ながされて藍蘭島エロパロ

 

寝取られて24話

 

 

 

 

  1

 

 

 一週間という短くも長く感じられた準備期間を経て、とうとう本番その日がやって来た。とは言え用意は前日までに全て済んでしまい、龍神祭も夜祭として夕刻から開かれるので、ドン、ドン、ドンドンという開催当日を報せる早朝の花火の音で目が覚めたものの、少なくともボクは起き抜けから落ち着かない気持ちは湧かず、一日の始まりは水汲み、掃除、洗濯……と、普段どおりのようであった。

 朝食も済み、さて日暮れまでどう時間を潰すそうかと終日快晴を思わせる青い海原を眺めながらお茶を啜ってくつろいでいると、

「行人ー」

と、台所で食器の洗い物をしているすずが背中を向けたまま話しかけてきた。

「なにー?」

「私、お祭りの着替えの集まりに呼ばれてるから、これが終わったら出かけるね」

「あ、そうなんだ……どこで?」

「えっとね……ちかげちゃん家だよ。衣装配るの面倒だからって、私たちの方から取りに行くことになったの」

 上体を捻ってこちらに横顔を向けたすずはそう言い、流し目でニコッと笑いかけてきた。最近、こんな何気ない仕草にドキッとしてしまい、ボクは目がやや泳ぎ気味になってしまう。すずの美少女ぶりに磨きが掛かっていると言うか、妙に色っぽいと言うか……それでなくとも彼女のスカートはちょっとかがめば下着が見えそうになるぐらい短いし、胸もボリュームが増しているような気がして……目線をどこに置いたらいいのか、この頃はとても迷ってしまうのだ。もっともそれはすずに限らず村の女の子たち全体に言えることで、思春期の女子は皆こうも眩しく見えてしまうのか、それともボクが意識過剰になっているのか──まず後者で間違いないと思うけれども。

「あはは、まあ確かに、一軒一軒配って回るより、皆んなを集めた方が効率がいいもんね……ってことは、祭り衣装は新調されるんだ?」

「毎年新しく仕立ててるんだよ、ちかげちゃん」

「さすがだな……じゃあ、ボクの分もあるのかな」

と、壁際にある箪笥の上に視線を投げる。そこには去年着用した祭り衣装が畳んで置いてあった。押入れの衣装箱に蔵(しま)ってあったのを昨晩取り出して陰干ししておいたのだ。

「あー、そこまでは聞いてなかったけど、ちかげちゃんは凝り性だから、きっと行人の分もあるよ」

 そう言うとすずは洗い物の手を止め、今度はくるっと振り返り、ボクをまっすぐに見つめて柔和な微笑みを浮かべた。

「行人も…………来る?」

「えっ……」

 吸い込まれそうなほどキラキラした瞳と美少女ぶりを遺憾なく見せつける端整な微笑を浮かべる表情に、ボクは胸の動悸が一気に高まってしまい、自分がぼうっとなって吸い込まれるように見つめ返していたのに気付いたのは数秒後ぐらいだろうか。

 ボクは燃え上がるように湧く羞恥に内心慌てふためきつつ無理やり引き剥がすように視線を外し、

「……いっ、いやっ、別にいいよ」

と、動揺しているのを悟られないよう願いながら口早に言った。顔が熱い、きっと赤くなっているんだと思う。気付かれやしないかな。

「……どうして?」

「だ、だって、女子の集まりで、しかも着替えじゃないか。男子のボクも行くのはおかしいでしょ!?」

「えー?」小首をかしげるすず。「でも、準備の慰労も兼ねて、食事やお茶菓子も用意するって言ってたよ。時間までゆっくりしようって。全然おかしくないと思うけど……」

「そ、それでも着替えするのは変わりないでしょ!」

 女子たちが新しい祭り衣装を試着しようとボクの眼前で服を脱ぎ始め、何も気にせずにその柔肌を露わにするのは目に見えていた。お決まりの展開である。それでなくとも最近村の娘(こ)たちは綺麗になっていると感じているのに、日々の労働や快眠快食で健康的に引き締まったその裸体の数々を見てしまっては、どれだけ鼻血を噴いてしまうのか──。食べ物なんかにつられないぞ! と、ボクは心の中でブンブンと首を振る。

「もう、行人ったら……。……じゃあ……行人は来ないんだね。ふふっ♥」

 可笑しそうに喉を鳴らしたすずはまたクルッと躰を回して元に戻り、ロングヘアと白いスカートをふりふり、とても機嫌良さそうに鼻唄を歌いながら洗い物を続けた。藍蘭島に公共の水道は設備されていない。井戸から汲んで来て水甕に貯めた水を用い、流し台で洗うのだ。汚れた水は台の隅にある口から木管を伝って外に排水される。上手く作られたもので、家の裏手に溝が海まで掘られていて、温泉の排水を合流させて流れ出るようになっているらしい。大きな声では言えないが、トイレもそこで済ますのだ。

「う、うん……それに、ボクはボクで別件で呼ばれてもいるんだ」

「別件?」

「ほら、今年はボクも警備に回されるでしょ。その打ち合わせでオババの屋敷に行くことになってるんだ」

「ふうん、そうなんだ。じゃあ、行人のお祭り衣装もあったら、届けよっか?」

「いや、わざわざいいよ。夕方前に取りに行くか、去年のを使うからさ。それより……あやねもそっちに来るの?」

「え、あやね? うん、来るよ、もちろん♥」と、また横顔だけ向けて朗らかに答えるすず。「店番手伝うって言ってくれて助かったよね」

「だねえ。あやねに会ったら、ボクからも感謝してたって伝えておいて」

「うん、いいよ♥」

 前回は客がわんさかと押し寄せる中、りんが助っ人をしてくれたお陰で何とか凌げたのだが、今年は他の店に先を越され取られてしまっていたのだ。ボクも警備の仕事があるし、すずととんかつだけで店が回るかなと若干の不安を覚えていたところ、すずから話を聞いたらしいあやねが、「それなら私が手伝ってあげるわ」と申し出てくれたのだ。例年通りなら彼女は祭り囃子の笛役の筈だったが、そちらは他の子が代わってくれるそうで、こうして周りが協力してくれることに感謝せずにはいられない。

「一緒に行くから途中で待ち合わせしてるんだ」

「へえ……最近、あやねとも随分と仲が良いよね?」

「うにゃ? そうかな?」

「ハハ、自分自身だとわからないものだね。傍から見てると、近頃あんまり張り合わなくなったなって感じがするよ」

 ボクは可笑しくなって軽い笑い声を立てた。対抗意識が強い上にすぐ調子に乗って空威張りするあやねは、以前はすずに限らず他の子と諍ったり競ったりする場面が多々あった気がする。すずもあやねに対しては意地になるので、二人はすぐケンカする印象があった。

 だが、この頃の二人をふと振り返ってみると、突き合う角が取れたかのように円く接していることが多いな──と、そんなことに気付いたのだ。もう一ヶ月以上前のことになるが、月見亭への小旅行に誘った時も、帰り道のすずとあやねがやけに楽しそうにお喋りを続けていたのを思い出す。

(一昨日だって二人一緒にボクのところに……あ)

 そこまで考えて思い至った。

 他の子たちがアイツを取り巻くようになった反面、まだ距離を保っている女子同士として、自然と絡むことが増えたのではないか、すずとあやねは。

 それに、月見亭への小旅行もそうだが、普段の付き合いとは別に、ボクの方から二人に声をかけてちょっとした外出を度々するようになっているので、三人で過ごす時間が増えたのも確かだ。もしかしたら、すずとあやねが連れ立つ機会を目にすることが多くなったのは、ボクの影響もあるのかも知れない。

 このように考えると、何だかまたひとつこの二人の身の潔白の証明を発見したような気がして、嬉しさがこみ上げて来て心が軽くなるようだった。

「それじゃあ、次に会えるのは日暮れ前の集合場所だね♥」

「そうなる……のかな?」

 去年は日がずれていたみちるさんや身重のみことなども今回加わったが、今年もボクたちが祭り初日の当番であった。初日の店番や祭囃子の担当は開会式に出席できないのは多少残念ではあるけれども、オババの式辞があるぐらいなので気にするほどのことでもない。

「楽しいお祭りにしようね♥ 私とあやねも……うんと楽しむから♥ ……フフ♥」

「う、うん…………」

 それほどに楽しみだったのか、程なくして家事を片付けたすずはスキップするような軽やかな足取りで家を後にした。時刻で言えば大体、午前8時にもなっていなかったのではないだろうか。この島には正確な時計が無いのであくまで体感だったが、何にせよ祭りの開始までまだ半日近くもあるのは間違いなかった。

(まあ、準備も大変だったからなあ)

と、遠ざかってゆくすずの後ろ姿を玄関から見送りながら思う。ボクも連日の肉体労働で全身の筋肉が強張り気味だ。すずの作ってくれる食事と自宅温泉、それに準備期間中は厭な夢も見ず熟睡できていたため、何とかバテずに乗り切れたが、それでも体内に少しずつ疲労が蓄積し、四肢がどことなく重い。祭りの本番を迎えた高揚感がそれを帳消しにしているのだ。

 そんなボクを尻目に、すずをはじめ村の女子たちは疲れなど知らないように溌剌としていた。ボクに勝るとも劣らないほどの労働をしていた子も多くいるのに、藍蘭島の自然に培われた彼女たちの体力の底知れなさや丈夫な身体には舌を巻くばかりだ。

(それに、ぱな子さんの作る料理やお菓子は絶品で、すずも目がないし)

 そう思うと一も二もなく御機嫌で出て行ったすずの気持ちも理解できる。あと、見た目では元気に映ったり、自分ではまだ大丈夫と思っても、実は疲れが溜まっている……という事も十分にある。この七日間働き詰めだったのだから、安全な女子たちの集まりの中で本番までゆっくりと休息するといいだろう。

 一昨日に見た、三人が──すず、あやね、ぱん太郎の三人が仲睦まじげに、それこそ躰を密着しながら談笑していただけでなく、着崩れた服の内側を──すずとあやねのパンティや生の乳房をアイツに覗かれていたのを、悪夢でなく現実で目撃してしまったこともあり、一抹の不安はあったが、女子の集まりということもあって、ぱん太郎も大勢が集まっている他所の家まで出張って衆目のある中おかしな真似はしないよな、いつも通りすずとあやねを信じなくちゃ、さっきだって二人がぱん太郎と関係していない状況証拠をまた一つ発見したじゃないか……などとぐらつく心を鼓舞した。

 このお祭りもせっかくの機会にして、二人との絆をもっと深められれるよう努めよう。そうすれば、アイツがすずとあやねに寄り付いても、二人はきっとボクの言葉を信じて跳ね除けてくれる筈だ。合意が無ければぱん太郎だって一線を越えることは許されないんだ……などと考えながら、ボクはボクでとんかつの世話をしつつ昼前に出掛けたのであった。

 

 

 

 

  2

 

 

 ──と、最近ではすっかり定着してしまった悪い方向へ流れてゆく思考回路を懸命に修正する少年だったが、現実は残酷なことに非情かつ無慈悲であった。

 実際のところ、躰をくっつけたり胸や下着を覗く程度の次元など軽く超えていて。

 すずはぱん太郎と肉体関係に──それも気の迷いで一度や二度肌を許したなどという浅い交わりではなく、少年がこの世で最も忌み嫌う存在となった男と何度も夢中で子作り中出しセックスする段階に、とっくになってしまっているのだから…………。

 そうはなって欲しくないと願い、そうではない希望的証拠を考え探り、なっていないと信じている少年の切なる望みも虚しく、すずはもう数え切れないほどぱん太郎と下半身を繋ぎ合わせ、すっかり性の悦びに目覚めて快楽の虜となり、オマンコの奥まで届く巨根を子宮に密着するまで突き入れられても気持ち好さそうに喘ぎ、そうやって互いに求め合ってぱん太郎に種付けされまくる女となっていたのだ。

 先程まですずと会話していた時も、彼女の胎内には……前日までに注がれたぱん太郎の濃厚な体液が子宮に繋がる奥壁まで充溢しており、綿を詰めて秘貝の口をキュッと閉じ、こぼれ落ちないようにしているぐらいであった。

 準備期間中だけでもすずがぱん太郎の逞しい巨根でそのオマンコを存分に掻き回され、子宮の入り口に亀頭を直当てされながらたっぷりと膣内射精された回数は軽く数十回にも上っていたし、そうされた少女が歓喜に包まれた上での浅くない絶頂に達した回数はそれ以上であった。すずの性器は雌の生殖器官として完全に目覚めており、その内部では大量のぱん太郎の精子を抱えて絶え間のない受精活動が行われていたのである。

 また、膝裏近くまで届く栗色のロングヘアと短いスカートが動いた拍子に翻り、時おりチラチラと見える白いパンティを行人が後ろから注視していれば、臀部の中央付近におかしな盛り上がりがあるのに気付いたかもしれない──無論、うぶな少年がそのような真似をできるはずもないが。すずはなんと、後ろの穴にアナルバイブを挿していたのだ。それもかなりの大きさの。

 すずの肛門の開発も順調に進んでいた。屋敷でセックスする時は、“愛の巣”で互いに生殖昂奮にまみれた濃厚な種付け交尾をひとしきり楽しみ、オマンコをぱん太郎の子種でいっぱいにした後、温泉に場所を変えてまずは先ほどまでの交歓の汗や汚れを落としてから肛門調教を始めるのが常であった。温水浣腸でよく洗浄してから、ぱん太郎は潤滑液である通和散をふんだんに用いてすずの綺麗な菊穴の内外を丹念に指でほぐし、その次にアナルバイブを使ってゆっくり出入りさせる。陰核も同時に弄りながら。この流れはすずだけでなくすべてに女に当てはまった。

 いつもとはまた違った反応をすずは露わし、指やアナルバイブの抽送に震える尻を高く掲げながら、「にゃおぉ♥ にゃおぉん♥」と、明らかに感じている声音で切なそうに鳴くのだ。数ヶ月前に流れ着いた外界産のバイブ類はとっくに電池が切れていたが、こうして張り型として十分に活用出来ていたし、中にはちかげが持っているスマートフォンのように携帯型太陽光発電機で充電して繰り返し使えるものも幾つかあった。

 後ろの穴はいきなりそこだけ責めても快感を得にくいどころか痛みや苦しさも強いため、まずは通常のセックスで十分に気持ち好くさせた状態で移った方が良いとぱん太郎が気付いたのは、肛門に手を出し始めてからしばらくしてからだ。これが上手くゆき、最初から後ろで始めるよりも調教に対する緊張具合や肛門のほぐれ方もまるで違い、女たちにも好評であった。慣れてくるにしたがってひと回り大きい張り型に替えてゆくのだ。他の女もそうだったが、今ではすずも並の大きさ以上の張り型が入るまでに肛門が拡がるようになっている。誰もがぱん太郎の極太肉棒を後ろでも迎え入れるのを目標としていて、積極的に肛門調教を受けているからでもあるが。

 通和散を溶かした温泉水を足すのを忘れず、また陰核にも刺激を与えながら、頃合いを見て奥までバイブを挿入してほじくり回すと、すずはうっとりと目を閉じビクビクとからだを悶えさせながら、「にゃおぉ♥ にゃおぉ♥!」と、オマンコを責められる時とは異なる喘ぎ声を上げ、拡げた両脚を突っ張らせて大きく弾ませながら尻を浮かせる。すると、秘裂からまるで間欠泉のように白濁汁がビュウ、ビュウと噴き出して来るのだ。すずが射精しているようにも見える程の勢いと量──前と後ろ両方の穴のその有り様、桃色に咲いたからだ、何より彼女の蕩けきった表情は、行人にはとても見せられない卑猥極まりない扇情的な姿であった。

 やっと引き抜かれたバイブは湯気が立って潤滑剤よりも腸液でまみれており、ポッカリと開いた穴がすぐには戻らないほどであった。最後は試しに肉棒の先端を当ててみるが、力を籠めて押し込もうとしても亀頭が半分埋まるぐらいで強い抵抗に遭い止まってしまう。さすがにすずも痛がった。亀頭の傘部分が一番広がりがあるため、そこさえ通過させれば後はするする入ってゆくのではないか……とは思うのだが、孔が拡張してきている手応えは確実に感じているため、焦りは禁物とぱん太郎はどのバイブよりも太い自身の大魔羅で無理に貫こうとはしなかった。どの女も同じである。皆の熱心さは買うが、ぱん太郎の巨根が嵌まるようになるまでにはまだまだ時間が掛かるだろう。

 だがその分、前の穴に突っ込みたい気分が無性に昂じるのだ。

 この島のもう一人の男である少年と暮らしているこの美しい少女のオマンコを存分に掻き回し、彼──東方院行人を完全に忘れさせるほどの快楽を何度でも与えたくなるのだ。

 肛門調教が終わると、ぱん太郎は頑張ったねと優しく声をかけ、「ご褒美に、出ちゃった分また注いであげるからね♥」と、大剛直の先端をすずのオマンコに移動させ、濃密な白濁を滴らせながら秘肉がヒクヒク蠢いている淫裂の中へ突き入れてゆく。今度は後ろとは裏腹に驚くほどなめらかに呑み込まれてゆくのだった。

「にゃあああッッ♥♥!!!!」

 すずの辺り憚らぬ絶叫に近い嬉声を合図に再び前の穴での交淫が始まると、二人はあっという間に燃え上がり、特に肛門調教後の青リボンの少女の乱れようは甚だしかった。これはすずに限った話ではないが、後ろの穴をさんざんに弄られると、アソコが切なく疼いて仕方なくなるのだと言う。

「にゃあぁ~♥! うにゃあぁん~♥! ぱん太郎様ぁッ♥! ぱん太郎様ぁッ♥!!」

と、すずは己のからだを貫いている男の名前を愛しげに連呼し、何度もキスを求める。オマンコを責められながら閉じ切っていない肛門を指で弄られる度に、穴を窄(すぼ)め尻を震わせて喜びを表す。

 どちらも本能にまみれた動物的になっての激しいセックス──。後ろの穴に入らないのが嘘のように、すずの肉壷はぱん太郎の巨根を根本まで美味しそうに呑み込み、青リボンが解けそうなほど栗色の長髪を振り乱し、その豊満な乳房がぐにゃぐにゃになるほど揉みしだかれたり舐め回されても悶え悦び、自分からもぱん太郎に押し付け、乳首が赤く腫れ上がるほどしごかれようが、吸われようが、紅潮した顔に嬉悦の涙を流して快楽に狂ったような嬌声を上げる。行人の知っている彼女とはまったくの別人、まったくの知らない姿であった。

 やがて二人は歓喜の同時絶頂、意識が弾け飛びそうなぐらいの快感に昇り詰め、行人など完全に忘れ去られた、深々と繋がっての至福の“種付け時間”に包まれる。すずは行人などお構いなしに子宮直付けされたドクドクと脈打つぱん太郎の孕まし棒を愛おしそうに幸せそうに締め付け続けながら、何らためらいなくぱん太郎の子種を飲み干してゆくのだ。

 だが、最早これは当たり前と化した光景であった。当たり前になるほど、すずはぱん太郎とこの中出し種付けセックスを半年近く、長くとも一週間も空けることなく繰り返して来たのだ。

 何も考えられなくなるほどの大きな絶頂がやっと引き、からだを動かすのが億劫になっても、ただただ気だるくも果てしなく満ち足りた生殖悦楽に浸りきり、性器を深く結合したまま胎奥での子種の受け渡しに没入するすずとぱん太郎──。

 

 

 それに──すずの言った通り、女子たちは祭り衣装の受け渡しのために集まるのは確かだったが、それは目的の一つでしかなかった。彼女たちの足が向かうのはちかげの洋館ではなく、村外れの小山に建つ大屋敷であった。

 祭りの準備が整った最終日の夜、ぱん太郎の手が付けられた女たちが呼ばれ、前祭と称した内宴が夜通し行われていたのだ。

 さすがに前夜から出かけるのに不安を覚えたすずは、翌朝から参加することにしたのである。

 少年を家に残してほどなく、道端で彼女を待つ者がいた。

 青袴の巫女装束──あやね。

 朝の挨拶を軽く交わした二人の少女は、互いの目の中を確認し合うと、どちらも艶を含んだ笑みを口端に浮かべ、一緒に歩き始めた。

 隣に並んだ白リボンの少女の胎内もまた、すず同様の有り様であり──青リボンの少女の膣と子宮が大量のぱん太郎の精子で占拠されているように、あやねの膣と子宮でも同じ男の精子が我が物顔で群れ泳いでいたのである。

 彼女たちだけは、と行人が想い、何とかぱん太郎の手から守ろうと色々と考えを巡らせている二人の少女は、もうとっくにその意味を失った状態であった。少年の知らない所でめくるめく性体験を与えられていて、それどころか──肉体の快楽を貪り合うまでの間柄になり、行人にとって大いに憎むべき男の存在は二人の心身の奥底まで浸透し、支配され……しかもそれを彼女たち自身が受け入れるようになってしまっているほどだったのだ。すずとあやねの全身に残存するぱん太郎とのセックスの余韻、そして……膣内、子宮に感じるぱん太郎の子種の温かみは、彼女たちにこの上ない喜びを抱かせるほどになってるのだ。

 ぱん太郎と子作りすることへの躊躇いや抵抗感、蟠り、不安や後悔、嫌悪などの負の感情が行人への思慕と共に溶け去ってしまったのは、いつだったか。ある日を境にはっきりと──というわけではなかった。ぱん太郎とのセックスの日々の積み重ねが──彼とのセックスの気持ち好さ、子作りセックスの気持ち好さ、彼の孕ますという意志が籠められた中出し種付け射精を膣奥に浴びる気持ち好さ、そして、それだけ愛されている求められているという歓喜と充足感が、何もかも駆逐してしまった。

 「どう? 行人様にバレた?」「ううん、全然。いつも通りだよ♥」「やっぱりねえ」などと談笑しながら、行人に想われている二人の少女は肩を並べて道を辿り屋敷を訪れると、既にそこには精力絶倫の男に責め上げられて内股を大量の白濁汁でまみれさせながら幸せそうにへばった女たちが広間の隅に並べられた蒲団に何人も寝そべっており、まだ順番が来ていない者たちは思い思いに御馳走やお喋りを楽しんだり、露天風呂や中庭の東屋でくつろいだり、あるいは別の部屋では性具を用いるなどして女同士で絡んでいる者たちもいた。よくよく見れば、彼女たちは肛門拡張に精を出しているのだ。

 彼女たちに共通しているのは、誰もが一糸も纏わずに桃肌の世界を作っているというところであった。彼女たちの衣服は下着に至るまで式台(※玄関の上がり口にある一段低くなった板敷きの部分。客を送り迎えする所)の隅にうず高く積まれており、この屋敷の中では全裸にならなければならないことを示していた。奥の“愛の巣”からは複数人の女の性愛に満ちた嬌声が聞こえて来る。

 すずとあやねも目を輝かせ、胸を高鳴らせ、何よりアソコを疼かせて──着ていた服を急いで布の山に放り、この淫宴の中へと足を踏み入れたのだった。

 午前中は他の娘たちとお喋りに興じたり温泉に入ったり美味しいお茶菓子を堪能したりしていたすずとあやねは、順番が来ると二人して呼ばれたので、待ちかねたように素早く立ち上がって裸のまま“愛の巣”に入っていくと、同じく全裸のぱん太郎がベッドの上で赤黒い極太勃起を淫液で濡らしたまま胡座を掻いて待っていた。瞬く間に情慾で濡れた瞳を男と交わして挨拶をすると、青リボンの少女と白リボンの少女はベッドに手をつき四つん這いで上がり、何のためらいもなくぱん太郎の足元まで這い蹲(つくば)って進んだ。何も言われなくとも雄大な異様を誇る巨根に両側から愛しげに口づけをすると、こびり付いていた体液の残滓を丹念な舌使いで綺麗に舐め清めてゆく。

「言いつけはちゃんと守ってる?」

「はい……♥」

「ええ……♥」

 二人は大剛茎から顔を離し、四つん這いのままその場で半周すると、ぱん太郎に尻を掲げて見せた。

 なんと、彼女たちの菊穴を押し広げて太いバイブが根本まで収まっていた。これを朝から挿れていたすずだったが、あやねもまったく同じようにしていたのである。以前、月見亭で見たことのある行人の陰茎が勃起した幅の優に二本分はある大型のバイブだったが、それでもぱん太郎のモノよりは小ぶりであった。

「よしよし♥」

 行人に想われている少女二人が、とうとう尻穴までこんな有り様にしている、自分の命令に忠実に従っている──その光景にぱん太郎は満足げに頷いた。その下にある無毛の秘裂の狭間には赤い具が覗き見え、愛液と精液が混じったものが中からこぼれてきたのだろう、白く濁った粘汁を滴らせて内股まで濡らしていた。前の穴もこの様相である。

 すずもあやねも既に昂奮を覚えているのだ。性交経験の積み重ねと共に淫乱化も着実に深まってきているようだった。

「これ、大きすぎて、ずっと挿れてるの大変なんだから……」

「ちょっと息苦しいよね……♥」

 などと言いながらも、二人の表情には淫媚さこそあれ非難のかけらも浮かんではいない。

「のふふ、この程度で音を上げてちゃ、ボクのはまだまだ入らないよ♥」

 ニヤついた顔でそう言ったぱん太郎は、出っ張っている部分を片手ずつ抓んだ。そうしてゆっくりとわずかに抜いたり差したりを繰り返すと、「んっ……♥ んっ……♥」と、すずとあやねは細い腰から扇情的な曲線を描く尻と太ももを艶かしく揺らしながらその感触を楽しんで囀る。

 股下から逆さまに覗いてくる視線は極太肉棒に釘付けで、彼女たちの両手はしきりに陰唇付近へ添えられて亀裂を指で拡げるために淫液の滴り具合も増し、二人ともぱん太郎の男根を欲しがってアソコを火照らせているのが容易に解る仕草であった。

 ぱん太郎も元よりそのつもりだ。この前夜祭には関係を持った女全てを招いていたが、こうして小分けにして順次部屋に呼んでいるのは、肛門をほぐしておくために付けさせた張り型をしっかり嵌めているかの確認だけでなく、祭りの本番が始まる前に全員ひととおり抱いておきたいと思ったからだ。全ての女が自分とセックスし、中出しされた状態で年に一度の祭事に入る──なかなかのご満悦な状況ではないか。

 彼女たちの話によれば、村に暮らす適齢期の女でぱん太郎に抱かれていないのは最早いないとのことだ。様々な理由で長期に渡って村外に出ており滅多に顔を見せない女も何人かいるようだが、いずれも子を産める年齢と身体で容姿も申し分ないらしく、実はその内の何名かは偶然に出会えた機会があったため既に籠絡していて、今日も此処へ来ていて抱き終わっている。残りも村に戻って来たら自分と対面するよう仕向けて欲しいと、今や彼の手足となって動いてくれる女たちにぱん太郎は伝えてあった。

 よって、今夜から始まる祭りの会場で見受けられる女は、その尽(ことごと)くが妊娠中か、でなければ受精中か、排卵の時まで種を蓄えているか──いずれだろうが等しくぱん太郎の女として開始直前に注がれたばかりの子種を大切に胎(はら)に納めながら参加するのだ。

 村よりさらに範囲が狭(せば)まる会場内で、この島でもう一人の男──東方院行人が見る女、会う女、すれ違う女。右を向いても左を向いても、ぱん太郎とその日セックスしたばかり子種を注がれたばかりの女だらけという状態となるわけだ。親しく付き合っている村娘達も全員だ。

 そう。全員が。

 “九人の美少女”たちが……。

 すずとあやねでさえも…………。

 年に一度の特別な夜、以前より強く意識するようになった青リボンの少女と白リボンの少女とも、少年はいつもと違う独特の雰囲気の中、楽しく親しく会話を交わすだろう。あやねにも行人の店を手伝うよう言ってある。前回はだいぶ盛況だったらしいから、今年もすずとあやねと肩を並べて夜店を切り盛りし、祭りの高揚感もあって忙(せわ)しくも楽しい時間を共有することだろう。行人はさぞや満足するのではないか。両手に花とはこのことだ。まだ受粉もしていないと信じている愛らしい花。

 

 ──だが、その二輪の花もとっくに…………。

 

(のふふ、とっくにボクの精子で受粉しまくってる花♥)

 もはや東方院行人に救いはない。祭りの間じゅう、狭い屋台で躰を触れ合わせる距離にいながら一緒に働くすずとあやね。彼が──不安こそ消えないだろうが──純白純情を信じて疑わないたった二人残された美しい少女。だが、この二人の少女までもが、実はぱん太郎と肉体関係を結んでいる情婦なのだ。しかも、その肉の繋がりは子作り前提であり、濃密な中出しセックスを繰り返しているのだ。すずもあやねも遠慮なくぱん太郎の精子を子宮に注がれ、彼女たちの方からも欲しがりながらいやらしく中出しを望んでいるのだ。

 これまで少年に見せて来た平素の顔つきで接していても、ぱん太郎の逞しい巨根によるセックスの気持ち好さをからだの芯まで覚え込まされてしまった青リボンの少女と白リボンの少女は、情夫の前では行人に見せたことのない淫蕩な顔つきになって嬉々として膣内射精されていた。そのオマンコにはぱん太郎から中出し種付けされた余韻を十分に残し、子宮では大量かつ新鮮なぱん太郎の精子が泳ぎ回る状態で行人と共に過ごすこととなるのだ。

 昨日までの準備の間もずっと、すずとあやねはぱん太郎の極太肉棒でオマンコをさんざんに掻き回されて乱れ喘ぎ、その乳房は無遠慮に揉みしだかれ、舌を絡め唾液を交換し唇を重ね合って、わざわざ全裸になってぶっかけれてからだの隅々まで臭く濃密な精液を塗り込められ、結局のところ一日も欠かさず子作り目的の子宮直付け子作り射精を受けていたのである。

 今、これからだって、これでもかと言うぐらいぱん太郎の精液がすずとあやねのオマンコに注ぎ込まれるのだ。

 昨夜から始まった宴の最中、ぱん太郎はこうしてずっと“愛の巣”で代わる代わる巣の中にやって来る女たちのオマンコを味わい、種付け射精し続けていた。それでも疲れは多少感じる程度で、交歓の合間に少し休めばすぐに睡気も回復し、男根も性慾も衰える気配が一切ない。自分自身でも驚くほどの底なしの絶倫ぶりである。

「すずちゃんも、あやねちゃんも、ボクのチンポをオマンコに挿れて欲しくて堪らないみたいだね♥ 昨日までにも随分としたっていうのに♥」

 この七日の間だけでも、すずとあやねはどれだけぱん太郎と気持ち好くセックスしただろうか──行人が知れば絶望以外ない回数であることは間違いない。仕事に打ち込んでいるために広場からほぼ移動しなかった少年の目を盗む苦労もなく、祭りの高揚感も綯(な)い交ぜになって心ゆくまで楽しだものだ。すずも、あやねも、ぱん太郎と腰を密着させての奥出し種付け逝きまくりの蕩ける生殖セックスを、何度も、何度も…………。

「だからだよぉ♥」と、腰を淫靡にくねらせながら訴えるすず。「お祭りの準備してる間、毎日してたから……ずっとオマンコが疼くようになっちゃったんだよぉ……♥」

「私もよ……来る日も来る日もぱん太郎様の逞しいオチンポでイヤになるぐらい掻き回されて……オマンコの奥で、うんと濃い精子で、あんなに熱くて全身がバラバラになりそうな勢いで種付けされたら……」あやねの双眸が妖しく細められ、愛しそうに剛直を眺める。「あんな愛され方を……毎日されたら……誰だって我慢できなくなるわ…………♥」

 後ろの穴に性具を突っ込んでいる真っ最中なのに、前の穴にチンポを挿れて欲しくて堪らないとは、まったく困った娘たちだ──と、さすがに内心苦笑するぱん太郎。女たちに訊くと、圧倒的にオマンコの方が気持ち好いらしいので仕方ないところではあるが。それに、こんな風になってしまうまで彼女たちに生殖快楽を与えたのは他でもない、ぱん太郎自身なのだ。

 こうなってくると、ぱん太郎は行人が憐れになって仕方がない──侮蔑と嘲笑ばかりを含んでいるが。この準備期間中は村の雰囲気も常時とは異なり、交歓中の女たちもどこかひと味違った楽しさを得ているようであり、快楽の求め方が普段以上に貪欲であった。すずも、あやねも、行人が広場で屋台の組み上げに勤しんでいる間、どれだけ自分から腰を振って浅ましい表情をしながらぱん太郎の巨根と膣内射精を求めただろうか。自分から進んで子宮に濃厚な精液を浴びせかけられることを願って悦び狂っただろうか。

 出される直前に、

「いいわ、いいわ、中で出してぇ♥ ぱん太郎様の精子ぃ♥ 行人? 行人なんか気にしないで子宮に注いでぇ♥」

「奥で出していいからぁ♥ 一番奥でぱん太郎様の子種ドピュドピュしてぇ♥ 行人様じゃなくて、ぱん太郎様の赤ちゃん妊娠するからぁ♥」

などと、二人とも理性の溶けた顔でもはや臆面もなく言うのだ。快楽の最高潮が引き出す勢いのままにとはいえ、すずも、あやねも、行人の名前をはっきりと口に出しながらぱん太郎の種付けをねだるのだ。いつもより熱情的にぱん太郎との愛を育み、セックスの悦びを心身に深く刻み付け、妊娠を意識させられながら、肉洞を歓迎に蠢かせながら、何十回と膣奥種付けされ、その後さらに、肛門も性の淫孔へと変貌させられる調教を受けていたのだ。

 彼が尻穴性交を目指しているのは肛門自体への執着というよりも、女たちをより一層征服したいという慾求があるからと言った方が正しい。世の中には後ろの穴にやたら拘る人種もいるらしいが、ぱん太郎は前の穴で中出し種付けすることばかり考えていると言ってもいい。だからなのか、全体的に肛門調教の歩みが悠長になっていて、そのためにまだ誰一人として貫通を達成していないのかも知れなかった。が、別段入らなくても焦りを覚えないのは、どうせオマンコの方を好きに使えるのだからという楽観があるからとも言える。それほど人間の女陰の具合の好さを知ってしまったからだとも。

 せっかくこうして──と、大股を拡げて前も後ろもあけっぴろげにして物欲しそうな表情をしている美少女二人のあられもない姿を、ぱん太郎はニヤけた顔で眺める──女泣かせの極太肉棒による子作り生殖の快楽に嵌ってしまい、愛しく想っていたはずのもう一人の男を放り出してぱん太郎を求めるようになった上品(じょうぼん)肉壷の女たちの美しいからだを、わざわざ傷ものにしたくはなかった。それでなくとも彼の巨根は膣であっても油断すればたちまち苦痛を与えてしまうほどの大きさなのだ。それに、村の女たちには、彼の子供を孕んで産み育てるという大切な役目がある。からだは大切に扱ってやらねばならない──東方院行人の最大最後の拠り所であるこの青リボンの少女と白リボンの少女も。

 だからこそ、肛交への慾求以上の情熱で、この二人の少女──すずとあやねの胎内に種付ける意思を籠めた中出しを何度でもしたくてしたくて堪らなくなるのだが。

 ぱん太郎は尻穴にバイブを咥え込みながら膣口から淫汁を垂れ流している双つの美尻を撫で回しながら訊いた。

「もうすぐ祭りも本番だってのに、こんな特別な日にも行人クンを放ったらかしにして……ボクにタップリ種付けされる準備はいいかな?」

「もう……またそれ? 同じことを何度でも言わせたいのね……困った御仁(おひと)♥」

「ふふ、ハッキリと言葉にした方がコーフンするでしょ?」

と、ぱん太郎は言ったが、こうして繰り返すことによって彼女たちの意識に深く摺り込んでいく意図もある。

 あやねとすずは微苦笑を交わしながら軽く頷き合って首を後ろに回し、視線をぱん太郎に戻す。

「わかったわ……ええ、もちろんよ……♥」

 さらに尻を高く上げたあやねは、秘裂の左右に当てていた指に力を籠め、ぱん太郎の眼前でパックリと割り開いて見せた。白リボンの少女の呼吸に合わせてドロドロの白濁汁が秘肉の隙間から溢れ出て来る。この量で直前ではなく、前日までに出されたものなのだ。

「このオマンコは、もう、ぱん太郎様のモノなんだから……♥ 好きなだけ使って、好きなだけ……種付けてくださいませ♥ いっぱい愛してくださいませ…………♥」あやねの眼が恍惚げに閉じんばかりにさらに細まり、赤い舌先が下唇をやわく舐める。他の女同様に快楽に堕ちきった、妖艶さの片鱗を窺わせる表情。「ぱん太郎様の逞しいオチンポを気持ち好くするために、いくらでもご使用ください……♥ そして……いくらでもぱん太郎様の濃厚な御種をお注ぎください……♥ オマンコの一番奥で、私の……あやねの子宮に、ぱん太郎様の精子をいっぱい注いでください……♥ 行人様じゃなくて……ぱん太郎様の御種で、私は孕みますから…………♥」

「私もやるよお……♥」

と、対抗心を掻き立てられたかのように、あやねより高く尻を上げて裂け目を指で拡げるすず。

「今朝も、ぱん太郎様の子種がオマンコの中にいっぱい残ってる状態で行人と過ごしたの。この一週間ずっとだし、その前からもだけど……♥ でも、今日はお尻にも動く棒を嵌めてたのに……やっぱり全然気付かないんだもん、拍子抜けしちゃうよ。行人じゃもうダメ、頼りないし、オチンチンも小さいし、ぱん太郎様ぐらい気持ち好くしてくれるとは思えないし……。私、ぱん太郎様とセックスしたいの……ぱん太郎様のオチンポが欲しくて堪らないのぉ…………♥」

と、行人とひとつ屋根の下で暮らしている少女は淫蕩としているが明瞭な声音で猥雑な言葉を続ける。

「ぱん太郎様と子作りしたい……♥ ぱん太郎様に孕まされたい……♥ ぱん太郎様の赤ちゃん産みたいの……♥ お尻の方も頑張るから、どうかこれからも……私のオマンコをいっぱい使って、いっぱい種付けてください…………♥ これからも、行人にナイショでぱん太郎様と子作りしますから……♥ ぱん太郎様の精液をオマンコに溜めて、受精を願いながら、行人の傍にいますから…………♥」

 ぱん太郎の影響を多分に受けているとは言え、もはや行人に気後れを抱くことなくここまでの台詞を紡ぐすずとあやねに、ぱん太郎の肉棒は暴発寸前なまでに昂ぶり怒張する。

 

 今、東方院行人に一番近しい存在であり、あの小僧に一番気にされている、この二人の娘までも。

 躰だけでなく、心まで自分の物になりつつあるのだ。

 

「のふふ……行人クンはこの島の女の誰一人とも結ばれない。カワイソウだけど、すずちゃんとも、あやねちゃんともね。そうさ、まだ行人クンが信じてるキミたちすらボクの愛人になって、ボクといっぱいオマンコして、ボクの子供を産むんだ♥」

 ぱん太郎は二人の尻穴に深く嵌ったアナルバイブをまだそのままにしておくように命じると、もっと近寄るようにと手招きした。

 すずもあやねもこの上なく嬉しそうな表情で彼の太い腕の中に片方ずつ収まり、両側から腕と脚を絡めて密着しながら、情熱を抑えきれないねっとりとしたキスと愛撫から三人の絡み合いは始まった。

 他の女たちが、(行人君にまだ気付かれてないあの二人も、完全にぱん太郎様のモノになってしまったのね)と改めて認識するほどの二つのアクメ声が“愛の巣”のある部屋から聞こえて来るのに、それほどの時間は経たなかった。

 すずも、あやねも、アソコから綿を抜くと昨日までに中出しされた白濁が蜜汁と多分に混じり合いながらドロドロと泥土のように溢れ返って来るほどだったので、愛撫もそこそこに挿入され、直腸に嵌ったバイブと規格外の巨根の同時差しの感触に、早くもまともな言葉が出ず動物的な嬉声を上げるだけの悶絶寸前の惑乱ぶりを見せた。そうして瑞々しい肉壷の使い心地を隅々まで確認されるような抽送の後、膨らみきった精液溜まりにいつもより早めの種付け射精が解き放たれ、新鮮な熱い子種をたっぷりと注がれたのだ。だが、ここ連日抱かれまくっていた二人の少女は、それだけでも気がおかしくなりそうなほどの恍惚絶頂に達するのに十分であった。

 すずの子宮口もあやねの子宮口も、まだ未経産だというのに、まだ少女と呼ばれる年齢だというのに、その小さな入り口を精一杯開き物欲しそうにパクパクさせてぱん太郎の精子を吸い取り続けたのだ。処女を卒業したばかりの頃は閉じていると言ってもいいぐらいの細く固い子宮口であったが、年齢にそぐわないほどの性的昂奮や絶頂、充血膨張などを繰り返してきたためか、今では箸先が入りそうなほどまでにほぐれ拡がるようになっており、並の精子よりも大きいぱん太郎の精子でも一度に何百何千という単位で渡れるほど広漠な回廊となっていた──同時にそこは精子の滞在地でもあり、億を下らない数のぱん太郎の子種が子宮頸内に滞留していたが。以前より明らかに子宮内へ入り込むぱん太郎の精子の数は多くなっている。膣内のみならず、すずの子宮もあやねの子宮も完全にぱん太郎の征服下であり、膣の形がぱん太郎の肉棒に適合してしまったように、ぱん太郎の精子で受精するための器官に生殖器全体が生まれ変わろうとしていた。

 

 

 

 

  3

 

 

 ──昼前までに全員が揃い、また一人残らずぱん太郎に抱かれ終わると、午後からは“愛の巣”と座敷の襖を取り払って作られた大広間に一同は会し、昨晩から百発以上も放っているのにも関わらずまったく虚脱せず雄々しく屹立したままの極太肉棒を見せつけるように両脚を大きく開き天蓋ベッドの端にどかりと座ったぱん太郎の前に、女たちは何列もなして畳に正座した。

 村の人口の半数以上が此処に集っている計算であった。動物や年寄を除けばほぼ全てと言っていい。娘世代、母親世代、その他も含めて何十人もの妙齢の女たちが全員素裸のままで、その柔肌を上気させ、乳房を張り詰めさせながらこの一つ所に整然と集合する様は、他に見ることが出来ない奇観壮観となっていた。

 中には久しぶりに村に姿を見せている女や村の住人ではない者も混じっていた。あやねとまちの祖母であり、あやねを大人にしたような容姿の先代妖怪改であるききょうや、こちらはみさきの祖母で薬師として優秀なきん、南のぬしの妻であるみゃあ、北のぬしである大牙と夫婦になってまだ数年と経っていないネコマタならぬトラマタのしま子の姿などもあった。

 

 

 ききょうときんは温泉好き同士で、温泉同好会の仲間として島中を巡っていた(原作第24巻紅夜叉完結編参照)。そのためぱん太郎と顔を合わせたことは一度もなかったのだが、彼がかぐやを堕とすのを目的に度々月見亭へ足を運んでいた時期、偶然に二人も訪れて来た日があったのだ。

 当初は互いに投宿を知らなかったため、月夜の露天風呂でばったりと裸の遭遇をしてしまった時、ぱん太郎も思わず吃驚した。だが、ききょうもきんも祖母世代とは信じられないほど若々しい外見であるため、少女と見紛うことはさすがにないにしても、まだこんなに若く美しい女が残っていたのかと、次の瞬間からは二人に見憶えのないぱん太郎は嬉しい驚きで下半身が熱くなってゆくのを感じたものだ──さすがにいきなりいきり立たせはしなかったが。

 若くして結婚出産する風習の残る藍蘭島では、祖母世代と言っても四、五十代が普通であった。尚且、ききょうは優れた術師として、きんは妖怪の血を引く長老(オババ)の一族としてそれぞれ老化がにぶっているのだ。

 ききょうはあやねが成長したらこのようになるのではないかという風貌で、白リボンにツインテールという髪型もあやねを彷彿とさせたが、その目許の玲瓏さはまだ少女の愛らしさが多分に残っている孫娘とは大分印象が異なっている。

 きんも歴としたみちるの祖母であった。孫娘と同じぐらいの長さの髪と髪型なので、三編みにさえすればやはり一見しただけでは見分けが難しくなるほどそっくりであり、そのおっとりとした顔立ちはともすれば二十代にさえ見えた。

 月光と浴場内の灯籠に照らされたききょうときんのからだは張り艶に満ち、見落とすほどの贅肉しかついておらず、それも大人のふくよかな色気を形作るものとして男心をそそられる肉付きの一部に過ぎなかった。腰は美事にくびれ、乳房も少しも型崩れしていない。ききょうの乳はあやねに似て控え目──だからと言って貧相でもない──で、みちると血の繋がっているきんの乳は実に豊満であり、どちらも少しも垂れていなかった。

 その外見の若々しさに見合わぬ年配者だからか、見知らぬ大男のぱん太郎が突然現れてもききょうもきんもそれほど動揺を見せなかったが、さすがに股間の逸物には瞠目したようで、長い間まじまじと眺めていた。

 二人とも思いも寄らぬ闖入者が来たからといって先に上がることもなかったため、ぱん太郎も湯に浸かり何気なく言葉を交わしながら自己紹介したが、この見知らぬ二人も人化した彼が村に常駐していることを把握しており、「東のぬしよ、村の行く末のためにひと肌脱いでくれたこと、我々からも感謝する」と、ききょうが謝意さえ伝えた。

 行人がどれだけぱん太郎を悪しく思っていても、これが村の者たちの今の共通認識なのである。

 ぱん太郎が一緒に食事しないかと誘うと、「そうだな……」と、ききょうときんは顔を見合わせたが特に拒みもせず、入浴後彼の客座敷に三人は集い、かぐやが腕をふるった豪勢な会席料理と酒で話も弾み、思いの外楽しい宴会となった。

 夜も更けてそろそろお開きかという場の空気になった頃、「もうひと風呂浴びてから寝るか」と、女二人が席を立ったので、時間を置いてからぱん太郎も露天風呂へ出向いてみると、

「おやおや……今度は女がいると知っていて堂々と入って来るとは……破廉恥な男だのう」

「やっぱり、正体はスケベさんなのね……」

と、真上まで登った月の下にその美しい肢体を晒しながら温泉の縁に並んで座って足湯していた二人は苦笑を浮かべたが、怒っている様子はなかった。酒気が回ってより血色が良くなった白肌は月夜の薄暗がりの中、先程よりも艶やかに浮かび上がり、腰つきの充実ぶりも見事なものであった。

 それどころか何処と無く期待していた気配すら嗅ぎ取ったぱん太郎は、ざばざばと湯を脚で掻き分けながら二人の目の前に仁王立ちし、「どう? ボクの話を聞いてるなら、もっと楽しい夜にしてみない? 村のコたちからは結構好評貰ってるんだよね。彼女たちも大満足しててさ。ほら」と、瞬時に勃起し怒髪のように青筋を立てて弓反り天を衝いた極太肉棒を誇示しながら尋ねると、ききょうときんはさすがに気後れを覚えたように躊躇いの表情を見交わしたが、それこそ期待の裏返しの仕草であった。その気がないなら入って来た時点で眦をつり上げて騒ぎ立てるだろうし、その日会ったばかりの男からこんなことをされれば激しい拒絶を見せるだろう。

 なのに、二人の顔に険が表れず、どころか目が細まり頬の朱がさらに深まったのをぱん太郎は見逃さなかった。その理由をぱん太郎は大体察している。端的に言えば、人間の女達は男と娯楽に飢えているのだ。

「まるで節くれ立った鬼の金棒じゃな……こんな凶悪なイチモツを何も知らぬ若い娘たちに突っ込んどるのか? 傷物にさせてはいないじゃろうな……?」

「ニオイも強烈だわ……薬草も鼻を突くのは多いけど、これほどのニオイは嗅いだことない……」

と言いつつ、二人の手は興味を抑え切れないようにぱん太郎の大魔羅へと伸びたのだった──。

 無知な少女たちの完全な受け身状態とは違い、ききょうときんは最初から何をすればいいか解っているように、余裕を漂わせた微笑みを浮かべながら極太肉棒をしごき始めたため、ぱん太郎がさらに一歩進んで剛根を鼻先まで近付けると、二人の美女は口唇も使い出しさえした。そこでぱん太郎は彼女らが男を十分知っている母親世代だなと推察したのだが、二人の容姿の若々しさはそう勘違いしても仕方ないほどであった。

 興が乗ってくると美女二人はぱん太郎の巨根や玉袋、尻穴などを弄ぶように責め、その手際が村娘たちとは大違いだったため、

「のお、気持ち好いのん♥ のおお♥」

と、ぱん太郎は素の口癖が出るほどの大喜びで、いつもとは異なり自分からは特に何もせず彼女たちからのフェラチオや愛撫を享受した。

「ふふ、案外可愛い声で鳴くのう♥」

「それにしても、なんてクサイの……♥」

「それよ。鼻がひん曲がりそうなとんでもない臭さじゃ……なのに、何故これほどまでに惹き付けられるのか……♥」

「クサイ上にデカすぎだし、熱すぎだし、固すぎだし……陰嚢も手毬ぐらいあるわ、なんなのこれ……」

と、きんはその重さを量るように睾丸を押し上げたが、片側だけでもずっしりと彼女の手のひらからはみ出てしまう程であり、玉袋の中で脈打つように蠢いているのが外からでもありありと判った。

「今日はまだ全然出してないから、出たい出たいってボクの子種が騒いでるみたい♥」

 全然、と言うのは言葉の綾で、月見亭に到着した昼頃から夕刻前までぱん太郎はかぐやを抱いており、十発ほど彼女のからだの内外に放っている。かぐやは完全にぱん太郎に参り、

「なります、なります♥ 私、ぱん太郎様の性のおもてなしをさせて頂く女になります♥ ぱん太郎様の言いなりになります♥ 生中出しOKのおもてなしぃ♥ オマンコが壊れちゃうぐらい、本当に孕んじゃうぐらい、何発でも、私のナカに注いでくださいませぇ♥」

と、ぱん太郎の膣内射精を悦んで受け止める性奉仕女となる宣言をしたのは、このほんの数時間前だ(※行人、すず、あやねの小旅行はこの一ヶ月後となる)。幸せそうに逝きまくるかぐやの胎奥に調子に乗って連続発射したのだ。それでも彼にとっては“全然”出したうちに入らず、夕餉の支度をしたいというかぐやを解放してしばらくもせずに陰嚢内で精子が盛んに生産される熱い感覚が蘇り、女の温かく柔らかい媚肉の中に出したくて出したくて堪らなくなっていた。

 ききょうのすらりとしたからだも、きんの豊胸尻重なからだも、どちらも成熟した女の色香と魅力に溢れ、眺めているだけでこの女たちのオマンコにチンポをぶち込みたい、自慢の怒涛射精を子宮にぶち当てて自分の子種で孕ませたいとウズウズして仕方なくなる。

 その二人のほうも、ぱん太郎の男根のあまりの雄臭さに雌の情慾を掻き立てられたのか、先ほどまでの余裕は何処へやら、半ば理性が溶けたとろんとした顔つきになって、その目色は変わっており、どちらも熱い吐息をつきながら、極太肉棒と巨大陰嚢を両手で抱き締めるようにして顔を押し付け、涎の糸筋を作って今や熱心に口唇奉仕していた。

 彼女たちと目が合うと、ぱん太郎はニヤリと笑った。

「今度はボクがキミたちを楽しませる番だね。ほら、二人ともケツを向けて」

 ききょうときんの双眸に明らかな期待が宿り、口元が綻ぶ。二人の美女はからだを翻して湯泉の縁に手をつき、ぱん太郎に桃尻を掲げて成熟した形の秘貝を晒した──

 娘たちと違って母親世代は無邪気にぱん太郎と接しないため、行為に及ぶまでがひと苦労なのが多かったのだが、ひと度からだを許してしまえば、肉体の快楽を知っている上にその慾望を長年溜め込んでいる彼女たちの堕ちる早さは娘たちの比ではなかった。男を迎える悦びを思い出した性器はみるみるうちに歓喜の潤いに溢れ返り、女であることを思い出したからだは色気を取り戻して嬉悦に痺れ蕩ける。そうしてついには発情の箍(たが)が外れてしまうと、津波に流され今はこの島にいない夫を忘れたかのように、ぱん太郎の肉棒と精液で深く充足し淫らに乱れ狂うのだ。

 この二人はそこまで知っていただろうか。先ほどの酒宴中に聞いた話では、温泉巡りの旅をしているため村を長く空けているようであった。村では娘たちだけでなく母親たちまでもが新たな子作りに励んでいると知っていれば、もう少し様子が違った筈である。いや、あるいは知っているからこそ、こんなにも早く股を開いたのか。

(ま、どっちでもいいけど♥)

 ききょうも、きんも、ぱん太郎の指と舌で秘部をたっぷり愛された後、先走り汁を垂らしまくる極太肉棒を突っ込まれて掻き回されると、二人とも行為前までの澄ました表情はどこかへ消し飛んでしまい、どちらも一時間もかからず雌の情慾を曝け出して喘ぎまくるようになり、「中はダメだぞ……」と、最初は言っていたのにも関わらず、子宮直付けの“射精の時間”であっけなく堕ちてしまった。

「だっ、だめぇ……♥ つ、月のものがまだあるから……孕んでしまうのにぃ……♥♥!!」

「いやぁ……この年でまた母親になっちゃうぅ…………♥♥!!」

などと言いながらも、少女たちほどの瑞々しい弾力はなく──むしろ今までの女で一番緩いとぱん太郎は感じた──男根を寛(ひろ)く柔らかく包み込む蜜肉をキュウキュウと精一杯締め付け、膣奥で際限なく放たれる妊娠させる気満々の巨濤のような射精を、ききょうもきんも夢中で感じ続けた。

 こうなると、もう、ぱん太郎の一人舞台であった。

 交互に一人三回も中出しするとききょうもきんも股を閉じられない程逝きまくった状態となり、逆流する白濁液を噴き出しながら痙攣が止まらずぐったりとしてしまったので、そんな二人を裸のまま両脇に抱えて部屋に戻り、ぱん太郎は朝方までその若々しくも熟肉の詰まった美体を好き放題に犯した。美熟女二人は何十年と生きてきた中で体験したことがないほどのアクメを迎え、気持ち好く種付け中出しされまくったようで、一方的に責められ続けた結果、日が昇る前には歓喜の絶叫を上げながらどちらも気を失ってしまった。

 ぱん太郎は滞在をもう何日か延ばし、その間ききょうときん、そしてかぐやを抱き続けた。ききょうときんの全身にぶっかけて肌という肌に塗り込めながら、「ボクのせーえきって肌がツルツル、キレイになるんだってさ。だから村のコたちは皆んなこうしてるよ」と言うと、彼女らの目つきが一変し、実際、肌の具合が明らかに変わった感覚があるようで、以降はききょうときんも射精の水浴びと塗り込みを積極的に求めるようになった。

 他に来客の予定もない貸切状態であったため、何者にも邪魔をされずに朝から晩まで性宴を繰り広げた結果──そのたった数日で美熟女二人は、全身から白濁を滴らせながら、

「「ぱん太郎様の子を孕むチンポ奴隷になりますッッ♥♥」」

と、中出し種付けされまくって瀑布のように精液を垂れ流すマンコをぱん太郎の眼前で指で拡げて示し、理性が蹂躙されるほどの性悦に満たされた雌まるだしのだらしない表情で声高らかに宣言するまでになったのだった。

 そのままぱん太郎の屋敷まで伴ったききょうときんは、新たに掘られた温泉を堪能しつつ、ぱん太郎との閨では年長者の威厳など消失したかのような惚け顔になって夢中で腰を振り、晴れて正式に子作りの一員となってぱん太郎の愛人肉奴隷の仲間入りを果たしているのだ。

 

 

 しま子はなかなか構ってくれない大牙に度々堪忍袋の緒を切らしては家を飛び出し、腹の虫が収まると戻って仲直りする──というのを繰り返しているのが有名な北のぬしの妻だったが、何度目かの家出で愚痴りに行ったぬし妻仲間のみゃあに、「私なんかよりずっと良い相談相手がいるんだけど」と誘われてぱん太郎の屋敷を訪れたのは、檜の良い香りがまだ濃密に漂っている新築されたばかりの時期であった。

 そこでぱん太郎と楽しそうに気持ち好さそうにセックスしている村の女たちの姿や、「私たちなら中に出されても、すぐに変化を解けば妊娠しないから、安心してすとれす発散できるの。ぱん太郎様とおまんこするのって……最高よ♥」と、みゃあもぱん太郎に抱かれて悦び蕩けて何ら躊躇いないどころか自分から乞い願い、膣内射精を受けながら快感に逝きまくるのを目の当たりにして、しま子は浅からぬ衝撃を受けたようだった。

 呆然自失となったところをぱん太郎に腕を取られて“愛の巣”に引き摺り込まれてしまったが、しま子は強く抗えず、なし崩し的に愛撫が始まった。それがまた気持ち好くて声を抑えられなくなり、ぱん太郎の指と舌で何度かアクメを覚えた後、頭の中が白くなって回らなくなり、ついにはぱん太郎に言われた通りに濡れぼそった股を開いて夫以外の男を迎え入れてしまったのだ。

 初めこそぱん太郎の肉棒の巨(おお)きさに悲鳴を上げてからだを強張らせていたが、それも一時間も経たずに落ち着いて再び甘やかに喘ぐようになり、奥まで届く長い抽送でも息苦しさこそ感じれど痛みよりたまらない気持ちが勝るようになり、しま子自身も気付かないうちにぱん太郎とのセックスにのめり込んでいた。

 大牙に抱いてもらえず高まっていた欲求不満は、この時に根こそぎ消し飛んでしまったらしい。

 なんと大牙はしま子を結婚初夜の一度しか抱いておらず、北のぬしの妻がまさかの処女同然だったことにぱん太郎は驚き、次いで喜んだものである。夫婦になったというのに営みが少ない──どころの話ではなかったのだ。大牙としま子の仲が上手くいっていない原因もこの辺にあるのは間違いなさそうだった。

 しま子のしなやかな躰は胸や尻も控えめであったが、村の少女たちと違って立派に成人した体躯であった。それに性的欲求を溜め込んでいたぐらいなので、マッサージとも見紛う丹念な前戯を優しげな声掛けと共に一、二時間も続けるとしま子の全身はクタクタに力が抜けて甘やかな喘ぎをするばかりになり、長い脚は閉じることを忘れ、心の奥底で望んでいたものを得て隠しきれない情慾がからだじゅうから発散される様子がぱん太郎には手に取るようにわかったものだ。大男の巨根で貫かれる苦痛もその日のうちに溶け去るように無くなり、脇で見ていたみゃあの「妊娠する心配はないんだから、心置きなく……ね♥」などという度重なる口説き文句もあって、数え切れないぐらいのアクメに達した後、本能の誘惑に辛抱しきれなくなったのか、ついには半ば上の空に中で出してもいいと口を滑らせてしまったのだ。

 そうなるともう、ぱん太郎は中出しする気満々の腰使いを始め、凄まじいばかりの濃濁射精を北のぬしの妻の膣奥で滾々と放ったのだ──すずやあやねを始めとした“九人の美少女”たちと同じく、みゃあの時と同じく、容赦ない一撃を。

「ああっ、しゅごい♥ しゅごい♥ 熱いぃ♥ だめぇ、こんなのッ♥ 大牙ちん以外の赤ちゃん妊娠しちゃう、妊娠しちゃうよぉぉ♥♥!!」

と叫びながらも、何度目かの膣内射精からはそんな言葉も出ないほどの深い絶頂をしま子は覚えるようになり、無意識に蜜肉をキュウキュウと強く締め付け、夫ではないぱん太郎の肉根と子種をいつまでも呑み込んでいたのだった──。

 屋敷に十日も逗留すると、しま子はみゃあと同じく、ぱん太郎の巨根に夢中になって甘い声を出しながら悶え悦ぶようになっていた。しま子は胸が薄いために対面座位で抱き締めると身体の密着具合が高く、上の口も下のクチも塞ぎながらギュッと抱き止め、みゃあと同じ二股の尻尾をしごきながら膣奥射精するのがぱん太郎のお気に入りであった。しま子もそれが癖になってしまったようで、ぱん太郎の太い身体に手足を絡め返しながら、夢中になってキスと中出しに応え、あまりに気持ち好くて何度も逝ってしまうのだろう、対面座位の射精中にぱん太郎がしま子の瞳を覗いても、あまりの快楽に焦点を失っており、どれだけ奥で注いでもビクビクビクビクとからだ、尻尾、そして肉壷を気持ち好さそうに痙攣させているばかり──。

 夫を一度しか迎えたことがない未使用同然の秘洞は、半月にも満たない日数で間男に貫かれた回数、膣内射精された回数が百を越えた。喧嘩では北のぬしに勝てたためしがなかったので、その妻を寝取れると思うとぱん太郎の昂奮具合も半端なかった──西のぬしの妻であるみゃあの時も同様だったが。ひとたび抱き始めれば何時間も続け、十回も二十回も奥出しするのがざらであった。変身解除という避妊方法をやられてもお構いなしだ。拳では敵わない男の女を腰が立たなくなるほどの快感に喘ぎ悶えさせ、本気のアクメを迎えさせながら中出し種付けすることの、なんと気持ちの好いことか──!

 東のぬしに探り当てられた子宮口に直付けされて妊娠確実なほどの種付け射精をされても、しま子は我慢できない嬉悦の声を上げるばかりとなり、無意識のうちにアソコの肉はぱん太郎の極太肉棒を強く締め付けまくって子種の注ぎ込みを熱烈に歓迎し、どんな体位も甘んじるようになり──後背位が特にお好みだったので同好のぱん太郎を喜ばせた──、自分から腰を振ってぱん太郎の逞しい男根から与えられる快感を求め……他の女同様、肉慾の幸福感が何よりも勝る淫乱な女に塗り替えられてしまった。

 彼女のからだへの外出しぶっかけも何度もした。初めは臭くて敵わないと哀訴したしま子だったが、友人に付き合って自分も滞在し続けていたみゃあが、「ぱん太郎様の精液って美容効果があるのよ♥ 髪もお肌もツヤツヤになるの♥」と耳打ちすると、それ以降しおらしく堪えるようになったため、ぱん太郎は遠慮なく頭頂にあるトラ耳の先から手足の爪先まで塗り拡げ、精液まみれにした手でアソコや後ろの穴にもたっぷり塗り込み、全身ぱん太郎の精液で覆い滴らせた北のぬしの妻をさらに犯した。みゃあも尻を並べさせて同様に精液まみれにし、存分に膣奥射精したのは言うまでもない。臭い、臭いと言いながらも両者とも明らかに昂奮の度合いが違っており、みゃあもしま子もより淫猥にからだをくねらせ、嬉悦にうねるマンコでより一層ぱん太郎の肉棒を締め付け、精子を受け取る雌肉の痙攣具合もひときわ激しかったものだ。

 腰まで届くしま子の橙色の髪には美しい桜の花びらの飾りが留められていた。去年の結婚記念に北のぬしから贈られた物であるらしい。しま子にとって北のぬしとの大切な絆の証のようであったが、ぶっかけ塗り込みの度にこの髪飾りも白濁で穢されたのであった。

 一気に仕上げるとばかりにさらに二週間ほど留まらせ、一日も欠かさずしま子との交歓に時間を割いたお陰で彼女もすっかりぱん太郎に屈服し──ついでにみゃあもぱん太郎との関係をより一層深め──、二人揃って当たり前のように中出し種付けセックスするようになった。が、半年も家出していたこともあるしま子は、その後大牙の下へ帰っても何ら疑われなかったという話だ。

 以降、彼女が家出をするのはぱん太郎に抱かれに行くのが目的となった。みゃあとしま子を二人いっぺんに抱くのがぱん太郎の好みであった。人間の母親たちとは違い、ぬしの妻である二人はいつでも会える夫がちゃんといる身なのだが、変化を解けば妊娠回避できるのをいいことに、違う縄張りのぬしの子種を膣奥でなみなみ注がれても、子宮にぱん太郎の精子が入り込んでいる真っ最中だと意識させられても、夫との夜の営みが乏しいからというのを建前に、みゃあもしま子も二人揃ってだらしない蕩け顔をしながら遠慮なく一時の生殖快楽の悦びにまみれるという始末であった。ぱん太郎が抽送を速めながら孕ませるつもりで一番奥で出すよとはっきり言っても、上の口では嫌々駄目駄目言ったとしても唾液まみれの舌を絡めるキスをしまくって甘い喘ぎ声を上げまくり、下の口もこの上なく歓迎するようにギュウギュウとぱん太郎の巨根を締め付け、向かい合っている時は密着し合って完全に受精体勢を整えるのだ。情夫の肉棒、そして精液をこれ以上ないぐらい欲しがり、ぱん太郎に開発されて感度を上げられた肉洞の奥の奥まで咥え込み、溜め込み、变化を解かなければ妊娠確実なほど注がれても決して離そうとしなかった。

 祭りの準備期間中も、実はしま子とみゃあは屋敷に連泊していて、そのようにしてほぼ毎日ぱん太郎に抱かれていたのだ。この前夜祭にも最初から交じっていて、早い段階で二人揃ってぱん太郎に愛され、夫には内緒の間男種付け子作りセックスを楽しんでいたのだ。

 みゃあはとっくにであったが、まだ新妻と言っていいしま子の心身にも抗い難い肉悦と愛慾が深く刻み込まれてしまったのは間違いない。

 北と南のぬしの妻も、こうして夫ではなく間男と中出ししまくりのセックスの愉悦を味わいまくり──一度の射精の度に濃厚な白濁液が溢れ返るほどからだの奥底に注がれて歓喜する、ぱん太郎の肉壷奴隷となり果てたのである。

 

 

 

 

  4

 

 

 広間じゅう見渡してもほぼ全てが行人の見知った女性であった。最前列には行人と一番関係の深い“九人の美少女”が配置され、中央にはすずとあやねが座っていた。

 全員が臆面も表さない晴れやかな顔つきをしており、主座にいる男に敬慕、そして情慾が多分に入り混じった潤んだ眼差しと微笑みを送っている。

 彼女らのそんな視線を受け止め、ぱん太郎は崩れる相好を抑えられなかった。素晴らしい眺め、素晴らしい気分であった。

 

 この何十人といる女たち全員が。この村ほぼ全てと言っていい女たちが。

 自分の情婦となったのだ。

 その子宮にぱん太郎の血を分けた赤子を宿している者が何人もおり、そうでない者は精液を充満させているのだ。

 すずとあやねですらも──。

 

 女たちは一人残らず全身の柔肌を晒していたが、唯一、頸部にだけ装飾品を付けていた──全員が、である。裸と共に目を引く光景であった。どれもよく似た模様をした布の首輪で、黒丸が斑(まだら)に入っているというものだった。ぱん太郎に頼まれて作ったちかげによれば、パンダの柄を念頭にしたらしいが、わざとぼかして意匠を崩していると言う。小さな鈴が付いているが、鳴ると五月蝿いので玉は入っていなかった。

 ぱん太郎はゆっくりと顔を動かし、パンダ模様の首輪だけを身に付けた裸の女たちを得意げな表情で見渡した。醜い容貌は一人としていない。美人や愛嬌のある顔立ちばかりだ。痩せているのが多いにも関わらず、不健康で貧相なからだつきの女もいない。皆、男心をくすぐる及第点以上の容姿なのだ。むしろ、ぱん太郎に抱かれ出してからというもの、明らかに誰のからだも張り艶が増し、異性を誘う肉の付き具合が増し、女の色気を増している──男を知らなかった娘たちですら。

 そんな女たちが揃いも揃って自分を表した首輪を嵌めている様は、この全員が彼の所有物であるという感覚を形容し難く刺激した。なんという極上無二の気分だろうか。

 また、これほどの人数が集合する慣れない新行事に畏まっている面持ちの者はいるが、異議や疑念、不安や後悔、あるいは反発心など抱いているような顰(しか)んだ表情をしている女も一人としていない。

 

 最前中央にいるすずとあやねでさえも──。

 

 目が合うと、青リボンの少女と白リボンの少女は微かに顔を綻(ほころ)ばせた。深い情を交わした愛しい男を見る目つきそのもの。行人がまだ信頼を寄せているこの二人の美しい少女も、すっかりぱん太郎の性虜になり果てた。行人以外の男──いや、少年がこの世で最も疎んでいる男の前で一糸も纏わずその美しい裸を晒し、乳首の先や股の中まで視姦されていても、それを気にする様子もない。むしろ見られて嬉しいという気持ちが目に表れている。

 すずとあやねも白地黒斑の首輪──ぱん太郎の所有物となったことを示す証をしっかり嵌めている。さきほど二人の胎内に立て続けに二回ずつ、タップリと新しい子種汁を注ぎ終わった後、ぱん太郎はベッドの端っこに置いておいた首輪を取り、アソコから白濁汁を溢れさせながら陶然としている彼女たちの鼻先につまみ上げ、

「これなんだと思う?」

と訊ねたが、二人は快感の引かない潤んだ目で、

「さっき、皆んなが付けてるのは見たけど……」

「何なのか教えてくれなかったのよね……」

と、小首をかしげてそう返すのみだった。頷いたぱん太郎は直ぐに言葉を続けた。

「この首輪はボクのモノになったっていう証さ。キミたちさえウンと言えば、今日からはこれを付けて生活するんだ」

「え……? 祭りの間だけではなくて?」

「ずっと? 行人といる時も……?」

「もちろんさ」

と、破顔するぱん太郎。底意地の悪そうな笑みが浮かんだ。

「これまでは行人クンの目に映るところには何の証拠もなかったわけじゃん? ボクのモノになった証拠なんかさ。……ココにはあるけど♥」

 ぱん太郎に下腹部を撫でられると、すずはその手に自分の手を重ね、嬉しそうだが戸惑いを含んだ笑みを返した。

「ぱん太郎様からの贈り物はとっても嬉しいけど……さすがに気付かれないかな?」

「……気付かれると思う?」

 ぱん太郎にそう反問されると、すずとあやねは顔を見合わせ、お互いの思考を探るように目を交わし、次いで苦笑を浮かべながら視線を戻して首を横に振った。

「そうよね……行人様なら……。例え、ぱん太郎様のお顔が描いてあったとしても、それだけで関係があるだなんて……結び付けないんじゃないかしら……」

「なんとなく……私もそう思う」

「行人様って推理の勘はけっこう鋭いくせに、コッチ方面はものすごく鈍感だしね」

「でしょ? わざわざこっちから言い出すとかしなければへーきへーき♥ もしも行人クンの方から訊かれれば、祭り用って誤魔化せばいいさ。祭りが終わった後だって、気に入ったとか流行ってるからとか言ってさ」

「ぱん太郎様がそう言うなら……そうするね♥」

「そうね……♥」

と揃って頷くすずとあやね。二人ともここまで自分と呼吸(いき)の合う関係になっているというのに、それすら察せられないのだから、ことさら心配する必要はないだろう──と、ぱん太郎はほくそ笑んだものだ。

「これを付けるようになるキミたちは、いよいよボクに絶対服従だからね。ボクの言うことを聞きながら、ボクとのセックスを楽しみながら、ボクを喜ばせて、ボクの子供を産んで……村を繁栄させる役目をしっかりと念頭に刻んで、これからも生きていくんだ。

 その代わり、ボクはずっとキミたちを愛してあげるからさ♥ ……まあ、要は今まで通りってことだけど♪」

 すずとあやねを両脇に抱き寄せ、交互に口づけしながら、

「二人とも、いいよね?」

と尋ねると、青リボンと白リボンの美少女はうっとりとした眼差しでぱん太郎を見つめ上げ返し、

「うん…………♥」

「ええ……わかったわ…………♥」

 しっかりと深く首肯したのだった。

「でも……行人様はどうなっちゃうのかしら……?」

「行人……まだ私たちがぱん太郎様と無関係だって……信じてるもんね……♥」

「それが……もうとっくに子作りしてて……こんな証を付けて、ますますぱん太郎様のモノにされてしまうのに…………♥」

 あやねはぱん太郎の厚い胸板に頭をくっつけ、自分のからだを抱き締める太い手首に収まっている首輪をそっと撫でながら言った。

「どうもこうもないよ。前から言ってるけど、行動しない行人クンが悪いのさ。何か考えがあるとしても、結局はジッコーしなきゃ意味ないよね。ボクたちは村の存続の危機に立ち向かって、こうして」と、さきほどすずにしたように、今度は二人揃って恥丘間際の下腹部を撫でるぱん太郎。「がんばって新しい命を作ろうとしてるんだ。誇りこそすれ、負い目を感じることは何もないよ。ボクたちは行動する、行人クンはしない……ただそれだけの違いさ」

「そう……よね…………」

「行人がもし、私たちのことを好きで、村のことも考えてくれるなら……ぱん太郎様みたいなコト……してくれるはずだもんね……♥」

「すずちゃんもわかってきたね♥ その通りだよ」

 ぱん太郎はすずの豊満な乳とあやねの小ぶりな乳を同時に撫で揉み、「うにゃぁん♥」「はぁん♥」と、先程の膣奥射精されながらの絶頂の余韻がまだ引かない二人に甘い吐息をつかせる。

「行動しないから、こうなっちゃうんだ。今まで絆を深めてきたすずちゃんとあやねちゃん……まだ大丈夫だって信じてるキミたちも──」

 ぱん太郎は手振りで誘導しながら二人を大股開きの正常位の姿勢を取らせた。カエルのように拡げられたすずとあやねの両脚の付け根からは秘陰が覆われてしまうほどの大量の白濁液が滾々と湧き出ており、そのすぐ下に咥えられたままのアナルバイブもその子種汁でまみれていた。

「こんな風に、ボクに種付けられる女にされちゃって♥」

「うん♥ 私のオマンコ、ぱん太郎様専用にされちゃった♥」

「後ろの穴もきっと捧げてみせるわ……♥」

 こうして、ぱん太郎は手ずから二人の首に付けたのだった。

 二人は嬉々として喉を晒しながら首を差し出し、その際、ぱん太郎に唇を重ねられてねっとりとキスをされても、恍惚として舌を舐め合い唾液を交換したものだ。

 その瑞々しく美しいからだはぱん太郎に触られれば喜びを発するばかりとなり、すずとあやねの締まりの良いアソコはぱん太郎の極太肉棒の具合だけを知っている。逞しい巨根をハメられて突き回されるのが気持ち好くて堪らなくなっているのだ。この二人ももう、出会ってすぐのまだろくに雰囲気も作られていない状態で誘われても、多少驚くだけで嫌な顔などせず、進んで足を開帳して、ぱん太郎を受け入れるまでになっている。

 

 

 祭りの準備期間に入る少し前にもこんなことがあった。

 その日の伽番であったちかげとしのぶを連れてぱん太郎は散歩に出かけた。途中、当たり前のように森の中で青姦して二人を存分に可愛がり、半脱ぎにしたちかげとしのぶの胎奥でそれぞれ三発ずつ放つと、快感の余韻でちかげの腰が抜けて歩けなくなる前に再び出発した。

 そんなところで、前方に同じく連れ立っている行人とあやねの後ろ姿を発見したのだ。

 ぱん太郎はニンマリと笑った。このための外出であった。前日に屋敷を訪れたあやねが、「行人様とでえとするから」と、時間と場所を報告していたからだ。よく言いに来てくれたねと上機嫌になったぱん太郎は、無論、ご褒美と称してその場で彼女を抱いている。まずは自分で服を脱ぐように命じ、羞恥を覚えてきたあやねが頬を赤くしながら巫女衣装を脱ぎ落とし全裸になると、期待していたのが丸わかりの濡れ方をした桃色の肉穴を奥まで覗き見えるぐらい指で拡げさせ、

「あ、明日……行人様とでえとする私のオマンコに……。ココに、この奥に…………。はぁぁ……♥」自分の台詞に昂奮を覚えるかのように目をとろんとさせてゆく白リボンの少女。「ぱん太郎様の御種を……注いでください…………♥ 私に赤ちゃんを種付けるのは……行人様じゃなくて……ぱん太郎様のお役目だから…………♥」

と、彼女の口から言わせて。愛液でぬめる襞々の丘陵の最奥で物欲しそうにパクパクしている針穴ほどのあやねの子宮口がよく確認できたものだ。

 そうして──前日にぱん太郎の子種を子宮直付けで注がれまくった少女と、少年はデートしていたのだ。彼が憎んでいる男に抱かれて悦び蕩けまくり、嬉々としてその孕まし汁を何発分も胎内に迎え入れたあやねと。種付け中に、「明日は子宮にボクの精子をたんまり貯めながら、イクト君とでえとするんだよ♥」とぱん太郎に言われると、「えぇ♥ えぇ♥ オマンコの中に♥ 子宮の中に♥ 貴方の精子をいっぱい貯めて♥ 行人様と出掛けるわ♥」などと生殖の昂奮にまみれて答えながら、からだの奥深くで大太鼓を打ち鳴らすように感じられる力勁(つよ)い射精の心地に酔い痴れていた少女と。その時に注がれまくった濃密な白濁液がまだ膣奥を占拠しており、現在進行系でぱん太郎の精子が雲霞となって子宮内に入り込んでいっている少女と────。

 行人と遊んだって構わないよとぱん太郎は言明しているので、その通りにしたのだろう。あやねは普段と違ってブラウスとスカートというよそ行きの洋装であった(※単行本十三巻表紙参照)。遠目でその姿を確認したぱん太郎は、

(やはり可愛くてエッチだな……)

という素直な感嘆が胸中に湧いたものだ。横風な態度を取りがちだが、外見だけなら文句の付けようがないほど愛らしい美少女なのである。

 果たして、行人もあやねを愛らしいと認識しているかどうか──少なくとも好ましく意識しているのは確かだ。

 だが、美醜の判断は出来ても、あのからだに秘められた味わいまでは微塵も想像が付かないのではないか。

 一見弄り甲斐の乏しそうな小ぶりな乳房は抱き合って密着するには丁度良く、昂奮するとピンピンに勃つ乳首を指でくすぐると甘やかな声を上げて感じまくる。日頃巫女衣装で守られた肌は白くなめらかで、肉体労働に従事していないためかどこを触っても指が吸い付くような柔らかさと瑞々しさを兼ね備えた感触を得られるものだ。

 そして、あやねのオマンコの具合の良さも…………。

「フフフフ……」

 愉悦に満ちた笑みを深くするぱん太郎。あやねのからだならば、もはや隅々まで知り尽くしている。その少女に楽しそうに笑いかけている横顔に憐憫と優越の情を禁じえなかった。

 年頃の娘特有の甘い体臭すら漂って来るかもしれないほど近くにいる少女のふっくらとした紅い唇、洋服の下に隠された控えめな胸、そして、スカートとパンティの奥に秘められたあやねの女性器──今、隣にいる行人にはまったく知る由もない禁断の領域の数々。

 それを、ぱん太郎はどれだけ味わい尽くして来ただろうか。

 昨夜の爛れたセックスの時間がありありと脳裏に思い浮かぶ。あやねは本気で乱れまくり、蕩けまくり、最奥まで突き挿れられたぱん太郎の生殖肉棒から子宮に零距離噴射される孕まし汁を、本気で悦び感じまくって正体を喪っていた。行人が好意を向ける対象である少女は、ぱん太郎に種付けられることを本気で望みながら、共に生殖快楽の泥海に沈んだのだ。

 その他の部分も、彼の指と舌が触れていない箇所などない。唾液と精液は口腔も食道も胃も腸も通過済みで、肌にも髪にも何度も塗り込んでいる。他の女たちの例に漏れず、あやねも潤いが増すからと喜んでぱん太郎の精液まみれになる。

 今、少年の隣にいるのは、そんな少女なのだ……。

 あやねがぱん太郎に初めて抱かれた日に着ていた衣装──もっとも、あの時のあやねは雨で濡れてしまった服を脱いで全裸になった直後にぱん太郎と対面しており、その翌日もすぐに脱がされ、ずっと深い眠りについていた行人の横で、処女喪失から極太肉棒に慣れてハメられる気持ち好さを覚え、感じまくり逝きまくった末に中出しを許してしまうようになるまで……何も纏うことなく抱かれ続けたため、ぱん太郎はこの服の事を覚えていなかったが。

 生地の薄い短いスカート越しに判る丸みを帯びた尻、そこからはすずのと長さが同じぐらいの白いオーバーニーソックスで包まれたふとももが伸びており、その下半身の発育ぶりにぱん太郎の情慾がいたく刺激されたのは想像に難くない。この島の娘たちは大半が細いからだつきをしているが、かと言って痩せ過ぎているということはなく、特に腰から下はこうして肉付き良く育っている。男に抱かれ孕んでも大丈夫な下地が整っているのだ。

(中身がすっかり変わってしまってるなんてのも、思いもしないんだろうねえ……キミの信じてるその子が、これからボクとナニをするかも……そして、これが初めてじゃないってことも…………フフフ♥)

 昂奮と愉悦でぱん太郎は表情を崩し、舌なめずりする。 

 ちかげとしのぶも遠くにいる少年少女を確認し、巨漢の股間がむくりと大山を形成したことに目敏く気付き、おやおや──と、微笑した口に手を当てて察したようであった。

 

 そこからの行動は早かった。森の中を通って先回りすると、偶然を装ったちかげとしのぶが行人に話しかけている間に、ぱん太郎は背後の草叢から小石を投げ、一歩引いた位置で様子を眺めていたあやねの足元に微かな音を立てた。それだけで良かった。腕を取りグイグイとからだを密着させて左右の耳に息が吹きかかるほどの近さで迫って来るちかげとしのぶにたじたじになっている少年は、小さな異音などまったく聞こえる余地がない動転ぶりを見せていた。ツインテールの少女だけが振り返り、草むらの間に潜んでいるぱん太郎の姿を見たその眼が見開かれ──すぐに理解したように頬を赤らめ、雌の表情が差したのをぱん太郎は見逃さなかった。

 あやねは微笑んでコクッと頷くと、「ちょっとお花を摘んでくるわね、三人ともゆっくり話してて♥」と言い残し、短いスカートを翻して足早に森の中へと入っていったのである。

 「え、あ、うん……」と生返事をした行人は、左右の少女が意味深な笑みを浮かべたのにも気付かず、あっという間に茂みの向こうに消えた白リボンの少女の背中を半ばぽかんとした表情で見送ったものだ。

 あやねが行人とデートしている最中にぱん太郎が横槍を入れに来るのはこれが初めてではない。待っている少年に音が届くかも知れないさほど離れていない樹陰で抱き合った二人は、「でえとはキミから誘ったの?」「違うわ、今回も行人様が誘ってくれたのよ。最近、私からは誘ってないから……」「じゃあ、行人クンには悪いことしたね……昨日もキミのオマンコをいっぱい楽しんで、ナカ出しもタップリしちゃったし♥」「うそ、悪いなんて全然思ってないくせに……♥」「今日のキミのこの服、可愛くて素敵だと思ったのは嘘じゃないよ♥」「本当? 嬉しいわ……♥」と、このような形での逢い引きなどもう慣れたように小声で楽しげに会話しながら何度も軽い口づけを交わす。発情した熱い吐息が混ざり合う。その時点でもう、あやねの目の色も変わり夢見心地となっていた。行人に見せるために着たはずの一張羅は、からだの輪郭をほとんど隠してしまっているいつもの巫女装束とは違い、ぱん太郎の太い腕で抱けば簡単に折れそうなほど細い腰や美しい曲線を描く尻、程よく肉付いた太ももなど、実に魅力的に強調していた。(あの小僧には勿体なさ過ぎるのん♥)と、思わずにはいられないぱん太郎。いや、果たして行人に見せるためだけに着たのだろうか。彼がスカートの中に手を入れて太ももや尻をいやらしく撫で回した後、次いでパンティに潜って淫裂に触れると、ソコは既に指が灼けそうなほど熱く濡れぼそっていた。

 

 もう一人の男の忠実な下僕となったちかげとしのぶが行人を手玉に取るようにからかいながら時間を稼いでいる間──

 ──その男とあやねは。

 

 少年との逢瀬を楽しんでた筈のツインテールの少女は、いつの間にか、大男と肉慾の淫熱に満ちたセックスを忙(せわ)しくとも存分に楽しんでいた。森の中でヤる時は定番の、樹幹を支えにした立ちバックでの結合。あやねのパンティを降ろしただけで、大きな音を立てないよう息を潜めながら二人とも静かに動く行為だったが、それがかえって深い昂奮を呼び、自然に漏れてくる快感の吐息が大きくならないよう、意識して抑える必要があるほどだった。

 挿れる時のあやねの期待に満ちた表情、待ちかねているように腰を突き出した姿勢と来たら……!

 ろくに愛撫もせず通和散製の潤滑液を用いただけでぱん太郎の巨根が突き入れられたというのに、あやねの秘洞の締まりやその熱さ、濡れ具合や痙攣の頻度は尋常ではなく、往来している最中、ぱん太郎は腰から下が溶けそうであった。それぐらいあやねのオマンコは彼の生殖棒を熱烈に歓迎する気持ち好い肉壺に出来上がっていた。

(行人クンごめんねえ、最後まで残ってたあやねちゃんも……この通り、ボクのデカチンがすんなり入る専用マンコになって……ボクに中出し種付けされて嬉しがる女になっちゃったからねえ…………♥!)

 手短に済ませようとしていたとはいえ、早漏になったかと思ってしまうぐらい短い間隔で、昨日よりもさらに濃度を増した白濁粘液をこの白リボンの少女の胎内で立て続けに三発も放ったものだ。

 快楽に負けた高い喘ぎ声を一つ上げただけで気付かれるだろう距離に行人がいるというのに、ビュルビュル、ビュルビュルと際限なくあやねの子宮の入り口に浴びせられる濃厚極まりないぱん太郎の精子。デートの邪魔をされてこんな性急な行為を求められ、生殖にまで意識が行っているというのに、厭がる素振りひとつ無いどころか、ぱん太郎の逞しい巨根をハメられて熱い精液を膣奥射精される悦びに染まっている白リボンの少女──。

「あやねちゃん……ボクの子を……孕め…………♥!!」

「あッ……♥! すごい……ッ♥! あァ……♥! アァァァ…………♥!!」

 辛うじて張り上げないだけで、二人の声は抑え切れない昂奮に砕けそうなほど奮えていた。

 孕ませたいという意思の奔流。孕みたいという意思を示して盛んに膨張収縮し受け止める肉容器。

 それを三回も繰り返したのだ。

 どちらも生命の幸せに満ちていた。木々の向こうにいる三人の話し声が微かに耳に届いてくるほどの静けさが戻り、あやねの秘肉の蠢きが落ち着いていっても、ぱん太郎の肉棒は彼女の熱い蜜壺の中でまだまだ勁(つよ)く脈動していた。絶頂がやや引いた状態でもなお続く射精欲、孕ませたいという慾求、途切れない放精の気持ち好さ──この時間が堪らないのだ。

 尋常な男であれば、よほど体調が優れている時でもなければこれほど濃い精液を何発も放出することなど出来ないだろうし、性交する度にこれだけの量を出していたら内臓が弱り切って枯死してもおかしくはない。毎日続けていれば、例え絶世の美女の裸体を目の前にしても、性慾は萎み衰え陰茎も疲れ果ててピクリとも勃たなくなるだろう。

 だが、今のぱん太郎は違った。体内のどこかに無尽蔵の精力が湧き出る泉でも備わったかのように、十発ニ十発どころか百発以上放とうが精液も性慾も減退しなくなり、いつまでも硬度を維持できる。それでいて躰のどこかに異常が起こったこともなく、むしろ絶好調が続いているのである。一度に何人もの女の本気の慾望を受け止めたとしてもいつまでも付き合っていられ、彼女たちが満足し尽くして気をやっても最後まで平然としている。まさに男の夢の体現者であった。

 こうして二人がデートしている最中に理由を作って行人の元からあやねを引き離し、隠れて忙しなく中出しセックスをキメるのは、もう何度目だろうか。彼女と肉体関係になったこの二、三ヶ月の間に五回以上はしており、その半分はここ一ヶ月ほどの出来事だ。

 近頃の行人はそれだけ彼女をデートに誘っているのだ。このことからも、ぱん太郎を意識した少年があやねとの絆を深めたいという願望を懐いているのは容易に窺い知れる。

 ──なお、その白リボンの少女の方は、ぱん太郎にそう命じられたからと言って、行人とデートすることを毎回必ず事前に知らせに行っては、その場でぱん太郎からご褒美種付けセックスを与えられ、デート中に少年に隠れて中出しセックスし、デート後の夜には報告と称してまたぱん太郎の下へ戻って生殖本能にまみれた子作りセックスをしているのだが。

 行人とあやねのデートは、実際にはぱん太郎とあやねの絆を深める行事となっているのだ…………。

 一旦は下降線を辿った孕ませたいという慾求の波がぱん太郎の中で再びうねりを強くし、噴射の止まらない剛棒を突き入れあやねの子宮口に直付けして浴びせかけるのを何度も繰り返すと、「ハァァァァァ……♥!!」と、白リボンの少女もよだれを垂らす唇から生殖欲に掻き乱された幸せそうな嬌声を低く漏らしながら、完全に受け入れた体勢でそれを感じまくる。溶けるような高熱が戻ってきた媚肉が蠕動を再開する。肉襞が太い陰茎を懸命に絞り、入り口は精液を逃すまいと窄んで肉根の根元を心地好く締め付け、ぱん太郎の孕まし棒とあやねの子宮口が何度も何度も口づけを交わす。

 まるで生き物のように膣肉全体が熱く蠢くあやねの女性器──。

 まったく衰えない雄の慾望を基底として、女の快感に配慮することも忘れずに若さと健康溢れる雌肉が生殖快楽の甘美に目覚め、共同作業としてのセックスを女にも味わせ続けた終着点──。

 行人とデートしている最中なのに、その少年そっちのけで、彼が嫌っている男の子種を、ぱん太郎という規格外の逞しいオスに種付けられている感覚を、あやねは至福の嬉悦に満たされたこころとからだで感じまくっていた。

「はあァァァ……♥!! 行人様……ごめんなさいぃ……♥ 私、私……♥! この人の赤ちゃん……欲しいのおッ…………♥!」

 あやねの口から自然とそんな台詞が漏れる──無上の歓喜を伴って。

 生殖本能の法悦をこの上ない幸福に満たされて実感できる濃密な時間。

 あやねももう、この“種付け時間”に完全に囚われていた。

 やっと射精が終わって互いに脱力しても、ぱん太郎とあやねはなおしばらく、行人達の話し声を聞きながら、幸せそうに下半身を密着させたままであった────。

 

 洋服姿のあやねへの種付けを終えて満足すると、股間の後始末をしながらも名残惜しそうな彼女にそろそろ行かないととぱん太郎は促し、その際、ちかげとしのぶもデートに加えるよう指示をして送り出した。「三人で協力して、日暮れまで彼を帰さないでね」と、付け加えて。すぐに意図を読めなかったあやねは不思議そうにぱん太郎の目の奥を覗いて来たが、数瞬見つめ合うと、ああ──と察したような昏い苦笑みを浮かべ、「……わかったわ。もう……♥」と頷き、最後に自分から顔を近付けてねっとりとしたキスを交わした。

「あの子にも……ぱん太郎様の子種をタップリと……注ぎ込んで下さいね…………♥」

 行人達の元へ戻ったあやねが、「せっかく会ったんだし、今日は四人で遊ばない?」と提案すると、人の良い少年はすんなりと了解したものだった。唐突に出くわしたものの、久しぶりにしのぶやちかげとゆっくり話し込めたのが嬉しかったらしく、用を足すだけにしては時間が掛かりすぎていたことなど疑いもしていない晴れやかな笑顔をあやねに向けた。ちかげとしのぶもあやねの目配せひとつで何をすればいいか理解していたような微笑みを返した。

 こうして、行人は──ぱん太郎との子作りセックスを済ませたばかりの三人の娘と日中を仲良く過ごしたのであった。

 少年と笑い合っていても、頭の中はぱん太郎とセックスすることしかなく、ぱん太郎の逞しい男根でオマンコを掻き回され凄まじい射精で中出し種付けされたいという慾求しかなく、実際に濃密かつ新鮮な孕まし液でアソコの中を満杯にし、子宮内はぱん太郎の精子が泳ぎまくっている少女たちに囲まれながら…………。

 その夜、屋敷の“愛の巣”では、この三人がぱん太郎に完全征服された肉慾奴隷と化し、彼女たちの眼中にはもうこれ以外のモノは映らないという逞しい極太肉棒に奉仕し尽くした。あやね、ちかげ、しのぶは少年には見せたこともない卑猥な表情やポーズを何度もぱん太郎に披露し、代わる代わる膣奥射精されては子作りを意識した甘美な気持ち好さに惑溺し、行人を貶める言葉とぱん太郎の子を孕む誓いを何度も口にし、言葉にしても行人のことなどすぐに忘れ、天上に昇るほどの歓喜を気を喪うまで味わいながらぱん太郎に膣奥種付けされまくったのは言うまでもない。

 また、この日はこれだけでは済んでいなかった。

 あやね達とのデートを終えた行人が夕方になって家に帰ると、「おかえりー♥」と、やけに機嫌の良いすずがニコニコと満面の笑顔で出迎えたのだが、少年不在の昼日中にこの青リボンの少女が何をしていたかと言えば──

 

 ──そう、すずは。

 

 この日は仕事らしい仕事もなかったため午前中には家に戻っていたすずだったが、昼時に突然ぱん太郎が姿を現したのだ。だが、あやね同様、驚きを浮かべたのは最初だけであった。青リボンの少女の顔にはすぐさま喜びが広がり、口元は淫蕩にほころび、暇が出来たから来たよとだけ告げた大男を嬉しそうに家の中へ招き入れたのだ。

 行人との暮らしの思い出が詰まった空間は、瞬く間にすずとぱん太郎の肉慾の巣となった。恋人同士のような甘いキスから始まり、すずは服を脱がされながらからだじゅうを満遍なく愛撫され、彼女からもぱん太郎の極太肉棒へ愛情たっぷりの奉仕を返し、そうして十分に前戯を楽しんでから恋人のように、夫婦のように一つに繋がった。挿入直前、すずの秘陰はヨダレを垂らしまくっていたものだ。そこからは少年には見せられないような痴態と嬌声の乱れ爛れた交歓になるまで時間はかからなかった。

 すずとぱん太郎の愛慾にまみれたセックス────。

 すずはそのからだをぱん太郎の好き放題にされ、家のあちこちで十発以上も子宮直付けで溢れ返るほど射精され、またぶっかけられて肌という肌に精液を塗り込められ、全身をぱん太郎の精液で濡らしながら生殖交尾の気持ち好さに対する嬉悦を遠慮なく発し、ぱん太郎への愛の言葉を紡ぎ、何度も深いアクメに達したのだ。

 ぱん太郎と種付けセックスして一、二時間ほどしか経っていないあやねが行人と笑い合っていた頃、すずも生殖快楽の悦びに包まれながらぱん太郎に種付けられていたのである。行人が三人の娘と散策しつつ楽しく会話を弾ませていた頃、彼が特別大切に想っている少女は、別の男と愛を語らいながら昂奮にまみれて受精懇願し、少年に嫌われぬいているその男の子種を何度も膣奥で受け止めて悦び鳴き叫びまくっていたのである。

 ぱん太郎の精子を子宮に注ぎ込まれている時、すずの脳裏に行人の姿など欠片もなかった。

 ただただぱん太郎の姿を愛しく想い描き、連続して来る絶頂で何度も真っ白になる頭の中で辛うじて紡がれるのはぱん太郎の子供を妊娠する想念であった。そうしながら、腹の奥底で響き渡る射精される感覚に酔い痴れて、純白の幸福感に満ち溢れていたのである。

 

 ──よって、行人を出迎えた時のすずのオマンコは、与えられたばかりの無上の快感の余韻で満ち満ち、注がれたばかりのぱん太郎の愛の証で満ち満ち、彼女自身が望んだ受精活動真っ盛りで…………。

 

 少年をホッとさせる柔和な笑顔を咲かせた可愛らしい少女──のスカートとパンティの奥には、まだ十分な熱気を保ったドロドロの白濁が詰まりに詰まっていた。日中のあやねとまったく同じであった。行人と楽しく語らっていたあやねの子宮にも、行人を暖かく出迎えたすずの子宮にも、注がれたばかりのぱん太郎の精子が入り込み続け、二人の卵子を目指していたのだ──彼の眼前で。

 だが、抜け目なく入浴を済ませていたすずのからだからは、石鹸の清潔な香りに包まれた年頃の少女の甘い匂いだけが漂い、その芳香を嗅ぎ取ってしまった少年が思わず顔を赤らめてしまうぐらいであった。

(すず、先にお風呂入ったんだ。なんか……すごく良い匂いだな…………)

などと、行人は気付きようもなかったが、彼がぼうっとすらなってしまったのは、すずの体臭には気持ち好いセックスで発散された女のフェロモンの残滓が多分に含まれていたからで──

 外で逢っていたあやねも、家で待っていたすずも、ぱん太郎との中出しセックスを終えたばかりで、ぱん太郎に種付けされた気持ち好さで頭をいっぱいにして、どちらも注ぎたてのぱん太郎の子種を胎内になみなみと湛えた状態であったのだ。

 むしろ、ぱん太郎が今誰よりも執着している分、現状ではこの二人がぱん太郎と最もセックスし、中出しされた回数と量が最も多く、ぱん太郎の濃厚な精子を最も胎内に溜めまくっているという残酷な事実。

 少年に救いはなかった。

 行人が信じている少女二人も、彼に笑顔を向けながら、そのオマンコは完全にもう一人の男を選んでいた。生殖を意識した種付けセックスを繰り返した結果、子供が欲しい相手すらも彼女たちの心は決まってしまい。 

 そんな絶望に挟み込まれているのを知らないのは、本人ただ一人だけ……………………。

 

  

 この前祭の最後の方に抱かれた女はアソコや内股を濃白色に染めっぱなしにしていたが、すずとあやねもそうだった。二人ともぱん太郎に尻軽くそのからだを差し出し、避妊などもはや考えないどころか妊娠を意識しながらの中出しセックスでぱん太郎の子種をたんまりと胎(はら)に注がれ、自ら進んで行人のではない子供を宿そうとしているのだ──。

 ぱん太郎の胸中はいよいよ得意絶頂の歓喜で渦巻き、股間の大剛茎はさらに漲って天を衝くように膨張し硬度を高めた。

 より雄らしさを増した大魔羅に、感嘆とも色慾とも取れる溜め息が漣(さざなみ)のように大広間じゅうに揺れ広がる。物欲しさを隠せない女たちのとろんとした目、目、目──。ごくりと喉を鳴らしたり、落ち着かない様子で身じろぎしたり、わずかに舌を出し唇を舐める女などもいた。どの女の顔も雄弁に語っていた。

 

《あのチンポが欲しい……!》

《あのチンポを私のオマンコに入れて掻き回して欲しい……!》

《あの濃厚な子種をオマンコの奥で注ぎ込んで欲しい……!》

 

 すずとあやねですら、その通りの顔に──行人が見てもとても信じることが出来ないだろう顔つきに──発情した淫らな雌そのものの表情になっていた。

 すずも、あやねも、首輪を付けた後も子宮に亀頭を押し当てられながらの種付け射精を三回され、この表情が満ち足りたものに変わりながら同時アクメに達しまくったというのに、それどころかこの直近の一週間セックス三昧だったというのに、子宮直付け射精されながら孕むという至福の感覚を何度も味わったというのに、それでもまだやり足りないとばかりにアソコを疼かせているのだ。完全に門戸が開かれた雌の慾望は、十代の若さもあって底なしにオスを求め出し始めているのだ。

(行人クン。すずちゃんも、あやねちゃんも、もうここまでになっちゃったよ♪)

 セックスを知っただけではない。男の味を知っただけではない。子作りセックスの快感を──中出しされる気持ち好さ、子種を膣内に注がれて孕まされるという女の快感をこの上ない気持ち好さとして心身に覚え込まされてしまったすずとあやね。さらには、それで終わることなく継続的にその経験を積み重ね続けているのだ。オマンコの奥に──子宮の壁にぱん太郎の激浪のような射精が当たる感触を、今や何百回も経験しているのだ。

 ぱん太郎から淫猥な言葉を使うよう言われていることもあり、すずもあやねも例外なく、ぱん太郎に中出しされている最中、その口から、

「あぁッ♥! これぇッ♥! これ好きッ♥! 気持ち好いのッ♥! ぱん太郎様、孕ませて♥! ぱん太郎様の赤ちゃん妊娠させてぇッッ♥♥!!!!」

などという台詞が半ば自然に漏れ、下半身はその言葉通りにぱん太郎の子種注入突き入れを受け止める動きをし、膣肉は男根全体から体液を絞り取ろうとするかのようにうねうねと絡み付き締め上げるのだ。特にカズノコ天井と巾着袋が合わさったようなすずの肉壷具合は絶品で、同居していながらこれほどの名器を味わおうとしない少年をつくづく憐れに思う。すずに対しては他の女よりも割増で精子が出ている気がぱん太郎はしている。

 行人は、そんな風にぱん太郎とこの上なく濃密にセックスし、他の娘より多量の子種汁をオマンコに注がれ、その奥にある子宮ではぱん太郎の精子による生殖活動が盛んに行われている少女と毎日寄り添うように暮らし、親しく接しているのだ……。

 すずとあやねももう何でも自分の言いなりになってくれるだろう──と、近頃では限りなく確信に近い思いをぱん太郎は得ている。先日の広場でも行人の前で堂々と二人は欺瞞を演じ、その後、そんな行人を遠目に青姦に興じたのだ。行人に対してあからさまな嘘や誤魔化しをしてまで、ぱん太郎とセックスしたがるように、膣内(なか)出しされたがるように……生殖交尾したがるようにまでなったのだ。

 女たちの中から一人がすっと立ち、中腰で恭しげに各列を横切って壁際に出ると前に進み、ぱん太郎と女たちの中間の一隅に座り直した。童女のような低い背丈とまちに瓜二つの幼い顔立ちであったが、暗色の髪が多い中で目立つ銀髪が畳に流れるほど長く、そのからだつきは他に劣らないほど女らしい曲線を描いており、肌の艶めきも申し分ない。いつもは離れ小島の神社にいるやしろであった。だが、これでもまちとあやねの曾祖母なのだ。ききょう同様に並外れた霊力で若々しさが保たれている彼女は、これまで滅多に島を離れることはなかったのだが、いつの間にかぱん太郎と関係を結ぶようになっていて、月に何度も屋敷へ姿を見せるようになっているのを他の女たちは知っている。

 咳(しわぶ)きも起きない静寂がしばらく置かれたのち、やしろの紅唇が開かれ、その可愛らしい小ささとは裏腹な厳かさに満ちた声が広間じゅうに通った。

「それでは、『儀式』を始めます──」

 すずも、あやねも、その場から立ち去ろうともせず、しゃんと背筋を伸ばして乳房を張り、微笑を浮かべてぱん太郎と目を合わせていた──

 

 

 

 

  5

 

 

 ボクが準備初日に仕事の指示を受けた時、警備をしてくれればいいとオババには告げられていたが、その打ち合わせをするから当日の昼に彼女の屋敷まで来てくれとも言われていたため、太陽が中天に届く頃、集落へ続く道をゆっくりと歩いていた。真上を仰げば烈日が眩しく輝いているし、強烈な日差しが降り注いでいる筈なのだが、この島では不思議と肌が焦げ付きそうなほどの直射を感じない。考えてみれば、一年を通して野外労働ばかりしているのにも関わらず、顔や手足が浅黒い女の子もいないし、去年も今年もボク自身、そんなに日焼けしていない。何か理由でもあるのだろうか。

 ただ、暑さは十分過ぎるほどだった。拭っても拭っても額や首すじから吹き出てくる汗の雫を手の甲で拭き取りながら、ボクは思考を元に戻した。

(からあげさんも来るよね)

 祭りの警備についての打ち合わせなのだから、当然、各森のぬし達が集うだろうし、西のぬしであるからあげさんも顔を出す筈だ。

 東の森のぬし代役になっているからあげさんだったが、まったく戻って来ないわけではなく、家族と会うためにも月に数度は家に顔を出していた。しかし、ここひと月は一度も姿を見せていない。からあげさんのことだから大事はないだろうが、東の森は西より問題発生が多いとこぼしていて、だいぶ忙しくしているようなのだ。

 久しぶりに会えるかもしれない──その期待を胸にオババの屋敷まで行ってみると、ハイビスカスが咲く生け垣に囲まれた中庭に、果たして、懐かしさすら憶える真紅の鶏冠と真っ白な羽毛の丸っこい体躯を拝むことが出来た。

「お久しぶりです、からあげさん!」

「おー、行人クンじゃないか。元気にしてたかい?」

「はい、今のところ何とか……」

「なんだ、オレ達には挨拶なしか」

と、縁側にどかっと腰を下ろしていた大柄のトラ──二本の尻尾を悠々と揺らしながらニヤリと笑うのは、トラマタの大牙さん。本人は軽口のつもりだろうが、ドスの効いた低い声にはいちいち凄味がある。

「スミマセン、大牙さん。ボクも祭りの警備をするようにオババから言われて、ここに来るようにと……場違いな気もしますが、どうかよろしくお願いします」

「ハハハ、そんな畏まらず気軽にいこーよ」

と、大牙さんとは真逆に高く軽妙な声音でそう言ったのは、南のぬしであるネコマタのしまとらさんであった。大牙さんの隣でお茶を啜っていた。剽軽な性格だが、能ある鷹ならぬ能ある猫は爪を隠す、からあげさんより小柄でとんかつ並みの体格であるのにも関わらず武術の実力は相当なものだ。みゃあさんというとても綺麗な人間の女性に化ける、同じくネコマタの奥さんを持っている。

 森のぬし達は既に集まっていた。ぱん太郎の姿が見当たらないのは諸手を挙げて歓迎したかった。どうせアイツのことだ、ボクより登場が遅れているわけではなく、仕事が面倒になってサボることにしたのではないだろうか。

 周囲に顔を巡らせたボクの様子を鋭く察したのか、

「もしかしてぱん太郎かい? アイツは今回、祭りの警備を辞退したみたいだよ。今の役目が忙しいってね」

と、からあげさんが言ってくれた。

「だからボクにお鉢が回って来たわけですか……でもそれって、ぬしとしての責任放棄じゃないですか? 代行に自分の縄張りを任せっ放しにしてることと言い……からあげさんからは、『ぱん太郎もぬしとして誇りがある』って以前聞いたことあるけど、ちょっと信じられませんね」

 ボクが皮肉たっぷりに言うと、三人とも苦笑いを浮かべて顔を見合わせ、からあげさんが言った。

「今は村にとっても大事な時期だから、今年だけ特別に許して欲しいって、あの長老(オババ)が頭を下げたからねえ……」

「またその理屈ですか、ハァ……」ボクは呆れたように大仰に息を吐く。「大事な時期とか言えば何でも許されるのは、どうなんでしょうかね」

「それもそうなんだけど、ボク達もぬしとしては公的に振る舞わなければならないのさ。村の代表者にそう言われたら、無碍にも出来なくてね」

「あの小僧一人いなくとも何とでもなる。祭りの最中はオレらが出る幕も滅多にないしな」

「そうにゃ。ボク達も見廻ってると言うより遊んでるようなものにゃ」

「それはお前だけだろ」と、即座に大牙さんに返されると、しまとらさんは、「ニャハハ♪」と愉快そうに笑い声を立て、またボクを見上げた。

「それにしても、行人クンは西のぬしに会えなくてずいぶんと寂しかったみたいにゃ」

「フン、女々しい奴だ」

「い、いや、仮にもぬしが不在状態ですから……一日でも早い復帰を願ってるのは本心ですよ」

「そーにゃねえ。まあ、でも……」

と、しまとらさんが言葉を濁らせると、三人のぬしはまた困ったように顔を見合わせた。そんな様子のぬし達を見て、ボクは内心浅からぬ溜め息をつく。失望と言ってしまっては彼らに失礼だが、正直そんな感情も混ざっているのは否めない。こうして各森のぬしが曖昧な態度になってしまうのは、ぱん太郎の行為を認めているのと同義だからだ。

 正確にはぱん太郎自身を認めているわけではなく、村の意思と決定を尊重している以上、その必要なピースであるアイツをどうこうする事が出来ない──ということなのだろうが。だけど、ボクからすればこの問題に対して行動を起こさない以上、彼らを頼みには出来ない、という点が重要であり、落胆を感じずにはいられないのだ。

 しかし、そんな他力本願な弱さを気取られたくない気持ちもあって、努めて顔には出さないように平静を装う。

「いやね、ボクだって早く帰りたいのは山々なんだけど、目的がまだ果たせていないんだ」

「目的? ぱん太郎の代理で東の森の治安維持……以外にあるんですか?」

「んー……そろそろキミにも話してもいいか……」

「なんだ、まだ話してなかったのか」

「ええ、まあ、アイツへの監視の目も必要ですし……」

「えっ……もしかして、ぱん太郎について……ですか?」

「それしかないでしょ。今のアイツは明らかにおかしいし。前はあそこまでのガチエロ魔人じゃなかったからさ」

「それは……ええ、まあ」

 今さら改まって言われるまでもないことだ。ボク自身嫌になるほど痛感している。もう随分前のことになるが、ぱん太郎がああなったのはちかげさんの家に居候している魔人のまーくんが魔法で願いを叶えたからという噂を耳にしたことがある。魔法なんて夢物語をボクは信じなかったから、その後まーくんとたまたま顔を合わせる機会があってもその話題を出しはしなかったが、そういう非現実的な手法云々は別にしても、頭を打ったとか何かして別人格にでもなったかのように変貌したという説なら有り得るかも知れない。人体の神秘と言うか、そんな方面で。科学に精通する人ほど世の中には科学で解き明かされていないことが山ほどあると痛感するのだと言う。

「隠れていた一面が出ただけかもしれないけどね……アレはアレで子煩悩だったり奥さん想いだったりするし」

「そうなんですか? とても信じられないな……」

「以前はってことね。今は奥さんも子供もほっぽり出してこっちに来てるわけだし」

「ククク、ほっぽり出してるのは、西のぬし、お前も同じじゃないか。お前が東の森に出張るようになってから、結構経っているだろう。奥さんや子供たちも随分と寂しい思いをしてるんじゃないか?」

「ウグッ……! ボ、ボクはこまめに帰ってるんで……!」

 そう苦しそうに弁明したからあげさんだったが、月に数回の頻度ならば間違ってはいないと思う。一方のぱん太郎と来たら、一度でも帰ったという話を聞かない。

「そう言う北のぬしも、まーたヨメさんが家を出たって聞いたにゃ。去年も同じ頃に同じコトが起こってにゃかったっけ? にゃんか既視感を覚えるにゃ」

「う、うっさいわ! 今年は半年も留守にしたことはないぞ!?」

「え……? それって、回数は増えてるってことにゃ?」

 ボクとからあげさんも顔を近づけ、ボソボソと小声で話す。

「半年って……確か、去年の時点では新婚だったような気が……」

「そうなんですか? ていうか大牙さんが結婚してたってボクは知りませんでしたよ」

「しま子さんって言ってね、北のぬしを慕って自分もトラマタになった健気な女性だよ」

「そんな新婚の奥さんが半年も家出するって……」

「結婚数年で何度もってのもね……」

 呆れたような目を見交わすボク達に、

「そこ! 聞こえてるぞ!?」

と、喰い殺さんとばかりの大牙さんの怒声が飛んでくる。

「まーまー」と、しまとらさんがなだめるような身振りと口調で言う。「ボクんとこのヨメも食べ歩きが趣味にゃから、あんまり他人(ヒト)のことは言えないにゃ。祭りには来るって言ってたけど、実はここ一週間ほど会ってないにゃ。まあいつものことにゃけど」

「む……それじゃあ南も此処で現地集合か?」

「まーね。大牙クンも祭りでしま子ちゃんとらんでぶーする予定にゃ?」

「フ、フン」と、荒い鼻息をついて腕組みし、恥ずかしそうにそっぽを向く大牙さん。「たまには付き合ってやらんと、すぐにヘソを曲げるからな。最近は前よりだいぶ落ち着いてきてくれてるんだが……」

「どこも家庭事情は大変なんですね…………」

「まーとにかく。話を戻しましょう」

 からあげさんはゴホンゴホンと咳払いをして、まとまりが無くなり始めた座の空気を静かにさせ、再びボクに向かって話し始めた。

「ぱん太郎の奥さんは偉くてね、村が危機を迎えてるなら、ダンナの躰の一つや二つ貸してやるって言ったんだよ。その間、子供の面倒は自分が見るって。頭が下がるよ、まったく」

「ええ……本当ですか」

 ボクは驚きを禁じ得なかった。ぱん太郎の奥さんの言動も意外だったからだ。

「本人に直接聞いたから本当さ。ま、それでも腹が立つのは抑えられないから、用が済むまで帰って来るな、顔を見せるな! って、かなり怒り心頭で。それがボクが東の森のぬし代行をしていたり、アイツがこっちでずっと寝起きするようになったもう一つの理由なんだけどね」

「そうだったんですか……」

 奥さんを激怒させてしまい半ば追い出された形ではあるのだが、別の角度から見れば、これでぱん太郎は家族にも気がねすることなくこの村にずっと居座って好き勝手出来るわけで、実際その通りにしているのだ。アイツに都合が良すぎる気もした。

「元々スケベなヤツだけど、ここまでするヤツだったかと言うと疑問が残るんだよね。人化の術を会得してるってのも謎だし。ボクと同じで妖怪化してなかったはずだから」

 人語で会話ができる時点で充分妖怪ではないかな……という懐疑はこの際口に出さないでおいた。出したらまた話が脱線するしややこしくなる。

「ってことは……からあげさんは、その辺の謎に関して調査しているわけですか?」

「ウン、実はそれが一番の目的なのさ。証拠や手掛かりが残ってるなら東の森のはずだからね。本来ならぱん太郎の代役なんて真っ平御免だけど、これで大手を振って東の森で活動出来るから」

「だったらもっと早く言ってくれれば良かったのに」と、ボクは憤懣を漏らした。本心だった。「ボクはもう、アイツには我慢ならないんです。アイツの行動は目に余ります! この村で女性相手に好き勝手やって風紀を乱し放題なんですから……。何か手伝えることがあれば喜んでしますよ」

「ゴメンゴメン、キミには本来のボクの仕事を任せちゃってるから、それだけでも大変だろうと思ってね」

「そうにゃよ、行人クン。西のぬしはキミの負担を増やしたくないと思って、敢えて言わなかったんだにゃ。それに、代行を頼まれた西のぬしはともかく、部外者のままのキミまで東の森をうろついたら話が面倒になるにゃ」

「そ、そうだったんですか……すみません……」

「フン、ぬしの仕事の肩代わりをしてるだけでも協力してることにはなるだろう。ちゃんと遂行できているかは別としてな」

「大牙クンは相変わらず辛口にゃ」

「フン。それだけぬしの役目は軽くないということだ」

「それにさ……キミまで家を空けてしまったら、誰がすずを守るんだい?」

「あっ…………」

 ボクは言葉を失った。まったくからあげさんの言う通りだった。

「というか、すずは大丈夫なんだろうね」

「ええ、今のところ何とか……」ボクは自信なさげに答えた。「すずは相変わらずですよ。無防備で無邪気で……。だからこそ心配は消えませんけど……」

「そうかい……あの子は性的なコトには一切無頓着だからね。そのくせカラダだけは立派に育ってて。キミも目のやり場に困ってるんじゃないかい?」

「ええ、家に帰れば常に一緒ですから、お風呂上がりとか特に──って、何を言わせるんですか!?」

「言ったのは行人クンじゃにゃい?」

「ハハハ、その様子じゃ本当に大丈夫そうだね。でも、油断だけはしないでおくれよ」

「わ、わかりました。それで……アイツが人に化けられるようになったり、異様に女にモテるようになったりした原因については、何か判明したんですか?」

「いや、それがねえ……偉そうに言っといてなんだけど、情けないことにサッパリなのさ……」と、弱々しげな溜め息をつくからあげさん。「東の森は土地勘が無い上、ちょっと見廻っただけで他の問題を見つけて対処して──ってのも多くて。あと、挑んで来るヤツらも予想以上にいて、調査に時間が取れなかったりする日も多いんだ」

「ぬしの座を狙ってる者達からしたら、ある日突然余所者が横から割り込んで来てぬし代理でございなど、到底納得出来ないだろうからな。反発する気持ちは分からんでもない」

「でも、さすがにもう半年近くになるにゃ?」

「そうなんですよ。これだけ時間をかけておいて何もわからないなんて、まったくお恥ずかしい限りで……。もう、いっそのこと、本人に直接聞いてしまおうかなとも思ってる次第で」

「東のぬしが素直に話してくれるかにゃ……?」

「ええ、その通りで。探ってるのがバレたら逆に警戒されてしまいますし……」

「ひねくれたあの小僧のことだ、絶対に真相は喋らんだろうな」

「ただ……ぱん太郎は自分の腕っぷしにはアイツなりに自信を持っていて、妖術の類なんかに興味なかったのは確かじゃないですか。それが突然、いつの間にか変化なんて高等な術を使えるようになってたわけだから……」

「まともに修行を積んで習得したわけではない、と……?」

と、からあげさんの発言の先を読んで言葉を返すボク。

「まーそうにゃるね。妖怪化する年齢でも全然にゃいわけだから妖力もまだにゃいハズだし、自然会得も除外できるにゃ」

「そうなると、残る可能性は……」

「呪いの類か、何者からか特別な力を授かった、とかなんだがな……」

「だけど、それらの線も疑問の余地があってね」

「疑問?」

「そうにゃ」

と、からあげさんと大牙さんの言葉の後を継いで、しまとらさんがボクに説明してくれた。

「悪い力は感じにゃいから邪術や呪術の類ではにゃいのはわかるけど……じゃあ、誰から力を授けられたのかと言うと……この島でもそんな芸当が出来る存在はそういないにゃ。妖力も備わってない者に術法を授けるなんて相当高位の力が必要にゃからね。少なくともボクたちが認知してる妖怪の面々の中にはいないにゃ」

「しまとらさん達で把握してる範囲でもいないんですか……」

「そうにゃ。しかも──」

「しかも?」

「察するに、あれの力の根源は妖力じゃないと思うにゃ。だからボクたちも東のぬしの力の探知をしようとしてもピーンと来ないんにゃよ」

「ピーンと……?」

「説明が足りんぞ、南の」としまとらさんをたしなめ、ボクに顔を向ける大牙さん。「我々妖怪は妖気を感じ取ることが出来る。強い妖力の発現があれば離れていてもおおよその位置が判るのだ。だから、妖怪の仕業であればいち早く駆け付けることもできる」

「はあ…………」

 何故だろう、分かり易く説明して貰っているのだけれど、さっきから聞いていても大半が耳から耳へと素通りしてしまっているような気がする。そんなボクの様子に気付かないのか、大牙さんは話を続ける。

「人に化けられるのは確かなわけだし、特殊な気配も感じるから、アイツ自身が何かしらの力を持ったのは間違いないだろう。だが、あれは妖力とは似て非なる別の力だな。霊力の類でもないと思うが……」

「本当は霊的な方面からも調べたいにゃ。だから、まちちゃんに協力を仰ぎたいところにゃんだけど……」

と、しまとらさんはチラッとボクを見上げたので、その言わんとしていることが解り、思わずボクは顔を反らしてしまった。

「ボ、ボクに言われても…………」

 まちには妖怪改方という肩書があって、西の地域で妖怪が関わる事件とあらば彼女の出番であった。

 だが、そのまち自身がぱん太郎に取り込まれてしまっているのだ。いつの頃からだろうか、アイツの住居が建てられた後なのは間違いないが、まちが白ワニに乗って屋敷の方角へ飛び去る姿を何回もこの目で見かけている。

 

 ボクはこれまでに都合三回、まちとぱん太郎が交わっているところに出くわし、その度に形容し難い感情に胸を締め付けられ歯がゆい思いをしているが、見るたびにまちの淫乱ぶりは深度を増していた。三回目などは帰宅の途中に通りがかりるしのぶの家でヤッていたのだ。

 極度の方向音痴であるしのぶは迷わないためにすずの家が見えるすぐ近くに新居を建てた──今ではその目的であった朝稽古にはさっぱり来なくなったが──ため、朝夕は必ずその前の道を歩くことになるのだが、その日の夕刻も見廻りを終えて心地良い疲労感を憶える足で通り過ぎようとすると、しのぶの家の中から明らかな女の嬌声が漏れ聞こえて来たのだ。

「アァ♥ アァ♥ ダメ♥ ダメェ♥」

 聞き間違いなどではなく、はっきりと連続で。ボクの胸の内に悪い予感が渦巻き、何が行われているのか見当を付けるにはそれだけで十分だった。

 初めはしのぶが相手とばかり思っていた。道に面したところからでは夕焼けで影が映ってしまうため裏手に回ると、そこの障子窓の端が少し開いていたので覗いて見た。途端、畳の一間に敷かれた蒲団で全裸のまちとぱん太郎がまぐわっている場面が目に飛び込んで来たのだ。

(な……! た、他人の家で何やってんだよ…………!?)

と、驚き呆れるばかりだった。家主であるしのぶの姿は見当たらず二人きりのようで、ぱん太郎は寝そべったまま動かず、騎乗位で跨ったまちが──あのプライドの高いまちが、自分から腰を振っていたのだ。

「アァ♥ アァ♥ ぱん太郎様、ぱん太郎様ァ♥ 気持ち好い♥ 気持ち好いの……♥!」

 昂奮にまみれた甲高い嬌声を上げながら、ぱん太郎の厚い胸板に手を付き、あの化け物じみた巨根を己が胎内に出し入れさせていたのだ…………。

 ただでさえ身長二メートル近くあり横幅も広いぱん太郎と比較すると、ほとんどの女性は子供同然だ。そんな女性たちの中でもまちはゆきのと並んで特に身の丈が低く、ボクもあやねの姉と知るまでは小学生の年齢かなと思っていたぐらいの童顔であった。

 そのように童女のような身丈のまちとぱん太郎では騎乗位という女性上位の体勢であってもレイプじみた構図であったが、それが強制的な行為でないのは、うっとりと目を瞑ってひたすらセックスの快感に没入しているまちの様子からでも明らかであった。

 まちは、「脱いだらすごいでしょ?」と、本人も言ったことがあるように、普段は巫女装束に隠れてしまっているが、小柄な体躯と稚(おさな)い顔つきにそぐわないぐらい豊かに実った乳房を持ち、尻や腰、太ももなども大人びた肉付きがあり、そのからだつきだけ見れば二十歳近い年齢が納得できるほどの女らしさを十分に持っているのだ。

「まちちゃんのからだの小ささじゃ、上下に動くとボクのデカチンが奥に当たって痛くない? 大丈夫?」

「そんなことないわ♥ ぱん太郎様の逞しいオチンポが奥まで届くの、とっても気持ち好いの♥ すごい満たされて♥ 何度でもイッちゃう♥」

「のふふ……まちちゃんはオトナのカラダしてるよねえ♥ じゃあ、ボクに孕まされるって思いながら子宮まで迎えると、最高でしょ♥?」

「ええ、最高よ♥」

と、即答するまち。本音の発露としか思えない声音だった。ボクは暗澹とした気持ちになり、耳を塞ぎたい衝動に駆られたが、何故か躰が動かず、縫い付けられたかのように室内の出来事を見続けていた。

「ぱん太郎様のとびっきり濃い精液、一番奥でたくさん出されると♥ もう、たまらないの♥ 絶対孕まされちゃう、絶対赤ちゃんデキちゃうって……♥! 何度でもイッちゃうわ……♥」

「のふふ、そうだよね。ボクのせーえき受け止めてる時のまちちゃんのオマンコ、ものすごく締め付けてきて、子宮口がチュッチュッてキスしてくるもん♥」

「あぁん……♥ こんなコト言ってたら、また……我慢できなくなっちゃった……♥」

 まちはぱん太郎の胸板にしなだれかかると、鉄柱のような裏筋とボディビルダーの筋肉を彷彿とさせる隆々の海綿体が盛り上がった巨根を咥え込んだまま腰をくねらせ、

「ぱん太郎様ぁ……♥ ねぇ、お願い……♥

 このまま……出して…………♥」

と、背骨がゾクゾクするほどの甘ったるい声で囁いた。

「ぱん太郎様のうんと濃くて熱い精液が……お腹の深いところに当たるの……感じたいの……♥ 今、奥に届いてるから……このままで…………♥」

 なんて腰遣いと声音なんだ──と、こちらが狼狽えてしまうほどの媚態だった。そんなにアイツの精液が……欲しいのか…………。

「いつもボクのために働いてくれてるまちちゃんのお願い、断るわけないじゃん♥」

 ぱん太郎はまちの尻を掴むと、自分からも腰を浮き上げさせて、まちの小柄なからだのどこにあの長く太いペニスが入るのかと思うぐらい根元近くまで深々と差し込んだ。

「ああぁぁっ♥! ぱん太郎様ぁ……♥!」

「いつもみたいに激しく動かないで、このままで……でしょ?」

「ええ……♥! もう、準備は整ってるわ……♥! ぱん太郎様の子種を迎える準備……♥!」

「よし、じゃあ、出すよ、まちちゃんの一番奥でっ……!」

「出してッ、出してぇッ……♥!」

「まちちゃんの子宮口を探して……ぐりぐりっと……♥ のおおッ♥!! 締まる♥!!」

 ぱん太郎が野太く吼えたかと思うと、まちを乗せた躰が痙攣し、腰回りに特に力が籠められビクンビクンと弾んだ。

 まちの希望通り──彼女の胎内で……あの巨根がまちの子宮まで届き、あの凄まじい射精が子供を宿す部屋の至近距離で噴流しているのだ。

「アアァァッッ♥♥!!」

 まちの幸せそうな昂奮にまみれた嬌声が家じゅうに響く。まちもぱん太郎の手を跳ね除けそうなほどに下半身を震わせ、背骨が折れるのではないかと思うほど上体を弓反らせながら、陶然としただらしのない表情で天井の隅を見上げ、焦点の喪った目を漂わせる。

「出てるっ……出てるぅ……♥! すごいっ……ぱん太郎様の精液…………♥! ドクドク……すごい脈打ってぇ……♥! 奥にっ……オクに当たってるうぅ…………♥♥!!」

 膣内に収まりきらない白濁液が結合部の隙間から噴き出すように溢れ返るのに数秒もかからなかった。まるでまち自身が精を吐き出しているようであった。

「のお……のおお……まちちゃん……種付けるのん……孕ますのん……ボクとまちちゃんの赤ちゃん作るのん…………♥!」

 ぱん太郎は何度も何度も腰を浮かせ、その下半身に力が籠もるたびに、まちの膣内で射精しているんだと判った。

 まちが、ぱん太郎に種付けられているのだ……。

 その光景を、何メートルも離れていない場所から眺めているボク……。

「アァ、アァ、たまらない♥! 重い一撃が……何度も……何度も……♥! 奥に……子宮に……当たってぇ……♥! イッちゃう……またイッちゃうぅ……♥♥!!」

 そのうち逝き叫び疲れたかのようにまちはアイツの胸板に顔を埋(うず)めたが、それでもぱん太郎の射精は続いていた。その間、まちは何度もアクメを迎えて嬌声を上げながら仰け反ったり、背を丸めたり、ぱん太郎の胴に回る限り腕を伸ばして抱き付いたりしていたが、ぱん太郎は決して彼女の腰を離さずがっちりと掴み、まちの膣奥で精を放ち続けた。彼女の望み通りに。白濁溶岩の源泉と化したまちの胎内から無限に湧き出てくるぱん太郎の放った濃白色の体液……。一度の射精で、常人の何倍の量を出すのだろうか。これだけの量に関わらず濃厚さもとびきりだ。

 ──やがて、やっと射精が終わったのか、ぱん太郎の身体からも力が抜けた。だが、あれだけ出したにも関わらずぱん太郎は平然としており、どこにも疲労した気配を帯びていない。対象的に息も絶え絶えになっているまちの汗だらけの背中をしばらく撫でさすっていたが、一分もしないうちに降ろし、今度は寝バックの体勢になってわずかも衰えていないガチガチの極太剛根を白濁まみれのヴァギナに再び挿入した。

「アァッ……♥!」

 ぱん太郎はまちの下半身に覆い被さり、腰をゆっくりと動かし始める。まちはぱん太郎という巨躯の肉檻に捕らえられたようになって、そのからだの半分以上と顔が隠れてしまったが、

「アァァ♥! アァァ♥! ダメェ♥! ダメェッ♥!」

という、始めから狂ったような肉悦の叫びを発し、感じまくっていることを十二分に教えてくれた。

 ぱん太郎のチンポ狂いになったまち──。

 これ以上見ていられずに障子窓から顔を離し、ボクはよろめくように後ずさって草むらの上にしばらく佇んだ。理性の砕け散ったまちの嬌声は続いている。

 女はこんなにも変わるものなのか。ぱん太郎とセックスしている時のまちに普段の面影は微塵ほどしか感じなかった。あれが女の本性なのか、まちの本性なのか。それとも、ぱん太郎がそこまで女を狂わせるセックスの達人なのか。

 わからない。何もわからない。ボクは力なく首を振るしかなかった。

 解っているのは、ぱん太郎という男を見い出したまちは、もはやボクに振り向きはしないだろうということだけだった。

 ようやく足を動かすと、西海に堕ちてゆく太陽が織りなす夕景の昏さを胸中に満たしながら道に戻り、既に視野に入っている今の我が家へ重い足取りでとぼとぼ歩いてゆく。

 家にはすずが待っていてくれていた。「おかえり!」といつものように明るい声で出迎えてくれる彼女の姿を見るだけで視界が晴れ、落陽と共に海の底に沈んだ気分が救い上げられるようだった。

 一度、気になってしのぶの家の方に面している台所の格子窓から覗いてみたのだが、明るい星空との境目に屋根の輪郭が墨をぶちまけたような真っ黒な闇の一部としてはっきりと視認できた。

(まだヤッているんだろうか……あそこで……)

などと考えてしまう頭をぶんぶんと振り、努めて意識しないように背中を向け、すずにありったけの笑顔を作った。

すずも嬉しそうに輝くような笑顔を返してくれた。それだけで一気に心が軽くなったようだった。

 

 

 × × × × × × × × × × × ×

 

 

 なお。

 その夜、行人は悪夢にも悩まされずぐっすりと眠れ、晴れやかな気分とはいかないまでも翌朝を迎えることができ、それだけが幸いだったな、などと思うことが出来たのだが──。

 そうして深い眠りに就いていた間、隣で寝ている少女の姿が消えていたことなど気付ける筈もなく。

 

 ──すずは行人が寝入ったのを確認すると、「ごめんね、行人……」と呟いて蒲団から抜け、こっそりとしのぶの家へ赴いたのだ。

 その頃になると逝き過ぎて体力の尽きたまちは絶頂失神したまま眠りに落ちてしまい、しのぶは迷子になっているのかいつまで経っても現れなかったため、その夜、すずはたった一人でぱん太郎に抱かれることとなった。

 まちに十発以上放ったぱん太郎の男根だったが、髪を下ろし寝間着の胸元を乳首が覗けるほど大きくはだけたすずをひと目見ると疲れなどまるで覚えていないように──実際そうだったが──猛然といきり立ち、目の前の美しい少女を犯したい孕ましたいという精気と熱気に漲って破裂せんばかりに膨張したものだ。

 その気持ちをぱん太郎がありのまま伝えると、すずは可笑しそうに目を細めたが、それは男をゾクッとさせるような、それでいて面映ゆい顔つきであった。天真爛漫な少女が無意識に見せた妖艶な面持ち──。

「そんなに……孕ませたいんだ。私のこと…………♥」

「そうだよ。ボクは──」

 そう口を動かしながらすずの寝間着の帯を解いたぱん太郎の手と言葉が止まった。はらりと襟が左右に分かれると、その下には何も纏っていなかったのだ。

「下は履いて来なかったんだね♥」

「うん……♥」

「すずちゃん。ボクは行人クンと違うからね。うんとキミを愛して……絶対に孕ませるから♥ ボクとすずちゃんの子供を♥」

 ぱん太郎は手慣れたようにすずの股の間に極太肉棒を差し込むと、少女の尻を揉みながら挿入はせずに秘裂を擦り上げ、ゆっくりと前後に動かした。すずの秘唇の肉が柔らかくも弾力豊かにぱん太郎の剛棒に吸い付く。ソコからは既に多量の愛液が滲み出していた。

「うにゃっ……うにゃぁ…………♥!」

「すずちゃん……行人クンなんか知らないよ。絶対に孕ませてあげる。キミはボクのモノだ」

「うにゃぁぁん…………♥」

 そうして素股が始まったが、すずは身を捩って逃げないどころか、自分からもぱん太郎の躰に両腕を回し、腰を突き出すようにして下腹部をくっつけ合わせ、股間からの心地良い感触を享受し、からだをかすかに震わせるのだった。

「すずちゃんのココ、もうすごいヌレヌレ♥」

「うにゃぁぁ……だってぇ……♥」

「下着も付けて来なかったし、期待してたでしょ?」

 耳元で囁くように言われ、コクリと頷くすず。

「うん……後で来るようにってまち姉ぇから言われた時から……ずっとどきどきしてたもん……♥」

「行人クンにまちちゃんとのせっくすをわざと見せつけた後、今度はすずちゃんを抱く……カレには悪いけど、たまらないのん♥」

「にゃあんっ……♥」

 すずのからだがビクリと弾む。股肉の壁に挟まれた秘唇天井の濡れ路地に通された熱い極太肉棒が一段と膨らみ硬度を増したからだ。

「さあ、今夜も一晩じゅうタップリと……ココにボクの愛の証を注いであげるからね♥ 行人クン、申し訳ないね……すずちゃんのオマンコと子宮……今からボクの愛で満たされちゃうから♥」

「うにゃあぁぁん…………♥」

 すずの陰部はさらに火照り、後から後から瑞々しい蜜液が溢れ、肉棒で擦り続けるとヌチャヌチャと粘り気のある音がするようになった。すずの言葉を裏付ける本気の淫汁が滲み出て来たのだ。

 まちとの交歓に使っていた蒲団は眠ってしまった彼女ごと部屋の隅に移動させていたが、ぱん太郎は押入れに蔵(しま)ってあった真新しい来客用を中央に敷いており、その上にすずを誘導して押し倒した。脱げ落ちそうになっていた寝間着を完全に剥ぎ取り、全裸同士になる。

 みっしりと実の詰まった乳を揉みながら唇を重ねる。舌が絡み、熱い吐息が混ざり合う。まるで恋人のような甘いキスであった。

 言葉はもう必要なかった。すずは甘い声で鳴き続け、ぱん太郎の心地好い愛撫に応えるように両脚を拡げる。

 その上にぱん太郎がのしかかり、手慣れたようにすずのアソコの入り口へ己が分身の先端を当て、腰を押し進めた。

 その時にすずの口から発せられた歓喜の淫声は、夜気を震わすように外へ貫き飛び、微かにだが彼女の家まで届くほどであった。

 ──が、正体を無くしたように前後も知らず熟睡する少年がそれに気づき、目を覚ますことはなかった。

 この時も行人という妨害は入ることなく、二人の甘く濃密な子作りセックスは明け方まで続き、すずは数え切れないほどのアクメを覚え、その美しいからだの中に外にと、まちの倍以上も射精されたのである。すずは完全にぱん太郎の情婦となり、ぱん太郎の好き放題に射精されて悦ぶ精液肉便所となっていた。

 行人が起きる前に温泉で清めればいいと全身にぱん太郎の精液を浴びまくって塗り込められ、孕ませる気満々で膣内射精される度に、「うにゃあぁ♥! ぱん太郎様ぁ♥!  ぱん太郎様ぁ♥! 好きぃ♥! 好きなのぉ♥! 絶対にぱん太郎様の精子で孕むのぉ♥♥!!」などと、子宮に直当てされて噴き出される孕まし汁を、すずも逝きまくりながらしっかりと受け止め、それが何度も繰り返され、一対一で忘れられないほど気持ち好いセックスをして過ごした経験と記憶を、また一つ積み重ねたのであった…………。

 

 

 

 

  6

 

 

 ぱん太郎に関する談議を交わすからあげさん達の舌に熱が籠もり始めた中、何かが欠けているな、と、ボクはずっと心に引っ掛かっていた。確かになぜ人間に変化できるようになったのかもとても気になるところだけど、話し合うべき点は他にもあるはずだ。何十人もの女性が心まで変えられたかのように骨抜きにされていることには注目しないでいいんだろうか、と気付いたのは、彼らの話に耳を傾けてしばらく経ってからだ。

 体力面だけは大牙さんより勝っているようなので、あれだけの人数と関係を持ち続けられているのかもしれない。だが、恋愛面に関しては明らかに以前とは違う筈だ。子作り前提の肉体関係を持っただけで、いくらセックスが上手いからといって──女性があれだけ首ったけになってしまうものだろうか。中にはそうなる人もいるのかも知れないが、一人二人の話ではないのだ。あんなに数多くの女性たちが靡(なび)いてしまうなんてことがあるのだろうか。まだ未成年のボクには性愛の世界は未知の領域なので判断しきれないけれど、明らかに異様な……はずだ。それとも、子孫を作らなければならないという使命や義務に皆んな縛られているのだろうか。

 ──だが、同時に……アイツにさんざん気持ち好くされた末に膣内射精され、あのデカいペニスがきっとヴァギナの奥まで届いているだろう、あの途方もない量の射精が凄まじい勢いで胎奥に叩き付けられているだろう密着状態での突き入れの中、からだを震わせ、声にならない声を上げ、全身で悦びを露わしているようにしてアイツのフィニッシュを受け止めている女性たちの姿を思い返すと、セックスにはそれほどの魔力があるのか──とも思ってしまう。彼女らのそんな姿をボクは実際にこの両の眼に収めてしまっているのだから。

 からあげさん達はそうした普段のアイツと女性たちの姿を見たり聞いたりしていないのだろうか。いや、ぱん太郎は防風林で覆い隠された屋敷の中に引っ込んでいることが多くなったため、実際目にしたことはないのかも知れないし、そういった下世話な風聞までは耳に届いていないのかも知れない、と自問自答する。ボクも見廻りという役割を与えられなければ目撃することなどなかっただろうし。

 じゃあここで言ってしまおうか、とも考えたが、性的な内容に踏み込んで実際に口にするのは躊躇いがあった。

 この後もぬし達のやり取りは続いたが、ぱん太郎の力の謎に関する解明の糸口は見えず、結局は今後もからあげさんは東の森で調査を続行することとなり、ボクは見廻りに支障がない範囲でぱん太郎の監視、大牙さんとしまとらさんも何か分かったことがあればすぐに知らせることとなった。

 肝心の祭りの警備に関しては、主にぬし三人で見廻ることとなり、正規のぬしではなく出店もあるボクは一日一回だけやればいいこととなった。こちらが本来の議題の筈だったが、ぱん太郎の話の十分の一の時間も取ることなくあっさり終わった。

 打ち合わせが済んだ頃、様子を見に来たオババの誘いでやや遅い昼食を御馳走になり、その席で大牙さんの奥さんとみゃあさんがぬし妻仲間として最近よく一緒に食べ歩きしているらしいこと、彼女たちも祭りを楽しみにしていることや、この機会に夫婦間の仲を深めては? などと大牙さんがしまとらさんに茶化される様子など見られ、殊の外楽しい会食となった。

 

 

   × × × × × × × × × × × ×

 

 

 そうして行人とぬし達が顔を合わせていた時間。

 彼らは脳裏にこの可能性を寸毫でも思い描けただろうか。

 すず、あやね、みゃあ、しま子。

 この四人が揃って、ぱん太郎の眼前にその美尻を並べて順番にオマンコを味わわれていたなどと。

 彼女たちのからだには、乳房やお腹、下腹部や背中など、服を着れば上手く隠れてしまう箇所に、「ぱん太郎様専用肉便器」「雌猫」「チンポ奴隷」「精液大好き」「浮気人妻」「カレにナイショで孕みます」などなど墨書されていたなど。

 『儀式』が済んで一大乱交現場となった大屋敷の中、他の女たち同様に四人全員がからだにそのような落書きをされながら、ぱん太郎の巨根を最奥まで挿れられての膣内射精を味わっていたなど──ぱん太郎とのセックスを本気で楽しみ、ぱん太郎に種付けされる心地に酔い痴れていたなど…………。

 もっとも、行人とぬし達が顔を合わせる前から……『儀式』の前から、四人の膣の内部はぱん太郎の精液で濃白色に染まり、子宮の奥までぱん太郎の精子が悠々と泳いでいたのだが……。

 みゃあとしま子も──あくまでこの場での戯れと言い交わしてのことであったが──、冗談にしては迫真的な口調で、

「孕むの♥ 孕むのぉ♥ ぱん太郎様のオチンポで、ぱん太郎様の子種で……赤ちゃん孕みますぅ♥! 雌猫浮気マンコで孕みますぅ♥!」

「はい、自分で拡げます♥ 欲しがります♥ だーりんのじゃなくて、ぱん太郎様のオチンポが欲しいの♥ 来て、来て、アソコが溶けちゃうぐらい熱い赤ちゃん汁、あちしのオマンコの奥で出してぇ♥! だーりんにナイショで孕むの、ぱん太郎様の赤ちゃん孕むのぉ♥!」

などと叫びながら、さらなるぱん太郎の精子を胎内に招き入れていたなど。

 すずとあやねは、こちらは戯れではなく、

「うにゃあぁ♥! ぱん太郎様専用の肉便器なのおッ♥! チンポ奴隷なのおッ♥! 好きなだけオマンコの中で出してぇッ♥!! ぱん太郎様のモノになった私で、行人とお店するのお♥!」

「私もよッ♥! ぱん太郎様のオチンポ最高ッ♥! 精液大好きッ♥! ぱん太郎様の赤ちゃん受精♥ 願いながら行人様と一緒にいるからあッ♥!」

などと口にし、箍(たが)が外れたように夢中で腰を振ってぱん太郎の極太肉棒を貪り求め、耳にしただけでは行人は彼女らと判らないだろうほど甲高いアクメ声を上げながら、すずもあやねも子宮に直当て種付け射精されて、だらしのない顔で逝きまくっていたなど。

 別の場所に集まっていた男衆は想像だにしていなかった──。

 

 

   × × × × × × × × × × × ×

 

 

 解散後、集落の道に出て空を見上げると、日はまだ高く、やっぱり西洋館に行って自分の祭り衣装も用意されているか確かめようか……という考えも頭の隅に過ぎったが、女子たちの着替えの一大会場になっているとわかっている現場にのこのこ顔を出すなんて、覗きに来た出歯亀みたいに思えてならず、果たしてボクには出来ない相談であった。女子更衣室を覗こうとするようなものじゃないか。

(古びて使えなくなったわけじゃないし、去年ので十分でしょ。すず達だって、あと数時間でまた顔を合わせるんだから…………)

 そう考えると、とんかつを頭に乗せていったん家に戻ることにしたのだった。

 

 

 

 

  7

 

 

 ぬし達との打ち合わせを終えて一旦家に戻ったボクは、日没まで中途半端に余った時間の扱いに困り、女子たちの更衣シーンに鉢合わせるわけにはいかないと決めたのにも関わらず、やっぱり翻して西洋館に顔を出してみようかな──という迷いが何度も脳裏をかすめた。すずとあやねを守ると決めている以上、出来る限り二人の傍にいることも大事なんじゃないかと思わないでもないからだ。

 数日前にあの二人がぱん太郎と仲睦まじく談笑している光景を見てしまってからというもの、焦燥のような落ち着かない気持ちが胸の底で再び燻ってくるのを感じずにはいられない。

 二人の服の中を覗き込むぱん太郎のあの下卑た目つき……アイツは絶対、すずとあやねの服の中を覗き込んで素肌や乳房、パンチラなどを眺めて楽しんでいた……!

(くそっ……!)

 湧き上がる怒りに拳を握りしめるボクだったが、虚空に振るっても詮無い事で、緩めた息を吐きながら全身に入った力を抜く。

(落ち着けよ、ボク……)

 熱くなるのに身を任せて我を忘れるのは未熟な証拠。爺さんから教わった戒めを思い出しながら平静になるよう努め、横道に逸れてしまった思考を元に戻した。

 確かにこんな自由な時間がありながら二人から目を離しているのは得策ではない。でも、ボクだって彼女たちの配偶者というわけではない、恋人という関係ですら……。それに、女性の誰しもがフレンドリーなこの島に来てからしばしば忘れがちになるが、女には女の社会がある。特に女子たちが一堂に会して着替えをする空間にのこのこと入り込んでいく勇気は──ボクにはなかった。

 祭りが終われば戻ってくる元の日常でも、一緒に暮らしているすずはまだしも、あやねは終日会わない日だって多い。どのみち常時目を光らせているのは不可能なのだ。

(出来る限りと言っても、変に付きまとっていたら……それこそボクの方がストーカーみたいなもんだしなあ……)

 結局のところ、大勢の中に紛れているのが何よりの予防になるだろうという最初の結論に帰着し納得するしかなかった。

(なあに、あと二、三時間もしたら会えるんだから……)

 それよりも──と、ボクは己の身体に注意を向ける。体内に感じる疲労も気になるところだった。自分の肉体に正直に問いかければ、休みたいという欲求が躰の奥底に蟠(わだかま)っている気がしてならない。木材の屋台組み立てを連日ほぼ一人で行ったとはいえ、自分なりのペースを守って作業できたし、肉体労働がこの疲れの原因の全てとは思えない。この藍蘭島に来て以来、体力は随分と付いてきていると自負していた。見廻り代行として毎日何時間も自然の起伏を相手に歩き回るようになり、時には面倒事の解決に骨を折っても、翌日にはほとんど疲れが取れるようにまでなっていた。

 ──悪夢に苛(さいな)み始めるまでは。

 実際には起こっていないただの心象の産物に過ぎないとは言え、アダルトビデオの女優もかくやというほど乱れたセックスをすずとあやねがぱん太郎としている光景が脳裏にこびり付くというのは、やはりどこか調子を狂わせるのだろう。

 それも無理矢理レイプされているのではなく、嫌がったり痛がったりもしておらず、それどころかもうすっかり気心が知れているような甘いセックスで互いに求め合っているというのが……アイツの並外れた巨根と大量濃濁精液を欲しがり、妊娠させてと言葉にして膣内射精をねだり、その通りにアイツは二人のヴァギナ深くまでペニスを突き刺し、すずとあやねの子宮めがけて子種を注ぎ込む光景を──それを二人とも嬉しがって受け入れ、ぱん太郎と心まで通じ合ったような子作りをしている現場を……たとえ夢だとしても見せつけられてしまっては…………。

 この頃は頭も妙に重たい気がするのは決して錯覚ではないだろう。アイツによって心身のバランスを崩されて体調にまで影響が及んでいるかと思うと悔しいし、夢は夢だと言いながら結局は悪夢に悩まされて振り回されている自分の弱さが情けなくなってくるが、それはまた後日改めて考えようと心の隅に追いやり、頭をブンブン振って気を取り直すと、せっかくなのだから今はこの時間を有効利用することにした。

 日はまだ高いが温泉に入り、蓄積された疲れを少しでも和らげようと肩までゆっくり浸かった。いよいよ今夜からとなる祭りの本番に備えて英気も養わなければ。

 ざぶざぶとお湯を顔に掛けながら、

(そう言えば……今年は何も頼まれなかったな……)

と、今頃になってふと頭によぎる。前回はまちに頼まれて神楽太鼓を叩いたが、今年は何も言われなかった。龍神神社のある山の方から笛や太鼓の音が聴こえて来ていたから練習はしているみたいだったけれど……。それに、去年は祭りを回る約束を皆んなと交わした覚えがあったのに、今年は一人からも誘われていない。

(まあ、その分すずとあやねの虫除け役が務められるからいいんだけどさ。……いや、というか、ボクの方から誘うべきなのかな……? 男として当たり前か……)

 温水の心地好さが四肢に染み渡る極楽気分の中、すずとあやねのことを思い浮かべる。

(もしかしたら、今頃、二人もちかげさん家の温泉でくつろいでいるのかもしれないな……)

 ──自己保身するつもりはないが、ここまでは自然な思考の流れだと弁明できる。けれど、そうなると次にはどうしても二人の裸体を──数ヶ月前の月見亭で見たあの目を奪われるほど綺麗な肌や曲線美の全裸、膨らんだ胸の頂きにある鮮やかな桃色の乳首、そして……赤い身が覗いているようにも見えた股間の割れ目──女性の大事な所──などを思い浮かべてしまい、あの時と同じように息を呑まんばかりにドキマギと胸中が渦巻き、身体が熱くなってしまう。

(うっ……)

 下半身に異変を感じる。股間がムクムクと膨らむ──。

 鎮まれ! と強く念じたが、抑え込めなかった。水中でもギュン! と瞬時に大きく固くなり、それはまるで別の生命体であった。思春期の男子にはよくあることだとは言うけれど……。

 実は最近、ボクの意思など無視してペニスが膨張することが多くなってきているのも悩みの種の一つになっていた。

「フー……」

 一緒に入っているとんかつに気付かれないよう大きな鼻息を装いながら溜め息をつく。 

 ボクは鼻粘膜が弱い体質のようで、性的昂奮を刺激されるような場面に出くわすと大方まず先に鼻血を噴いてしまう。そのおかげもあって今まではさほど気張る必要もなく股間を抑え込めていたのだが……。

 一旦隆起を許してしまうとなかなか収まってくれないのももどかしかったし、

(恥ずかしい……)

と、ボクは自分が情けなくなり、顔を赤らめ俯いてしまった。ただ想像しただけでこんなに固く勃起してしまうなんて、アイツをバカにできないじゃないか…………。

 それに──アイツのとは比較にならないほど小さいという事実も物凄く厭な気分にさせられた。こうして最大サイズになっても同一器官だとは信じられないほどだ。おまけにまだ完全に皮が剥けきっておらず、亀頭が半分ほどしか顔を覗かせていない。平常時など完全に隠れてしまい皮が余るほどで、我ながら象の鼻みたいだなと思うこともある。包茎からまだ卒業できていないのだ……。

 アイツが野外で致している現場に出くわしてしまった時、女性の裸体や嬌声のいやらしさ、結合部分丸見えのセックスなどに毎回息を呑んできたが、女性のアソコに出入りするアイツの巨根ぶりにも瞠目したものだ。完全に皮が剥けきっていて、海綿体が筋肉のように力瘤を形作る竿の部分は日焼けしたように黒ずみ、それとは対照的にシイタケ──とまではいかなくともシメジのカサほどの広がりがある雁首は鮮やかに赤く、あんな鉄柱のような太く肉塊を入れられて苦痛ではないのだろうか……と、何度も思わずにはいられなかった。

 それに、ぱん太郎が腰を離すタイミングでずるずると陰茎が引きずられて出て来ても、マジックショーを見せられているかのようにちっとも先端が現れないのだ。どれだけ長いのか……。

 そうやって冗長なストロークであの巨根が抜かれたり差されたりすると、決まって女性はからだをブルブルと震わせながら上の空になったかのような惚けた表情になり、まるでからだが砕けてしまいでもするかのように呻き声にも似た喘ぎを繰り返す──感じまくっているのだ。アイツの女性に快感を与えるテクニックは凄いものがあるそうなのだが、それだけでなく、シメジ亀頭の裏にはビッシリとツブツブが生えていて、それでヴァギナの中を擦られるのが堪らない心地なのだそうだ。

 メロンのような陰嚢といい、人間の男性器はあそこまで巨大化長大化するのか、それともボクが短小と呼ばれる部類なんだろうかと、みじめな気分になってくる。

 しかし、あれが成人男性の平均サイズだとはとても思えない。母親達の井戸端会議を盗み聞きした時も、彼女たちはあんなに並外れたモノは見たこともないと驚きを込めて話していたし。

(──で…………)

 そのご立派な巨根に、夫を持つ身である彼女たちは骨抜きにされてしまっているわけだが……。

 いや、母親たちだけでなく、娘たちも……。

 それも一人二人どころではなく、ほぼ全員が……である。

 村に何十人といる女性たちのほとんどがあの巨根一つにそのからだを許しているのだ。

 たった一本の男性生殖器が、母も娘も区別なく、この村の妙齢の女性ほぼ全てのヴァギナに挿入され、全員の子宮に子種を注ぎ込んでいるという事実──

 それでいて、一人残らず遍く満足するほどの肉体的快楽を与え、誰からも性交渉の相手として認められていて。女性たちは諸手を挙げてぱん太郎を肯定するようになっていて。

 湯の中で本体の気も知らずに威勢だけは一丁前にボクを見上げている分身を見つめ返す。こんな小ささで女性は満足してくれるのだろうか──無論、ボクの年齢でそういうコトを考えるのはまだ時期尚早とは分かっているんだけれども。

 

 でも、ボクと同年代の女の子が、もうセックスをしている──。

 子作りをして、妊娠して、子供を産んでいる……産もうとしている…………。

 

 この藍蘭島では、ボクも結婚して子供を作ったとしても、きっと誰も年齢を理由に驚きはしないだろう。問題になどされないだろう。むしろ、でかしたなどと言われて褒められさえするかも知れない。この島ではこの歳はもう子供扱いされないのだ。

 

 そして、それはすずとあやねも同じだ…………。

 相手がいて、合意さえ成立していれば……この島では彼女たちが子供を作ったって何の問題もないんだ……。望まれてすらいるんだ……。

 

 例え──その相手がぱん太郎だったとしても……。

 すずとあやねが……ぱん太郎と子作りしたとしても…………。

 

 それが合意の上ならば、ぱん太郎がすずとあやねすら快楽漬けにして骨の髄まで性の悦びを覚え込ませ、他の女性たちのようにアイツのペニス狂いに変えてしまったとしても、子孫を残そうとしているという大義名分の下、何の罪にもならないのだ…………。

 

 ぱん太郎がそうやってあの二人にも、あの悪夢のように、あの巨根と大量かつ濃厚な射精の洗礼を浴びせ、さんざんに子宮直当ての中出し種付け子作りして、すずとあやねもアイツの精液便所のような存在として扱われて悦び悶えるようになってしまったとしても、許される行為になってしまうのだ…………。

 許せないのは……ボクだけで…………。

 

 そうやってすずとあやねがアイツの子を孕んでも……村の皆んなはきっと祝福するだろう…………。

 

(いや、いや…………!)ボクは何度も何度も頭(かぶり)を振った。(しっかりしろボク……この島の環境が異常なだけ……普通の常識とかけ離れているだけ……そして、アイツが特別おかし過ぎるだけなんだ…………)

 

 でも……その機会を与えてしまえば……一度でも与えてしまえば……終わりなのは間違いない…………。

 

 二人ならきっと拒んでくれる……拒んで合意さえしなければアイツは手を出せない……そう信じてはいるものの、一方でたった一、二年の間で──特にこの村にやって来てから半年程度しか経っていないのにも関わらず、村中の女性を篭絡することに成功しているアイツの異様な手腕を考えると、最悪のシナリオを夢物語だと一笑に付すことなど出来ない。魔の手の影はもうすぐそこまで忍び寄って来ているのだ。いつすずとあやねに襲いかかってもおかしくないほどの近さに……。

 アイツの腕の中で性交の快感に喘ぐ女性の姿が、子宮に子種を送り込まれる膣奥射精で生殖快楽の幸せに身悶える女性の姿が、すずとあやねに重ならない保証はどこにもないのだ。

 だからこそ、こんなにも何度も何度も遅疑逡巡しているわけだが……。

 水面から目を上げると、とんかつは広々とした温泉の向こう側で楽しそうに泳いでいて、こちらの様子に気付きもしていなかった。人間で言えばまだ三歳児だし当然っちゃあ当然なんだけど……。

(はあ……)

 ボクは鼻梁まで顔を沈ませ、湯気が薄く漂う天井の木目にどんよりとした視線を泳がせながら、

(すず……あやね……今頃何をしてるんだろうな…………)

と、残されたわずかな希望であるあの二人に思いを馳せずにはいられなかった。

 こないだは彼女たちまでもがアイツを評価しているような言動をしたので驚いたものだけれど、そこはやはり、二人もこの島で生まれ育った人間として村の存亡を気に掛けている──ということなんだろう。日本でも限界集落が社会問題になっていて、一見似通った状況にも思えるが、意味合いはまったく違う。外界と隔絶したこの島では、子孫を残せなくなった時点で人という種は絶滅確定してしまうのだ。いくら病気にならなかろうが、どれだけ元気に長生きしようが、滅ぶのは間違いないのだ。

 だからこそぱん太郎は救世主扱いされているわけで。女性たちにチヤホヤされる土台となっているわけで。かつてはボクにその役目が期待されていたわけで……。

 油断しては絶対にダメだ……。あの時は──それだけでも許せないが──二人の服の中を覗かれただけで済み、人目もあったしボクもいたから良かったが、これがもし、人気のない場所だったとしたら。

 ボクが関知できない別の所で三人が出会っていたとしたら…………。

 

 ゴクリ、と思わず喉を鳴らすボク。

 温かいお湯に浸かっているのに、凍え死にそうなほどの悪寒が全身を襲う。

 

 すずとあやねはぱん太郎と楽しそうに喋っていた。

 アイツに警戒心を抱くどころか、一定の評価すらしていて。

 性知識に乏しくて男に対する免疫もなく、おまけにガードの緩い二人。

 パンティ越しに股間を、ブラジャーをしていない胸をたぶん乳首まで……アイツに覗かれて。

 でも、着崩れにもぱん太郎の視線の意味にも気付いてもいない様子で…………。

 

 

 あんな事が、もし、ボクの目が届かない所で行われていたら…………。

 すずとあやねが──アイツの毒牙に掛かっていた可能性は十分にあった…………。

 それも、二人まとめて…………。

 

 

 何十人もの女性を取っ替え引っ替えセックス三昧の毎日を送り、今や女体に悦びを与える手練手管はボクの想像の及ぶところではないアイツだ。しかも、同じ条件下であった同世代を何人も──いや、一人残らず夢中にさせているのだ。未経験のすずとあやねであっても、今のアイツだったら彼女たちのからだの奥底から性の悦びを引き出すことなど造作もないのではないか──と、不安を覚えずにはいられない。

 人目を気にせず乳繰り合える所に二人を誘導するぱん太郎。そんな場所はこの島にいくらでもある。もしかしたら、アイツの屋敷まで案内するかも知れない。それを遮る者などボクぐらいしかいない以上、疑いを知らない二人はすんなりとあの堕落の巣窟の門戸を潜ってまう可能性は高い……。

 すずとあやねが、女性たちの歓談の端々に出てくる“愛の巣”に招き入れられたとしても、何の警戒心も抱かずにベッドの上へ乗ってしまうだろう。女という女を生殖快楽セックスに乱れ悶えさせている忌まわしい天蓋の内部に……。

 今度は覗くのではなく、アイツはすずとあやねを脱がせにかかる。ぱん太郎の好色な眼を前に半裸状態で平気だった二人だ。拒絶感も免疫もなく、アイツの口車に呆気ないほど簡単に引っ掛かってしまって、アイツの前で平気で服を全部脱いでしまう。下も脱いでと言われれば、何の抵抗もなくパンティまで下ろしてしまって…………。

 そうして──すずの乳房も、あやねのアソコも、二人の綺麗なからだが大事な部分まで余すところなく、アイツの目の前に晒されるのだ…………。

 だが、視姦なんて僅かな時間だろう。もう手を伸ばせば届く距離に、まだ手を付けていなかった二人の美少女が真裸でいるのだ。局部を隠すこともなく無防備にキョトンとしながら。

 二人のからだはアイツに触られ、撫でられ、揉まれ、口に含まれ、吸われ、舌で舐められて…………。

 布の帳の中でじっくりと行われるアイツの巧みな愛撫で徐々に気持ち好さを与えられてゆく、すずとあやね…………。

 ぱん太郎は手慣れた様子で二人のからだを渡り歩く。二人同時の相手など日常茶飯事だろう。ましてや、何も知らないうぶな少女たちなど…………。

 誰の邪魔も入らない中、最初こそ大して感じておらず戸惑いの方が強かった二人だが、時間をかけてアイツのテクニックによる前戯を受けているうちに、いつしか甘美な気分になっていって、性の萌芽を感じ、やがて喘ぎ声を漏らすようになり、気付けばアソコを濡らしていて、知らないうちにからだが開いていってしまって…………。

 アイツの指と舌と言葉によって、性的快感を覚えて嬌声を上げ始める二人…………。

 オーガズムさえ覚えてしまうかもしれない。アイツの巧みな愛技で絶頂という経験したことのない感覚にまで導かれるのだ…………。

 そんな状態で、君たちも村のために子供を作ろう、とか、皆んなだってやってるじゃん、とか──そんな建前を武器に迫られたら、もう、アイツを拒めないのではないだろうか…………。

 それがどういう結果を生むか正常に判断できなくなっているうちに、すずとあやねの処女はぱん太郎に奪われ、“愛の巣”で初体験を迎える。交互にぱん太郎のデカマラで貫かれ、初めのうちは苦しそうに悲鳴を上げていても、アイツのテクニックによってそのうち魔法のように痛みが遠ざかってゆき、それどころか……あの極太肉棒で抜き差しされるのが次第に気持ち好くなってさえゆき…………。

 

 何時の間にか──他の子たちのように、すずとあやねはアイツにハメられる快感で喘いでいるのだ…………。

 

 そんな状態になるまで、アイツは自分の慾望を後回しにし、何時間でもかけてすずとあやねのヴァギナにあの巨根を馴染ませてゆく……。

 

 そこまで可能になるほど、日中、ボクと二人が顔を合わせないでいる時間は────

 

 

 ────、ある……………………。

 

 

 未体験の領域で何が何だか分からなくなっているうちに、キスも許してしまうかもしれない。ぱん太郎と吐息と唾液の交換をするすずとあやね…………。

 アイツとのセックスを気持ち好く感じているうちに段々と蕩けてゆき、すずも、あやねも、次第に夢の中の姿と近付いてゆく……。

 いつの間にか痛みなんて殆どどこかへ消えてしまって、濡れまくったヴァギナの奥までぱん太郎の剛根が届き、気持ち好く感じる箇所を探り当てられ、あのブツブツでたっぷりと肉壁を擦られ、淫らに悶えながら喘ぎまくるすずとあやね……。

 

 その頃のボクと言えば、間抜けにも屋台作りに精を出しているのだ。

 

 ぱん太郎、すず、あやね──この三人だけの時間が流れる中…………

 

 ぱん太郎によってすずとあやねが女にされている時に────

 

 破瓜の血もどこかに消えてしまって愛液が溢れ続ける二人のヴァギナに、なおもぱん太郎のペニスが生で挿入されまくる。快感を生み出すような動き方で抜き差しされて、すずとあやねはいつしか苦しさも忘れて気持ち好さそうに喘ぎ悶えながら、柔らかなシーツの海の中でぱん太郎との生ハメセックスに心を奪われてゆく…………。

 アイツのペニスを大人しく受け入れている姿は、まるで彼女たちも完全合意してまぐわっているかのようで…………。

 

 二人がほとんど痛がらなくなっても、ぱん太郎は彼女たちがくたびれないよう挿れたまま動かない時間を多く取り、それでいてすずとあやねが素面を取り戻さないよう快美感を与え続け、焦らずゆっくりと時間をかけて極太ペニスに馴染ませてゆく。そうして二人のヴァギナを徐々に押し拡げ、昂奮を維持したまま、苦痛をほとんど感じさせずに丁寧に奥まで開通してゆく。日が暮れるまでまだまだ時間がある中で……。

 腟内にマッサージを施しているような、まったく乱暴さのない余裕ある抽送。労りすら感じられる無理をさせない動きに、すずとぱん太郎、あやねとぱん太郎、どちらの結合にも共同感すら生まれてきて……。すずも、あやねも、再挿入されるたびに嬌声を上げて全身を甘く痺れさせ、頼れる男にすがりつくようにアイツの躰に抱き付き、甘えた声で鳴いたりして……。

 いつしかそれは、性のことなどまるで知らないうぶな少女の初行為とは思えないほど、しっかりと男を迎えたセックスとなっているのだ……。

 ここまで来ても、ぱん太郎はまだがっつき出さない。

 処女を卒業したばかりの少女たちの初々しいヴァギナを、美しく瑞々しい十代のからだを、時間をかけて心ゆくまで楽しむのだ。体勢も変えるかも知れない。アイツの好きな後背位や寝バック……まんぐり返しやアイツ主導の騎乗位……時にはベッドから降り壁に手を付かせての立ちバックなど……。様々な体位にされて再結合し、すずとあやねはさらに喘ぎ悶えるのだ。そうして、アイツのペニスで初めてとは思えないほどの気持ち好さを感じ、全身の肌を這い回る指と舌の愛撫にからだをくねらせ、甘く痺れ惚ける二人の様子を満悦げに眺めながら…………。

 それは同時に、二人のヴァギナをさらに慣らす時間でもある。あれほどの巨根がスムーズに出入りするようになるには手間がかかるようで、だからこうしてアイツは時間をかけるのだ。赤子が通る産道でもあるヴァギナは想像以上に伸び縮みする器官らしく、一見傷を付けそうな太く固いモノであっても慎重に慣らしていけば順応するようであった。そうやってぱん太郎が注意を払っているから、ゆきのでさえ躰を壊していないのだ。

 だが、それは……ぱん太郎との性交がもたらす気持ち好さを、すずとあやねがさらに感じ続ける時間でもあって…………。

 2メートル近い大柄のアイツは、女性のからだを横付けするように並べれば二人いっぺんに覆い尽くすことができる。すずとあやねは可愛いお尻をくっつけながら、今や耳まで真っ赤になった顔を蕩けさせ、嬉悦の涙を流し、ボクがこの世で一番嫌っている男に交互に生ハメされて喘ぎまくる……。本当に初体験なのかと信じられないほどの感じようで。たまにぱん太郎が極太肉棒を奥まで突き入れても、感じている嬌声を高く発して甘美にからだを奮わせる。合間に何度もおっぱいを弄られては高い喘ぎ声を漏らし、何度も舌を重ねるようなキスをして…………。

 

 そうして……すずとあやねのヴァギナが……ぱん太郎の極太肉棒に合わせて拡張されてゆく…………。

 

 後戻りできないほどのセックスの快楽がすずとあやねにも植え付けられる作業は既に始まっていた。

 その下準備は整い、性に無知すぎてこんなことに興味ないと思っていたすずも、しっかりとした判断が下せると思っていたあやねも、どちらもがぱん太郎との性交快楽に呑み込まれて、アイツの巨根が体内に出入りするのを感じまくるようになる…………。

 すずがぱん太郎のチンポを気持ち好く感じるセックス、あやねがぱん太郎のチンポを気持ち好く感じるセックス────。

 性に対して未成熟すぎる二人が、たったの数時間で“女”を開花させて。

 心はまだとしても、両者ともに肉体レベルのオスとメスの交わりが成立していて…………。

 

 なのに、ボクは何も知らずに仕事しているだけなのだ────

 

 アイツは徐々に激しい動きを取り入れ始める。それでもすずとあやねは感じている声しか出さなくなっている。奥を小突かれても痛みなど生まれないほどに拡がりこなれた二人のヴァギナ。

 やがて、十分にほぐれ、濡れまくった二人の腟内の具合に、頃合いを見てぱん太郎はいよいよ腰の動きを早める。すずとあやねの喘ぎ声がさらに高まるが、まったく苦しそうな様子を見せない。

 あの凄まじい勢いと量の特濃ザーメンが放たれる瞬間が来るのだ。

 どちらが先か──そんなことは些細な問題だった。どちらもぱん太郎に中出しされてしまうのだ。十分に準備が整った腟内にあの濃厚な生殖液をこれでもかと言うぐらい吐き出されるのだ…………!

 すずの子宮口、あやねの子宮口、アイツはどちらも探り当て、直に亀頭の先をくっつけすらして……!

 気持ち好くて堪らなくて逝きまくってしまうと女性たちが口々に言う“射精の時間”を、すずとあやねも味わう瞬間が────!

「イクよッ! ナカに出すよッ!」

 限界を迎えそう叫ぶぱん太郎。

 アイツは躊躇などしない。

 すずの胎内にも、あやねの胎内にも、アイツは恐ろしいほどの数の精子が詰まりまくってそうなあの濃白の精液を放つのだ──────!

 ぱん太郎との子供が出来てしまう体液が──────!!

 

 ドクッッドクッッドクッッドクッッッッ!!!!

 ドクドクドクッッッドクドクドクドクッッッッ!!!!  ドクドクドクドクーーーッッッッ!!!!

 

「「あああああッッ♥♥!!!!」」

 すずもあやねも声を堪え切れない。からだの奮えを抑え切れない。それほど凄まじい射精。

 だけど、すずも、あやねも、快感でオマンコをギュウギュウ締め付けさえして…………嫌がりもせずにアイツの熱いザーメンを膣奥で受け止めてしまう…………!

 女の身も心も奪ってしまう、常人では考えられない途方もない勢い、量、濃度、熱気の種付け射精を…………!

 

 ぱん太郎の子供を孕んでしまうかもしれないのに…………アイツに膣内射精される心地好さが勝ってしまって…………!

 

 作業中、ふと、ボクの脳裏にすずとあやねの顔が思い浮んできて……今、何してるのかなと、手を止めて思いを巡らせたことは何度もあったが────

 そうしてボクが二人のことを考えていた時、まさか……そのすずとあやねはあの“愛の巣”でぱん太郎のペニスを気持ち好く感じまくった末に、アイツの精子が詰まりに詰まった体液を腟内に大量中出しされているなどと…………!

 ボクの想像するすずとあやねは、いつも可愛く朗らかに笑っていた。

 でも、本当は──ぱん太郎の腕の中で性感の悦びに染まったメス顔になり、すずも、あやねも、長い時間をかけたセックスによる嬉悦の涙と涎にまみれながら──気持ち好さそうにアイツの膣内射精を受け止めていたなどと…………!

 

 アイツも本気だ。孕ませるつもりで二人のヴァギナの奥まであの長いペニスを突き入れ、すずとあやねの子宮間近で射精し続ける。

 

 すずの子宮に──

 

 あやねの子宮に──

 

 ぱん太郎の精子がこれでもかというぐらい送り込まれる…………!

 

 子作りを建前にした上でのセックスだから、ぱん太郎は、「村のためだよ、ボクの赤ちゃんがデキる想像して♥」などととんでもないことさえ口にするかもしれない。

 ぱん太郎の膣内射精が気持ち好くてオーガズムまで迎えてしまったすずとあやねは、まともに思考が回らないままアイツの言うことに従ってしまい、自分のお腹の中に赤ちゃんが宿る想像をしてしまい──それがまたおかしな気持ちを生み、一層高まった二人の悦感は最奥にぶちまけられる熱く重い迸りをさらに心地よく感じるようになって…………!

 まったく嫌がらず…………オーガズムに至りさえして…………傍目には愛し合っている恋人のように甘やかな声すら出して……気持ち好さそうにヴァギナをギュウギュウ締め付けてぱん太郎の膣奥射精を受け止め続けるすずとあやね…………!

 何分も、何分も……すずとあやねの胎内でぱん太郎の射精が続く…………。すずとあやねの片脚を上げたり、寝バックなど深く突き刺せる姿勢になりながら、途中で引き抜くことなど考えず、ぱん太郎は全量をすずとあやねの子宮に浴びせかけるのだ…………!

 

 命中率の高いぱん太郎の精子は瞬く間にすずの卵子とあやねの卵子の所まで辿り着く。

 生殖行為をしているのだから、当たり前の帰結なのだ。

 

 すずの卵子とぱん太郎の精子が────!

 

 あやねの卵子とぱん太郎の精子が────!

 

 ……こうしてすずとぱん太郎のセックス、あやねとぱん太郎のセックスが取り返しのつかないところまで行き着いた瞬間、ボクは何をしているのか。

 何もしていない。ただ呑気に他のことをしているだけだ。

 その間に、二人はぱん太郎に美味しく頂かれてしまっていたなど…………

 二人の方も初体験なのにも関わらず、ぱん太郎とのセックスを気持ち好く感じていたなど…………

 そんな快感醒めることのない生ハメセックスの末に、初めてとは思えないほど準備万端となったヴァギナの中で、彼女たちの子宮めがけてぱん太郎の精子が注がれていたなど…………

 それを…………嫌悪や恐怖などの悪感情を抱くことなく、セックスの心地好さに浸ったまま、すずもあやねも恍惚の表情でぱん太郎の射精を最後まで感じ続けていたなど…………彼女たちのヴァギナも生殖できた本能の喜びに満ちていたなど…………

 そんな残酷な現実など何も知らずに……………………。

 

 そうして……アイツとの中出し子作りセックスの気持ち好さを覚え込まされ、女の悦びを知ってしまったすずとあやねは、この日を境にアイツとの関係が生まれ、祭りが終わった後もボクが気付かないうちにアイツとセックスするようになるに違いない……。ぱん太郎との濃密な性交に呑み込まれた二人は、処女を卒業したばかりとは思えないほどの快楽を感じまくって逝きまくるセックスを繰り返すだろう──アイツがそう仕向けるのだから。

 そのうち……どうしても快感にまみれたセックスが忘れられなくなり、自分から会いに行ってしまいさえして……。

 そうなると、もう──二人はぱん太郎の玩具である。

 アイツはすずとあやねにさらなる快楽を与え、トドメを刺すように中出ししまくる。その膣内射精ですら女に快感を与えるのだから、二人はあっという間にアイツに首ったけになってしまい、すぐに愛人集団の仲間入りをしてしまうだろう…………。

 すずとあやねまでもがぱん太郎と子作り目的のセックスをしまくり、そのヴァギナの中を種付けられた濃白色の体液で染める日々が始まるのだ………………。

 あの二人も、「ぱん太郎様の赤ちゃん孕みますッ♥!」などと叫びながら、アイツに繰り返し腟内射精されるようになっても、歓喜して受け止めるようになるかも知れないのだ…………。

 こうなってしまえば、二人も他の子たちと同じように、ボクなど見向きもしなくなってしまうだろう……。

 

 

 ……。

 …………。

 そうならなかったのが幸いだ。あの場にいて本当に良かった、本当に危なかったと、ボクは心底安堵する。

 あやねとは順調にデートを重ね、すずとも以前のまま一緒に暮らせている。ぱん太郎に対する態度はどうあれ、二人の様子に変わったところはなく、今のところまだそうはなっていないということだ。

 不安や焦燥感に振り回されず冷静になって考えれば、まさか沢山の女子達が集まって着替えをしている中にズカズカ乗り込んでいってすずとあやねだけに狙いを定めて手を付けようとするなどという流れは、あまりにも都合が良すぎる展開だから、無事であるのは間違いないだろう。アイツを求める女は大勢いるんだから、すずとあやねに構ってなんかいられない筈。

(今は大丈夫……あと少ししたらまた会えるんだ……悪い方向へばっかり流れるボクの思考と違って……実際にはあの二人だけはぱん太郎と全然関係なくて……あの二人だけは昔のままなんだから…………)

 その理路がせめてもの救いだった。

 だから、最悪の妄想が──今、この瞬間、すずとあやねが理性を残らず溶け落としてしまうほどの快楽に染まってぱん太郎と夢中でセックスしており、アイツの巨根と膣内射精に悦び狂っていて、ヴァギナ奥深くまで突き挿れられながら種付け射精されている、しかも自分からぱん太郎の子供の受精を望みながら──などという有り得なさすぎる絵図がボクの平常心を振盪させるように幾度となく脳裏に去来しても、根拠の無い妄想、まさに夢物語と断じることができ、何とかあしらって落ち着きを保てているのだった。

 

 

   × × × × × × × × × × × ×

 

 

 ──なお、同時刻のぱん太郎の屋敷では、青リボンの少女も白リボンの少女もぱん太郎の子宮直付け種付け射精を何発も受けて享楽に蕩けまくった子作りセックスをしており、その淫猥な乱れ具合は少年の妄想を遥かに超えているほどであった。

 行人の願いなど儚く砕け散るほどの盛りようで、周囲に他の女たちの好奇や羨望の目があるのにも関わらず、すずとぱん太郎、あやねとぱん太郎は互いに腰を振ってケダモノのような喘ぎ声を上げ、行人に想われている二人の美少女はアクメを迎えるたびに「イグッ♥! イグッ♥!」と歓喜の絶叫を上げていた。その末に遠慮呵責のない怒涛のような膣内射精が始まると、逞しい肉棒から噴射される濃厚な子種で種付けられる感覚を狂喜して味わいまくり、自分から腰を擦り付けている始末であった。

 夢物語でも何でもなく、現にすずとあやねはそのからだをぱん太郎の好き放題にされ、二人のオマンコはぱん太郎の極太肉棒を容易く受け入れるどころか美味しそうに根元まで呑み込み、その子宮は少年が憎む男の精子を追加される一方のぱん太郎専用孕み袋となっていたのだ。

 

 その後、淫肉嬌悦の宴で汚れたからだを清めるべく全参加者で温泉に移り、浴場内は湯気と女たちの柔肌や姦しい笑声が騒々しく満ち溢れる空間となった。多人数が入ることを想定して大きく作られた湯殿が狭苦しく感じるほどの数の女体でごった返し、何十人分もの乳房、陰裂、餅尻がひしめき合う。だが、肉付きの見苦しい女など一人も見当たらない。どの女も男の目を引き寄せる魅力が十分に詰まった孕み頃のからだつきであった。

 その中で唯一の男であるぱん太郎は左右に何人もの女を侍らせながらゆったりと湯に浸かり、この女肉の見本市のような一大景観を眺め楽しむという桃源郷の絵図が出来上がっていた。これも一つの酒池肉林かといった具合である。

 そんな桃林肉泉の入浴中、突如として立ち上がったぱん太郎に号令をかけられた女たちは、彼から言われた通りに脚だけを温泉に入れて縁を埋め尽くしてゆき、艶めかしいからだ、からだ、からだ……で肌色の壁を作るかのように隙間なくずらりと繋がった。そうして、中央に仁王立ちしたぱん太郎に向けて尻を突き出し、何十人もの全裸の女の桃尻で完全包囲するというとんでもない絶景が生まれたのだ。

 これだけの数の女を一夜にして抱きまくった狂宴に相応しい終幕劇が始まった。温泉の縁に沿ってからだをくっつかせながら数珠繋ぎになった女たちに、ぱん太郎は一人またひとりと順番に自慢の大魔羅をハメてゆき、一発ずつの膣内射精(なかだし)一本締め──妊婦は中出しすると流産の危険があるというので、背中に放出されての全身塗りたくり──が行われた。

 

 その中には、当然のようにすずとあやねの姿も混じっていた──。

 

 この二人も他の女たちと同じく愛らしい尻を並べて揺らしながら自分の番を待ち詫び、秘裂の奥から際限なく湧いて出て来る子種汁を垂れ落としながら切ない吐息と喘ぎ声を繰り返していたが、やっとその時が来ると二人まとめてぱん太郎の巨体に覆い被さられ、交互に逞しい極太肉棒をズリュズリュと奥まで出し入れされオマンコを押し広げられ擦られる気持ち好さに歓喜に満ち満ちた艶声を張り上げ、すずも、あやねも、「ぱん太郎様♥ ぱん太郎様♥ 好きぃ♥ 大好きぃ♥」と、大男の名を愛しげに連呼し、他の女たち同様、

「ぱん太郎様の赤ちゃん孕みますッ♥! 絶対に孕むからあッ♥!!」

とも叫び誓っていた。

 

 この時にちょうど、行人も家の温泉に入っていて、すずとあやねのことを想って一喜一憂し、心配のあまり、もし二人がぱん太郎と子作りしてしまったら──初体験で気持ち好くされて中出し種付けまでされてしまったら──その快感が忘れられず、すずとあやねもぱん太郎と子作りセックスする関係になってしまったら──などという妄想を広げていたのだ。

 

 初体験どころではなかった。もうとっくに性悦の地の底まで堕ちきった二人のオマンコはぱん太郎専用の肉壺精液便所と化し、妊娠を望みながらわずかの躊躇いもなくぱん太郎の子種注入を受け止める関係になっていたのだから…………。

 

 すずとあやねの、少年の信じる純潔さなど欠片もなくなった生殖快楽に堕ちきった顔とからだ。ぱん太郎の逞しい肉棒が子宮に口付けしながらの種付けが始まると、射精が続く間、すずも、あやねも、腰が隙間なく密着するほど突っ込まれたぱん太郎の極太肉棒を深々と咥え込みながら、からだをガクガクと震わせ、うっとりと目を細め涎を垂らしただらしない顔つきで、短い交淫だったにも関わらず頭が真っ白になるほどのアクメに何度も達したのだ。

 ぱん太郎に種付けられながら本気で悦び悶えていたのだ。

 孕みたいとばかりに自分からも積極的に腰を突き出しさえして。

 行人の最悪の妄想通り、いやそれ以上に──────。

 月見亭の時よりもさらに色気を帯びるようになった二人の美しいからだは、少年が無事だと信じている二人は、清らかなからだだとひたむきに信じている少女二人は、その希望も虚しく……彼が最も憎む男によって最奥まで貪り尽くされていて。

 それどころか、隅々まで快楽のための牝肉性交器官に造り変えられていて。

 行人が入り口しか目にしたことのない大切な女の園は、その男の肉棒に快感を与えるための性処理肉壺に作り変えられ、その男の子種で孕むための子作り受精器に造り変えられて。

 時間にしてみれば、一人当たりたった数分であり、さすがに何もかも忘れるほど理性が溶かされるまでには至らなかったが。

 しかし、そうであっても。

 注がれたばかりのぱん太郎の白濁液を温泉に垂れ流す桃尻を並べたすずもあやねも、愛慾と絶頂に蕩け切った満足げな顔に嬉悦の涙と涎をこぼし、ぱん太郎の身体が離れても、まだ膣内に残っている逞しい肉棒の感触と下腹部の奥に感じる精液の温かみで無上の幸せに包まれていたなど──。

 浴場の行き詰まりにはお湯を温泉に流し落とす庭園風の滝山があったが、そこに加えて膣内に注がれた白濁を源泉とした瀑布が次々と新しく生まれていった。

 行人の方はすずとあやねのことを想っていたのに、二人は行人のことなど完全に忘れ、ただただぱん太郎のことを考え、ぱん太郎の精子で孕むイメージを……お腹の中にぱん太郎の赤子が宿るイメージを強く頭に想い浮かべ、ぱん太郎のことだけを恋しく想い浮かべ、心から受胎を願いながら種付け膣奥射精されたアクメの余韻に浸り、そんな二人の意識の通りに、すずの膣、子宮、卵管──あやねの膣、子宮、卵管──もはや兆すら超えた単位のぱん太郎の精子が満ち満ち、たった一個の卵子を目掛けた生命の営みが盛んに繰り広げられていたなど────。

 すずの秘裂もあやねの秘裂もぱん太郎の極太肉棒によってぱっくりと開口し、だというのにピンク色の媚肉が一切見えないほどの夥しい白濁液を溢れさせ、まだ秘肉の収縮が続いているのか時折ビュウビュウと噴泉のように精液を吐き出しながら、温泉の水面に濃白の糸束を際限なく零し落としていたなど────。

 

 

 そうして昨晩から続いていた淫欲に沈み狂った秘宴がようやくお開きとなり、やっと服を着始めた女たちは各々嬉しそうにぱん太郎の所有物となった証を首に嵌めて身支度を整え、大男の下に全員集まると、

「「「祝祭の日に晴れてぱん太郎様の愛人となりました私たち、誓って貴方に心服し、これからは貴方の子供を産み育てるために精進します♥ ですから、どうかこれからもたくさん愛してくださいませ♥」」」

と、全員が恋い慕う男を見る目で唱和し、少年が信じている二人の少女も歯切れよくそう言い放った。その直後にしんと静寂が来ると、思わず皆可笑しそうにどっと笑う。喜色を浮かべた顔を見合わせながら、気分舞い踊るような一体感がそこにはあった。

「じゃあ皆んな、お祭りでは計画通りによろしく。今年の祭りは村の発展が約束された特別な記念だからね……うんと楽しもう♥」

「「「はいっ♥」」」

 女たちが屋敷を出立する際には、行列をなして一人ずつ“別れの挨拶”をした。式台にどかりと座ったぱん太郎と口づけを交わし、次いで三和土に跪いて鞠のような大陰嚢と富士の如く屹立した大陰茎に恭しく口づけしてから出て行ったのだ。

 つまり、祭り衣装を纏ったすずとあやねも尻や乳を撫で揉まれながらぱん太郎とねっとりとしたキスをすると、膝を土床に擦りながら陰嚢の裏から舌を這わせ始め、極太肉棒を鈴口の中までたっぷり未練げに舐め回してから立ち上がり、彼の子種がたんまりと詰まった下腹部を愛おしげにさすって微笑みを浮かべ、ぱん太郎と熱く見つめ合ったのだ。

 綿で栓をして膣肉をキュッと締めていれば、ほとんど漏れることはないという。定期的な交換は必要だったが、こうして女たちは普段からぱん太郎に注がれた精液をこぼすことなく大量に溜め込んでいるのだ。すずとあやねは行人の傍にいる時ですら、ぱん太郎の子種をその胎(はら)に収めているわけであった。

「それじゃあ、私たちは……行人とお店をやるからね」

「後で様子を見に行くよ。あーあ、狭い屋台でキミたちと身体を触れ合わせるかも知れない行人クンが羨ましいな~。嫉妬しちゃうな~」

と、ぱん太郎は祭り衣装に身を包んだすずとあやねを上から下までじろじろと好色ぶりを隠すことなく眺め回した。そのような目で見られて嬉しそうな笑みを浮かべる二人。

「フフッ、そんなコト言って……。行人様にまだバレてない私たちも、実はもう貴方の子種をアソコにいっぱい満たしてて……いつ受精してもおかしくない状態で行人様と一緒にいるのが……愉快なんでしょ? ホントに悪趣味なんだから……ぱん太郎様ったら♥」

「そうそう♥ オマンコだけじゃなく、あやねちゃんの子宮も、すずちゃんの子宮も、もうボクの精子だらけで♥ そんなキミたちが彼に残された女の子だって、行人クンがまだそう信じてるのかと思うと、愉快で愉快で仕方ないんだよねえ♥ キミたちももう、ボクと子供を作るって誓い合って、気持ち好く中出しセックスしまくってる仲なのに……♥」

 どうしようもないという風に苦笑しながら顔を見合わせる二人の少女。

「でも、ぱん太郎様の言いつけなら……喜んで従いますわ♥」

「うん……もう……誓いも立てちゃったもんね……♥」

「ボクの趣味のために行人クンを裏切るようなコトさせてゴメンね~」

 二人は首を振り、左右それぞれからぱん太郎の耳にその紅唇を近づけ囁いた。

「もう……いいの…………♥」

「その代わり、これからも……行人様の分も愛してくださいませ……ね……♥?」

「約束するよ♥ これまでもそうだったでしょ?」

「「嬉しい…………♥!」」

 両側から頬に口づけする二人の首輪を指先で撫でながらぱん太郎は言った。

「絶対に……すずちゃんもあやねちゃんも……ボクの子を孕ませてあげるから、これからもうんと楽しくセックスしよーね♥ 行人クンなんてお構いなしの、気持ち好い子作り中出しセックス♥」

「「はい……♥!」」

と、すずとあやねは頬を染めとろんとしたメスの顔になり、声を揃えて首肯した。

「ていうか──」

 ぱん太郎は周囲をキョロキョと見回す。先ほどまでの騒がしさが嘘のように屋敷には静寂が漂っていて、玄関にはもう三人しか残っていなかった。

「もしかして、キミたちが最後? もう誰もいないの?」

「あら、そうみたいね」

「じゃあさ……」ぱん太郎は二人に顔を向け直し、いたずらっぽく口角を上げる。「最後の最後に……してく?」

「……いいの……!?」

 すずが頬を染め目を輝かせて言うと、

「もちろんさ、キミたちはこれから行人クンと一緒におシゴトするんだしね♥」

と、ぱん太郎は三和土に降りると二人を入れ違わせて座っていた場所に上がらせ、四つん這いの姿勢を取らせた。

「残り物には福があるってホントね、すず♥」

「うん♥」

 どうすればいいかもうすっかり身に付いているすずとあやねは、さらに一段高くなっている上がり框に手をかけて腰を艶かしげに揺らし、両脚を開きながら尻を突き上げた姿勢になる。早くも気分が戻って来たらしく、首を捻ってぱん太郎を見上げた目には、まるで湯気が上がりそうなほどの情慾がありありと浮かんでいた。

(あれだけヤったのに、まだヤれるとわかった途端これか……体力も凄いけど、性慾もだいぶ強くなってきたな♥)

と、ぱん太郎は自分を棚に上げて微苦笑したが、本音としてはここまで従順さと性慾が顕著となった二人の肉奴隷ぶりが嬉しくて仕方ない。何ヶ月もかけて中出し子作りセックスの気持ち好さをこの二人のからだとオマンコにも徹底的に教え込んで来た甲斐があったというものだ。

 性交のやり方もだいぶ慣れて上達し、ぱん太郎との呼吸も相当合うようになってきた。すずの肉壺もあやねの肉壺もいつヤッてもぱん太郎の極太肉棒がすんなり深くまで入ってゆくぐらいすっかり形を覚え込んでしまい、膣肉もこなれてきたのか十代とは思えない柔らかさで肉茎を包み込むほどだ。それでいて年齢通りの弾力と熱気の雌穴。彼の巨根が奥壁まで届きながら突かれても気持ち好さばかり感じるようになり、逆にそれが癖になってきているようだった。すっかりセックスが好きになり、中出しされる快感に抗えなくなって、子種を子宮に送り込まれる生殖本能の快美に惑溺し、いよいよ本格的な性愛の深みに嵌ってきたのである。このまま続けていけばもっと淫乱さを深めてくれることだろうし、肉壺の具合はよりぱん太郎好みになってゆくだろう。彼女たちがどうなっていくのか、どこまで堕ちてゆくのか……これからも楽しみだ。

 そう、これで終わりではないのだ。すべての女に自分の子を産ませると心に決めている。すずとあやねもそうだ。今までだって孕ませようと思って中出しを繰り返して来た。この二人も必ず孕ませる。例えあの小僧との関係が壊れてしまおうが、この二人にも孕むまで中出しする。そして、何人でも子供を作る。

(行人クンじゃなく、ボクの子をね…………♥)

 その結果、もう元には戻れないぐらい多淫な性格になったり、ぱん太郎の巨根でないと逝けなくなってしまったとしても、むしろ大歓迎である。淫乱痴女に変えてしまった張本人として責任を取り、チンポと射精を果てしなく求めるすずとあやねの情慾にどこまでも応えてやろうじゃないか。あの小僧の元になど戻れないぐらいに……。そんな色狂いになりそうな兆候は出始めていた。未だ行人に清純を信じられているこの二人にも……。

 問題はその東方院行人の存在であったが、この少女たちが妊娠した場合、また子供を産んだ時の対策も既に頭の中にある。勿論、それが上手くいくとは限らず、隠し果(おお)せられないかもしれない。その時はその時だ。あの小僧の前ですずとあやねは自分のモノになっているとはっきり明かしてやればいいだけの話なのだから。二人ももうこれ以上騙さなくていいと喜んで行人との縁を切るだろう。哀れな男子の希望が儚く打ち砕かれる瞬間がいつ来るのかも楽しみの一つであった。

 行人との勝負はもうついている。ぱん太郎の不戦勝みたいなものだ。それも圧勝も圧勝、もう取り返しなどつかない勝差であろう。村にいる娘たちの中でぱん太郎の愛人になることを誓っていない者など一人として残っていないし、ぱん太郎の子種で孕むことを拒んでいる女もいないのだ。行人が信じているこの二人ですらこの有り様なのだから。何も気付いていない少年に今までと変わらない明るい笑顔を向けるこの二人ですら、裏ではこうして淫蕩な情婦と化し、ぱん太郎の極太肉棒を膣奥まで挿れられて、すずも、あやねも、その子宮に容赦のない種付け射精を受けまくって悦び狂っているのだから……。

「他のコたちには内緒だよ♥」

「うん……わかってるよ……♥」

「この後すぐ……行人様と会うから……最後の最後の種付け……オマンコの奥にお願いしますわ……♥」

「ぱん太郎様の注ぎたての精子をいっぱいアソコに溜めながら……ぱん太郎様の赤ちゃんデキて欲しいって思いながら……行人と顔合わせるからぁ…………♥」

「えぇ……♥ ぱん太郎様の御種で妊娠するって願いながら……行人様と話すわ…………♥」

 尻を揺らしながらそう言い、綿を抜いてまたドロリとした白濁が垂れ溢れてきた淫裂を指で割り開きながら、すずとあやねは愛欲を満たしたいという昏(くら)い彩りを帯びた目を細めて淫靡に舌なめずりした。

 ……。

 …………。

 

 

 ──こうして、本祭直前に放たれた最後のぱん太郎の精子も、今までの分も含めて、すずの腟内と子宮、あやねの腟内と子宮──どちらの生殖器にもこの上なくしっかりと蓄えられたのであった。

 双方の孕ましたい、孕みたいという意思が言葉と肉体に明確に示されながら。

 最後の最後に門前でアソコが再び疼いて来るほどの濃密なキスをすずもあやねもぱん太郎と交わすと、去り難そうに手を振りながら会場に向かった。そのからだの中はぱん太郎の体液とセックスの快楽の余韻に満ち満ち、頭の中はぱん太郎一色に染まり、早くも次に抱いて貰えるのはいつかしらという期待を抱き始めており、ぱん太郎の逞しい孕まし棒でハメられて中出し種付けされることしか考えていなかった。

 当番の集合場所に向かう道の途中、あやねは歩きながらすずに顔を向けて言った。

「すず、今度は行人様が勘付きそうなコトをうっかり口にしちゃダメよ?」

「わかってるよ……でも、なんか言っちゃったら……またかばってね?」

「え? ええ──」

 あやねは呆れたような、そうでないような顔になってフゥと息をついた。

「まったく……貴方も随分と変わったわね。前はもっと私に楯突いてたのに……」

「え~違うよ、あやねが私に突っ掛かって来てたんだよ?」

 ムッとなった二人はしかめっ面を突き合わせ、昔のような険悪な雰囲気が舞い戻って来たかのように思えたが──少しもしないうちにお互いの目線が首輪に下がったかと思うと、どちらも頭を引っ込めてフッと柔和に微笑む。

「……まあ、もういいわよね、そんなこと……」あやねの微笑みが艶めいたものに変わる。「私たちはもう……ぱん太郎様のモノなんだから…………♥」

「うん……そうだね…………♥」

 二人は首元の装飾に手を触れると、どちらも愛しげに指を添わせた。

「ぱん太郎様のためにも……頑張って行人には気付かれないようにしないと…………♥」

「貴方の口からそんな台詞が出るなんてねえ…………」

 それだけぱん太郎様に塗り替えられちゃったのね、でも、今なら分かるわ──と、あやねは心の中で付け加え、口には別の言葉を登らせた。

「だけど、その通りね。行人様にまだ気付かれてないからこそ、ぱん太郎様も私たちを特別扱いしてくれるんですもの……♥」

「ひょっとして、あやね……行人に隠れてぱん太郎様とするの、好きになっちゃってない?」

「えっ!? それは……その……」

「あ~、その反応……図星なんだ♪」

 クスクスと笑うすず。この時だけ切り抜けるのであれば、年相応の愛らしい少女であった。

「そ、そう言う貴方もじゃない!?」

「えっ……」青リボンの少女は恥ずかしそうに顔を赤らめて目を逸らしたが、小さくコクリと頷く。「う、うん…………最近ちょっと……行人に内緒でこんなコトしちゃってるんだって思うと……いつもよりドキドキするかも…………♥」

「やっぱりじゃない……ま、お互い様かしら。ぱん太郎様の悪い癖が移っちゃったみたいね……」

「ぱん太郎様には逆らえないよ……♥ あのヒトの好きなコト……私も好きになっちゃう…………♥」

「……そうね…………♥」

「それに……ぱん太郎様はぱん太郎様で、ちゃんと考えてくれてるみたいだから……」

 どういうことかしらという問いかけ顔をあやねが返すと、すずは言葉を継いだ。

「行人にはまだ私の世話が必要だって……わかってくれてるの。もし、行人が私とぱん太郎様の関係を知っちゃったら、家に居辛くなるだろうって。でも、まだここの生活に慣れてない行人が一人暮らしするのって大変だろうし……内緒にするのは、それもあるって」

 あやねはぱん太郎の意外な一面を見た気がしたが、同時に、それって貴方が寂しいってのもあるんじゃないの──という思いが胸中に湧く。つまりは、すずはまだ行人に心を残している部分があるのかも知れない、自覚がないだけで──

 が、ツインテールの少女はそれを口に出さず、

「さすがはぱん太郎様ね……。……ああでも、手を抜くのはダメよ」

と、思い出したように言った。以前、行人とデートをした時──ぱん太郎に初めて抱かれた日──、すずが持たせたという爆弾おにぎりをお裾分けしてもらったことがあったが、余り物の具を詰め込んだだけのぞんざいな作りだったのだ。「行人様が可哀想だわ。いくらぱん太郎様に心移りしたからと言って……」

「う、うん……気をつけるよ」

「でも、なんだかんだ言って……ぱん太郎様は度量が深いわよねえ。行人様が孤立するのは可哀想だから優しくしろとも言ってくれてるし……男は二人しかいないんだから、らいばるみたいなものでしょうに」

「行人のいる近くでえっちしたがるけど、本当に困らせようとはしないもんね。行人にも気を使ってくれてる……私、ぱん太郎様のそういうところも好き♥」

 ぱん太郎が行人に気を回すのは、女という女を彼から引き離して自分のモノにしたという優越感から来る余裕と憐れみであり、要はもう対抗馬とは見做していないという莫迦にした態度であった。すずとあやねに関しても、行人がこの二人に心を寄せるようになったのを見抜いて、以前と変わらぬ親しい付き合いをさせることによって寝取っている楽しみを持続させるためなのが主な動機であり、それは先ほどのように彼女たちの前でも度々公言している。

 だが、ぱん太郎の性愛の魔の手に心まで絡め取られてしまったこの純朴な少女たちは、もはや──愛しさを抱き始めた男に対して否定的な思考回路など持ち合わせられなくなっていた。

「本当、昔とは完全な別人みたい。何があったのかしら…………でも♥」

 あやねは頬を染めると、ぱん太郎の精子が詰まっている下腹部を愛しげに撫でさすった。最後の種付けから十分も経っておらず、陰部に残った交歓の余韻はまだジンジンと下半身を心地好く包んでいる。奥底の一番熱い部分を感じると、ぱん太郎の逞しい極太肉棒で掻き回されている時の気分が再燃しそうなほどの甘美感が揺り戻って来そうで、気を抜くとあっけなくその快感の余波が津波と化しそうであった。そうなったら全身の力が奪われ、この場に崩折れて動けなくなってしまうだろう。

「私たちを愛してくださっているのは、確かだし…………♥」

「うん…………♥」すずも同じように下腹部に触り、同じことを考えているような微笑みで頷いた。「もう……ぱん太郎様と赤ちゃん作るって……決めちゃったから…………♥」

 お互いに赤ちゃんが宿る場所をさする二人は顔を上げ、嬉しそうに蕩けたようなはにかみ顔で見つめ合った。ぱん太郎と関係するようになってからの日数は、すずで半年、あやねはその半分ほどでしかない。だが、ぱん太郎との濃密極まりないセックスの時間を重ねた回数は、もう数え切れないほどになっていた。

 妊娠や受精を意識させられながらの膣内射精の回数など、それこそ本当に────。

 いつもいつも、理性など一欠片も残らないほどの甘美な肉慾に蕩けさせられる。この世にこれほど気持ち好いコトなんてないと思うほどの快楽体験。ぱん太郎に抱かれてからだを重ね、逞しい極太肉棒でオマンコを掻き回され、永遠とも思えるほどの時間の中であの力勁(づよ)い射精を体奥で感じているのが────気付いた時には、言葉にならないほどの無上の喜びになっていた。種付けされまくってもいい、赤ちゃんがデキてもいい、このままずっとぱん太郎様とオマンコしていたい、中出しされまくりたい、離れたくない、ずっと一つになっていたい──などとしか思えなくなるほどに。

 愛されているという強い想いと生命が繋がる歓びで満たされまくった瞬間がすべてひとつとなる、黄金楽土の絶頂世界────!

 あの無上の桃源郷にずっと浸っていたいという思いすらある。

「行人様には申し訳ないけど……言いつけ通り、ぱん太郎様の子種を満たしたまま……働かないとね…………♥」

「うん……♥ 行人の傍にいる時に……受精してもいいように…………♥」

「漏らさないように気を付けなさいよ……? この格好だと、出てきたらすぐにバレちゃうわ……♥」

「あやねこそ、ぱん太郎様とのえっちを思い出して……ボーっとしちゃダメだよ♥?」

「フフ……お互い様よ♥」

「ぱん太郎様と子作りしてること……行人には絶対に知られないようにしないと…………♥」

「そうよ……絶対に……ね♥」

  微笑み頷き合うと、すずとあやねは嬉しそうに前を向いて歩みを早めたのだった。

 すずも、あやねも、どちらも本当に受精してもおかしくない身体状態であるのは、本人たちが一番よく理解していた。しかも、こんな有り様でついこないだまで恋慕の情を抱いていた筈の少年と会うというのに…………。

 それなのに、気後れや罪悪感など微塵もない表情をしているどころか、全身に喜びと充足が満ち溢れ、その皮を一枚めくればぱん太郎の極太肉棒で掻き回され、濃厚精液でドロドロに煮詰まったような愛慾が渦を巻いていたのだ。

 もはや収まりようがないほど広く、深い大渦が…………。

 ──あと少しもしないうちに再会する大切な少女たちの中身がここまで変わり果てているなど──清浄無垢を信じているすずとあやねでさえ、こうしてもう一人の男に子宮の奥深くまで完全支配され、オマンコの中は憎い男の精子が充満し、心までぱん太郎の白濁液まみれになったかのように変わり果てているなど。

 少年には想像すら出来ないことであった。

 

 

(つづく?)

 

 

 

 

 

 

最終更新:2024年02月04日 15:23