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ハーフリング Halflings

 楽観的で、生まれついて陽気であり、不思議な幸運に恵まれ、そして強力な放浪癖に突き動かされるハーフリングは、強がりと好奇心の強さでその低身長を補う。すぐ興奮しやすく気楽なハーフリングは、穏やかな気質と機会を着実に捉える目を保つことを好み、一部のより気まぐれな種族のように暴力的あるいは感情的な暴発を起こしやすくはない。惨事の顎にあっても、ハーフリングがユーモアの感覚を失うことはほとんどない。どんなに悲惨な状況、不条理の中にも諧謔を見出す能力は、しばしばハーフリングを自身を取り巻く危険から僅かなりと遠ざけることができる。この離脱の才能はまた、味方を硬直させるかもしれないような恐怖からの盾ともなる。

 ハーフリングは根っからの日和見主義者である。彼らはいかなる状況も自分たちの有利に変じることができると強固に信じており、物事がうまくいかない場合には、自助のために何らの堅実な計画もなしに、時には嬉々としてトラブルの中に飛び込む。多くの場合に物理的な世界の過酷さから身を守ることができない彼らは、風向きの変わるとき、離れて身を隠すときを知っている。それでもハーフリングの好奇心はしばしば彼らの良識を圧倒し、愚かな決断とギリギリの逃走へと導く。過酷な経験は時としてハーフリングに警戒すべき基準を教示するが、それが彼らから幸運への信仰を完全に失わせることは、あるいは宇宙は何らかの奇妙な方法で彼らの娯楽のために存在しており、本当に彼らを害するようなことはないであろうという信頼をやめさせることは、皆無である。

 彼らの好奇心は彼らを新しい場所や経験を模索するよう駆り立てるが、ハーフリングは暖炉と家庭に強い責任感を持っており、しばしば家庭生活の快適さを向上させるために収入以上の支出を行う。ハーフリングは疑いようもなく豪華さと快適さを楽しんではいるが、彼らにはショーケースのような家を作る同じくらい強い理由がある。ハーフリングは他人への敬意と愛する人への愛情の双方に符合する住居の改善に向けて、時間、金銭、そしてエネルギーを捧げたいという衝動を検討する。自分の血族、大切な友人、あるいは来賓のいずれのためにせよ、ハーフリングは訪問者への歓迎の感情を表現するために自分の家を美しくする。旅をしているハーフリングでさえ、通常はその四輪馬車を装飾し、あるいは野営地を飾るためにいくつかの大切な思い出の品を運ぶ。

 身体的特徴/Physical Description:ハーフリングは身長3フィートほどに控えめに成長する。彼らは足の裏がおおむね硬くなるように素足で歩くことを好む。太い房の巻き毛は彼らの幅広くて日焼けした足の上部を温める。彼らの皮膚は豊かなシナモン色に、髪は明るい色合いのブラウンであることが多い。ハーフリングの耳は尖っているが、人間のものと比較して特別に大きいわけではない。

 ハーフリングは簡素で控えめな服を好む。しかしながら、状況がそれを要求した場合には喜んで着飾ることができ、その背後に静かに残る種族的衝動は、ほとんどの状況においては彼らをむしろ保守的な洒落者にする。その一方でハーフリングの芸人は衆目を集めることで生計を立てており、派手でけばけばしい衣装を着て極端に走ることが多い。

 社会/Society:多くのハーフリングは帝国や偉大な主義に信頼を置くよりは、むしろその家族や地域社会のシンプルで控えめな美徳に焦点を当てることを好む。ハーフリングは文化的な祖国を主張せず、田舎の自由な村落の集合体よりも大きな共同体を支配することもない。ほとんどの場合、彼らは人間の都市で人間のいとこの膝下に住まい、より大きな社会の切れ端から細々とできる限りの生計を営む。いくらかは世界を旅してそのすべてを経験するといったより遊牧民的な人生を好ましいと思う一方で、多くのハーフリングはその大きな隣人の影で完全に充実した生活を送っている。

 ハーフリングは独自の文化を維持するために習慣や伝統に依存している。彼らは特にハーフリングの美徳を体現する民族の英雄についての重要な物語でいっぱいの広範な口伝を持っているが、それ以外では自分たちについての歴史の研究に殆ど何の目的も見出さない。無意味な真実と有用な寓話のどちらを選択するかを考えると、ハーフリングはほとんど常に寓話を選ぶ。この傾向は、有名なハーフリングの適応性の少なくとも何たるかを説明するのには役立つ。ハーフリングは未来に目を向けており、非常に多くの種族を堕落させた古代からの怨恨や義務の重みを捨て去ることが実に簡単なことであると気づいている。

 種族関係/Relations:典型的なハーフリングは他の種族に気づかれないための自身の能力──多くのハーフリングに窃盗や策略に秀でることを可能とする特徴を誇りにしている。ほとんどのハーフリングはその結果として他の種族が囚われる固定観念を十分に承知しており、こそこそしていないときには大きな種族と社交的かつ友好的になるよう努力している。ノームとはかなり気が合うが、ほとんどのハーフリングは彼らを相当の注意を払う必要のある奇抜なクリーチャーと考えている。ハーフリングはエルフとドワーフを尊敬しているが、これらの種族は多くの場合ハーフリングが楽しんでいる文明の快適さからは遠く離れた地域に住んでいるため、対話の機会は限られている。全般的に見て、その大きな体躯と暴力的な性質がほとんどのハーフリングにとって少しばかり威圧的過ぎるため、ハーフオークだけがハーフリングから敬遠される。

 ハーフリングは原則として人間とはうまく共存するが、一部のより攻撃的な人間の社会がハーフリングに奴隷としての価値を認めてからは、あまり独り善がりに関係を強めないようにしている。ハーフリングは自由を、特に新しい経験を求めて旅をする能力を高く評価しており、それに必要な自主性に強い価値感を抱いている。しかしながら、常に現実的で柔軟な奴隷ハーフリングはめったにその主人に対して反撃を行わない。彼らは可能な限り完璧な機会を待ってから、単にこっそりと抜け出す。時に、十分に長い間隷属していた場合には、ハーフリングは新しい家族としてその主人を認めることさえある。いまだ脱出と自由を夢見てはいるが、これらのハーフリングもまた、彼らの人生の最善を尽くしている。

 属性と宗教/Alignment and Religion:ハーフリングは友人や家族に忠実だが、彼らは自分たちの2倍大きな種族に支配された世界に住んでいるため、生き残るために爪に火を灯すような暮らしをしたり物を漁ったりする必要があるという事実に直面するようになっている。結果としてほとんどのハーフリングは中立である。通常は法律を尊重してそれぞれの地域社会の偏見を是認してみせるものの、ハーフリングは個々の生得的な常識にも大きな重点を置いている。ハーフリングは社会全般との意見が合わないときには、自分が最善だと考えることを行う。

 常に実利を取るハーフリングは、より大きくより強力な隣人に最も好まれている神格を崇拝することが多い。幸運と旅、双方の女神はほとんどのハーフリングに自然に適合するらしく、時折彼女に手早く祈りを捧げることだけは常識となっている。

 冒険者/Adventurers:生来の幸運と飽くことのない放浪癖が相まって、冒険者の生活はハーフリングにとって理想的な候補となる。遭遇した貴重品を完全に喜んでポケットに入れるが、ハーフリングは多くの場合、物質的な報酬よりも冒険のもたらす新しい体験に関心を持っている。ハーフリングは金銭をそれ自体で完結するものとしてではなく、生活をより簡単により快適にする手段と見なすことが多い。

 他のそうした放浪者は、ハーフリングの神秘的な幸運のおこぼれに預かることを期待してこの奇妙な種族に我慢することがある。ハーフリングは旅の仲間だけではなく、より大きな世界においてもこのように考えられていることが悪いことだとは思っていない。ほとんどは船舶や隊商で旅をするか、あるいは宿屋での一夜の滞在のときに、割引料金を値切るためにその幸運による定評を利用しようとする。成功と失敗を繰り返すが、最も懐疑的な視点からさえ、ハーフリングと旅をする人々に振りかかる幸運の循環について、十分なだけの逸話がある。もちろん、一部はハーフリングがまさにそのような理由のため、これらの噂を意図的に広げたものと疑っている。

 男性名/Male Names:アンタル、ボラム、ハイガン、ジャミラ、レム、ミロ、スマック、トライビン、ウルダー、ヴラキム。

 女性名/Female Names:アナファ、ベリス、エチューン、フィリウ、イルレナ、マーラ、プレッシー、リルカ、シストラ、ウィッスル、ヤマイラ。

ハーフリングの種族特性 Halfling Racial Traits

 +2【敏捷力】、+2【魅力】、-2【筋力】:ハーフリングは機敏で強い意志を持つが、彼らの小さな身長のために他の種族よりも脆弱である。

 小型/Small:ハーフリングは小型のクリーチャーであり、ACと攻撃ロールに+1のサイズ・ボーナス、戦技ボーナスと戦技防御値に-1のペナルティ、〈隠密〉判定に+4のサイズ・ボーナスを得る。

 遅い速度/Slow Speed:ハーフリングは20フィートの基本移動速度を持つ。

 大胆不敵/Fearless:ハーフリングは[恐怖]に対する全てのセーヴィング・スローに+2の種族ボーナスを得る。このボーナスはハーフリングの幸運と累積する。

 ハーフリングの幸運/Halfling Luck:ハーフリングは全てのセーヴィング・スローに+1の種族ボーナスを得る。

 鋭き五感/Keen Senses:ハーフリングは〈知覚〉判定に+2の種族ボーナスを得る。

 確かな足取り/Sure-Footed:ハーフリングは〈軽業〉〈登攀〉判定に+2の種族ボーナスを得る。

 武器精通/Weapon Familiarity:ハーフリングはスリングに習熟している。また“ハーフリング”と名前に記載のある武器を全て軍用武器として扱うことができる。

 言語/Languages:ハーフリングは共通語とハーフリング語を開始時に修得している。高い【知力】を持つハーフリングは以下から追加の言語を選択できる:エルフ語、ゴブリン語、ドワーフ語、ノーム語。

代替種族ルール Alternate Racial Rules

 ハーフリングは幸運と周囲への適応性への天性の祝福を受けている。以下のルールはその特性に対応しており、いずれのハーフリングのキャラクターも使用することができる。

代替種族特性 Alternate Racial Traits

 既存のハーフリングの種族特性の代わりに以下の種族特性を選択してもよい。これらの新しいオプションのいずれかを選択する前に、君の GM に相談をすること。

 融通のきく幸運/Adaptable Luck:一部のハーフリングは自身の生来の幸運をより細かく制御することができる。この能力は彼らが日ごとに自身の幸運を適用できる方法により多くの選択肢を提供するが、その範囲を狭くもする。1日に3回、ハーフリングは1回の能力値判定、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、あるいは技能判定に+2の幸運ボーナスを得ることができる。ロールか判定を行う前にこの能力を使用することを選択した場合、完全な+2のボーナスを得る;その後にそうすることを選択した場合、+1だけボーナスを得る。この方法で融通のきく幸運を使用することはアクションではない。この種族特性はハーフリングの幸運と置き換える。

 臆病/Craven:ほとんどのハーフリングは恐れ知らずだが、一部は物に驚きやすく、そのため特に警戒心が強い。この種族特性を有するハーフリングはイニシアチブ判定に+1のボーナス、挟撃したときの攻撃ロールに+1のボーナスを得る。[恐怖]効果に対するセーヴに-2のペナルティを被り、そのようなセーヴへの士気ボーナスから何の恩恵も受けない。[恐怖]効果を受けた場合、彼らの基本移動速度は10フィート上昇し、アーマー・クラスに+1の回避ボーナスを得る。この種族特性は大胆不敵およびハーフリングの幸運と置き換える。

 快速な足/Fleet of Foot:一部のハーフリングはその同族よりもすばしっこいが、警戒心が薄い。この種族特性を持つハーフリングは通常の速度で移動し、30フィートの基本移動速度を持つ。この種族特性は遅い速度および確かな足取りと置き換える。

 ご機嫌とり/Ingratiating:ハーフリングは多くの場合、より大きくより積極的な種族の気まぐれによって生き残る。このため彼らは自身より大きな民族にとってより有用な、あるいは少なくとも面白い存在になるための努力をする。この種族特性を持つハーフリングは自身の選択した1つの〈芸能〉技能を用いた技能判定に+2のボーナスを得て、その〈芸能〉は常にクラス技能となる。彼らはまた〈製作〉および〈職能〉判定に+2のボーナスを得る。この種族特性は鋭き五感および確かな足取りと置き換える。

 下からの攻撃/Low Blow:一部のハーフリングはより大きなクリーチャーをいかに攻撃するかを広く訓練している。この種族特性を有するハーフリングは自分自身よりも大きな敵に対するクリティカル・ロールに+1のボーナスを得る。この種族特性は鋭き五感と置き換える。

 騎手/Outrider:一部のハーフリングは騎乗戦闘に特化している。この種族特性を有するハーフリングは〈動物使い〉判定と〈騎乗〉判定に+2のボーナスを得る。この種族特性は確かな足取りと置き換える。

 多言語家/Polyglot:一部のハーフリング、特に旅に多くの時間を費やす者は、新しい言語を学習するための才能を伸ばす。これらのハーフリングは〈言語学〉判定に+2のボーナスを得て、これを常にクラス技能とする。この種族特性を持つハーフリングはまた、高い【知力】によるボーナス言語に加えて、共通語、ハーフリング語、および自身の選択したその他の言語のいずれか1つ(ドルイド語のような秘密の言語を除く)を会話する能力を得てゲームを開始する。この種族特性は鋭き五感と置き換え、言語の種族特性を変更する。

 実際家/Practicality:ハーフリングは骨折って働くことと常識に根ざしている。この種族特性を有するハーフリングは、いずれか1つの〈製作〉技能か〈職能〉技能に+2のボーナスを得、同様に〈真意看破〉判定と幻術に対するセーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。この種族特性は大胆不敵および鋭き五感と置き換える。

 ろくでなし/Shiftless:ハーフリングは盗みと狡猾さに定評がある──ときにはそれが有利に働く。この種族特性を持つハーフリングは〈はったり〉および〈手先の早業〉判定に+2の種族ボーナスを得て、〈手先の早業〉は常にクラス技能となる。この種族特性は確かな足取りと置き換える。

 影のごとき素早さ/Swift as Shadows:ハーフリングは障害物のある場所を通って移動する時にすら信じられないほどの隠密性を保つ。この種族特性を有するハーフリングは移動しながら〈隠密〉技能を使用する際のペナルティを5軽減し、狙撃する時の〈隠密〉判定のペナルティを10軽減する。この種族特性は確かな足取りと置き換える。

 足の下に/Underfoot:ハーフリングは自分より大きな敵と効果的に戦うためには懸命に訓練しなければならない。この種族特性を有するハーフリングは自分自身よりも大きな敵に対するアーマー・クラスに+1のボーナスを得、蹂躙攻撃に対する反応セーヴィング・スローに+1のボーナスを得る。この種族特性はハーフリングの幸運と置き換える。

 放浪癖/Wanderlust:ハーフリングは旅行と地図を愛する。この種族特性を有するハーフリングは、〈知識:地理〉判定と〈生存〉判定に+2のボーナスを得る。移動手段を提供したり移動力を強化する呪文を発動したり能力を使用したりする場合、ハーフリングは通常よりも術者レベルが1高いものとして扱う。この種族特性は大胆不敵およびハーフリングの幸運と置き換える。

 投石兵/Warslinger:ハーフリングはスリングの使用に熟練している。この種族特性を有するハーフリングは、スリングの再装填をフリー・アクションとして行うことができる。スリングの再装填にはやはり2本の腕を必要とし、機会攻撃を誘発する。この種族特性は確かな足取りと置き換える。

種族副種別 Racial Subtypes

 君はハーフリングの副種族や変種を作成するために、以下のように様々な代替種族特性を組み合わせることができる。

 仇討ち屋/Avenging:ほとんどのハーフリングと異なり、この副種別の仲間は侮辱と悪事に報復するために、その探求の中でトラブルを積極的に探し出す。地元のいじめっこ、怪物、あるいは暴君の軍勢のいずれに抵抗するにせよ、この秘密の裏文化のハーフリングの戦士は覆面をかぶり、共同体を代表して反撃する。これらのハーフリングは下からの攻撃、足の下に、および投石兵の代替種族特性を持つ。

 放浪の民/Nomadic:これらのハーフリングは路上で生まれ、ほとんどはその最期の日まで道をたどる。彼らは速く明るく旅をし、利益や冒険の機会を逃すことはない。これらのハーフリングは軽快な足、多言語家、および放浪癖の代替種族特性をもつ。

 奴隷生まれ/Slave Born:これらのハーフリングは、数えきれないほどの世代を所有物として過ごしてきた血統に由来する。通常は自由の身であるにも拘らず、隷属の重みはその魂の上に未だ負担となってのしかかり、彼らは喜ばせることに熱心で、突然の恐怖の発作に襲われやすい。これらのハーフリングは臆病とご機嫌とりの代替種族特性を持つ。

適性クラス・オプション Favored Class Options

 以下の適性オプションは記載の適性クラスを有するすべてのハーフリングに利用可能であり、特に断りのない限り、ボーナスはクラスの特典を選択するたびに適用される。

 アルケミスト:アルケミストの処方書にアルケミストの処方リストから追加の処方1つを加える。この処方はアルケミストの作成できる最も高レベルの処方より少なくとも1レベル低くなければならない。

 インクィジター:インクィジターの1日の直近のチームワーク特技を変更できる回数に+1/4を加える。

 ウィザード:使い魔の外皮修正、【知力】、および特殊能力を決定する目的において、ウィザードの有効クラス・レベルに+1/2を加える。

 ウィッチ:守護者呪文の効果を決定する際にウィッチの術者レベルに+1/4を加える。

 オラクル:オラクルの呪いの能力の効果を決定する目的において、オラクルのレベルに+1/2を加える。

 ガンスリンガー:軽快のクラス特徴から与えられる回避ボーナスに+1/4を加える(最大+2)、またはガンスリンガーの回避の発露を使用するときに与えられる AC ボーナスに+1/4を加える。

 キャヴァリアー:挑戦を行った敵に対する機会攻撃において与えるダメージを決定する目的においてキャヴァリアーの有効クラス・レベルに+1/2を加える。

 クレリック:通常の使用回数が3+【判断力】修正値に等しい1レベル時に与えられる領域能力を1つ選択すること。クレリックはその領域能力の1日の使用回数に+1/2を加える。

 サモナー:サモナーの幻獣の技能ランクに+1を加える。

 ソーサラー:通常の1日の使用回数が3+ソーサラーの【魅力】修正値である1レベル時の血脈の力を1つ選択すること。ソーサラーはその血脈の力の1日の使用回数に+1/2を加える。

 ドルイド:ドルイドの動物の相棒のセーヴィング・スローに+1/4の幸運ボーナスを加える。

 バード:秘密のメッセージを伝える〈はったり〉判定に+1/2のボーナス、または情報を収集する〈交渉〉判定に+1/2のボーナス、あるいはエルフ、ハーフエルフ、または人間の子供の振りをする〈変装〉判定に+1/2のボーナスを加える。

 バーバリアン:罠感知に+1/2のボーナス、または驚異的精度の激怒パワーに+1/3のボーナスを加える。

 パラディン:パラディンの癒しの手の能力に+1/2ヒット・ポイントを加える(治療とダメージのどちらに使うにせよ)。

 ファイター:足払いまたは組みつきの試みに抵抗する際のファイターの CMD に+1を加える。

 メイガス:メイガスは新たなメイガスの秘奥を1/6得る。

 モンク:モンクの組みつきに抵抗するときの CMD に+1を、さらに1日に試みることのできる朦朧化攻撃の回数に+1/2を加える。

 レンジャー:レンジャーの得意な敵に対するアーマー・クラスに+1/4の回避ボーナスを加える。

 ローグ:以下のリストから1つの武器を選択すること:スリング、ダガー、または名前に“ハーフリング”を含むいずれかの武器。その武器によるクリティカル・ロールに+1/2ボーナスを加える(最大ボーナス+4)。このボーナスは《クリティカル熟練》と累積しない。

種族アーキタイプ&騎士団 Racial Archetypes & Orders

 以下の種族騎士団および種族アーキタイプはハーフリングに利用可能である。

共同体の守護者(オラクル)Community Guardian

 共同体の守護者はその共同体の中で弱く無辜なる人々を守り援助するために選ばれる。その使命によって共同体の守護者はそうした目的を達成する為に更に集団の意志を活用し、集団の意志に集中できる。共同体の守護者は以下のクラス特徴を持つ。

 属性:いずれかの善。

 推奨される神秘/Recommended Mysteries祖霊生命伝承自然

 クラス技能:共同体の守護者はクラス技能リストに〈知識:地域〉〈言語学〉〈知覚〉および〈生存〉を加える。これらは神秘による追加のクラス技能と置き換える。

 ボーナス呪文ブレス・ウォーター(2レベル)、コンセクレイト(4レベル)、リムーヴ・ディジーズ(6レベル)、ハロウ(10レベル)、ヒーローズ・フィースト(12レベル)。これらのボーナス呪文はそのレベルのオラクルの神秘のボーナス呪文と置き換える。

 啓示:共同体の守護者は記載のレベルの時点で以下の啓示を取得しなければならない。

 共同体の魂(変則)/Spirit of Community:1回の移動アクションによって、共同体の守護者は共同体の魂を喚び降ろす。続くラウンドにおいて共同体の守護者は、30フィート以内の味方それぞれがこの啓示の持続時間が終了するまでに行う1回の技能判定(味方が選択する)に+1の技量ボーナスを与える。さらに、30フィート以内の味方は1回のフリー・アクションとして、このボーナスを破棄することで、代わりに味方1体のこの能力により与えられた技量ボーナスを+1増加することを選択できる(最大+5)。共同体の守護者はこの能力を1日に3+【魅力】修正値に等しい回数まで使用することができる。共同体の守護者は、この啓示を1レベル時に取得しなければならない。

 賦活の輝き(超常)/Renewing Radiance:1日に1回、共同体の守護者は1ラウンドの間30フィート以内の味方に保護と再生を提供する、渦巻く白い光の爆発を生み出すことができる。自身のターンに、味方は1ラウンドの間ACへの+1の清浄ボーナスを得るか、あるいは1d6+共同体の守護者の【魅力】ボーナスに等しいヒット・ポイントを回復するかのいずれかを選択することができる(味方が選択する)。味方が瀕死状態の場合は、代わりに容態安定化する。7レベルの時点で、ACへのボーナスは+2に増加し、2d6+【魅力】ボーナスのヒット・ポイントを治療するようになる。さらに14レベルの時点で、ACへのボーナスは+3に増加し3d6+【魅力】ボーナスのヒット・ポイントを治療するようになる。共同体の守護者はこの啓示を3レベルの時点で取得しなければならない。

ちょろまかし屋(ローグ) Filcher

 ちょろまかし屋は所有者にまるで気づかせずに貴重品を盗む。戦闘のまっただなかに財布を切るにせよ、所有者の鼻面の先で貴重な品を偽物と交換するにせよ、ちょろまかし屋は迅速かつ静粛な盗みの達人である。ちょろまかし屋は以下のクラス特徴を持つ。

 目にも留まらぬ速さ(変則)/Quicker than the Eye:2レベルの時点で、ちょろまかし屋は驚くほど迅速で繊細な接触を編み出す。ちょろまかし屋が〈手先の早業〉を使用するとき、クリーチャーはそれに気づくことを試みる〈知覚〉判定にちょろまかし屋のクラス・レベルの半分に等しいペナルティを受ける。ちょろまかし屋はまた、1回の標準アクションの代わりに1回の移動アクションとして〈手先の早業〉判定を試みるときに、通常の-20のペナルティからそのクラス・レベルを減算する。最後に、ちょろまかし屋は武器を含む身体に隠した物品1つを、通常の標準アクションの代わりに1回の移動アクションとして引き抜くことができる。この能力は身かわしと置き換える。

 物色(変則)/Rummage:3レベルの時点で、ちょろまかし屋は最速の一瞥でアイテムの価値を評価する方法を学ぶ。ちょろまかし屋は袋、背嚢、あるいは類似の容器にできる膨らみを観察するだけで、特定のアイテムについて驚くほど正確な推測を行うことさえできる。ちょろまかし屋は〈鑑定〉判定への+1のボーナス、および以降の3レベルごとに追加の+1のボーナスを得る。
 1回の即行アクションとして、ちょろまかし屋は目標によって運搬される各物品の相対的な価値の順序を判断する〈鑑定〉判定を行うことができる(DC=10+ちょろまかし屋が相対的な価値を把握しようとしている物品ごとに1)。ちょろまかし屋は物色を使用したときにアイテムの実際の価値を学ぶわけではないが、これらのアイテムを最も価値あるものから最も無価値なものまで順序づけるのに十分な情報を得る。ちょろまかし屋は判定への-20のペナルティを受けて、この評価に目標の運搬しているちょろまかし屋が見ることのできない任意のアイテムを加えることができる。この能力は罠感知+1、+2、+3、+4、+5、および+6と置き換える。

 ちょろまかし(変則)/Filch:4レベルの時点で、ちょろまかし屋は戦闘中でさえ相手からアイテムを摘み取る方法を学ぶ。ちょろまかし屋はボーナス特技として《盗み取り強化》を得て、盗み取り戦技を使用するときに CMB の代わりに〈手先の早業〉ボーナスを使用することができる。ちょろまかし屋が何らかの特技、呪文、魔法のアイテム、あるいは類似の効果によって戦技判定にボーナスを得ている場合、それは盗み取りの戦技を使用するときの〈手先の早業〉ボーナスに加えられる。この能力は直感回避と置き換える。

 優れたちょろまかし(変則)/Superior Filching:8レベルの時点で、ちょろまかし屋は所有物から所有者を分離する達人になる。ちょろまかし屋はボーナス特技として《上級盗み取り》を得て、固定されたアイテムを抜き取ることを試みるときに相手が CMD への+5のボーナスを得ることがなくなる。この能力は直感回避強化と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技はちょろまかし屋アーキタイプを補完する:高速隠密、鈍らせ;素早き指、高速後退;闇市場の人脈、器用な掌。

 上級の技:以下の上級の技はちょろまかし屋アーキタイプを補完する:技能体得;高速軽業;武器強奪。

パウ騎士団(キャヴァリアー) Order of the Paw

 ドッグまたはウルフを駆るハーフリングだけがこのキャヴァリアーの騎士団に入団する資格を持つ。彼らは入団時に、荒野を巡回し、個人と社会全体の双方にとって潜在的な脅威を探し出すことで、ハーフリング、ハーフリングの共同体、およびその他の無実の人々を守ることを誓う。こうしたキャヴァリアーは無慈悲な効率性と、非ハーフリングが驚くべき、そしていくらか気がかりになるような決断によって、潜在的な危険を追い詰める。

 布告:キャヴァリアーはその共同体を暴れまわる怪物や恐るべき侵略から守るために努力しなければならない。キャヴァリアーの最優先事項はハーフリングの共同体を支援することだが、野生においてこのような脅威から身を守ることのできない人々を保護することもまた誓約している。キャヴァリアーはハーフリングの共同体や無辜なるクリーチャーを危険に晒すことになるであろういかなる行動も決して行なってはならない。パウ騎士団のキャヴァリアーは乗騎としてウルフまたはドッグを取得しなければならない。

 挑戦:パウ騎士団のキャヴァリアーが挑戦を挑んでいる間、キャヴァリアーの挑戦の目標の機会攻撃範囲に収められており、かつキャヴァリアーが乗騎に騎乗している限り、その乗騎は AC への+1の回避ボーナスを得る。このボーナスはキャヴァリアーの取得する4レベルごとに+1ずつ増加する。

 技能:パウ騎士団のキャヴァリアーは〈知識:自然〉〈生存〉をクラス技能のリストに加える。キャヴァリアーは未修得の〈知識:自然〉判定を行うことができる。また、パウ騎士団のキャヴァリアーは騎乗中の追跡に長けており、騎乗しているにせよしていないにせよ、移動中の追跡によるペナルティを決定するために自身ではなく乗騎の移動速度を使用する。

 騎士団能力:パウ騎士団に所属するキャヴァリアーはレベルが上昇するに従い以下の能力を得る。

 危険への守り(変則)/Danger Ward:2レベルの時点で、キャヴァリアーは味方に差し迫る危険のために準備することができる。1回の標準アクションとして、キャヴァリアーは30フィート以内のすべての味方の直面する危険に備えて、この恩恵を与えるときにキャヴァリアーが選択した1種類のセーヴィング・スロー(頑健、反応、または意志)にボーナスを与える。続く1分間のいずれかの時点において、これらの味方がこの種類のセーヴィング・スローに失敗したとき、1回の割り込みアクションとして+4の技量ボーナスつきでセーヴィング・スローの再ロールを行うことを選択できるが、より悪い場合でもその再ロールの結果を使用しなければならない。キャヴァリアーはこの能力を1日に3回、各種類のセーヴィング・スローごとに1度まで使用することができる。

 犬の凶暴性(変則)/Canine Ferocity:8レベルの時点で、キャヴァリアーがウルフかドッグの乗騎を突き飛ばしか蹴散らし(乗騎は蹄攻撃の代わりに噛みつき攻撃を行うことができる)の戦技に使用するとき、戦技に対するクリーチャーのサイズおよび乗騎のCMBを決定する目的において、その乗騎のサイズ分類を1段階大きいものと見なす。キャヴァリアーはまた以下のリストから選択した1つのボーナス特技を得る:《騎乗戦闘》《駆け抜け攻撃》《技能熟練:騎乗》《猛突撃》《騎乗蹂躙》、あるいは《突き落とし》。選択した特技の前提条件は満たさねばならない。(更新

 巨人殺し(変則)/Giant Slayer:15レベルの時点で、キャヴァリアーが挑戦の目標に近接攻撃を命中させ、その目標のサイズがキャヴァリアーよりも少なくとも2段階大きいとき、キャヴァリアーはダメージ・ロールにキャヴァリアー・レベルの1/2に等しいボーナスを得る。このダメージはクリティカル・ヒット時に乗算される。

足下の達人(モンク) Underfoot Adept

 足下の達人は小柄な体躯と型破りな足さばきを強力な武器に変じる。足下の達人は軽々と戦場を横切って移動し、大きなクリーチャーの足の下に屈みこんで、しかるのち意外な攻撃でこれを転倒させる。足下の達人は以下のクラス特徴を持つ。

 足下の恩恵(変則)/Underfoot Grace:1レベルの時点で、足下の達人は自身のサイズと取り柄を、通り過ぎる相手からの攻撃を避けるのに利用する。機会攻撃範囲または敵のマスを通過することによる機会攻撃を避けるのに〈軽業〉技能を使用するとき、足下の達人は完全な移動速度でそうしても、通常の-10のペナルティの代わりに-5のペナルティしか受けない。この能力は1レベルの時点で獲得するボーナス特技と置き換える。

 足下の足払い(変則)/Underfoot Trip:1レベルの時点で、足下の達人は最も大きな相手さえ躓き倒れさせるかもしれないいくつかの歩法と掴みを学ぶ。足下の達人はボーナス特技として、前提条件を満たしていない場合でさえも、《足払い強化》を得る。4レベルの時点、および以降の4レベルごとに、足下の達人は足払いのできるクリーチャーの最大サイズを決定し、また足払いの戦技の CMB とCMD を算出する目的において、サイズが1段階大きいかのように作用する。この能力は朦朧化打撃と置き換える。

 足下の恩恵強化(変則)/Improved Underfoot Grace:5レベルの時点で、足下の達人の通過した相手の機会攻撃を避ける能力は強化される。機会攻撃範囲または敵のマスを通過することによる機会攻撃を避けるために〈軽業〉技能を使用するとき、足下の達人は完全な移動速度でそうしても、ペナルティを受けない。この能力は大跳躍と置き換える。

新しい種族ルール New Racial Rules

 ハーフリングは以下の選択肢を使用することができる。GM の裁量によっては、他の適切な種族もまた、これらのうちいくつかを使用してもよい。

ハーフリングの装備品 Halfling Equipment

 ハーフリングは以下の装備品を利用することができる。

 錬金術ジャム/Alchemical Preserves:この特別に扱われるジャムの小さな缶には、ハーフリングに一人前の滋養を提供するのに十分な甘くてベタベタした食べ物が入っている。いずれのクリーチャーも1回の標準アクションとしてこのジャムを食べることができるが、ハーフリングにのみ有益な影響を与える。ジャムを食べたハーフリングは疲労状態から回復する。錬金術ジャムを食べたハーフリング以外のものは1ラウンドの間不調状態になる。

 展張ケープ/Billow Cape:この絹のケープは、慎重に配置されゆるく縫い合わされた無数の重なり合った層によって構成されている。落下などによって急激な空気の流入にさらされると、このマントは粗雑なパラシュートのように展開する。落下時に展張ケープを着用しているクリーチャーは、意図的に高所から飛び降りたかのように扱われる。疾風以上の地域で着用している場合、展張ケープは移動を妨げる。そのような風力環境下では、着用者はすべての地形を移動困難な地形として扱い、〈飛行〉判定に-4のペナルティを被る。このケープの奇妙でやや脆い構造のため、小型かより小さな展張ケープだけが適切に機能する。より大きな展張ケープは強い風に起因するすべてのペナルティを受けるが、着用者が落下したときの利益を与えることはない。

 ハーフリングのジャグリング棒/Halfling Jugglesticks:この4本の色鮮やかなスティックのセットは、見栄え良く型を作れるようにジャグリングや操作ができるよう、カラフルな吹き流しで飾りたてられている。ハーフリングはさらに大きな効果のためにこれらを使用し、〈芸能:お笑い〉判定に+2の状況ボーナスを得る。

 唸り紐/Roar Cord:この細長いロープはその長さに沿って固定されたたくさんの奇妙な形の中空の金属の細片を備えている。1回の標準アクションとして、クリーチャーは不気味な騒音を発生させるために頭上で唸り紐を振り回すことができる。次のラウンドの間、唸り紐の60フィート以内にいるすべてのクリーチャーは音に依存する〈知覚〉判定に-2のペナルティを受け、[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローに-1のペナルティを被る。唸り紐は打ち消しの調べの呪芸を使用する際に、〈芸能〉判定に+2のボーナスを与えるバードの楽器(弦楽器)であるかのように使用することができる。

ハーフリングの装備品 Halfling Equipment
アイテム 価格 荷重 〈製作〉DC
錬金術ジャム 50gp 20
展張ケープ 100gp 4ポンド
ハーフリングのジャグリング棒 25gp 1ポンド
唸り紐 15gp 1ポンド

ハーフリングの特技 Halfling Feats

 ハーフリングは以下の特技を利用することができる。

《融通のきく天運》 Adaptive Fortune

 君の幸運はほとんど伝説的な域に達する。
 前提条件《幸運児》、融通のきく幸運の種族特性、キャラクター・レベル10、ハーフリング。
 利益:君の融通のきく幸運の種族特性の1日の使用回数は1増加する。加えて、君が融通のきく幸運を使用するときの幸運ボーナスはどちらの使用法も2増加する。

《まぬけ防御》(戦闘) Blundering Defense

 君の熱狂的で時にはコミカルな防御技術は、味方を支援するのに十分なほど相手の注意をそらせる。
 前提条件《慎重な戦士》、ハーフリング。
 利益:君が防御的戦闘か防御専念アクションを使用するたびに、味方は AC および CMD に、君が自身のとったアクションから得た回避ボーナスの 1/2 に等しい幸運ボーナスを得る。味方は君に隣接している間しかこのボーナスを得られない。

《慎重な戦士》(戦闘) Cautious Fighter

 君は勝利よりも生き残ることを重視している。
 前提条件:ハーフリング。
 利益:防御的戦闘または防御専念を行うときの、君の AC への回避ボーナスを2増加する。

《勇敢な不屈》 Courageous Resolve

 他人が逃げ出すときでも、君は大地を踏みしめていがちだ。
 前提条件:臆病の種族特性または大胆不敵の種族特性、ハーフリング。
 利益:君が大胆不敵の種族特性を持っている場合、君の[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローへの種族ボーナスは+4に増加する。君が臆病の種族特性を持っている場合、君は依然として[恐怖]セーヴに-2のペナルティを被るが、君は[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローへの士気ボーナスから利益を得ることができる。

《やけっぱちの一振り》(戦闘) Desperate Swing

 君は絶望的な状況で最も有効な一撃を喰らわせる。
 前提条件《慎重な戦士》、基本攻撃ボーナス+1、ハーフリング。
 利益:1日に1回、君は防御専念アクションを行なっている最中に1回の単一の近接攻撃を行うことができる。君はこの攻撃を行う際に攻撃ロールへの-4のペナルティを被る。君はまた防御的戦闘中、あるいはこの特技を使用した機会攻撃において、クリティカル・ロールに+4のボーナスを得る。

《幸運児》 Fortunate One

 君は融通のきく幸運についてほとんどのハーフリングよりもさらに大きな才覚を持っている。
 前提条件:融通のきく幸運の種族特性、ハーフリング。
 利益:君の融通のきく幸運の種族特性の1日の使用回数は1増加する。

《下からの攻撃強化》(戦闘) Improved Low Blow

 君はより大きな相手を痛めつける打撃に長けている。
 前提条件:基本攻撃ボーナス+4、ハーフリング、下からの攻撃の種族特性。
 利益:君の君自身よりも大きな相手に対するクリティカル・ロールへのボーナスは+2に増加する。加えて、1日に1回、君はクリティカル・ロールに失敗した後でそのクリティカル・ロールを再ロールすることができるが、新しい結果がより悪い場合でもそれを使用しなければならない。

《幸運の癒し手》 Lucky Healer

 君の幸運は魔法的な治療からほとんどの場合よりはるかに効率的な癒しをもたらす。
 前提条件:融通のきく幸運の種族特性、ハーフリング。
 利益:魔法の治療効果(“キュア”と名前にある呪文やエネルギー放出など)で君が回復される際、君は融通の利く幸運種族特性の使用回数を1回分消費することで、回復されたダメージ量を再ロールすることができる。君は新しいロールか元のロールの、いずれか大きな方に等しいヒット・ポイントを回復する。この効果から治療される他のクリーチャーはこの利益を得ない。(更新

《幸運の一打》(戦闘)Lucky Strike

 君の幸運は君の武器攻撃の威力を増加させる。
 前提条件:基本攻撃ボーナス+5、融通のきく幸運の種族特性、ハーフリング。
 利益:君は融通のきく幸運の種族特性の使用回数を1回分使用して、1回の単一の武器攻撃のダメージを再ロールすることができる。君は新しいダメージ・ロールか元のロールの、いずれか大きな方のダメージを与える。

《危険な打撃者》(戦闘) Risky Striker

 君はより大きなクリーチャーに壊滅的な打撃を食らわせるために、自身が少しばかり脆弱になる。
 前提条件:基本攻撃ボーナス+1、ハーフリング。
 利益:君は AC への-1のペナルティを受けて、君よりもサイズ分類が2段階以上大きなクリーチャーに対する近接ダメージ・ロールへの+2のボーナスを得ることを選択することができる。君の基本攻撃ボーナスが+4となったときと以降4レベル毎、このペナルティは-1ずつ増加し、ダメージ・ボーナスは2ずつ増加する。このボーナス・ダメージはクリティカル・ヒットの際に乗算される。君は近接武器による攻撃アクションまたは全力攻撃アクションを行うことを宣言するときにのみ、この特技の使用を選択できる。この効果は君の次のターンまで持続する。(更新

《確かな快速》 Sure and Fleet

 君は素早くそして注意深い。
 前提条件:快速な足の種族特性、ハーフリング。
 利益:君は〈軽業〉および〈登攀〉判定に+2の種族ボーナスを得る。

《不意の一打》(戦闘) Surprise Strike

 君が必死に敵を回避しようとするとき、実際にはそれ以上のダメージを与えている。
 前提条件《慎重な戦士》《やけっぱちの一振り》、基本攻撃ボーナス+6、ハーフリング。
 利益:1日に1回、防御的戦闘、または防御専念アクションを行なっている最中に《やけっぱちの一振り》特技によって機会攻撃を行う際に、君は攻撃ロールへのペナルティを受けない。

《直感防御》(戦闘) Uncanny Defense

 君の自己保存本能は君に多くの利点を提供する。
 前提条件《慎重な戦士》、基本攻撃ボーナス+3、ハーフリング。
 利益:防御的戦闘または防御専念アクションを行なっているとき、君は反応セーヴィング・スローおよび CMD に、君がそのアクションから AC に得ている回避ボーナスの 1/2 に等しいボーナスを得る。

ハーフリングの魔法のアイテム Halfling Magic Items

 ハーフリングは以下の魔法のアイテムを利用することができる。

ブック・オヴ・マーヴェラス・レシピス

         (Book of Marvelous Recipes/脅威の調理法の書)
オーラ 中程度・召喚術;術者レベル 11
装備部位 ―;市価 28,800;重量 3ポンド

解説
 この分厚く旅にくたびれた革の本のページは読者がそれをめくると自らの記述を書き換えて、読者の現在の欲求や調理したい願望を先取りしているかのように美味な調理法を多数作成する。調理法はこのような料理を作る際に読者の助けとなり、未修得の場合でも〈職能:料理人〉技能を使えるようにし、あるいは読者がこの技能を訓練済みの場合にはその判定に+4の技量ボーナスを与える。
 さらに、1日に1回、この書は読者が調理する料理を強化するのに使用することができる。この方法で使用した場合、書は調理された料理にヒーローズ・フィースト呪文(術者レベル11)の効果を与える。

作成要項
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》ヒーローズ・フィースト、作成者は最低でも4ランクの〈職能:料理人〉を取得していなければならない;コスト 14,400gp

エスケープ・ダスト

         (Escape Dust/脱出の粉)
オーラ 微弱・召喚術;術者レベル 3
装備部位 ―;市価 300gp;重量

解説
 この荒い結晶性の粉末の一握りは、1体のクリーチャーに投げつけられるとそのクリーチャーの周りを取り巻き、攻撃および視認能力を混乱させる。この粉を使用するには使用者による遠隔接触攻撃(射程単位5フィート)が必要となるが、これは機会攻撃を誘発しない。命中すると、目標は1ラウンドの間目が眩んだ状態になり、機会攻撃または割り込みアクションを行うことができない。

作成要項
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》グリッターダストコスト 150gp

クイックフィンガーズ・グラヴズ

         (Quickfingers Gloves/早指の手袋)
オーラ 微弱・変成術;術者レベル 5
装備部位 両手;市価 2,500gp;重量

解説
 この暗い色のぴったりとした手袋は、一般的にはしなやかな仔牛のなめし革か絹のどちらかで作られている。最低1ランクの〈手先の早業〉を持つこの手袋の着用者は、通常の-20ではなく-10のペナルティを受けることで、その判定を移動アクションで行うことができる。魔法を有効にするには両方の手袋を着用しなければならない。


ソリッドスモーク・パイプウィード

         (Solidsmoke Pipeweed/固形煙のパイプ草)
オーラ 中程度・召喚術;術者レベル 7
装備部位 ―;市価 1,000gp;重量

解説
 この魔法の煙草のひとつまみを任意のパイプで喫煙すると、喫煙者の役に立つ物体に変換することのできる乳白色の物憂げな煙が生み出される。パイプを吸うハーフリングは1回の全ラウンド・アクションとして、煙を5ポンド以下の重量で最大で1立方フィートまでの体積を持つ物体に形成することができる。ハーフリングは続くラウンドに追加の全ラウンド・アクションを費やすことで、物体の重量を2ポンド、体積を1立方フィート追加することができる。複雑なアイテムを作成するには、ハーフリングは適切な〈製作〉判定に成功しなければならない。ハーフリングが何らかの理由で物体の作成が完了する前にパイプを吹かすのをやめた場合、煙の中の像は崩れて、パイプは消滅する。ソリッドスモーク・パイプウィードによって作成された物体は蒸気となって消えるまで24時間維持される。パイプ草によって作成された物体は、その種別の製造品であるかのように、同様の硬度、ヒット・ポイント、およびその他の性質を持つが、煙のように不明瞭に見える。ソリッドスモーク・パイプウィードのひとつまみは、3全ラウンド・アクションの間喫煙するのに十分である。単一の大きなアイテムは、ソリッドスモーク・パイプウィードのひとつまみで制作される必要があり、したがってこのパイプ草は9ポンドかつ3立方フィートよりも大きなアイテムを作成することはできない。
 ハーフリングは別の特定の物体を置き換えたり、その正確な複製をするよう設計した物体を作成することはできない。例えば、煙の錠前をその鍵と一緒に作成することはできるが、既存の鍵穴の中に煙を吹かせて特定の錠前を開くような鍵を作成することはできない。
 この煙はハーフリング以外には腐食性で息を詰まらせる。パイプ草はハーフリング以外には何の利益も与えず、喫煙するために標準アクションを費やすごとに、1ラウンドの間不調状態にする。

作成要項
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》マイナー・クリエイション、作成者はハーフリングでなくてはならない;コスト 500gp

シンボル・オヴ・ラック

         (Symbol of Luck/幸運の印)
オーラ 微弱・力術;術者レベル 3
装備部位 ―;市価 6,000gp;重量 1ポンド

解説
 この半透明の鉄のように硬いガラスの球体は、所持してから1時間以内に所有者の聖印と一致するように変形する。この変形が完了すると、融通のきく幸運の種族特性をもつハーフリングによって、回復のためのエネルギー放出にこのシンボルが使用されるとき、その回復とともに、エネルギー放出による回復のダイス数に等しいラウンドの間、セーヴィング・スローへの+1の幸運ボーナスを与える。

作成要項
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》ディヴァイン・フェイヴァー、作成者はハーフリングでなくてはならない;コスト 3,000gp


ハーフリングの呪文 Halfling Spells

 ハーフリングは以下の呪文を利用することができる。

ブレッシング・オヴ・ラック・アンド・リゾルヴ

Blessing of Luck and Resolve/幸運と不屈の祝福
系統 心術(強制)[精神作用];呪文レベル クレリック2、インクィジター2、パラディン2
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 接触
目標 接触した生きているクリーチャー1体
持続時間 1分/レベル(解除可)、特殊(本文参照)
セーヴィング・スロー 意志・無効(無害);呪文抵抗 可(無害)(更新
 ハーフリングのクレリックによる特恵の祝福であるこの呪文は、目標に[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローへの+2の士気ボーナスを与える。目標が大胆不敵の種族特性を持つ場合は、代わりに[恐怖]に対する完全耐性を与える。目標は[恐怖]に対するセーヴィング・スローに失敗した場合、1回の割り込みアクションによってこの呪文を終了させ、そのセーヴを+4の士気ボーナスつきで再ロールすることができるが、より悪くなった場合でも新しい結果を使用しなければならない。

マス・ブレッシング・オヴ・ラック・アンド・リゾルヴ

Blessing of Luck and Resolve, Mass/集団幸運と不屈の祝福
系統 心術(強制)[精神作用];呪文レベル クレリック6、インクィジター6、パラディン4
距離 近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標 クリーチャー1体/レベル、ただしそのうちのどの2つをとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
 この呪文は複数のクリーチャーに影響することを除いて、ブレッシング・オヴ・ラック・アンド・リゾルヴと同様に機能する。

エスケーピング・ウォード

Escaping Ward/脱出の守り
系統 防御術;呪文レベル バード2、インクィジター2、メイガス2、レンジャー2、ウィザード/ソーサラー2
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 自身
目標 術者
持続時間 1ラウンド/レベル
 この守りは術者がより大きな敵からの攻撃を避けるときに格別の機動性を与える。この呪文の影響を受けている間、術者は自身より少なくとも1段階サイズが大きなクリーチャーから攻撃を受けてその攻撃が失敗したとき、1回の割り込みアクションを使用して、攻撃したクリーチャーから離れるように5フィートまで移動することができる。術者は5術者レベルごとにこの移動を5フィート増加させることができる。この移動は機会攻撃を誘発しない。

フィアサム・デュプリケイト

Fearsome Duplicate/恐るべき複製
系統 幻術(虚像);呪文レベル バード3、インクィジター3、ウィザード/ソーサラー3、ウィッチ3
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果 恐ろしく歪んだ術者の複製
持続時間 1分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー 意志・看破(やりとりがあった場合);呪文抵抗 不可(更新
 術者は自分自身のより大きくはるかに恐ろしい複製を1体作成し、送り出し、操り人形のように操作して、他人との対話に使用することができる。術者は自身より2段階までサイズが大きな複製を作成することができ、元の外観からどのように変化させるかのテーマを決定することができる。しかしながら、この複製は常に術者の外観の面影をいくらか保持する。術者を既に知っているクリーチャーはこの呪文を看破するためのセーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。術者の複製は実際には実体を持たず、術者は周囲に変化を与えたり、攻撃その他の遭遇したクリーチャーを害するような用い方をすることはできない。術者は複製をしゃべらせて、〈はったり〉〈交渉〉、および〈威圧〉技能を使用してクリーチャーと口頭で対話させることができ、また複製を通じて技能を使用するときには〈威圧〉判定に+2の技量ボーナスを得る。
 術者は自身が実際に存在して〈知覚〉技能を使用しているかのように、複製の周囲を見て、聞いて、味わい、そして嗅ぐことができる。術者は複製を制御するときにも自分自身の周辺を自覚しており、制御は術者の感覚への負担となる。術者は複製を制御している間、〈知覚〉判定への-4のペナルティを被る。
 複製は術者の精神的な命令にしたがって移動し、術者はその動きを演じる必要はないが、術者は複製を1ラウンドの間制御するために1回の標準アクションを使用(この呪文への精神集中)しなければならず、さもなくば瞬く間に消滅する。術者は複製との視線や効果線が通っていない場合でも、その制御を維持することができる。
 複製は攻撃を受けて命中されるか、ダメージ効果の範囲に巻き込まれるか、あるいは呪文の最大有効距離を超えて移動した場合には即座に消滅する。

ヴィレッジ・ヴェイル

Village Veil/村の覆い
系統 幻術(虚像)[精神作用];呪文レベル バード5、クレリック5、ウィザード/ソーサラー5、ウィッチ5
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 長距離(400フィート+40フィート/レベル)
効果範囲 一辺10フィートの立方体の区画1個ぶん/レベル
持続時間 1日/レベル
セーヴィング・スロー 意志・看破;呪文抵抗 不可(更新
 術者は範囲を覆う幻影を投影する。これにより、この範囲を見てやりとりをしたクリーチャーは、この範囲が大きな災害あるいは大惨事に見舞われ、彼らの要望にとって全くの無価値である用に信じ込ませる。術者はこの呪文を発動するときに、(火、竜巻、山賊の襲撃、ペストなど)その災害の性質としていくつかの一般的な指針を設定する必要があり、その後、幻影は現実的に見えるように残りの詳細を埋めていく。この呪文の発動時に、術者は特定の明確に識別できる物理的特性(種族、性別、年齢段階、など)を備えたクリーチャーにこの呪文に対する完全耐性を与えることができる。これにより、そのような適格なクリーチャーはすべて、架空の外観の代わりに効果範囲の真の性質を知覚することができる。この完全耐性を持たず、セーヴィング・スローに失敗したクリーチャーは常に、価値や彼らの関心を引くべき何者も絶対的に存在しないかのように効果範囲を知覚する。疑う理由がない限り、彼らは常に範囲を緊密に調査することなく移動する。範囲を緊密に調査することを選択した、十分に疑う理由を持つクリーチャーは、村に入って直接幻影とやりとりをすることで、+2のボーナス付きでもう1度セーヴィング・スローを行うことができる。
 術者は複数回発動することでこの呪文の範囲を拡大することができる。そうするたびに、術者は同じ災害を使用して同じ種類のクリーチャーにその効果への完全耐性を与えることで、既存の範囲に呪文を有効に“接続”する必要がある。術者がこれに失敗した場合には、どれだけ大きくても幻影全体が消滅する。
最終更新:2022年03月14日 00:05