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*搭乗物 &small(){&link(Vehicles){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html}}  パスファインダー・ロールプレイング・ゲームにおいては、低レベルのキャラクターは旅のほとんどを自分の二本の足で行う。高レベルになると乗馬、動物の相棒の上、あるいはより特殊な乗騎を介しての旅と同様に、魔法的な旅も一般的な出来事になる。時には、旅は何らかの搭乗物を伴うかもしれない──隊商の四輪馬車、風に揺れるガレー船、いくつかのファンタジー的な形態の航空輸送船、あるいは次元間跳躍装置さえ。君が一風変わったものを伴うゲームが好きなのであれば、これらの搭乗物は大破した宇宙船と同じくらい物珍しいものになる。いずれにせよ、パスファインダーRPGの搭乗物は多くの場合、移動可能な地形か独自の冒険の舞台として扱われる。  『アルゴ探検隊の大冒険』の航海から海賊の物語まで、歓呼のうねりの下に血塗られた闘技場の戦車乗りからドラゴンを追跡し飼い慣らす者まで、ロールプレイング・ゲームを刺激する象徴的なモチーフの多くは、搭乗者たる冒険者に触れている。歴史とフィクションは命知らずのアクションを実行する興味深い搭乗物で満たされている。この章のルールで君はパスファインダーRPGの搭乗物との戦闘を実行することができるのみならず、物体や地形として扱うこともできる。  以下のルールでは戦闘中の迫真性と遊びやすさと速度の間でバランスを取ることを試みた。これらの2つのバランスが衝突している範囲では、常に遊びやすさが優先されるべきである。 *搭乗物の基本 &small(){&link(Vehicle Basics){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#vehicle-basics}}  以下はパスファインダー・ロールプレイング・ゲームにおいて搭乗物を使用するための基本ルールである。これらはすべての搭乗物が使用するルールの概要を示す。  &b(){操縦者/Drivers}:操縦者は搭乗物を制御する。操縦者は最低でも3の【知力】を有し、搭乗物の操縦装置を物理的に操作することが可能な、搭乗物の操縦スペース内におり操縦装置を積極的に操作するクリーチャーである。  &b(){搭乗者/Occupants}:騎乗するか、操縦するか、乗組員として働くか、あるいは搭乗物に推進力を提供するクリーチャーはその搭乗者と見なされる。  &b(){向き/Facing}:キャラクターと異なり、搭乗物は前方の向きを持っている。搭乗物はその前方に向けた方向に移動するときに最善の移動をする。  &b(){加速/減速/Acceleration/Deceleration}:搭乗物はその最大速度に達するために加速をしなければならない。各ラウンドに、適切な操縦アクションと判定に成功することで、操縦者は搭乗物の移動速度を搭乗物の最大速度より大きな値をとらない限りその加速度の割合で増加することができる。搭乗物は速度を落とすために減速をしなければならず、正確な地点で停止するのは難しい。  &b(){イニシアチブ/Initiative}:搭乗物は操縦者のターンの開始時に移動する。搭乗物に操縦者がいない場合、最後にその操縦者であったクリーチャーのターンか、あるいは GM の決定したターンに移動する。  &b(){搭乗物の制御/Controlling a Vehicle}:搭乗物が操縦者を有する場合、自身のターンになにかを行う前に、操縦者は実行する操縦アクションを決定し、そのアクションを行わなければならない。操縦者がアクションを行わないか、搭乗物を操縦する代わりに何らかの他のアクションを行うか、あるいは待機か行動遅延アクションを行う場合──あるいは操縦者が存在しない場合、搭乗物は“無制御”アクションを行う。操縦者は搭乗物を制御するために各ターンに1回だけアクションを行うことができる。操縦者が一度アクションを選択するか、または搭乗物を強制的に無制御にするためにその他のいくつかのアクションを行うと、搭乗物は移動する。  &b(){操縦判定/Driving Check}:操縦アクションを行うとき、操縦者はそのラウンドの搭乗物の機動性と速度を決定するための操縦判定を行わなければならない。操縦判定に使用する技能は搭乗物の推進力によって決定される。操縦者はいつでも操縦判定の代わりに【判断力】判定を行うことができる。すべての操縦判定の基本 DCは DC5とDC20である。操縦者が戦闘中でないときは低い DCを、操縦者が戦闘中であるときは高い DCを使用すること。  &b(){戦闘中/In Combat}:搭乗物、推進力として使用するクリーチャー、および乗組員はその周囲のいずれの範囲も機会攻撃範囲に収めないが、その操縦者と乗組員でない搭乗者は収める。搭乗物は自身より小さな物体およびクリーチャーの占めるマスに進入することができる。搭乗物は攻撃を行わないが、搭乗突き飛ばし、搭乗蹴散らし、衝突の戦技を行うことができる──また必要になることがある。 *完全な搭乗物のルール &small(){&link(Full Vehicle Rules){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#full-vehicle-rules}}  基本ルールは戦闘ラウンドの構造に搭乗物をどのように機能させるのかと、それらがクリーチャーとどのように異なるのかについての一般的なアイデアを与える。以下のセクションでは戦闘中の搭乗物の稼働についてより深く踏むこむ。 **操縦者 &small(){&link(Drivers){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#drivers}}  搭乗物はその移動を続けるのに2つのことを必要とする特殊な移動可能な物体である──操縦者と推進方法。操縦者は3以上の【知力】を有し、搭乗物の操縦機構を物理的に使用可能なクリーチャーである。言い換えれば、クリーチャーは正しいサイズであり、搭乗物の操縦に使用される任意の道具を使用するための正しい解剖学的構造を持つことを必要とする。時には操縦機構は使用のための独自の必要条件を持つ場合がある。操縦者は搭乗物を制御するために機構と自身の技能(または自身の【判断力】)を使用する。操縦者を欠いた搭乗物は、それが無人になったときの搭乗物の状態によって異なるが、移動しないか、直線状に移動し続けることになるだろう。  クリーチャーは搭乗物を操縦するには、搭乗物のサイズかより小さくなければいけない。 **搭乗者 &small(){&link(Occupants){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#occupants}}  操縦者、騎乗者、乗組員、および搭乗物の推進力として働くクリーチャーはすべて搭乗者と見なされる。乗組員および推進力として使用するクリーチャーを除くすべての搭乗者はアクションを行うことができ、通常のクリーチャーとして機会攻撃範囲を収める。乗組員はアクションを行うことも機会攻撃範囲を収めることもできない──彼らのアクションと集中は推進力を提供するか搭乗物を維持する行為にすべて費やされている。 **推進力と操縦判定 &small(){&link(Propulsion and Driving Checks){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#propulsion-and-driving-checks}}  すべての搭乗物は推進方法を持つ。クリーチャーはチャリオットと四輪馬車を牽引する。ボートとシップは水流、風、膂力、あるいは3つすべての力によって推進される。幻想的なエアシップは魔法と現実の両方のさまざまな推進要素で空中に保持される。推進方法は一般に搭乗物の移動速度と機動性に影響を与えるが、より重要なことには、搭乗物の推進力は搭乗物の制御に必要とされる要求技能を決定する。以下は一般的な搭乗物の推進方法と、そのような搭乗物の操縦に一般的に必要とされる技能である。  &b(){錬金術/Alchemical}:稀に、錬金術機関が搭乗物を推進する場合がある。蒸気かより不安定なガスおよび試薬によって駆動する錬金術機関を有する搭乗物は、操縦に[[〈知識:神秘学〉>技能の詳細/2#Knowledge]]か[[〈製作:錬金術〉>技能の詳細/2#Craft]]判定を必要とする。錬金術搭乗物を操縦する基本 DCは通常よりも10大きくなる。錬金術機関は搭乗物を推進するための能力をそのサイズの数百倍は有し、非常に強力にすることができる。  操縦者が錬金術的に推進される搭乗物を制御するための操縦判定を【判断力】判定か未修得技能で行って出目1を振ると、搭乗物の錬金術機関は[[破損状態>用語集/状態#Broken]]になる。[[破損状態>用語集/状態#Broken]]になると、搭乗物の最大速度と加速度はともに半減し、搭乗物の現在の移動率が新しい最大速度よりも早い場合には速やかにその移動速度まで減速する。  &b(){流動/Current}:カヌーと大型船から翼をもつグライダーまで、流動に推進される搭乗物は一般に自然の内か外に既に存在する力の要素を操作する──気流、水流、あるいは魔法のエネルギーの導管のようなより特殊な流動。通常は、流動に推進される搭乗物の操作には[[〈飛行〉>技能の詳細/3#Fly]]、[[〈知識:自然〉>技能の詳細/2#Knowledge]]、[[〈職能:船乗り〉>技能の詳細/1#Profession]]、[[〈生存〉>技能の詳細/2#Survival]]、あるいは[[〈軽業〉>技能の詳細/1#Acrobatics]]または[[〈知識:神秘学〉>技能の詳細/2#Knowledge]]のような技能さえ必要とし、搭乗物の性質や構成と搭乗物を操作する流動によって決定される。 #divclass(pl-l-level-1){  &i(){水流/Water Current}:その推進力を水流にのみ依存する搭乗物には多少の制限がある。これらの搭乗物は推進力か操作にいくつかの他の手段を採用しない限り、方向と流動速度での移動のみ可能であり、したがってカヌーの場合は膂力、ガレー船の場合は風など多くの場合は追加の推進形態を持っている。2体以上の乗組員を有する川舟のような流動駆動船は、船に精度、規律、自然界の知識を要求されるため、操縦判定として[[〈職能:船乗り〉>技能の詳細/1#Profession]]か[[〈知識:自然〉>技能の詳細/2#Knowledge]]判定のいずれかを必要とする。カヌーのように小さな水流搭乗物は、地形を読むことがこれらの種類の搭乗物の制御を維持するために非常に重要な点であるため、操縦技能として[[〈生存〉>技能の詳細/2#Survival]]技能を使用する。  流れとともに移動する場合、水流搭乗物の最大速度は流動の速度(多くの場合は120フィートほど)によって決まる。水流搭乗物の加速度は30フィートである。  &i(){気流/Air Current}:気流搭乗物はかなり多様である。帆船、飛行船、陸上船、あるいはグライダーにさえ可能である。乗組員として2体以上のクリーチャーを有する気流に推進される搭乗物は、その操縦判定として[[〈職能:船乗り〉>技能の詳細/1#Profession]]または[[〈知識:自然〉>技能の詳細/2#Knowledge]]判定を必要とする。その複雑さのため、気流搭乗物は常にその操縦判定の DCが10増加する。グライダーや風橇のように小さな気流搭乗物は代わりに[[〈軽業〉>技能の詳細/1#Acrobatics]]か[[〈飛行〉>技能の詳細/3#Fly]]を使用する。その制御の多くは飛行の知識や搭乗物の制御するための身体の適切な動作に依存する。  小さな搭乗物(大型サイズかそれより小さい)は60フィートの移動速度で移動することができ、気流とともに移動するときはその2倍の速度で移動することができ、30フィートの加速度を持つ。大きな搭乗物は90フィートの移動速度で移動するか、気流とともに移動するときはその2倍の速度で移動することができ、30フィートの加速度を持つ。  &i(){奇妙な流れ/Weird Current}:魔法のエネルギー、燃え上がるマグマ、あるいは影界のあいまいな川の流れの航海はいくつかの技能を使用することができるが、おそらくは水流または気流搭乗物を操作するのに必要とされるのと同種の技能を使用する。奇妙な流動の搭乗物は常にその操縦判定の DCを10、特殊な場面と条件下ではときには15増加する。  奇妙な流動の搭乗物は一般にその性質によって水流か気流の移動速度で移動するが、それらの移動速度の2倍または3倍の速度でさえ移動することが知られている。 }  &b(){魔法/Magic}:エレメンタル駆動の大型輸送機、あるいは秘術の装置をその中心とする飛行機など、魔法は最も強力かつ簡単に使用できる搭乗物の推進方法のいくつかを提供する。多くの場合は単に推進力を提供している魔法のアイテムの性質を識別することで、クリーチャーはそれを使用する能力を得るが、時にはより複雑な魔法装置は適切に駆動するために[[〈呪文学〉>技能の詳細/1#Spellcraft]]か[[〈魔法装置使用〉>技能の詳細/3#Use Magic Device]]を必要とする。  &b(){膂力/Muscle}:チャリオットから監禁された漕ぎ手でいっぱいの奴隷船まで、膂力による搭乗物の移動は、牽引、押進、あるいはその他の手段で搭乗物を推進する1体または複数のクリーチャーの確保がすべてである。膂力推進の搭乗物を操縦するための判定は、搭乗物を動かすクリーチャーの種別と【知力】に基づいて、[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]、[[〈動物使い〉>技能の詳細/3#Handle Animal]]、[[〈威圧〉>技能の詳細/1#Intimidate]]、および[[〈職能:御者〉>技能の詳細/1#Profession]]を含む、しかしこれに限定されないさまざまな数の技能を使用することができる。  膂力推進の搭乗物は2つの形態に分かれる:牽引と押進。 #divclass(pl-l-level-1){  &i(){牽引/Pulled}:この種の推進力は搭乗物を牽引する複数のクリーチャーを伴う。搭乗物を牽引するクリーチャーが知性的(【知力】が3以上)でない限り、[[〈動物使い〉>技能の詳細/3#Handle Animal]]か[[〈職能:御者〉>技能の詳細/1#Profession]]のいずれかを操縦判定に使用する(操縦者が選択する)。知性あるクリーチャーは[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]判定(クリーチャーの態度が協力的である場合は操縦判定を(訳注:おそらくその DCを)5減少させる。)で納得させるか、[[〈威圧〉>技能の詳細/1#Intimidate]]判定で強制する必要がある。知性あるクリーチャーに搭乗物の牽引を強制するには DCを20増加させる。  1体のクリーチャーは自身の占めるマスと等しい数のマスの搭乗物をクリーチャーの移動速度の2倍に等しい最高速度で牽引することができる。最大で自身の移動速度の、搭乗物のマスに対する自分のマスの割合で加速することができる。例えば、1頭のホースは4マスを占め、4マスのカートをラウンドごとに50フィートの加速度で100フィート牽引することができる。  &i(){押進/Pushed}:押進搭乗物は牽引搭乗物の反対である──搭乗物は膂力によって押し出され、通常は乗組員の操作するいくつかの形態の装置を使用する。水上搭乗物は押進される可能性が最も高い。漕ぎ手の列が搭乗物を前方に押進するためにそのオールを使用するし、あるいはクラウド・ジャイアントのペアが飛行船の後端でプロペラを回すかもしれない。押進搭乗物の操縦判定は推進力として膂力を供給するクリーチャーの知性と態度に応じて、[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]、[[〈威圧〉>技能の詳細/1#Intimidate]]、または[[〈動物使い〉>技能の詳細/3#Handle Animal]]になる傾向にある。知性あるクリーチャーであれば、推進力を提供するクリーチャーの態度が中立的、友好的、あるいは協力的である場合には[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]を使用する。推進力を提供するクリーチャーが友好的である場合は[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]による操縦判定を(訳注:おそらくその DCを)5減少すること。[[〈威圧〉>技能の詳細/1#Intimidate]]は態度が非友好的か敵対的である知性あるクリーチャーに使用される。[[〈動物使い〉>技能の詳細/3#Handle Animal]]は推進力を提供するクリーチャーが知性的でない場合に使用される。  適切な機械的な補助を得て搭乗物を押進するクリーチャーは、搭乗物のマスに対する自身のマスの5倍から20倍の間の割合で押進することができる。  膂力推進の搭乗物の最大速度と加速度は押進の補助に使用する機構に依存する──例として、サンプルの搭乗物の一般データを参照すること。 }  &b(){推進力の混在方法/Mixed Methods of Propulsion}:大型帆船のように大きく複雑な搭乗物は、多くの場合複数の形態の推進力を使用する。複数の方法は時には柔軟性を与えるが、多くの場合、それらはより速い動作を作り出すために連携して機能する。複数の推進方法を持つ搭乗物はその動きを軌道に乗せて維持するためにしばしば大規模な乗組員を必要とする。2つの推進方法を持つ場合、搭乗物は速い方の移動速度と加速度を使用し、2番目に速い推進方法の移動速度と加速度の半分をそれに加える。3つ目の推進方法は予備推進方式を持つことによる柔軟性を除いて、何も加えない。 **搭乗物のサイズと接敵面 &small(){&link(Vehicle Size and Space){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#vehicle-size-and-space}}  搭乗物はクリーチャーのサイズと接敵面とは異なるサイズと接敵面を持つ。多くの搭乗物はクリーチャーがそうであるように辺ごとにマスと等しい数の接敵面を持つのではなく長く細い。四輪馬車は、例えば10×10フィートか、あるいは幅10フィートで長さ15フィート以上のマスを占めることがある。多くの場合、搭乗物の短辺の1つは搭乗物の前方の向きとして機能する。  &b(){サイズ変換/Size Conversion}:多くの場合、搭乗物のサイズ段階を知ることは重要である。搭乗物のサイズまたは推進力に基づいて占めるマスの数を決定するために表:4-1を使用すること。  &b(){操縦空間/Driving Space}:各搭乗物の5フィート×5フィートのマスの少なくとも1つをその操縦空間として指定しなければならない──多くの場合そのような範囲は複数のマスを包含する。搭乗物を操縦するためには、知性あるクリーチャーは少なくとも1つの操縦空間のマス内におり、操縦装置を操作できなければならない。操縦空間の一般的なサイズと位置は個々の搭乗物の説明に記載されている。 表:マスによる搭乗物のサイズ &small(){Vehicle Size by Squares} |搭乗物のマス|搭乗物のサイズ|h |2~6マス|大型サイズの搭乗物| |7~12マス|超大型サイズの搭乗物| |13~20マス|巨大サイズの搭乗物| |21マス以上|超巨大サイズの搭乗物| **搭乗物の向きと移動 &small(){&link(Vehicle Facing and Movement){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#vehicle-facing-and-movement}}  搭乗物はクリーチャーを推進力として使用しているときでさえ、クリーチャーのようには移動しない。搭乗物はその前方を指向して移動する傾向があり、そのようにすることで速く移動できる。  &b(){向き/Facing}:クリーチャーと異なり、ほとんどの搭乗物は前方の向きを持っている。搭乗物の向きはその推進力の最善の経路を決定する。搭乗物はその前方に直面する方向への移動に非常に優れているが、他の方向に移動するためには時間と技能を必要とする。ホースに牽引される四輪馬車は迅速かつ容易に前進するが、角を曲がるには適切なタイミングと鞭の一打ちが必要である。気流に推進される船は、特に一度最高速に達しているときには、停止するのに大変な労力を要することがある。搭乗物の向きは、搭乗物への慣性の影響を表している。  正常に操縦している場合、搭乗物は直進、斜め移動、あるいは同じ移動内で両者を混在させた移動ができる。熟練した操縦者は搭乗物を容易に前方にジグザグ移動させることができる。  &b(){移動/Movement}:搭乗物は最大速度と加速度のリストを持つ。速度は搭乗物が移動することができる最速の割合である。1ないし複数のクリーチャーが搭乗物を牽引する場合、搭乗物の最大速度は推進力を提供するクリーチャーの速度の2倍に、加速度はクリーチャーの速度に等しい(輓獣のクリーチャーの種類が混在する場合は最も遅いクリーチャーの速度を使用すること)。搭乗物は高レベルの魔法の推進力のいくつかの形態を持つのでない限り、その最大速度で起動することはできない。各ラウンドに、操縦者はその加速度に等しい割合で搭乗物の加速か減速を試みることができる(搭乗物の操縦を参照)。搭乗物の現在の移動の割合は現在速度と呼ばれる。 **搭乗物の操縦 &small(){&link(Driving Vehicles){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#driving-vehicles}}  搭乗物の制御には常識、注意深さ、直感、そしてしばしばその推進方法についての技能のいくつかを要する。膂力推進の場合は、搭乗物を動かすクリーチャーの導き方について。流動推進の場合は、流動と搭乗物を動かす帆、櫂、または舵のような道具の使い方について。魔法の場合は、一般には推進力を供給する魔法装置への理解と装置の適切な使用法についてである。  &b(){操縦アクション/Driving Actions}:操縦者は自身のターンの開始時に、他のいずれかのアクションを行う前に、搭乗物を制御するために以下のいずれかのアクション(“無制御”アクションを除く)を行うことができる。アクションを行わないか、他のアクションあるいは待機または行動遅延アクションを行う場合、操縦者は搭乗物の制御を失い、搭乗物は“無制御”アクションを行う。 #divclass(pl-l-level-1){  &i(){加速/Accelerate(標準アクション)}:操縦判定に成功すると、搭乗物の現在速度は最大でその加速度(5フィート単位;最小5フィート)の分まで増加するが、その最大速度より速くなることはない。搭乗物は前方または前方に斜めに移動することができる。言い換えれば、新しい5フィートのマスに進入するたびに、搭乗物はその前方に直面したマス──直接前方のマスか、斜め前方のマスのどちらかの、いずれかを選択できる。これにより、搭乗物はそれることができる。操縦判定に失敗した操縦者は搭乗物前方の直接的正面のマスにのみ移動できる。  &i(){減速/Decelerate(標準アクション)}:操縦判定に成功すると、搭乗物の現在速度は最大でその加速度(5フィート単位;最小5フィート)の分まで減少する。判定に失敗すると搭乗物は減速しない。いずれにせよ、搭乗物は斜め前方に移動することができる。減速により搭乗物の移動速度が0に減少した場合、一定量の慣性が搭乗物を前方に移動させ続ける。搭乗物は完全に停止する前に前方(直接の前方または斜め前方のいずれか)に1d4×5フィート移動する。《円熟の操縦者》特技の取得はこの距離を10フィート減少させる(最小0フィート)。  &i(){現状維持/Keep It Going(移動アクション)}:操縦判定に成功すると、操縦者は搭乗物を現在の向きの前方に現在の移動速度で移動させることができ、また斜め前方に移動させることもできる。判定に失敗すると速度は一定に保たれるが、搭乗物を斜め前方に移動させることはできない。  &i(){逆進/Reverse(標準アクション)}:完全に停止(移動距離0フィート)している場合、搭乗物を逆に移動させてもよい。操縦判定に成功すると、搭乗物は半分の加速度で後方に移動し、直接後方(前方の向きの逆)または斜め後方のいずれかに移動することができる。判定に失敗すると、搭乗物は後方に移動しない。  &i(){方向転換/Turn(標準アクション)}:搭乗物の前方の向きを90度方向転換するには操縦者はこのアクションを行う。搭乗物は現在速度で移動する。搭乗物の現在速度が加速度の2倍である場合、操縦判定の DCは5増加する。搭乗物の移動速度が加速度の3倍である場合、操縦判定の DCは10増加する。加速度の4倍以上である場合には DCは20増加する。操縦判定に成功すると、搭乗物は移動中の任意の地点でその向きを右か左に90度変更する。これは搭乗物の左後方か右後方の側面が、搭乗物の前方を向くように、搭乗物を旋回させることによって行われる。判定に失敗すると、搭乗物は方向転換しないが、その移動中に斜め前方に移動することができる。  &i(){無制御/Uncontrolled(アクションなし)}:操縦者が何もしないか、操縦者が存在しない場合、搭乗物は無制御状態になる。無制御の搭乗物は前方のみに移動する(斜め前方には移動できない)。搭乗物が膂力により推進される場合、加速度と同じ割合で減速する。搭乗物が気流、水流、あるいは奇妙な流動のいずれかの形態によって駆動している場合、10フィート減速する。これらの減速は累積する。搭乗物が何もしない場合、搭乗突き飛ばしを実行することはできないが、依然として搭乗蹴散らしと衝突の戦技を実行することができる。 }  &b(){戦闘外での搭乗物の操縦/Driving a Vehicle Outside of Combat}:戦闘外での搭乗物を操縦は、出目10を行うことで技能判定を容易に達成することができるので、通常は操縦判定を必要としない。ほとんどすべてのキャラクターは比較的容易にこれを行うことができる;DCはゲーム中に起こりうる特殊な状況を裁定するために与えられている。  &b(){魔法推進搭乗物の操縦/Driving a Vehicle with Magic Propulsion}:一般に、魔法の推進力を有する搭乗物はアクションを必要とするが、駆動するための操縦判定を必要としない。魔法推進搭乗物を操縦する際には、すべてのアクションにおいて操縦者は操縦判定に成功しているかのように扱う。  &b(){適切な技能なしの搭乗物の操縦/Driving a Vehicle without the Proper Skill}:搭乗物を操縦するための適切な技能を欠いている場合、操縦者はいつでも適切な技能判定の代わりに【判断力】の能力判定を行うことができる。操縦者は搭乗物の通常の操縦技能の代わりに【判断力】を使用する際に、出目10を行ったり、あるいは他者の援護の利益を得ることさえできる。  &b(){搭乗物の乗組員/Vehicle Crews}:一部の搭乗物は乗組員を必要とする。完全充足の乗組員を乗せた搭乗物は他の搭乗物と同じくらい制御が容易である。完全充足ではないが最低でも定数の半分の乗組員を乗せた搭乗物は、すべての操縦判定の DCを10増加させる。搭乗物はすべての操縦を行うために最低でも定数の半分の乗組員を必要とする。乗組員は搭乗物が動いている間、搭乗物の移動の援護を除いてアクションを行うことができない。乗組員は機会攻撃範囲を収めない。 #include_cache(UC/搭乗物/2) #include_cache(UC/搭乗物/3)
*搭乗物 &small(){&link(Vehicles){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html}}  パスファインダー・ロールプレイング・ゲームにおいては、低レベルのキャラクターは旅のほとんどを自分の二本の足で行う。高レベルになると乗馬、動物の相棒の上、あるいはより特殊な乗騎を介しての旅と同様に、魔法的な旅も一般的な出来事になる。時には、旅は何らかの搭乗物を伴うかもしれない──隊商の四輪馬車、風に揺れるガレー船、いくつかのファンタジー的な形態の航空輸送船、あるいは次元間跳躍装置さえ。君が一風変わったものを伴うゲームが好きなのであれば、これらの搭乗物は大破した宇宙船と同じくらい物珍しいものになる。いずれにせよ、パスファインダーRPGの搭乗物は多くの場合、移動可能な地形か独自の冒険の舞台として扱われる。  『アルゴ探検隊の大冒険』の航海から海賊の物語まで、歓呼のうねりの下に血塗られた闘技場の戦車乗りからドラゴンを追跡し飼い慣らす者まで、ロールプレイング・ゲームを刺激する象徴的なモチーフの多くは、搭乗者たる冒険者に触れている。歴史とフィクションは命知らずのアクションを実行する興味深い搭乗物で満たされている。この章のルールで君はパスファインダーRPGの搭乗物との戦闘を実行することができるのみならず、物体や地形として扱うこともできる。  以下のルールでは戦闘中の迫真性と遊びやすさと速度の間でバランスを取ることを試みた。これらの2つのバランスが衝突している範囲では、常に遊びやすさが優先されるべきである。 *搭乗物の基本 &small(){&link(Vehicle Basics){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#vehicle-basics}}  以下はパスファインダー・ロールプレイング・ゲームにおいて搭乗物を使用するための基本ルールである。これらはすべての搭乗物が使用するルールの概要を示す。  &b(){操縦者/Drivers}:操縦者は搭乗物を制御する。操縦者は最低でも3の【知力】を有し、搭乗物の操縦装置を物理的に操作することが可能な、搭乗物の操縦スペース内におり操縦装置を積極的に操作するクリーチャーである。  &b(){搭乗者/Occupants}:騎乗するか、操縦するか、乗組員として働くか、あるいは搭乗物に推進力を提供するクリーチャーはその搭乗者と見なされる。  &b(){向き/Facing}:キャラクターと異なり、搭乗物は前方の向きを持っている。搭乗物はその前方に向けた方向に移動するときに最善の移動をする。  &b(){加速/減速/Acceleration/Deceleration}:搭乗物はその最大速度に達するために加速をしなければならない。各ラウンドに、適切な操縦アクションと判定に成功することで、操縦者は搭乗物の移動速度を搭乗物の最大速度より大きな値をとらない限りその加速度の割合で増加することができる。搭乗物は速度を落とすために減速をしなければならず、正確な地点で停止するのは難しい。  &b(){イニシアチブ/Initiative}:搭乗物は操縦者のターンの開始時に移動する。搭乗物に操縦者がいない場合、最後にその操縦者であったクリーチャーのターンか、あるいは GM の決定したターンに移動する。  &b(){搭乗物の制御/Controlling a Vehicle}:搭乗物が操縦者を有する場合、自身のターンになにかを行う前に、操縦者は実行する操縦アクションを決定し、そのアクションを行わなければならない。操縦者がアクションを行わないか、搭乗物を操縦する代わりに何らかの他のアクションを行うか、あるいは待機か行動遅延アクションを行う場合──あるいは操縦者が存在しない場合、搭乗物は“無制御”アクションを行う。操縦者は搭乗物を制御するために各ターンに1回だけアクションを行うことができる。操縦者が一度アクションを選択するか、または搭乗物を強制的に無制御にするためにその他のいくつかのアクションを行うと、搭乗物は移動する。  &b(){操縦判定/Driving Check}:操縦アクションを行うとき、操縦者はそのラウンドの搭乗物の機動性と速度を決定するための操縦判定を行わなければならない。操縦判定に使用する技能は搭乗物の推進力によって決定される。操縦者はいつでも操縦判定の代わりに【判断力】判定を行うことができる。すべての操縦判定の基本 DCは DC5とDC20である。操縦者が戦闘中でないときは低い DCを、操縦者が戦闘中であるときは高い DCを使用すること。  &b(){戦闘中/In Combat}:搭乗物、推進力として使用するクリーチャー、および乗組員はその周囲のいずれの範囲も機会攻撃範囲に収めないが、その操縦者と乗組員でない搭乗者は収める。搭乗物は自身より小さな物体およびクリーチャーの占めるマスに進入することができる。搭乗物は攻撃を行わないが、搭乗突き飛ばし、搭乗蹴散らし、衝突の戦技を行うことができる──また必要になることがある。 *完全な搭乗物のルール &small(){&link(Full Vehicle Rules){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#full-vehicle-rules}}  基本ルールは戦闘ラウンドの構造に搭乗物をどのように機能させるのかと、それらがクリーチャーとどのように異なるのかについての一般的なアイデアを与える。以下のセクションでは戦闘中の搭乗物の稼働についてより深く踏むこむ。 **操縦者 &small(){&link(Drivers){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#drivers}}  搭乗物はその移動を続けるのに2つのことを必要とする特殊な移動可能な物体である──操縦者と推進方法。操縦者は3以上の【知力】を有し、搭乗物の操縦機構を物理的に使用可能なクリーチャーである。言い換えれば、クリーチャーは正しいサイズであり、搭乗物の操縦に使用される任意の道具を使用するための正しい解剖学的構造を持つことを必要とする。時には操縦機構は使用のための独自の必要条件を持つ場合がある。操縦者は搭乗物を制御するために機構と自身の技能(または自身の【判断力】)を使用する。操縦者を欠いた搭乗物は、それが無人になったときの搭乗物の状態によって異なるが、移動しないか、直線状に移動し続けることになるだろう。  クリーチャーは搭乗物を操縦するには、搭乗物のサイズかより小さくなければいけない。 **搭乗者 &small(){&link(Occupants){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#occupants}}  操縦者、騎乗者、乗組員、および搭乗物の推進力として働くクリーチャーはすべて搭乗者と見なされる。乗組員および推進力として使用するクリーチャーを除くすべての搭乗者はアクションを行うことができ、通常のクリーチャーとして機会攻撃範囲を収める。乗組員はアクションを行うことも機会攻撃範囲を収めることもできない──彼らのアクションと集中は推進力を提供するか搭乗物を維持する行為にすべて費やされている。 **推進力と操縦判定 &small(){&link(Propulsion and Driving Checks){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#propulsion-and-driving-checks}}  すべての搭乗物は推進方法を持つ。クリーチャーは二輪戦闘馬車と四輪馬車を牽引する。ボートとシップは水流、風、膂力、あるいは3つすべての力によって推進される。幻想的なエアシップは魔法と現実の両方のさまざまな推進要素で空中に保持される。推進方法は一般に搭乗物の移動速度と機動性に影響を与えるが、より重要なことには、搭乗物の推進力は搭乗物の制御に必要とされる要求技能を決定する。以下は一般的な搭乗物の推進方法と、そのような搭乗物の操縦に一般的に必要とされる技能である。  &b(){錬金術/Alchemical}:稀に、錬金術機関が搭乗物を推進する場合がある。蒸気かより不安定なガスおよび試薬によって駆動する錬金術機関を有する搭乗物は、操縦に[[〈知識:神秘学〉>技能の詳細/2#Knowledge]]か[[〈製作:錬金術〉>技能の詳細/2#Craft]]判定を必要とする。錬金術搭乗物を操縦する基本 DCは通常よりも10大きくなる。錬金術機関は搭乗物を推進するための能力をそのサイズの数百倍は有し、非常に強力にすることができる。  操縦者が錬金術的に推進される搭乗物を制御するための操縦判定を【判断力】判定か未修得技能で行って出目1を振ると、搭乗物の錬金術機関は[[破損状態>用語集/状態#Broken]]になる。[[破損状態>用語集/状態#Broken]]になると、搭乗物の最大速度と加速度はともに半減し、搭乗物の現在の移動率が新しい最大速度よりも早い場合には速やかにその移動速度まで減速する。  &b(){流動/Current}:カヌーと大型船から翼をもつグライダーまで、流動に推進される搭乗物は一般に自然の内か外に既に存在する力の要素を操作する──気流、水流、あるいは魔法のエネルギーの導管のようなより特殊な流動。通常は、流動に推進される搭乗物の操作には[[〈飛行〉>技能の詳細/3#Fly]]、[[〈知識:自然〉>技能の詳細/2#Knowledge]]、[[〈職能:船乗り〉>技能の詳細/1#Profession]]、[[〈生存〉>技能の詳細/2#Survival]]、あるいは[[〈軽業〉>技能の詳細/1#Acrobatics]]または[[〈知識:神秘学〉>技能の詳細/2#Knowledge]]のような技能さえ必要とし、搭乗物の性質や構成と搭乗物を操作する流動によって決定される。 #divclass(pl-l-level-1){  &i(){水流/Water Current}:その推進力を水流にのみ依存する搭乗物には多少の制限がある。これらの搭乗物は推進力か操作にいくつかの他の手段を採用しない限り、方向と流動速度での移動のみ可能であり、したがってカヌーの場合は膂力、ガレー船の場合は風など多くの場合は追加の推進形態を持っている。2体以上の乗組員を有する川舟のような流動駆動船は、船に精度、規律、自然界の知識を要求されるため、操縦判定として[[〈職能:船乗り〉>技能の詳細/1#Profession]]か[[〈知識:自然〉>技能の詳細/2#Knowledge]]判定のいずれかを必要とする。カヌーのように小さな水流搭乗物は、地形を読むことがこれらの種類の搭乗物の制御を維持するために非常に重要な点であるため、操縦技能として[[〈生存〉>技能の詳細/2#Survival]]技能を使用する。  流れとともに移動する場合、水流搭乗物の最大速度は流動の速度(多くの場合は120フィートほど)によって決まる。水流搭乗物の加速度は30フィートである。  &i(){気流/Air Current}:気流搭乗物はかなり多様である。帆船、飛行船、陸上船、あるいはグライダーにさえ可能である。乗組員として2体以上のクリーチャーを有する気流に推進される搭乗物は、その操縦判定として[[〈職能:船乗り〉>技能の詳細/1#Profession]]または[[〈知識:自然〉>技能の詳細/2#Knowledge]]判定を必要とする。その複雑さのため、気流搭乗物は常にその操縦判定の DCが10増加する。グライダーや風橇のように小さな気流搭乗物は代わりに[[〈軽業〉>技能の詳細/1#Acrobatics]]か[[〈飛行〉>技能の詳細/3#Fly]]を使用する。その制御の多くは飛行の知識や搭乗物の制御するための身体の適切な動作に依存する。  小さな搭乗物(大型サイズかそれより小さい)は60フィートの移動速度で移動することができ、気流とともに移動するときはその2倍の速度で移動することができ、30フィートの加速度を持つ。大きな搭乗物は90フィートの移動速度で移動するか、気流とともに移動するときはその2倍の速度で移動することができ、30フィートの加速度を持つ。  &i(){奇妙な流れ/Weird Current}:魔法のエネルギー、燃え上がるマグマ、あるいは影界のあいまいな川の流れの航海はいくつかの技能を使用することができるが、おそらくは水流または気流搭乗物を操作するのに必要とされるのと同種の技能を使用する。奇妙な流動の搭乗物は常にその操縦判定の DCを10、特殊な場面と条件下ではときには15増加する。  奇妙な流動の搭乗物は一般にその性質によって水流か気流の移動速度で移動するが、それらの移動速度の2倍または3倍の速度でさえ移動することが知られている。 }  &b(){魔法/Magic}:エレメンタル駆動の大型輸送機、あるいは秘術の装置をその中心とする飛行機など、魔法は最も強力かつ簡単に使用できる搭乗物の推進方法のいくつかを提供する。多くの場合は単に推進力を提供している魔法のアイテムの性質を識別することで、クリーチャーはそれを使用する能力を得るが、時にはより複雑な魔法装置は適切に駆動するために[[〈呪文学〉>技能の詳細/1#Spellcraft]]か[[〈魔法装置使用〉>技能の詳細/3#Use Magic Device]]を必要とする。  &b(){膂力/Muscle}:二輪戦闘馬車から監禁された漕ぎ手でいっぱいの奴隷船まで、膂力による搭乗物の移動は、牽引、押進、あるいはその他の手段で搭乗物を推進する1体または複数のクリーチャーの確保がすべてである。膂力推進の搭乗物を操縦するための判定は、搭乗物を動かすクリーチャーの種別と【知力】に基づいて、[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]、[[〈動物使い〉>技能の詳細/3#Handle Animal]]、[[〈威圧〉>技能の詳細/1#Intimidate]]、および[[〈職能:御者〉>技能の詳細/1#Profession]]を含む、しかしこれに限定されないさまざまな数の技能を使用することができる。  膂力推進の搭乗物は2つの形態に分かれる:牽引と押進。 #divclass(pl-l-level-1){  &i(){牽引/Pulled}:この種の推進力は搭乗物を牽引する複数のクリーチャーを伴う。搭乗物を牽引するクリーチャーが知性的(【知力】が3以上)でない限り、[[〈動物使い〉>技能の詳細/3#Handle Animal]]か[[〈職能:御者〉>技能の詳細/1#Profession]]のいずれかを操縦判定に使用する(操縦者が選択する)。知性あるクリーチャーは[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]判定(クリーチャーの態度が協力的である場合は操縦判定を(訳注:おそらくその DCを)5減少させる。)で納得させるか、[[〈威圧〉>技能の詳細/1#Intimidate]]判定で強制する必要がある。知性あるクリーチャーに搭乗物の牽引を強制するには DCを20増加させる。  1体のクリーチャーは自身の占めるマスと等しい数のマスの搭乗物をクリーチャーの移動速度の2倍に等しい最高速度で牽引することができる。最大で自身の移動速度の、搭乗物のマスに対する自分のマスの割合で加速することができる。例えば、1頭のホースは4マスを占め、4マスのカートをラウンドごとに50フィートの加速度で100フィート牽引することができる。  &i(){押進/Pushed}:押進搭乗物は牽引搭乗物の反対である──搭乗物は膂力によって押し出され、通常は乗組員の操作するいくつかの形態の装置を使用する。水上搭乗物は押進される可能性が最も高い。漕ぎ手の列が搭乗物を前方に押進するためにそのオールを使用するし、あるいはクラウド・ジャイアントのペアが飛行船の後端でプロペラを回すかもしれない。押進搭乗物の操縦判定は推進力として膂力を供給するクリーチャーの知性と態度に応じて、[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]、[[〈威圧〉>技能の詳細/1#Intimidate]]、または[[〈動物使い〉>技能の詳細/3#Handle Animal]]になる傾向にある。知性あるクリーチャーであれば、推進力を提供するクリーチャーの態度が中立的、友好的、あるいは協力的である場合には[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]を使用する。推進力を提供するクリーチャーが友好的である場合は[[〈交渉〉>技能の詳細/1#Diplomacy]]による操縦判定を(訳注:おそらくその DCを)5減少すること。[[〈威圧〉>技能の詳細/1#Intimidate]]は態度が非友好的か敵対的である知性あるクリーチャーに使用される。[[〈動物使い〉>技能の詳細/3#Handle Animal]]は推進力を提供するクリーチャーが知性的でない場合に使用される。  適切な機械的な補助を得て搭乗物を押進するクリーチャーは、搭乗物のマスに対する自身のマスの5倍から20倍の間の割合で押進することができる。  膂力推進の搭乗物の最大速度と加速度は押進の補助に使用する機構に依存する──例として、サンプルの搭乗物の一般データを参照すること。 }  &b(){推進力の混在方法/Mixed Methods of Propulsion}:大型帆船のように大きく複雑な搭乗物は、多くの場合複数の形態の推進力を使用する。複数の方法は時には柔軟性を与えるが、多くの場合、それらはより速い動作を作り出すために連携して機能する。複数の推進方法を持つ搭乗物はその動きを軌道に乗せて維持するためにしばしば大規模な乗組員を必要とする。2つの推進方法を持つ場合、搭乗物は速い方の移動速度と加速度を使用し、2番目に速い推進方法の移動速度と加速度の半分をそれに加える。3つ目の推進方法は予備推進方式を持つことによる柔軟性を除いて、何も加えない。 **搭乗物のサイズと接敵面 &small(){&link(Vehicle Size and Space){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#vehicle-size-and-space}}  搭乗物はクリーチャーのサイズと接敵面とは異なるサイズと接敵面を持つ。多くの搭乗物はクリーチャーがそうであるように辺ごとにマスと等しい数の接敵面を持つのではなく長く細い。四輪馬車は、例えば10×10フィートか、あるいは幅10フィートで長さ15フィート以上のマスを占めることがある。多くの場合、搭乗物の短辺の1つは搭乗物の前方の向きとして機能する。  &b(){サイズ変換/Size Conversion}:多くの場合、搭乗物のサイズ段階を知ることは重要である。搭乗物のサイズまたは推進力に基づいて占めるマスの数を決定するために表:4-1を使用すること。  &b(){操縦空間/Driving Space}:各搭乗物の5フィート×5フィートのマスの少なくとも1つをその操縦空間として指定しなければならない──多くの場合そのような範囲は複数のマスを包含する。搭乗物を操縦するためには、知性あるクリーチャーは少なくとも1つの操縦空間のマス内におり、操縦装置を操作できなければならない。操縦空間の一般的なサイズと位置は個々の搭乗物の説明に記載されている。 表:マスによる搭乗物のサイズ &small(){Vehicle Size by Squares} |搭乗物のマス|搭乗物のサイズ|h |2~6マス|大型サイズの搭乗物| |7~12マス|超大型サイズの搭乗物| |13~20マス|巨大サイズの搭乗物| |21マス以上|超巨大サイズの搭乗物| **搭乗物の向きと移動 &small(){&link(Vehicle Facing and Movement){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#vehicle-facing-and-movement}}  搭乗物はクリーチャーを推進力として使用しているときでさえ、クリーチャーのようには移動しない。搭乗物はその前方を指向して移動する傾向があり、そのようにすることで速く移動できる。  &b(){向き/Facing}:クリーチャーと異なり、ほとんどの搭乗物は前方の向きを持っている。搭乗物の向きはその推進力の最善の経路を決定する。搭乗物はその前方に直面する方向への移動に非常に優れているが、他の方向に移動するためには時間と技能を必要とする。ホースに牽引される四輪馬車は迅速かつ容易に前進するが、角を曲がるには適切なタイミングと鞭の一打ちが必要である。気流に推進される船は、特に一度最高速に達しているときには、停止するのに大変な労力を要することがある。搭乗物の向きは、搭乗物への慣性の影響を表している。  正常に操縦している場合、搭乗物は直進、斜め移動、あるいは同じ移動内で両者を混在させた移動ができる。熟練した操縦者は搭乗物を容易に前方にジグザグ移動させることができる。  &b(){移動/Movement}:搭乗物は最大速度と加速度のリストを持つ。速度は搭乗物が移動することができる最速の割合である。1ないし複数のクリーチャーが搭乗物を牽引する場合、搭乗物の最大速度は推進力を提供するクリーチャーの速度の2倍に、加速度はクリーチャーの速度に等しい(輓獣のクリーチャーの種類が混在する場合は最も遅いクリーチャーの速度を使用すること)。搭乗物は高レベルの魔法の推進力のいくつかの形態を持つのでない限り、その最大速度で起動することはできない。各ラウンドに、操縦者はその加速度に等しい割合で搭乗物の加速か減速を試みることができる(搭乗物の操縦を参照)。搭乗物の現在の移動の割合は現在速度と呼ばれる。 **搭乗物の操縦 &small(){&link(Driving Vehicles){http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/ultimateCombat/ultimateCombatVehicles.html#driving-vehicles}}  搭乗物の制御には常識、注意深さ、直感、そしてしばしばその推進方法についての技能のいくつかを要する。膂力推進の場合は、搭乗物を動かすクリーチャーの導き方について。流動推進の場合は、流動と搭乗物を動かす帆、櫂、または舵のような道具の使い方について。魔法の場合は、一般には推進力を供給する魔法装置への理解と装置の適切な使用法についてである。  &b(){操縦アクション/Driving Actions}:操縦者は自身のターンの開始時に、他のいずれかのアクションを行う前に、搭乗物を制御するために以下のいずれかのアクション(“無制御”アクションを除く)を行うことができる。アクションを行わないか、他のアクションあるいは待機または行動遅延アクションを行う場合、操縦者は搭乗物の制御を失い、搭乗物は“無制御”アクションを行う。 #divclass(pl-l-level-1){  &i(){加速/Accelerate(標準アクション)}:操縦判定に成功すると、搭乗物の現在速度は最大でその加速度(5フィート単位;最小5フィート)の分まで増加するが、その最大速度より速くなることはない。搭乗物は前方または前方に斜めに移動することができる。言い換えれば、新しい5フィートのマスに進入するたびに、搭乗物はその前方に直面したマス──直接前方のマスか、斜め前方のマスのどちらかの、いずれかを選択できる。これにより、搭乗物はそれることができる。操縦判定に失敗した操縦者は搭乗物前方の直接的正面のマスにのみ移動できる。  &i(){減速/Decelerate(標準アクション)}:操縦判定に成功すると、搭乗物の現在速度は最大でその加速度(5フィート単位;最小5フィート)の分まで減少する。判定に失敗すると搭乗物は減速しない。いずれにせよ、搭乗物は斜め前方に移動することができる。減速により搭乗物の移動速度が0に減少した場合、一定量の慣性が搭乗物を前方に移動させ続ける。搭乗物は完全に停止する前に前方(直接の前方または斜め前方のいずれか)に1d4×5フィート移動する。《円熟の操縦者》特技の取得はこの距離を10フィート減少させる(最小0フィート)。  &i(){現状維持/Keep It Going(移動アクション)}:操縦判定に成功すると、操縦者は搭乗物を現在の向きの前方に現在の移動速度で移動させることができ、また斜め前方に移動させることもできる。判定に失敗すると速度は一定に保たれるが、搭乗物を斜め前方に移動させることはできない。  &i(){逆進/Reverse(標準アクション)}:完全に停止(移動距離0フィート)している場合、搭乗物を逆に移動させてもよい。操縦判定に成功すると、搭乗物は半分の加速度で後方に移動し、直接後方(前方の向きの逆)または斜め後方のいずれかに移動することができる。判定に失敗すると、搭乗物は後方に移動しない。  &i(){方向転換/Turn(標準アクション)}:搭乗物の前方の向きを90度方向転換するには操縦者はこのアクションを行う。搭乗物は現在速度で移動する。搭乗物の現在速度が加速度の2倍である場合、操縦判定の DCは5増加する。搭乗物の移動速度が加速度の3倍である場合、操縦判定の DCは10増加する。加速度の4倍以上である場合には DCは20増加する。操縦判定に成功すると、搭乗物は移動中の任意の地点でその向きを右か左に90度変更する。これは搭乗物の左後方か右後方の側面が、搭乗物の前方を向くように、搭乗物を旋回させることによって行われる。判定に失敗すると、搭乗物は方向転換しないが、その移動中に斜め前方に移動することができる。  &i(){無制御/Uncontrolled(アクションなし)}:操縦者が何もしないか、操縦者が存在しない場合、搭乗物は無制御状態になる。無制御の搭乗物は前方のみに移動する(斜め前方には移動できない)。搭乗物が膂力により推進される場合、加速度と同じ割合で減速する。搭乗物が気流、水流、あるいは奇妙な流動のいずれかの形態によって駆動している場合、10フィート減速する。これらの減速は累積する。搭乗物が何もしない場合、搭乗突き飛ばしを実行することはできないが、依然として搭乗蹴散らしと衝突の戦技を実行することができる。 }  &b(){戦闘外での搭乗物の操縦/Driving a Vehicle Outside of Combat}:戦闘外での搭乗物を操縦は、出目10を行うことで技能判定を容易に達成することができるので、通常は操縦判定を必要としない。ほとんどすべてのキャラクターは比較的容易にこれを行うことができる;DCはゲーム中に起こりうる特殊な状況を裁定するために与えられている。  &b(){魔法推進搭乗物の操縦/Driving a Vehicle with Magic Propulsion}:一般に、魔法の推進力を有する搭乗物はアクションを必要とするが、駆動するための操縦判定を必要としない。魔法推進搭乗物を操縦する際には、すべてのアクションにおいて操縦者は操縦判定に成功しているかのように扱う。  &b(){適切な技能なしの搭乗物の操縦/Driving a Vehicle without the Proper Skill}:搭乗物を操縦するための適切な技能を欠いている場合、操縦者はいつでも適切な技能判定の代わりに【判断力】の能力判定を行うことができる。操縦者は搭乗物の通常の操縦技能の代わりに【判断力】を使用する際に、出目10を行ったり、あるいは他者の援護の利益を得ることさえできる。  &b(){搭乗物の乗組員/Vehicle Crews}:一部の搭乗物は乗組員を必要とする。完全充足の乗組員を乗せた搭乗物は他の搭乗物と同じくらい制御が容易である。完全充足ではないが最低でも定数の半分の乗組員を乗せた搭乗物は、すべての操縦判定の DCを10増加させる。搭乗物はすべての操縦を行うために最低でも定数の半分の乗組員を必要とする。乗組員は搭乗物が動いている間、搭乗物の移動の援護を除いてアクションを行うことができない。乗組員は機会攻撃範囲を収めない。 #include_cache(UC/搭乗物/2) #include_cache(UC/搭乗物/3)

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