ラークシャサは物質界で生まれるが、物質界の存在ではない。彼らはフィーンドの力と形質を持つが、その運命は動かしようもなく定命の世界につながれており、彼らはそこで支配する場所を探す。浮世の喜びに取り付く操るもの、反逆者、暴君の転生者であるラークシャサは唯物的な悪のありようを体現している。暴力による死を受けた後、その魂はこの世の退廃と利己的な関心事に強く関連付いているために、彼らはその人生の卑しさをより良く反映する姿をとり、フィーンドとして生まれ変わる。それ故に、賢者達はこの存在を「この地に根付く悪」と呼ぶようになったのだ。
下級のラクタヴァーナから強力なマハラジャまで多くの異なる種類のラークシャサがいるが、この種族で通常最も多く遭遇するものは他の名前で知られていない――彼らは同種のあるメンバーよりも強力だが他のものよりは弱く、従者と主のちょうど中間に位置している。そのようなラークシャサは動物の頭部(一般的なものとして大型のネコ科、蛇、ワニ、猿、猛禽類など)と表裏逆になった手で広く知られている。実際、野性的な特徴と奇妙に逆になった関節は全ての種類のラークシャサにおける顕著な特徴であり、ほとんどのラークシャサは姿を変える超常能力や強力な幻術によってこれらの特徴を隠すことができる。
ラークシャサは自らの種族のものとの間に子をなすことはできない。そのため新しいラークシャサはラークシャサとラークシャサでないものの組み合わせか、稀なことだがラークシャサでないもの2名の組み合わせから生まれる。ラークシャサでない親から生まれたラークシャサは、母が妊娠している間に片親か両親が大きな悪事を犯した際にのみ生まれてくる。このことによって、かつて殺されたラークシャサの亡霊はまだ生まれていない子供の肉体を奪い、この世界に転生することができるのだ。稀なことだが、このような冒涜的な誕生が善なる親や罪なき親を苦しめることがある。このような場合、両親は自らでは制御できないような大いなる悪に曝されたためであることが多い。ラークシャサは人間よりはるかに早く成熟し、14歳より若くして完全な大人として振る舞えるようになる。このように早く成熟するにもかかわらず、ラークシャサは死ぬまでに500年以上生きることができる。死んだ後にその魂は転生のための新しい宿主を探し、この汚らわしき転生という忌まわしい輪廻を幾度となく繰り返し続けるのだ。
ラークシャサは森羅万象それぞれのクリーチャーは任ずるべき適した役割を持ち、自らの立場を理解し改善するために働くことによって成功を導くことになると信じている。ラークシャサは階級制度を善でも悪でもなく、純粋に実利上のものと捉えている。より高い階級のクリーチャーはその大きな力を尊敬されるべきであり、より下の階級のものは目上の人が富や影響力を求めたなら、より高い階級のものの資産を拡張する自発的な奉仕を強要されるべきである。
ラークシャサの社会には7つの階級が存在する。(下位から最上位まで順に)パガラ、トレイターズ、ゴスタ(食事)、アフラ(新米)、ダーシャカ(従者)、パラデシ(ラークシャサ種)、ハキマ(王)、サムラタ(王の王)。ラークシャサの階級制度はラークシャサの社会全てだけではなく、生きとし生けるもの全てを包含する――ラークシャサのみがダーシャカ以上の地位に到達できるにも関わらず。
ラークシャサは神は彼ら自身を凌駕する力を持っていることを渋々認めているが、ほとんどのラークシャサは総じて神性という概念を小馬鹿にしている。神は確かに存在する最も強力な存在の一員だ。しかし力や野心を持つものや、稀に幸運な定命のものがラークシャサにとって神性を持つ存在に至るという例があまりに多いために、宗教的な敬意をそのようなクリーチャーに払うことはない。ラークシャサは現世から来世の存在への変移を、自らの底知れぬ潜在力の証、そして神性に至る第一歩として捉えている。そのため、種族としてラークシャサは神格を奉じることを否定している。しかし彼らは目的を果たすためならば、そのような無類の力ある存在の従者と手を組むことをためらいはしない。
ラークシャサの肌は肉体的な損傷に驚くほど耐性があり、ほとんどの武器による攻撃を無効化したり、その効果を劇的に弱めたりすることができる。しかしこの肌を貫通するほどの聖なる武器はラークシャサの生命にその一撃を届かせることができ、著しい損傷を与える。その結果ラークシャサがよく知られている場所では、敵の中にいるときに魔法を使って変装することに苦心している。
ラークシャサ・イモータルズ Rakshasa Immortals
ラークシャサ・イモータルズ(不死なるラークシャサ)は死すべき定めを免れるに至ったラークシャサである――彼らはもはや、ほとんどのラークシャサが堪え忍ぶ転生と再生の輪廻に束縛されることはなく、真に不死となる。芸術を完成させ狂気を使いこなすための永遠の人生を与えられたこれらのクリーチャーは、神の力に手を伸ばす。以下の一覧にこの世界で知られるラークシャサ・イモータルズを何体か示す(全てというわけではない)。その中でも、ラヴァナはもっとも強くもっとも年かさのものである。
- 第二の吐息のアクシャ Aksha of the Second Breath
- 歌う殺戮者ブンハ Bundha the Singing Butcher
- 血を浴びるものカエラ Caera the Blood Bather
- 神殺しドラジト Dradjit the Godslayer
- 同族殺しフディマ Hudima the Kinslayer
- ヨタ、神のただ中で歩くもの Jyotah, He Who Walks Among the Gods
- 夢の戦士クンカーナ Kunkarna the Dream Warrior
- 獣使いミューシャ Mursha the Beastmaster
- 魂を射抜くものオチカヤ Otikaya the Spirit Archer
- プリハスタ、天と地の狭間にいる将軍 Prihasta, General Between Heaven and Hell
- ラヴァナ、始原にして終焉 Ravana, The First and Last
- 復讐者スルパ Surpa the Avenger
- 探索者ヴィヒシャ Vibhishah the Seeker
- 冒涜者ザブハ Zabha the Desecrator
この背の高い、青い肌をした女性は逆向きになった手を持ち、不自然な特徴を持つ野生動物のような顔立ちをしている。
タータカ 脅威度15 Tataka
防御
AC 28、接触13、立ちすくみ24(+1回避、+15外皮、-1サイズ、+3【敏】)
hp 225(18d10+126)
頑健 +18、
反応 +9、
意志 +12
DR 15/善および刺突;
SR 30
攻撃
移動速度 40フィート;
エア・ウォーク
近接 素手攻撃=+24/+19/+14/+9(2d6+7/19~20)、
噛みつき=+19(1d8+3)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 ディテクト・ソウツ(DC24)、武勇の達人
擬似呪文能力 (術者レベル15;精神集中+20)
修得呪文 (術者レベル12;精神集中+17)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、巡視隊(3~6)
宝物 標準
特殊能力
武勇の達人(超常)/Martial Artist タータカの素手攻撃は2d6ポイントのダメージを与える。タータカがモンク・レベルを得ているなら、タータカの素手攻撃ダメージかモンクの素手攻撃ダメージのいずれか高い方を使用する。
ダメージ減少を克服する際、この素手攻撃は秩序にして悪の武器として機能する。
呪文 タータカは12レベル・ソーサラーとして呪文を発動する。タータカはソーサラーが通常使用できるものに加えて、クレリックの呪文リストから呪文を発動することができる。タータカに対しては、クレリック呪文を秘術呪文として扱う。
タータカ・ラークシャサはその種の中でもっとも捉えがたく、もっとも大きい。彼らは哲学者であり狂信者であり、ラークシャサ・イモータルの忠実な僕である。彼らは宗教と陥穽に精通しているため、人を堕落させ冒涜することに卓越している。彼らのようなラークシャサはその善行を無駄にし聖なる人々を殺すために、聖地や清浄な儀式を直接襲うこともある。タータカはラークシャサへの崇拝を除いてあらゆる宗教を侮蔑しており、公然とあざ笑いながら、生意気にも他宗教を信じる者に誰であれ襲いかかる。
しかしタータカ・ラークシャサは単なる熱狂者以上の存在である。彼らは若いときから武術の訓練を行う――モンクやその他の素手で戦うスタイルの体現者と同程度に、その打撃で骨を打ち砕くことができる。
一般的なタータカは全長12フィート(約3.6m)、重量1,300ポンド(約585kg)。
この小さなクリーチャーは身なりがよく宝石で飾りたてた汚らわしいノームに見えるが、その顔はほとんど全て口と牙で覆われている。
ダンダスカ 脅威度5 Dandasuka
防御
AC 19、接触16、立ちすくみ14(+1回避、+3外皮、+1サイズ、+4【敏】)
hp 51(6d10+18)
頑健 +5、
反応 +9、
意志 +6
DR 5/善または刺突;
SR 20
攻撃
移動速度 30フィート、登攀20フィート
近接 噛みつき=+8(1d6+1、加えて“
出血”)、
爪(×2)=+8(1d4+1)
特殊攻撃 急所攻撃+1d6、
出血(1d4)、
ディテクト・ソウツ(DC15)
擬似呪文能力 (術者レベル5;精神集中+7)
修得呪文 (術者レベル2;精神集中+4)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、または殺人集団(3~10)
宝物 標準
特殊能力
呪文 ダンダスカは2レベル・ソーサラーとして秘術呪文を発動する。
ラークシャサの中で「噛むもの」として知られるダンダスカは密偵や暗殺者としての役割を担う。彼らはラークシャサの随行員や秘密のネットワークの一部として現れることが多い。操り殺すために生まれた彼らは、その仕事を楽しみ血を見ることで喜ぶ。そのため、ダンダスカは敵を操り犠牲者をばらばらにするといった自らの仕事を、楽しげに笑いながらこなす。
ダンダスカは皆じっとしていることができず精力的だ。彼らは活動と娯楽を強く望んでおり、伝統的な報酬として病人や狂人を好む。ダンダスカのいたずらが犠牲者に楽しまれることは滅多にない。
ひどい飢えが非常に活動的なダンダスカの肉体を苦しめると、このクリーチャーは人型生物の肉と血を強く求める。そのような血が流れると、ダンダスカはしばしばその汚らわしき欲求を抑えることができなくなる。血のついた刃を舐め、こぼれた血を舌ですくい、戦闘でより戦術的に優れた選択肢を犠牲にして倒れた敵をかじることさえある。ダンダスカは必要なときには他の肉でも我慢するが、常に人型生物の肉を好む。
殺害と騒乱のみがダンダスカの任務というわけではない。より強力なラークシャサは使者や従者として、仲間にダンダスカを派遣する。その通常は無秩序な性向にもかかわらず、彼らは約束を違えた場合の恐ろしい結果を仄めかせるだけで、愛想良く信頼を得て交渉を行う。ダンダスカの交渉役は有利な結果に到達できない場合には何とかしてこの難局を切り抜ける。同様に、仲間のラークシャサに派遣された従者のダンダスカはできる限り忌まわしき手段を抑え込むが、彼らの雇い主は依然として彼らを楽しませ良く食わせるようにする。しかしダンダスカがあまりにも喜び続けることには、注意しなければならない。というのは、彼らはある人が死ねばいいというくだらない願いのような、不用意な悪口を言うがためによけいな注目を浴びることで知られているからだ。
ダンダスカの欲望は娯楽や食料から富にまで渡る。ダンダスカは皆、快適で出来のよい衣服、ピカピカのおもちゃをこよなく愛する。そのほとんどはばかばかしい見た目にならない程度にできるだけ多く宝石を身につけ、紐を交差させるものもいる。ダンダスカは全長3フィート(約90cm)、重量55ポンド(約24.8kg)。
非の打ち所のない装いと風変わりな宝飾品で着飾ったこの不浄のものは、その表裏が逆になった手に華美なサーベルを持っている。
マハラジャ 脅威度20 Maharaja
防御
AC 37、接触24、立ちすくみ27(+1回避、+13外皮、+4反発、+9【敏】)
hp 310(20d10+200)
頑健 +16、
反応 +21、
意志 +18
DR 20/善および刺突;
SR 35
攻撃
移動速度 40フィート、
飛行30フィート(良好)
近接 +3ファルシオン=+31/+26/+21/+16(2d4+15/15~20)、
噛みつき(×4)=+23(1d6+4)
特殊攻撃 追加イニシアチブ、
ディテクト・ソウツ(DC29)
擬似呪文能力 (術者レベル18;精神集中+27)
修得呪文 (術者レベル18;精神集中+27)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体
宝物 ×2(+3ファルシオン、その他の宝物)
特殊能力
追加イニシアチブ(超常)/Extra Initiative 遭遇が始まる際、マハラジャはイニシアチブを2回ロールする。マハラジャは2つの内高い方のイニシアチブ値で通常通り行動する。低い方のイニシアチブ値では、マハラジャは1回の標準アクションを行うことができる。
呪文 マハラジャは18レベル・ソーサラーとして秘術呪文を発動する。
全てのラークシャサは力を求めるが、その飢餓感が強迫観念以上のものとなっているものもいる:力は生まれながらに持つ権利なのだと。ラークシャサ達に伝えられた伝説では、マハラジャのことが語られている――このラークシャサが行った略奪や残忍な行為によって彼らは同種の他のものよりも高みに至り、様々な神話や寓話、訓話を体現した、獣頭のフィーンドに転生することになったのだと。下位のラークシャサから尊敬と恭順を集めるに相応しい存在であるマハラジャは、ラークシャサという種族の中に1つの感情を想起させる。すなわち、恐怖である。
マハラジャ・ラークシャサは大いなる力と影響力を持つラークシャサがサムラタ(ラークシャサの社会的で精神的なカースト制における高位)の一員として何度かの生を過ごした後に現れる。ラークシャサがマハラジャの地位に昇ると、同種のもの達はそれに気づき、この若いマハラジャに仕えるために遠く広範な地域から彼の元に訪れる――若いときからその支持を得ようと願うのだ。マハラジャの誕生は大きなチャンスが迫っていることを意味する。マハラジャは危険な宿命を全うしたり、ラークシャサの永久の国を見つけたり、神聖なる即位を経験したり、大いなる敵を撃退してその領域を奪ったりといったことを行う。彼らは領土を広げるために、要求に従いしばしばその副官や従者に領土を十分な大きさに切り分け配布する。マハラジャが100年の間に何体も現れるというのは、極端に珍しいことだ。
マハラジャの力と影響力はあまりに大きく、その人生はあまりに長い。それ故にほとんどの時間を労苦の贅沢を楽しむことに費やす。軍隊を操ることも下級のラークシャサの策謀を操ることもしない時には、贅沢の中で無気力に、従者(魅了ないし支配した人型生物であることが多い。マハラジャが十分に強力であれば、善属性の来訪者であることもある)で最も美しいものたちに囲まれていることが多い。
マハラジャの棲み家は一般に豪奢で退廃的な大邸宅である。何十年か何百年の活動の後、金のフィリグリーが円柱を彩り、ラークシャサの神話と伝説が彫り込まれた巨大な浮き彫りの彫刻で壁が飾られる。長椅子よりも、珍しい羽毛を詰め珍しいクリーチャーの皮から造られた豪華な枕を調度品として使用し、敗北した為政者の冠、滅んだ国の財宝、失敗した副官の頭部といった、何百年もの暴虐における戦利品を全て壁にかけている。
しかしマハラジャの素晴らしい経験と力があるからといって、脅威が存在しないとか無視できるというものではない。不忠の従者や力ある王、野心を持つ対抗馬やおせっかいな冒険者などが皆、マハラジャの支配に挑戦しようと現れるかもしれない。これに抗するため、マハラジャは自身の安全を確保するために不正なやり方を取る。それは暗殺であったり偽りの噂であったり、脅威を探し出すための幻影の影武者であったりする。攻撃を警戒し広い支配地域を持つほとんどのラークシャサ・マハラジャは人里離れた宮殿や豪華な砦をいくつももっており、それらを終わること無く旅して回るのだ。
それぞれのマハラジャは固有の存在であり、その進化の過程はそれ以前の全てとは異なる力と弱点を与える。その人生を超えて、その生き方は無数の教訓を教え独自の力を与える。一般的なマハラジャは幻術、占術、力術の達人である。他の様々な技術、例えば召喚術や死霊術を体得しているマハラジャもいる。マハラジャが有害な力を育て続けるに従い、その力は同種のものさえも凌駕する。最終的には、王の中の王、ラジャヒラージャの位を継承することもある。
マハラジャがそうである以上に、ラジャヒラージャは固有の存在である。ラジャヒラージャの脅威度が21を下回ることはない――ほとんどのものは標準のマハラジャを超える、追加の種族ヒット・ダイスを持つ。追加の種族ヒット・ダイス1つごとにこのラークシャサの脅威度は+1ずつ増加し、それに伴い有効ソーサラー術者レベルが+1ずつ増加し、ラークシャサ個々の目的や哲学に応じて以下のような新しい
擬似呪文能力を得る。自らが空間と時の達人となることを望んだラジャヒラージャは、1日3回
グレーター・テレポートを使用するか1日1回
タイム・ストップを使用する能力を得ることがある。一方自らを変質の達人と見なすものは、1日1回
シェイプチェンジを使用するか回数無制限で
ポリモーフを使用する能力を得ることがある。戦の達人はその代わりに追加のダメージを与える擬似呪文能力を得るだろう。このラークシャサが得る新しい擬似呪文能力の種類は8レベルないし9レベル呪文であれば1日1回とし、5~7レベルであれば1日3回使用でき、5レベルを下回る場合には回数無制限として選択すること。しかしこれらのガイドラインでさえ、君がずっと面白いラジャヒラージャを作る際に適合するように変えてしまって構わない。
転生の周期と淡い記憶はラジャヒラージャに、この周期における生と死を操る明確な力を与える。ラジャヒラージャはその転生の技術を、他のクリーチャーの周期を変えるために使用することもできる。その結果、全てのラジャヒラージャは他の能力に加えて、以下に示す特別な能力を獲得する。
転生(超常): 1日に1回標準アクションとして、ラジャヒラージャは
リインカーネイト呪文を使用したかのように死んだクリーチャーに命を呼び戻すことができる。通常とは異なり、この目標は死後1日以内でなければならず、[即死]効果によって殺されたものでも構わない。このクリーチャーに生命を呼び戻す他の効果と同様、転生しようとしているクリーチャーが望むのなら転生しないことを選択することができる。しかしこの効果が起きることが許可されたなら、まるで
トゥルー・リザレクションによって新しい形態に返されたかのように、完全な状態で命が戻される。戦闘で彼ら自身の仲間を殺し、それからその仲間に新しい肉体で戦いを続けさせるためにこの能力を使用するラジャヒラージャもいる。この効果により与えられた新しい形態は死亡したクリーチャーの元のサイズの1段階のサイズ以内のもののみである――この新しい肉体の正確な形態はラジャヒラージャによって選択される。新しい肉体における肉体能力値の修正を決定するガイドラインとして、
リインカーネイト呪文の
Core Rulebookに掲載された結果を用いること。
質のよいローブを着たこの素早いフィーンドは、その腕に色とりどりの6匹の毒蛇をまとわせている。そして長く二股に裂けた舌が牙の生えた口から伸びている。
マライ 脅威度8 Marai
防御
AC 21、接触16、立ちすくみ15(+1回避、+5外皮、+5【敏】)
hp 94(9d10+45)
頑健 +8、
反応 +11、
意志 +9
DR 10/善および刺突;
SR 23
攻撃
移動速度 40フィート
近接 噛みつき(×7)=+14(1d4+2、加えて“混乱”)
遠隔 エネルギーの矢(×6)=+14接触(1d8、加えて“特殊”)
特殊攻撃 エネルギーの矢、
ディテクト・ソウツ(DC18)
修得呪文 (術者レベル5;精神集中+9)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、カルト(3~12)
宝物 標準
特殊能力
エネルギーの矢(変則)/Energy Bolts 1d4ラウンドに1回、機会攻撃を誘発する標準アクションとして、マライの腕にいる6匹の蛇それぞれが最大距離60フィートのエネルギーの矢を吐き出すことができる。それぞれの矢は1d8ポイントのダメージを与え、目標がDC19の頑健セーヴで抵抗に失敗すると、以降に説明する追加の効果を及ぼす。
青紫の毒蛇/Amethyst Viper:[力場]ダメージに加え、
伏せ状態になる。
赤紫の毒蛇/Magenta Viper:[電気]ダメージに加え、1ラウンドの間
よろめき状態になる。
紅の毒蛇/Crimson Viper:[火]ダメージに加え、
着火する(1d4、DC19)。
彩緑の毒蛇/Emerald Viper:[酸]ダメージに加え、1ラウンドの間
吐き気がする状態になる。
空色の毒蛇/Turquoise Viper:[音波]ダメージに加え、1ラウンドの間
朦朧状態になる。
紫の毒蛇/Violet Viper:[冷気]ダメージに加え、1d4ラウンドの間
不調状態になる。
混乱(超常)/Confusion (実際の口か腕にまとわせた蛇のいずれのものであれ)マライの噛みつきを受けたクリーチャーはDC19の意志セーヴを行わねばならず、失敗すると1ラウンドの間
混乱状態になる。セーヴDCは【耐久力】に基づいている。
呪文 マライは5レベル・ソーサラーとして秘術呪文を発動する。
マライは第一に常軌を逸した呪文の使い手であり、第二に汚らわしき堕落に誘うものである。思いのままに、思うようにならない神秘の研究に耽れるなら、ほとんどのマライは他のラークシャサの陰謀に内側で関与する。単独のマライが他の呪文の使い手の元に留まるために、新参者の魔法使いの振りをしていることもある。マライが成功したなら、その主人はすぐに従者になるか死んでしまう。
新しい魔法的な発見の可能性はマライを駆り立てる。道徳心や同情がこのフィーンドの経験を押さえつけることはない。マライはラークシャサの本当の生体を知らない定命の者を拷問し搾取することを好む。そして英雄気取り(特に自分達のねぐらに侵入してきた者たち)に魔法の力を行使することにこの上ない喜びを感じるのだ。しかしこのようなゲームは、相手がマライの危険に気づいていないか少なくとも対抗することができない場合においてのみ、マライの娯楽として供される。
マライは全長6フィート(約1.8m)で、重量は160ポンド(約72kg)。その蛇のような腕は巧みに動かすことも武器を装備することはできない。そのため手先の素早さが必要となる仕事をするときには、一般に人型生物の姿をとる。そのようなことができないマライは、そのような作業を行うために
メイジ・ハンドのような初級秘術呪文に頼らねばならない――そうでなければ、おそらく奴隷や魅了した仲間をその目的に使用するだろう。
初めはきらきら光る捻れた宝石で飾られた剣に見えたが、恐ろしい赤い目を持つ蛇にその姿を変えた。
ラクタヴァーナ 脅威度2 Raktavarna
防御
AC 17、接触15、立ちすくみ14(+2外皮、+2サイズ、+3【敏】)
hp 22(3d10+6)
頑健 +3、
反応 +6、
意志 +4
DR 5/善または刺突;
SR 17
攻撃
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、または廃墟(3~10)
宝物 標準
特殊能力
変身(超常)/Change Shape 全ラウンド・アクションとして、ラクタヴァーナその姿を手に収まるほどの物体(ほとんどの場合、装飾用の明かりや片手武器、財宝のかけらなど)の姿をとることができる。このラークシャサがこの形態で動かないなら、発見されていたとしても
〈隠密〉判定を試みることができる。いつまでもこの物体形態を動くことなく続けることができるが、なんらかのアクションを行うとその真の姿が明らかになる。
主の目(超常)/Master's Eyes ラクタヴァーナは標準アクションとして、クリーチャー1体を自らの主人として指定することができる。ラクタヴァーナが術者の使い魔である場合、ラクタヴァーナの主人とは自動的にその術者となり、ラクタヴァーナが変更することはできない。全ラウンド・アクションとして、ラクタヴァーナの主人はラクタヴァーナの目を通して世界を見通すことができる。主人はこのリンクを維持しているラウンドの間精神集中をしなければならない。主人の視覚はこのとき抑止されており、ラクタヴァーナの暗視、
ディテクト・マジック、通常の視界を使用して世界を見通すことができる。この能力に距離制限はなく、次元界の境界をまたいでさえ機能する。主人がこの能力を使用している間にラクタヴァーナが殺された場合、主人は1d4ラウンドの間
朦朧状態となる(セーヴなし)。
毒(超常)/Poison 噛みつき・致傷型;
セーヴ 頑健・DC13;
頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間);
効果 1d2【判】、加えて
モディファイ・メモリー;
治癒 1回のセーヴ成功。犠牲者がこの“毒”から【判断力】ダメージを受けるたびに、
モディファイ・メモリー効果によって、犠牲者はラクタヴァーナと会う前の1分間のことを忘れてしまう。これはラクタヴァーナが見えなくなるか物体形態になるまで続く。このセーヴDCは【耐久力】に基づいている。
煙、血、黄金から構成されるラクタヴァーナはもっとも小さいラークシャサだ――彼らは人型生物から生まれたわけではなく、これまでの具現化に完全に失敗し、そのため蛇の卵から再誕したラークシャサの魂から作られている。
この恐ろしい存在は社会の中を、外国から武器や奇妙な品物として手から手へと渡り歩く。また好奇心に誘われて家から交易人や使者に持ち出されたり、捧げ者として指導者に差し出されたりすることもある。このようにしてラクタヴァーナが世界中の権力の中にはいることができれば、彼らが見たものをその汚らわしい主人も知ることとなる。ラクタヴァーナの主人への隷属は主人が解放するか(より一般的な)主人の死によってのみ解放される。主人がいないことほどラクタヴァーナをうろたえさせるものはほとんどなく、このように漂流しているときには、できる限り早く主人の代わりを捜す。
7レベルで秩序にして悪の
《上級使い魔》を修得した呪文の使い手は、ラクタヴァーナを使い魔として獲得できる。
最終更新:2016年11月19日 18:43