バグベアは他の人型生物が夜に恐れる存在である。彼らは狂える殺し屋であり、食糧や住み処を探しに行くように恐怖と苦痛、惨劇を与えに行く。バグベアは他のクリーチャーなど、自分の家族でさえも気にかけない。彼らは暗き激動を満たす最良の方法を探す以外の動機を持たない。
バグベアとその色の抜け落ちた雪上を歩く従兄弟の
ウィカワクは最大のゴブリン類であり、全長7フィート近く――ただしそれは背筋をぴんと伸ばした場合の話で、ほとんどのバグベアは猫背でいることを好む。このがっしりとしたクリーチャーの重さは400ポンド(
ウィカワクなら450ポンド)。彼らの顔は
ゴブリンや
ホブゴブリンに似ているが、ずんぐりとして大きな顔をしている。その顔は毛に覆われていないが、それ以外の部分は深い毛で覆われており、変な角度に曲がったりもじゃもじゃになっていることも多い。そのがっしりとした筋肉と巨大な身体にもかかわらず、バグベアは驚くほどしなやかに動き、隠れる。バグベアが獲物の後をつける姿を見ると狼狽えるだろう。彼らは頭が大きいにもかかわらず、小さな隙間を音もなくすり抜ける。
他のゴブリン類と比べて、バグベアは一人で過ごすことが多い。弱いものを連れ回すことを嫌い、他人の力を必要とするときには、それが例え氏族や直接の家族であってさえ生理的な不信感を抱くためだ。それが特に当てはまるのが
ウィカワクで、村を襲撃するときや交配の時にのみ、一時的に徒党を組む。バグベアも
ウィカワクも一人で生存するのに適している――その素晴らしい感覚は、十分遠くにいる内に脅威に気付くことができ、強すぎる場合には避けることができるし、生来の隠密能力のお陰で隠れた寝床や生活用品を収めている場所を気付かれることなく旅をすることができる。もちろん、バグベア1体では病気や傷ついたときには狩られるほど弱くなる。このように身体が弱くなったときには、彼らは用心深くなる。傷ついたバグベアはほとんど危険のないほど弱い獲物を自力で探すが、同時にその獲物は数週間~数ヶ月の間苦しめられても耐えられるだけ強くあればいいと願う。
一人で過ごすバグベアが年老いて衰弱すると、過去の栄光を支えに入れる集団に加わることを納得するか、影に隠れて全ての危険と病気を避けようとする。バグベアは寛容なクリーチャーではないが、かなりの大きさのバグベア氏族は2つの理由から高齢者を受け入れる。1つ目の理由は、新参者は衰弱しているため、氏族の既存の指導者を脅かす可能性は低いことだ。2つ目の理由は、高齢のバグベアは狡猾なバグベアだと考えられるため、音もなく忍び寄り殺す術を知っているかもしれないことだ。バグベアは他の大抵の形で知識を用いることは皆無だが、こういった者達が伝える信頼できる指導や逸話は、学究的な意味でも娯楽的な意味でも価値を見出される。
一般的なバグベアの氏族は互いに長い間裏切った歴史を持たない家族に過ぎない。そのため極度に分解しやすい。あるバグベアは離れた獲物よりも氏族の一員を襲おうとするかもしれないし、食糧や住み処のためにバグベアの家族はしばしば争う。特に理由も無く他人を攻撃するバグベアもいるかもしれない。法もなく、長く続く伝統もないため、一つの事件が全面的な衝突になることを止める術がない。衝突の結果、壊れやすい氏族はばらばらになることも多い。ただし、新しい指導者が殺戮の中立ち上がり、法まがいのものを押しつければ別だ。
安定したバグベアの社会はほとんど無いが、以下の2つの種類に分けられることが多い。バグベア居住区と結社である。バグベア居住区は複数のクリーチャーがずっと安定した統治の法(と監視の目)の下に生活している。それは巨人や竜といった強力な支配者1人によるものである場合もある。このような支配者は強力であるか、その支配下でバグベアが問題を起こさないような、十分な恐怖を与えるほどの存在でなければならない。そのような支配者はバグベアを密偵や拷問吏、秘密警察として雇う。彼らは生まれつき無慈悲で油断せず、他の派閥と距離を保つため重宝される。
バグベア居住区は時により組織化された形を取ることがある。それは特に、
ホブゴブリンに属した場合だ。このような場合、バグベアは第二級市民として扱われ、斥候や兵士として働くよう義務づけられる。それぞれのバグベアは上のホブゴブリンを殺すことができるだろうが、組織化された
ホブゴブリンの軍隊はしばしば群れることがなく利己的なバグベアを抑え、ホブゴブリンの法に対する反乱を打ち砕く。
このような秩序だった社会にいるバグベアは自由なものに比べるとずっと野蛮で怒りやすいことが多く、彼らが望む混乱や暴力を生み出せない制限に常に怒りを抱いている。一人で生きようと逃げるものもいるが、優れた組織の軍隊や絶対権力は、「逆らって死ぬよりも我慢して生き残る方がましだ」とバグベアの小さな集団に信じさせることができる。
バグベア社会の二つ目の形はずっと珍しい結社である。これはバグベアの小集団が大人数の他の人型生物――
オーク、
ゴブリン、
コボルドが多い――を支配するものだ。言葉の意味を考えるに、バグベアの結社は政府は愚か氏族とさえ考えることができない。それは強盗団であり、純粋な暴力と強奪によって他の集団をうまく操っているに過ぎない。結社は共同体の最終決定権を持つが、統治の詳細は支配下にある集団に任される。
結社の代理人という存在はその居住地における最高の地位のように見える。しかしバグベアは最も重要な代理人を怯えさせることを、下僕に恐怖と惨劇をもたらす事と同じように好む。バグベアの結社は恐怖と力を無作為に誇示することで支配する。そのためその部下はすぐに、生き残る最高の方法は一切の興味を惹きつけないことだと知る。しかし、誰かが政府のこの需要を蒙らなければならないため、バグベアは一般大衆の高齢者にそういった仕事をさせ、責務を果たせない場合には拷問を加える。
バグベアの完全なデータは
Bestiary の該当する項目に掲載されている。
以下の項ではバグベアと
ウィカワクが好むアーキタイプ、新しい特技、呪文、そして魔法のアイテムをいくつか掲載している。
最も残虐で血に飢えたバグベアが、アンティパラディンの外套を羽織る。彼らは通常、その不浄な力で可能な限り恐怖をもたらす。
恐怖を撒くものは苦痛、惨劇、混乱をもたらすことだけを求める。彼らは敵に恐怖を撒き、大衆全てにそれを広がらせる。恐怖を撒くものアーキタイプは、アンティパラディン代替クラスのみに適用することができる。
恐怖喰い(超常)/Feed on Fear:2レベルの時点で、恐怖を撒くものの呪文や
擬似呪文能力、超常能力(クリーチャーを
怯え状態、
恐れ状態、
恐慌状態にする能力も含む)で生み出された[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローにそのラウンドで最初にクリーチャーが失敗すると、恐怖を撒くものは2アンティパラディン・レベル毎に1ポイントだけ回復する。この能力が起動した際にヒット・ポイントが最大値の場合、恐怖を撒くものは代わりに等しい値の一時的ヒット・ポイントを得る。この一時的ヒット・ポイントは1分間だけ持続する。複数回この能力の使用に成功したとしても、この能力で得られる一時的ヒット・ポイントは累積しない。代わりにその持続時間が累積する。
恐怖を撒くものはこの能力を、1日にアンティパラディン・レベルの半分+【魅力】ボーナスに等しい回数だけ使用することができる。この能力は
腐敗の接触を置き換える。
恐怖呼ぶ無慈悲(超常)/Frightening Cruelty:恐怖を撒くものは3レベルの時点で得られる
無慈悲に
怯え状態を、6レベルの時点で得られる
無慈悲に
幻惑状態を、9レベルの時点で得られる
無慈悲に
恐れ状態を選択しなければならない。12レベルの時点で、恐怖を撒くものは
無慈悲で与える状態異常に
恐慌状態を加える。
以下の特技はバグベアの中では一般的なものだ。
君は侮辱するために傷を加える方法を知っている。
前提条件:【筋】13、
《強打》。
利益:君が
〈威圧〉判定によって近接攻撃の間合いにいる敵の士気をくじくことに成功したなら、君は即行アクションとしてそのクリーチャーに対して1回の近接攻撃を行うことができる。君の攻撃が目標にダメージを与えられなかった場合、士気をくじくことで与えた
怯え状態は直ちに終了する。
君は気付いていない敵を速やかに押さえつける。
前提条件:【敏】13、
《組みつき強化》、
《素手打撃強化》。
利益:
立ちすくみ状態のクリーチャーが君の存在を気付いておらず、その相手に対する組みつきに成功したなら、君はフリー・アクションとして、その敵を
押さえ込まれた状態にするために2回目の組みつき戦技判定を試みることができる。
《絞め落とし》を有しているならば、君はこの2回目の戦技判定で代わりにこの特技の効果を開始しようと試みることができる。
君はいつまでも敵を恐怖で震えさせる。
前提条件:【筋】13、
《痛めつけ》、
《強打》。
利益:1ラウンドに1回、既に
怯え状態、
恐れ状態、
恐慌状態のいずれかであるクリーチャーに君がダメージを与えたなら、君はそのダメージを半分にする代わりに、その[恐怖]状態の持続時間を1ラウンドだけ伸ばすことができる。
君は突然の恐ろしい絶叫により、敵の士気をくじくことができる。
前提条件:
《腕力による威圧》。
利益:戦闘の不意討ちラウンドに行動する際、君はフリー・アクションとして、君の姿を見、声を聞くことのできる30フィート以内のクリーチャー1体の士気をくじくために
〈威圧〉判定を1回試みることができる。
君は敵を一時的によろめかせるために、どこに一打を加えればいいかを知っている。
前提条件:【筋】13、
《強打》、
《渾身の一打》、基本攻撃ボーナス+8。
利益:
《渾身の一打》を用いて敵に攻撃を行う際、君は自分の攻撃ロールに-2のペナルティを受けることで、よろめき化打撃を行うことができる。攻撃ロールを行う前にこの選択を行わなければならない。攻撃が成功したなら、目標は頑健セーヴィング・スロー(DC=10+君のキャラクター・レベルの半分+君の【筋力】修正値)を行わねばならず、失敗すると君の次のターンの開始まで
よろめき状態となる。君のよろめき化打撃の効果を避けるためのセーヴに失敗したクリーチャーは、以後24時間の間この特技の効果に
完全耐性を得る。
アンデッド、
植物、
人造、
粘体、(
非実体)クリーチャー、クリティカル・ヒットに
完全耐性を持つクリーチャーは、この効果に
完全耐性を持つ。
君はラッソで敵を締めることができる。
前提条件:
《特殊武器習熟:ラッソ》、
《武器熟練:ラッソ》。
利益:君がラッソを用いてクリーチャーを
絡みつかれた状態にすることに成功し、目標の戦技防御値を5以上上回ったなら、目標は囁き声以上の大きさで会話できなくなる。加えて音声要素を持つ呪文の発動、合言葉を持つアイテムの使用、発声を必要とする魔法の使用を行うには、精神集中判定(難易度=20+君の戦技ボーナス+呪文レベル)に成功しなければならない。加えて、ラッソから逃れるために行う
〈脱出術〉の難易度は、15か君の戦技防御値か、いずれか高い方を用いる。
君が敵を怯えさせる能力は、敵が行動をためらうほど素晴らしいものだ。
前提条件:
《腕力による威圧》。
利益:君は近接攻撃範囲のクリーチャーに対してフェイントを試みる際、
〈はったり〉の代わりに
〈威圧〉を使用することができる。
バグベアの呪文の使い手は獲物に支援が届かないようにする。
アイソレイト
Isolate/孤立
系統:幻術(幻覚);
レベル:アンティパラディン3、インクィジター3、ウィザード/ソーサラー3、ウィッチ3、バード3
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:接触したクリーチャー
持続時間:1ラウンド/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:意志・不完全;
呪文抵抗:可
術者は目標を
不可視状態かつ音が出ないようにするが、この効果は目標の仲間に対してのみ作用する。目標に中立的かそれより悪い
態度を持つクリーチャーや目標を傷つけたいと思うクリーチャーは、目標を通常通り見ることができる。目標は自分の姿を見、声を聞くことができ、音声要素の呪文を発動することもでき、合言葉を口にすることも通常通り行えるが、仲間にその目標の姿を見、声を聞くことを要求する効果は機能しない。
不可視状態のクリーチャーを見ることのできる仲間は、
アイソレイトの目標の姿を見、声を聞くことができる。
目標がセーヴに成功した場合、この呪文の持続時間は1ラウンドに減少する。
いかなるクリーチャーも以下のその他の魔法のアイテムを使用することができるが、特にバグベアの中で人気がある。
エリクサー・オヴ・オプレッション
この霊薬は、通常トゥーム・ヘラルド(訳注:墓所の先触れ、程度の意。ゴラリオン世界のキイチゴの一種)のジュースから作られるが、他の作成方法も知られている。このアイテムはクリーチャーに恐怖を嗅ぎ分ける嗅覚を与え、恐ろしいクリーチャーに出会った際には使用者に血の渇きを与える。使用者は嗅覚により
〈知覚〉判定に+4の技量ボーナスを得ると共に、DC15の
〈知覚〉判定に成功すれば、クリーチャーは嗅覚で
怯え状態、
恐れ状態、
恐慌状態のいずれであるかを識別することができる。クリーチャーの状態が識別できれば、使用者はその敵に対して行う攻撃ロールと、対抗技能判定に+2の士気ボーナスを与える。
この効果は1d4+1時間だけ持続する。クリーチャーが1つ目を飲んで24時間以内に2つ目のエリクサー・オヴ・オプレッションを飲んだなら、24時間の間不調状態となり、2つ目の利益は得られない。
ホラー・ダスト
(
Horror Dust/恐怖の塵)
市価 600GP;
装備部位 なし;
術者レベル 3;
重量 ―;
オーラ 微弱・死霊術
ホラー・ダストはナイトメアの一部をすりつぶしたものだ。これはガラス製の瓶に入っており、射程単位10フィートの飛散武器として投擲することができる。ぶつかると砕け、幻覚魔法の雲が半径20フィートに広がる。この雲は効果を受けたものに恐ろしい幻視を見せ、幻の絶叫を聞かせる。この範囲にいる目標はDC13の意志セーヴを行わねばならず、失敗すると1d6ラウンドの間
怯え状態となる。直接
ホラー・ダストが命中したクリーチャーがセーヴに失敗すると、加えて1ラウンドの間
混乱状態になる。ゴブリン類は
ホラー・ダストで作られた幻視を楽しむため、この[恐怖]効果に
完全耐性を持つ。
バグベアの例 Example Bugbears
バグベアの獣肉喰らい Bugbear Cannibals
バグベアは知性のあるクリーチャーの肉を好むが、同種の肉を喰らうよりは他のものを食べることを好む。彼らはしばしば何週間もの間虜囚の一団を飼っておき、時が来るとそれを一度に殺して食べてしまう。
防御
AC 21、接触12、立ちすくみ17(+3外皮、-2激怒、+4【敏】、+6鎧)
HP 53(5HD;3d8+2d12+22)
頑健 +9、
反応 +8、
意志 +3
防御能力 直感回避
攻撃
移動速度 30フィート
近接 高品質のファルシオン=+11(2d4+9/18~20)、噛みつき=+5(1d4+3)
遠隔 ジャヴェリン=+8(1d6+6)
特殊攻撃 激怒(8ラウンド/日)、
激怒パワー(
獣の憤怒)
戦術
戦闘前 歯ぎしり男は
激怒を使用する前に、獲物に密かに近づこうとする。
基本データ 激怒していない場合、歯ぎしり男のデータは以下の通り。
AC 22、接触13、立ちすくみ19;
HP 41;
頑健 +7、
意志 +1;
近接 高品質のファルシオン=+10(2d4+9/18~20);
【筋】18、
【耐】 14;
CMB +8;
技能 〈威圧〉+15。
一般データ
防御
AC 23、接触10、立ちすくみ19(+6外皮、-2激怒、-1サイズ、+3【敏】、+7鎧)
HP 99(8HD;3d8+5d12+48)
頑健 +12、
反応 +8、
意志 +5
防御能力 直感回避強化、
罠感知+1
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1ファルシオン=+15/+10(2d6+13/18~20)
遠隔 高品質のジャヴェリン=+10(1d8+8)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 激怒(16ラウンド/日)、
激怒パワー(
獣の憤怒、
力任せの一打)
戦術
戦闘前 大肉喰らいは
激怒し突撃する。
基本データ 激怒していない場合、大肉喰らいのデータは以下の通り。
AC 24、接触12、立ちすくみ21;
HP 83;
頑健 +10、
意志 +3;
近接 +1ファルシオン=+13/+8(2d6+10/18~20);
遠隔 高品質のジャヴェリン=+10(1d8+6);
【筋】22、
【耐】 18;
CMB +14;
技能 〈威圧〉+21。
一般データ
バグベアの狩人 Bugbear Hunters
自然の中を忍び寄る、バグベアの狩人はその残虐さを実践できるよう、常に食糧や犠牲者になり得るものに目を光らせている。一般に、彼らは縄張りを持ち忍耐力が強く、都市から助けを得られないほど遠くまで離れた旅行者を捕食する機会を得ると身震いする。
防御
AC 20、接触13、立ちすくみ17(+3外皮、+3【敏】、+4鎧)
HP 41(6HD;3d8+3d10+12)
頑健 +6、反応 +9、意志 +4
攻撃
移動速度 30フィート
近接 高品質のシミター=+9(1d6+3/18~20)
遠隔 +1コンポジット・ロングボウ=+10(1d8+4/×3)
特殊攻撃 得意な敵(人間+2)
戦術
戦闘前 静殺者は敵を追跡し、離れたところから呪文の使い手と人間を狙い撃つ。
戦闘中 静殺者はボウで戦い、シミターに武器を替えるまで、可能な限り
《近距離射撃》や
《致命的な狙い》で優位を保つ。
一般データ
防御
AC 25、接触14、立ちすくみ22(+1回避、+5外皮、+1盾、+1反発、+2【敏】、+5鎧)
HP 90(11HD;3d8+8d10+33)
頑健 +11、反応 +12、意志 +7
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1ロングソード=+14/+9(1d8+6/19~20)、
+1ショート・ソード=+14(1d6+3/19~20)
遠隔 高品質のダガー=+11(1d4+5/19~20)
特殊攻撃 得意な敵(エルフ+4、ノーム+2)、
罠(7回/日;DC17;
足輪の罠、pit trap、tar trap)
戦術
戦闘前 奇襲兵は足跡や水飲み場に罠を仕掛け、罠にはまったものに飛びかかる。
戦闘中 最初に、奇襲兵は罠に引っかかっていない目標に攻撃を集中させる。それらを片付けると、奇襲兵は残った犠牲者をゆっくり苦しめる時間を取る。
一般データ
バグベアの信徒 Bugbear Cultist
自分を預言者だと主張する大げさな狂信者が率いるバグベアの教団は、小さく長続きしないことが多い。狂信者は自分が世界を脅かすに値する力(と権力)によって特別に祝福されていると考えており、呪文と呪いを使って特別な地位を確かなものとする。バグベアの預言者のほとんどは下位のクリーチャー(騙されやすい
ゴブリンや
コボルドであることが多い)の小さな集団を率いる。しかしダイア・エイプやエターキャップ、ハウラーといったずっと奇妙な集団を連れていることもある。
防御
AC 22、接触14、立ちすくみ18(+1回避、+3外皮、+3【敏】、+5鎧)
HP 64(9d8+24)
頑健 +6、反応 +9、意志 +6
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1モーニングスター=+10/+5(1d8+4)
修得オラクル呪文 (術者レベル6;精神集中+8)
戦術
一般データ
バグベアは奇妙な、時に矛盾するやり方で信仰する。誰も彼らの宗教が「体系だった」とは言わないだろう。そのほとんどは、たまたま名前を知っているデーモン・ロードに時々単純なお礼をいうだけだ。比較的体系的な宗教に関わり、役立つ呪文を発動する能力を備えた狂信者は、時に他のバグベアを宗教的熱狂に追いやらせることがある。狂信者は戦神、特にデーモン・ロードを崇める。その儀式は非常に多様で、しばしば暴力的な血の生け贄が捧げられる。特に自信を持つ狂信者は、自分を真の預言者や生ける神であると考える。
バグベアの急襲者 Bugbear Sneaks
多くのバグベアが斥候や暗殺者としてホブゴブリンの軍勢に仕える。彼らは時に殺害自体に夢中になり、街の姿のない殺戮者になるべく、生まれながらに持つ音もなく動く能力を用いる。
防御
AC 20;接触15;立ちすくみ18(+4鎧、+4【敏】、+1反発、+2外皮)
HP 81(10d8+37)
頑健 +6、
反応 +12、
意志 +3
防御能力 直感回避、
身かわし、
罠感知+2
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1ショート・ソード=+12/+7(1d6+3/19~20)
遠隔 ジャヴェリン=+12(1d6+2)
特殊攻撃 急所攻撃+4d6
戦術
一般データ
防御
AC 25、接触16、立ちすくみ20(+1回避、+5外皮、+1反発、+4【敏】、+4鎧)
HP 82(12d8+29)
頑健 +6、
反応 +14、
意志 +4
防御能力 直感回避強化、
身かわし
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1ショート・ソード=+15/+10(1d6+6/17~20)または高品質のダガー=+13/+8(1d4+5/19~20)
遠隔 高品質のダガー=+12(1d4+5/19~20)
特殊攻撃 急所攻撃+3d6
シャドウダンサーの擬似呪文能力 (術者レベル4;精神集中+5)
戦術
戦闘前 影討ち士は敵を不意討ちするために
影隠れで忍び寄る。
一般データ
バグベアの流血魔術師 Bugbear Bloodmage
秘術魔法能力をわずかでも顕現できるバグベアはほとんどおらず、その才能を活かすことはほとんどない。そのようなものは重要な手法の邪魔になる:獲物への忍び寄り、脅し、そして殺害の。しかし才能を追求した者――そしてその潜在性に完全に手が届く程に生きた者――は誰からも恐れられる、血に濡れた絶望の器となる。
防御
AC 18、接触13、立ちすくみ15(+1回避、+5外皮、+2【敏】)
HP 97(13HD;3d8+10d6+49)
頑健 +8、
反応 +11、
意志 +9
抵抗 [火炎]20
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1クオータースタッフ=+12/+7(1d6+7)
遠隔 高品質のショートボウ=+10(1d6/×3)
血脈の擬似呪文能力 (術者レベル10;精神集中+12)
6回/日―精霊の光線(1d6+5[火炎])
1回/日―精霊の奔流(10d6[火炎]、DC18)
修得ソーサラー呪文 (術者レベル10;精神集中+13)
戦術
一般データ
バグベアの中にいる秘術呪文の使い手は、通常
ソーサラーだ――学習や制御が必要なウィザードのような秘術の道を歩めるほどに興味や忍耐のあるバグベアはほとんどいない。バグベアはこのような生まれながらの魔法の才を持つ者を流血魔術師と呼び、彼らの呪文発動能力を技能と同じように扱う――致傷に有益であれば、知っておく価値がある、と。一般的な流血魔術師は破壊と苦痛を与える呪文、加えて自分を守る助けとなる補足的な呪文少々にのみ興味を持つ。魔法のアイテムを作成する方法を学ぶ流血魔術師はまずいない。
バグベアの暴君 Bugbear Tyrant
バグベアの暴君は恐怖と殺戮を引き起こす、狂える使者である。かつては単独の略奪者であった彼は、デーモン・ロードが選びし代理人として邪教団が周囲に集まっていくような偉大な力を得ており、粗暴なバグベアの国がこの暴君の下に出来上がっていっている。これは全て、暴君の通知の下に行われた。暴君は自分に従う相手にも、また自分が期待されていることや自分がするように予定されていることにも頓着しない。彼の使命はただ一つ、恐怖と暴力を撒くことである。
防御
AC 27、接触12、立ちすくみ26(+4外皮、+1反発、+1【敏】、+11鎧)
HP 136(15HD;3d8+12d10+57)
頑健 +15、
反応 +11、
意志 +11
完全耐性 病気
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +2ファルシオン=+22/+17/+12(2d4+9/18~20)
遠隔 高品質のジャヴェリン=+16(1d6+5)
特殊攻撃 善を討つ一撃4回/日(+2攻撃およびAC、+12ダメージ)、
負のエネルギー放出(DC18、6d6)
アンティパラディンの擬似呪文能力 (術者レベル12;精神集中+14)
準備済みのアンティパラディン呪文 (術者レベル9;精神集中+11)
戦術
戦闘前 バグベアの暴君は敵に気付かれることなく近づくため、
ディスガイズ・セルフを使用する。
戦闘中 自由に使える[恐怖]効果を用いて、バグベアの暴君は《Cruel Opportunist》と
《傷めつけ》でダメージを増加させる。その一方で、
恐怖喰い能力を使ってヒット・ポイントを回復する。暴君はそばで戦うものの命にほとんど気を払わない。逃げなければならない場合、仲間を殺しても気にしない。
一般データ
惹きつける存在感で他のバグベアを従えるものの、バグベアの暴君は他のクリーチャーを打ち払い苦しめることで自らの伝説を本当に作り出す。バグベアは領土を得たり敵を降伏させることよりも、苦痛を与え頭を集めることに興味を持つ。彼らはアンティパラディンの心と他人に苦痛を与える超常能力に宿る狂気にすぐに気付き、理解する。
暴君はバグベア種族の敵に暴力を惜しむことはない。とりわけ退屈になると、楽しみのために部下に手を上げたり切り刻むこともないわけではない。
フライトフル・ホーンター Frightful Haunter
霧がぼんやりと人の形を取る。姿ははっきりしないが、爪の生えた手と、髪が伸び牙の生えた顔ははっきりと分かる。
XP 4,800
混沌にして悪/中型サイズの
アンデッド(
非実体)
イニシアチブ +7;
感覚 暗視60フィート;
〈知覚〉+17
オーラ 戦慄(30フィート)
防御
攻撃
移動速度 飛行40フィート(完璧)
近接 身もすくむ接触=+9(3d8、加えて意志・DC17に失敗すると
怯え状態)
特殊攻撃 身もすくむ接触(DC17)、霊障作成
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、または徒党(3~6)
宝物 なし
特殊能力
戦慄のオーラ(超常)/Aura of Cowardice フライトフル・ホーンターははっきりと分かる恐ろしいオーラを放つ。30フィート以内にいる敵は[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローに-4のペナルティを受ける。[恐怖]に対する
完全耐性を持つクリーチャーでも、このクリーチャーから10フィート以内に入れば
完全耐性を失う。
霊障作成(超常)/Create Haunt フライトフル・ホーンターはあまりに怒りを抱いており、そして恐怖を生み出したいと願っている。その思いが実際に、
霊障を1時間に1つ作り出す。
霊障それぞれはフライトフル・ホーンターのCR-2以下のCRを持ち、フライトフル・ホーンターが選択した場所に関連したものか、フライトフル・ホーンターが怯えさせたい犠牲者からイメージされたものになる。
通常の
霊障とは異なり、フライトフル・ホーンターが作り出したものは無力化されると同時に破壊され、フライトフル・ホーンターのヒット・ダイスに等しい日数が経過するとかき消えてしまう。フライトフル・ホーンターはHD毎に
霊障1つを超えて操ることはできない。
霊障がその限界を超えて作り出されると、最も古い
霊障が無力化される。
恐怖を喰らう(超常)/Fear Eater フライトフル・ホーンターは30フィート以内にいて、[恐怖]効果の影響を受けているクリーチャーの数に等しい
高速治癒を持つ。
恐怖起源(超常)/Made of Fear フライトフル・ホーンターは自らが生み出したものでなくても、
霊障の効果に
完全耐性を持つ。
身もすくむ接触(超常)/Terrifying Touch フライトフル・ホーンターの接触攻撃が命中したクリーチャーは3d8ポイントのダメージを受け、DC17の意志セーヴィング・スローに成功しなければ1分の間
怯え状態となる。セーヴに成功したクリーチャーは以後24時間の間、身もすくむ接触によって
怯え状態になることはないが、依然としてダメージは受ける。身もすくむ接触が複数回成功すると単に効果の持続時間が延びるだけである。より強力な[恐怖]段階にはならない。これは[恐怖、精神作用]効果である。DCは【魅力】に基づいている。
ときに、恐怖と不幸を生み出したいという欲望が、バグベアの死後でさえ残ることがある。このようなクリーチャーは自身の邪悪な本質を切り離し、
霊障という形の恐ろしい精神的な罠を作り出すことができる。可能なときにはいつでも、フライトフル・ホーンターは怯えさせる為の
霊障を作る前にその集団を観察し、犠牲者の恐怖と弱さに基づいてその
霊障の効果に手を加える。フライトフル・ホーンターが集団と直接出会わなければならなくなると、ダメージを与える
霊障の要塞を作り出そうと試み、敵集団が
霊障を1つでも無効化するような場合にのみ攻撃を行う。それから他の準備のできた別の場所に逃亡する。
バグベアと出会うときには1体だけの場合もあるが、襲撃、斥候、殺戮、威嚇の際には徒党を組むこともある。
バグベアの襲撃隊(CR6) Bugbear Raiding Party
襲撃隊は倒れた隊商の犠牲者や、村や畑から離れたところで迷うものを探し出す。
XP 1,200
HP 53
バグベア(2) CR2 Bugbears
XP 各600
HP 各16
バグベアの偵察隊(CR9) Bugbear Scouts
ホブゴブリンや他の主と共に働いている、これらの偵察隊は音を立てずに死を招く。主の敵を殺すために共同で作業をする。
バグベアの大肉喰らい CR8 Bugbear Flesh Glutton
XP 4,800
HP 99
バグベアの静殺者(2) CR5 Bugbear Stalkers
XP 各1,600
HP 各41
バグベアの殺戮賊(CR11) Bugbear Murder Gang
恐怖と苦悩を撒く最高の方法は、街に住む愛すべき人を殺すことだ。このバグベア集団はより大きな侵略に先だって町を混乱させようとし、尊敬されている評議会メンバーを殺すために音もなく忍び寄る。
バグベアの信徒 CR7 Bugbear Cultist
XP 3,200
HP 64
バグベアの要撃手(2) CR8 Bugbear Lurkers
XP 各4,800
HP 各81
中枢の側近(CR15) Inner Circle
バグベアの暴君の恐ろしい権力の周りに群がるこの一団は、バグベア氏族の野蛮さや、蛮行の蔓延の核を示すものかもしれない。個々人は互いに小競り合いをするかもしれないが、彼らは部下に同じ仕事をさせたいのであり、実際に勢力圏に敵が攻めてくると、彼らは組織として行動し、乱暴に侵入者を討伐する。
バグベアの奇襲兵 CR10 Bugbear Ambusher
XP 9,600
HP 90
バグベアの流血魔術師 CR11 Bugbear Bloodmage
XP 12,800
HP 97
バグベアの信徒 CR7 Bugbear Cultist
XP 3,200
HP 64
バグベアの暴君 CR13 Bugbear Tyrant
XP 5,600
HP 136
最終更新:2021年09月27日 00:02