私たちに翼はない(Ⅱ) ◆tu4bghlMI


<<一対一>>

先攻はまたしても沙羅だった。
流れ弾があゆ達に当たらないように舞を中心に時計回りで走り出す。
獲物は彼女の支給品ワルサーP99。弾丸補給に優れたマガジンタイプの自動拳銃だ。
マガジンに残された弾薬は六発。
弾倉を入れ替えるべきか、躊躇う微妙な残弾数である。
だが、彼女は眉一つ動かさず、マガジンをパージする。そして新たに十六発を装填。
心も身体も理解している。残りの弾薬を全て使い切るくらいの力を注ぎ込まなければ彼女を御することなど出来る筈もないと。

対する舞は沙羅の動きを警戒しつつ、自らの力を最大限に発揮出来る永遠神剣第七位"存在"を横に薙いだ。
魔力を帯びた刀身はそれだけの動作で空気を揺るがし、森を奮わせる。

そして――舞が動いた。


先ほどまでとは違い、"存在"をしっかりと<<両手>>で握り締め沙羅に向ける。
極端に柄が長い独特の形状を誇る彼女の獲物は、普段愛用しているブロードソードとは大分形状が異なる。
彼女の本来のスタイルは敏捷性を重視し、細身の剣を用いたヒットアンドアウェイ。
攻撃手段も力に任せた斬撃というよりも、急所を狙ったピンポイントなものがほとんどだ。

つまり、この島にいるもう一人の剣士、そしてこの"存在"の正当な所持者であるアセリア・ブルースピリットとは一線を成している。
アセリアの攻撃方法は永遠神剣によるウィングハイロゥの展開、『高速機動・急速降下・一撃離脱』の三つで構成されている。
また、剣の使い方もスピードと力を融合させた強力無比なパワータイプだ。
神剣の契約者である特性を最大限に引き出したやり方と言えるだろう。


川澄舞に翼はない。
卓越した身体能力を持っていようが、所詮ソレは人の身。
永遠神剣という神秘を戦闘スタイルに取り込んだものと比べて見劣りするのは仕方のないこと。
しかし、彼女には『永遠神剣を扱う素質』があった。
もちろんハイロゥの展開など出来る筈もない。可能なのは不器用で粗雑な神剣魔法と身体強化だけ。
だが、それだけでも彼女にとって、十分過ぎるほどの利点――

「…………勝負」

踏み込んだ右足、人の身からは考えられない爆発的な加速。
否。あゆ達の眼には本当に地面が爆散したかのように見えていたのではないか。
事実、舞が先ほどまで立っていた大地にまるで火薬が破裂したようなクレーターが出来ていた。
鼓膜を震わすような音と土煙。舞は既にその場所にはいない。

そう、非常識なまでのスピードの強化―ーそれこそが、川澄舞に与えられた最大の祝福だった。

「甘いわっ!!」

しかし、この場に存在したのは戦闘経験の少ない者だけではない。
この島で生き残った、唯一の銃器に関するプロフェッショナル、名を白鐘沙羅。
当然、彼女には見えていた。
決して舞はその場から消えた訳ではない。ただ一歩を踏み出した――それだけなのだ。
有り得ない速度で突貫してくる少女の姿を沙羅の双眼は見失わない。
舞の身のこなしをある程度知識に収めたことで、沙羅は彼女に対する一つの対策を打ち立てていた。

沙羅はワルサーP99の先端を限りなく"地面"に向けて、引き金を引いた。

「な……ッ!?」

驚きの呻き声を上げたのは舞の方だった。
もちろん完全に戦闘モードに入った彼女が相手の奇行に惑わされる訳がない。
意外性、無謀と同意義のソレならばただ敵の気狂いと認識し、容赦なく叩き潰す――それが彼女の流儀だ。

故に彼女はただ間合いまで超高速で接近し、相手を切り伏せる。
それだけを考えていれば良い筈だったのだ。
しかし、彼女は加速を停止し立ち止まざるを得なくなった。舞の移動軸を防ぐかのように弾丸が発射されたからだ。

「くッ……」

舞は唇を噛み締めた。そしてすぐさま敵の銃撃に備え、その場を飛び退く。彼女の判断は正しく、間髪居れず銃声が二つ響いた。
そう、彼女の機動力に唯一弱点があるとすればそれは―ーあまりにも早過ぎること。

全力を出した彼女の動作は疾走という段階を遥かに超越し、地面を"跳ねている"に等しいのだ。
足を一歩踏み出しただけで軽くメートル単位の移動が可能である。
それはつまり、毎回"ジャンプ"しているようなもの。
ハクオロとの戦いでは鉄扇と剣、どちらも接近主体の武器を用いていたためほとんど気にならなかった問題だ。
足場も悪く、傾斜のある土地では爆速加速はプラスにしかならなかった。しかし、

平地で、銃相手で、となると話は別だ。


川澄舞に翼はない。
故に空中での体勢制御には限界がある。
一気に沙羅との距離をつめようとも、丁度着地する地点を精確に狙われては近づけない。

弾速、照準、発射技術――それらを全て完璧な割合で持ち合わせた者。
それはこの島のラスト・ガンナー、白鐘沙羅にしか取れない戦術であった。

身体強化と舞がいかに相性が良くても、永遠神剣を手にしたのは僅か数時間前の話。
出来るのはせいぜい、スイッチのオンとオフだけ。
つまりMAXとMINしかない不器用なスピーカーのようなものだ。
常に全力で強化するか、それとも強化をしないか。彼女に与えられた選択肢は二つ。

(予想通り……ッ!! これで第一関門は何とか突破……ッ)

一方で沙羅は心の中でド派手なガッツポーズを取っていた。
彼女の川澄舞に関する考察はこうだ。

まず武器が剣と銃である以上、懐に入られてしまえばこちらの負け。
銃のフレームであんな大剣とチャンバラを行うなんて自殺行為に他ならない。
ならば、とにかく相手が近付けないようにすることに重点を置くべき――そう考えた。

舞の回避能力の高さは十分に理解している。
だが、それは彼女の慢心。
弾を容易く躱すことが可能であるのは、逆に"攻撃へと意識が集中しがちになってしまう"影響もある筈なのだ。
なぜなら、銃の最大の利点の一つである『不可避である事』という恐怖を感じないのだから。

しかし沙羅は銃の怖さ、恐ろしさを痛いほど知っている。
これが二人の決定的な違い。
銃を軽視する者と、構造を知り尽くし何よりも重く見る者。
慣れない力を遣う者と、十分な知識と経験に裏づけされた力で戦う者。


タイマン開始から数分が経過。
一瞬で決着がつくと仲間にさえ思われていた戦いの結末は未だ見えずにいた。
予想外なくらい平行線の戦いが、いや若干沙羅に有利な展開で勝負が続いている。

いまだに一度も舞はまともに剣を振るうことが出来ずにいた。
移動しながらも精確な射撃を繰り返す沙羅に、煮え湯を飲まされた形だ。

谷前の荒地はそこら中に小さな穴ぼこが広がり、芝生はほとんどが破壊されてしまった。
端に移動し、二人の戦いを見つめるあゆときぬの顔も緊張に満ちている。
沙羅が舞を上手くあしらっているようにも見えなくはないが、やはり川澄舞の実力を侮ることは出来ないという確信があったためだ。

「9……10……」

カウントダウン。決して間違えることのないように口に出して、はっきりと。
それは沙羅が前回マガジンを入れ替えた時から続いている数え唄である。
舞は相手をキッと見つめつつ、回避と遊撃運動に全てを注いでいた。
最高の、攻撃のタイミングを狙って。

意思と技術が込められた牽制射撃、銃士特有の間合いの取り方。
<<本物の銃使い>>を相手にすることがここまで厄介だと彼女は想像だにしていたなかっただろう。
確かに彼女はこの島で銃器を扱う人間との戦闘経験は積んで来た。
しかし、銃を使うエキスパートと出会うのはコレが初めて。
センスでも直感でも何でもない。修練と習熟から成る射撃は一味も二味も違った。


発射された弾丸を叩き落し、一気に敵へと接近するというやり方も舞の脳裏には過ぎった。
この広刃の剣ならばソレもおそらく十分に可能。強度的な問題もないだろう。
しかし、彼女はそうしなかった。
ソレは驕りや命を顧みた行為ではなく、単純に難度が争点となる。
舞の下半身のみを狙って発射される鉛玉は無理やり弾くにはハードルが高く、上体に明らかな隙が出来てしまうという難点があったのだ。
故に前に出ることは出来なかった。だが彼女が相手の牽制に対して無策であった訳ではもちろんない。
彼女は待っていた。
銃を扱うものに須らく訪れる決定的な隙――次の、三回目のリロードの瞬間を。


(どうしよう、どうする、どうすればいいの、私!?)

あくまで冷静、鉄の仮面を顔に被り剣を凪ぐ舞とは対照的に沙羅は焦りに焦りまくっていた。
黒のロングスカートを靡かせ、荒野を跳んで駆けて疾走する。
もちろんその心配は、銃器の弾薬について。
場を沙羅が支配しているように見えるのは当然の如く、まやかしである。

なぜならば、剣は折れない限り戦闘を続行することが出来るが、銃は弾が尽きてしまえばただ重いだけの板切れになってしまう。
狙い済まされた射撃と豊富な弾薬によって、沙羅は舞の動きを封じることには成功していたと言っていい。
だが、それはあくまで<<負けない>>ための戦術。
決して<<勝つため>>の戦術には成り得ない。

そう、もしもこれがゲームセンターに置かれたFPSゲームだとしたら弾丸は無尽蔵だ。
相手の疲弊を待ち、鎬を削るという一点において舞と沙羅は互角だっただろう。
しかしこれはあくまでリアル。
物品には限りがあり、当然物理的な補給のタイミングも見計らわなければならない。

銃使いが最も自らの無防備を晒すのはやはりマガジンをリロードする瞬間だ。
その対策として複数の銃器を用い、相手に残りの弾薬を悟られないようにする工夫などが必要なのだが。
一対一、遮蔽物のない完全な平地、一丁だけの自動拳銃。
デイパックの中にリボルバー形式のS&W 36が入っているが、一発でソレを探り当てる自身はない。
これらの要素は埋めようのない隙間となって、沙羅の目の前へと立ちはだかる。

(残り六発……数えてる? 数えてるわよね!? ……数えてない訳ないか。
 次でマガジンの入れ替えは三回目。相手はそれを見計らって必ず来る――)

奥歯を強く噛み締めながら、飛び込む仕草を見せた舞に向けて二発牽制。
顔色一つ変えずに彼女はこれを回避。既に沙羅は相手に直撃させることを放棄したい気分にさえなってきていた。
これで残りの弾は四発。
ついに下手を打てば一回の射撃で消費しかねない、そんな心細い段階まで来てしまった。

リボルバーならば、込められた弾丸は六発か五発と適当な見積もりを立てることが出来る。
それに、毎回全弾補給する必要もない。迂闊な飛込みを防ぐことは可能だったかもしれない。
だが、マガジンタイプとなるとそれは別。オールオアナッシング。
弾倉をパージした瞬間は完全な手ぶらに近い状態。

(弾が切れたらジリ貧……こうなったら……ッ!!)

故に沙羅は奇策に打って出た。

突如、彼女は足を止めデイパックへと手を伸ばした。
そして、当たりクジを弄っているかのような仕草を見せる。
『何かを取り出そうとしている』
それはこの場にいた沙羅を除いた誰もが抱いた感想だ。

あゆときぬは彼女の不用意な行動に端正な顔を歪ませ、舞はそれを純粋な好機と見てすぐさま突撃運動に移行する。
だが唯一、沙羅だけが――笑った。


「これでも食らいなさいッ!!!!!」


何とか、間に合った。
沙羅は舞に彼女が剣を振るうことの可能な位置に接近されるギリギリで、デイパックから妙なものを取り出した。
そして、投擲。影は三つ。

舞は思わず舌打ちした。
投げられたものの中に、明らかな危険物が混じっていたからだ。
故にその<<一つ>>だけを回避し、飛来した<<一つ>>を"存在"の柄で叩き落し、そして<<一つ>>を両断した。

それが分岐点だったのか、彼女は選択を――誤った。


瞬間、凄まじい閃光と爆音が巻き起こった。


「があぁぁぁぁッッッッ!!!!!!!」
「へ…………?」


沙羅は驚いた。思わず間抜けな声が唇から漏れる。
そう、適当に時間稼ぎのために引っ掴んで放り投げた<<フロッピーディスク>>が何故か大爆発を起こしたのだ。
鷹野三四が"罠"として仕掛けた筈のそれは、最初の使用時における三択に勝利した彼女へと幸福をもたらした。

ちなみに、彼女が本来"おとり"として放り投げた<<エスペリアの首輪>>は、内部の爆弾機能を警戒した舞に躱わされてしまった。
狂人・鳴海孝之のようにソレを破壊するほど、舞は愚かではなかった――逆にそれが仇となった訳だが。


舞は身体のすぐ側で起こった爆発に耐え切れず、思わず後ずさる。
直撃は避けている……が、身体のあちこちに破片で火傷を負ったようだった。

絶好の追撃のチャンス――しかし、沙羅は一瞬行動が遅れた。
まさか、フロッピー"が"爆発するとは思いもしなかったためだ。
確かに一回目の使用後、勝手に"PC"が爆発したのだが、アレはあくまでプログラムのせいである。自分はそう考えていた。

ところが、

どうも、一枚<<本物の爆弾>>が含まれていた……ようなのだ。
その一枚をPCのスロットに挿入していたらどうなったか。……想像に難くない。

『皆さんに支給された重火器類の中には実は撃つと暴発しちゃうものがあります♪
 特に銃弾・マガジンなどが大量に支給された子は要注意だぞ☆』

という注意書きは、すなわち『フロッピーディスクの中には使用すると爆発しちゃうものがあります♪』という真実を隠蔽するためのものだったのか。


(アレ……私……もしかして、ツいてる……ッ!?)


沙羅は小さく、笑った。
予感、いやそれは確信に近かった。
ついに沙羅は意識の中でこの場における自らの幸運を自覚した。

そしてすぐさま爆発の向こう、退いた舞を追い詰めようとした時――一瞬で、その思い上がりは完膚なきまでに喪失した。


ガクン。


何かに、靴がぶつかった。はまった。引っ掛かった。
身体が前方に倒れる。地面が近くなる。
一点を固定して行われる組体操かなんかの演技みたいだ。
視界が低くなる。上手く、動けない。


もしか、して?


「嘘!!!!!!!!」
「馬鹿……!!!」
「ちょッ――沙羅の奴、コケやがった!!!!!」


白鐘沙羅に翼はない。
だから、空は飛べない。
地面に縛られた者が、大地に嫌われた時。それは終焉を意味する。

二人のそんな叫び声が自らの鼓膜を揺らした時、沙羅は理解した。
そこら中に出来上がった穴ぼこに足を取られて転倒したことを。
そして、思った。

慢心した、と。

何故か、自らの名前の由来となっているとある古文を思い出した。

 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
 おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
 たけき者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ

驕った人間は滅びゆく、ただそれだけ。
それだけの、話。


「…………終わり」


いつの間にか目の前まで迫っていた<<鬼>>が、地面に倒れた沙羅へと大剣を振り下ろした。 


(恋太郎……双樹。私、少しだけ……力が足りなかったみたい。
 二人の無念を晴らせなくて……ゴメンなさい。本当に、ゴメンなさい。
 圭一、ダメだったよ。頑張ったけど、やっぱり難しかった。あなたの意思――貫けなかったよ)


沙羅は眼を瞑り、自らの死の運命を――受諾した。







「よく……頑張ったな」
「な、つッ――!! 誰ッッッッ!?」


死んで……ない?

どこかから一発、銃声が響いた。
到来するだろうと思っていた刃が、いつまで経っても、自らを切り裂かないこと。
そして自分の近くから人間の気配が消えたことを不信に思い、沙羅は瞳を開いた。
そこに居たのは、


「……意外と…………遅かったな」
「悪かった。少しばかり、傷が重くてな」
「ボケが……心配させんじゃないさ」
「む? 心配してくれていたのか、あゆ」
「ッ……馬鹿、冗談だよ、冗談。死んでなくてガッカリしていた所だっつーの」


全身を朱に染め上げ、ベレッタM93Rを構える偉大なる仮面の皇――ハクオロ。
あゆと会話する彼は満身創痍ながらも非常に頼もしかった。そして、


「沙羅ちゃん……怪我はありませんか」
「み……なぎさん?」
「私はあなたを……助けに来ました。そして――彼女を救いに来ました」


太陽を背にした慈愛の主――遠野美凪。
川澄舞を見つめるその視線はた儚く、おぼろげで。


「…………援軍」


脇腹に射撃を受け、思わず後退した舞が無表情のまま呟いた。
ぽたぽたと赤く、紅い血を流しながら。



 ■

<<一対五>>

戦況は逆転していた。


数の利さえ跳ね飛ばす川澄舞の戦闘力は圧倒的だ。
しかし、彼女はついに銃弾を浴びた。身体の側で爆風を受けた。
鉛の玉はウィルスのように全身に苦痛という形となり侵食する。
ソレは絶対的な暴君として、この場を支配していた彼女に対しても例外ではない。

(身体が……重い)

唯一、無傷に近い沙羅が前線に出て先ほどのように舞を牽制。
あゆとハクオロがソレをアシスト。
戦列に復帰したきぬ、そして美凪は三人の邪魔をしないようにバックアップを務める。


沙羅達にとって最も影響を及ぼしたのはハクオロの参戦だ。
確かに彼は死に体である。
全身に傷を負っており、愛用の鉄扇も破壊されてしまった。
だがその<<智>>は未だに健在なのである。

複数の人間を指揮し、導く技能こそが彼の最大の武器。
トゥスクルの賢王の名前は伊達ではない。

陣形を組み、加えて一度舞と一対一の戦いを行っているハクオロは彼女の行動パターンを十分に理解していた。
意外性の排除――この一点を徹底することで戦局は一気に安定する。


「沙羅、弾が切れただろう。一度下がれ、私とあゆが前に出る」
「分かったわ」

沙羅が後退。すぐさまマガジンを取り外し、新しいものと入れ替える。

「あゆ、無理はするな。数の利を最大限に生かす」
「……了解」

続けて前に出たハクオロとあゆが舞に銃弾を放つ。
舞は永遠神剣の力を生かし、横っ飛びにソレを回避。
が、着地した際に彼女の身体に走った衝撃は確実にその動きの幅を狭める。


(駄目だ……このままじゃ……やられる)

舞は肩で息をしながら考える。
蟹沢きぬと遠野美凪に関して言えば、戦力的には深く考える必要はないだろう。

問題は残りの三人。
白鐘沙羅、単純な戦闘力では彼女が最強。
攻撃、防御、牽制。彼ら五人の中で確実な軸だ。
しかし彼女を倒すには自らもそれなりのリスクを背負わなければならない。

大空寺あゆ、身のこなしは悪くない。だが、まだ甘い。戦闘経験不足は簡単に埋められるものではない。
彼女ならば、単独になれば容易く殺すことが出来る。だから後回しだ。

しかしそれよりも狙うは仮面の男、ハクオロしかないだろう。
彼は深手を負っているため、直接的な動きこそ機敏ではないが他の人間にはない<<指揮能力>>を持っている。
集団を率いて戦うことを熟知している。それは大きい。
経験とは何よりも重く、代え難いもの。


先程までの殲滅戦とは状況が違う。
弱いものから倒すのではない。まず、頭を潰す。
とにかく一刻も早く、ハクオロを殺す。コレしかない。


(キャリバーは使えない……そうなると、"魔法"しかない)


拳銃を沙羅との決闘の際にデイパックにしまったのは失敗だった。
ハクオロは舞が銃を持てないように波状攻撃を仕掛けて来たのだ。
当然、キャリバーを取り出すことなど出来る筈もない。加えて、残弾は全て美凪が持っている。
切り札、奇策、共に封じられている。

だが、自分には確かな武器がもう一つだけある。舞はそれを知っていた。
神剣魔法、それは永遠神剣と適合した者のみが行使することを許される超常の力。
激しい魔力の消耗という弱点も持ち合わせるが。
とはいえ、ほぼノータイムで発動するこれこそが彼女の最終兵器――

が、彼女は決断した。
もはや後のことを考えている余裕はない。
全身全霊をもって戦う。そして、


「ハクオロ……お前を……殺すッ!!!!」

舞は強化の魔法を張り巡らし、ハクオロに向けて突進した。

「懲りないわねっ!!」

弾丸を補給した沙羅がワルサーP99による精密射撃で舞を撃墜しようとする。あゆもそれに続いて射撃。
下半身、着地点を狙ったピンポイントアタックだ。
だが、しかし、


「ウォーターシールドッ!!!!!!」
「え……ッ!?」
「馬鹿な!?」
「ハクオロ…………覚悟」


舞の身を守るように水面の盾が出現、展開する。
沙羅の放った弾丸は全て流水に弾かれる。

そして、二足目――
舞は自らの前に踏み出した足が慣性を持って地面を蹴る感覚を久しぶりに味わった。

沙羅との一対一との戦いが始まってから初めて、彼女のスピードが極限点に達する。

(いける……ッ!!)

一気に数メートルはあった筈の距離から、五メートル以内まで接近。
あと一歩、"存在"の間合いまで踏み込もうとも考えたが却下。
確実に確実を上乗せする。この邂逅で必ず、ハクオロを殺す。それならば、

もう一つの魔法を使うのが最上の手。

舞は腹の底から響く声で叫ぶ。
その名を。久遠なる氷の牢獄、凍気の檻――


――アイスバニッシャー。


ハクオロの前方から氷の牙が出現する。
アレだけの冷気を浴びれば普通の人間は一瞬で凍死する。殺った――舞はそう、確信した。





筈だった。


「ハクオロッッ!!!!!」


死角から弾丸のような速度で飛び込んでくる一つの影の存在が全てをチャラにした。
その影はハクオロを迫り来る氷の波から突き飛ばす。
そして、素早く体勢を立て直し後退しながら一言。

「撃ち抜け!!! 智代!!!!!!!」
「……了解した」

合図と共に彼方から飛来する弾丸、対戦車ライフルによる遠距離狙撃だ。
驚異的な速度で発射されたソレは氷とぶつかり合う。
閃光。
恐ろしい爆発音と共に氷の檻は――九十七式自動砲によって打ち砕かれた。

(な……んで……?)

パラパラと氷の粒が壊れ、そして蒸発していく。
舞は唖然としながら、その光景を見つめていた。
鉄の板ですら貫通する圧倒的破壊力の前には、魔力で紡がれた冷気といえど無力だったのだ。

更なる二人の乱入者は不敵な笑みをこぼした。


「…………嘘」
「嘘じゃない。全部、現実さ。
 ったく騒がしいと思って来てみたら……派手にドンパチやりやがって。
 ハクオロ――てめぇ、学校じゃよくも騙してくれやがったな」
「まさか……お前が助けに来てくれるとは、思ってもみなかったな」

ハクオロも苦笑する。

「武っ!! 正気に……戻ったの?」
「おう、沙羅。久しぶり……身体の方は……あーまぁ一応、な」
「――バカッ!!!!! アンタ、私たちがどれだけ心配したと思ってるの!?
 それに、圭一は、圭一は……!!」
「……分かってる。話は……後でする」


その身に二つの異なる病原体を宿す、地獄から蘇った男――倉成武。
飄々としていた彼も、さすがに"圭一"という言葉には悲痛な表情を見せた。
自らの犯した罪、彼を殺してしまった事実は消しようがない。
黒く染まった永遠神剣第三位"時詠"を構える。


「……見知った顔もいるようだな」
「お前、ホテルで襲って来た女!!」
「怖い顔をするな。それに、今はもう……殺し合いには乗っていない」
「はぁ? じゃあ何なんだよ、いったい」
「そうだな……では<<救世主>>なんて言うのはどうだ?」
「な――バカにしてんのか!!」
「む、中々ピッタリ嵌まるネーミングだと思ったのだが」


修羅の心を宿した悲劇の復讐者、そして過ちを認め贖罪の道を歩む蹴姫――坂上智代。
美麗なる銀髪を靡かせ、巨大なライフルを肩にかけた彼女は武の下へ歩み寄った。
きぬと軽口を交わす彼女からは、つい数時間前までの鬼気迫る憤怒はもはや一切感じられない。


(また……援軍?)

奥の手までも完全に打ち砕かれ、舞は茫然自失となる。
この島でも最強に近い二人の戦士。
彼らは元いた五人に希望を、そしてただ一人に対してだけ絶望をもたらす存在だった。

時刻はもうすぐ十四時。
昼下がり、身体を休めてしまうには早過ぎる時間帯。


 ■

<<一対七>>

多勢に無勢――そんな領域はとっくに突破していた。
舞は絶望を身に宿し、谷側へと後退を余儀なくされる。

ハクオロを中心とした敵の集団に欠けていたピースが埋まった。

前面に出て接近戦を担当する倉成武と坂上智代。
舞に迫る身体能力を誇る彼らはそれぞれ戦闘スキルと格闘術に秀でている。
戦況は完全に決したと言っても過言ではなかった。


「さて……と、川澄舞。分かっているとは思うが、君の負けだ」
「…………」
「私達も……これ以上、手荒な真似はしたくない」


ハクオロが代表して舞に語り掛ける。
意味することはつまり、武器を捨て投降しろ――事実上の降伏勧告だった。
しかし、あゆがハクオロの言葉に反論する。

「おい、ハクオロ。そんな甘いこと言ってる場合じゃない。一体コイツに何人殺られてると思ってるのさ!?」
「いや……だがな。具体的な人数までは分からないだろ?」
「あたしが知る限りじゃ確かに純一だけさ。でも、コイツは相当早い段階からゲームに乗っていた筈!
 それで一人しか殺していないなんて、そんな訳ないだろうが!!」
「む……」

舞は言い争うハクオロとあゆをぼんやりと見つめていた。
隙を見て襲い掛かろうとも、今下手に動けば確実に死ぬ。それは愚かだ。だから出来ない。

(佐祐理……)

最愛の親友の笑顔が彼女の脳裏を過ぎった。
今も佐祐理は鷹野に捕らわれて、窮屈な思いをしているのだ。
絶対に助け出さなければならない。それが、自分の仕事なのだ。

「武、智代。君たちはどう思う?」
「いや……ちょっと、な。俺達には参加し難い話題と言うか……」
「武……」
「沙羅、そんな泣きそうな顔を……しないでくれ。分かってる、俺が全部悪かったんだ」
「……ゴメン」

武はハクオロの問に渋い顔をしながら答えた。彼も二人の命を殺めている。そして実際に殺し合いに乗っていた過去もある。
頭の痛い、逃げ出してしまいたいとさえ思うようなテーマだった。

ここで考え込んでいた智代が一歩前へ出た。


「川澄……だったか。一つ、聞きたい」
「……何」
「何故、殺し合いに乗ったんだ? 復讐か? 生き残るためか?
 私にはお前が私欲のために、他人を殺すような人間には到底見えない」


智代は舞に問い掛ける。心底不思議そうな表情で。
一方で舞はその言葉を聞いて、嘲笑うかのように小さく口元を歪ませた。


「……佐祐理を救うため」
「さ、ゆり?」
「倉田佐祐理。鷹野に捕らわれている私の大切な友達」
「……何を、言っている?」


舞がぼそりと呟いたその台詞に、周りの人間は背筋に寒いものが込み上げる感覚を覚えた。
狂っている、そう考えずにはいられなかった。

誰もが覚えていた。
倉田佐祐理――それは、一番最初の放送で死亡を発表された少女の名前だったからだ。
加えてこの場には彼女を殺害した国崎往人から、詳しい説明を受けている白鐘沙羅のような人間も存在した。
いや、もう一人……誰よりも彼女の死を間近で目撃した人物さえ存在していた。
ハクオロだ。


「舞……しっかりするんだ。確かに親友を亡くした君の心の痛みは私も十分過ぎるほど分かる。
 だが現実は受け止めなければならない。逃げていても何一つ――」
「佐祐理は死んでないッッッッ!!!!!!!!!」


絶叫。
それは今までの舞の様子からは考えられないほど、強い意志の力に溢れた否定だった。


小さな行き違い。
彼女、川澄舞を修羅道に叩き落した土永さんはこの場にいない。いや、既にこの世にいない。
彼は朝倉純一によって説得され、自らの所業を告白した時、

――自分が川澄舞をそそのかしたことだけは、誰にも喋る機会がなかった。

故に真実は闇へと葬り去られた。

倉田佐祐理が重傷を負い、鷹野に捕まっているなど当然の如く口から出任せであった。
彼女は死んだ。それは揺るぎない真実。

しかし、舞はその言葉を信じた。
否――その台詞を肯定することでしか、自らの命を、心を守る術を知らなかった。
事実、もしもあの場に土永さんが居合わせなければ舞は拳銃で己の頭を撃ちぬいて自殺していただろうから。


そして、ハクオロは迷った。
この少女は幻想に捕らえられている、と。
ならば自らが行うべき解決策は一つだけ――そう、思い切り出した。


「舞、聞くんだ。私は……確かに倉田佐祐理の死体を埋葬した」
「…………え?」


残酷な響き。舞の視界が歪む。
脳髄が燃え上がるような痛みに襲われる。


「場所はD-2の公園。そこで彼女は眠っている。
 それどころか……私は彼女を……殺してしまった人間を知ってさえいる。
 名前は国崎往人。既に……この世にはいないが。
 だが聞いてやって欲しい。彼は自らの手で大切な人を……」


『彼女は名前を呼ばれたから死んでいるに違いない』


そんなニュアンスの言葉はこれまで何度も聞いて来た。
だけど、違う。これは具体性。
倉田佐祐理を見た人間が放つ、狂ってしまいそうなくらい精確な情報。


死んでいる?
佐祐理が?
本当に?


それじゃあ――私が今までやって来たことは一体なんだったのだろう?


「――黙れ」
「舞ッ!!!!」



「黙れ……黙れ、黙れ黙れ………黙れ――――――――――――――――――――ッ!!!!!」



その時、光が満ちた。




凄まじい閃光が世界を覆った。
そして思わず、目を閉じたあゆ達が目を開けるとそこにあったのは、


「がっ…………!!」
「ハクオロ――ッ!?」


見えない手に身体を貫かれるハクオロの姿だった。




信じられない光景があゆ達の前に広がった。
だから、誰も気付かなかった。

ヒラリ、ヒラリと桃色の花びらが天から降り注ぎ始めたことに。




川澄舞には他の参加者と違い、特別な禁止制限が掛けられていた。
エターナル化、ウィツァルネミテル化、リヴァイブ、蘇生能力。

"ソレ"は発動さえしてしまえば、苦もなく全ての参加者を皆殺しに出来るような能力ではない。
生まれて初めて木刀を握った高校生でさえ、一瞬の足止めは可能な程度の存在。
もちろん、人の命を左右する力になど及ぶ筈もない。

そう、他の発動さえ禁じられている能力と違い、彼女の"ソレ"は若干見劣りするもののように感じられる。

だから、一番最初に"ソレ"が解けたのだ。
今も蟹沢きぬのポケットの中で力を放つ朝倉純一の第二ボタン。
残された願いによって、神社の奥深くに植えられた桜は力の一部を失った。


ソレは彼女の自意識の一部。
自らの中から生まれ、自らを喰うもの。
ソレは川澄舞が幼い頃、相沢祐一と出会い、そして別れた時に生まれた。

そして、また――舞が、倉田佐祐理の生に疑問を持ってしまった時、彼らはもう一度、この世に誕生した。







人、それを<<魔物>>と呼ぶ。


 □


<<INTERLUDE――START>>


「あの…………」
「……何。私は忙しいのだけれど」
「それが……」


鷹野三四は顔に刻んだ不愉快を隠そうともせずに部下を睨みつける。
彼女は怒り狂っていた。
それはもちろん、ハクオロが身体を貫かれたのと同時刻、丁度瑞穂達が首輪の解除に成功していたからだ。
時系列では若干瑞穂達の方が後の出来事になる。

とはいえ、電波塔の機能が一時的に停止するという有り得ない事態のせいで、誰もがその事実を失念していた。
しかし、一人だけ。
川澄舞の担当オペレーターの男だけがその場面を監視していた。
鷹野や他の部下達が第一研究室の鈴凛を捕まえるために出動していた時も、ずっとだ。

故に男は進言出来た。
そう、彼は優秀な兵士だったのだ。


「魔物が、出現しました」
「…………川澄舞?」
「はい」
「……桜の制限はどうなっているの?」
「それが……」


男は言い淀んだ。
電波塔の機能がジャックされたため、その時記録されていた首輪からの録画映像が吹っ飛んだのである。
モニター自体は使えるが、直接の録画はない訳だ。
つまり、事実の証明は何もかも男の記憶によって成されなければならない。

「……使えないわね。……そこのあなた!! アヴ・カムゥに設置したメインカメラの映像出しなさい。大至急よ」
「は、はいっ!!」

違和感を覚えた鷹野は他の部下にハウエンクアの機体に設置されているカメラの接続を促す。
首輪の機能が無効化されたということは、効率的な位置特定が不可能ということ。
各種施設、室内に設置されたカメラは問題なく機能しているが、屋外は全く駄目だ。
首輪から発せられるシグナルを受信出来ず、全くの役立たずとなっている。そして、


「映像、出ますっ!!!」
「!!! 何よ……これはッ」


管制室の鷹野達の眼に飛び込んできたのは、まさに異様な映像だった。


「ハウエンクアッ!!! どうなっているの、これは!! 報告しなさい!!」
『アハハハハッ!! ボク達も驚いていた所さ、一体何なのだろうね、この"桜"の花びらは!!』
「――ッ、あなた馬鹿なの!? 笑っている場合じゃないでしょ!!」


モニターに写されたのは、有り得ないほど豪快な桜吹雪だった。
しかもまるで空から降り注ぐようにソレは島全体に降り注いでいた。
桜の持つ特殊な力、つまり物体を空間転移させる異能によって直接島にワープさせられているのだろう。


「話にならないわ……桑古木!! 桑古木涼権!! 応答しなさい!!」
『……桑古木だ。鷹野、少しは落ち着け』
「いいからっ!! 早く!!」
『……はぁ。俺達が到着した時からずっとこっちは百花繚乱さ。
 詳しいことは分からんが、先程から南方で大きな音が立て続けに聞こえる。おそらく他の参加者達が争っているのだと思うが……』
「どういうことよ……ッ」


鷹野は一方的に通信を遮断した。そして、凄まじい形相で考える。
まずこの件に"桜"が絡んでいることは明確。
だが、問題はその意図だ。何をしたい、何をさせたい?
その時、鷹野の頭にある一つの事例が思い浮かんだ。つまり<<魔物>>の出現について。

使用を制限していた筈の川澄舞の超能力が実際に使用された――
それはすなわち、参加者に対する戒めが弱っている証拠ではないだろうか。
桜の目的、それはおそらく、

――自らの消滅。そして参加者に対する全制限の解除。

「……なるほど、裏切る気かしら。フフフフフ、良いわ……叩き潰してあげる!!」
「た、鷹野様……?」

部下の者が突然笑い出した鷹野に心配して声をかける。
しかし、鷹野はそんな気遣いなど意にも介せず、大声で告げた。


「月宮あゆをここに呼び寄せなさいッ!!!! それと首輪を解除する準備も、大至急!!!」
「そ、それはつまり……?」
「コレは、祭なの。参加者は参加者同士で殺し合いをさせる……それが一番じゃなくて?
 彼女には――桜の"警護"をやって貰うわ」



【LeMU 地下三階『ドリット・シュトック』管制室/二日目 午後】

【鷹野三四@ひぐらしのなく頃に 祭】
【装備:不明】
【所持品:不明】
【状態:健康、若干の苛立ち、契約中】
【思考・行動】
1:月宮あゆを転送させ、首輪を解除。桜の警護を任せる。


【備考】
※現在、首輪の機能全て(爆弾、位置特定、生存確認、盗聴)が無効化されています。
 機能は、電波塔が正常に戻れば回復します(電波塔が元に戻るのは、第7回放送直前)。
※フカヒレのギャルゲー@つよきす-Mighty Heart-、暗号文が書いてあるメモの写しは、役場の仮眠室内に破棄
※現在、島全土で初音島の枯れない桜による桜吹雪が降り注いでいます。


<<INTERLUDE――END>>



202:私たちに翼はない(Ⅰ) 投下順に読む 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 時系列順に読む 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 川澄舞 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 遠野美凪 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 白鐘沙羅 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 大空寺あゆ 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 蟹沢きぬ 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) ハクオロ 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 倉成武 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 坂上智代 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 鷹野三四 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) ハウエンクア 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) 桑古木涼権 202:私たちに翼はない(Ⅲ)
202:私たちに翼はない(Ⅰ) ディー 202:私たちに翼はない(Ⅲ)







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