「……あの、大丈夫ですか?」
「え?」
「随分とお疲れのようですから…」
「「「お前(あなた)にだけは言われたくない(です)」」」
「え?」
「随分とお疲れのようですから…」
「「「お前(あなた)にだけは言われたくない(です)」」」
かごめかごめの契約者の青年と狐二人の台詞が、ものの見事にハモった
確かに、青年は(精神的に)疲労しているが…それでも、この目の前のお人好しの黒服程ではない
近頃、また心配事でもあるのか、随分と精神的に疲弊しているように見える
確かに、青年は(精神的に)疲労しているが…それでも、この目の前のお人好しの黒服程ではない
近頃、また心配事でもあるのか、随分と精神的に疲弊しているように見える
「…あの、藤崎さんと交戦していた時、傍に他に誰かいませんでしたか?」
「え?いえ、見ていませんけど…」
「え?いえ、見ていませんけど…」
お人好しの黒服に尋ねられ、青年は狐二人に視線をやった
ふるふる、二人とも首を左右に振ってくる
ふるふる、二人とも首を左右に振ってくる
「それこそ、コーク・ロア支配型の被害者と、タコ妊娠の被害者くらいしかいなかったはずです」
「そうですか…」
「…何か、問題でも?」
「そうですか…」
「…何か、問題でも?」
青年の疑問に、お人好しの黒服は、少し困ったように答えてくる
「…藤崎さんの目撃情報などから考えて見ますと、彼女が多重契約をしているとは思えないんです」
「……?どう言う事だ?彼女は、コーク・ロアの被害者たちに指示を出していたんだぞ?」
「……?どう言う事だ?彼女は、コーク・ロアの被害者たちに指示を出していたんだぞ?」
コンが、首をかしげて…
…………だが、どうやら、気づいたらしい
難しい表情をしてくる
…………だが、どうやら、気づいたらしい
難しい表情をしてくる
「…いや。もし、彼女が支配型のコーク・ロアとも契約していたら…タコ妊娠との組み合わせで、もっとえぐい事をしてくるか」
「二つの都市伝説能力が合わさったら、洒落になりませんからね」
「二つの都市伝説能力が合わさったら、洒落になりませんからね」
ハクが、コンの言葉に頷く
タコ妊娠と、支配型のコーク・ロア
その二つが組み合わさったとしたら……その被害者は、もっと爆発的に増えていっているはずだ
そう言った報告は今のところなく、藤崎 沙織がコーク・ロア被害者たちに指示を出している場面は目撃されているが、被害者を増やしている様子あh見えない
つまり…
タコ妊娠と、支配型のコーク・ロア
その二つが組み合わさったとしたら……その被害者は、もっと爆発的に増えていっているはずだ
そう言った報告は今のところなく、藤崎 沙織がコーク・ロア被害者たちに指示を出している場面は目撃されているが、被害者を増やしている様子あh見えない
つまり…
「コーク・ロア支配型の契約者は他にいて…藤崎沙織は、その被害者達を借り受けているだけにすぎない?」
「その可能性が、高いと思います」
「その可能性が、高いと思います」
それは、つまり
彼女に、仲間が存在する可能性
彼女に、仲間が存在する可能性
「今まで、「組織」で捕縛しました支配型コーク・ロアの契約者達は、都市伝説契約書を渡されて、それに名前を書いて能力を手に入れた、と証言しているそうです」
「…都市伝説の、契約書?でも、それは…」
「…都市伝説の、契約書?でも、それは…」
それは
「組織」で管理しているものの、はずでは?
「組織」で管理しているものの、はずでは?
「厄介な事に、その証言に嘘偽りがない事は確定してしまっていまして…」
「つまり、「組織」内にその契約書をどっかに横流してる馬鹿がいる可能性がある、って事さ」
「つまり、「組織」内にその契約書をどっかに横流してる馬鹿がいる可能性がある、って事さ」
と、そこに、タコ妊娠の被害者の少女達を車に乗せていた髪が伸びる黒服が戻ってきた
何分、数が数だし、こんな季節である
外で浄化作業を行うわけにはいかない
場所を移動する必要性があるのだ
何分、数が数だし、こんな季節である
外で浄化作業を行うわけにはいかない
場所を移動する必要性があるのだ
「向こうでYとOが浄化の準備をして待っている。行こうぜ」
「あぁ、はい」
「あぁ、はい」
髪の伸びる黒服に促され、車に向かうお人好しの黒服
…車に乗り込む前に、くるりと振り返り
…車に乗り込む前に、くるりと振り返り
「…あの、影守さん」
「はい?」
「その……今度から、担当がK-No.232になったそうで…………大変な目にあわれているかもしれませんが、どうか、気を落とさずに。きっと、いつかもっと、マシな方が担当になってくださるかもしれませんから…
「はい?」
「その……今度から、担当がK-No.232になったそうで…………大変な目にあわれているかもしれませんが、どうか、気を落とさずに。きっと、いつかもっと、マシな方が担当になってくださるかもしれませんから…
…そう言ってきた、その表情は
どこまでも慈悲に満ちていて、青年を心配しているもので
たとえ、青年がどんな目にあってしまっていたとしても、決して軽蔑の眼差しなど向けたりせず、ただ、彼の精神状態を心配しての優しさ
その剥き出しの優しさが、ぐさり、青年の心に刺さった
どこまでも慈悲に満ちていて、青年を心配しているもので
たとえ、青年がどんな目にあってしまっていたとしても、決して軽蔑の眼差しなど向けたりせず、ただ、彼の精神状態を心配しての優しさ
その剥き出しの優しさが、ぐさり、青年の心に刺さった
どんな目にあったのか
知っていて、慰めてくれるのはありがたい、が
知っていて、慰めてくれるのはありがたい、が
……いっそ、知らないふりをしてくれた方がありがたい、と思うのは気のせいだろうか?
他人の優しさが痛い事もある
それを、この日青年は知ってしまったのだった
それを、この日青年は知ってしまったのだった
終われ