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「阿修羅姫と夢の国の王様」(2007/08/14 (火) 10:56:48) の最新版変更点
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**阿修羅姫と夢の国の王様 ◆iWNzks43D6
「ふぅ……やっと抜けられたようだな」
赤坂達と別れた智代はたった今、森をぬけB-5の北部に来ていた。
あの後からだいぶ経ったが、幸か不幸か誰にも遭遇する事は無かった。
(とりあえず……休憩しよう)
いくら智代が普通の女子高生と違うとはいえ、長い間森の中を歩き回って疲れないわけが無かった。
そのまま智代は地面に座り休憩を始めた。
(のんびりしてる暇はないんだが……仕方ないか……エリカ待っていろ、仇は必ず!)
体は休め、されど心は復讐に燃える阿修羅の如く。
修羅になった智代の心が休まる時はもう訪れる事は無い。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(そういえば……まだ残りの支給品を確認してなかったな)
休憩をしながら智代は残りの支給品確認していなかった事を思い出した。
一つ目の支給品「FNブローニングM1910」を確認してからエリカと遭遇したので、それから残りの物の確認する暇が無かったのである。
(何か役に立つものがあるかもしれないな)
そう思い智代は確認を始めた。
「1つ目は……」
智代が取り出したのは何の変哲も無いペンダントだった。
丸い鏡面を持った以外に他に特徴が無かった。
(はずれだな……こんな物、殺し合いに役に立つわけが無い)
智代はため息をつき、だが気を取り直してもう1つの支給品を確かめた。
その二つ目とは
「これは……いい物だな。さっきと違い、殺傷力は無いが十分に役に立つ」
智代は支給されたものをポケットに仕舞った。
これはすぐに取り出せなければ意味が無いものだ。
(支給品も確認したし、そろそろ行くか……)
どこに行こうか思案している智代に近づいてくる者がいた。
それは智代がもっとも望んでいる殺人者であった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「さ~とう~さん~♪ 出ておいで~♪ おいしいハ~ンバ~グにしてあ~げるよ~♪」
森に向かっている孝之はずっとこんな感じである。
普通の人では耐えられない傷を負っているのに麻痺しているお陰で全く気にしてなかった。
そんな孝之を遠くから見ているのは
(あの人間……いつまで喚いている、すぐに誰かに見つかってしまうぞ)
土永さんだった。孝之を呆れながら見ていた。
その時、土永さんは誰かを見つけたようだった。
『おい、人間』
「なんですかぁ~~神様~~?」
『もう少し先に他の人間がいるぞ』
「へぇ~殺しちゃっていいんですかぁ~?」
『うむ、しかし、その前に色々聞きだしてからだな……』
「殺していいんだ、じゃあ行ってきますね! 待ってて、今、夢からさましてあげるから!」
『ちょ、ちょっと待て、我輩の話を聞け!』
土永さんの静止の声も聞かず、駆け出す孝之。
彼の頭にはその人間をどんな手段で殺すか、それしかなかった。
「何を使って殺してあげようかな~? ハンマーで粉々に潰そうかぁ~?それとも斧でかち割ってやろうか? ひゃは、どれも捨てがたいな~」
そして孝之は一つの支給品を取り出し
「これに決めたぁ! ちゃちゃちゃん! ツル~ハシ~!!」
それはツルハシだった。
ツルハシを持ってさらに走るスピードあげた。
「これで夢から覚ましてあげる事できる! あ~ひゃひゃひゃ!」
もう、智代を目視出来る所まで近づいていた。さらに加速し、そのまま智代に近づき、
「ひゃっは~~!死ね~~!」
ツルハシを振り下ろした。
だが智代は背後の襲撃者に気付いていた。
「甘い!」
瞬時に孝之の攻撃を避け、体勢を立てなおした。
「まさかいきなり襲撃されるとはな……だが都合がいい、殺し合いに乗ってる人間が近づいてくるとは」
「何で避けるんだい~~? 夢から覚ましてあげるにィィィ!」
「覚ます? 何を言ってるんだ、お前は?」
「だから夢から覚ましてあげるんだよおお~殺してさ~~」
「狂ってる……だがその方が気が楽だ、容赦なく殺せる!」
智代は不敵に笑う。
これ以上に無いぐらい気持ちが高ぶっていた。
やっと殺人者を殺せるのだ。興奮しないわけが無かった。
智代は銃を構え、孝之と対峙した。
こうして阿修羅と狂人との戦いが幕を開けた。
――だが智代自身も気付いていない。
自分自身も狂っている事に。
尋常でない殺気を放ち、また殺し合いをする事を良しとしさらに高揚までしてるのだ。
その様はそう、まるで阿修羅の如く。
はたから見れば智代も狂っているようにしか見えなかった。
さらにもう一つ、気付いてなかった事があった。
それは――
(やれやれ、勝手に戦闘を始めるとは……まあ仕方が無い。それにしてもあの女、なんというすさまじい殺気)
エリカ達を罠にはめた張本人、土永さんがすぐ近くにいる事だった。
「まあ、精々殺し合いをしてくれよ、人間ども」
土永さんは空の上でそう呟いた。
「この~~避けるなぁぁ~」
「無駄だ、そんな攻撃、当たるわけがない」
戦いが始まってからと言うものの終始智代のペースだった。
孝之の単調な攻撃を智代が避けられない訳が無かった。
とはいうものの
(ちっ、距離がとれないな、隙が出来るまで待つしかないのか……)
そう孝之の攻撃が間髪無く襲ってくるのでなかなか距離が取れないのである。
智代は一旦距離を離したいのだが孝之がそれを許してくれない。
もうどれ位避け続けてたのだろうか。
ついに孝之の痺れが切れたのか、攻撃が大降りなった瞬間、
「いい加減、しんじゃないよおぉぉぉぉ!」
「甘い!」
その隙を突いて智代は屈み、強烈な足払いを放った。
孝之にその高速の蹴りが避け切れる訳も無く、その足に直撃した。
「あひゃぁあああ!!」
孝之はそのまま尻餅をついた。
「このぉぉお! なぁぁにするんだよおおお!」
孝之がすぐに立ち上がってツルハシを持って智代向かい駆け出すが遅かった。
前を向くと少し離れた所に智代が銃を構え立っていた。
「終わりだ。」
そう短く告げ、銃を撃った。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
放たれた弾丸は孝之の右の太腿に当たった。
(腹を撃ったつもりのなのだが……上手くいかないものだな。まあ動きは止まってるだろう)
智代はそう思ったが甘かった。
「ちくしょうぅぅぅ! ゆるさないぞぉぉぉぉぉ! グッサグッサに刺してやるぅぅぅぅ! ひゃひゃひゃひゃゃ~~~!」
「なっ!? 全く効いていないだと!?」
孝之は止まらずさらにスピードを上げ智代に向かっていった。
すぐに智代の傍まで近づきツルハシを振り下ろした。
油断した智代には瞬時に避けることができなかった。
結果、
「ひゃは~~~~しねぇぇぇぇぇぇ!」
「うがあああああああぁぁぁ!!」
右肩を貫かれた。
智代はすさまじい痛みに耐えることが出来なくて手に持った銃を落としてしまった。
「くっ、しまった。 銃を……」
「やらせな~いよ~~ほ~~ら~~もう1発~~~」
孝之は銃を取らせまいとツルハシを振るい続ける。
智代は取る暇なく孝之の攻撃を避け続けた。
次第に銃から2人は離れていった。
(くっ不味いな……銃がないと……それに肩が……!)
形勢逆転。
智代は攻撃する手段も無くなり、負傷した右肩も思ったより重傷のようだ。
今だ孝之は元気で、智代に向かって攻撃を続けている。
今はまだ避けているが、そんなに余裕は無い。
誰が見ても智代の不利である。
「はっはっは! 何やってもむ~だ~だよ~!」
(何か、いい物……そうか! アレを使えば!)
孝之の攻撃を避け続けている智代が思い出した物。
それはさっき確認したもの。
ポケットからそれを取り出し、ツルハシを振っている孝之に向け
「ひゃは~~~~!」
「この! くらえ!」
発射した。
「あ~がぁ~!! あ~あ~目がぁ~目がぁ~!! あ~あ~目がぁ~あ~あ~!!」
孝之は目を押さえ眼の異常を感じた。
孝之が受けたもの。それは
催涙スプレーだった。
殺傷能力は無いが動きを封じるには便利な物。
30分ぐらいしか効かないらしいが十分だった。
「よし!今なら!」
孝之は催涙スプレーを喰らい悶えツルハシをがむしゃらに振っていた。
そんな孝之をみて智代はすぐ銃を回収にしにいった。
銃を取りもう一度構えた智代は
「これで終わりだ!」
孝之に向け発砲した。
だが当たらない。
それは孝之が動き回っているのと右肩を負傷してるのが影響していた。
「ちっ、まだだ!」
もう1発発砲したが当たらない。
(どうする後2発しかない……近づくのは危ないし、あまり弾を無駄打ちしたくない。なにより右肩が限界だ。)
智代は肩がすぐに治療しなければならないレベルまで達しているのを感じた。
そして智代は苦渋の決断を下した。
「ここでお前は殺したいが、そうもいかなくなった。 次は必ず殺す!」
「待て~~~逃げるなぁぁぁ~~! 貴様ぁぁ名前はぁ~~!」
「ふん、殺人者に名乗る名のなどない!」
そう、智代は言い残し森の方へ去っていった。
こうして阿修羅と狂人の戦いはひとまず終わりを告げた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「あの銀髪の女、ぜっっったいころっっす!! ミンチにしてぐちょぐちょにして! ばらばらに刻んで! ぶっ殺してやるるるううううう!!」
智代が去って30分ごろして後やっと孝之はやっと目が回復した。
孝之はかなり怒り狂っていた。そこに
『人間大丈夫だったか?』
「あ、神様ああああ!! あいつ殺してもいいですよねねね!」
『ああ、よいぞ』
「いやったあ、お墨付きもらたぞおおおお!! ぜったっいい許さないんだから」
そういい孝之は荷物を纏め森へ向かっていった。
それを土永さんは空から見上げ
(あの男、本当にタフだな。……しかしあの女すさましい憎悪。利用できたら利用するか)
そんな事考えつつ孝之の後に続いた。
【B-5 北部 1日目 昼】
【鳴海孝之@君が望む永遠】
【装備:ツルハシ】
【所持品:支給品一式、多機能ボイスレコーダー(ラジオ付き)、両手持ちの大型ハンマー、斧2本、レザーソー3本、フック付きワイヤーロープ(5メートル型、10メートル型各1本)】
【状態:俺には神の啓示と加護がある!皆待ってろよ!!】
【思考・行動】
1:ぎゃわはははははははー!(森に入り、神の名の下に背徳者である生徒会メンバーを殺す+女は犯してから殺す。まずは佐藤良美とかからだ!!)
2:げへへへへへへっ!(殺したらミンチをこねてハンバーグだ!)
3:くっくっくくっくく!(銀髪の女、殺す!)
4:あひゃひゃひゃひゃ!(一人の相手には名前を聞いてから殺す)
5:ひゃっはーーーーーーーーー!(大勢の場合、無害を装って一人ずつ時間をかけて殺す)
6:あんなこ~とイイなッ!で~きたらイイなッ!
7:最後は茜をひ、ひひ、ひひひ、ひひいひひひひひひひひッッ!
【備考】
森に入ります。
森へ入った後、東に行くか南に行くか、はたまた西に進んで海にドボンするかは次の書き手次第。
孝之のスーツは全身が消化剤や自分の血等で汚れています。
自分が神の加護を受けていると思い込んでいるので、酷い出血も痛みもまったく気にしていません。
祈の棒キャンディーを消費しました。
レオを除く生徒会メンバーの名前を情報として知っています(良美については声、髪の色など土永さんが知る限りの情報を全て知ってます)。
【備考その2】
孝之の「実際の」状態は以下の通り
肉体…疲労は通常なら人間の限界点突破、後頭部より大量の出血、肋骨右3本&左1本骨折、右足首捻挫、右太腿負傷
奥歯1本へし折れ、全身擦過傷及び裂傷多数、脳内より大量のエンドルフィン分泌により痛覚完全に麻痺
精神…完全にハイモード及び絶賛発狂中
新しく入手した得物について
大型ハンマー:ミンチ作るのに向いてますね。でも、即死させるならこめかみへの一発だ!
ツルハシ:五寸釘のごとく胸に一発突き立ててやりましょう。
斧:スプラッタ映画みたいに脳天かち割りたいね!
レザーソー:マフラー巻いていても鎧袖一触、頚動脈を掻き切って鮮血の結末を!
フック付きワイヤーロープ:フックが体に突き刺さったら、すごく……痛いです。
【土永さん@つよきす-Mighty Heart-】
【装備:鳴海孝之@君が望む永遠】
【所持品:なし 】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:最後まで生き残り、祈の元へ帰る
1:鳴海孝之(名前は知らない)を駒として操り、生徒会メンバーを皆殺しにする(孝之の前には姿を現さないように注意)。
2:自分でも扱える優秀な武器が欲しい、爆弾とか少量で効果を発揮する猛毒とか。
3:孝之が使えなくなったら、どこか一箇所留まったままマーダー的活動が出来る場所を探す
4:基本的に銃器を持った相手には孝之をぶつける
【備考】
鳴海孝之とは距離をおいて行動しています。
孝之の事は、信心深いくせに勘が鋭く、尚且つ驚異的にタフと思い込んでます(狂っていることに気づいてません)。
狂った孝之が、何かの拍子で自分の想像の斜め上を行く行動を取る可能性について考慮していません。
土永さんの生徒会メンバー警戒順位は以下の通り(レオを除く、放送後の死亡者についてはまだ知らない)
エリー>よっぴー>乙女さん>スバル>カニ
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「ふぅ……ここまで逃げれば大丈夫だろう」
孝之から逃げ出した智代はまた森の中へ逆戻りをしていた。
(やっと森から抜け出したのに逆戻りか……まあいい、とりあえず治療を)
智代が治療始めようとしたその時、少し先に人が倒れているのを見つけた。
智代はその人に近づいていき、まず生きているかを調べ始めた。
(脈はある……しかしなんて耳をしているんだ、しかも血まみれ・・・・・・)
倒れていた人間はトウカだった。
(どうする? 殺し合いに乗ってるかもしれない……)
智代はこの人をどうしようか、と考えている時、それは始まった。
そうそれは人の死を告げる放送。
それは生き残っている人間にどう影響をあたえるか。
まだ誰もわからない
【C-4 左下 森 1日目 昼】
【坂上智代@CLANNAD】
【装備:FNブローニングM1910 1+1発(.380ACP)】
【所持品:支給品一式×3、サバイバルナイフ、トランシーバー(二台)・多機能ボイスレコーダー(ラジオ付き)・十徳工具@うたわれるもの・スタンガン、催涙スプレー(残り4分の3)ホログラムペンダント@Ever17 -the out of infinity-】
【状態:軽度の疲労・血塗れ・右肩刺し傷(動かすと激しく痛む)・ゲームに乗った人間に対する深い憎悪】
【思考・行動】
基本方針:まずは殺し合いに乗っている人間を殲滅する。一応最終目標は主催者の打倒
0:この人、どうしようか
1:殺し合いに乗った人間を探し出して、殺害する。
【備考】
※智代は赤坂達から『蟹沢きぬ』に関する情報のみを入手しました。
※赤坂を露出狂だと判断しました。
※ホログラムペンダント
普通の人にはなんでもないペンダントですが、赤外線を見ること出来る人は火にかざす事でホログラムを見ることができます。
原作では武の顔でしたが、何がホログラムされているかは次の書き手しだいです。
【トウカ@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄】
【装備:舞の剣@Kanon】
【所持品:支給品一式、永遠神剣第七位『存在』@永遠のアセリア-この大地の果てで-】
【状態:全身打撲、右脇腹軽傷、肉体的疲労極大、精神的疲労、気絶】
【思考・行動】
基本:殺し合いはしないが、襲ってくる者は容赦せず斬る
1:???
※オボロからトゥスクルの者達、そして千影とその姉妹達を守るよう頼まれました。
※蟹沢きぬが殺し合いに乗っていると疑っています
※舞の剣は少々刃こぼれしています
※銃についての大まかな知識を得ました
※ネリネに対し、非常に激しい怒りを覚えています
※春原陽平を嘘吐きであると判断しました
※ネリネと川澄舞(舞に関しては外見のみの情報)を危険人物として認識しました
※第三回放送の時に神社に居るようにする(禁止エリアになった場合はホテル、小屋、学校、図書館、映画館の順に変化)
※永遠神剣第七位"存在"
アセリア・ブルースピリットが元の持ち主。両刃の大剣。
魔力を持つ者は水の力を行使できる。
エターナル化は不可能。他のスキルの運用については不明。
ウォーターシールド…水の壁を作り出し、敵の攻撃を受け止める。
フローズンアーマー…周囲の温度を急激に低下させ、水分を凍結させ鎧とする。
|108:[[やわらかい風の中で]]|投下順に読む|110:[[誰にだって人を信じる権利はある、難しいのはその履行]]|
|108:[[やわらかい風の中で]]|時系列順に読む|110:[[誰にだって人を信じる権利はある、難しいのはその履行]]|
|089:[[童貞男の孤軍奮闘]]|鳴海孝之||
|089:[[童貞男の孤軍奮闘]]|土永さん||
|104:[[武人として/鮮血の結末 (後編)]]|トウカ|115:[[憎しみの環の中で]]|
|088:[[復讐鬼とブリーフと]]|坂上智代|115:[[憎しみの環の中で]]|
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**阿修羅姫と夢の国の王様 ◆iWNzks43D6
「ふぅ……やっと抜けられたようだな」
赤坂達と別れた智代はたった今、森をぬけB-5の北部に来ていた。
あの後からだいぶ経ったが、幸か不幸か誰にも遭遇する事は無かった。
(とりあえず……休憩しよう)
いくら智代が普通の女子高生と違うとはいえ、長い間森の中を歩き回って疲れないわけが無かった。
そのまま智代は地面に座り休憩を始めた。
(のんびりしてる暇はないんだが……仕方ないか……エリカ待っていろ、仇は必ず!)
体は休め、されど心は復讐に燃える阿修羅の如く。
修羅になった智代の心が休まる時はもう訪れる事は無い。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(そういえば……まだ残りの支給品を確認してなかったな)
休憩をしながら智代は残りの支給品確認していなかった事を思い出した。
一つ目の支給品「FNブローニングM1910」を確認してからエリカと遭遇したので、それから残りの物の確認する暇が無かったのである。
(何か役に立つものがあるかもしれないな)
そう思い智代は確認を始めた。
「1つ目は……」
智代が取り出したのは何の変哲も無いペンダントだった。
丸い鏡面を持った以外に他に特徴が無かった。
(はずれだな……こんな物、殺し合いに役に立つわけが無い)
智代はため息をつき、だが気を取り直してもう1つの支給品を確かめた。
その二つ目とは
「これは……いい物だな。さっきと違い、殺傷力は無いが十分に役に立つ」
智代は支給されたものをポケットに仕舞った。
これはすぐに取り出せなければ意味が無いものだ。
(支給品も確認したし、そろそろ行くか……)
どこに行こうか思案している智代に近づいてくる者がいた。
それは智代がもっとも望んでいる殺人者であった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「さ~とう~さん~♪ 出ておいで~♪ おいしいハ~ンバ~グにしてあ~げるよ~♪」
森に向かっている孝之はずっとこんな感じである。
普通の人では耐えられない傷を負っているのに麻痺しているお陰で全く気にしてなかった。
そんな孝之を遠くから見ているのは
(あの人間……いつまで喚いている、すぐに誰かに見つかってしまうぞ)
土永さんだった。孝之を呆れながら見ていた。
その時、土永さんは誰かを見つけたようだった。
『おい、人間』
「なんですかぁ~~神様~~?」
『もう少し先に他の人間がいるぞ』
「へぇ~殺しちゃっていいんですかぁ~?」
『うむ、しかし、その前に色々聞きだしてからだな……』
「殺していいんだ、じゃあ行ってきますね! 待ってて、今、夢からさましてあげるから!」
『ちょ、ちょっと待て、我輩の話を聞け!』
土永さんの静止の声も聞かず、駆け出す孝之。
彼の頭にはその人間をどんな手段で殺すか、それしかなかった。
「何を使って殺してあげようかな~? ハンマーで粉々に潰そうかぁ~?それとも斧でかち割ってやろうか? ひゃは、どれも捨てがたいな~」
そして孝之は一つの支給品を取り出し
「これに決めたぁ! ちゃちゃちゃん! ツル~ハシ~!!」
それはツルハシだった。
ツルハシを持ってさらに走るスピードあげた。
「これで夢から覚ましてあげる事できる! あ~ひゃひゃひゃ!」
もう、智代を目視出来る所まで近づいていた。さらに加速し、そのまま智代に近づき、
「ひゃっは~~!死ね~~!」
ツルハシを振り下ろした。
だが智代は背後の襲撃者に気付いていた。
「甘い!」
瞬時に孝之の攻撃を避け、体勢を立てなおした。
「まさかいきなり襲撃されるとはな……だが都合がいい、殺し合いに乗ってる人間が近づいてくるとは」
「何で避けるんだい~~? 夢から覚ましてあげるにィィィ!」
「覚ます? 何を言ってるんだ、お前は?」
「だから夢から覚ましてあげるんだよおお~殺してさ~~」
「狂ってる……だがその方が気が楽だ、容赦なく殺せる!」
智代は不敵に笑う。
これ以上に無いぐらい気持ちが高ぶっていた。
やっと殺人者を殺せるのだ。興奮しないわけが無かった。
智代は銃を構え、孝之と対峙した。
こうして阿修羅と狂人との戦いが幕を開けた。
――だが智代自身も気付いていない。
自分自身も狂っている事に。
尋常でない殺気を放ち、また殺し合いをする事を良しとしさらに高揚までしてるのだ。
その様はそう、まるで阿修羅の如く。
はたから見れば智代も狂っているようにしか見えなかった。
さらにもう一つ、気付いてなかった事があった。
それは――
(やれやれ、勝手に戦闘を始めるとは……まあ仕方が無い。それにしてもあの女、なんというすさまじい殺気)
エリカ達を罠にはめた張本人、土永さんがすぐ近くにいる事だった。
「まあ、精々殺し合いをしてくれよ、人間ども」
土永さんは空の上でそう呟いた。
「この~~避けるなぁぁ~」
「無駄だ、そんな攻撃、当たるわけがない」
戦いが始まってからと言うものの終始智代のペースだった。
孝之の単調な攻撃を智代が避けられない訳が無かった。
とはいうものの
(ちっ、距離がとれないな、隙が出来るまで待つしかないのか……)
そう孝之の攻撃が間髪無く襲ってくるのでなかなか距離が取れないのである。
智代は一旦距離を離したいのだが孝之がそれを許してくれない。
もうどれ位避け続けてたのだろうか。
ついに孝之の痺れが切れたのか、攻撃が大降りなった瞬間、
「いい加減、しんじゃないよおぉぉぉぉ!」
「甘い!」
その隙を突いて智代は屈み、強烈な足払いを放った。
孝之にその高速の蹴りが避け切れる訳も無く、その足に直撃した。
「あひゃぁあああ!!」
孝之はそのまま尻餅をついた。
「このぉぉお! なぁぁにするんだよおおお!」
孝之がすぐに立ち上がってツルハシを持って智代向かい駆け出すが遅かった。
前を向くと少し離れた所に智代が銃を構え立っていた。
「終わりだ。」
そう短く告げ、銃を撃った。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
放たれた弾丸は孝之の右の太腿に当たった。
(腹を撃ったつもりのなのだが……上手くいかないものだな。まあ動きは止まってるだろう)
智代はそう思ったが甘かった。
「ちくしょうぅぅぅ! ゆるさないぞぉぉぉぉぉ! グッサグッサに刺してやるぅぅぅぅ! ひゃひゃひゃひゃゃ~~~!」
「なっ!? 全く効いていないだと!?」
孝之は止まらずさらにスピードを上げ智代に向かっていった。
すぐに智代の傍まで近づきツルハシを振り下ろした。
油断した智代には瞬時に避けることができなかった。
結果、
「ひゃは~~~~しねぇぇぇぇぇぇ!」
「うがあああああああぁぁぁ!!」
右肩を貫かれた。
智代はすさまじい痛みに耐えることが出来なくて手に持った銃を落としてしまった。
「くっ、しまった。 銃を……」
「やらせな~いよ~~ほ~~ら~~もう1発~~~」
孝之は銃を取らせまいとツルハシを振るい続ける。
智代は取る暇なく孝之の攻撃を避け続けた。
次第に銃から2人は離れていった。
(くっ不味いな……銃がないと……それに肩が……!)
形勢逆転。
智代は攻撃する手段も無くなり、負傷した右肩も思ったより重傷のようだ。
今だ孝之は元気で、智代に向かって攻撃を続けている。
今はまだ避けているが、そんなに余裕は無い。
誰が見ても智代の不利である。
「はっはっは! 何やってもむ~だ~だよ~!」
(何か、いい物……そうか! アレを使えば!)
孝之の攻撃を避け続けている智代が思い出した物。
それはさっき確認したもの。
ポケットからそれを取り出し、ツルハシを振っている孝之に向け
「ひゃは~~~~!」
「この! くらえ!」
発射した。
「あ~がぁ~!! あ~あ~目がぁ~目がぁ~!! あ~あ~目がぁ~あ~あ~!!」
孝之は目を押さえ眼の異常を感じた。
孝之が受けたもの。それは
催涙スプレーだった。
殺傷能力は無いが動きを封じるには便利な物。
30分ぐらいしか効かないらしいが十分だった。
「よし!今なら!」
孝之は催涙スプレーを喰らい悶えツルハシをがむしゃらに振っていた。
そんな孝之をみて智代はすぐ銃を回収にしにいった。
銃を取りもう一度構えた智代は
「これで終わりだ!」
孝之に向け発砲した。
だが当たらない。
それは孝之が動き回っているのと右肩を負傷してるのが影響していた。
「ちっ、まだだ!」
もう1発発砲したが当たらない。
(どうする後2発しかない……近づくのは危ないし、あまり弾を無駄打ちしたくない。なにより右肩が限界だ。)
智代は肩がすぐに治療しなければならないレベルまで達しているのを感じた。
そして智代は苦渋の決断を下した。
「ここでお前は殺したいが、そうもいかなくなった。 次は必ず殺す!」
「待て~~~逃げるなぁぁぁ~~! 貴様ぁぁ名前はぁ~~!」
「ふん、殺人者に名乗る名のなどない!」
そう、智代は言い残し森の方へ去っていった。
こうして阿修羅と狂人の戦いはひとまず終わりを告げた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「あの銀髪の女、ぜっっったいころっっす!! ミンチにしてぐちょぐちょにして! ばらばらに刻んで! ぶっ殺してやるるるううううう!!」
智代が去って30分ごろして後やっと孝之はやっと目が回復した。
孝之はかなり怒り狂っていた。そこに
『人間大丈夫だったか?』
「あ、神様ああああ!! あいつ殺してもいいですよねねね!」
『ああ、よいぞ』
「いやったあ、お墨付きもらたぞおおおお!! ぜったっいい許さないんだから」
そういい孝之は荷物を纏め森へ向かっていった。
それを土永さんは空から見上げ
(あの男、本当にタフだな。……しかしあの女すさましい憎悪。利用できたら利用するか)
そんな事考えつつ孝之の後に続いた。
【B-5 北部 1日目 昼】
【鳴海孝之@君が望む永遠】
【装備:ツルハシ】
【所持品:支給品一式、多機能ボイスレコーダー(ラジオ付き)、両手持ちの大型ハンマー、斧2本、レザーソー3本、フック付きワイヤーロープ(5メートル型、10メートル型各1本)】
【状態:俺には神の啓示と加護がある!皆待ってろよ!!】
【思考・行動】
1:ぎゃわはははははははー!(森に入り、神の名の下に背徳者である生徒会メンバーを殺す+女は犯してから殺す。まずは佐藤良美とかからだ!!)
2:げへへへへへへっ!(殺したらミンチをこねてハンバーグだ!)
3:くっくっくくっくく!(銀髪の女、殺す!)
4:あひゃひゃひゃひゃ!(一人の相手には名前を聞いてから殺す)
5:ひゃっはーーーーーーーーー!(大勢の場合、無害を装って一人ずつ時間をかけて殺す)
6:あんなこ~とイイなッ!で~きたらイイなッ!
7:最後は茜をひ、ひひ、ひひひ、ひひいひひひひひひひひッッ!
【備考】
森に入ります。
森へ入った後、東に行くか南に行くか、はたまた西に進んで海にドボンするかは次の書き手次第。
孝之のスーツは全身が消化剤や自分の血等で汚れています。
自分が神の加護を受けていると思い込んでいるので、酷い出血も痛みもまったく気にしていません。
祈の棒キャンディーを消費しました。
レオを除く生徒会メンバーの名前を情報として知っています(良美については声、髪の色など土永さんが知る限りの情報を全て知ってます)。
【備考その2】
孝之の「実際の」状態は以下の通り
肉体…疲労は通常なら人間の限界点突破、後頭部より大量の出血、肋骨右3本&左1本骨折、右足首捻挫、右太腿負傷
奥歯1本へし折れ、全身擦過傷及び裂傷多数、脳内より大量のエンドルフィン分泌により痛覚完全に麻痺
精神…完全にハイモード及び絶賛発狂中
新しく入手した得物について
大型ハンマー:ミンチ作るのに向いてますね。でも、即死させるならこめかみへの一発だ!
ツルハシ:五寸釘のごとく胸に一発突き立ててやりましょう。
斧:スプラッタ映画みたいに脳天かち割りたいね!
レザーソー:マフラー巻いていても鎧袖一触、頚動脈を掻き切って鮮血の結末を!
フック付きワイヤーロープ:フックが体に突き刺さったら、すごく……痛いです。
【土永さん@つよきす-Mighty Heart-】
【装備:鳴海孝之@君が望む永遠】
【所持品:なし 】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:最後まで生き残り、祈の元へ帰る
1:鳴海孝之(名前は知らない)を駒として操り、生徒会メンバーを皆殺しにする(孝之の前には姿を現さないように注意)。
2:自分でも扱える優秀な武器が欲しい、爆弾とか少量で効果を発揮する猛毒とか。
3:孝之が使えなくなったら、どこか一箇所留まったままマーダー的活動が出来る場所を探す
4:基本的に銃器を持った相手には孝之をぶつける
【備考】
鳴海孝之とは距離をおいて行動しています。
孝之の事は、信心深いくせに勘が鋭く、尚且つ驚異的にタフと思い込んでます(狂っていることに気づいてません)。
狂った孝之が、何かの拍子で自分の想像の斜め上を行く行動を取る可能性について考慮していません。
土永さんの生徒会メンバー警戒順位は以下の通り(レオを除く、放送後の死亡者についてはまだ知らない)
エリー>よっぴー>乙女さん>スバル>カニ
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「ふぅ……ここまで逃げれば大丈夫だろう」
孝之から逃げ出した智代はまた森の中へ逆戻りをしていた。
(やっと森から抜け出したのに逆戻りか……まあいい、とりあえず治療を)
智代が治療始めようとしたその時、少し先に人が倒れているのを見つけた。
智代はその人に近づいていき、まず生きているかを調べ始めた。
(脈はある……しかしなんて耳をしているんだ、しかも血まみれ・・・・・・)
倒れていた人間はトウカだった。
(どうする? 殺し合いに乗ってるかもしれない……)
智代はこの人をどうしようか、と考えている時、それは始まった。
そうそれは人の死を告げる放送。
それは生き残っている人間にどう影響をあたえるか。
まだ誰もわからない
【C-4 左下 森 1日目 昼】
【坂上智代@CLANNAD】
【装備:FNブローニングM1910 1+1発(.380ACP)】
【所持品:支給品一式×3、サバイバルナイフ、トランシーバー(二台)・多機能ボイスレコーダー(ラジオ付き)・十徳工具@うたわれるもの・スタンガン、催涙スプレー(残り4分の3)ホログラムペンダント@Ever17 -the out of infinity-】
【状態:軽度の疲労・血塗れ・右肩刺し傷(動かすと激しく痛む)・ゲームに乗った人間に対する深い憎悪】
【思考・行動】
基本方針:まずは殺し合いに乗っている人間を殲滅する。一応最終目標は主催者の打倒
0:この人、どうしようか
1:殺し合いに乗った人間を探し出して、殺害する。
【備考】
※智代は赤坂達から『蟹沢きぬ』に関する情報のみを入手しました。
※赤坂を露出狂だと判断しました。
※ホログラムペンダント
普通の人にはなんでもないペンダントですが、赤外線を見ること出来る人は火にかざす事でホログラムを見ることができます。
原作では武の顔でしたが、何がホログラムされているかは次の書き手しだいです。
【トウカ@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄】
【装備:舞の剣@Kanon】
【所持品:支給品一式、永遠神剣第七位『存在』@永遠のアセリア-この大地の果てで-】
【状態:全身打撲、右脇腹軽傷、肉体的疲労極大、精神的疲労、気絶】
【思考・行動】
基本:殺し合いはしないが、襲ってくる者は容赦せず斬る
1:???
※オボロからトゥスクルの者達、そして千影とその姉妹達を守るよう頼まれました。
※蟹沢きぬが殺し合いに乗っていると疑っています
※舞の剣は少々刃こぼれしています
※銃についての大まかな知識を得ました
※ネリネに対し、非常に激しい怒りを覚えています
※春原陽平を嘘吐きであると判断しました
※ネリネと川澄舞(舞に関しては外見のみの情報)を危険人物として認識しました
※第三回放送の時に神社に居るようにする(禁止エリアになった場合はホテル、小屋、学校、図書館、映画館の順に変化)
※永遠神剣第七位"存在"
アセリア・ブルースピリットが元の持ち主。両刃の大剣。
魔力を持つ者は水の力を行使できる。
エターナル化は不可能。他のスキルの運用については不明。
ウォーターシールド…水の壁を作り出し、敵の攻撃を受け止める。
フローズンアーマー…周囲の温度を急激に低下させ、水分を凍結させ鎧とする。
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|089:[[童貞男の孤軍奮闘]]|鳴海孝之|126:[[私の救世主さま(前編)]]|
|089:[[童貞男の孤軍奮闘]]|土永さん|126:[[私の救世主さま(前編)]]|
|104:[[武人として/鮮血の結末 (後編)]]|トウカ|115:[[憎しみの環の中で]]|
|088:[[復讐鬼とブリーフと]]|坂上智代|115:[[憎しみの環の中で]]|
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