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タミヤ 1/23.4(表記は1/24) FERRARI F40



備考

  • タミヤ模型は製品にデフォルメを加えている事を認めている。(田宮模型全仕事より) しかしF40のキットのパッケージや取り扱い説明書にはデフォルメされているという注意書きは一切無い。
  • タミヤのフェラーリF40は20年以上前の設計(No:24077)であるが、2005年12月上旬にはバリエーションのモンテシェル(No:24284)を発売し、2007年3月にはパッケージをリニューアル(No:24295)している事かられっきとした現行製品であり、「旧製品であるから」「設計が古いから」といった言い訳は通用しない。


実車

  • フロントオーバーハング(前輪の車軸からノーズ先端までの長さ、リップスポイラー含)は実車マニュアルによると1048mmとなっている。1/24スケールでは約43.7mmが正しい事になる。
  • 全長は4358mmとなっている。1/24では181.58mmが正しい。
  • F40(1987)オーナーズマニュアル 8ページ目に図面掲載


※これらの写真は比較的距離を取って撮影されており形状は正確である。
  • フェラーリでありながらV12ではなくV8エンジンを搭載しクイックな運動性を持ち、308GTB(1,720mm)から288GTO(1,910mm)へ、288GTOから288GTO Evoluzione(1,970mm)へ、288GTO EvoluzioneからF40(1,970mm)へと徐々に全幅が増やされた結果、ワイドでファットで寸胴なフォルムとなったのがF40である。


タミヤのキット

  • フロントオーバーハングは約49mm(実測、リップスポイラー含)となっている。実に5mm以上延長されている。実車のスケールに換算すると約1176mmとなる。
  • 同時期にリリースされたフジミのF40ではオーバーハングは44mmとなっており、またタミヤ・フジミ共にホイルベース・リアオーバーハング長はスケール通りのほぼ正確な寸法になっている為、このノーズ長は資料不足ではなく意図的に伸ばされた(=デフォルメされた)ものであると見られる。
  • 完成時の全長は186mmとなっている。4358/186=23.43となり、タミヤF40のスケールは1/23.4である。
  • 本来のワイドでファットで寸胴なフォルムではなく、V12エンジンの512BB等のようなスマートで細長いフォルムとなっている。


ノーズ部分の比較

  • 上がキットで下二つが実車のノーズ部分である。

※上二つはほぼ真横からの撮影だが、一番下の写真はやや撮影位置が高い為ボンネットのラインが異なって見える。

  • 完全に角度が一致していないが、やや上から見た場合はこうなる。

※下の実車は北米使用の為バンパーとウインカーが異なっている。またホイールは社外品である。

リアウイングの幅の比較

  • 実車のリアウイング幅は不明。
  • キットのリアウイング幅は57mm。実車のスケールに換算すると1368mmになる。
  • 参考までに、フジミF40のリアウイング幅は63mmとなっている。実車のスケールに換算して1512mmである。


タミヤのイラストと商品説明

  • 実車よりもノーズ部分を長く表現する意図が読み取れる。実車とは全く別物である。


タミヤはこのキットを力強さを感じさせるボディを実車そのままに再現。と宣伝している。タミヤ模型の社員は酷い乱視を患っているようである。
  • ノーズ長を適切な長さに修正するとこうなる。

バリエーションキットの「コンペティツィオーネモンテシェル」

  • キット内容はF40に追加ランナー・デカール・エッチング等が加わり整形色が白に変更されているがボディ形状は通常版と同一である。
  • 「コンペティツィオーネ モンテシェル」バージョンの元となったのは、1993年のイタリアGT選手権にチーム「Jolly club Monte Shell」よりゼッケン7番をつけて出走したF40GT(シャシーNo80742)である。
  • F40GT(No.80742)は基本的には市販型と同じボディ形状だが前後フェンダーが叩き出されており、これはタミヤのキットでは市販型のボディを流用している為再現されていない。写真の実写とタミヤ、フジミがモデル化したキットではバージョンが異なるようである。

以下にF40GT(No.80742)の写真を示す。(下のイラストと比較するため左右反転している)


こちらはタミヤのパッケージイラストの背景を黒にしたものである。実車との比較して明らかにデッサンが異なり実車のフォルムを再現する気が無い事がよくわかる。フジミのようにパッケージイラストだけワイドボディを再現しておいて中身はナローボディのままというよりは、箱絵と中身が両方とも間違った形状になっている方が良心的なのかも知れない。
しかし「研ぎ澄まされた刃物のようなフォルムはもちろん、ドアミラーやホイール、ブレーキなどF40コンペティツィオーネの特徴をとらえて再現。」などと、あたかもタミヤデフォルメ済みのフォルムを実車通りであると虚偽の宣伝をするのはやめてもらいたいものだ。
明らかに寸法が間違っているし、実車はタミヤのキットのような変な形状ではない。

要修正点まとめ

  • ノーズの切り詰め(先端部の形状も鋭くなるよう改変されている為、単なる切りつめでは済まない)
  • ドア横、サイドステップ等のエッジ修正
  • ボンネット後端の形状修正
  • リアクォーターウインドウのライン修正
  • リアウイング幅修正
  • エンジンフード分割線修正

フジミのF40について

  • 実車はフロントスポイラーを含めて1048mmであり1/24で約43.7mm、一方フジミのF40は(プロトタイプをモデルアップした為)フロントスポイラーが無いにもかかわらず44mmのオーバーハング長があり、フジミですらややオーバースケールである事がわかる(実車のフロントスポイラー長が不明の為、具体的に何mmオーバースケールなのかは不明、おそらく1mm強程度)。












最終更新:2015年03月01日 18:22