「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - Xenon

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匿名ユーザー

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僕のお父さんとお母さんは殺された
あの日から暫く経ったある日、黒服さんと出会い、都市伝説の事を知った
お父さんとお母さんを殺した犯人も、都市伝説の契約者だったという事も
僕は黒服さんに頼みこんで、都市伝説と契約し、「組織」に入った
2人の仇を取る為に
2人を殺した犯人を、この手で殺す為に



そして、とうとうその犯人を見つけ出した



なのに――――――




「げほっ、ごほっ……!」
「ゲラッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャァ!!
 どぉしたんですかぁ??まっさかそんなモンじゃな~いよねぇ~??」

僕が胃の中の酸い物を吐き出す姿を、あの野郎はピエロみたいなふざけた顔で楽しそうに笑っていた
白塗りに赤や緑の派手な化粧、明るい色の縞模様、水玉模様、星模様が不断にあしらわれた派手な衣装
風にマントを靡かせてけらけらと笑いながら、そいつは足元で動かなくなった黒服さんを何度も踏みつけた

「やめろ………やめろぉ!!」

ひゅう、という音と共に、空から白い塊が落ちてくる
標的は勿論、目の前のピエロ野郎
僕が契約した都市伝説は「オルタニング現象」
雲を氷のような固体にして地上へ落とす、地味だけど強力な都市伝説だ
地上数千メートルの場所から落下したものが人間の頭に当たれば、一溜まりも無い
当たれば、だけど

「おぉやおやぁ、そーいうのを馬鹿の一つ覚えっていうの御存知ですかー?」

小馬鹿にしたように笑い、ピエロ野郎はひらりとマントを手に取って、
空に向けて煽ぐように翻した

「タネも仕掛けもあぁりまっせーん!!」

その瞬間、あと少しの所まで落ちてきていた雲が、一瞬にして消えてしまった
さっきまでもそうだった
僕も、黒服さんも、あいつに攻撃はするけれど
いつも、あいつはそれを無力化し続ける
黒服さんが殺された時、心の何処かでぽつりと呟いた――――――――――――――――勝てない、って
でも、僕は

「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!」

負ける訳には行かなかった
1つ、2つ、幾つも幾つも、空から雲を落とし続ける

「ゲラッヒャヒャヒャヒャ!! ぁタ~ネも仕ッ掛け~もごじゃいましぇ~ん♪」

ぱちんっ、ぱちんっ、とピエロ野郎はステップを踏みながら指を鳴らす
同時に、奴に命中しそうだった雲は火を噴きながら爆発した
構わず何度も何度も、何度も何度も何度も雲を落とし続けた
当たらない。一発でも当たれば良いのに、その一発すらも当たらない
次第に息が切れ始め、身体がふらついた

「っはぁ………はぁ…………く、そ…………」
「しぃぶとい坊やですねぇん、一体ボクがキミにどんな悪い事をしちゃったのかな?」
「だま、れ……お前は…僕のお父さんとお母さんを殺した………!!」
「はあ?」
「だから、僕は…………お前を、この手で―――――――」
「ゲラッヒャヒャヒャヒャヒャヒャ! あぁっは~ぁ、そーゆーことで御座いましたかぁ
 おい糞餓鬼、一遍周りを見てみやがれ!!」

突如声色の変わったピエロ野郎の言葉を聞いて、不意に僕は周囲を見渡した
気がつかなかったが、酷い惨状だった
ぐしゃぐしゃになった家、家、家………原因は、僕が落とし続けた雲だ
中には燃えている瓦礫もあり、また、中には真っ赤な手が見えて――――――手?

「こ、これは……………!?」
「御覧なさい。これは全て君がやった事だ。お父さんの為に?お母さんの為に?
 君が大勢の人々を殺す事が、君の両親の願いだったのか?」
「違う!僕は―――――」
「だったらこれは何だ!? 俺一人殺すくらいなら良い!
 関係の無い人間を殺してまで仇を討つ必要があったのか!?
 今の貴様のように、誰かが貴様を殺しに来る可能性を考えた事があったか!?」
「っ………」
「…隠していて悪かったがね、君の御両親はとても悪い人だったんだ
 幼い子供達ばかりを狙って殺していた快楽殺人鬼……まさかその間に子供がいるとは思わなかったが」
「う、嘘だ!お父さんとお母さんがそんなこと!!」
「今からでも遅くはない。僕は君を許そう。もう、人を殺そうなんて馬鹿な真似は止すんだ」

色んな事が頭の中に浮かんでくる
お父さんが笑ってる
お母さんが笑ってる
ピエロが泣いている
雲が降ってくる
家が潰れてる
ピエロが笑ってる
黒服さんが笑ってる
人が潰れてる
ピエロが笑ってる
お父さんが呼んでいる
ピエロが呼んでいる
お母さんが嗤ってる
黒服さんが潰れてる
人が哂ってる
ピエロがワラってる

「さぁて、何処から真っ赤っかーなウソだったんでしょうね~♪」

急にお腹に重い衝撃が走った
直後に感じたのは、熱く湿った感触と、ぽっかりと穴の空いたような空虚感
目の前のピエロ野郎は、真っ紅に染まった槍を持ってニタニタと楽しそうに笑っていた
思えば、あいつしか狙ってなかったのに他の家が潰れる訳が無かった
一瞬でも、僕はお父さんとお母さんを疑ってしまった

「ケフッ………嘘…………吐、き…………」
「はぁ?……この世の中に、真実(タネ)善意(シカケ)も在りはしないのさ」

おとうさん、おかあさん、ごめんなs





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