ながされて藍蘭島エロパロSS

 

『寝取られて』 第13話

 

 

 

 

 

 

 

  1

 

 

 時に人は異臭や物音で目が覚める。蘇る四肢の感覚と共にはっきりと分かる夢と現の境目。

 ...

 それを聞いた時、

(またか──)

と呆れたように思ったが、同時に、半ば無意識に耳を澄ませてしまっていた。

 

 

「──ぁ──ぁ──はぁ──♥」

 

 

 壁の向こう、押入れを隔てた隣室から届く桃色の音色。

 意識はまだ気だるく部屋の空気は冷えていた。起きる時間までまだ大分ある──そう体感した少女は寝返りを打って物音に背を向け、掛け布団を頭まで被り完全に覚醒する前に再び眠りに落ちようとした。

 

 

「はぁん──あん──だめぇ──はあ──はあっ──ああっ──♥」

「ぱん太郎様、ぱん太郎様ぁ──♥」

「あぁん──そこぉ──そこいいのぉ──♥ もっと──もっと──ああ~──♥」

 

 

 だめ、気になって寝られない。

「…………あーもう!」

 夜具をはねのけて起き上がった寝巻きの少女は音を立てないようにそっと障子を開き、部屋の外へ滑り出た。

 片廊下の外は墨を塗りたくったような真っ暗な空だった。家財を狙う泥棒などおらず、また温暖な藍蘭島では、強雨か台風でもない限り雨戸を閉める習慣がない。少し肌寒さを感じる夜気。まだ丑か寅の刻かもしれなかった。

 少女は板を鳴らさないようそろそろと忍び歩くと、隣室の障子の前で静かに足を止めた。

 二つ違いの姉の部屋──こんな夜更けに中ではまだ行灯が点されていて、障子紙に影法師が狂乱していた。それだけでも室内で行われている行為が尋常なものではないと解る。

 覗いてくださいと言わんばかりに僅かに開いた隙間から、先程よりもはっきりと女たちの嬌声や切ない吐息が漏れ聞こえていた。

 そう、それは一つではない。

 

「はぁっ、はぁっ、あはぁっ、だめッ、だめぇ、激しいっ──♥!!」

「ンアァ、ンアァ、ンアァアァァ……♥!」

「ぱん太郎様の指ちんぽ凄いぃ……いや、そこ、そこだめえぇん……♥!」

 

 耳馴染んでいる筈なのに、まるで別人のように聞こえる声たち──。

 ごくりと唾を飲み込むと、少女はその隙間に片目を置いた。

 仄暗い灯火に照らされて、壁や天井で妖しく踊っている4つの人影。美しい細身の女性が三人、横に繋げられた同じ数の蒲団の上に這いつくばり、一人の大男に向けて生白い尻を高く突き上げていた。女たちはいずれも艶やかな垂髪(たれがみ)で、うち二人は双子の小児と言っていいほど生き写しな顔立ちであったが、その一方は輝くばかりの銀髪で容易に区別がついた。そして、両者ともに妖艶な淫らさを満面に湛えた表情は明らかに幼子のそれではなかった。

 この夜更に女たちは寝巻きではなく巫女装束を身に纏っていた。が、袴は腰までめくり上がって白桃の双臀がすべて露わになり、上着も完全にはだけて豊かに実った乳房が六つ連なっていて、ひとつ残らずぶるぶると盛んに揺らめき、帯が解ければいつ脱げ落ちてもおかしくない状態であった。その着崩れ方は全裸よりも扇情的でさえあり、神に仕える清楚さなど欠片もなかった。

 そんな彼女たちのからだが前後に揺れ動いている理由は明白である。後ろにいる男が両腕も用い、三人の女陰を同時に責め立てていたのだ。

 

 ズチュッ、ズチュッ、ズチュッ!

 ズュポッ、ズュポッ、ズュポッ!

 

「ンンン! ンアアァ♥!」

「溶けちゃう、溶けちゃうぅ……♥!」

「アヒィィ♥! そっ、そこダメェ♥!」

 

 卑猥な音と声、そして淫水と微熱を撒き散らしながら、ぬかるみきった秘孔に男を咥え込み、腰を振り、しきりにからだをくねらせる美女たち。

 全員剃毛し、そこだけ童女に生まれ変わったかのようになった陰部は、雄根を迎え入れている柔肉の充血具合まではっきりと見えた。

 三人の──そう形容するのが最も相応しい──メス穴は、パックリと大きく割れ拡がり、真ん中は逞しいことこの上ない陰棒、左右では太い中指が咥え込まれている。

 ちづる、やしろ、まち──三人の龍神の巫女が、現世(うつしよ)にいるとは思えない恍惚の表情で、後ろからぱん太郎の肉棒と指によって激しく突かれ、全身を悦びに震わせながら啼き悶えていたのだ。

 特に高い声を出して喘いでいるのが、真ん中で指ではない本物の極太肉根の洗礼を受けているやしろであった。

「んはあぁ、はあぁっ、ああっ、んはあぁッ♥! パッ、ぱん太郎様の金精様が……奥の、奥までぇ……届いてるう……♥!!」

 細く小さなからだに打ち込まれる鼻白むほど巨(おお)きな肉杭。ぱん太郎は軽く腰を揺らしているだけなのに、それだけで腹腔をメチャクチャに掻き回されているとしか思えないほどやしろのからだと乳房は激しく弾んでいた。

 彼女だけではない。両隣にいるちづるとまちも、丸々と肥えた芋虫のように長い指を絶え間なく秘裂に出し入れされ、本物と変わらないぐらい喘ぎ悶えている。

 それなのに三人に苦しむ様子などひとつもないどころか、夢中になって仰け反り、あるいは背を丸め、ぱん太郎の腰遣いや指遣いに痺れきっているのだ。

 姉も、母も、曾祖母も。

 誰もが他の二人に負けないぐらいの声を上げ、劣らぬほど尻を揺らめかせている──。

 少女──あやねはまた、ゴクッと唾を飲み込んだ。

 今夜と同じように、この四人が睦み合っている現場を初めて目撃してから、もう一ヶ月は経ったであろうか。関係はその少し前からあったらしく、最初に見た時点で三人とも淫らに喘ぎながらぱん太郎の股間に群がっていた。代わる代わるぱん太郎の上となり下となり横となり喘ぎまくりながら絶頂に達する三人の痴態は圧巻という他なく、驚くやら呆れるやら、あやねは声も出なかったものだ。

(あのやしろ様までもが……)

 離れ小島にある真海龍神社にお役目としてずっと居続け、その場を離れることなど何年かに一度あるかないかという筈のやしろだったが、近頃、人目を忍んで頻繁にこの生家へ戻ってきている。理由は言わずもがな、こうしてぱん太郎に抱かれて歓喜に浸っている姿が全てだ。

 齢六十余、本来ならばとっくに老い衰え閉経していて然るべきの曾祖母は、並外れて高い霊力が肉体の若々しさを保ち、胸の大きさと髪の色以外、その容姿どころか肌の張りや艶めきさえも十代のまちと瓜二つであった。つまり、あやねよりも幼く見えるのだ。まだ子供も産める躰だという。

 龍神島から滅多に離れることのない曾祖母がどうやってあの男に籠絡されたのか、あやねには知る由もない。だが、姉や母同様、すっかりただならぬ間柄になっているこの目の前の光景が紛れもない“事実”であった。

「だっ……だめぇ……ぱん太郎様の大きすぎて……アソコが拡がっちゃうぅ……♥!」

 曾祖母の官能的な艶声であやねの意識は目の前の情交に引き戻された。

 それは悲鳴であって悲鳴でなかった。やしろの秘肉はねとついた淫汁にまみれながら精気漲った巨(おお)きい剛根をしっかりと咥え込み、変わることなく奥深くまで滑らかに迎え入れていたからである。

「うふふ……お祖母様ったら……還暦を過ぎて、本当に若返ってしまったんですか? 私の親をお産みになった穴なのに……♥」

「ぱん太郎様とのせっくすの佳さがわかっちゃったら……もう、ひいお祖母様も……きっと戻れませんわ…………♥」

 両隣の孫と曾孫が淫靡な微笑を浮かべ、顎を向かせながら交互にやしろの唇を奪う。

 

 

 ムチュ、ムチュ……ピチャ、ピチャ……

 

 

 血が繋がった者同士だというのに、互いの快楽を高め、吸い尽くさんとばかりに絡み合う濡れ舌。

「はあ、はあ……はあぁぁん……♥」

 銀髪巫女の背すじがさらなる官能に震えると、腰を振っていたぱん太郎も、「ののの……♥」と、溶けるような声を漏らした。

「やしろちゃんのオマンコがキュッキュッて、気持ちよさそうに締まるのん♥」

「はぁ、はぁ、はぁ……ああ、あっ、あぁあ……♥ も、もうだめぇぇ…………♥」堪えきれないといった風に腕を崩し、上半身を白い布団に這いつくばらせるやしろ。「だめ、だめぇ、そっ、そんなに突かないでッ、はっ、ひぐっ、イ、イクッ、イッちゃうぅ……♥! はあ、はぁ、あぁあぁ……♥!」

 やしろの嬌声が一層高まったのは、貫いている女の限界を悟ったぱん太郎がわざと抽送を速めたからであった。

「気にせずイッちゃえばいいのん」

 

 

 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ!

 

 

「んひッ、そ、そこぉ♥ ダメ、い、いけないわ、そんな、そんな……私にはだ、大事なお、お役目が……ひい、ひいぃ、ひい、ひいぃぃ…………♥!」

 それが口だけだというのは、身をよじってでも逃げようとせず、突かれまくる快感に痺れきっている彼女の反応が証明していた。

「お祖母様、一緒に、一緒に逝きましょうっ」

「三代揃って、ぱん太郎様と一緒に……♥」

「じゃあボクもそろそろ出すのん、皆んな一緒にイクのん♥」

 ぱん太郎の腰の動きがさらに小刻みになり始めたと同時に、まちとちづるの秘孔を往来していた指がくるっと下向きになってさらに奥へ差し込まれ、

 

「「ンアァァッッ♥♥!!」」

 

と、母娘のからだに電流が走った。その上体が降り、やしろと同じく蒲団に頬をくっつけると、三人は頭を垂れぱん太郎のされるがままに乱れ喘ぐだけになった。

 盛んに突き込まれる男根とそれを摸した指。

 その激しくも甘い刺激にビクビクとわななく高く掲げられた三つの白桃。

 

「ひい、ひい、ひいいッ♥!!」

「だめェ、だめェッ♥!!」

「イクイクッ、イ"ッちゃううぅ~ッ♥!!」

 

(三人とも──)

 あやねの喉が耳障りなほどの嚥下の音を鳴らしてしまう。だが、室内の誰にもそれは届かなかった。届くはずもなかった。

「の"お"ッ!」

 まずぱん太郎が低く鋭い一声を発し、四人の肉体がほぼ同時に強張る。

 

 

「「「──────ア"ァ~~~ッッ♥♥!!!!」」」

 

 

 龍神の巫女たちも恭順の意を示すかのように這いつくばりながら高々と尻を掲げたままからだを張り詰め、抑えを失った大きな叫び声を上げた。並んだ尻が、太ももが、一様にブルブルと震える。

 下半身を震わせているのはぱん太郎も同じで、

「のぉ~……の~…………♥!」

と、口端から涎が垂れるのも構わず呻きながら虚空を見上げていたが、しばらく経ったところでまだ射精中の肉根をやしろから引き抜き、部屋中にビュウビュウと濃厚な白濁液を振りまきながらちづるの背後に移って、入り口を定めるのももどかしく一気に貫いた。

「ン"アア~ッッ♥♥!!」凶器とも言える棍棒めいた極太柱をいきなり挿入されたというのに、ちづるのからだが喜悦に仰け反る。「熱い、熱いぃ…………♥!!」

「親子三代種祭りのん♥」

 ちづるの肉孔でも溢れ出るほどに射精すると、また躰を離し、ぱん太郎は最後に残った一番若い娘の後ろに立った。

「嗚呼……早く、早くぅ……♥」

 まちは自らの指で秘唇の肉扉を拡げて待ちわびていた。その陰奥の虚洞(うろ)からはとめどなく淫蜜が零れ落ち、中の柔肉が切なそうに蠕動している様子すら垣間見えた。

 その待ち焦がれる場所へ、待ち焦がれるモノが、孕ませ汁をしぶかせながら収められてゆく。

「アァッ、アアァ~~~♥!!」

 満たされてゆく声を張り上げ、軟体動物のように反り返るまちの背中。

 その表情には、かつてもう一人の異性に恋情を寄せていた面影はなく、今貫かれている男に、肉棒に、どこまでも満足しきっている顔であった。

「まちちゃんも早くボクの子を妊娠するのん。イクト君なんかに絶対渡さないからね♥」

 ぱん太郎の手がまちの尻をしっかりと押さえ付けながら、グングンと何度も腰を押した。ドロドロとした白濁の塊が結合部からボタボタと流れ落ちてくる。

「あぁ……あぁ…………♥」

「まちちゃん、いい顔してる……♥」

「もうすっかり……まちさんもぱん太郎様のモノね……♥」

 やしろはちゃん付けをし、ちづるはさん付けをする。惚けた笑みを浮かべる母と曾祖母に見つめられる中、まちは同じように緩んだ表情でぱん太郎の射精が終わるまで子種汁を胎奥で受けきり、やがてずるりと引き抜かれても、からだをわななかせながらその場から動けずにいた。

 ──裂け目から濃厚な白濁粘液をコポコポと溢れさせた尻が並び、三つの白滝が流れ落ちる光景が生まれる。

 ぱん太郎は犯した女たちが彼の子種をしっかりと受け止めた状態であることを満足そうな笑みを浮かべながら眺めると、

「じゃあ次は、いつもボクの頼みを聞いてくれるまちちゃんからのん♥」

と、まだボーッとしているまちのからだを抱え上げてあぐらを掻き、対面座位で退魔巫女を貫いた。

「ンアアァッッ♥♥!!」

 その挿入だけでイッてしまったのか、雷に打たれたように仰け反って潤みに満ちた大きな声を上げる童顔の少女。小柄なからだが指先まで痙攣し、ぱん太郎にしがみつく。その姿は幼な子が父親に抱き付いているようでもあったが、豊かすぎるほどに大人の曲線を描く肢体はそんな幻想をあっさり霧散させる。

 しばらくはぱん太郎がまちの尻の底を支えながらゆっくりと少女のからだを上下に動かしていたが、その刺激でだいぶ意識が“マシ”になってきた様子のまちの耳元で、

「自分で動いてみる?」

と囁くと、彼女は「ええ……」と従順に頷き、ぱん太郎の両肩に手を置いて脚を拡げ、膝をつきながら腰を落とし始めた。

「あっ……あっ……あっ……ああっ……♥」

 袴がぱん太郎の手によって捲(めく)り上げられたため、細い両脚の付け根、双臀の陰に太々とした隆起岩がまちの秘裂へまっすぐ突き刺さり、濁った汁を滴らせながらぬるぬると出たり入ったりを繰り返しているのがあやねの位置からもよく見えた。

「あっ……あっ……ぱっ……ぱん太郎……様ぁ……♥」

 頭の高さが同じになるとまちの方から顔を近付け、鼻先を擦り付けながら甘く訴える。

「気持ちいい、まちちゃん?」

「もちろん、よ──……♥」

 頷きながら即答したまちは、内股をぱん太郎の体液でしとどに濡らしながら下半身を貫く肉棒を美味しそうに咥え込み続け、ぱん太郎の頬や首すじにキスの雨を降らせる。

「抱かれる度に、おかしくなるぐらい……貴方のモノに、されて、種付け、られて──気が……狂って、しまいそう……ですわ……♥」

「まちちゃんは日頃からボクのために働いてくれてるから、ご褒美もたっぷり上げなきゃって思ってるのん」

「嬉しい……♥」

 大男の太い首を掻き抱くと、まちは愛おしそうにちゅっちゅっとぱん太郎と口づけを重ねた。

「ああん、私たちにも……♥」

 左右からやしろとちづるも身を寄せてきて、ぱん太郎は三人の垂れ髪美女に次々とせがまれて接吻を繰り返す。

「ホラ、まちちゃんのおっぱいも吸ってあげるのん」

 ぱん太郎に命じられた二人が、

「うふ……まちさんの乳首、乳輪までふっくらと膨らんでますよ……」

「私よりおっきなおっぱい、憎らしいわ……♥ なめなめしてあげるわね……」

と、それぞれ片方ずつ、まちの乳房を口に含んだ。幼い容貌に不釣り合いなほど熟した双つの果実。綺麗なピンク色のへたを母と曾祖母の舌がぴちゃぴちゃと音を立てて這い、身の詰まった肉を唇と指がつきたてのもちのように柔らかく変形させる。

「あっ、だめ、あっ、ああっ、だ、だめぇ……♥!」

 たまらずに動きを止め、喉を震わせて身悶えるまち。

 代わりにまたぱん太郎が動き出し、軽く突きながらまちのからだを徐々に下げてゆき、ついには褥に寝かせると、その間ずっとまちの乳首を舐め続けていたやしろとちづるが、

「「んふうぅッ♥!」」

と、声を上げて痺れた。先程と似た犬のような姿勢になっていたところへ、また、ぱん太郎の指が両者の秘所へ侵入してきたのだ。

 再び四人が一つに繋がる絡み合いが始まったが、今度はまちだけが大きな声を張り上げていた。

「あっ、あっ、だめ、ゆるして、あっ、あっ、あっ♥、おかしくなる、おかしくなるう♥、あっ、だめ、あぁっ、ああっ♥!」

 剛棒で蜜壺をゆるやかに突き回されながら両乳首をねっとりと舐められる他に、陰核にまで肉親二人の指が届いていた。肉棒が出入りしているすぐ上で包皮からちょこんと顔を覗かせている肉豆。だがそこには直接触れず、周囲を優しく撫でたり、両側から挟み上げたり、女同士だからこそ、それだけで感じてしまうことを知っている仕草──

「ああ、ああ、だめぇ、だめぇぇ……♥!!」

 まちの顔が真っ赤に染まり上がり、嬉悦の涙を滂沱と流しながら身をよじる。そこにはあやねの知っている、取り澄ました表情で意地悪い謀(はかりごと)を巡らせたり、退魔の術式や合気術を鮮やかに決めたりする強(したた)かな姉はどこにもなかった。ひたすら女の悦びに浸る、男を知った一人の女であった。

「ののの、まちちゃんのナカが凄いことになってるのん、これじゃすぐ出ちゃうのん♥」

 ぱん太郎はやしろとちづるの秘陰から手を離すと、まちの腰を抱えて浮かし、腰高位で抽送速度を上げた。

「イクよまちちゃん、出すのん」

「アアッ、来てっ、来てェッ♥!!」

 まちの脚が目一杯、ぱん太郎の太い腰を挟む。

 ちづるとやしろに艶羨される中、息を合わせて絶頂に向かっていく男女二人。

「ああッ、はげし、おく、そこ、そこ、イイ、イイのぉッ♥!!」

 ぱん太郎の剛(つよ)い侵入を受け止め、頭頂を蒲団に擦り付けながら、喘ぎに喘ぐまち。ぶるんぶるんと盛大に弾む乳房。「イク、イクッ、イッちゃうぅぅ…………♥!!」

 彼女の小さなからだを壊さんばかりに激しく突いていたぱん太郎が、

「のののの……!!」

と、突き進んだ姿勢でぐんと海老反った。それと共にまちも、「ンアァァ……♥♥!!!!」と、追い詰められた甲高い嬌声を上げながら四肢を震わせる。

 中空に高く浮くまちの美脚。

 凝固する時の営み。

 躰を震わせる二人。

 強く結ばれたその真下に、研ぎまくった米の汁に飴の粘りを加えたような白濁の団塊がドロドロと流れ落ちる。先程のように抜く気配はない。ぱん太郎の濃厚で途方もない量の子種が、まち一人の胎内に注がれているのだ。

 それをはっきりと感じ取っていると窺い知れる、

「ア、ア、ア、ア…………♥!!」

 蕩けそうなほどの淫声が室内に満ちた。

 

 

 あやねはギュッと目蓋を閉じると、障子から離れ立ち上がった。

(……これ以上見てたら、私まで気が変になりそうだわ…………)

 そう思いながら自室へ戻り頭まで深く掛け蒲団を被った。廊下に長居したせいで躰が冷え冷えとしていたが、頭や胸の奥はカッカッと火照り返っていた。行人ではない男の精を注がれている姉の声はいつまでも耳の奥で途絶えることがなかった。

 種付け──

 あやねも覗き見しているうちにそれがどういう現象なのか理解できるようになっている。あのネトネトとした白い粘液が男性特有の体液、つまり子種で、あの白濁が女の性器の中へ注がれることによって新たな命ができるらしい。それは学校の授業でも習った──教えたのはまちだ──ことだったが、実際に自分の目で確かめられるとは思いもしていなかった。

(お姉ぇ様……行人様のことは……もう……どうでもいいの……?)

という思いがあやねの脳裏をかすめたが、こうまでなっていては、もうどうでもいいのだろう──と、思わざるを得ない。それぐらいまちはぱん太郎に首ったけであった。行人に対する好意がそっくりそのまま移ってしまったかのようだ。以前はあやねに負けないほど行人を追い求めていた姉の姿が思い浮かぶ。だが現在、ぱん太郎へ向けられているまちの目つきは、その時行人へ向けられていた思慕の眼差しと何ら変わりなかった。

 いや、姉だけではない。母のちづるも、曾祖母のやしろも。それに、他の女たちも…………。

(皆んな……あんなのに惚れて──こ、こ、こ──子作りを…………)

 あやねの顔がボッと燃え上がり、恥ずかしさのあまり蒲団の中でわたわたと暴れてしまう。

 ぱん太郎が再び現れるようになってからまだ半年も経っていない。それなのに気付けば何処へいってもやれ誰がぱん太郎と一緒にいた、やれ今度はあの子とも懇ろな関係になった、やれあの子の月のものが止まった、つわりが来た、腹が膨らんできた──などといった噂話ばかりが出回るようになっていた。狭い集落ではその辺の情報の伝播はあっという間なのだ。

(確かにオババは子供を作れとは言ったけど……)

 強制ではなく各人の判断に任せるとも付け足した筈だ。つまり拒んでもいいし、そう、ぱん太郎の求愛など無視してもう一人の男である少年を選んだっていい筈──。

 その結果が──
 今やほとんどの女がぱん太郎に躰を許しているという現実であった。

 急速に変わりゆく周囲に、あやねはしかし、ふうん何よといった感じでどこ吹く風な態度を取っていた。他人は他人、自分は自分。それどころか競争相手が勝手に脱落していく幸運に感謝したいぐらいだった。

 だが、実際の現場を見てしまうと──意識せずにはいられなくなってしまった。

(殿方とどんなコトをすれば子供ができるのか謎だったけど……まさか、あそこまでだったとは…………)

 隣室からの甘ったるい合唱はまだ聞こえて来る。再び母と曾祖母が加わったようだ。今度はどのようにして絡み合っているのか──想像もつかない。

 野外で行為に耽っているところも何度か見かけたことがある。姉、それに母も種を仕込まれている場面は各二度ほど、他にもちかげが大股を開いて痴女と化したような声を上げながら突かれていたり、まだお腹の膨らみの目立たないりんとみことが二人揃って口と胸で奉仕していたり。ゆきのの母親であるかがみや、剣の修行を放り出したしのぶが自分からぱん太郎を草むらに引っ張り込むのを見たこともある。

 皆がぱん太郎とあんな行為をしている。それも誰も彼もが我を喪うほどの乱れようで、いやらしく交わり、ぱん太郎の子種をうんと注がれて悦んでいるのだ。あんな凶悪そうなデカブツを股の間に捻り込まれ、体内であんなに大量の汁を吐き出されているというのに……むしろそれがこの上ない気持ち良さを生み出しているかのような喜びようなのだ……。

 興味がない、と言えば嘘になった。だがそれは男女の交歓や子作りに対する好奇心であって、あの中に自分も加わりたいという気持ちではなかった。

 あやねはそば殻枕でバフンと頭を覆い、隣からの物音を遮断した。

(私は行人様一筋なんだから!)

 しきりに内股を擦り合わせる。声は聞こえなくなったが、躰の芯に燻る火照りは埋め火が置かれたように衰えない。

(もし、こ、こ、婚前交渉を、行人様とできたら────)

 行人と口づけした感触が思い起こされる。あやねは瞳を潤ませながら小さく開いた唇をなぞった。だいぶ月日が過ぎているし、両者の意思に関係ない事故とも言えるが、いまだ色褪せることなく覚えている。

 もし、あの時に子どもを作るやり方を知っていたら──

(いやんいやんいやん!)

と、枕を掻き抱きながら気味が悪いほどの笑顔で身悶えるあやね。

 姉もぱん太郎の女になってしまった以上、残っているライバルと言えばあと一人ぐらいしか思い当たらない。

(一番厄介な娘だけど、この私の美貌と器量であたっくすれば、行人様はもう手にしたも同然よ……うひひひひ……!)

 幸せな妄想に浸りながら、いつしかあやねは抱き締めた枕に涎を垂らして寝入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

  2

 

 

 それは頭のどこかでは幻だと解っている、だけど見ている間はそういった意識はなく、醒めた後で夢だとわかる世界。

 曖昧にぼやけていても、四肢が自由にならない感覚があっても、意思に関係なく情景が移り変わっても。

 最先端科学でもまだ明らかではない領域。

 

 見覚えがあるような大きな屋敷の前に立っていた。

 玄関の戸を潜り薄暗い土間に入ると、家の奥から悲鳴にも似た、やけに甘ったるい声が聞こえる。

 ああ、“また”か──と、そう考えたことに、この時のボクは気付いていない。だが、脈拍は跳ね上がらずにはいられなかった。

 足は広間に上がって声のする方へと運ばれる。

 襖を開くと、部屋一面に敷かれた蒲団の上で何人もの少女が裸で寝乱れ、淫猥な媚声を上げながらからだをまさぐり合っていた。ペニスを象った木製の性具を使ってる女子もいた。狭い郷里の内、すべて見知った顔。その中には特に親しい子も何人もいた。

 彼女たちは一様にこちらを見て微笑むと、また行為に耽ってゆく。

 奥にもある襖の向こうから、ギシ、ギシ……と、何かが軋む音がする。

 それとともに聞こえる一つの嬌声。

 

 

「ふぁっ……あっ……あぁん……♥ んあ、んあ、ああぁ……♥!」

 

 

 若い女の蕩けそうな声音。そう、さっき聞いたのはこれだ。この部屋の少女たちよりひときわ高く、そして──十分に聞き馴染んだ声音──

 心臓のあたりに締め付けられるような痛みが走る。以前よりは幾分和らいだ感じがするが、それでも暗澹とした気分になる。

 襖の手前まで来ると指が細い隙間を作り、向こう側を覗き見た。

 目が大きく見開く。

 古民家の中にあるとは予想しなかった洋風寝室であった。洋室に襖や障子など一部おかしい部分もあったが、アンティーク調の家具や装飾といった内装が凝らされ、明治時代あたりからそのまま持ち出してきたような情緒感に溢れていた。

 だが趣ある造りが瞠目した主因ではない。

 多人数で会合が開けそうなほど広い部屋、その大半を占める巨大なベッド。

 優に十人は並んで横になれそうなほどの幅があり、縦も長い。豪華な天蓋もこれまた目をひく。布団やシーツなども作りたての上物。

 この途方もない大きさの立派な天蓋ベッドを、たった二人の人間が使っていた。

 白いシーツの海の中で髪と肌の二色になった男と女──真ん中で横に寝そべってくっつき合い、背後の巨漢に小柄な少女が身を預けるように抱き込まれた姿勢。

 柔らかなベッドに躰を沈ませて仲睦まじそうに密着しながら、少女は片脚を持ち上げられて結合部も露わに、男に後ろから腰を打ち付けられていた。まさに性行為の真っ最中であった。

 主因はこれであり、声の主もその少女であった。

 目を背けたい。耳を塞ぎたい。

 でも出来ない。この景色は少しの停滞も歪みもなく続く。男の隆々とした太いペニスが非の打ち所がないプロポーションの少女のアソコに出入りし、胎内で肉が掻き回されるグチョグチョという生々しい音まで聞こえる。

 熱い二つの息遣いとベッドが軋む音、肉体と肉体のコラボレーション。

 少女は長い栗色の髪、そして特徴的な大きな青いリボン──

 

 

 

 ────すずが、ぱん太郎と愛し合っていた────。

 

 

 

 リボンと白いオーバーニーソックス以外は何も身に纏っていなかった。だがそれがかえっていやらしさを煽っているのかもしれない。最近さらに肉感が増した気がする──それでいながら太ったわけではない──すずのからだから匂い立つなまめかしさが、それに拍車をかけていた。

 そのからだがぱん太郎の腕の中にあり、そのむちっとした両脚の付け根に第三の脚と見まごうばかりの太く巨(おお)きな陰茎が突き挿さっている。麗しい豊潤な宝石が何者に邪魔されことなく、慾望の権化に弄ばれていた。

 こんなコトをされているというのにすずは厭がっていない。それどころか惚けた顔を紅潮させ、ひたすら感じている喘ぎ声を出している始末だ。

 ぱん太郎の赤黒い肉棒が緩やかなペースですずの中を往来しながら、二人は何度も、何度も、ねっとりとしたキスを交わしていた。すずの顔が下で、パン太郎が上で……。口づけを交わしながらも器用に腰を動かし肉棒の出し入れするパン太郎。どちらの恥部にも陰毛が見当たらないのに気付いたのはその時だ。500ミリリットルのペットボトルサイズはある肉厚の剛刀がすずの大事な部分にスムーズに抜き差しされるのが嫌でもよく確認できてしまうわけだ。

 たまにアイツの顔が離れたかと思うと、鼻先を擦り合いながら睦み言を囁いたり、乳首を吸ったり舐めたり、或いは下半身の動きだけに集中したり──

 余計な肉がつきまくっている巨漢のぱん太郎だが、その体格はデブというより力士然としていて筋肉質ですらある。全身に漲った精力を下半身の一点に集中させてすずを貪っている様は、まさに凝り固まった性欲の岩塊といった風情だった。

 アイツの粘っこい責めがどんなに変化しようと、すずはうっとりと、夢にたゆたっているような表情で受け入れていた。本当に少しも厭がる素振りなど見せない。アイツの指が、口が、舌が、すずのからだのあちこちに降り注ぎ、そして肉棒がいやらしく抜き差しされるのに対して、ずっと気持ちよさそうに受け止め、喘ぎ続けているのだ。

 二人の肌に浮き出た汗が演技でないと示すと同時に、本気で交わっている淫靡さを演出していた。

(くそっ……くそっ……)

 動きたくても動けない。声も出せない。まるで自由にならない四肢。ボクはこんな光景をただ黙って見つめているしかないのだ。

「すずちゃんのオマンコ気持ち良すぎ……もう堪えられないのん、一回出していい?」

 ぱん太郎は腰を動かしながら、それが何事でもないような軽い調子で訊ねた。すずも何ら躊躇わず、それどころか淫蕩な微笑すら浮かべて頷きながら、

「いいよ……いつでも……出して……♥」

と、“女”の潤いを帯びた声──

(出すって……生で……中に、だろ……? なん、なんで──)

 なんでそんな簡単なやり取りだけで済むのか…………。

 

 ズチュッズチュッズチュッズチュッズチュッ!!

 

 「にゃあっ、あっ、あっ、にゃぁあっ、あぁっ♥!」

 片側の乳を揉みしだきながらぱん太郎の腰が忙しくなり、すずの声も高まる。

 相変わらず見せつけるように片脚が持ち上げられたままで丸見えな秘所に肉太の男根が激しく抜き差しされ、その度に透明の汁が零れ、飛び散りまくる。すずの体液だろう。女性も本気で感じていなければこんなにも溢れて来ないというのは、何となくでも想像できた。

「すずちゃん、すずちゃん、愛してるよ……!」

「わ、私もおっ……♥!」

 激しい抽送と乳揉みを続けながらぱん太郎はすずの唇を奪う。隙間から舌と舌が蛇のように絡まるのが見え隠れする。

「ふぁン……ン……ンンウ…………♥」

 顔を押し付ける二人。チュウチュウと吸い合う音。

 すると、ぱん太郎の腰がグッと突き出すかたちで止まり、下半身が硬直したように震えた。

 

「ンフゥッ、ンアッ、ン、ン、ンアァァ…………♥!」

 

 口づけしたまま、すずのからだもビクビクと震える。高々と持ち上げられた片脚がつま先まで痙攣する。

 

 すぐに繋がった部分からゴポリ、ゴポリとクリームのような白濁が溢れてきて、すずの生白い太ももを伝い、シーツの上に滝壺を作っていった。

 

 お互いに鼻息を乱れさせ、躰を震わせながら、上も下もずうっと繋げ合う二人……。

 

 ──やがて、ぱん太郎がようやく顔を上げると、唾液の糸が太く引いて切れ、名残惜しそうに伸ばされたすずの舌先に落ちていった。

「……すずちゃんもけっこうイッたみたいだね。何遍もキュウキュウ強く締め付けてくるし、舌が震えて動かなくなるし♥」

 そう言われると、すずは、

「うん……♥」と、陶然と目を細めながら答えた。「ぱん太郎様の射精……長いから……その間に何度もイッちゃうの……♥ それに──」

「ずっとチュウしながらだと、また格別でしょ」

「うん……♥ すごかった…………♥」

 すずは嬉しそうに男の首根を掻き抱き、二人はまた口づけを始め、同時に肉棒の抜き差しも再開された。

 口づけが終わると寝バックに移り、すずの下半身を押し潰さんばかりに密着したぱん太郎が鼻息も荒く腰を打ち付ける。余裕がたっぷりと籠もった、長く時間をかけたストローク。両者ともハの字に脚を広げているため、これまた二人の境目が無くなった部分がよく見えた。

 長く綺麗な脚を寝そべって伸ばしたすずの、言葉がないほど美しいラインのふっくらした双丘。ぱん太郎が腰を打ち付けるたびにパンパンと乾いた音を立ててその尻肉が潰され、シェイクされた体液の泡(あぶく)にまみれる秘裂。そこから肉棒が引き抜かれる拍子に掻き出されて飛び散る精液。それは無慈悲なほどに穢れ、扇情極まりない光景だった。

 そして、そのぱん太郎の侵入によって紡ぎ出される爛れた淫声。

「にゃあ……あぁ……にゃぁん……♥ ぱん太郎様のオチンチンが……ああぁ……みっちり……奥までぇ…………♥」

 あちらの壁を向いているすずが今、どんな顔をしているのか……確かめずとも分かる気がした。

 腰を回したり、深く進んで奥をほじくるように突いたり、たまに壊れそうなほど激しく腰を振ったり、抽送にもバリエーションを付けて好き放題にすずの中を蹂躙するぱん太郎。そうやってすずが声の潤みを特別高める時、決まって彼女の耳元に顔を寄せ、淫猥な言葉を囁く。すると、すずはさらに感に堪えないように喘ぎ、嬉しそうに喉を鳴らすのだ。

「にゃあぁん……♥ だめぇ、だめぇ……♥ オマンコが壊れちゃう、壊れちゃうよぉ……♥」

 耳にいつまでも残って取れない、どんな甘味にも勝る響きを帯びた囀り──

「壊れるわけないのん、こんなにえろ柔らかくなったすずちゃんの底無しマンコ♥ それでいてチンポが食い千切られそうでこっちが負けちゃいそうのん♥」

 男と女の営みは最初は妖しく爛れたように、徐々にボルテージが騰がってゆき、二人は言葉が少なくなっていく代わりにさらに動きが合わさるようになり、上体を反らしながらともに喘ぎまくる。すずの方が声量も身悶える様も激しかった。

 淫液の飛沫がすずの臀部を広範に濡らし、パチュン、パチュン、パチュン、パチュンと、次第に水っぽさが混じった音になる。光沢が生まれた柔肌のいやらしいてかり具合ときたら──!

 彼女の腰の揺れは完全にぱん太郎の抽送のリズムに合わせられ、その動きだけでも行為に夢中になっているのがありありと窺えた。伸ばされたすずの両脚が爪先まで痺れが走り、特に内ももが細かく震えている。

 すずの中にどこまでも容易く呑み込まれるぱん太郎の長大な雄魁。その存在感は気圧されるほどだ。

 女性を次々と虜にしている悍馬のような肉棹が、すずのオマンコを味わい尽くしている。男なら自然と劣情を抱いてしまうほどの美体が、骨の髄までアイツにしゃぶられている。ぱん太郎の極太肉棒は並の男では到底届かない秘められた奥地まで到達し、常人以上の肉悦をすずに与えているのだろう。それが二人にさらなる昂奮と快楽の一体感を生み出しているのだろう。

「のの、のの、凄い締まりのん……♥ 後ろからされるの、すずちゃんもすっかり大好きになっちゃったみたいだね……♥」

「うにゃあぁ……♥」首を曲げてぱん太郎と見つめ合うすず。その顔は快楽に煙(けぶ)り、真っ赤に潤みきっていた。「ぱん太郎様になら、前からでも、後ろからでも……どんなにされても……いいよ…………♥」

「愛いのん愛いのん♥」

「にゃあああっ♥!!」

 すずの艶声がひときわ高まった。発奮したぱん太郎のピストンがより激しくなったのだ。

 

 ズチュッズチュッズチュッズチュッズチュッ!!

 

「うにゃぁん、ぱん太郎様のおちんちん、もっとおっきくなったよぉ……♥!」

 すずの発する声、淫液にまみれてアイツと重なり交わっている下半身。

「すずちゃんの子宮をボクの孕まし汁で満たしくッて仕方ないのん、すずちゃんにボクの赤ちゃん孕んで欲しくて仕方ないのん♥」

「にゃぁん、うにゃあぁ…………♥!」

 その言葉を聞いただけでイッてしまったかのようにからだを震わすすず。

 ボクが知っている彼女はもう、どこにもいない──と言いたかったが、それでもすずはすずだった。あの声、あの仕草、あの容姿。切り離せないほど普段の面影は色濃く、もしすずが愛し合うことを覚えたら、こんな風に乱れるのかも知れないと思えるぐらい──これが夢じゃないと思えてしまうぐらい──

 そんなことを考えていると、ぱん太郎がそろそろ出すよと言ってスパートをかけ、さらに精悍に腰を打ち付け始めた。

「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ♥♥!!」

 ぱん太郎の躰に包み込まれたすずは、ふかふかのクッションに顔を埋めてすすり泣く。

 昂奮に駆り立てられるままに激しく腰を振りながらイクよ、イクよ、出すよ、出すよとアイツが連呼すると、すずも、

「来て、来て、出して、ぱん太郎様の熱い精液……! 私の中に出してぇ、びゅるびゅる出してぇっ……♥!!」

と、切望するように応える。

 先に放った精液がほとんど掻き出され、アソコの肉がめくり上がるほどのピストン運動。ぱん太郎とすずが息を合わせて一つの頂点に到達しようとし、そして、

「のおおお……♥♥!!!!」

「──ンニャッ──ニャアァ……ッ♥!! ──ニャアァアアァ…………♥♥!!!!」

 ほぼ同時に最高潮に達した二人は、からだを強く震わせて今にも死にそうな息詰まった声を上げた。すずが圧死してしまうのではないかと不安になるほど奴の巨体がのしかかり、パンパンに膨れ上がった怒張がすずの秘陰にこの上なく深く埋め込まれる。

 ズクン、ズクンと陰嚢と肉棹が強く脈動し、すずの胎内に新たな精液が送り込まれているのが、僅かな隙間から覗き見えた。これで妊娠しなかったら嘘としか思えないほど濃密な色つやの白濁液が瞬く間に溢れて来て結合部を覆い隠す。それでも何度となくすずの秘奥に押し込まれる生殖棒。すずの胎奥に己の種を少しでも多く送り込み、すずを孕ませることしか考えていない動き。すずにはボクという同居人がいることを奴は知っているのだろうか。ぱん太郎は躊躇いもせず、すずの中へ己が精子を送り込み続ける。

 アイツの放精は見廻りの時に見たことがある。森の中でりんが妊娠中だからとぱん太郎の足元に跪(ひざまづ)き、ただでさえ大きかったのが明らかに以前より育っている胸と紅唇で奉仕していて、アイツが絶頂に達するとそのまま口内射精が始まったのだが、途中で飲みきれなくなったりんがむせながら顔を離すと、白濁の散弾がもの凄い勢いで樹上まで噴き上がったのだ。しかも“連射”で。りんはだいぶ長く受け止めていたのにも関わらず、肉茎は圧縮されたバネのように何度も何度も弾み、空に消えるほどの噴射がひたすら続いた。呆れるとともに、どれだけ強靱な男根なのかと驚愕した覚えがある。

 “あれ”を胎内で放たれているすずの悶えまくった嬌声が、彼女が今、どれだけの実感を味わいながらパン太郎の射精を受け止めているのかを何よりも雄弁に報せていた。

「のの、のの、すずちゃんの子宮口……みっけちゃったのん……♥」

「にゃあぁん、あぁあン、だめぇ、だめえぇ…………♥」

 何だか覚えのある気がするやり取り。あの太くて長いペニスはきっと、すずの膣を最奥まで征服し尽くしていて、子宮がある場所まで届いているのだろう。その入り口を探り当てられたすずは、直と言っていい近さからぱん太郎の濃厚すぎる精液を叩き付けられ、その勢いと量に相応しい数の精子を子宮の中に流し込まれているのだろう。

 もう既に何人もの女子を孕ましまくっている飛び抜けて濃いぱん太郎の子種が、すずの子どもを作る場所に容赦なく放たれている──しかも二発目が。

「あぁ……あ……あぁぁ……♥!」

 種付け射精を、いや子宮直射を受け続けるすずの、脳みそを蕩かすような官能に満ちた悲鳴。人間はこんな声を出せるのか。

 すずが──ボクの家族同然にもなった子が。生涯決して忘れられないだろう思い出の中にいっぱい詰まっている可愛らしい女の子が。

 そんな少女がボク以外の男に股を開き、生でセックスし、中出しされる光景──。

 だが、彼女自身が悦んでその種を迎え入れているのだ。すず自身がぱん太郎に種付けられることを認めているのだ。

 避妊もコンドームもない。何の誤魔化しもなく、遮るものなどなく、アイツに征服されたからだの奥で、すずの子宮にぱん太郎の精子が、両者の望みによって送り込まれる。

 すずも赤ちゃんが産める躰になっているということなのだろう。もし排卵しているとすれば、すずの卵子とぱん太郎の精子は今の二人のように結ばれるに違いない。すずはぱん太郎の子を身篭もるのだ。

「すずちゃん……ボクとキミの赤ちゃん……作ろうね……♥」

「うん……♥」

 一線を越えた男女が最終的に辿り着くところ。

 ──長い長い受精の時間だった。妊娠するしないの問題ではなく、新しい命を作るという意志で満たされた時間。

 すずとぱん太郎は恋人のように、いや、夫婦のような親密さで交わった末に、遺伝子レベルで繋がり合おうとしている。本来ならば結婚しなくては越えてはいけない壁は、今ここにはなかった。ぱん太郎は婚姻を結ばずとも村の女は誰だろうと抱くことを許可されている。同意があればすずであっても。だから、彼女さえうんと頷けば、この光景は現実のものとなるのだ。現実ですずはこうしてパン太郎に抱かれるのだ。え、現実って何だ。あ、そうか、これは──

 ぱん太郎の女となったすず。

 二人はずっと一つに蕩け、最高のひと時を味わっていた──。

 

 

 しばらくして、ようやく時が刻むことを思い出したように脱力した空気が漂ったが、あれだけ昂奮し精を放ってもまだぱん太郎はペニスを引き抜こうとしなかった。

 ハメたまま体勢を変えてすずをまんぐり返しにし、奴は壁を向いて再び肉棒の抜き差しを始める。すずの頭上でスクワットの途中のような姿勢でフンフンと鼻息をつきながら腰を振るぱん太郎。
 からだをこちらに開いたすずもまた喘ぎ出す。結合部からぶるんぶるんと盛大に揺れる乳、大きく開いた口から舌を覗かせているすずの快感に酔い痴れた表情まで、ちょうどいい角度で何もかもがが余すところなくボクの眼前に晒される。恥部からブチュブチュと押し出されるザーメンがまるで火山の噴火だった。白濁粘液は逆さになったからだを溶岩のように流れ落ちて首や肩まで届き、あるいは飛沫が髪に染みを作り、すずの全身が淫らな汁でぬめってゆく。

 だが、すずの意識はただひたすら、アイツの極太ペニスで胎内を掻き回されることにあるようだった。

「にゃああ、だめ、だめぇ、にゃぁ、あぁ、すごい、これ、深いよぅ、ああ、そこ、あぁ、にゃあ、にゃああぁ…………♥!」

 目をギュッと瞑りながら色っぽい艶声で絶え間なく喉を震わせるすず。拡げた両脚の膝が頭の横につくほどからだを折り曲げたあられもない体勢だったが、躰の柔らかい彼女には何ともないようだった。

「のの、ののっ、すずちゃんわかる?、すずちゃんの子宮コンコン叩いてるの、入り口コツコツ擦ってるの、また注いであげるからね、すずちゃんの子宮にまだまだボクの精子注いであげるからね」

「ああっ、だめぇ、昨日も、一昨日も、イッパイ注がれたから、もう、ぱんぱんなのにぃ……♥」痺れたように四肢の先端までわななかせ、下腹部を両手で包むすず。「もう、私の子宮、ぱん太郎様の精子でイッパイで、重くて、タプタプいってるんだからぁ……♥」

 昨日も……一昨日も…………?

「のんのん♪ そんなコト言って、今締まったのん、すずちゃん感じちゃってるのん♥ ボクにもっともっと種付けされたいって、もっともっとボクと一つになりたいって、ココがそう言ってるのん♪」

 そう言ってぱん太郎はさらにピストンを速め、グチュグチュとすずの秘肉と擦れ合う粘質な音をいっそう掻き鳴らし始めた。

「ひにゃあぁあん♥! にゃぁ、あぁ、ああ、いいっ、いいのぉ、そうなの、ぱん太郎様のチンポッ、チンポ、もっと、もっとぱん太郎様のチンポと、一つになりたい♥! にゃあぁ、子宮コンコンしてるよぉ、もっと、もっと来てぇ♥! もっとズポズポしてぇ、もっと私の子宮にせーえき注いでぇ♥!」

 すずの喘ぐ表情は凄かった。さっきと逆さまのことを本気で言っていた。こっちが本心なのだろう。本気でぱん太郎を、アイツの肉棒を、アイツの精液を求めているのだ。アイツに種付けられるのを望んでいるのだ。限界まで脚を拡げ、乳首は腫れ上がるほどに勃起し、涙と涎を溢れさせ、あんな体勢であの巨根をズポズポと根元まで滑らかに出し入れされて、夢中で悦び悶えていた。章魚のようにぐんにゃりと力が抜けたからだから放散される淫靡なフェロモンが目に映るようだった。

 他の娘(コ)と同じくすっかりぱん太郎の女にされ、セックスの快楽に囚われ、理性を喪った目で溺れきったすず──

 昂ぶるままに肉欲を貪る二人がまた昇り詰めるのは早かった。ぱん太郎は野太く呻きながらすずの双臀を鷲掴んでぐっぐっと腰を押し付け、奴曰く、すずの子宮の入り口に先端を擦り当てて、すずの子宮に貯蔵される精子を確実に増量させてゆく。

 すずは喉から可愛い音色を奏でて逝きながらも、ほぼ真上から瀑布のように落ちてくる大量のザーメンを顔に浴び、口の中に溜まってゆく粘液をクチャクチャと下品な音を立てて咀嚼して、美味しそうに飲み続けた。

 

 これでもまだ終わりではなかった。寝そべったぱん太郎がすずを上に乗せて背面騎乗になると、奴が動かずともすずは自然に腰を使い始めた。

「にゃっ、あっ、にゃっ♥ あっ、ああっ、にゃあっ♥」

 マシュマロのように張り詰めた乳房がユサユサと揺れ、こびりついていたネトネトの汁を撒き散らす。がに股で腰を前後左右に回したり、攪拌された精液をブチュブチュとねばりつかせながら出し入れしたり、快美一色に染まったすずの惚けきった顔。視線の定まらないすずと目が合うこともあったが、覗かれていることなど毛程も気付く様子がなく、心の焦点はぱん太郎のペニスにあった。

「すごいぃ、チンポ、チンポ、ぱん太郎様の種付けチンポォ……♥ ズンズンってえ……奥ぅ、奥まで来るう……♥!」

 セックスの仕方が板についたいやらしい腰使い。あれだけでかいシロモノがどんなに激しく根元まで埋(うず)まっても、掻き回されても、苦痛の表情一つ出て来ない。出て来るのは嬉悦の涎と涙だけだった。

 アイツの肉棒とは相性が合っているのか、あるいは……合うまで開発されたのか……。開発されたのだとしたら、どんなことをどれだけやれば、ここまでになるのだろうか。

 後ろ手をつきながら拡げた脚を踏ん張り、汗と飛び散った精液で濡れたからだをくねらせるすず。普段の彼女からは想像もできない淫猥なダンス。繋がっているところがこれ以上なくボクの視野に晒され、鍛え上げた筋肉のような逞しい剛直がすずのアソコを割り拡げてグチュグチュと猥雑な音を立て、白濁を泡立てさせながら、出たり、入ったり。
 間違いなくすずは身も心もぱん太郎の男根に支配されていた。

「あぁ、あぁっ、いい、いい、ぱん太郎様のチンポいいのぉ♥ おっきなオチンチンが深くまで届いてえぇ……痺れちゃうぅ…………♥」

「すずちゃんもついにボクのチンポなしじゃ生きられないカラダになっちゃったかな? ほんの数ヶ月前まで何も知らない処女だったのが嘘みたいのん♥」

「ぱん太郎様のせいだよお……♥」すずは上半身をひねって後ろを向き、甘えて拗ねるように鼻を鳴らした。「ぱん太郎様に、いっぱい、いっぱい……子作りされたせいなんだからね…………♥」その間も彼女の腰は動き続けていた。

「ぬふふふ……自分でもこんなにはまるとは思わなかった?」

「うん……♥」と、顔をやや伏せ頬を染めるすず。「だって、最初はとっても痛かったし……」

「初めは誰でもそうなのん。でも、村のためにそれを耐えたすずちゃんはとっても偉いし、だからこんなに気持ち好いご褒美が待ってたのん。後はそのご褒美を目に見える形にするだけ──二人の愛の結晶っていうね♥」

と、ぱん太郎は楽しげに突き上げ始めた。

「ああっ、あっ、ああっ♥」

 白い喉を晒しながら嬉しそうに揺すぶられるすず。「奥ぅ、奥まで来てるぅ♥ 赤ちゃんできる場所まで、ぱん太郎様が来てるよぉ♥」

「ボクとすずちゃんの愛の結晶を作る場所のん♥」

「うん、ぱん太郎様と私の、二人の……にゃあぁ……♥!」

「ボクもキミに赤ちゃんを授けるためにこれまで頑張ってきたんだから、絶対にすずちゃんを孕ませるからね♥」

「わ、私も頑張るね……♥ だから、もっと、もっと、このチンポで種付けて……♥ ぱん太郎様の赤ちゃん、私にも孕ませて……♥」

(く…………う…………うぅ…………!)

 ボクは呻いた──心の中で。そうすることしかできなかった。

 こんなの絶対許せない。邪魔したい。こんな会話を終わらせたい。中に入って二人を引き離したい。

 そう思っているのに、躰はまったく反応しなかった。自分のものではないような躰。

「ののの、すずちゃんもボクをコーフンさせる言葉が判ってきたのん♥ ボク好みになってきたのん♥」

 鼻息を荒げたぱん太郎はすずの双臀を軽々と抱え上げ、腕の力だけでユッサ、ユッサと彼女の躰を上下に揺らし始めた。

「ああっ、ああっ、ああぁっ♥!! イイよおッ♥!!」

 中空を泳ぐすずの両脚があぐらを掻くように菱形を描き、ぱん太郎の胸に背を預けながらひときわ高い嬌声を漏らす。

 すずの尻が高々と持ち上げられると、中の肉を巻き込みながらズルズルと剛茎が姿を現す。だがいくら引き出されようと抜けることがなく、鉄筋のような円柱が走る肉根が十分すぎるほどその雄姿を見せてから再び落とされ、根元までズプズプと挿し込まれる。

 その度にすずは仰け反って四肢をわななかせ、愛液や精液の残滓をしぶかせながら背筋がゾクゾクするような媚声を放つのだ。

「ンニャアアアァァッ♥! ンイイッ、イイッ、ぱん太郎様のおちんぽスゴイ、スゴイよおおッッ♥!!」

「すずちゃんのカラダ、エロ肉がついてきたのに、オモチャみたいに軽いのん」

 ぱん太郎の言う通りだった。すずがまるで、ぱん太郎を喜ばせる性的な玩具になったようだった。

 すずがそんな風に扱われる光景に、ボクは思い浮かぶ言葉もなかった。

 追い打ちをかけるように、

「ンニャアァッ、オモチャにして、私をぱん太郎様のオモチャにしてぇッ♥!」

と、すず自身がアイツのモノにされることを望んでいるように叫ぶ。

「のふふふ……もしイクト君が今の言葉を聞いたら、どんな反応するかな?」

「ぃやぁ、そんなの恥ずかしいよぉ……言わないでぇ……」
と、すずは途端にトーンダウンした。

「そんなこと言っても、こうやってカレの知らない所でキミがボクとえっちしてるのは事実だもんね♪」

 そう言ってさらに抽送を速めるぱん太郎。

「ンアッ、ンアッ、アアッ、ァアッ♥!! だめぇ、だめェッ♥!!」

「イクト君といる時よりボクとえっちしてる時の方が楽しいでしょ?」

 すずは目を瞑り、喘ぎまくって涎が垂れる唇をだらしなく開けたまま何度もコクコクと頷いた。

「もう、ぱん太郎様のチンポのことしか考えられないの、もっとズポズポして、ズポズポしてぇ♥!」

「カレにヨシヨシされるのと、ボクにズポズポされるの、どっちがいい?」

「ズポズポされる方がイイよぉッ♥!!」

「すずちゃんが欲しい精子はボク? それともイクト君?」

「ぱん太郎様ぁ♥!!」

 ボクの心に絶望を投げつけるに十分な力強い言葉だった。

「のふふふふ♥」心の底から痛快そうに笑うぱん太郎。「じゃあまたイクよ、イクト君に内緒でボクと子作りせっくすしてるすずちゃんの子宮に、欲しくて欲しくてたまらないボクの精液注いじゃうからね♪」

「来てえ、来てえぇぇ……♥!」はっきりと叫ぶすず。「私の子宮、ぱん太郎様の精液で満たしてえ……♥! ぜんぶ、ぜんぶ、私をぱん太郎様のモノにしてえぇ……♥♥!!」

「ののの、出るのんッ!」

 すずの秘裂に埋(うず)まりきった肉棒の根元が、陰嚢が、むくむくとはちきれんばかりに膨らみ、ぱん太郎の腰が浮き上がる。

「──ニャッッ♥──アッ、アアッ──アアア~~~~~ッッ♥♥!!!!」

 射精が始まったのだろう、ググッ、ググッとぱん太郎の腰は幾度も突き動き、その度に押し上げられるすずのからだも痺れたように強く震える。

 下半身が持ち上がって顔は見えなくなったが、その分、いやが上にも二人が一つになった部分が目立った。そこからまたゴプゴプと濃白色の体液が盛んに溢れ返ってくる。

 突き上げながらの精液注入はいつまでも終わりがなく、「ア~ッ……ア~ッ……♥」と、すずの励声も途絶えることがなかった。

 すずとぱん太郎の、深いところで繋がり合った、肉体と肉体の共同作業……。

 あんなヤツと、こんな、こんな、まるで──そう、まるで、愛し合っている夫婦のような…………!

 すずのからだにアイツの精子が染み込んでいく──すずにぱん太郎が同化していく──そんなことを思わせるほどの長い時間、ドクン、ドクンと、ぱん太郎の陰茎や睾丸が強く脈打っているのを、ボクは呆然と見つめているしかなかった。

 

 

 その後も二人の濃密な時間は続いた。彼女もそう望んだように、すずはぱん太郎のモノとなってその魅惑的なからだを存分に犯された。

 奉仕もさせられ、形の良い尻を振り振り奴の股間に顔を埋(うず)め、秘陰からぱん太郎の精液を際限なく垂れ落としながらアイツのモノをしゃぶった。何発放とうがギラギラと勃起の収まらない巨根を乳房の間で挟み込んで擦ったり、口を大きくあーんと開けて含み、時々えずきながらも、愛おしそうに頬張った。口や鼻から精液が溢れ出しても我慢して喉の奥で射精を受け止め、ドロドロの精液がすずの胃に流し込まれていった。

 ぱん太郎の精液がすずのどこもかしこもを穢してゆく。欲望の限りを注がれ続けるすずは、この目が信じられなくなるような痴態を晒し、歓喜に包まれて何度も絶頂に達した。一回一回が途方もない量の射精を何度も深い場所に出され、いずれも最後は股を密着させながら溶け合うように絶頂を迎えた。その度に聞いている方も気分がおかしくなりそうなほどの淫声を漏らしながら、すずはアイツの全てを受け入れた。

 たっぷりと種付けされたすずが幸せの極致に達したような表情で痙攣したまま動かなくなると、ぱん太郎がこちらへ振り向き、「お待たせ、こっち来るのん」と呼び掛けた。するといつの間にかボクの両隣で一緒に覗いていた皆んなが嬉しそうに襖を開き、全裸の少女たちが洋室へなだれ込んだ。

 彼女たちは我も我もとぱん太郎の周りに群がり、まるで忠誠を誓う儀式のように肉棒へ口づけをし、発情を隠そうともせずに舌を這わせた。乱交が始まり、ボクのよく見知った少女たちが嬌声の斉唱をしながら次々とぱん太郎に種付けられる。そんな中で気を取り戻したすずもその輪に引き込まれて再びアイツに抱かれ始め、皆んなに取り囲まれて捕食されるように全身を弄り回されながらぱん太郎に腰をうちつけられ、悲鳴に近い善がり声を発していたが、すぐにこの狂乱めいた快楽の宴に呑み込まれてゆき、浅ましく喘ぎながら大きなオルガズムに達した。ぱん太郎と一緒に逝っているところを皆んなに見られながら、「すずも早くぱん太郎様の赤ちゃん身籠もれるといいね♥」などと声をかけられていた。

 そうしてすずが乱交の一員になっている景色が段々と霞んで遠ざかってゆき、ついには何もかもが暗黒へと包まれていった──。

 

 

 

(第14話に続く)

 

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最終更新:2018年09月30日 21:20