タミヤ ASTON MARTIN DBS (1/24スケールと表記)
実車のスペック
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実車の寸法 |
1/24の寸法 |
前輪 |
直径20インチ/幅8.5インチ |
直径21.1mm/幅8.9mm |
後輪 |
直径20インチ/幅11インチ |
直径21.1mm/幅11.6mm |
全長 |
4721mm |
196.7mm |
ホイルベース |
2740mm |
114.1mm |
全幅(バックミラー除く) |
1905mm |
79.3mm |
全幅(バックミラー含む) |
2060mm |
85.8mm |
トレッド(前) |
1580 |
65.8mm |
トレッド(後) |
1600 |
66.6mm |
全高 |
1280mm |
53.3mm |
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前輪 |
後輪 |
実車の扁平率 |
245/35 |
295/30 |
実車の直径 |
679.5mm |
685mm |
1/24で割ったもの |
28.3mm |
28.5mm |
つまりタイヤの厚みは前3.6mm、後3.7mmが正解となる。
キット概要
- 商品説明はこちら。流石に「リアル」や「実車そのまま」という謳い文句は消えた。「全長196mm、全幅86mm、全高55mm」となっており、スペックから読み取る範囲では全高以外はほぼスケール通りの寸法である。全高が高すぎるのもおそらく扁平率が合っていないゴムタイヤのせいであろう。
- Item No.24316
実車との比較
- 真上からフロントセクションの比較(上がキット、下が実車)
取りあえずフェンダー幅で合わせたが、フェンダー幅自体がスケール通りである保証は無い(タミヤの公称寸法はあくまでバックミラー幅)。実車とキットの写真で俯角が違うため実車とキットのフェンダー幅・ライト幅の数値を比較せねば確実な事は言えないが、はキットは実車に比べてフロント周りが絞り込まれているか、あるいはフェンダー幅をやや広く取っている可能性がある。
ライトとエンジンフードの輪郭を強調。タミヤのキットはやや「寄り目」となっている。
前輪の位置やホイールアーチの位置に相違があるが、撮影角度が異なる・キットの写真にはパースが掛かっている可能性があるので何ともいえない。ホイールサイズが小さく見えるがこれはゴムタイヤ形状が不正確な為である。
キットはホイールサイズが小さく見えるが上の画像で見る限りホイールサイズには大きな差は無く、キットはタイヤのサイドウォール幅が広すぎるのでそのように見えるだけのようだ。このキットを組む場合は付属のタイヤは使わない方が良い。(このゴムタイヤは同社製R35GTRのものの流用との事。アオシマR35GTR/アオシマLS63AMG用のタイヤと交換すると良い感じになるとの情報があるが、編集者は未確認である。)
形状を改竄してまで実車"らしさ"とやらを追求する割には、タミヤ社員にはこのタイヤは気にならないらしい。4000円近い価格のキットでこういうコストダウンをしなければならないほど他の部分にコストが掛かったキットなのだろうか?
また、実車に比べてキットの後輪の幅が広い事・フロントフェンダーのボリュームがある事が確認できる。
キット発売
- 結局プロトタイプのまま、強調されたフェンダーと分厚過ぎるゴムタイヤの状態で販売開始となった。価格は約4000円。足回りの再現が精密、パーツ点数が少ない割りに精密なエンジンとの評判だが、ボディ・タイヤサイズに関しては残念な出来と言わざるを得ない。
最近のタミヤ
最近のタミヤキットは完成後見える部分、完成後に動く部分のギミック、重量感を演出するダイキャストシャーシ等はこだわった表現をするが、それ以外の部分は省略する傾向にある(バスタブ型エンジンルーム、エンジン自体オミット、ミッションの無いエンジン、etc..)。
これはプラモ(組む過程を楽しむ)でもなければ
模型(完成後見えない部分まで再現してあり資料的価値がある、デフォルメは問題外)でも
オモチャ(簡素で部品点数が少なく強度が十分に確保してあり場合によってはスナップフィットで接着剤不要、鮮やかな成型色とシールで塗装も不要、子供でも組み立てられる。時にモーターライズ)でもなく、
完成後の状態を最重視した「完成品として店に並べるためのミニカー」の設計思想であり、ミニカーの未組み立て品そのものである。
ミニカーの組み立てというものは賃金を得るために過程の楽しさなどは度外視して労働者が労働として行うもので決して趣味とは言えない。タミヤキットを組む過程は消費者に「組む楽しさ」よりも「味気ないルーチンワーク」感じさせては居ないだろうか?更にキットの完成品を平行して販売しているとなると「わざわざタミヤのキットを買ってきて時間を掛けて組み立てるなど馬鹿のする事」という声すら聞こえてくるが… もちろん企業であるから利益追求が至上目的なのであり、このやり方が消費者の賛同を得て売り上げが上がっているのであれば企業として「正しい」のであるが、ところがタミヤのプラスチック製の完成品ミニカーの売れ行きが良いという話もとんと聞かなければホビーショップのミニカーコーナーでの扱いも小さい。
最終更新:2010年06月02日 02:24