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「環境/ダンジョン」
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冒険者が探検する可能性がある不可解な場所の中でも、ダンジョンより致命的なものはない。地下迷宮、無数の致命的な罠、飢えたモンスター、そして金には替えられない財宝がキャラクターの持つあらゆる技能を試すのである。以降のルールは沈没船の残骸から広大な洞窟網まで、どのような種別のダンジョンであっても適用することができる。
ダンジョンには大別して4種があり、現在どんな状態にあるかによって分類される。多くのダンジョンは、この基本4種のバリエーションか、4種のうち複数を組み合わせたものである。古いダンジョンの中には、何度も別々の住人が住みつき、何度も別々の目的で使われたものがある。
廃墟と化した構造物:この場所にはかつては住人がいたのだが、もともとの建造者はこのダンジョンを(完全に、または一部)放棄し、別のクリーチャーがうろついて来て、入りこんだ。地下に住むクリーチャーの多くは、自分の巣穴にできそうな、放棄された地下構造物を探しているものだ。この種のダンジョンの場合、もともと罠があったとしても、すでに作動して無害になっている可能性がある。そのかわり、ワンダリング・ビースト(さまよう獣)はぞろぞろいるだろう。
住人のいる構造物:このダンジョンは今現在も使われている。ダンジョンには、(往々にして知性のある)クリーチャーが住み着いている。ただし、そのクリーチャーがダンジョンを作ったのと同じクリーチャーとは限らない。“住人のいる建造物”には家、要塞、寺院、操業中の鉱山、牢獄、軍の司令部などがある。この種のダンジョンでは、罠やワンダリング・ビーストの出てくる割合は低く、組織された守備要員の出てくる割合が高い。守備要員には、1ヶ所で番をしているものもあれば、見張りで歩き回っているものもあるだろう。罠やワンダリング・ビーストは、もし出てくるとしたら、ダンジョンの住人たちに制御されていることが多い。“住人のいる構造物”には住人にあった調度、装飾、物資がある。また、住人が中を移動するのに便利なようになっている。この種のダンジョンの住人たちは、情報を伝え合う手段を共有しており、また、ほとんどの場合は外部と自由に行き来できる。
ダンジョンの中には、一部は住人がおり、一部はカラだったり廃墟と化していたりするものもある。そんな場合、そこに住んでいるのはダンジョンのもともとの建造者ではなく、廃棄されたダンジョンの中に自分たちの基地、巣穴、砦を構えた知性あるクリーチャーの群れであることが多い。
大事なものの隠し場所:人は、守りたい大事なものを、地下に埋めて隠しておこうとすることがある。彼らが守ろうとするものは、莫大な財宝かもしれず、禁断のアーティファクトかもしれず、重要人物の死体かもしれない。いずれにせよ、こうした価値ある物品はダンジョンの中に安置され、周囲には障壁、罠、守護者が配置される。
“大事なものの隠し場所”型のダンジョンは、他の型と比べて、罠の出てくる公算は最も高く、ワンダリング・ビーストの出てくる公算は最も低い。この種のダンジョンは、見ばえより実用を優先して作られるのが普通だが、時には像や壁画といった装飾が施されていることもある。重要人物の墓などは特にそうである。
時として、墓や宝物庫が、生きた守護者が住むようなつくりに造られることもある。この方法の問題は、侵入を試みる相手がいない間も、守護者を生かしておかねばならないという点にある。こうしたクリーチャーに食料と水を与える方法としては、通常、魔法が一番の早道である。墓や宝物庫を作る際、ダンジョンを守るためにアンデッドや人造、つまり食料も休息も不要なクリーチャーを配しておくのはよくあることである。魔法の罠でモンスターをダンジョン内に招来して侵入者を攻撃させるようにしておく手もある。招来されたモンスターは用が済めば消えるからである。
天然の洞窟網:地下洞窟はあらゆる種類の地下モンスターの住みかとなる。自然の力で形成され、迷路のごときトンネル群によってつながった、これらの洞窟には、いかなるパターンも秩序も装飾もない。生成に知性ある者の力が一切関与していないので、この種のダンジョンでは、罠や扉の出てくる公算は最も低い。
洞窟にはあらゆる種類の菌類がはびこり、ときには巨大なキノコが大森林よろしく生育していることもある。地下の肉食生物が、菌類を食べる生き物を探して、この森をうろついている。ときには菌類がぶきみな燐光を放ち、“天然の洞窟網”の微弱な光源となっていることもある。一部のエリアでは
デイライトその他の魔法効果によって、緑の植物が育つのに十分な光があるかもしれない。
時として、“天然の洞窟網”が他の種類のダンジョンにつながっていることもある。人工のダンジョンを掘っていて、“天然の洞窟網”に行き当たったのだ。これにより、本来無関係な2つのダンジョンが合体し、奇妙な複合環境を生み出すこともある。“天然の洞窟網”と他の種類のダンジョンが合体すると、往々にして地下のクリーチャーが道を見つけて人工ダンジョンに入りこみ、住みつくようになる。
以降のルールは、ダンジョン内に見られる基本的な構成要素についてまとめている。
時として、石造りの壁――これは石を積み上げたもので、モルタルでつなぎ合わせてあることが多いが、常にそうであるとは限らない――が、ダンジョンを通路や部屋に分けていることがある。また、ダンジョンの壁は単に石を掘り進んだだけで、のみあとの残るざらざらしたものもある。また、自然にできた洞窟の、傷のないすべすべした石の場合もある。ダンジョンの壁を討ち壊したり打ち抜いたりするのは難しいが、壁に上るのは概してやさしい。
表:『壁』
壁の種類 |
典型的な厚み |
破壊DC |
硬度 |
ヒット・ポイント1 |
〈登攀〉DC |
石造り |
1 フィート |
35 |
8 |
90HP |
20 |
質のいい石造り |
1 フィート |
35 |
8 |
90HP |
25 |
補強された石造り |
1 フィート |
45 |
8 |
180HP |
15 |
岩盤を掘りぬいてできた壁 |
3 フィート |
50 |
8 |
540HP |
25 |
自然石 |
5 フィート |
65 |
8 |
900HP |
15 |
鉄 |
3 インチ |
30 |
10 |
90HP |
25 |
紙 |
紙のように薄い |
1 |
― |
1HP |
30 |
木 |
6 インチ |
20 |
5 |
60HP |
21 |
魔法処理ずみ2 |
― |
+20 |
×2 |
×23 |
― |
1……10フィート×10フィートの区画ごとに。
2……壁の種類から割り出される数値にこの修正を施すこと。
3……または50。どちらか大きい方。
石造りの壁/Masonry Walls:もっとも一般的なダンジョンの壁である石造りの壁には、普通は1フィート以上の厚みがある。古びたものは往々にして割れ目や裂け目だらけで、その中には特に、厄介なスライムのたぐいや、小さなモンスターが潜んで獲物を待ち受けている。石つくりの壁に上るには、
〈登攀〉判定(DC20)が必要になる。
質の良い石造りの壁/Superior Masonry Walls:石造りの壁の中には、特に造りのいいものがある。普通よりでこぼこが少なく、石の噛み合わせがよく、すきまが少ないのである。こうした質のいい壁は、壁土や化粧しっくいで塗りこめてあったりもする。塗りこめた壁には絵、浮き彫り、その他の装飾が施されていることも多い。この種の壁は通常の石造りの壁に比べて、打ち壊す難しさは変わらないが、よじ登るのは難しくなる(
〈登攀〉判定のDCは25)。
補強された石造りの壁/Reinforced Masonry Walls:壁の片側あるいは両側や内部に鉄棒を配して補強された石造りの壁も存在する。補強された壁の硬度はもとと同じだが、ヒット・ポイントは2倍になり、破壊DCは10上昇する。
岩盤を掘りぬいてできた壁/Hewn Stone Walls:この種の壁は、石塊の中に部屋や通路を掘りぬいた結果としてできることが多い。岩盤を掘りぬいた荒い表面には、しばしば小さな岩棚があって、キノコが生え、小さな生物が棲息している。蟲のたぐいやバット(コウモリ)や地下に棲むスネーク(ヘビ)など。壁に“むこう側”がある場合(つまり、その壁がダンジョンの2つの部屋を分かっている場合)、この種の壁の厚さは3フィート以上あるのが普通である。それより薄いと頭上の岩の重みに耐えかねて崩れ落ちてしまう危険があるのだ。岩盤を掘りぬいてできた壁に登るには、
〈登攀〉判定(DC25)が必要になる。
自然石の壁/Unworked Stone Walls:この種の壁面はでこぼこしており、平らなことはめったにない。触った感じはなめらかだが、小さな穴や隠れたくぼみ、さまざまな高さの岩棚でいっぱいである。また、塗れていたり湿っていたりするのが普通である。というのも、自然の洞窟ができる一番よくある原因は水だからである。壁に“むこう側”がある場合、この種の壁の厚さは5フィート以上あるのが普通である。自然石の壁に登るには、
〈登攀〉判定(DC15)が必要になる。
鉄の壁/Iron Walls:この種の壁は、もっぱらダンジョン内の重要箇所(宝物庫など)の周囲に巡らされる。
紙の壁/Paper Walls:紙の壁は視界を遮る障壁として配され、それだけの役にしか立たない。
木の壁/Wooden Walls:木の壁はしばしば、古いダンジョンに新しく付け加わった部品として存在する。動物の囲いや物の貯蔵場を造ったり、一時的な構造物であったり、あるいは単に大きな部屋を区切っていくつもの小さな部屋にするのに使われる。
魔法処理ずみの壁/Magically Treated Walls:この種の壁は普通より強固で、硬度もヒット・ポイントも破壊DCも上がっている。魔法によってできる強度は、普通は硬度2倍、ヒット・ポイント2倍、破壊DC+20までである。魔法処理ずみの壁は、壁に影響を与える可能性のある呪文に対して、セーヴィング・スローを行なうことができるようになる。セーヴ時のボーナスは2+(壁を増強した魔法の術者レベル÷2)である。魔法処理ずみの壁を作るには、
《その他の魔法のアイテム作成》特技に加えて、壁を一辺10フィートの正方形1つぶん作るごとに1,500GPが必要になる。
狭間窓のある壁/Walls with Arrow Slits:狭間窓のある壁は、耐久性のある素材ならどんな素材からできていてもいいが、石造りや岩盤を掘りぬいてできた壁や木の壁が元になっていることが一番多い。狭間窓のある壁を使えば、防御側は壁で身を守りながら侵入者にアローやクロスボウのボルトを射かけることができる。このような場合、射手は良好な遮蔽を受け、これによってACに+8のボーナス、反応セーヴに+4のボーナスを得、加えて“身かわし強化”のクラスの特徴を持っているものとして扱われる。
壁と同様、ダンジョンの床にも多くの種類がある。
石畳/Flagstone:石造りの壁と同様、石畳も石を組み合わせてできている。大概はひび割れており、何とか平らというレベルのもの。われめにはスライムが育ちモールド(カビ)がはびこっている。ときには水が石と石の間を小川となって流れたり、1ヶ所に水たまりを作っていることもある。石畳はダンジョンの床のうち、もっともよく見受けられるものである。
でこぼこした石畳/Uneven Flagstone:時がたつと、石畳の一部はでこぼこがひどくなる。こうした床面を通って疾走や突撃を行なうには、
〈軽業〉判定(DC10)が必要である。失敗すると、そのキャラクターはこのラウンドの間、移動することができない。これと同じくらい不安定な床はルールに規定せず、例外とすべきである。
岩盤を掘りぬいた床/Hewn Stone Floors:岩盤を掘りぬいた床はごつごつ、でこぼこしており、ぐらぐらする石や砂利や泥などに覆われていることが多い。こうした床を通って疾走や突撃を行なうには、
〈軽業〉判定(DC10)が必要である。失敗してもキャラクターが行動できなくなるわけではないが、ただ、そのラウンドには疾走も突撃もできなくなる。
軽度の瓦礫/Light Rubble:小さな瓦礫の塊が地面のそちこちに転がっている。軽度のがれきは
〈軽業〉のDCを+2する。
重度の瓦礫/Dense Rubble:地面が大小の瓦礫に覆われている。“重度の瓦礫”に覆われたマスに入るには、1マスにつき2マスぶんの移動がかかる。“重度の瓦礫”は
〈軽業〉のDCを+5、
〈隠密〉のDCを+2する。
なめらかな石材の床/Smooth Stone Floors:仕上げをほどこし、時には磨きまでかけた、なめらかな石の床。この種の床は有能で丁寧な建設者が造ったダンジョンにのみ見られる。
自然石の床/Natural Stone Floors:自然洞窟の床は、自然洞窟の壁と同様にでこぼこしている。洞窟に広い平らな底面があることはめったにない。というより、自然洞窟の床は高さが一定ではないのである。隣の床面の高さがほんの1フィートしか違わないこともあり、そんなところを通るのは階段を登るのと同様にやさしい。しかし別の場所では、床が突然何フィートも高くなったり低くなっており、1つの床から次の床へ進むのに
〈登攀〉判定が要る。自然洞窟の床に“踏み分け道”のようなものができて、はっきりとわかるようになっていれば別だが、そうでない場合、自然石の床のマス目に入るには1マスにつき2マスぶんの移動がかかる。また、
〈軽業〉判定のDCは+5される。疾走や突撃は、先ほど述べた“踏み分け道”を通って行なうのでない限り、不可能である。
すべりやすい床/Slippery:この段で述べたダンジョンの床はどれも、水や氷や粘液や血によって、より厄介になることがある。床がすべりやすくなっている場合、
〈軽業〉のDCは+5される。
格子/Grate:床に格子があり、その下には穴や、通常の床よりも低いエリアがある。格子は鉄製なのが普通だが、大きな格子の中には鉄で補強した木製のものもある。格子の多くはちょうつがいで開き、下へ行けるようになっている(この種の格子は扉と同様、鍵がかかっていることもある)。ただし、中には稼働しない、固定式のものもある。厚みが1インチの典型的な格子は、HP25、硬度10、打ち破ったり壊して取りのけたりするDCは27。
岩棚や張り出し/Ledge:岩棚や張り出しがあると、クリーチャーは低いエリアの上を歩くことができる。岩棚や張り出しはしばしば、縦穴の壁面をぐるりと囲み、地下水脈に沿って走り、大きな部屋の周りのバルコニーになり、あるいは射手が眼下の敵に矢弾を射かける足場となる。狭い岩棚や張り出し(幅12インチ未満のもの)を渡る場合、
〈軽業〉判定が必要になる、失敗すると落ちる。岩棚や張り出しには手すりが付いていることもある。その場合、そこを移動する際の
〈軽業〉判定には+5の状況ボーナスがつく。また、手すりのそばにいるキャラクターは、突き飛ばしによって岩棚や張り出しから突き落とされるかどうかを判定する際、対抗【筋力】判定に+2の状況ボーナスを得る(訳注:現在、突き飛ばしのルールは変わっていることから、この+2の状況ボーナスは戦技防御値に適用されると思われる)。
岩棚や張り出しには、へりに高さ2、3フィート程度の低い壁がついていることもある。こうした壁は、壁の向こう30フィート以内からの攻撃に対して遮蔽を提供する(ただし、防御側が攻撃側よりも壁に近い場合に限る)。
透明な床/Transparent Floor:補強したガラスや魔法の材質(それこそ
ウォール・オヴ・フォースの場合もある)でできた透明な床があれば、危険な舞台を上から安全に眺めることができる。透明な床は時として溶岩の池、闘技場、モンスターを入れる囲い、拷問部屋などの上に配置される。また、防御側が重要なエリアに侵入者が入ってくるのを見張るのに使われることもある。
スライドする床/Sliding Floors:スライドする床というのは、実のところ床についた“落とし戸”の一種だと言ってよい(動いて、その下にあるものを明るみに出すのが役目だから)。スライドする床は、普通はごくゆっくり動くので、上に立っている者たちは、床がスライドしてできる隙間に落ちることはなくてすむ(逃げ場があれば)。尤も中には、急速にスライドするので、キャラクターたちが下に落ちてしまいかねないものもある。落ちた先に何があるのかはいろいろである。針の植わった穴、燃える油の大おけ、シャーク(鮫)でいっぱいの水中……いずれにせよ、こうした急速にスライドする床は“罠”扱いになる。
しかけ床/Trap Floors:しかけ床は突然危険なものになるように作られている。一定の重量をかけたり、近くのどこかでレバーを引いたりすると、床から槍が飛び出したり、隠れた穴から蒸気や炎がごうと吹き出したり、床全体が回り舞台よろしく一回転したりするのである。この種の風変わりな床は、戦闘の舞台となるエリアに配置されていることが多く、戦闘をより面白く危険なものにするようにできている。この種の床は罠と同様に作成すること。
ダンジョン内の扉は単なる入口や出口ではない。扉自体が遭遇であることも多い。ダンジョンの扉には大別して3種がある。木製、石製、鉄製。
表:『扉』
扉の種類 |
一般的な厚さ |
硬度 |
ヒット・ポイント |
破壊DC |
たてつけの悪い場合 |
鍵がかかっている場合 |
普通の木製の扉 |
1インチ |
5 |
10HP |
13 |
15 |
上質の木製の扉 |
1.5インチ |
5 |
15HP |
16 |
18 |
頑丈な木製の扉 |
2インチ |
5 |
20HP |
23 |
25 |
石製の扉 |
4インチ |
8 |
60HP |
28 |
28 |
鉄製の扉 |
2インチ |
10 |
60HP |
28 |
28 |
木製の落とし格子 |
3インチ |
5 |
30HP |
25* |
25* |
鉄製の落とし格子 |
2インチ |
10 |
60HP |
25* |
25* |
錠 |
― |
15 |
30HP |
― |
― |
ちょうつがい |
― |
10 |
30HP |
― |
― |
*……これは持ち上げる場合のDC。破壊する場合のDCは、同じ材質の扉のものを使うこと。
木製の扉:分厚い板材を釘止めしたもの。強度を上げるためや、ダンジョンの湿気で木の板が反るのをおさえるために、鉄で補強する例もある。木製の扉は最もよくある扉である。その頑丈さはさまざまで、普通、上質、頑丈の3種がある。普通の木製の扉(破壊DC15)は、本気で扉を壊そうとする相手を通さないようには作られていない。上質な木製の扉(破壊DC18)は、しっかりしていて長持ちするが、それでも打撃が続けば持ちこたえられない。頑丈な木製の扉(破壊DC25)は鉄で補強されており、無理やり通ろうとする者に対して、かなりよい障壁となる。扉は鉄のちょうつがいで戸口の枠に取り付けられている。扉の中ほどには引き輪があって、これを持って扉を開けるようになっていることが多い。引き輪の代わりに鉄の引き棒が扉の一方または両方に付いていて、これが取っ手代わりになるというつくりの扉もある。住人のいるダンジョンでは、こうした扉は手入れが行き届いており(たてつけが悪くなってはおらず)、鍵もかかっていないことが多い。それでも重要エリアの扉は、鍵がかけられるものなら、かけてあるだろう。
石製の扉:堅固な石塊から掘り出した、この種の重く扱いにくい扉は、まん中を軸に回転するつくりになっていることが多い。とはいえドワーフなど、腕のいい工匠なら、石製の扉を支えるだけの強度を持つちょうつがいをこしらえることもできる。石の壁にある隠し扉は石製の扉であることが多い。それ以外では、石製の扉は何か大事なものを守るための頑丈な障壁として配置される。従って鍵やかんぬきがかかっていることが多い。
鉄製の扉:ダンジョン内の鉄製の扉は、錆を吹いてはいても堅牢で、木製の扉と同様にちょうつがいで固定されている。魔法によらない扉の中では、最も頑丈な代物である。鍵やかんぬきがかかっていることが多い。
扉の破壊:ダンジョンの扉は鍵がかかっていたり、罠があったり、補強されていたり、魔法の力で封印されていたり、単にたてつけが悪くて開かなかったりする。よほど力が弱くない限り、キャラクターなら誰でも、重い道具(大金槌など)を使って時間をかければ扉を打ち壊せる。また、特定の呪文や魔法のアイテムを使えば、キャラクターたちが鍵のかかった扉を片付けるのも簡単になる。
扉を斬撃武器や殴打武器で文字通り粉砕する場合、表『扉』にある硬度とヒット・ポイントを使用すること。扉を打ち壊す際のDCを決めるには、以下をガイドラインとして用いること。
DC10以下:誰でも打ち破れるような扉。
DC11~15:力の強い人物なら1回で打ち破れるだろうし、平均的な人物でも1回で打ち破れるかもしれない扉。
DC16~20:時間があればほとんど誰でも破ることができる扉。
DC21~25:力の強い、あるいは非常に力の強い人物だけが打ち破れる可能性があり、そうした人物でもおそらくは1回では破れないであろう扉。
DC26以上:極めて力の強い人でもなければ、打ち破ることはできないであろう扉。
錠:ダンジョンの扉には往々にして鍵がかかっている。このため
〈装置無力化〉技能はたいそう重宝する。錠は通常、扉の内部の、ちょうつがいがあるのと逆側のヘリか、扉の中ほどに仕込まれている。組みこみ型の錠は、扉から鉄の棒が突き出して戸口の枠の穴にはまる仕組みだったり、鉄やがんじょうな木の棒が横すべりにすべって扉の向こう側でかんぬき状になる仕組みだったりする。一方、南京錠は扉の内部に組み込まれているのではなく、通常は扉についた輪っかと壁に付いた輪っかを錠前でつないでいる。もっと複雑な錠、たとえば組み合わせ錠やパズル式の錠などは、扉の内部に組み込まれているのが普通である。この種の“鍵のない錠前”は値が張るので、もっぱら堅牢な扉(すなわち、鉄で補強した木製の扉、石製の扉、鉄製の扉)に付いている。
〈装置無力化〉判定で鍵を開ける際のDCは、20~30の枠内に収まることが多いが、これよりDCの高い錠や低い錠もあるにはある。1つの扉に2つ以上の錠がついていることもあり、それぞれ別々に解錠しなければならない。錠に罠が仕込まれていることも多い。毒針が出てきてローグの指をちょんとつっつくというのが普通である。
時として、錠を壊すほうが、扉全体を壊すより早いことがある。PCが武器で錠をがつんとやろうとしたら、典型的な錠は硬度15、30ヒット・ポイントとして扱うこと。錠が壊れるのは、扉と別々に攻撃された場合だけである。従って、組みこみ式の錠をこの手段で壊すことはできない。住人のいるダンジョンでは、扉に鍵がかかっている場合、必ずどこかに鍵があることをお忘れなく。
特殊な扉には、錠があっても鍵がないという場合もある。かわりに扉の近くにある複数のレバーを正しい組み合わせで上げ下げすることで開いたり、模様の書かれたボタンがたくさんあって、それを正しい順番で押すと開いたりするのである。
たてつけの悪い扉/Stuck Doors:ダンジョンは往々にして湿気が多いため、扉のたてつけが悪くなって開かなくなることもある。特に木製の扉に多い。木製の扉の約10%、木製でない扉の約5%は“たてつけが悪い”ものと見なすこと。長いこと忘れられていたり、放っておかれたりしたダンジョンの場合、この確率を2倍にすること(つまり木製の扉は20%、木製でない扉は10%になる)。
かんぬきのかかった扉/Barred Doors:キャラクターがかんぬきのかかった扉を打ち開けようとする場合、扉自体の材質ではなく、かんぬきの頑丈さの方が重要になる。木のかんぬきのかかった扉を打ち明けるにはDC25の【筋力】判定、かんぬきが鉄ならDC30の【筋力】判定が必要になる。ただし望むならかんぬきを無視して扉のほうを攻撃して破壊し、かんぬきは開いた戸口に突き出したままでほうっておくという手もある。
魔法の封印:
アーケイン・ロック等の呪文によって、扉を通過するのがより面倒になっていることがある。
アーケイン・ロック呪文のかかった扉は、たとえ物理的な錠はなくとも、鍵のかかったものと見なされる。これを開けるには
ノックか
ディスペル・マジックの呪文を使うか、【筋力】判定に成功しなければならない。
ちょうつがい/Hinges:ほとんどの扉にはちょうつがいがある。もちろんスライド式のドアにはついていない(代わりにレールかみぞがあって、簡単に片方にすべらせることができるようになっているのだ)。
普通のちょうつがい:このちょうつがいは金属製で、扉の片方の端と戸口枠や壁をつないでいる。扉はちょうつがいのあるほうに向けて開くことを忘れないように。このため、ちょうつがいがPCたちのいるほうにあれば、扉はPCたちのほうに開く。そうでなければ、扉はむこう側に開く。冒険者たちは
〈装置無力化〉判定に1度成功するごとに1つのちょうつがいを取り外せる(もちろん、ちょうつがいが扉のこちら側にあればの話だが)。ほとんどのちょうつがいは錆びて離れなくなっているので、取り外す作業はDC20。一方、ちょうつがいを打ち壊すのは難しい。ほとんどのちょうつがいは硬度10、30ヒット・ポイントを有する。ちょうつがいの破壊DCは扉を打ち壊す際のDCに等しい。
入れ子式ちょうつがい:このちょうつがいは普通よりずいぶん複雑なつくりで、よほど立派なつくりの場所にのみ見られる。この種のちょうつがいは壁の内部に仕込まれており、扉をどちらの向きにも開くようにしている。PCたちがちょうつがいに取りついていじろうと思ったら、まず戸口の枠なり壁なりをぶち抜かないといけないというありさま。入れ子式ちょうつがいは石の扉に見られることが多いが、木や鉄の扉に付いていることもある。
旋回軸/Pivots:旋回軸というのは実のところ、ちょうつがいでもなんでもない。単に扉の上下にこぶがついていて、そのこぶが戸口の枠に開いた穴にはまるようになっているだけのものである。旋回軸の利点は、ちょうつがいと違って取り外されずにすみ、作るのも簡単だということ。欠点は扉が重心(普通は中央)を中心に旋回するため、扉の幅の半分までのものしか通れないということだ。旋回軸のついた扉は石製のものが多く、先述の欠点を補うために横幅がかなり広くなっていることがよくある。欠点を補う方法その2は、旋回軸を片側に寄せ、扉の一方を厚く、もう一方を薄くして、もっと通常の扉に似た開き方をするようにしておくことである。壁にある隠し扉には、旋回軸を中心に旋回するものが多い。ちょうつがいがないぶん、扉があることを隠しやすいからである。また、旋回軸を使えば、本棚等の調度を隠し扉として働くようにすることもできる。
隠し扉:一見、単なる壁面(や床や天井)や書棚や暖炉や噴水のように偽装してある隠し扉を除けば、そこには秘密の通路や秘密の部屋がある。隠し扉のある区画を調べるものは、
〈知覚〉判定(典型的な隠し扉ならDC20、巧みに隠してある隠し扉ならDC30)に成功すれば、隠し扉を発見できる(そこにあればの話だが)。
隠し扉には、隠れたボタンや踏み板を押すなど、特別な方法でないと開かないものも多い。いざ開くときには、通常の扉のように開くものもあれば、回転したり横にすべったり床に沈みこんだり天井に上がっていったり、はね橋上に下りたりして入口ができるものもある。ダンジョンを作る側は、隠し扉を床近くの低いところや壁の高い所に配して、見つけたり取りついたりするのを難しくすることもある。ウィザードやソーサラーには
フェイズ・ドア呪文があり、これを使えば彼らにしか使えない魔法の隠し扉ができる。
魔法の扉:ダンジョンの本来の建設者たちが魔法をかけたことにより、扉は探検家たちに話しかけたり、戻れと警告したりするかもしれない。損害を受けるのを防ぐために、硬度やヒット・ポイントや、
ディスインテグレイト等の呪文に対するセーヴィング・スローが高くなっていることもある。魔法の扉は、扉の向こうに見える空間につながっているとは限らず、どこか遠くの土地や、ことによると別の次元界につながる門になっている場合もある。また、合言葉や特殊な鍵がないと開かないものもある。
落とし格子/Portcullises:これも言ってみれば扉の一種で、鉄の棒や、鉄のたがをはめた太い木の棒を組み合わせたつくりで、戸口の上の天井のくぼみから落ちてくる。横棒があって格子状になっていることも、そうでないこともある。巻き上げ機やキャプスタンを使って引き上げるしくみになっていることが多い。落とすときはすぐに落ちる。落とし戸の下端にはスパイク(棘)が着いていて、下に立つ者をおどし、落とし格子が落ちる最中に下をくぐりぬけようという気をなくさせる。下に落ちた落とし格子はそこで固定される。ただし中にはあまり重くて、固定するまでもなく常人には持ち上げられない代物もある。典型的な落とし格子を持ち上げるには【筋力】判定(DC25)が必要となる。
石の壁、鉄の壁、鉄製の扉には、
ディテクト系の呪文(
ディテクト・ソウツなど)を妨害するだけの厚さがあるのが普通である。木の壁、木製の扉、石製の扉には、それだけの厚さはないのが普通である。ただし壁に仕込まれた、壁と同じだけの(かつ1フィート以上の)厚さがある石造りの隠し扉は、ほとんどのディテクト系呪文を妨害する。
ダンジョン内の階と階をつなぐ通常の方法は、階段を使うことである。階段の上り下りにおいてキャラクターは移動速度にペナルティを受けることはないが、疾走することはできない。階段では、
〈軽業〉技能の判定のDCが4上昇する。階段には特に急であるため移動困難な地形と見なされるものもある。
トンネルの落盤や崩落は実に危険なしろものだ。ダンジョン探検家たちは、落ちてくる何米トンもの岩に押し潰される危険に加えて、たとえ生き延びても山のように積もった石くれに埋もれて動けなくなったり、これまでにわかっている唯一の出口への道を閉ざされてしまったりする。落盤が起きると、崩落したエリアのまっただ中(埋没域という)にいる者はみんな埋もれてしまい、崩落の周辺部(流出域という)にいる者も転げてくる瓦礫でダメージを受ける。天井が弱くなっていて落盤の可能性があることに気付くには、
〈知識:工学〉または
〈製作:石工〉の判定(DC20)に成功すればよい。
〈製作〉技能は未修得でも【知力】判定で代用できることに注意されたい。ドワーフは弱くなっている天井の10フィート以内を通りがかっただけで自動的にこの種の判定を行える。
弱くなっている天井は、何か大きな衝撃や振動が始まれば崩落する可能性がある。また、キャラクターが天井を支えている柱の半分以上を破壊した場合も崩落が起きる。
埋没域内のキャラクターは8d6ポイントのダメージを受ける。反応セーヴ(DC15)に成功すれば半分ですむ。その上で、いずれにせよ“埋没”する。流出域内のキャラクターは3d6ポイントのダメージを受ける。反応セーヴ(DC15)に成功すればダメージを受けない。この反応セーヴに失敗したキャラクターは“埋没(buried)”する。
“埋没”したキャラクターは、その状態が続く限り、1分ごとに1d6ポイントの非致傷ダメージを受ける。意識を失ったなら【耐久力】判定(DC15)を行なうこと。これに失敗すれば、以後は掘り返されるか死ぬまで、1分ごとに1d6ポイントの致傷ダメージを受ける。
“埋没”せずにすんだキャラクターは、仲間を掘り出すことができる。なにも道具なしに手だけでやるなら、1分ごとに自分の重荷重の5倍までの石や瓦礫を取り去れる。一辺5フィートの立方体の空間を満たす石くれの量は1米トン(2,000ポンド)である。つるはし、かなてこ、ショベルなど、しかるべき道具を持っていれば、手でやる場合の2倍の早さで石くれをきれいに取り除けられる。“埋没”したキャラクターは【筋力】判定(DC25)に成功すれば自力で脱出することができる。
ダンジョンの暗くじめじめした片隅には、カビや菌類が繁茂している。呪文その他の特殊効果に関しては、スライム、カビ、菌類はみな植物として扱うこと。罠と同様、危険なスライムやカビにはCRがあり、キャラクターはこれと遭遇することで経験値を得る。
暗く湿った場所にあまり長く放っておかれると、ほとんどのものは有機物のねばねばに覆われる。この種のスライム(ねばねばしたもの)は、たしかに気色の悪いものかもしれないが、危険なものではない。暗く涼しく湿った場所には、カビや菌類がはびこる。ダンジョンによくあるスライムと同様に無害なものもあれば、きわめて危険な物もある。マッシュルーム、ホコリタケ、酵母菌、白カビ、その他いろいろの丸いキノコや細長いキノコや平たいキノコは、大方のダンジョン中に生息している。通常は無害であり、一部は食用に適する(あまりうまくなかったり、変な味がするものも多いが)。
ブラウン・モールド(CR2):ブラウン・モールド(茶色いカビ)は熱を食って生きており、周囲のあらゆるものから熱を奪い取る。通常は直径5フィートの斑点となって生育しており、その周囲、半径30フィートの気温は常に冷たい。このカビから5フィート以内の生きているクリーチャーは3d6ポイントの[氷雪]による非致傷ダメージを受ける。5フィート以内に炎を持っていくと、カビの斑点は即座に2倍の大きさになる。[氷雪]ダメージ、例えば
コーン・オヴ・コールドによるダメージなどを与えれば、ブラウン・モールドは即座に破壊される。
グリーン・スライム(CR4):スライム(ねばねばしたもの)はダンジョンにはごくありふれたものだが、グリーン・スライム(緑色のねばねばしたもの)はその危険なバージョンである。触れた肉や有機物をむさぼり食い、金属すら溶かしてしまう。色は明るい緑色、水気があってねばねばしており、壁や床や天井に斑点のように群生して、有機物を取りこむにつれて増殖する。下で何らかの動きが(そしておそらくは食物が)あると、壁や天井から落ちてくる。
一辺5フィートのマスを占めるグリーン・スライムは、肉を1ラウンドむさぼり食うごとに、相手に1d6ポイントの【耐久力】ダメージを与える。接触した最初のラウンドには、グリーン・スライムをクリーチャーからこそげ落とすことができる。これにより、こそげ落としに使った器具は破壊される公算が高い。だが次のラウンドからは、凍らすか焼くか切り取るしかない。これにより、スライムの犠牲者にも同様にダメージが及ぶ。[氷雪]ダメージや[火炎]ダメージを与えるもの、太陽の光、
リムーヴ・ディジーズの呪文はグリーン・スライムの一塊を破壊する。木材や金属に対しては、グリーン・スライムは1ラウンドあたり2d6ポイントのダメージを与える。このとき金属の硬度は無視されるが、木材の硬度は有効である。石にはダメージはない。
フォスフォレッセント・ファンガス(ヒカリゴケ):この地下で育つ奇妙なキノコは、ちょうど小さな森のようなかっこうで群生する。そしてスミレ色のおぼろげな光を放ち、その光はちょうどろうそくと同じように地下洞窟や通路を照らす。ごく稀に、松明ほどの光を放つものも存在する。
シュリーカー:この人間大の紫色のマッシュルームは、動くものや光源が10フィート以内に近づくやいなや、1d3ラウンド続くひどい音を発生させる。この叫び声により、50フィート以内で発生した一切の音が聞こえなくなってしまう。また、この音を調査するために配置された近くのクリーチャーを引き寄せる。
シュリーカーの近くに生息するクリーチャーには、この音が食料や侵入者が近くにいることを意味すると学習したものもいる。
イエロー・モールド(CR6):この一辺5フィートのマスを占めるカビの群れは、平穏を乱されると有毒な胞子の雲を放出する。10フィート以内にいる者は、みな頑健セーヴ(DC15)を行い、失敗すると1d3ポイントの【耐久力】ダメージを受ける。以降の5ラウンドの間、毎ラウンド頑健セーヴ(DC15)を行ない、失敗したならラウンドごとに1d3ポイントの【耐久力】ダメージを受ける。頑健セーヴに成功したなら、この効果は終了する。イエロー・モールド(黄色いカビ)は火で焼かれると破壊される。また、太陽光を受けると活動を休止する。
ダンジョンを取り巻く環境において、罠はよく見られる危険である。赤熱した炎から無数の毒のダーツまで、罠は価値ある財宝を守ったり侵入者の侵攻を止めるのに役立つ。
機械式の罠も魔法の罠もひっくるめて、あらゆる罠には以下の要素がある:CR、種類、
〈知覚〉DC、
〈装置無力化〉DC、作動条件、再準備、効果、持続時間である。トラップには毒や回避方法といった、オプション要素が含まれるトラップもある。個々の要素については、以下に示していく。
事実上、罠は機械式の罠か魔法の罠のいずれかである。
機械式の罠:ダンジョンには邪悪きわまる機械式の(=魔法のものではない)罠が頻繁にしかけられている。罠はおおむね、以下のことがらを持って定義される――どこにあるか、どうすれば作動するか、作動する前に見つけるのがどの程度難しいか、ダメージをどの程度与えるか、影響を最小限にするためにキャラクターはセーヴィング・スローを行なうことができるかどうか、である。アロー(矢)や切り払う刃など、武器で攻撃する罠は、通常の攻撃ロールを行なう。攻撃ボーナスは罠の作りしだいで、個々の罠ごとに違う。PCが機械式の罠を作るには、
〈製作:罠〉技能に成功する必要がある(『罠の設計方法』と
〈製作〉技能を参照)。
〈知覚〉判定に成功したクリーチャーは、罠が作動する前にその存在に気付く。この判定のDCは罠ごとに設定されている。一般に、判定に成功したということは、罠が作動する機構(踏み板や、扉の取っ手に取り付けられた奇妙な機構など)についてクリーチャーが識別できたことを表す。DCを5以上上回ったなら、罠が発動した際に起こることの示唆を得ることができる。
魔法の罠:危険な罠を作り出すのに使える呪文は多い。呪文やアイテムの説明に特に記述がない限り、以下のルールが適用される。
- 〈知覚〉判定(DC25+呪文レベル)に成功すれば、魔法の罠が作動する前にその存在に気づける。
- セーヴィング・スローに成功すれば、魔法の罠の効果を受けずにすむ(DCは10+呪文のレベル×1.5)。
- クラス特徴“罠探し”を持っているキャラクターは〈装置無力化〉判定(DC25+呪文レベル)に成功することで魔法の罠を解除できる。他のキャラクターは〈装置無力化〉技能の判定で魔法の罠を解除することはできない。
魔法の罠は呪文の罠と魔法装置の罠に大別される。魔法装置の罠は、作動すると、ちょうどワンドやロッドやリング等の魔法のアイテムのように呪文の効果を生み出す。魔法装置の罠を作るには、
《その他の魔法のアイテム作成》の特技が必要である。
呪文の罠というのは、単に“罠としてはたらく呪文”のこと。呪文の罠を作るには、その呪文を発動できるキャラクターの協力が要る。普通は罠を作る本人が発動するか、罠を作るために雇われた呪文の使い手のNPCが発動する。
作成者は機械式の罠の
〈知覚〉DCと
〈装置無力化〉DCを設定できる。魔法の罠の場合、これらのDCは罠を作るのに使った呪文のうち、最も呪文レベルの高いものによって定まる。
機械式の罠の場合:
〈知覚〉および
〈装置無力化〉の基本的なDCは20である。これらのDCのいずれかを上下させると、罠のCRが変化する(表:『機械式の罠のCR修正値』)。
魔法の罠の場合:
〈知覚〉および
〈装置無力化〉のDCは(25+使った呪文のうち最も呪文レベルの高いものの呪文レベル)である。魔法の罠に対して
〈装置無力化〉を行えるのは“罠探し”のクラス特徴を有するキャラクターのみである。
作動条件というのは、“何をどうしたらその罠が動き出すか”である。
場所/Location:作動条件が“場所”となっている罠は、誰かが特定のマス目に立ち入った時点で作動する。
距離/Proximity:この作動条件が付いている罠は、誰かが特定のマス目に立ち入った時点で作動する。この作動条件が“場所”と違うのは、クリーチャーが特定のマス目に立っている必要はないという点である。たとえば飛行しているクリーチャーは、作動条件が“距離”の罠を作動させることはあるが、“場所”の罠を作動させることはない。“距離”式の作動条件のうち機械式のものは、空気のほんのわずかな動きにも過敏に反応するので、空気が本来ほとんど動かない場所(墓所など)でしか使い物にならない。
魔法装置の罠にもっともよく使われる“距離”式の作動条件は、
アラーム呪文である。この呪文を通常に発動した場合と違い、作動条件として用いられる
アラーム呪文は、罠で守りたい範囲だけをカバーするようにしておくことができる。
魔法装置の罠の中には、特定の種類のクリーチャーが近づいた時のみ作動する、特殊な“距離”式の作動条件を有するものもある。たとえば悪の祭壇に
ディテクト・グッド呪文が“距離”式の作動条件として仕掛けてあり、善の属性を持つ者が充分近づいてきた時のみ、かねて用意の罠を作動させるといった具合。
音声:この作動条件は、何らかの音を感知したなら罠を作動させる。“音声”式の作動条件は、ちょうど生き物の耳のように働き、
〈知覚〉判定のボーナスは+15である。
〈隠密〉判定に成功するか、魔法的な静寂か、そのほか音を聞こえなくする何らかの効果を用いれば、罠を作動させずにすむ。“音声”式の作動条件を有する罠を作るには、作成過程で
クレアオーディエンスを発動する必要がある。
視覚:この作動条件は魔法の罠用のもので、ちょうど実際の目のように働き、何かを“見る”と罠を働かせる。“視覚”式の作動条件を有する罠を作るには、作成過程で
アーケイン・アイ、
クレアヴォイアンス、
トゥルー・シーイングのいずれかを発動する必要がある。見える距離と罠側に付く
〈知覚〉ボーナスは、次の表にある通り、呪文によって異なる。
暗闇で闇を見る力を罠に与えたいなら、
トゥルー・シーイング版を使うか、あるいは追加で
ダークヴィジョンまで発動する必要がある(
ダークヴィジョンのほうにした場合、暗闇で物が見える距離は60フィートに制限される)。透明化や変装や幻術は、罠に使われた呪文自体をごまかせるようなら、“視覚”式の作動条件をもごまかせる。
接触:“接触”式の作動条件は、何かが触れると罠が作動するというもの。作動条件の中でも、ごく容易にしつらえられるものである。この作動条件はダメージを与えるからくりに物理的にくっついている場合もあるし、そうでない場合もある。魔法の“接触”式の作動条件を設けることもできる。それには罠に
アラーム呪文を付け足し、呪文の効果範囲を狭めて作動の引き金となる一点だけにする必要がある。
時限:“時限”式の作動条件は、一定時間が経過するごとに、定期的に罠を働かせる。
呪文:呪文の罠はすべて、“呪文”式の作動条件を有する。“呪文”式の作動条件がどうやったら作動するかは、各呪文の記述を参照のこと。
別の方法で始めたのでない限り、ほとんどの罠の持続時間は瞬間である。ひとたび作動したなら、その効果が表れ、そしてその機能はとまる。罠にはラウンド単位で持続時間があるものもある。そのような罠は、ラウンドごとのイニシアチブの一番最初で記載された効果を発動する(あるいは戦闘の間、作動条件を満たし続ける限り作動し続ける)。
罠の再準備というのは、“何をどうしたらその罠がもう一度作動可能になるか”である。罠を再準備するのは、普通は1分かそこらですむ。罠の再準備方法がもっと複雑な場合、かかる手間はGMが決定すること。
再準備不可:この罠は、罠全体を一から作り直さない限り、一度しか作用しない。呪文の罠は再準備不可である。
修理:この罠が再び機能するようにするには、罠を修理しなければならない。機械式の罠を修理するには、
〈製作:罠〉が必要である。DCはその罠を作る際のDCに等しい。修理にかかる原材料費は、罠本来の市価の1/5である。罠を直すのにかかる時間を計算するのは、作成時と同様の計算方法でやるが、罠の市価の代わりに修理にかかる原材料費を用いること。
手動:この罠を再準備するには、誰かが罠の部品を本来の位置に戻してやらなければならない。機械式の罠の大方は、再準備が“手動”になっている。
自動:この罠はひとりでに再準備される。即座に再準備されるものもあり、一定の期間をおいて再準備されるものもある。
回避方法(オプション要素) Bypass
罠の作成者が、作成後/設置後もその罠をくぐりぬけて移動したいと思っているなら、何らかの通りぬけ用のしかけ(罠を一時的に解除するしかけ)をしておくというのはよい考えだ。“通りぬけ方法”の要素は、機械式の罠にしかないのが普通である。呪文の罠の場合、もともと術者自身は迂回できるようになっていることが多い。
錠:錠による通りぬけが可能になっている場合、
〈装置無力化〉判定(DC30)に成功すれば通り抜けられる。
隠しスイッチ:隠しスイッチは
〈知覚〉判定(DC25)に成功すれば発見できる。
隠し錠:隠し錠は“錠”の要素と“隠しスイッチ”の要素を組み合わせたものといえる。発見するには
〈知覚〉判定(DC25)、その後罠を無事通りぬけるには
〈装置無力化〉判定(DC30)が必要となる。
罠の効果というのは、“その罠を働かせてしまった奴に何が起こるか”をあらわす。通常、これはダメージか呪文効果の形をとるが、中にはもっと別の、特別な効果を有するものもある。罠は通常、自ら攻撃ロールを行なうか、相手に罠を避けるためのセーヴィング・スローを強要する。中には両方を行なう罠もあれば、どちらも行わない罠(『決して外れない』を参照)もある。
落とし穴:落とし穴というのは、キャラクターが落ちてダメージをこうむる可能性のある穴のことである。覆いをして隠してあるものも、覆いがなくむき出しのものもある。落とし穴に攻撃ロールはない。キャラクターは反応セーヴ(DCは作成者が決定)に成功すれば穴に落ちずにすむ。セーヴを要するこれ以外の機械式の罠もこの分類に属する。
覆いのないむきだしの落とし穴と自然の裂け目は、主に侵入者を脅かして特定の(落とし穴のある)道を進む気をなくさせるのに使われる。とはいえ、暗闇でうっかり落ち込んでしまったキャラクターたちは、まことに悲しい目を見ることになろう。また、むきだしの落とし穴のそばで近接戦闘が起きた場合、穴は事態をいっそう厄介なものにするだろう。
覆いをして隠してある落とし穴は、一層危険な代物である。これを発見するには
〈知覚〉(DC20)が必要で、しかもキャラクターが落とし穴の上を通る前に時間をかけてそのエリアを子細に捜索した場合に限られる。覆いをした落とし穴を見つけられなかったキャラクターも、反応セーヴ(DC20)はでき、成功すれば落ちずにすむ。しかし疾走中だったり、その他不注意な移動をしていたりすれば、セーヴィング・スローは行えず、自動的に落ちる。
落とし穴の覆いかたはいろいろで、藁や木の葉や棒切れやごみくずなど、いらないものを積み重ねただけだったり、大きなぼろきれ一枚だったり、普通の床の一部に見えるように偽装された落とし戸だったりする。落とし戸は普通、十分な重量(通例、50~80ポンド)がかかると開くしくみになっている。ずるがしこい罠つくりは、開いた後で元通りに閉じ、次の獲物を待ち受けるしくみの落とし戸を作ることもある。これのバリエーションとして、いったん元通りに閉じると鍵がかかり、引っかかったキャラクターはまったく完全に閉じこめられてしまうというものもある。この手の落とし戸を開けること自体は、通常の扉を開けるのと同程度の難しさだが、それもキャラクターたちが落とし戸に取りつくことができたとしての話だ。加えて、ばねで閉まる仕組みの扉を開けたままにしておくには、【筋力】判定(DC13)が必要になる。
落とし穴の罠の底には、ただの固い床より、もっとひどいものがあることも多い。罠を作る側は、穴の底にスパイクやモンスター、酸の池、溶岩の海、あるいは水があるようにする。落とし穴の底にあるスパイクやその他、追加される物については、“罠のその他の特徴”の項を参照のこと。
モンスターが罠の中にいる場合もある。穴の底に住みついているモンスターは、ダンジョンの設計者によってそこに配置された場合もあれば、単に落ちてしまって登れなかった場合もある。
落とし穴の底に第2の罠がしかけてあったら、その罠が機械式のものだろうが魔法のものだろうが、これはもう危険極まりないことになる。犠牲者が落ちてくると、第2の罠が作動し、すでに傷ついている犠牲者を、相手がまったく備えのできていないときに襲うのである。
遠隔攻撃型の罠:この型の罠は、ダーツやアローやスピア等々を、罠を作動させたものに浴びせかける。攻撃ボーナスは作成者が決定する。遠隔攻撃型の罠は高い【筋力】等級を持つコンポジット・ボウの効果を模するように作ることもできる。これにより、その罠のダメージには【筋力】等級と同じだけのボーナスがつく。この型の罠は、同じ型の矢弾が普通に及ぼすだけのダメージを与える。罠が高い【筋力】等級を有するように作られたなら、ダメージにはその等級と同じだけのボーナスが付く。
近接攻撃型の罠:壁から飛び出す鋭い刃、天井から落ちかかる岩のブロックなどが“近接攻撃型”の罠である。この型でも、攻撃ボーナスは作成者が決定する。この型の罠は、“使用している”近接武器と同じだけのダメージを与える。石のブロックが落ちてくる場合、GMは石が与える殴打ダメージを好きに設定してよいが、その罠を再準備にはそれだけの石を元通り上に戻さなければならないことに注意。
近接攻撃型の罠は、まるでその罠自体が高い【筋力】値を有しているかのように、ダメージ・ロールにボーナスが付くように作ることもできる。
呪文の罠:この種の罠は対応する呪文と同じの呪文の効果を生み出す。セーヴィング・スローを許す呪文の罠のセーヴDCは、呪文と同様、(10+呪文レベル+術者の対応する能力修正値)である。
魔法装置の罠:この種の罠は作成時に仕込まれた呪文の効果を生み出す。効果は呪文の項にある通り。魔法装置の罠に仕込まれた呪文がセーヴィング・スローを許すなら、セーヴDCは(10+呪文レベル×1.5)である。中にはセーヴがなく、攻撃ロールを行なう呪文もある。
特殊:罠の中には特殊な効果を生み出すようになっているものもある。たとえば相手をおぼれさせる水攻めの罠や能力値ダメージを与える毒など。毒のセーヴDCやダメージは毒の種類によるか、作成者がしかるべく決定する。
一部の罠には追加の特徴があって、一層物騒なものになっている。そうした特徴のうち、比較的よく見られるものを以下に挙げる。
液体:溺れの危険のある罠がこの分類に入る。液体を用いた罠には“決して外れない”とタイムラグという特徴(いずれも後述)があるのが普通である。
落とし穴の底にあるもの:落とし穴の底に何かスパイク以外のものがある場合は、それを別個の罠として扱うのが一番よい(『複数の罠』を参照)。その新しい罠には“場所”式の作動条件があって、(落ちてきたキャラクター等によって)大きな衝撃を受けると作動する、という扱いとなる。
落とし穴の底のスパイク:落とし穴の底のスパイク(棘)はダガー相当の扱いで、それぞれ+10の攻撃ボーナスで攻撃する。穴の深さが10フィートに達するごとに攻撃ボーナスは+1される(最大で+5)。穴に落ちたキャラクターはみな、1d4本のスパイクに攻撃を受ける。このダメージは落下によるダメージに加えられる。後述する統計は、単に最も一般的なものについて述べたものにすぎない。中には、その下にはるかに危険なスパイクを据えた罠もある。落とし穴の底のスパイクは罠の平均ダメージを向上させる(『平均ダメージ』を参照)。
ガス:ガスの罠は何が危険かというと、そのガスに混じっている毒を吸入するのが危険なのである。ガスを用いた罠には“決して外れない”とタイムラグという特徴(いずれも後述)があるのが普通である。
決して外れない:ダンジョンの壁全体がキャラクターを押し潰そうと迫ってくる場合、素早い反応も助けにならない(そもそも外れる可能性などありえないので)。“決して外れない”の特徴を有する罠に攻撃ボーナスはない。セーヴィング・スローでこれを回避することもできない。しかしタイムラグ(後述)はある。ガスや液体を用いる罠のほとんどは“決して外れない”である。
接触攻撃:近接接触攻撃ないし遠隔接触攻撃に成功しさえすれば命中を与えるような罠には、必ずこの特徴がついている。
タイムラグ:タイムラグとは、その罠が働いてから実際に害を及ぼすまでにどれだけの時間がかかるかである。“決して外れない”罠には必ずタイムラグがある。
毒:毒まで使う罠は、同じしくみで毒を使わない罠より危険なので、CRも上がる。特定の毒を使うとCRがどれだけ上がるのかについては、表『機械式の罠のCR修正値』を参照。罠に使えるのは吸入型、接触型、致傷型の毒のみであり、摂取型の毒は使えない。一部の罠は単に毒自体のダメージのみを及ぼす。毒のダメージだけでなく遠隔攻撃や近接攻撃のダメージまで及ぼすものもある。
複数目標:この特徴を有する罠は、2体以上のキャラクターに影響を与えることがある。
錬金術アイテム:機械式の罠には錬金術アイテムなどの特殊な物質やアイテムが組みこまれている場合がある。足留め袋、錬金術師の火、雷石などなど。こうしたアイテムの中には、呪文の効果に似たものを生み出すことがある。罠に組み込まれたアイテムが呪文の効果に似たものを生み出す場合、罠のCRは上昇する(表:『機械式の罠のCR修正値』を参照)。
以下に挙げるのは、プレイヤー・キャラクターに挑むために罠を作成する際、まさにありそうな罠の例である。
矢の罠 CR1
種類 機械式;
〈知覚〉 DC20;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 接触式;
再準備 不可
効果 攻撃+15遠隔(1d8+1/×3)
落とし穴の罠 CR1
種類 機械式;
〈知覚〉 DC20;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 手動
効果 深さ20フィートの落とし穴(2d6、落下);反応セーヴ(DC20)で回避;複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)
毒を塗られたダーツの罠 CR1
種類 機械式;
〈知覚〉 DC20;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 接触式;
再準備 不可
効果 攻撃+10遠隔(1d3+グリーンブラッド・オイル)
振り降ろされる斧の罠 CR1
種類 機械式;
〈知覚〉 DC20;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 手動
効果 攻撃+10近接(1d8+1/×3);複数目標(10フィート直線状の範囲にいる全てを目標とする)
種類 魔法装置;
〈知覚〉 DC26;
〈装置無力化〉 DC26
効果
作動 距離式(
アラーム);
再準備 不可
効果 呪文効果(
バーニング・ハンズ、2d4[火炎]、反応セーヴ(DC11)に成功すればダメージ半減);複数目標(15フィート円錐形の範囲にいる全てを目標とする)
ジャヴェリンの罠 CR2
底にスパイクが植わった落とし穴の罠 CR2
種類 機械式;
〈知覚〉 DC20;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 手動
効果 深さ10フィートの落とし穴(1d6、落下);底にスパイク(攻撃+10近接、各目標に対して1d4本のスパイクが、それぞれ1d4+2ダメージ);反応セーヴ(DC20で回避);複数目標 (一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)
巧みに偽装した落とし穴の罠 CR3
種類 機械式;
〈知覚〉 DC25;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 手動
効果 深さ30フィートの落とし穴(3d6、落下);反応セーヴ(DC20)で回避;複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)
電撃の弧の罠 CR4
種類 機械式;
〈知覚〉 DC25;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 接触式;
再準備 不可
効果 電撃の弧(4d6[雷撃]、反応セーヴ(DC20)で半減ダメージ);複数目標(30フィート直線状の範囲にいる全てを目標とする)
壁に仕込んだ大鎌の罠 CR4
落ちてくるブロックの罠 CR5
種類 機械式;
〈知覚〉 DC20;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 手動
効果 攻撃+15近接(6d6);複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)
種類 魔法装置;
〈知覚〉 DC28;
〈装置無力化〉 DC28
効果
作動 距離式 (
アラーム);
再準備 不可
効果 呪文効果(
ファイアーボール、6d6[火炎]、反応セーヴ(DC14)で半減ダメージ);複数目標(半径20フィート爆発の範囲にいる全てを目標とする)
種類 魔法装置;
〈知覚〉 DC30;
〈装置無力化〉 DC30
効果
作動 距離式(
アラーム);
再準備 不可
効果 呪文効果(
フレイム・ストライク、8d6[火炎]、反応セーヴ(DC17)で半減ダメージ);複数目標(半径10フィートの円柱の範囲にいる全てを目標とする)
ワイヴァーン毒矢の罠 CR6
種類 機械式;
〈知覚〉 DC20;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 不可
効果 攻撃+15遠隔(1d6およびワイヴァーンの毒/×3)
冷気の牙の罠 CR7
種類 機械式;
〈知覚〉 DC25;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
持続 3ラウンド;
再準備 不可
効果 凍える水の噴射(3d6[氷雪]、反応セーヴ(DC20)で半減ダメージ);複数目標(一辺40フィートの正方形の部屋にいる全てを目標とする)
巧みに偽装した、底にスパイクが植わった落とし穴の罠 CR8
種類 機械式;
〈知覚〉 DC25;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 手動
効果 深さ50フィートの落とし穴(5d6、落下);底にスパイク(攻撃+15近接、各目標に対して1d4本のスパイクが、それぞれ1d6+5ダメージ);反応セーヴ(DC20で回避);複数目標 (一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)
“狂気の霧”を含んだ蒸気の罠 CR8
種類 機械式;
〈知覚〉 DC25;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 修理
効果 毒のガス(狂気の霧);決して外れない;タイムラグ(1ラウンド);複数目標10フィート×10フィートの部屋内の全目標に効果あり)
雨あられと飛んでくる矢の罠 CR9
種類 機械式;
〈知覚〉 DC25;
〈装置無力化〉 DC25
効果
作動 視覚式(
アーケイン・アイ);
再準備 修理
効果 攻撃+20遠隔(6d6);複数目標(20フィートの直線状の範囲にいる全てを目標とする)
種類 魔法装置;
〈知覚〉 DC26;
〈装置無力化〉 DC26
効果
作動 距離式(
アラーム);
持続 1d6ラウンド;
再準備 不可
効果 呪文効果(
ショッキング・グラスプ、攻撃+9近接接触、4d6[雷撃]);複数目標(一辺40フィートの正方形の部屋にいる全てを目標とする)
刃の部屋の罠 CR10
種類 機械式;
〈知覚〉 DC25;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
持続 1d4ラウンド;
再準備 修理
効果 攻撃+20近接(3d8+3);複数目標(一辺20フィートの正方形の部屋にいる全てを目標とする)
種類 魔法装置;
〈知覚〉 DC30;
〈装置無力化〉 DC30
効果
作動 距離式(
アラーム);
再準備 不可
効果 呪文効果(
コーン・オヴ・コールド、15d6[氷雪]、反応セーヴ(DC17)で半減ダメージ);複数目標(60フィート円錐形の範囲にいる全てを目標とする)
底に毒のスパイクが植わった落とし穴の罠 CR12
種類 機械式;
〈知覚〉 DC25;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 手動
効果 深さ50フィートの落とし穴(5d6、落下);底にスパイク(攻撃+15近接、各目標に対して1d4本のスパイクが、それぞれ1d6+5ダメージおよびシャドウ・エッセンス);反応セーヴ(DC20で回避);複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)
種類 魔法装置;
〈知覚〉 DC31;
〈装置無力化〉 DC31
効果
作動 距離式(
アラーム);
再準備 不可
効果 呪文効果(
ファイアーボール、60[火炎]ダメージ、反応セーヴ(DC14)で半減ダメージ);複数目標(半径20フィート爆発の範囲にいる全てを目標とする)
ハームの罠 CR14
種類 魔法装置;
〈知覚〉 DC31;
〈装置無力化〉 DC31
効果
作動 接触式;
再準備 不可
効果 呪文効果(
ハーム、+6近接接触、130ダメージ、意志セーヴ(DC19)で半減ダメージ、1ヒット・ポイントまでしかヒット・ポイントを減少させない)
落石の罠 CR15
種類 機械式;
〈知覚〉 DC30;
〈装置無力化〉 DC20
効果
作動 場所式;
再準備 手動
効果 攻撃+15近接(16d6);複数目標(一辺10フィートの正方形の範囲にいる全てを目標とする)
致死毒を塗られた槍の罠 CR18
種類 魔法装置;
〈知覚〉 DC34;
〈装置無力化〉 DC34
効果
作動 視覚式(
トゥルー・シーイング);
再準備 不可
効果 呪文効果(
メテオ・スウォーム、別の目標を持つ4つの火球、+9遠隔接触、2d6および6d6[火炎]、反応セーヴ(DC23、-4のペナルティを受けて判定)に成功すれば半減ダメージ、他の火球から18d6[火炎]、反応セーヴ(DC23)に成功すれば半減ダメージ);複数目標(4体の目標、どのに体を取っても40フィート以上離れていないこと)
新しい罠の設計は簡単な手法をとる。まず、どの種類の罠を作成したいのかを決定するところから始めること。
表:機械式の罠のCR修正値
表:魔法の罠のCR修正値
特徴 |
CR修正値 |
最も呪文レベルの高い呪文効果 |
+呪文レベル |
ダメージを与える呪文効果 |
平均ダメージ10ポイントごとに+1 |
表:魔法装置の罠のコスト修正値
特徴 |
コスト修正値 |
作動条件に使うアラーム呪文 |
― |
再準備不可の罠 |
罠に用いられる個々の呪文 |
+50GP×術者レベル×呪文レベル |
物質要素 |
+全ての物質要素の費用 |
再準備が自動の罠 |
罠に用いられる個々の呪文 |
+500GP×術者レベル×呪文レベル |
物質要素 |
+物質要素の費用×100 |
罠のCR |
基本〈製作:罠〉DC |
1~5 |
20 |
6~10 |
25 |
11~15 |
30 |
16~ |
35 |
追加条件 |
〈製作:罠〉DC修正値 |
距離式で作動 |
+5 |
自動で再準備 |
+5 |
機械式の罠:単に特定の罠に備えさせたい要素を選択し、それらの要素による罠の脅威度の修正値を合計して、最終的なCRを算出すること(表:『機械式の罠のCR修正値』を参照)。CRによって、キャラクターが罠を製作する際の
〈製作:罠〉のDCが求められる。
魔法の罠:機械式の罠と同様、その罠に備えさせたい要素を選択し、その結果できる罠のCRを算出すればよい(表:『魔法の罠のCR修正値』を参照)。PCが魔法の罠を設計し製作するには、
《その他の魔法のアイテム作成》の特技を有しておらねばならない。加えて、その罠に必要な呪文を発動できなければならない。自分で発動できないなら、代わりに発動してくれるNPCを雇う必要がある。
罠の脅威度を求めるには、CR修正値(表:『機械式の罠のCR修正値』、表:『魔法の罠のCR修正値』を参照)をすべて合計し、それを罠の種類ごとの基本CRに足すこと。
機械式の罠:機械式の罠の基本CRは0である。最終的なCRが0以下になってしまったら、1以上になるようになんらかの特徴を付け加えること。
魔法の罠:呪文の罠や魔法装置の罠の基本CRは1である。その罠に使われた最も呪文レベルの高い呪文によってCRに修正が加わる(表:『魔法の罠のCR修正値』を参照)。
平均ダメージ:罠が(機械式の罠であろうと魔法の罠だろうと)ヒット・ポイントにダメージを与えるものなら、命中した場合の平均ダメージを算出し、その値を10で割ること(四捨五入)。罠が2体以上の目標を持つよう設計されているなら、この値を2倍すること。罠が複数ラウンドに渡りダメージを与えるよう設計されているなら、罠が起動しているラウンド数(持続時間が一定でないのなら、持続する平均ラウンド)とこの値とをかけ合わせること。この値は表:『機械式の罠のCR修正値』にある通り、罠の脅威度に対する修正値になる。毒のダメージはこの計算に入れないが、落とし穴の底に植わったスパイクによるダメージや複数回攻撃によるダメージは計算に加える。
魔法の罠の場合、CRに影響を与える修正は1つしかない。最もレベルの高い呪文の呪文レベルと、平均ダメージとの、どちらか高い方である。
複数の罠:罠が実際にはほぼ同一の範囲に影響を及ぼす2つ以上の罠を組み合わせたものであるなら、それぞれの罠のCRを個別に算出すること。
独立していない複数の罠:片方の罠がもう一方の罠の成功に頼っているなら(つまり最初の罠をかわせばもう一方は自動的にかわせるなら)、キャラクターは最初の罠と相対したことで両方の罠による経験値を獲得する。第二の罠が起動したかどうかには関係しない。
独立している複数の罠:2つ以上の罠が独立して働くなら(つまりどれもがほかの罠の成功に依存せずに起動するなら)、キャラクターは相対した罠の経験値のみを獲得する。
機械式の罠のコストは(1,000GP×罠の脅威度)である。罠の起動や再準備に呪文が使用されている場合、それらのコストを個々に加えること。罠が再準備不可の場合、コストを半分にすること。“自動で再準備”の罠なら、コストを半分だけ加えること(+50%する)。落とし穴の罠のような、特に単純な罠の場合、GMの判断に従いコストが削減されるかもしれない。そのようにして削減された罠でも、少なくとも(250GP×罠の脅威度)のコストはかかる。
脅威度によるコストを算出した後、罠に組み込んだ錬金術アイテムや毒の値段がもしあれば、それも加算すること。もし罠が錬金術アイテムか毒を用いており、かつ“自動で再準備”なら、毒や錬金術アイテムのコストを20倍すること(20回分準備するわけである)。
複数の罠:罠が実際には複数の罠を組み合わせたものであるなら、各々の罠の最終コストを求めた上で合計すること。これは“独立した複数の罠”の場合も、“独立していない複数の罠”の場合も同じである。
魔法装置の罠の製作には金貨の支払いが必要なだけでなく、呪文の使い手が働かなければならない。表:『魔法装置の罠のコスト修正値』は魔法装置の罠のコストをまとめたものである。罠に複数の呪文が用いられているなら(例えば、メインの呪文効果以外に音声式や視覚式の起動条件のように呪文が使われている場合など)、制作者はすべての呪文のコストを払う必要がある(ただし
アラームは例外で、NPCに発動してもらう場合以外はコストを支払わなくてよい)。
表:『魔法装置の罠のコスト修正値』に表示されているコストは、制作者が必要な呪文を自力で発動する(あるいは他のPCが無料で呪文を使ってくれる)場合のものである。NPCの呪文の使い手を雇って発動してもらわねばならない場合、そのコストもまた考慮する必要がある(『装備』項を参照)。
魔法装置の罠は、コスト500GPごとに製作に1日間かかる。
呪文の罠にコストがかかるのは、制作者がNPCの呪文の使い手を雇って呪文を発動させる場合だけである。
製作する罠の脅威度がわかったなら、表:『
〈製作:罠〉のDC』の値と修正値を参照して、その
〈製作:罠〉DCを求めること。
判定方法:製作を担当するキャラクターは1週間ごとに、その週で罠の製作がどれだけ進んだかを見るために
〈製作:罠〉判定を行う。
〈製作〉判定の詳しいやり方や判定に影響を及ぼす各種環境の詳細は
〈製作〉技能の説明文を参照のこと。
最終更新:1970年01月01日 09:00