それは、いつもの放課後のこと…
唯「ムギちゃーん♪今日のお菓子はなあに?」
紬「ごめんなさい唯ちゃん、もう用意してあるから食べてて?」
唯「え?ムギちゃん…?」
紬「ごめんなさい唯ちゃん、もう用意してあるから食べてて?」
唯「え?ムギちゃん…?」
ムギちゃんは私と目も合わせずに、なにやら澪ちゃんと話を始めた。
曲のことだろうか。それにしても…
曲のことだろうか。それにしても…
澪「ここなんだけどさ、ちょっと変えてみないか?」
紬「そうね、じゃあここを…」
紬「そうね、じゃあここを…」
梓「最近あの二人、いつもあんな感じですよね」
律「なんか仲良さそうだよなー。私は作曲とかわかんないから入っていけないぜ…」
唯「……」
律「なんか仲良さそうだよなー。私は作曲とかわかんないから入っていけないぜ…」
唯「……」
ムギちゃんはとても楽しそうだった。澪ちゃんと話しているその表情は、とてもいきいきとしていた。
心なしか私といる時よりも楽しそうな気がして、なんとなくいやな気持ちになる。
心なしか私といる時よりも楽しそうな気がして、なんとなくいやな気持ちになる。
紬「これでどうかしら?」
澪「うん、いいかも!ムギ、すごいな!」
紬「そんなことは…澪ちゃんが頑張ったからよ」
澪「いやいや、ムギが手伝ってくれたからだよ!」
紬「そうかしら…」
澪「うん、いいかも!ムギ、すごいな!」
紬「そんなことは…澪ちゃんが頑張ったからよ」
澪「いやいや、ムギが手伝ってくれたからだよ!」
紬「そうかしら…」
ムギちゃんはとてもうれしそうな顔をしていた。それって、澪ちゃんに言われたからなのかな…
もし本当にそうだったら…嫌だよ、ムギちゃん…
結局、その日はムギちゃんとほとんど話せないままで部活が終わってしまった。
私はちらちらとムギちゃんを見ていたけど、ムギちゃんは澪ちゃんと話してばかりで、目も合わなかった。
…ムギちゃんの、ばか。
私はちらちらとムギちゃんを見ていたけど、ムギちゃんは澪ちゃんと話してばかりで、目も合わなかった。
…ムギちゃんの、ばか。
梓「それじゃお先に失礼します!」
律「お先ー、ほら澪、帰るぞー」
澪「あ、ああ!じゃあなムギ、今日はありがとう」
紬「どういたしまして♪」
律「お先ー、ほら澪、帰るぞー」
澪「あ、ああ!じゃあなムギ、今日はありがとう」
紬「どういたしまして♪」
ムギちゃんはまた澪ちゃんに笑いかけた。そんな顔、私にはほとんど見せてくれないのに…
二人きりになった部室を、しばらく沈黙が包んだ。その沈黙を破ったのは、ムギちゃんだった。
紬「唯ちゃん、一緒に帰ろう?」
唯「……!」
唯「……!」
その日初めて話しかけられて、私は一瞬うれしくなる。
けれどさっきのムギちゃんの様子を思い出すと、そう簡単にOKはできなかった。
けれどさっきのムギちゃんの様子を思い出すと、そう簡単にOKはできなかった。
唯「…やだ」
紬「どうして?」
唯「嫌なものは嫌なの!」
紬「でも、いつもは一緒に帰ってるじゃない?どうして急に嫌なんて言うの?」
唯「だって…」
紬「当ててあげる。私が澪ちゃんと仲良くしてたから、焼きもち焼いてるんでしょ」
紬「どうして?」
唯「嫌なものは嫌なの!」
紬「でも、いつもは一緒に帰ってるじゃない?どうして急に嫌なんて言うの?」
唯「だって…」
紬「当ててあげる。私が澪ちゃんと仲良くしてたから、焼きもち焼いてるんでしょ」
ムギちゃんはそう言いながら、後ろからそっと私を抱きしめた。ふわふわした髪の毛が、私の頬をくすぐった。
唯「な…」
紬「そんなことわかってるわよ。唯ちゃん、ずーっと私たちのことにらんでたもの」
唯「じゃ、じゃあ…最初から全部わかっててやってたの?」
紬「そうよ♪」
唯「そんな…ひどいよムギちゃん」
紬「ひどいだなんて…私はちょっと確かめたかっただけよ?」
紬「そんなことわかってるわよ。唯ちゃん、ずーっと私たちのことにらんでたもの」
唯「じゃ、じゃあ…最初から全部わかっててやってたの?」
紬「そうよ♪」
唯「そんな…ひどいよムギちゃん」
紬「ひどいだなんて…私はちょっと確かめたかっただけよ?」
ムギちゃんは私の体に覆い被さるようにすると、私の顔に頬ずりをした。
私は恥ずかしくてドキドキしてしまう。
私は恥ずかしくてドキドキしてしまう。
唯「た…確かめたかったって?」
紬「唯ちゃんが、どれくらい私のこと好きかどうか…
本当に私のことが好きなら、とっても焼きもち焼くはずだから」
唯「…やっぱり、ひどいよムギちゃん。私はそんなことしなくたってムギちゃんのこと大好きなのに」
紬「そうかも…ごめんね唯ちゃん。私ちょっとやりすぎちゃったかも」
唯「もうこんなことしないでね?ムギちゃんが他の誰かとくっついたりしてるの見るの嫌だから」
紬「うん。もうしないわ」
唯「…ムギちゃん」
紬「なあに?」
唯「私も、ムギちゃんみたいに抱きつきたいな」
紬「え?」
唯「いいでしょ?今日はすごく寂しい思いしたんだから」
紬「…うん、いいわよ」
紬「唯ちゃんが、どれくらい私のこと好きかどうか…
本当に私のことが好きなら、とっても焼きもち焼くはずだから」
唯「…やっぱり、ひどいよムギちゃん。私はそんなことしなくたってムギちゃんのこと大好きなのに」
紬「そうかも…ごめんね唯ちゃん。私ちょっとやりすぎちゃったかも」
唯「もうこんなことしないでね?ムギちゃんが他の誰かとくっついたりしてるの見るの嫌だから」
紬「うん。もうしないわ」
唯「…ムギちゃん」
紬「なあに?」
唯「私も、ムギちゃんみたいに抱きつきたいな」
紬「え?」
唯「いいでしょ?今日はすごく寂しい思いしたんだから」
紬「…うん、いいわよ」
その言葉を聞くと、私はすぐにムギちゃんに抱きついた。
思い切り背中に手を回して、思い切り胸に顔を埋めた。ムギちゃんの胸は、とってもいい匂いがした。
思い切り背中に手を回して、思い切り胸に顔を埋めた。ムギちゃんの胸は、とってもいい匂いがした。
唯「ムギちゃん、私ムギちゃんのこと大好き…だから、私のことだけ見てて…?」
紬「うん…本当に嫌な思いさせてごめんね?私も大好きよ、唯ちゃん」
紬「うん…本当に嫌な思いさせてごめんね?私も大好きよ、唯ちゃん」
ムギちゃんは、私の頭を優しく撫でた。
その手は、とてもあたたかかった。
終わり