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このページは、インジェクションキットメーカーは実車を元にしたスケール表記のあるカーモデルを設計する際にデフォルメを加えるべきでない理由を説明したものである。

注意:このページはある特定の個人がデフォルメが全くされていない・あるいは比較的デフォルメが控えめなキットよりもデフォルメされたキットを好むような個人の趣向に対して問題視するものではなく、あくまで不特定多数の様々な価値観を持つ消費者達に対して素材を販売するインジェクションキットメーカーは客観的に正確な形状を目指すべきだという主張である。但し、デフォルメされたキットを好む一個人による「メーカーはスケール表記をしたキットに於いても積極的にデフォルメを行うべきだ」という意見は完全に否定するものである。


意図的にスケール通りでない寸法でカーモデル全体ないし一部を表現した場合、1/24スケール表記と実際の商品に齟齬が生まれる。

解決方法としては、1/24スケール表記を外す、又は正々堂々とパッケージにデフォルメを行っている旨を明記し、デフォルメモデルとして販売する事が考えられる。このままスケール表記を続け、デフォルメを行っている旨を伏せたままデフォルメモデルを販売し続けた場合、デフォルメを好まない消費者が意図しない製品を誤って購入してしまったり、景品表示法に抵触する恐れがある。

意図的に実車の形状を軽視し、カーモデルに実車と異なる形状を与えた場合、「模型」の概念から外れる

模型(英語ではモデル)を辞書で調べると、「実物にまねて作ったもの」となっている(goo辞書より)。もちろん縮小模型を何から何まで実車通りで完璧に再現する事は不可能に近いが、仮に実車通りでなくとも、より実車に近づける事を目指して「実物にまねて作ったもの」が模型であり、最初から実車の形状を真似る気が無いデフォルメ行為がなされたキットは「模型」ではなく「創作物」にカテゴライズされる。実車の名前を冠し、スケールを明記して販売しているのだから実車の形状を尊重するべきであり、新たな創作物を販売したいのであれば「スケールモデル」以外のカテゴリで販売するべきである。

立体情報としての価値が薄れる

模型の価値のひとつに手軽に立体形状や内部構造の把握が出来ることが挙げられるが、意図的に誤った形状にされた場合その価値が薄れる。模型の価格とは、決してプラスチック等の素材としての価格なのではなく その立体情報とその形状にするためのコストに対して支払われるものであり、その肝心な情報をミスでなく意図的に歪める事は不誠実である。

実車と異なる点を見つけてしまった時、落胆してしまう。

10年前ならまだしも、現在ではインターネットの普及でいくらでも実車の高解像度の画像を見る事が出来、意図的にボディラインを変えられたキットは簡単に看破されてしまう。模型は楽しむのが一番であるが、時間を掛けて製作した作品が実は全然実車とラインが違っていると気が付いた時のショックは大きい。

以上の理由から、モデルとなった実車の名称とスケールを明記して販売するインジェクションキットに対してデフォルメを施すことはスケールモデルの定義に背き、社会的にも偽装表記と受け取られる完全なルール違反と言える。(くどいようだが技術的・コスト的・資料不足・ミス等が理由で実車を再現しきれないケースは該当しない。あくまでもより正確にフォルムを再現する為になんら障害が無いにも関わらず、設計者の主観を根拠に形状を弄んだ場合の話。念の為)












最終更新:2010年04月17日 04:53