デーモンの存在理由は1つ、破壊することである。その秩序寄りの片割れである地獄界のデヴィルが求めているのは定命の者の心と価値観を捻じ曲げ、彼らデヴィル自身の映し身に作り直し姿を変えさせることであるが、デーモンはただ傷つけ、滅ぼし、むさぼり食らうことだけを望む。彼らが定命の者を仲間にするのは、そのような腹心によって希望と善の最終的な破壊が早められる時だけである。死は、ある意味、彼らの敵である。死んだ定命の者は多くの場合デーモンの略奪から逃れ、正当な報酬を受けられる来世へと向かうからである。デーモンの欲望と願いを満たすのは定命の者の痛みと苦しみを長引かせることだが、それは一部にはこの極悪非道のフィーンドが、定命の者の罪業と残酷さから生まれたことによる。
デーモンは、フィーンドの種族の中で最も多産で破壊的である。しかし、一部の伝承が説くところでは、彼らは、多次元宇宙の中で
アビスとして知られる、破滅と残酷さに満ちた悪臭を放つ奈落に生まれた最初の生命のかたちではない。最初に一人前になった神性が現実を見据えるより前、定命の者が産声をあげる前、物質界自体が完全に形作られる前、奈落界アビスには生命がはびこっていた。
多くの学者に“プロト・デーモン”として知られる、この惨めで危険な存在はクリフォトである。今日では、罪深き定命の者の魂のアビスへの影響や、破滅界
アバドンのダイモンの看守たちの手による改竄による混同、運命と進化の残酷な気まぐれにより、クリフォトの支配は衰えている。プロト・デーモンは今ではアビスの不健全な忘れ去られた一角に住んでおり、そのかわりにはるかに多産なデーモンが支配している。邪悪な定命の者の魂がアビス、デーモンの軍勢の隊列へと辿りつくと、ただ一つの魂が何ダースもの、さらには何百ものデーモンを顕現させることができる。その魂が持ち込んだ罪業の正確な本質により、新しく形作られたフィーンドの形態と役割は決まる。
アビスは広大な(一説によると無限の)領域であり、おそらくは始原の混沌である
メールシュトローム自体を除き、他のいかなる次元界よりもはるかに大きい。このような広大かつ変化に富む領域に適応し、デーモンの住人たちも同様に多様である。一部のものは人型生物のような形をした体格をしており、他のものはねじくれた獣のようである。一部のものは大地で飛びはね、他のものは空や海で羽ばたく。一部のものは感情や政治を操る策士だが、他のものは破滅をもたらす破壊装置だ。しかし全てのデーモンは同じ目的を目指して活動する。あらゆる形態の定命の者に痛みと苦しみを。
しかしそれにもかかわらず、定命の者は最初からデーモンの助力を求めてきた。本能的な自己破壊への傾向にせよ、あるいは力への誤った渇望にせよ、召喚術者たちは今日まで禁じられた魔法によってデーモンを引き込み続けてきた。一部の者は知識のためにデーモンを召喚し、他の者は暗殺者または護衛として仕えさせるために呼び出した。デーモンはこのような召喚者に憎悪と感謝の入り混じった視線を向けるが、それはほとんどのデーモンは召喚者自身を破壊するために物質界に来る能力を持たないからである。彼らは自らをアビスから呼び出した狂人に依存しており、牙をきしらせ命令に対して不平をいい服従させられていることを罵るが、ほとんどのデーモンは召喚者の要求を曲解する方法を見出し、もっとも厳格に支配されたデーモンの奴隷でさえ自らの跡に廃墟と絶望の爪痕を残す。よくあることは、愚かな術者が召喚において致命的な失敗を犯してそのツケを自らの血で支払い、望まずして世界に制御を失った黒い影を放ってしまうことである。
真に狂った者は、デーモンによる終末が最後に訪れる時、デーモンと仲間になっていれば救済と保護を得ることができるという誤った信仰により、自らの肉体と魂を捧げるためにデーモンを呼び出す。自暴自棄になった王が自軍の将軍として仕えるようデーモンと約定した話や、狂女が恐るべき子供たちを授かるためにデーモンの雄親を求める話はありふれている。しかし最悪なのは、ある定命の者たちが最も強力なデーモンを神と崇め、万物に破壊をもたらすことに命を賭けていることである。
胞子の雲とたなびく羽毛が、この人間と巨大なハゲタカの歪んだ雑種を取り囲んでいる。
ヴロック 脅威度9 Vrock
防御
AC 22、接触11、立ちすくみ20(+11外皮、-1サイズ、+2【敏】)
hp 112(9d10+63)
頑健 +13、
反応 +10、
意志 +6
DR 10/善;
完全耐性 [電気]、
毒;
抵抗 [酸]10、[火]10、[冷気]10;
SR 20
攻撃
移動速度 30フィート、
飛行50フィート(標準)
近接 爪(×2)=+13(2d6+5)、
噛みつき=+13(1d8+5)、
鉤爪(×2)=+13(1d6+5)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 胞子、滅びの舞、朦朧化の絶叫
擬似呪文能力 (術者レベル12)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、2体、徒党(3~10)
宝物 標準
特殊能力
滅びの舞(超常)/Dance of Ruin ヴロックは1回の全ラウンド・アクションとして踊りと詠唱を行うことができる。3ラウンド目の終わりに、エネルギーの衝撃波がヴロックから広がり、100フィート以内にいる全てのクリーチャーに5d6ポイントの[電気]ダメージを与える。DC17の反応セーヴに成功すれば、このダメージを半減できる。追加の1体のヴロックがこの舞に参加するごとに、ダメージは5d6ポイント上昇し、効果を避けるためのセーヴDCも+1上昇する。ダメージの上限は、4体以上のヴロックが踊った場合の20d6である(セーヴDCは追加のヴロックごとに上昇し続けるが、ダメージはそうならない)。参加しているヴロックのうちの1体が殺されたり、朦朧化したり、その他踊りを邪魔された場合、舞は即座に終了し、また最初からやり直さなければならなくなる。セーヴDCは【魅力】修正値に基づいて算出されている。
胞子(変則)/Spores 3ラウンドに1回、1回のフリー・アクションとして、ヴロックはその身体から大量の胞子を放出することができる。ヴロックに隣接するクリーチャーは胞子によって1d8ポイントのダメージを受け、加えて胞子から太い緑色の蔦が伸びてきて、10ラウンドの間、毎ラウンド1d4ポイントのダメージを受ける。この蔦は醜いが害はなく、剃り落とさなくても1d4日で枯れてしまう。胞子は効果を受けているクリーチャーに
ブレス呪文を使用するか、聖水を振り掛けることで破壊できる。この攻撃は病気を取り除いたり
完全耐性を与える効果によっても終わらせることができる。
朦朧化の絶叫(超常)/Stunning Screech 1時間に1回、ヴロックは鋭い金切り声を上げることができる。半径30フィート以内にいるデーモンではない全てのクリーチャーは、DC21の頑健セーヴを行わなければならない。失敗した場合、1ラウンドの間
朦朧状態になる。セーヴDCは【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
奈落界の不敬なる戦士であるヴロックは、その卑しむべき領域の全ての激怒、憎悪、暴力の化身である。彼らに似ている死肉漁り同様、飢えた奇怪な日和見主義者であるヴロックは、流血を喜び、生きている肉体からまだ脈打っている内臓を引き抜く音と感覚を賞味する。
典型的なヴロックは、身の丈8フィート、体重400ポンド。ヴロックは一般的に憎しみと怒りに満ちた定命の者、特に職業的犯罪者、傭兵、暗殺者の魂から形作られる。
この超小型サイズの翼あるデーモンの歪んだ頭からは後方に反った羊のような角がある。その身体は細く筋張っている。
クアジット 脅威度2 Quasit
防御
AC 16、接触14、立ちすくみ14(+2外皮、+2サイズ、+2【敏】)
hp 16(3d10);
高速治癒2
頑健 +1、
反応 +5、
意志 +4
DR 5/冷たい鉄または善;
完全耐性 [電気]、
毒;
抵抗 [酸]10、[火]10、[冷気]10
攻撃
移動速度 20フィート、
飛行50フィート(完璧)
近接 爪(×2)=+7(1d3-1、加えて“
毒”)、
噛みつき=+7(1d4-1)
接敵面 2・1/2フィート;
間合い 0フィート
擬似呪文能力 (術者レベル6)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、編隊(2~12)
宝物 標準
特殊能力
毒(変則)/Poison 爪・致傷型;
セーヴ 頑健・DC13;
頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間);
効果 1d2【敏捷力】;
治癒 2回連続のセーヴ成功。
クアジットはおそらく最も力の弱いデーモンではあるが、もっとも尊重されていないものではない。クアジットは自身を
ドレッチの群れの上位においていさえする。実際のところ、ドレッチはクアジットが間違っていると明らかにするだけの勇気や気力を持たない。クアジットの生における最初の役割は、主である術者の使い魔としてのものである。しかし、この屈辱的な服従から逃げ出したクアジットは自由意志を持つようになり、ずっと危険なものとなる。
典型的なクアジットは身の丈1フィート半。体重わずか8ポンド。デーモンの軍勢の中で唯一、クアジットは邪悪な定命の者の魂から形成されるのではない。その代わり、生者の魂から形成される。術者がクアジットを使い魔として探している場合、その魂は奈落界アビスをかすめ、それと反応を起こし、術者の魂と繋がりを持つクアジットがアビス自体から作り出される。両者は強い絆を有する。新たに作られたクアジットは直接物質界に誕生し、使い魔となる。主の意志に縛られているものの、クアジットは自身の主の魂の意向を感じ取ることができ、己がそれ以上のものとなりうると分かっているため、みなその主従関係を憎み厭う。クアジットは奉仕はするが、主を観察し、己の命で支払わなければならない失敗をしでかすのを、もっとうまくいけばクアジットが主に歯向かえるような過ちを犯すのを待つ。
クアジットの主が死ねば、クアジットは主の魂を大いなる彼方へ連れ去ろうと試みるためDC15の意志セーヴを行う。これは
プレイン・シフトとして機能するが、クアジットのみに作用しアビスへと移動させ、主の魂を、新たなデーモンの生を作り出すのではなく、蠢く芋虫としてクアジットの手中に収めさせる。このように、クアジットは捕えた魂を使って、より強力な下方次元界の住人と取引することができ、恐らくは邪悪な変身によるより強力な形態の生命への“昇進”を遂げる。
滅多にないことだが、クアジットが主の死を無視し、代わりに物質界に残って楽しみを探す道を選ぶことがある。通常は苦しめることができる人々が多くいる都市部に住み着く。
このそびえ立つ怪物の胴は4本の腕で飾られている。モンスターの目は知性と残酷性の入り混じった光を放っている。
グラブレズゥ 脅威度13 Glabrezu
防御
AC 28、接触8、立ちすくみ28(+20外皮、-2サイズ)
hp 186(12d10+120)
頑健 +18、
反応 +4、
意志 +11
DR 10/善;
完全耐性 [電気]、
毒;
抵抗 [酸]10、[火]10、[冷気]10;
SR24
攻撃
移動速度 40フィート
近接 ハサミ(×2)=+20(2d8+10/19~20)、
爪(×2)=+20(1d6+10)、
噛みつき=+20(1d8+10)
接敵面 15フィート;
間合い 15フィート
特殊攻撃 かきむしり(
ハサミ×2、2d8+15)
擬似呪文能力 (術者レベル14)
1回/月:
ウィッシュ(1体の定命の人型生物の願いを叶えるためにのみ使用できる)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、部隊(グラブレズゥ1、
サキュバス1、および
ヴロック2~5)
宝物 標準
サキュバスが犠牲者の肉体的な情欲と欲求を食い物にすることを手管としているのに対し、グラブレズゥは別の種類の誘惑を行う。獰猛な獣のような外見をしているが、グラブレズゥは実際には術策と虚言の達人である。感じのよい幻で自らの真の姿を覆い隠す能力を用いながら、グラブレズゥは、彼の狡猾さと欺罔に屈した者への報いとして、定命の者の願いを叶える魔法を使用する。グラブレズゥによって叶えられた願いは、常にその者の要求を可能な限り破壊的な方法で満たす。そのような方法はただちに明らかになるとは限らないが。悪戦苦闘している刀鍛冶は名声と製作技術を望み、そして彼の最高の顧客が残忍で嗜虐的な殺人者で、その武器を破壊的な欲望を押し進めるために使用していたことが分かるだけかもしれない。伴侶を望んだ孤独な男は、死んだ恋人が生き返ってくるかも知れない。
ヴァンパイアとして。その他にも、グラブレズゥは定命の者の願望を扱うにあたっては全くもって創造性に溢れている。
グラブレズゥは身の丈18フィート、体重6,000ポンド強。この不実なデーモンは、反逆者、誣告者、破壊活動家など、生前は偽りの証言をしたり、裏切りと詐欺で他人の人生を破滅させていた定命の者の魂から形成される。
小さな角、コウモリのような翼、曲がりくねった尾が、この魅力的な女性のデーモンの本性を暴露している。
サキュバス 脅威度7 Succubus
防御
AC 20、接触13、立ちすくみ17(+7外皮、+3【敏】)
hp 84(8d10+40)
頑健 +7、
反応 +9、
意志 +10
DR 10/冷たい鉄または善;
完全耐性 [電気]、[火]、
毒;
抵抗 [酸]10、[冷気]10;
SR 18
攻撃
移動速度 30フィート、
飛行50フィート(標準)
近接 爪(×2)=+11(1d6+1)
特殊攻撃 生命力吸収、不浄なる贈り物
擬似呪文能力 (術者レベル12)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、2体、ハーレム(3~12)
宝物 ×2
特殊能力
生命力吸収(超常)/Energy Drain サキュバスは定命の存在を熱情にかられたある種の行為、例えばキスをすることへと誘惑することにより、生命力を吸収することができる。犠牲者が望まない場合、サキュバスはこの特殊能力を使用する前に組みつきを行わなければならない。サキュバスのキスは負のレベルを1レベル与える。キスには
サジェスチョン呪文の効果もあり、犠牲者に対してサキュバスから情熱的な行為をさせてくれるように頼むこともできる。犠牲者がこの
サジェスチョンの効果を無効化するには、DC22の意志セーヴを行わなければならない。負のレベルを除去するための頑健セーヴのDCは22である。セーヴDCは【魅力】修正値に基づいて算出されている。
不浄なる贈り物(超常)/Profane Gift 1日に1回、1回の全ラウンド・アクションとして、サキュバスは同意をしている人型生物クリーチャーに1全ラウンドの間触れることで、不浄なる贈り物を行うことができる。目標は自身が選択した1つの能力値に、+2の不浄ボーナスを得る。単独のクリーチャーは、1体のサキュバスから1度に2回以上の不浄なる贈り物を受けることができない。サキュバスは目標とどんなに離れていても
テレパシーで交信できる(それを通して
サジェスチョンの擬似呪文能力を用いることもできる)。不浄なる贈り物は
ディスペル・イーヴルや
ディスペル・ケイオスで除去することができる。サキュバスはそれを1回のフリー・アクションとして除去できる(犠牲者に対して2d6ポイントの【魅力】
能力値吸収を引き起こす。セーヴなし)。
デーモンの軍勢の中でも、サキュバスはその人心を操る能力と官能的な魅惑によって、しばしば信じられないほどの権力の高みに上る。デーモンたちの戦争の多くはこのクリーチャーの微妙な小細工によって荒れ狂った。サキュバスはとりわけ好色で貪欲な悪の定命の者の魂から形成される。
このコウモリの翼を持つ影のようなデーモンは、歯と爪だけが物理的に存在しているように見える。それ以外は闇の中に消えている。
シャドウ・デーモン 脅威度7 Shadow Demon
防御
AC 18、接触18、立ちすくみ14(+4反発、+4【敏】)
hp 59(7d10+21)
頑健 +5、
反応 +11、
意志 +7
防御能力 非実体;
DR 10/冷たい鉄または善;
完全耐性 [電気]、[冷気]、
毒;
抵抗 [酸] 10,[火]10;
SR17
弱点 日光による無力化
攻撃
移動速度 飛行40フィート(完璧)
近接 爪(×2)=+11接触(1d6、加えて1d6[冷気])、
噛みつき=+11接触(1d8、加えて1d6[冷気])
特殊攻撃 影潜み、瞬発力、
飛びかかり
擬似呪文能力 (術者レベル10)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、2体、溜り場(3~8)
宝物 標準
特殊能力
瞬発力(変則)/Sprint 1分間に1回、シャドウ・デーモンは1ラウンドの間、自身の飛行速度を240フィートにすることができる。
影潜み(超常)/Shadow Blend “明るい光”以外のいかなる状況においても、シャドウ・デーモンは1回の移動相当アクションとして影の中に姿を消すことができ、事実上不可視になることができる。人工的な照明や、2レベル以下の呪文による光では、この能力を無効化できない。
日光による無力化(変則)/Sunlight Powerlessness シャドウ・デーモンは明るい光や自然の日光の下では全く無力になり、逃げ去ってしまう。このような光に照らされたシャドウ・デーモンは、攻撃することができず、1回の移動アクションまたは標準アクションしか取ることができない。
マジック・ジャーを使用してクリーチャーに憑依しているシャドウ・デーモンは、日光によって害を受けることはないが、憑依中に
サンビームや
サンバースト呪文の命中を受けると、宿主から自動的に追い出される。
デーモンに憑依された話はよくある。多くの場合、無知な者が奇異または暴力的な行動を説明するためである。このような場合、大多数は単に狂気や錯乱によるものだが、正真正銘の憑依によるものは、多くの場合シャドウ・デーモンの仕業である。
デーモンの多くとは異なり、シャドウ・デーモンは非実体である。特に妬み深く邪悪な定命の魂がアビスに引かれていった場合、姿を変え、引き裂かれ、邪魔な肉体を持たない嫉妬深い悪意そのものが出現するまで他の魂とつなぎあわされる。
このクリーチャーの膨れ上がった輪郭は重い足取りのたびに震えている。その見かけにもかかわらず、驚くべき素早さで動いている。
ドレッチ 脅威度2 Dretch
防御
AC 14、接触11、立ちすくみ14(+3外皮、+1サイズ)
hp 18(2d10+7)
頑健 +5、
反応 +0、
意志 +3
DR 5/冷たい鉄または善;
完全耐性 [電気]、
毒;
抵抗 [酸]10、[火]10、[冷気]10
攻撃
移動速度 20フィート
近接 爪(×2)=+4(1d4+1)、
噛みつき=+4(1d4+1)
擬似呪文能力 (術者レベル2)
一般データ
【筋】12、
【敏】10、
【耐】14、
【知】5、
【判】11、
【魅】11
基本攻撃 +2;
CMB +2;
CMD 12
特技 《追加hp》
技能 〈隠密〉+9、
〈脱出術〉+5、
〈知覚〉+5
言語 奈落語(話せない);
テレパシー 100フィート(奈落語を解する目標限定)
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、2体、徒党(3~5)、群れ(6~12)、大軍(13+)
宝物 なし
アビスで最も下級のデーモンではあるが、危険で破滅と恐怖を広めようという欲求に満ちている。卑しいドレッチは、自分たちの生きる領域で他者に蛮行を振るう欲望を実現するような力はないが、残酷であるのと同じくらい醜く堕落している。ドレッチの多くはより強力なデーモンの犠牲となるために存在しているが、ごく少数の幸運な者は進化できるほど長く生き延びることができる。
ドレッチは面白半分にアビスから召喚をしようとする者にとって格好の標的である。比較的弱く脅して従わせるのが容易いドレッチはしばしば、より弱体な敵にそのイライラと怒りをぶつける機会を与えるという漠然とした約束だけで長期間の服従を強いられる。しかしドレッチを召喚しようとする者は、このデーモンが来た時と同じように臆病で信用できないことを忘れないようにしなければならない。強力な敵に直面したドレッチは、哀れっぽく命は見逃してくれると、知っていることを易々としゃべってしまう。
ほとんどのデーモンと異なり、ドレッチはだらしのない性格と長い期間の肉体的な労働を厭うため、滅多に成功することがない。強化されたドレッチは稀であるが、自身が作り出された時よりもマシなものになることができたものは、しばしばアビスの貧民の王となり、蟲、破壊された魂、精神のないアンデッド、そして他のドレッチを残酷かつ過酷に支配する。僻地の街の下にある下水道の忘れ去られた片隅や、もっと分別のある精神のあるものに見捨てられた湿地の不安定な地区、デーモンでさえ不快、不潔と思うようなアビスのこの好ましからざる一角に、その帝国は置かれる。しかしドレッチ王にとって、その領域は帝国であり、哀れむべき執着心でそれを守る。
ドレッチは身の丈4フィート、体重180ポンド。ドレッチは典型的には怠惰で邪悪な魂から形成される。しかし魂の小さな欠片だけで、そのぞっとするような誕生の引き金となる。しばしば1つの魂でドレッチの小さな軍勢を顕現させることができ、新しく生まれたドレッチの軍勢がアビスのうねる原物質から引き剥がされていく光景は、本当に恐ろしく吐き気を催すようなものである。
この痩せたデーモンの口は鋭い牙でいっぱいだ。大きなコウモリに似た翼が鱗の生えた皮膚から伸びている。
ナバッスゥ 脅威度8 Nabasu
防御
AC 22、接触14、立ちすくみ18(+1回避、+8外皮、+3【敏】)
hp 103(9d10+54)
頑健 +9、
反応 +9、
意志 +9
DR 10/冷たい鉄または善;
完全耐性 [電気]、[即死]効果、
毒、
麻痺;
抵抗 [酸]10、[火]10、[冷気]10;
SR19
攻撃
移動速度 30フィート、
飛行60フィート(標準)
近接 爪(×2)=+15(1d6+6)、
噛みつき=+15(1d8+6)
特殊攻撃 急所攻撃+2d6、奪死の
凝視、むさぼり食らう
擬似呪文能力 (術者レベル8)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体
宝物 標準
特殊能力
むさぼり食らう(超常)/Consume Life ナバッスゥが凝視攻撃によってグールを作った場合、1ポイントの成長ポイントを得る。成長ポイントの総数に等しいボーナスを、攻撃ロール、戦技ロール、セーヴィング・スロー、術者レベル判定、技能判定に加える。また1成長ポイントごとに最大ヒット・ポイントが10増加し、擬似呪文能力の術者レベルが1上昇する。2成長ポイントごとに、外皮ボーナス、呪文抵抗、脅威度が1上昇する。成長ポイントを得た全ての場合に、DC30の術者レベル判定を行ない、成功した場合は即座にマチュア・ナバッスゥ(
アドヴァンスト・テンプレートと
ジャイアント・テンプレートを適用する)になり、煙を噴き出しながらアビスへと
プレイン・シフトする。ナバッスゥは最大20成長ポイントまでを保持することができ、20ポイントに届いた時点でまだそうなっていなければ自動的にマチュアになる。
奪死の凝視(超常)/Death-Stealing Gaze 1日に1成長ポイントごとに1回(最低1日1回)、1回のフリー・アクションとして、ナバッスゥは自身の奪死の
凝視を1ラウンドの間活性化することができる。30フィート以内にいる全ての生きているクリーチャーはDC18の頑健セーヴを行わなければならず、失敗した場合は1レベルの負のレベルを被る。この方法で殺害された人型生物は、即座にナバッスゥの支配下にある
グールに形質変化する。1体のナバッスゥの凝視は1ラウンドに1体の
グールしか作ることができない。1ラウンドに凝視によって複数の人型生物を滅ぼした場合、ナバッスゥはどの人型生物を
グールにするか選択する。セーヴDCは【魅力】修正値に基づいて算出されている。
ナバッスゥはアビスから直接物質界に誕生し、成熟するために無垢な魂を貪り食う。ナバッスゥは飽食した場合にのみアビスへ戻ることができる。噂によれば、ナバッスゥの生活環はこれからも変わることはないが、成長を続ければさらなる進化が待っているという。この有害なデーモンは、暴食をなした邪悪な魂、特に同族食い、血飲み、アンデッドの肉の味を好んだ者の魂から形成される。
この肥満したそびえ立つ野獣めいたフィーンドは、ぞっとするような猪のような頭と、先端が太い4本指になった腕を持つ。
ナルフェシュネー 脅威度14 Nalfeshnee
防御
AC 29、接触13、立ちすくみ28(+16外皮、-2サイズ、+4反発、+1【敏】)
hp 203(14d10+126)
頑健 +22、
反応 +9、
意志 +21
DR 10/善;
完全耐性 [電気]、
毒;
抵抗 [酸]10、[火]10、[冷気]10;
SR 25
攻撃
移動速度 30フィート、
飛行40フィート(貧弱)
近接 噛みつき=+23(3d8+11/19~20)、
爪(×2)=+23(2d6+11)
接敵面 15フィート;
間合い 15フィート
特殊攻撃 不浄なる後光
擬似呪文能力 (術者レベル12)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、戦闘集団(ナルフェシュネー1、ヘズロウ1、およびヴロック2~5)
宝物 標準
特殊能力
不浄なる後光(超常)/Unholy Nimbus 1日に3回、1回のフリー・アクションとして、ナルフェシュネーは不浄なる後光を発し、その身体の周りに吐き気を催すようなゆらめく色彩の帯が立ち上がる。1ラウンド後、光は半径60フィート爆発の範囲内に広がる。この範囲内にいるデーモンではない全てのクリーチャーはDC22の意志セーヴを行わなければならず、失敗した場合は狂気に満ちた幻にとりつかれ、1d10ラウンドの間
幻惑状態になる。セーヴDCは【魅力】修正値に基づいて算出されている。
ナルフェシュネーのようにアビスの内的な働きを理解しているデーモンはほとんどおらず、またナルフェシュネーがデーモン・ロードではなくアビス自体に仕えているように見えることは稀ではない。ある者は新しくデーモンが生まれる肉の領域の世話役であると主張し、他のものは次元界の秘密の場所にある特に重要な深い場所を守る。しばしば、ナルフェシュネーのアビスの領域は力においても広さにおいても定命の者の最大の王国をしのぐ。ナルフェシュネーの並外れた才能はアビスの混沌を管理し命令することだからである。定命の召喚者はしばしば彼らの並ぶ者なき狂った知性を求めて呼び出すが、このようなデーモンと取引をする際には、望ましくない結果が隠されていないか徹底的に調査するよう注意しなければならない。ナルフェシュネーが同意することは、何らかの邪悪な方法でアビスの欲求と願望を推し進めることでない場合はほとんどないからである。
ナルフェシュネーは身の丈20フィート、体重8,000ポンド。強欲で邪悪な定命の者、特に奴隷制、窃盗、略奪、そしてより甚だしい悪徳の帝国を支配した者の魂から形作られる。
このやせ衰えた姿は、骨にぴったりしたヌルヌルする革で覆われた、角のある人間の骸骨のように見える。
ババウ CR6 Babau
防御
AC 19、接触11、立ちすくみ18(+8外皮、+1【敏】)
HP 73(7d10+35)
頑健 +10、
反応 +6、
意志 +5
防御能力 防御の粘液;
ダメージ減少 10/冷たい鉄または善;
完全耐性 [雷撃]、
毒;
抵抗 [強酸] 10、[火炎]10、[氷雪] 10;
呪文抵抗17
攻撃
移動速度 30フィート
近接 爪(×2)=+12(1d6+5)、
噛みつき=+12(1d6+5)またはロングスピア=+12/+7(1d8+7/×3)、
噛みつき=+7(1d6+2)
接敵面 5フィート;
間合い 5フィート(ロングスピアは10フィート)
特殊攻撃 急所攻撃+2d6
擬似呪文能力 (術者レベル7)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、2体、徒党(3~8)
宝物 標準(ロングスピア、その他の宝物)
特殊能力
防御の粘液(超常)/Protective Slime 酸性の粘液の膜がババウの皮膚を覆っている。ババウに肉体武器か素手打撃を命中させたクリーチャーはDC18の反応セーヴに成功しなければ、この粘液によって1d8ポイントの[強酸]ダメージを受ける。近接武器によってババウに攻撃を命中させたクリーチャーは、DC18の反応セーヴを行わなければならず、失敗した場合はその武器に1d8ポイントの[強酸]ダメージを受ける。このダメージが武器の硬度を超えた場合、その武器は
破損状態になる。ババウに命中した矢弾はダメージを与えた後に自動的に破壊される。
ババウは暗殺者、殺人者、嗜虐趣味者だ――確実にデーモンの中では珍しくもない特徴だ――が、ババウの隠密と奇襲への偏向は一般の精妙さに欠ける同類からかけ離れたものである。食事をする必要がない(ほとんどのババウは定命の者の肉を細長いザラザラした舌で賞味するが)ため、何年も何十年も奇襲をするために待ち続けることができる。彼らのよく計画された殺人の準備のための非人間的な忍耐力も、アビスの他の住人からはかけ離れている。ババウは殺人行為に執着し、その陰惨な行為を大いに誇りにしており、しばしば個性的な手口やぞっとするような記念品、その他の冒涜的な証拠物など、何らかの形の不気味な徴や曖昧な署名を後に残す。
典型的なババウはロングスピアやその他の敵の間合いの外側から攻撃できるような武器を携帯するが、機会があれば、自身の歯と爪で戦うことを好む。彼らの肉体から絶えず滴る腐食性の汁のため、特別に処置された物や酸への抵抗力を持つ物でない鎧を着ることはできない。
ババウは身の丈6フィート、体重は140ポンドだけである。彼らは生前は個人的に親密な者を殺害することに喜びを見出していた孤独な殺人者の魂から形作られる。物質界を離れても、ババウはしばしば自分が、世界の薄暗い一角をうろつき回る良心の呵責なき暗殺者という同じ役割でいることに気がつく。
この翼のあるフィーンドの角の生えた頭部と牙を持つ顔は、完璧な悪魔の姿をあらわすものである。肉体からは炎が噴き上がっている。
バロール 脅威度20 Balor
防御
AC 36、接触20、立ちすくみ29(+16外皮、-1サイズ、+4反発、+7【敏】)
hp 370(20d10+260)
頑健 +29、
反応 +17、
意志 +25
DR 15/冷たい鉄および善;
完全耐性 [電気]、[火]、
毒;
抵抗 [酸]10、[冷気]10;
SR 31
攻撃
移動速度 40フィート、
飛行90フィート(良好)
近接 +1ヴォーパル・アンホーリィ・ロングソード=+31/+26/+21/+16(2d6+13)、
+1ヴォーパル・フレイミング・ウィップ=+30/+25/+20(1d4+7、加えて1d6[火]および“絡みつき”)または
叩きつけ(×2)=+31(1d10+12)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート(ウィップは20フィート)
擬似呪文能力 (術者レベル20)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、戦闘集団(バロール1および
グラブレズゥ2~5)
宝物 標準(
+1アンホーリィ・ロングソード、
+1フレイミング・ウィップ、その他の宝物)
特殊能力
断末魔の爆発(超常)/Death Throes 殺されると同時に、バロールは目もくらむような閃光と共に爆発し、100フィート以内にいる全ての者に100ポイントのダメージ(半分は[火]ダメージ、半分は不浄ダメージ)を与える(反応・DC33・半減)。セーヴDCは【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
絡みつき(変則)/Entangle バロールが鞭を中型以下のサイズの敵に命中させれば、機会攻撃を誘発することなく即座に組みつき判定を試みることができる。バロールが勝った場合、敵はバロールに隣接するマスまで引き寄せられる。敵は
組みつき状態になるが、バロールはそうはならない。
炎に包まれた身体(超常)/Flaming Body バロールの身体のまわりには炎が渦巻いている。バロールに肉体武器や素手打撃で命中を与えたクリーチャーは1d6ポイントの[火]ダメージを受ける。バロールに組みついたり組みつかれたりしたクリーチャーは、組みつきが続く限り毎ラウンド6d6ポイントの[火]ダメージを受ける。
首切り攻撃(超常)/Vorpal Strike バロールの振るう全ての斬撃武器(通常のロングソードとウィップを含む)は
ヴォーパル武器としての特殊能力を得る。バロールの手から離れた後も1時間の間武器はこの特殊能力を保持するが、その後武器の魔法能力は(もしあれば)通常の状態に戻る。
ウィップ体得(変則)/Whip Mastery バロールは二刀流に関してはウィップを軽い武器として扱い、敵の鎧に関わらず致傷ダメージを与えることができる。
人々がデーモンの恐怖譚をささやく場合、最も思い描かれるものは、そびえたつような炎と肉体、炎をまとう鞭と剣で武装し、新たな犠牲を求めて夜空を突っ切ってくる角のある悪夢である。人々が恐れるこのデーモンはバロール。それを恐怖するのは正当なことである。なぜなら力でも凶暴性でもバロールに匹敵するデーモンはほとんどいないからだ。
アビスでは、バロールのほとんどがデーモン・ロードに将軍または指揮官として仕える(そうしないバロールはさらに有力なものであり、バロールの王として知られる。下記参照)。典型的なバロールは無数のデーモンの軍団を指揮し、これらの奴隷兵と熱烈な配下を戦場で戦わせるが、バロールは怯惰とは程遠い。戦闘に参加する機会が訪れた場合、思い止まることを選ぶバロールはほとんどいない。
戦闘に際しては、バロールは近接攻撃の間合いを避けるほど賢い敵と戦う際には擬似呪文能力を用いる。
ファイアー・ストームや
インプロージョンの破壊的な威力を好み、生け捕りにしたいと思うような稀な敵に対しては
ドミネイト・モンスターを使用する。バロールは通常遠隔武器を武器落とししたり、敵を近接攻撃の間合いに引き寄せるために
テレキネシスを用いる。高速化
テレキネシスで後者の戦術を行えば、バロールは
無防備状態の敵に全力攻撃を叩き込むことができる。ヒット・ポイントが50未満になったバロールはほとんど常に瞬間移動で逃走しようとするが、これと飛行が不可能だと分かった場合は、殺された時に断末魔の爆発が敵にとって可能な限り痛烈になるような位置を占めようとする。
バロールは身の丈14フィート、体重4,500ポンド。最も残酷な定命の者の魂のみがバロールを創造させることができる。他のほとんどのデーモンの場合と異なり、新たなバロールの誕生の引き金となるには多くの場合、複数の強力な悪人の魂が必要となる。
バロールの王
典型的なバロールよりさらに恐るべきものは、デーモン・ロードを主と呼ばず、自分自身を主とする。典型的なバロールの王は、その住まう領域の広さの半分以下の地域を統治する(デーモン・ロードは1つのアビスの領域全体を支配する)。ほとんどのバロールの王はもっと小さな地域を統治する(一般的に1つの大陸に相当する大きさの範囲)が、その力は実に巨大である。
典型的にはバロールの王は脅威度21~25のモンスターである(この範囲はさまざまな唯一の存在であるデーモン・ロードが生まれたばかりのときと同等である。脅威度26以上はデーモン・ロードだけの領域である)。これらは長期間のキャンペーンの最後の敵としてかなり適している。バロールの王の大多数は数レベルのバーバリアン、ファイター、レンジャー(レンジャーのバーバリアンは決して動物の相棒をもつことはない)のレベルをとっているが、一部の者はかわりにバード、ローグ、ソーサラー、ウィザードのレベルをとる。彼らは自分自身を崇拝の対象としているため、クレリックのバロールの王は知られていない。しかしながら、デーモン・ロードや悪の神々に直接仕える強力なクレリックであるバロールの王の噂はずっとある。
バロールの王がクラス・レベルから得る全ての長所に加えて、全てのバロールの王は、種族とクラスによって与えられている物に加えて、追加で特有の特殊能力を1つ有する。ここに列挙されている3つはバロールの王の特殊能力の例であるが、これらの例がバロールの王が振るうかもしれない奇妙な力の全てという訳では全くない。
生命吸収(超常)/Lifedrinker バロールの王が生きている敵を殺した場合はいつでも、
ヒール呪文(術者レベル20)の効果を受ける。この特殊能力は1ラウンドに1回だけ効果を生じる。
魔法の達人(超常)/Master of Magic バロールの王は追加の
擬似呪文能力を有する(呪文レベルの合計が20までの1~4レベル呪文を回数無制限で、呪文レベルの合計が20までの5~8レベル呪文を1日3回)。
霊魂吸引(超常)/Soul Swallow 1回の標準アクションとして、バロールの王は30フィート以内にいる生きているクリーチャー1体の魂を吸入することができる。目標はDC(10+バロールの王の種族ヒット・ダイスの1/2+バロールの王の【魅力】修正値)の頑健セーヴを行わなければならず、失敗した場合死亡する。このように殺された人型生物クリーチャーの身体は即座にバロールの王の支配下にあるデーモン(
ババウ、
サキュバス、
シャドウ・デーモンのうち、バロールの王の気まぐれによる)に形質変化する。
このフィーンドの鎧のような肉体は鱗があり湿気を帯びている。歯がたくさん生えた大きな口が、一対の飢えた爬虫類のような目の下に開いている。
ヘズロウ 脅威度11 Hezrou
防御
AC 25、接触9、立ちすくみ25(+16外皮、-1サイズ)
hp 145(10d10+90)
頑健 +16、
反応 +3、
意志 +9
DR 10/善;
完全耐性 [電気]、
毒;
抵抗 [酸]10、[火]10、[冷気]10;
SR 22
攻撃
移動速度 30フィート、水泳30フィート
近接 噛みつき=+17(4d4+8、加えて“
つかみ”)、
爪(×2)=+17(1d8+8、加えて“
つかみ”)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 吐き気
擬似呪文能力 (術者レベル13)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/沼地(奈落界アビス)
編成 単体、徒党(2~4)
宝物 標準
特殊能力
吐き気(変則)/Nausea ヘズロウの肉体からは常に吐き気を催す悪臭を放つ液体が分泌されており、組みついたクリーチャーにとりわけ有害となる。ヘズロウに組みつかれたクリーチャーは、毎ラウンド、DC24の頑健セーヴを行わなければならず、失敗した場合は
吐き気がする状態となる。このように
吐き気がする状態となったクリーチャーは、DC24の頑健セーヴに成功するか、ヘズロウに
組みつき状態でなくなってから1分間が経過した後か、どちらかの状態が訪れるまでは、そのままである。セーヴDCは【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
ヘズロウは広大なアビスの湿地、沼、水路に住み、陸上でも水中でも等しく快適に過ごしている。ヘズロウの存在は周囲の植物と水質に明白に影響し、植物は捩れ節くれだち、水は腐臭を放ち刺激的な味がするようになる。物質界ではアビスよりさらに兆候はよく見て取れるようになる。このような汚染に長くさらされると、有害な変形やぞっとするような奇形が出てくるようになる。しばしば、辺境の水場近くの共同体全体が奇形の変異体である場合は、彼らの歪んだ顔立ちは近親婚や低栄養のせいであるよりも、ヘズロウが近くにいるためであることのほうが多い。
かなり知的ではあるが、ヘズロウは公平に言ってその知性を無駄にしている。彼らは睡眠、ぞくぞくするような拷問、生きている食べ物をほおばる至福、固く握った拳で何か美しいものを砕き粉々にする喜びといった単純な楽しみを好む。帝国を建設したりカルト教団を導いたりといったことは余り望まないが、このデーモンに仕えようとやって来る配下志望者をヘズロウが追い払うことは滅多にない。
この極悪非道の獣的なクリーチャーは、麻薬中毒者、暗殺者、実験が環境を汚染することなど気にもかけない錬金術者のような、自分自身や仲間、周囲に毒を撒き散らした邪悪な定命の者の魂から形作られる。
この蛇の身体をしたフィ-ンドは、尖った耳とキラキラ光る異界的な目をした6本腕の女性の上半身を有する。
マリリス 脅威度17 Marilith
防御
AC 32、接触17、立ちすくみ28(+15外皮、-1サイズ、+4反発、+4【敏】)
hp 264(16d10+176)
頑健 +25、
反応 +18、
意志 +13
DR 10/冷たい鉄および善;
完全耐性 [電気]、
毒;
抵抗 [酸]10、[火]10、[冷気]10;
SR 28
攻撃
移動速度 40フィート
近接 +1ロングソード=+24/+19/+14/+9(2d6+8/17~20)、
+1ロングソード(×5)=+24(2d6+4/17~20)、
尾の打撃=+17(2d6+3、加えて“
つかみ”)または
叩きつけ(×6)=+22(1d8+7)、
尾の打撃=+17(2d6+3、加えて“
つかみ”)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 締めつけ(
尾の打撃、2d6+10、加えて 締め砕くとぐろ)、多刀流体得、武器注入
擬似呪文能力 (術者レベル16)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス)
編成 単体、2体、小隊(マリリス1、
グラブレズゥ1~3、および
ババウ3~14)
宝物 ×2(6高品質のロングソード、その他の宝物)
特殊能力
締め砕くとぐろ(変則)/Crushing Coils マリリスの締めつけ攻撃によってダメージを受けたクリーチャーは、DC25の頑健セーヴを行わなければならない。失敗した場合、1d8ラウンドの間、
気絶状態になる。セーヴDCは【筋力】修正値に基づいて算出されている。
武器注入(超常)/Infuse Weapon マリリスの振るういかなる武器も、命中とダメージに+1の強化ボーナスを得、混沌と悪の属性を持つ冷たい鉄製の武器であるかのように扱う(それに加え、実際に構成している特殊能力はそのまま保持する)。
多刀流体得(変則)/Multiweapon Mastery マリリスは複数の武器で戦っても攻撃ロールにペナルティを被らない。
奈落の軍勢の指導者であり、奈落の国々の女王である恐るべきマリリスは、デーモン・ロードたちに女領主、助言者、さらには愛人として扱われるが、その輝かしい戦術能力のため、彼女らが最も求められるのは将軍や軍隊の指揮官としてである。最も強力なマリリスは誰にも仕えず、かわりに貪欲なフィーンドの軍団を率いる。
マリリスは身の丈6~9フィートで、頭から尾の先までは20フィート。体重は4,000ポンド。最も傲慢で高慢な悪の魂、典型的には冷酷な王、嗜虐的な将軍、並外れて暴力的な戦王などだけが、マリリスを顕現させることができる。
最終更新:2016年10月30日 04:40