労働者派遣法の改正を検討している労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)は18日、仕事がある時だけ雇用する「登録型派遣」の原則禁止などを盛り込んだ改正案の原案を示した。禁止が検討されていた製造業派遣については、長期の雇用契約を結ぶ「常用型派遣」を容認するとしている。厚労省は審議会の結論を踏まえ、改正案を来年1月の通常国会に提出する方針。
原案は大学教授ら公益委員の案として示された。労働者の生活が不安定になりやすい登録型派遣は、通訳やソフトウエア開発などの専門業務を除いて禁止する。「派遣切り」が社会問題化した製造業については、常用型派遣だけを認める。このほか、禁止業務への派遣や偽装請負などの違法行為があった場合、派遣先が直接雇用を申し込んでいたとみなす「直接みなし雇用制度」が盛り込まれた。
審議会では、抜本的な法改正を求める労働側委員と、反対する経営側委員が鋭く対立。答申のとりまとめが難航する可能性もある。【東海林智】
毎日新聞 2009年12月18日 東京夕刊