終幕(後編) ◆/Vb0OgMDJY
悔しい。
これは、あの時の焼き直しだ。
今なら、
今になってハッキリと思い出せる。
加害者が鷹野、被害者はあの時は圭一で、今はあゆ。
凶器は、以前が銃弾で、今は注射器。
そして、私にはどうにも出来ない。
これが、『意思』の違いなのだろうか。
ただそれだけの為に進んできたという鷹野と、
漫然と歩んできた私。
その差があるかぎり、この結果は返らないのだろうか。
これは、あの時の焼き直しだ。
今なら、
今になってハッキリと思い出せる。
加害者が鷹野、被害者はあの時は圭一で、今はあゆ。
凶器は、以前が銃弾で、今は注射器。
そして、私にはどうにも出来ない。
これが、『意思』の違いなのだろうか。
ただそれだけの為に進んできたという鷹野と、
漫然と歩んできた私。
その差があるかぎり、この結果は返らないのだろうか。
私には、もう何もない。
ただ、永遠に近い時間を、見ていることしか出来ない。
そうして、注射器は、あゆの腕に刺さり、
その瞬間、
「え?」
驚きの声は誰のものか。
かつての世界とは、異なる結果が現れた。
ただ、永遠に近い時間を、見ていることしか出来ない。
そうして、注射器は、あゆの腕に刺さり、
その瞬間、
「え?」
驚きの声は誰のものか。
かつての世界とは、異なる結果が現れた。
◇
“ごめんなさい”
“ごめんなさい”
“ごめんなさい”
“ごめんなさい”
“ごめんなさい”
…鬱陶しい。
誰だか知らないけど、謝罪してる。
でも、んなこと言われても知らん。
チクリという痛みの後から、この声は聞こえ始めた。
となると、あの中身の効果はこれかい?
…理解不能と。
誰だか知らないけど、謝罪してる。
でも、んなこと言われても知らん。
チクリという痛みの後から、この声は聞こえ始めた。
となると、あの中身の効果はこれかい?
…理解不能と。
“ごめんなさい”
“ごめんなさい”
“ごめんなさい”
“ごめんなさい”
“ごめんなさい”
ただ、煩い。
ので、
“黙れやこのうじうじ虫が!!”
“あぅ!?”
文句を付けといた。
“…ボクの声が聞こえるのですか?”
聞こえてなきゃ文句は言わねえよ。
“ごめんなさいなのです”
また、謝りやがった。
ので、
“黙れやこのうじうじ虫が!!”
“あぅ!?”
文句を付けといた。
“…ボクの声が聞こえるのですか?”
聞こえてなきゃ文句は言わねえよ。
“ごめんなさいなのです”
また、謝りやがった。
“ボクのせいで、あゆは死んでしまうのです”
“は?”
幻聴の類かと思いきや、具体的に言われた。
そうして、何となく気付く。
“ああ、あんたアレか、羽入って奴だな”
“はいなのです。
ボクの声が聞こえるという事は、あゆは感染してしまったのです。
ボクのせいなのです。
ごめんなさい”
成る程、あの薬はそういうものかい。
で、だ、
“で、聞こえると何なんだい”
“それは…”
羽入の説明、イメージ?
とにかくそんなもので、一瞬で理解できた。
“は?”
幻聴の類かと思いきや、具体的に言われた。
そうして、何となく気付く。
“ああ、あんたアレか、羽入って奴だな”
“はいなのです。
ボクの声が聞こえるという事は、あゆは感染してしまったのです。
ボクのせいなのです。
ごめんなさい”
成る程、あの薬はそういうものかい。
で、だ、
“で、聞こえると何なんだい”
“それは…”
羽入の説明、イメージ?
とにかくそんなもので、一瞬で理解できた。
“『雛見沢症候群』ねえ”
“はいなのです。
ごめんなさい”
また謝るか。
“うがーーっ!!
黙れや!”
このガキ、ムカつく。
実際にガキなのかは姿がぼやけて見えないけど、多分ガキ。
謝るだけなんでそう決めた。
“謝るくらいなら何とかしろや!!”
“あぅ、それが出来ないから謝っているのです!”
ガキがムキになった。
でも知らん。
“試したのか?
出来ることを全てやったのか?
ソレをしないで謝って許してもらおうなんざ甘いんだよ!
申し訳ないと思うなら何とかしろ!!”
“はいなのです。
ごめんなさい”
また謝るか。
“うがーーっ!!
黙れや!”
このガキ、ムカつく。
実際にガキなのかは姿がぼやけて見えないけど、多分ガキ。
謝るだけなんでそう決めた。
“謝るくらいなら何とかしろや!!”
“あぅ、それが出来ないから謝っているのです!”
ガキがムキになった。
でも知らん。
“試したのか?
出来ることを全てやったのか?
ソレをしないで謝って許してもらおうなんざ甘いんだよ!
申し訳ないと思うなら何とかしろ!!”
“…ボクには、もうあゆは治せません。
一度感染したからには、治らない、そういうものです”
ちっ
“でも、一つだけ、出来ることはあるのです”
は?
“じゃあ、とっととやれや!!”
“その前に、答えて下さい!!”
ん、
なんだかえらく強い調子だね。
一度感染したからには、治らない、そういうものです”
ちっ
“でも、一つだけ、出来ることはあるのです”
は?
“じゃあ、とっととやれや!!”
“その前に、答えて下さい!!”
ん、
なんだかえらく強い調子だね。
“あゆは、機会を待つことが悪いとおもいますか?”
はい?
“どうにもならないから、今回を捨てて次回を待つ。
それが、悪い事だとおもいますか?”
んー
“馬鹿かてめえは”
“……はい?”
んな事はどうでもいいんだけど、まあ答えてやるか。
“そもそもだ、今回を捨てるなんて考えで次回が成功するとでも思ってんのか!?
そんなもん次回もどうせ失敗して終わりだよこの糞虫が!!”
はい?
“どうにもならないから、今回を捨てて次回を待つ。
それが、悪い事だとおもいますか?”
んー
“馬鹿かてめえは”
“……はい?”
んな事はどうでもいいんだけど、まあ答えてやるか。
“そもそもだ、今回を捨てるなんて考えで次回が成功するとでも思ってんのか!?
そんなもん次回もどうせ失敗して終わりだよこの糞虫が!!”
そうだよ、
時雨も、
一ノ瀬も、
どいつもこいつも、
そんなことなんざ頭にもなかった。
馬鹿の考え休むに似たりっていうことわざ知らんのかい?
時雨も、
一ノ瀬も、
どいつもこいつも、
そんなことなんざ頭にもなかった。
馬鹿の考え休むに似たりっていうことわざ知らんのかい?
羽入は、
いや、羽入改め、うじ糞虫はポカーンとしていた。
……見えないから多分だけども。
が、やがて、
“そうですね。
どうせ、次回が在るかも解らないなら、今回に全て使い切ってしまうのです!”
そう、楽しそうに言った。
いや、羽入改め、うじ糞虫はポカーンとしていた。
……見えないから多分だけども。
が、やがて、
“そうですね。
どうせ、次回が在るかも解らないなら、今回に全て使い切ってしまうのです!”
そう、楽しそうに言った。
……はん、まあ普通の糞虫くらいには格上げしてやろうかね。
◇
「え?」
何か、あゆが注射器を握り砕いた。
言葉が無い、何故あれだけのダメージを受けたのに動けるのか。
そうして、何故だか普通に立ち上がると、凄い速度で私の方に移動し出した。
声を出す暇も無く、私はあゆに抱きかかえられた。
「ちょっ!?
どうしたのあゆ!?」
「知らん」
「はい?」
知らんって何よ。
「多分、あの羽入とかいう糞虫が何かしたからなんだが、まあそんなことは後で考えればいいさね」
羽入が…?
ということは
「あゆ、貴女…」
「ああ、なんか感染したとか言っていたけども、まあそれも後で考えればいいさね」
と、そこであゆがぐら付く。
見ると、足に撃たれた痕があり、断続的に血が流れ出している。
「あゆ…、ちょっと一旦止まりなさい…!!」
このままでは、あゆの身が危ない。
鷹野と富竹がこちらに銃を向けるけど、それでも構っていられない。
が、
「煩いね! ガキは黙って守られてやがれや!」
あゆに怒鳴られた。
は?
「ガキって…貴女だって体型はそんなに変わらないじゃないの!!」
「あっ…あんですとーっ!!」
何か、あゆが注射器を握り砕いた。
言葉が無い、何故あれだけのダメージを受けたのに動けるのか。
そうして、何故だか普通に立ち上がると、凄い速度で私の方に移動し出した。
声を出す暇も無く、私はあゆに抱きかかえられた。
「ちょっ!?
どうしたのあゆ!?」
「知らん」
「はい?」
知らんって何よ。
「多分、あの羽入とかいう糞虫が何かしたからなんだが、まあそんなことは後で考えればいいさね」
羽入が…?
ということは
「あゆ、貴女…」
「ああ、なんか感染したとか言っていたけども、まあそれも後で考えればいいさね」
と、そこであゆがぐら付く。
見ると、足に撃たれた痕があり、断続的に血が流れ出している。
「あゆ…、ちょっと一旦止まりなさい…!!」
このままでは、あゆの身が危ない。
鷹野と富竹がこちらに銃を向けるけど、それでも構っていられない。
が、
「煩いね! ガキは黙って守られてやがれや!」
あゆに怒鳴られた。
は?
「ガキって…貴女だって体型はそんなに変わらないじゃないの!!」
「あっ…あんですとーっ!!」
◇
「あゆ…、ちょっと一旦止まりなさい…!!」
梨花が言ってくる。
けど、止まってなんかいられない。
なんだか異常な速度で動けるけども、この狭い室内ではそこまで意味が無い。
だから、足の怪我なんかでは止まれない。
梨花が言ってくる。
けど、止まってなんかいられない。
なんだか異常な速度で動けるけども、この狭い室内ではそこまで意味が無い。
だから、足の怪我なんかでは止まれない。
「煩いね! ガキは黙って守られてやがれや!」
だから、黙らす。
つか、暴れんな。
「ガキって…貴女だって体型はそんなに変わらないじゃないの!!」
「あっ…あんですとーっ!!」
…泣かす。
終わったら絶対土下座して謝るまでぶん殴る。
だから、黙らす。
つか、暴れんな。
「ガキって…貴女だって体型はそんなに変わらないじゃないの!!」
「あっ…あんですとーっ!!」
…泣かす。
終わったら絶対土下座して謝るまでぶん殴る。
「兎に角止まって! このままじゃあ貴女の体が不味いわ!!」
ああ、
「そうかもね」
「なら……」
でもよ、
「知ったことじゃあ無いね」
そんなもん知るか
「私が!
アンタを!
守りたいんだよ!!」
ああ、
「そうかもね」
「なら……」
でもよ、
「知ったことじゃあ無いね」
そんなもん知るか
「私が!
アンタを!
守りたいんだよ!!」
考えてみればさ、私は何も出来てないんだよ。
あのヘタレを見つけてやれずに、
結果あいつは人様に迷惑かけて死んじまった。
時雨には、助けられただけだった。
道を正してくれたハクオロも、死んじまった。
朝倉は、置き去りにしちまった。
カニも私にはどうにも出来なかった。
アレと命がけで戦ったのは沙羅だった
そうして、一ノ瀬は、私が殺した。
もっと、あいつの事が信じていららればだ。
一ノ瀬の死に際に、あいつの仲間は守るって誓った。
でも、これはそれだけじゃあない。
私が、仲間を守りたいんだ。
今まで、何一つ出来なかったんだから、今、ここでやる以外ないだろ!
あのヘタレを見つけてやれずに、
結果あいつは人様に迷惑かけて死んじまった。
時雨には、助けられただけだった。
道を正してくれたハクオロも、死んじまった。
朝倉は、置き去りにしちまった。
カニも私にはどうにも出来なかった。
アレと命がけで戦ったのは沙羅だった
そうして、一ノ瀬は、私が殺した。
もっと、あいつの事が信じていららればだ。
一ノ瀬の死に際に、あいつの仲間は守るって誓った。
でも、これはそれだけじゃあない。
私が、仲間を守りたいんだ。
今まで、何一つ出来なかったんだから、今、ここでやる以外ないだろ!
「アンタの意思なんざどうだっていい!
アイツだって、アイツラだって!!
そんなことは考えてもいなかった。
ただ、ただ……『仲間』を守る!
それだけの事に文句なんかつけるんじゃないさ!!」
アイツだって、アイツラだって!!
そんなことは考えてもいなかった。
ただ、ただ……『仲間』を守る!
それだけの事に文句なんかつけるんじゃないさ!!」
足が痛い。
つか全身が痛い。
でも、止まれない。
こんなところじゃあ、止まれる筈が無い。
つか全身が痛い。
でも、止まれない。
こんなところじゃあ、止まれる筈が無い。
◇
少女達の奮闘は、だが実を結ばない。
この狭い室内では、銃をよけ続けることなど不可能。
やがて、限界は訪れる。
だが、
この狭い室内では、銃をよけ続けることなど不可能。
やがて、限界は訪れる。
だが、
「え?」
その奮闘は、確かに少女達の運命を変えた。
◇
気が付けば、鷹野さんの銃の前に立っていた。
「鷹野さん、もう…やめるんだ」
「鷹野さん、もう…やめるんだ」
成る程、僕には守れなかった訳だ。
僕は、ただ守りたいと思っていただけだった。
逆に言えば、強い意志が足りていなかったんだろう。
僕は、ただ守りたいと思っていただけだった。
逆に言えば、強い意志が足りていなかったんだろう。
何かから、大切な相手を守る。
ではなくて、
自分が、何も起こさせない。
その気概が足りなかった。
年下の女の子にそんな事を諭されるなんて、そんなんだから、こんなところまで来てしまったんだろう。
ではなくて、
自分が、何も起こさせない。
その気概が足りなかった。
年下の女の子にそんな事を諭されるなんて、そんなんだから、こんなところまで来てしまったんだろう。
「ジロウさん……わかっているのでしょう…?」
声の調子は変わらず、だけど、その中には明らかな怒気を秘めている。
そういえば……以前、怒った顔も魅力的だって思ったな。
声の調子は変わらず、だけど、その中には明らかな怒気を秘めている。
そういえば……以前、怒った顔も魅力的だって思ったな。
「契約には逆らえないって」
うん、わかっているよ
「でも、もう、従えない」
その言葉で、鷹野さんの表情が変わる。
でも、構わない。
「君が、大事だから。
だから、君の為に、従えない」
そうして、また、表情が変わる。
うん、わかっているよ
「でも、もう、従えない」
その言葉で、鷹野さんの表情が変わる。
でも、構わない。
「君が、大事だから。
だから、君の為に、従えない」
そうして、また、表情が変わる。
―やめて
何でかな、鷹野さんの本心が見える。
「だから…」
「だから…」
―やめて
―貴方は、失いたくないの。
―貴方は、失いたくないの。
ははは。
ここまで思われて居たなんて思ってもいなかったなあ。
僕は幸せ者かもしれないね。
でも、だからこそ、言わないと。
「もう、止めるんだ」
ここまで思われて居たなんて思ってもいなかったなあ。
僕は幸せ者かもしれないね。
でも、だからこそ、言わないと。
「もう、止めるんだ」
「何故なの……?」
理由は、さっきから言っているんだけどなあ。
もう少し洒落た口調を覚えておくべきだったかな?
「貴方は……貴方だけは…………貴方…しか、もう私の事を思ってくれる人は…居ないの……」
僕だけかは、わからないけど、
確かに僕は君を大事に思っているよ。
「だから……お願いだから……それ以上は」
理由は、さっきから言っているんだけどなあ。
もう少し洒落た口調を覚えておくべきだったかな?
「貴方は……貴方だけは…………貴方…しか、もう私の事を思ってくれる人は…居ないの……」
僕だけかは、わからないけど、
確かに僕は君を大事に思っているよ。
「だから……お願いだから……それ以上は」
―やめて
鷹野さんの考えていること、言いたい事ははよく解る。
これ以上、続けると、僕は死ぬかもしれない。
ここまで…大事に思われていたなんて考えると、有頂天で舞い上がりたくもなる。
でも、
「それは……出来ないよ」
従えない。
鷹野さんにここまで思われているのなら、なおさら、これは僕が言わないと。
これ以上、続けると、僕は死ぬかもしれない。
ここまで…大事に思われていたなんて考えると、有頂天で舞い上がりたくもなる。
でも、
「それは……出来ないよ」
従えない。
鷹野さんにここまで思われているのなら、なおさら、これは僕が言わないと。
「三四さん……こんなこと、始めるべきじゃ無かったんだ」
決定的な否定。
僕が、
「あんなものに、頼るべきじゃ無かったんだ」
僕も君の事を……愛しているから。
だから……これは僕が言わないといけない。
僕が、
「あんなものに、頼るべきじゃ無かったんだ」
僕も君の事を……愛しているから。
だから……これは僕が言わないといけない。
「ごめん。
三四さんが一番辛い時に、僕は傍に居てあげられなかった」
三四さんが一番辛い時に、僕は傍に居てあげられなかった」
愛しているのに。
守りたい人なのに。
…支える事が出来なかった。
「全ては……三四さんの力になれなかった僕の過ちだった」
僕が不甲斐ないから。
「絶望に打ちひしがれたのも」
あんな力に縋ったのも、
こんな事を始めたのも、
「僕が……頼りなかったのが悪いんだ…」
守りたい人なのに。
…支える事が出来なかった。
「全ては……三四さんの力になれなかった僕の過ちだった」
僕が不甲斐ないから。
「絶望に打ちひしがれたのも」
あんな力に縋ったのも、
こんな事を始めたのも、
「僕が……頼りなかったのが悪いんだ…」
鷹野さんは、泣きそうな顔をしている。
―やめて
―やめて
―やめて
…ごめん、それには従えない。
―やめて
―やめて
―やめて
…ごめん、それには従えない。
「犯した罪は消えない。
でも、今からでもやめるんだ。
僕が、僕も、一緒に背負ってあげるから。
ずっと傍に居てあげるから。
だから……」
でも、今からでもやめるんだ。
僕が、僕も、一緒に背負ってあげるから。
ずっと傍に居てあげるから。
だから……」
手を伸ばす。
誰からも与えられなかった救いの手を。
うぬぼれかもしれないけど、僕にしか与えられない手を。
誰からも与えられなかった救いの手を。
うぬぼれかもしれないけど、僕にしか与えられない手を。
◇
ジロウさんの手が見える。
私に救うと。
私に掴めと。
私に救うと。
私に掴めと。
思えば……いつも救いの手なんてものは無かった。
掴んでみても、いつもそれは失望へと変わった。
掴んでみても、いつもそれは失望へと変わった。
あったのはたったの一度…お爺ちゃんの時だけ。
だから、私はお爺ちゃんの後を継ぐって決めた。
お爺ちゃんが居たから、お爺ちゃんが居なければ、私は無かったから。
私の全てを、お爺ちゃんの為に使うと決めた。
だから、何でもしてきた。
多分、間違っている事さえも。
だから、私はお爺ちゃんの後を継ぐって決めた。
お爺ちゃんが居たから、お爺ちゃんが居なければ、私は無かったから。
私の全てを、お爺ちゃんの為に使うと決めた。
だから、何でもしてきた。
多分、間違っている事さえも。
伸びてくる。
救いの手が。
多分。
でも、怖い。
何でもするって決めた。
何でもしてきた。
その事は後悔はしない。
罪の重さにも、震えはしない。
救いの手が。
多分。
でも、怖い。
何でもするって決めた。
何でもしてきた。
その事は後悔はしない。
罪の重さにも、震えはしない。
でも、
でも、
ジロウさんにソレを背負わせるなんて出来ない。
彼は、悪くないのだから。
悪いのは、全て私なのだから。
でも、
ジロウさんにソレを背負わせるなんて出来ない。
彼は、悪くないのだから。
悪いのは、全て私なのだから。
この手を掴んだら…
―お爺ちゃんの夢が終わってしまう
―彼に罪を背負わせてしまう。
だから
―お爺ちゃんの夢が終わってしまう
―彼に罪を背負わせてしまう。
だから
「やめて…」
――瞬間、軽い水音がした。
「……え」
◇
何だかわからないけど、チャンスではある。
あんな奴の事情なんざ知ったことじゃあないから、今の内にやっちまおう。
そう、思ったのだが、
「あん?」
梨花と羽入が揃いもそろって首を横に振る。
……納得は出来ないけども、今の私は羽入がいないと殆ど動けやしないし、
しょうがないから従う。
あんな奴の事情なんざ知ったことじゃあないから、今の内にやっちまおう。
そう、思ったのだが、
「あん?」
梨花と羽入が揃いもそろって首を横に振る。
……納得は出来ないけども、今の私は羽入がいないと殆ど動けやしないし、
しょうがないから従う。
そうして、少しして
――軽い水音がした
◇
何?
これは…何?
これは…何?
「ジロウ…………さん?」
居ない
あの人が、
ジロウさんが、
何処にも、居ない
ジロウさんの枷は、私に絶対服従する事
”やめて”
それだけの、
たったそれだけの…事で。
少し……ホンの、少しだけの……拒絶。
たったそれだけの…事で。
少し……ホンの、少しだけの……拒絶。
それだけの……事で。
ジロウさんは、
ジロウ……さん……は
ジロウさんは、
ジロウ……さん……は
「何故……」
決まっている、契約のせいだ。
『私が』彼に強いた契約のせい。
それが、彼を、殺した。
『私が』彼に強いた契約のせい。
それが、彼を、殺した。
私が、……彼を。
「………………!!」
部屋をでて、走る。
まだ、
まだ間に合う。
あの人に頼めば。
あの人と契約さえすれば…
まだ、
まだ間に合う。
あの人に頼めば。
あの人と契約さえすれば…
”あんなものに、”
契約……
私は、彼が欲しいと思った。
でも、こんな結末は望んでない。
私は、彼が欲しいと思った。
でも、こんな結末は望んでない。
”あんなものに、頼るべきじゃ無かったんだ”
そんな、でも、貴方が居なかったから
貴方が居なかったから、私には他に頼るものは無かった。
貴方が居なかったから、私には他に頼るものは無かった。
でも、
そもそも、あの時、彼が傍に居てくれなかったのは……何故?
「私が」
覚えている。
彼を殺した瞬間を。
彼に、アレをうった感触を。
そもそも、あの時、彼が傍に居てくれなかったのは……何故?
「私が」
覚えている。
彼を殺した瞬間を。
彼に、アレをうった感触を。
―足が止まる。
力が、入らない。
力が、入らない。
そうだ、そもそも。
「私が、……殺したから」
私の味方は、私自身が殺してしまった。
だから、誰も、居るはずがなかった。
だから、誰も、居るはずがなかった。
【ドリットシュトック第三層廊下/三日目、黎明】
【鷹野三四@ひぐらしのなく頃に祭】
【装備:ベレッタM92F×2(9mmパラベラム弾6/15+1、8/15+1)、防弾チョッキ】
【所持品:スタンガン】
【状態:恐慌、契約中】
【思考・行動】
1:ジロウさん…ジロウさん
【装備:ベレッタM92F×2(9mmパラベラム弾6/15+1、8/15+1)、防弾チョッキ】
【所持品:スタンガン】
【状態:恐慌、契約中】
【思考・行動】
1:ジロウさん…ジロウさん
【富竹ジロウ@ひぐらしのなく頃に祭:死亡】
◇
(…あれが、契約)
富竹は、死んだ。
鷹野に………………逆らったから。
富竹は、死んだ。
鷹野に………………逆らったから。
鷹野は、出て行った。
追いかけたけど、
私は動けないし、
「あー、もう、無理みたいさ」
あゆも同様みたいだった。
「動けないさね」
追いかけたけど、
私は動けないし、
「あー、もう、無理みたいさ」
あゆも同様みたいだった。
「動けないさね」
……誰のせいよ
「…茶を……」
「あ?」
「無茶をしすぎよ!!」
とりあえず、怒鳴る。
散々心配させといてそれか
「あーもー、過ぎたことさね、グチグチ言うな」
耳を押さえながらあゆが言う。
微妙にへいえきしながらも、
「結果的に何とかなったんだからいいじゃないかい」
また、適当な事をいった。
…だけど、それは笑顔だった。
微妙に面倒くさそうな、それでいて魅力に溢れる笑顔。
それで、
「そうね……ありがとう。
助かったわ」
なんとなくどうでも良くなった。
そんな私の言葉を聞いているのかいないのか。
デイパックから包帯を出しながら、
「ん、まあ私だけの力じゃあないしね」
と言った。
「…茶を……」
「あ?」
「無茶をしすぎよ!!」
とりあえず、怒鳴る。
散々心配させといてそれか
「あーもー、過ぎたことさね、グチグチ言うな」
耳を押さえながらあゆが言う。
微妙にへいえきしながらも、
「結果的に何とかなったんだからいいじゃないかい」
また、適当な事をいった。
…だけど、それは笑顔だった。
微妙に面倒くさそうな、それでいて魅力に溢れる笑顔。
それで、
「そうね……ありがとう。
助かったわ」
なんとなくどうでも良くなった。
そんな私の言葉を聞いているのかいないのか。
デイパックから包帯を出しながら、
「ん、まあ私だけの力じゃあないしね」
と言った。
そこで思い出す。
「そういえばあゆ!
薬は!体は大丈夫なの!?」
そうだ、そもそもあゆはアレを撃たれているのだ。
今は平気でも、いつ症状が本格化するか。
「そういえばあゆ!
薬は!体は大丈夫なの!?」
そうだ、そもそもあゆはアレを撃たれているのだ。
今は平気でも、いつ症状が本格化するか。
「あ、大丈夫さ、ホンの少しだったし」
あっさりと、あゆが言った。
「大体あの薬ってあれだろ?
武が撃たれたとかいうの。
なら武に会うか、そもそも医務室にでもいけば治療出来るんじゃないかい?」
……まあ、確かにそれはそうなんだけど。
あっさりと、あゆが言った。
「大体あの薬ってあれだろ?
武が撃たれたとかいうの。
なら武に会うか、そもそも医務室にでもいけば治療出来るんじゃないかい?」
……まあ、確かにそれはそうなんだけど。
でも、
「ああ、そうだ」
なおも続けようとする私を、あゆが遮る。
そして、なにやらデイパックから銃を出した。
「さっきね、決めたんだ。
『終わったら絶対土下座して謝るまでぶん殴る』ってね。
まあ、悪く思うなよ」
…はい?
「…何を、言っているの?」
「とぼけんな、『体格が変わらない』だ?
私はあの時アンタを泣かすって決めたんだよ」
そう言いながら、銃をかまえる。
「ちょっ!!
本気!?
あの程度の事で!?」
「そうかい、…ますます泣かす」
引き金を、引いた。
「ああ、そうだ」
なおも続けようとする私を、あゆが遮る。
そして、なにやらデイパックから銃を出した。
「さっきね、決めたんだ。
『終わったら絶対土下座して謝るまでぶん殴る』ってね。
まあ、悪く思うなよ」
…はい?
「…何を、言っているの?」
「とぼけんな、『体格が変わらない』だ?
私はあの時アンタを泣かすって決めたんだよ」
そう言いながら、銃をかまえる。
「ちょっ!!
本気!?
あの程度の事で!?」
「そうかい、…ますます泣かす」
引き金を、引いた。
…………?
「え?」
「てなわけであれだ、一人で先にいくさ」
あゆの放った銃弾は、私の手錠の鎖を破壊していた。
つまり、さっきのは冗談と。
ついでに、そこで漸く、私は痺れが殆ど抜けている事に気が付いた。
「え?」
「てなわけであれだ、一人で先にいくさ」
あゆの放った銃弾は、私の手錠の鎖を破壊していた。
つまり、さっきのは冗談と。
ついでに、そこで漸く、私は痺れが殆ど抜けている事に気が付いた。
「私は、少し休んだら医務室を探すよ。
ああ、羽入は少し借りるけどね。
で、梨花は、」
そこで、一息ついて
「アイツを、追うさ。
あの調子だと、多分簡単に何とかなる。
黒幕がいるとはいえ、ここでの戦いはあいつをなんとかすれば多分終わるからね」
……それは、そうだ。
鷹野は、逃がすわけにはいかない。
でも、あゆを置いていく訳にも…。
「いいから行けや、今が最大のチャンスなんだしよ。
それに私は心配すんな。
さっきのを見ただろ。
羽入がいる限りどうとでもなるよ」
あゆのいう事は正しい。
今なら多分鷹野は簡単に捕まるし、あゆはさっきの動きなら問題無い。
ところで、
「そういえば、羽入の事がわかるの?」
さっきから気になっていた事を聞く。
「ああ、相変わらず姿は見えないけども声は聞こえるさね。
まあ、幻聴みたいなもんだろ」
ああ、羽入は少し借りるけどね。
で、梨花は、」
そこで、一息ついて
「アイツを、追うさ。
あの調子だと、多分簡単に何とかなる。
黒幕がいるとはいえ、ここでの戦いはあいつをなんとかすれば多分終わるからね」
……それは、そうだ。
鷹野は、逃がすわけにはいかない。
でも、あゆを置いていく訳にも…。
「いいから行けや、今が最大のチャンスなんだしよ。
それに私は心配すんな。
さっきのを見ただろ。
羽入がいる限りどうとでもなるよ」
あゆのいう事は正しい。
今なら多分鷹野は簡単に捕まるし、あゆはさっきの動きなら問題無い。
ところで、
「そういえば、羽入の事がわかるの?」
さっきから気になっていた事を聞く。
「ああ、相変わらず姿は見えないけども声は聞こえるさね。
まあ、幻聴みたいなもんだろ」
“あぅあぅ、違いますです!”
文句が付いた。
が、
「……とりあえず、あの力が何なのか、後でじっくりと話しましょう。
極上のキムチを用意してあげるから」
そもそも、文句をいう資格なんてあると思っているのだろうか?
が、
「……とりあえず、あの力が何なのか、後でじっくりと話しましょう。
極上のキムチを用意してあげるから」
そもそも、文句をいう資格なんてあると思っているのだろうか?
でも、まあ大丈夫みたいね。
「はあ、じゃあ私は行くわよ」
「ああ、とっとと行きな。
あんまりのんびりしてると、手当てして追いかけるぞ?」
……心配するだけ損なのかしら?
とりあえず、と先ほど落としたMk.22を拾い上げる。
ついでに、あゆが持っていけというので、デイパックを幾つ重ね合わせる。
そうして、部屋を出る前に何か言おうとして、
「信じてるよ」
あゆの言葉に遮るられた。
振り返ると、あゆは真剣な眼差しで、私を見ている。
「はあ、じゃあ私は行くわよ」
「ああ、とっとと行きな。
あんまりのんびりしてると、手当てして追いかけるぞ?」
……心配するだけ損なのかしら?
とりあえず、と先ほど落としたMk.22を拾い上げる。
ついでに、あゆが持っていけというので、デイパックを幾つ重ね合わせる。
そうして、部屋を出る前に何か言おうとして、
「信じてるよ」
あゆの言葉に遮るられた。
振り返ると、あゆは真剣な眼差しで、私を見ている。
「強い意志は運命を変えるんだろ?
私は、私の強い意志で梨花を、皆を待つよ。
だから、必ず、全員で帰って来い。
来なかったら、今度こそ泣かすからな!」
私は、私の強い意志で梨花を、皆を待つよ。
だから、必ず、全員で帰って来い。
来なかったら、今度こそ泣かすからな!」
……言われる、までもないわね。
「うん! 勿論、そのつもりよ。
あゆはそこでせいぜいヤキモキしていなさい!!」
笑い、私は部屋を出た。
「うん! 勿論、そのつもりよ。
あゆはそこでせいぜいヤキモキしていなさい!!」
笑い、私は部屋を出た。
【ドリットシュトック第三層「司令室」前廊下/三日目、黎明】
【古手梨花@ひぐらしのなく頃に祭】
【装備:猫耳&シッポ@ひぐらしのなく頃に祭、クロスボウ(ボルト残30/30)、ヒムカミの指輪(残り0回)@うたわれるもの 散りゆく者への子守唄、ことみの髪留め@CLANNAD】
【所持品1:Mk.22(8/8)、予備マガジン(9ミリパラベラム弾8発)、Mk.22の予備弾(9ミリパラベラム弾)121発、
コルトパイソン(.357マグナム弾6/6)、コルトパイソンの予備弾(.357マグナム弾)196発、竹刀、装備品を記したメモ
ベレッタ M93R(0/20+1)、ベレッタ M93Rの予備マガジン(9ミリパラベラム弾20発)5本、ベレッタ M93Rの予備弾丸(9ミリパラベラム弾)47発 】
【所持品2:風子の支給品一式(大きいヒトデの人形 風子特製人生ゲーム(元北川の地図) 百貨店で見つけたもの、富竹のカメラのフィルムを現像した廃坑関係の写真複数】
【所持品3:支給品一式×2(地図は風子のバックの中)、チンゲラーメン(約3日分)、
ノートパソコン、 ハリセン、バッテリー×8、電動式チェーンソー×7、出刃包丁、首輪の解除手順に記したメモ、
食料品、ドライバーやペンチなどの工具、治療用具一式、他百貨店で見つけたもの 、首輪探知レーダー(現在使用不能)、車の鍵】
【所持品4:ヘルメット、ツルハシ、昆虫図鑑、 虹色の羽根@つよきす-Mighty Heart-】
【所持品5:ホテル最上階の客室キー(全室分) 食料(パン等食べやすいもの)、硫酸の入ったガラス管x7、大型レンチ】
【所持品6:ビニール傘、スーパーで入手した品(日用品、医薬品多数)、タオル、i-pod、 分解された衛の首輪(NO.35)、情報を纏めた紙】
【状態:強い決意、首輪解除済み、両手に鎖の切れた手錠】
【思考・行動】
基本:潤と風子、ことみの願いを継ぐ。
0:あゆが少し心配
1:鷹野を追う
2:瑞穂とアセリアを守る
3:鈴凛を助けたい
4:沙羅とあゆに対する複雑な思いと信頼
【備考】
※皆殺し編終了直後の転生。鷹野に殺されたことを思い出しました。
※梨花の服は風子の血で染まっています
※レーダーは現在電池切れ、 電池(単二)が何本必要かなどは後続の書き手に任せます
※ノートパソコンの微粒電磁波装置や現在地検索機能、レーダーは使用不可能(電波塔の半壊が原因)
※ノートパソコンの『殺害者ランキング』は、鷹野によって情報を改竄されました
※ことみを埋葬したことであゆや沙羅のことは信頼しつつあります
【装備:猫耳&シッポ@ひぐらしのなく頃に祭、クロスボウ(ボルト残30/30)、ヒムカミの指輪(残り0回)@うたわれるもの 散りゆく者への子守唄、ことみの髪留め@CLANNAD】
【所持品1:Mk.22(8/8)、予備マガジン(9ミリパラベラム弾8発)、Mk.22の予備弾(9ミリパラベラム弾)121発、
コルトパイソン(.357マグナム弾6/6)、コルトパイソンの予備弾(.357マグナム弾)196発、竹刀、装備品を記したメモ
ベレッタ M93R(0/20+1)、ベレッタ M93Rの予備マガジン(9ミリパラベラム弾20発)5本、ベレッタ M93Rの予備弾丸(9ミリパラベラム弾)47発 】
【所持品2:風子の支給品一式(大きいヒトデの人形 風子特製人生ゲーム(元北川の地図) 百貨店で見つけたもの、富竹のカメラのフィルムを現像した廃坑関係の写真複数】
【所持品3:支給品一式×2(地図は風子のバックの中)、チンゲラーメン(約3日分)、
ノートパソコン、 ハリセン、バッテリー×8、電動式チェーンソー×7、出刃包丁、首輪の解除手順に記したメモ、
食料品、ドライバーやペンチなどの工具、治療用具一式、他百貨店で見つけたもの 、首輪探知レーダー(現在使用不能)、車の鍵】
【所持品4:ヘルメット、ツルハシ、昆虫図鑑、 虹色の羽根@つよきす-Mighty Heart-】
【所持品5:ホテル最上階の客室キー(全室分) 食料(パン等食べやすいもの)、硫酸の入ったガラス管x7、大型レンチ】
【所持品6:ビニール傘、スーパーで入手した品(日用品、医薬品多数)、タオル、i-pod、 分解された衛の首輪(NO.35)、情報を纏めた紙】
【状態:強い決意、首輪解除済み、両手に鎖の切れた手錠】
【思考・行動】
基本:潤と風子、ことみの願いを継ぐ。
0:あゆが少し心配
1:鷹野を追う
2:瑞穂とアセリアを守る
3:鈴凛を助けたい
4:沙羅とあゆに対する複雑な思いと信頼
【備考】
※皆殺し編終了直後の転生。鷹野に殺されたことを思い出しました。
※梨花の服は風子の血で染まっています
※レーダーは現在電池切れ、 電池(単二)が何本必要かなどは後続の書き手に任せます
※ノートパソコンの微粒電磁波装置や現在地検索機能、レーダーは使用不可能(電波塔の半壊が原因)
※ノートパソコンの『殺害者ランキング』は、鷹野によって情報を改竄されました
※ことみを埋葬したことであゆや沙羅のことは信頼しつつあります
◇
「さて、と」
梨花が出て行った後、あゆは机に寄りかかった。
そして、
「判って…るんだろ?」
ボクにが話しかけてきた。
「私は……もう、駄目さね」
そんなこと
梨花が出て行った後、あゆは机に寄りかかった。
そして、
「判って…るんだろ?」
ボクにが話しかけてきた。
「私は……もう、駄目さね」
そんなこと
“そんなことは無いのです!
まだ、手当てをすれば助かるのです!!”
まだ、手当てをすれば助かるのです!!”
あゆは、傷自体は大した事が無かったのですが、
その後無理に動いたせいで、傷口が広がってしまった。
しかも、全身の打撲は軽いものでは無いのです。
ボクには、これ以上悪化しないようにするのが精一杯で、血は止められないのです。
まだ、輸血して、適切な治療を施せば、助かるのです。
でも、
「何処で、誰がするのさ?」
その後無理に動いたせいで、傷口が広がってしまった。
しかも、全身の打撲は軽いものでは無いのです。
ボクには、これ以上悪化しないようにするのが精一杯で、血は止められないのです。
まだ、輸血して、適切な治療を施せば、助かるのです。
でも、
「何処で、誰がするのさ?」
“あぅ”
僕たちでは多分どうしようも無い傷の上に治療施設の場所もわからない。
その上、流れてしまった血の所為で、決定的に時間が足らないのです。
僕たちでは多分どうしようも無い傷の上に治療施設の場所もわからない。
その上、流れてしまった血の所為で、決定的に時間が足らないのです。
「行け…よ」
あゆが、続ける。
「アンタは、あの子を護るのが役目なんだろ。
私なんか放っとくさ」
あゆが、続ける。
「アンタは、あの子を護るのが役目なんだろ。
私なんか放っとくさ」
“そんなことないのです!
あゆの事だって守りたいのです!!”
あゆの事だって守りたいのです!!”
食い下がる。
ここで諦める事は出来ないのです。
もう、コレで最後なのだから。
もう、ボクにはどうやっても『次』には行けないのだから。
だから、もう、あゆには会えなくなってしまう。
でも、
「ああ!もう、うじうじとうっとおしい糞虫が!!
んな事言っている暇があるんならさっさと行けや!!
見直したのが間違いだったさ!
テメエなんざ糞以下のゴミ以下の塵虫辺りさね!!」
…………
ここで諦める事は出来ないのです。
もう、コレで最後なのだから。
もう、ボクにはどうやっても『次』には行けないのだから。
だから、もう、あゆには会えなくなってしまう。
でも、
「ああ!もう、うじうじとうっとおしい糞虫が!!
んな事言っている暇があるんならさっさと行けや!!
見直したのが間違いだったさ!
テメエなんざ糞以下のゴミ以下の塵虫辺りさね!!」
…………
“わかり、ましたのです”
(ゴミでも塵でも構わないからここにいるのです!!)
そう、言ってやりたかった。
でも、あゆは絶対に引かない。
涙が零れる。
あのまま口論を続ければ、確実にあゆの寿命は縮まる。
だから、止めさせる為には引かざるをえなかった。
そう、言ってやりたかった。
でも、あゆは絶対に引かない。
涙が零れる。
あのまま口論を続ければ、確実にあゆの寿命は縮まる。
だから、止めさせる為には引かざるをえなかった。
もしかしたら、梨花が戻ってくるかもしれない。
もしかしたら、誰かが助けてくれるかもしれない。
もしかしたら、敵に捕まりはするものの、治療してもらえるかもしれない。
もしかしたら、誰かが助けてくれるかもしれない。
もしかしたら、敵に捕まりはするものの、治療してもらえるかもしれない。
僅かにでも、生きる可能性の時間を減らす事は出来ない。
たとえ、そんなことが起こりえないと知っていても、強く、願い続ける。
いかに強い意志でも、結果は変えられない。
でも、それでも、願い続ける。
たとえ、そんなことが起こりえないと知っていても、強く、願い続ける。
いかに強い意志でも、結果は変えられない。
でも、それでも、願い続ける。
◇
見えない、と思ってんのかね?
まあ、確かにさっきまでは見えなかったんだがね。
まあ、確かにさっきまでは見えなかったんだがね。
しっかし……あの女の言葉を認めるのは癪だけど、普通に可愛いじゃないさ。
オバケってのは、もっと……
(いや)
『仲間』、なんだから、普通で当然か。
オバケってのは、もっと……
(いや)
『仲間』、なんだから、普通で当然か。
……ありえない。
何さね今の砂糖でも吐き出しそうな思考は?
「私も……甘くなっちまったもんだね…」
何さね今の砂糖でも吐き出しそうな思考は?
「私も……甘くなっちまったもんだね…」
全く、私らしくも無い。
他人をかばってそれでサヨナラなんざ、思いつく限り最低クラスさね。
こんな風になるなんて、予想外だったさ。
他人をかばってそれでサヨナラなんざ、思いつく限り最低クラスさね。
こんな風になるなんて、予想外だったさ。
「……責任取れや、糞虫共が……」
全ては、この島に来てから…いや、アイツらと出会ってからかね?
時雨、
朝倉、
ハクオロ、
一ノ瀬、
朝倉、
ハクオロ、
一ノ瀬、
全く困ったくそ……
「いや……違う、か」
私も、今は同じ……か
そんなんじゃあ、糞虫なんて呼べないさね。
そんなんじゃあ、糞虫なんて呼べないさね。
「責任…取れや、……お人好し共…が……」
ああ、でも、それも、同じ…………か………………
【大空寺あゆ@君が望む永遠:死亡】
【備考】
※あゆの所持品があゆのすぐ傍に、
※スペツナズナイフの柄、ライター 懐中電灯、割れたガラス管が司令室の床に落ちています。
※あゆの所持品があゆのすぐ傍に、
※スペツナズナイフの柄、ライター 懐中電灯、割れたガラス管が司令室の床に落ちています。
【ドリットシュトック第三層「司令室」前廊下/三日目、黎明】
【羽入@ひぐらしのなく頃に祭】
【状態:深い悲しみ、魔力残量70%】
【思考・行動】
0:あゆ……
1:梨花を追う
【備考】
※雛見沢症候群感染者にのみ姿が見えます。
※ディーの力の影響で、実体化は不可能です。
※憑依?による相手の身体強化のみ可能です。
【状態:深い悲しみ、魔力残量70%】
【思考・行動】
0:あゆ……
1:梨花を追う
【備考】
※雛見沢症候群感染者にのみ姿が見えます。
※ディーの力の影響で、実体化は不可能です。
※憑依?による相手の身体強化のみ可能です。
211:終幕(前編) | 投下順に読む | 211:(前編)? |
211:終幕(前編) | 時系列順に読む | 211:(前編)? |
211:終幕(前編) | 大空寺あゆ | |
211:終幕(前編) | 古手梨花 | 212:解放者――ウィツァルネミテア――(前編) |
211:終幕(前編) | 羽入 | 212:解放者――ウィツァルネミテア――(前編) |
211:終幕(前編) | 鷹野三四 | 212:解放者――ウィツァルネミテア――(前編) |
211:終幕(前編) | 富竹ジロウ |