる。
 書式:暗闇を見通す;位置:感覚。

 クリフォト・ロードの特性(擬呪、超常、または変則)/Qlippoth Lord Traits クリフォト・ロードは奈落界アビスの区域をかつて支配していたが、奈落界アビスにある忘れられた真なる深淵の片隅に逃避せざるを得なくなった、強力で固有のクリフォトである。天地創造の曙には、クリフォト・ロードは強力なクリーチャーであり、おそらく神格と同等の力を持ってさえいただろう。しかし今ではその力は薄れてしまった。それでも、稀に遭遇した場合には定命のものの命を脅かす危険な存在であることに変わりはない。全てのクリフォト・ロードはCR21~25の、混沌にして悪のクリフォトである。(クリーチャーの項に別に記載されている物を除き)クリフォト・ロードは以下に示す特定の特性一揃いを備えている。
  • クリフォト・ロードは自らが神格であるかのように、自分の信者に呪文を与えることができる。クリフォト・ロードの領域は悪と混沌に加え、その主題と興味に関連した領域を2つと副領域を4つ持つ。神格と同じように、クリフォト・ロードは好む武器を1つ持つ。
  • クリフォト・ロードの肉体武器とその他の手にした武器は、ダメージ減少を克服する際、悪、エピック、混沌の武器として扱われる。
  • 身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance:この能力は同名のクリフォトの能力と似た形で機能する。クリフォト・ロードの身の毛のよだつ姿は物理的な効果を及ぼし、犠牲者を変えてしまう。その物理的な効果にも拘らず、クリフォト・ロードの身の毛のよだつ姿は[精神作用]効果である。
  • [精神作用]効果、[即死]効果、毒、[氷雪]に対する完全耐性
  • 再生(変則)/Regeneration:秩序ダメージはクリフォト・ロードの再生を妨げる。
  • [火炎]に対する抵抗30、[強酸]に対する抵抗30、および[雷撃]に対する抵抗30。
  • クリフォト招来(擬呪)/Summon Qlippoth:1日3回、即行アクションとして、クリフォト・ロードは合計CRが20以下となる任意の組み合わせで、クリフォト1体もしくは複数体を招来することができる。その他の点についてはこの能力は招来として機能するが、100%の確率で成功し、9レベル呪文の効果として扱う。
  • テレパシー300フィート。

 高速治癒(変則)/Fast Healing 高速治癒の特殊能力を持つクリーチャーはそのクリーチャーの説明に書かれている通り、異常な割合、通常はラウンドごと、自分の手番が来た時点で1ポイント以上の割合でヒット・ポイントを回復する。ここの記述を除いて、高速治癒は自然治癒と同様である。高速治癒は餓え、渇き、窒息によって失われたヒット・ポイントを回復しないし、失われた肉体部位の再生もしない。特別な記載がある場合を除き、失われた肉体的部位をくっつけ直すこともできない。高速治癒は(ヒット・ポイントが-1以下であっても)クリーチャーが死ぬまで機能し続け、死ねば高速治癒の効果は直ちに終了する。
 書式:高速治癒5;位置:HP。

 高速飲み込み(変則)/Fast Swallow クリーチャーは飲み込み能力をターンの開始時ではなく、自らのターンの間ならいつでもフリー・アクションとして行うことができる。
 書式:高速飲み込み;位置:特殊攻撃。

 硬度(変則)/Hardness 硬度を持つクリーチャーがダメージを受けるとき、その硬度をダメージから引く。その硬度を上回るダメージだけをヒット・ポイントから引く。物体と同様に、硬度を持つクリーチャーはエネルギー攻撃、遠隔攻撃、攻撃からの他の種別からのダメージを減少しない。アダマンティン武器は20以下の硬度を無視する。
 書式:硬度10; 位置:防御的能力。

 小振りの武器(変則)/Undersized Weapons クリーチャーはあたかも実際のサイズよりもサイズ分類が1段階小さいかのように武器を用いる。
 書式:小振りの武器;位置:その他の特殊能力。

 再生(変則)/Regeneration この能力を持つクリーチャーは殺すのが困難である。再生を持つクリーチャーは高速治癒を持つもの同様、決まった量のダメージを治癒するが、それらは再生が機能している限り死なない(しかしながら再生を持つクリーチャーはヒット・ポイントが0を下回ったら気絶状態になる)。ある一定の攻撃形態、一般的には火や酸、は攻撃後のラウンド中クリーチャーの再生の機能を停止する。このラウンドの間、そのクリーチャーはダメージを治癒できず通常通り死ぬ。クリーチャーの説明文には再生の機能停止を引き起こすダメージの種別が書かれている。
 ヒット・ポイントへのダメージを与えるのではない攻撃は再生では治癒できない。再生はまた、餓え、渇き、窒息によって失われたヒット・ポイントを回復しない。再生するクリーチャーはその肉体の失われた部分を再生でき、切断された四肢や体の一部を切断から一時間以内ならくっつけることができる。くっつけられなかった切断部位は通常通り萎え、死ぬ。
 クリーチャーが再生能力を持つためには【耐久力】を持っている必要がある。
 書式:再生5([強酸]、[火炎]);位置:HP。

 サイコポンプの案内人の特性/Psychopomp Usher Traits 案内人がボーンヤードの領域を支配している。案内人は最小25のCRをもつ中立の来訪者である。案内人は特に明記していない限り、以下の特性を共有し、サイコポンプの副種別を持つ。
  • 案内人の肉体武器、および用いているすべての武器はエピックとして扱われ、ダメージ抵抗と完全耐性を克服する目的でゴースト・タッチの特殊能力を持っているかのように扱われる。
  • 能力値ダメージ、能力値吸収、(魅惑)、(強制)、[即死]効果、生命力吸収、石化に対する完全耐性。
  • 畏怖すべき存在(超常)/Frightful Presence:案内人は攻撃、特殊能力、擬似呪文能力の一部として、または声を出して話すことにより、畏怖すべき存在をフリー・アクションとして活性化することができる。
  • サイコポンプ招来(超常)/Summon Psychopomps:1日3回即行アクションとして、案内人は合計CRが20以下となるようにサイコポンプを組み合わせて招来することができる。それ以外の点では、100%の確率の招来のモンスターの共通ルールのように機能し、9レベル呪文の効果としてみなされる。
  • 死と歩む(超常)/Walk with Death:案内人は死の女神ファラズマと親密な絆を共有しており、ボーンヤードにいる間はヒット・ポイントを0未満に減少させることはできない。ボーンヤードの外で殺された案内人は霧と羽根へと溶け、持っていた装備を残し、領域内の選択した場所で即座に復活する(トゥルー・リザレクションとして)。
  • テレパシー300フィート。
  • 案内人は自身が神格であるかのように呪文を与えることができる。各案内人は好む武器を持っており、安息の領域に加えて、他の3つの領域と4つの副領域を与える。
 加えて、サイコポンプの案内人は、その領域にいる間以下の力を得る(データにはこれらの能力は含まれていない):
出典 Pathfinder #143: Borne by the Sun's Grace 81ページ

 思考感知(超常)/Thoughtsense この能力を持つクリーチャーは指定された範囲内(通常60フィート)で、意識のあるクリーチャーを自動的に感知し、定位する。この能力は擬似視覚と同様に機能する。ノンディテクションマインド・ブランクと同様の効果は思考感知を妨げることができる。思考感知は感覚のあるクリーチャー(【知力】3以上)と感覚のないクリーチャー(【知力】1~2)を区別することはできるが、それ以外では定位するクリーチャーについて何の情報も提供しない。
 書式:思考感知 60フィート;位置:感覚。

 至高天の王の特性(擬呪、超常、または変則)/Empyreal Lord Traits 至高天の王はアガシオン、エンジェル、アルコン、アザータといった種族の中で最も偉大なものであり、神格のように信仰されることもある。至高天の王は全て善の来訪者で、最低CRは21である。アガシオン、エンジェル、アルコン、アザータの特性に加え、至高天の王は(クリーチャーの項に特に示されていない限り)以下に示す特定の特性群を備える。
  • 至高天の王の肉体武器と身につけている武器は、ダメージ減少を克服する際、エピックかつ善の武器として扱う。至高天の王が混沌もしくは秩序の場合、その攻撃はダメージ減少を克服する際、その属性の武器としても扱う。
  • アガシオン、エンジェル、アルコン、アザータの持つ抵抗は30に増加する。
  • 至高天の王は自らが神格であるかのように、自分の信者に呪文を与えることができる。至高天の王の領域は善と混沌(混沌属性の場合)、秩序(秩序属性の場合)に加え、その主題と興味に関連した領域を2つ持つ。神格と同様、至高天の王は好む武器を1つ持つ。
  • 非視覚的感知60フィート。
  • グレーター・テレポート(擬呪)/Greater Teleport 至高天の王はグレーター・テレポート(術者レベル20)を回数無制限で使用することができる。
  • 能力値ダメージ、能力値吸収、(魅惑)効果、(強制)効果、[即死]効果、生命力吸収、および石化に対する完全耐性
  • 原初のオーラ(超常)/Primal Aura 至高天の王は、原初の力のオーラをまとっている。このオーラの効果は至高天の王それぞれに固有のものである。
  • 再生(変則)/Regeneration エピックにして悪のダメージか、そのクリーチャーと同等かより上位の力(アークデヴィル、神格、デーモン・ロード、至高天の王など)によるダメージのみが、至高天の王の再生を妨げる。
  • 命の種(擬呪)/Seed of Life 至高天の王は同意しているクリーチャーに接触し、魔法の治癒力を注ぎ込むことができる。目標は来訪者のように善のオーラを放ち、負のエネルギーと[即死]効果に対する全てのセーヴィング・スローに+2の洞察ボーナスを得る。標準アクションとして、目標はこのエネルギーを解き放つことができる。そのようにするならば、内側に解放して自分にヒール呪文の効果を与えるか、外側に解放して30フィート以内にいる味方にマス・キュア・ライト・ウーンズの効果を及ぼすかを選択する(術者レベルはいずれも15)。解放しない場合、このエネルギーは24時間後に失われるが、その際に有害な効果はもたらさない。至高天の王は1日に5回までこの能力を使用できるが、それぞれは別のクリーチャーに使用しなければならない。

 持続するブレス攻撃MA(超常)/Lingering Breath このクリーチャーはブレス攻撃を使用してフリー・アクションとして神話パワーを1回分消費することで、(ブレス攻撃と同じ種別の)エネルギー・ダメージを与える範囲を作り出すことができる。このブレス攻撃の範囲にいたり、入ったり、通り抜けたりした全てのクリーチャーは、このクリーチャーのサイズに基づいたダメージを受ける。この能力はエネルギー・ダメージを与えないブレス攻撃には何の効果ももたらさない。
 書式:持続するブレス攻撃(2d6[火炎]、5ラウンド);位置:特殊攻撃。

持続するブレス攻撃のダメージ Lingering Breath Damage
クリーチャーのサイズ エネルギー・ダメージ量
中型以下 2d4
大型 2d6
超大型 2d8
巨大 4d6
超巨大 4d8

 締めつけ(変則)/Constrict この特殊攻撃を持つクリーチャーは組みつき判定に成功した際、敵を締めつけて潰し、(追加ダメージを含む判定に成功した際に与える他の効果に加え)殴打ダメージを与える。ダメージの量はクリーチャーの説明に書かれており、一般的にはクリーチャーが近接攻撃で与えるダメージの量に等しい。
 書式:締めつけ(1d8+6);位置:特殊攻撃。

 収縮(変則)/Compression クリーチャーはその接敵面の1/4の幅の場所を無理矢理入り込むことなく通ることができ、あるいは1/8の幅の場所に無理矢理入りこむことができる。
 書式:収縮;位置:その他の特殊能力。

 蹂躙(変則)/Trample 全ラウンド・アクションとして、蹂躙能力を持ったクリーチャーは自身よりも少なくとも1サイズ分類小さいクリーチャーを蹂躙しようとすることができる。これは戦技の蹴散らしのように働くが、蹂躙を行なうクリーチャーは判定を行なう必要がなく、単に進路上の敵を通過するだけでよい。蹂躙の対象は蹂躙を行なったクリーチャーの叩きつけのダメージ+自身の【筋力】修正値の1.5倍に等しいダメージを受ける。蹂躙の対象は機会攻撃を行なえるが、-4のペナルティを受ける。対象は機会攻撃を行なわなかったら、蹂躙するクリーチャーを回避してダメージを半分にするために反応セーヴを行なえる。クリーチャーの蹂躙攻撃に対するセーヴのDCは10+1/2クリーチャーのHD+クリーチャーの【筋力】修正値である(正確なDCはクリーチャーの説明文に書かれている)。蹂躙するクリーチャーは何度移動によって対象のクリーチャーを通過したかに拘わらず、各対象につきラウンドごとに1度のみ蹂躙によるダメージを与えることができる。
 書式:蹂躙(2d6+9、DC20);位置:特殊攻撃。

 出血攻撃(変則)/Bleed この能力を持つクリーチャーは出血し続ける傷を与え、各ラウンドの効果を受けたクリーチャーのターンの最初に追加ダメージを与える。この出血はDC15の〈治療〉判定に成功するか、何らかの魔法的治療によって止めることができる。各ラウンドごとのダメージはクリーチャーの説明に書かれている。
 書式:出血攻撃(2d6);位置:特殊攻撃および個別の攻撃手段。

 呪文/Spells クリーチャーは呪文発動クラスの一員のように魔法の呪文を発動することができる。クリーチャーはそのクラスとして呪文を発動することに関係するあらゆる効果や能力において、そのクラスの一員であると数えられる。例えば、そのクラスによって呪文完成型もしくは呪文解放型のアイテムを使用する、もしくはクラスの呪文発動能力に影響する魔法のアイテムを使用することである(インセンス・オヴ・メディテイションパール・オヴ・パワーなど)。クリーチャーがそのクラスに関する他の能力を持つならば(クレリックの領域やソーサラーの血脈など)、それはこの項目で説明される。クリーチャーが呪文発動クラスのレベルを得ている場合、これらの能力は累積する(例えば、ソーサラー3レベルを得たスピリット・ナーガは10レベル・ソーサラーとして呪文を発動できる)。いくつかのクリーチャーはそうしたクラスの術者では利用できない変わった能力を持つかもしれない(例えば、スピリット・ナーガのクレリック呪文をソーサラーの修得呪文として学ぶ能力など)。

 呪文抵抗(超常)/Spell Resistance 呪文抵抗を持つクリーチャーは自身に直接効果を与える呪文や擬似呪文能力を回避してしまう可能性がある。呪文や擬似呪文能力が呪文抵抗を持つクリーチャーに機能するかを決定するに際し、術者は術者レベル判定(1d20+術者レベル)を行わなければならない。結果がクリーチャーの呪文抵抗以上だった場合その呪文は通常どおり働くが、呪文抵抗を持つクリーチャーは依然としてセーヴィング・スローが可能である。
 書式呪文抵抗 18;位置:防御的能力。

 従容自若オーラ(超常)/Mental Static Aura この能力を持つクリーチャーはこの能力を持たない者にとっては精神集中が困難になる場を作り出す。30フィート以内の生きているクリーチャーは思考要素を持つ呪文を発動するために精神集中判定に成功しなければならない(DC=10+1/2従容自若オーラを持つクリーチャーのヒット・ダイス+クリーチャーの【魅力】修正値)。この判定に失敗すると呪文は効果を及ぼさず失敗する。加えて、全ての術者は、呪文もしくは効果の起動に精神集中している場合、そのターンの開始時にこの判定を試みなければならない。失敗は呪文または効果のための精神集中が途切れることを意味する。この能力を持つクリーチャーは、その影響に完全耐性を持ち、通常通り呪文を発動することができる。
 書式:従容自若(DC18);位置:オーラ。

 招来(疑呪)/Summon 招来能力を持つクリーチャーはサモン・モンスターを使用したかのように特定のクリーチャーを招来することができるが、通常成功の可能性は限られている(クリーチャーの説明文に記載されている)。d%ロールを行なう:失敗したら、招来にこたえるクリーチャーはない。招来されたクリーチャーは到着してから1時間後に自動的に帰還する。この方法で招来されたクリーチャーは、1GP以上の価値のある物質要素が必要となる呪文や擬似呪文能力をその物質要素が供給されたのでない限り使用できないし、1時間の間自身の招来能力を使用できない。招来能力ごとに意志セーヴや術者レベル判定や精神集中判定のための適切な呪文レベルが定められている。招来されたクリーチャーを倒しても経験点は与えられない。
 書式:1日1回―招来(レベル4、ヘズロウ1体、35%);位置:擬似呪文能力。

 植物の種別特性(変則)/Plant Traits 植物はあらゆる[精神作用]効果((強制)、士気効果、(魅惑)、(紋様)、そして(惑乱))効果、麻痺、毒、(ポリモーフ)、睡眠、朦朧を無効化する。
 書式:植物の種別特性;位置:完全耐性。

 植物をもたらすものMA(超常)/Plantbringer このクリーチャーから半径1マイル以内にいる植物は全て通常の2倍の速度で成長し、いかなる病気の影響も受けない。さらに、クリーチャーの30フィート以内にいる仲間の植物クリーチャーは、クリーチャーの神話ランクに等しい高速治癒を得る。クリーチャーがプラント・シェイプを使用するか植物の形態をとるために自然の化身を使用する際、このクリーチャーは植物形態においてこの高速治癒を得る。
 書式:植物をもたらすもの;位置:その他の特殊能力。

 人造の種別特性(変則)/Construct Traits 人造は[即死]効果、病気、[精神作用]効果((強制)、士気効果、(魅惑)、(紋様)、そして(惑乱))、死霊術効果、麻痺、毒、睡眠、朦朧と、全ての頑健セーヴを要求する効果(物体に対しても働くか、(無害)である場合を除き)を無効化する。人造は非致傷ダメージ、能力値ダメージ、能力値吸収、疲労、過労、生命力吸収の対象にならない。人造は大規模ダメージによって死ぬ危険性はない。
 書式:人造の種別特性;位置:完全耐性。

 振動感知(変則)/Tremorsense 振動感知を持ったクリーチャーは地面の振動に敏感で、自動的に地面に触れているものの位置を特定する。振動感知を持った水棲のクリーチャーは同様に水中を移動するクリーチャーの位置を感知する。この能力の有効距離はクリーチャーの説明文中に記載されている。
 書式:振動感知60フィート;位置:感覚。

 神話級不死MA(超常)/Mythic Immortality このクリーチャーが死亡した際、24時間後に息を吹き返す。肉体の状態や死亡した理由がなんであれ影響しない。息を吹き返した時点ではこのクリーチャーが休息したものとは見なされないし、次の休息まで休息によって使用回数の回復する能力を取り戻すこともない。この能力はこのクリーチャーが神話級クリーチャー(もしくはより強力な力を持つクリーチャー)、あるいはエピック・ダメージ減少を貫くことのできる武器を装備した非神話級クリーチャーにとどめの一撃もしくはクリティカル・ヒットで殺された場合には適用されない。クリーチャーの神話ランクが10ならば、このクリーチャーを殺すことができるのはアーティファクトを用いたとどめの一撃もしくはクリティカル・ヒットによってのみとなる。(この能力はPathfinder Roleplaying Game: Mythic Adventuresでは“不死性/Immortal”と呼ばれている)。
 書式:神話級不死;位置:その他の特殊能力。

 神話魔法MA(超常)/Mythic Magic 1日3回まで、このクリーチャーが呪文を発動する際、その呪文の神話版を発動することができる(あらゆる神話呪文と同様、このクリーチャーはこの方法で神話呪文を発動するために神話パワーを1回分消費しなければならない)。
 書式:神話魔法 3/日;位置:特殊攻撃。

 神話パワーMA(超常)/Mythic Power この神話モンスターは驚くべき行動を成し遂げ運命に手を入れる水源から力を引き出すことができる。毎日このモンスターは自分の神話ランクに等しい神話パワーの使用回数を得る。この総量は神話パワーの最大値である。もし神話パワーを回復するものがあっても、この総量を超えることはない。このモンスターは自動的に活性能力を持ち、この神話パワーを用いて使用することができる。このモンスターは神話パワーに関係する他の能力を持つかもしれない。
 書式:神話パワー(3/日、活性+1d6);位置:特殊攻撃。

 水中呼吸(変則)/Water Breathing この特殊能力を有するクリーチャーは、水中でも無制限に呼吸をすることができる。水に潜っている間、自由にブレス攻撃、呪文、そのほかの能力を用いることができる。
 書式:水中呼吸;位置:その他の特殊能力。

 水陸両生(変則)/Amphibious この能力を持つクリーチャーは(水棲)の副種別を持っているにも拘わらず、陸地でいつまでも生存できる。
 書式:水陸両生;位置:その他の特殊能力。

 脆弱性(超常または変則)/Vulnerabilties 脆弱性を持ったクリーチャーは、セーヴィング・スローが許可されているかや、セーヴが成功したか失敗したかに関わりなく、特定のエネルギーの種類から受けるダメージが半分増し(+50%)される。エネルギーの種類にない脆弱性を持ったクリーチャーは記載された脆弱性をもたらすか用いる呪文や効果(たとえば[光]の補足説明を持った呪文)に対するセーヴに-4のペナルティをこうむる。一部のクリーチャーは、その解説に記載されたさらなる効果を受けることがある。
 書式:[火炎]への脆弱性;位置:弱点。

 生命感知(超常)/Lifesense クリーチャーはあたかも擬似視覚の能力を有しているかのように、60フィート以内の生きているクリーチャーを感知し、その位置を特定できる。
 書式:生命感知;位置:感覚。

 生命力吸収(超常)/Energy Drain この攻撃は生きている敵から生命力を奪いさるもので、近接あるいは遠隔攻撃が命中するたびに自動的に起こる。生命力吸収が命中するたびに敵に対して1かそれ以上(クリーチャーの解説に数値は明記されている)の負のレベルを与える。生命力吸収を含む攻撃がクリティカル・ヒットならば、記載されている負のレベルの量の2倍与える。クリーチャーの解説に特別な記載がある場合を除き、生命力吸収を行なったクリーチャーは敵に与えた負のレベル1ごとに5ポイントの一時的ヒット・ポイントを得る。この一時的ヒット・ポイントは最大1時間残る。負のレベルは24時間経過するか、レストレーションのような呪文によって除去されるまで残る。もし負のレベルが24時間経過まえに除去されなかったら、効果を受けたクリーチャーは頑健セーヴ(DC10+生命力吸収を行なったクリーチャーの種族ヒット・ダイスの1/2+生命力吸収を行なったクリーチャーの【魅】修正値;正確なDCはクリーチャーの説明文に書かれている)に成功したらクリーチャーに何の害をもたらすことなく負のレベルは消え去る。失敗したら、負のレベルは永続化する。負のレベル1ごとに別々のセーヴィング・スローが求められる。
 書式:生命力吸収(2レベル、DC18);位置:特殊攻撃および個別の攻撃手段。

 生来の不可視(超常または変則)/Natural Invisibility この能力は常に働いており、クリーチャーは攻撃を行うときですら不可視状態のままでいられる。この能力は生得の物であり、インヴィジビリティ・パージの呪文の対象とならない。
 書式:生来の不可視状態;位置:防御的能力。

 全周囲視覚(変則)/All-Around Vision クリーチャーは一度に全方向を見ることができる。挟撃されることがない。
 書式:全周囲視覚;位置:感覚。
最終更新:2021年09月14日 00:05