ケース1:A大学(関西方面)の場合

関西の大学(以下A大学)に平成21年4月に編入された方からの報告です。



A大学工学部に編入学して早8ヶ月、高専でアホみたいに受験勉強していた自分を懐かしく思います。
ここではA大学の学校生活を皆さんにお伝えします。と言ってもまだ8ヵ月しか大学生をしていないので、分かったことだけを直感的にお話します。

A大学は学部生16000人を有する総合大学です。その中でも最大の規模を誇る工学部の内、最も過酷と噂される(入学後の情報)学科目に私は編入しました。
制御系から機械系へ専門を移したのですが、高専での単位を意外にもたくさん認めていただきました。たまに2回生の授業も受けたりしていますが、ほとんど一般学生と同じくらいです。
大学の授業数は驚愕に値するほど少なく、全て履修しても平均3コマ。2時半には帰れます。しかも実験は2週に1回、半年で3回しかない授業もあります。
実験の居残りもほとんどありません。

そう、大学は自由。有り余る時間を如何に使うかに苦心します。
バイトしたり、友達と遊んだり、勉強したり、サークル・部活したり、趣味をしたり大学生は何をしても許される気持ちになります。
私は高専に引き続き水泳部に入って、高専のとき以上に泳いでいます。また、高専では寮生だったので、一人暮らしを満喫しています。

しかし、授業は素晴らしく難解です。期末試験は編入試験並の難度で、高専の3倍くらい難しいです。
大学は研究・開発用の机上の学問を深く学ぶところであり、高専はものづくり用の実践的な技術を身につけるところであると実感しました(つまり、両方やると最強です)。
この住み分けは大学の先生も企業の方もしっかり認識しているようです。

私のクラスは130人のクラスで、毎日大講義室のような部屋で授業を受けています。過半数の先生がパワーポイントを使っていて、ノートをとる暇なく、説明が流れていきます。
一方で学生は授業中に飲食したり、モンハン(ゲーム)したりと、私語はありませんがマナーが悪いです。
周りの編入生も皆口をそろえて「A大(大学もA大生も)ってこんなもんか」と言っています。

授業で席を隣にするのは同じ編入生が多いです。さすがに130人もいるとクラスとしてのまとまりもなく、
一般学生にとっても顔は知っているけど名前は知らないし、話したことない人がほとんどだそうです。
しかし、ひとたびクラスを出て、サークルや部活などに顔を出すといろんな境遇、才能、性格を持った人に出会えます。
特にヨルダンの留学から帰国した外国語学部の人と話をしていると、工学部の窮屈さを感じました。さらに言うと高専の世界はあまりにも狭すぎです。

大学という、より大きな世界を知らずに就職して身を固めるのは少しもったいないと私は思います。
また、高専でも大学でも学んだ人は最強の研究者・エンジニアになれると断言します。
その一方で、高専の技術者教育は素晴らしいものがあり、基礎の部分では大学以上の知識を得られ、就職の待遇が格段に良いのも事実です。
大学の世界に飛び込んで視野を広げたいとか、もっともっと勉強して研究開発したいとか思う人は、編入学という進路を考えてみてはいかがでしょうか。
(ただし、大学・学部によって条件は異なります。単位認定が厳しくて苦労している人もたくさんいます。)
最終更新:2010年04月28日 18:22
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