「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 彷徨うみさき-02 もしくは、ハジマリ

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匿名ユーザー

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薄暗い廃ビルの一室。そこには、複数の男女の体があった。
男たちは全員生きているが、女……少女たちと言った方がいいだろう。
少女たちは、たった1人を除いて衣服を乱し事切れている。
その体は様々な液体で濡れていて、長い時間放置されているのか虫がたかっていた。
そして、今最後の少女の服に男たちの手が迫っていた。

「んぐぅ、んぐぅ、んんあー!!!」

手足を縛られタオルで猿轡をされ、逃げる事も叫び声を上げる事も少女には出来ない。
しかし、先程まで自分以外の皆がされていた事を見せつけられた少女は涙を浮かべて首を振り叫ぼうとしている。

「無駄無駄。声が出せても助けなんざ来ねえよ」
「だな。なんなら、初めっから取っちまおうぜこれ。結局最後は、外すんだしよ」
「サンセー。サンセー。そーしよーぜー」

少女に近づき服を乱暴に剥ぎ取っていた男たちは少女の声を聞き、タオルを外した。

「い、嫌。止めて。いやーー!! 助け……え? 何?」

悲鳴を上げる少女が、不意に感じた何かに声を出す。
男たちの方は何も感じず、叫ぶのを止めた少女を不思議がりながら服を脱がしている。

( ( ( ( ( (許さない、憎い、殺してやる、恨んでやる、呪ってやる、復讐してやる) ) ) ) ) )
(こ、これって。……そっか、皆もそうなんだね。だったら……力を貸して! こいつら、全員ブチ殺すための力を!!)

少女の頭に直接響く、怨嗟の声。それをこの男たちに殺された彼女たちのものだと理解し少女は心の中で叫んだ。
それに答えるかのように、脳内の声は少女に語りかける。

( ( ( ( ( (契約を、私達と契約を) ) ) ) ) )
(契約? 何でもいいわ! だから、力を貸して!!)

その瞬間、少女の中にとある知識が流れ込んできた。

「そう。……都市伝説。こんなのが有るなんて、本っ当に世の中って何でもありですね」

手に入れた知識に対する感想を口にした少女に、男たちは手を止めて困惑した表情を見せる。

「んだ。恐怖で壊れたのかよ」
「壊れた……ですか。そうですね、私は今壊れたんでしょうね。けれど、あなた達はもっと酷い目に合うんですよ。
 さあ、《七人みさき》恨みを果たしましょうか」
「あ? 何言っ、うがぁぁ。ぐほ、がほ、げほっ」
「おいどうしかはっ、はっ、はっ」
「な、何うが、はぁ、えぼぉぉ」

男たちは急に苦しみだして、咳込んだり息を乱したり吐いたりし始めた。その様子を縛られたままいい気味だと思いながら、少女は見ている。
その周囲には、いつの間にか白装束をきた6人の少女の姿が同じような思いで男たちを見ている。

「飽きましたね。止め刺しましょうか。あと、好い加減にこれ外してくれません」

男たちが苦しんでいるのを見ていた少女は、周りの都市伝説たちにそう話しかける。
コクリと頷きその内の何人かが男たちの持ち物であろうナイフを手に、苦しんでいる彼らの所へ向かっていく。
そして、残りの何人かは少女を縛っているロープを解きはじめた。

「がはっ…………」ブスッ「はっ…………」ザシュッ「うぼぉ…………」ブシュッ

ザシュ、ブシュ スパッ、ブスッ、グサッと《七人みさき》たちは何度も男の体にナイフを突き立てる。

「アハ、アハハハハハハハハハ!!!」
「よくも、よくも。よくもぉぉぉ!!」

その口からは、狂気の笑いと憎しみが漏れている。
男たちが死んでも、それはしばらくの間終わらずに続いていた。

「んん。っと、窮屈でした。有難うございます」

大きく伸びをして縛られていた体をほぐし、自らの都市伝説に礼を言う少女。
その契約者の言葉に《七人みさき》の少女たちはこう返した。

「良いよ良いよ。私達こそ、お礼を言わせてもらいたいもの」
「そーそー。あのまま、恨みも果たせないなんて嫌だったもん」

嬉しそうに笑いあいながら話し合う少女たち。

「ええ、あたしも同じ思いです」
「ボクもボクも~」
「えと、わ、私もです。それで、あれ、どうするんですか」

気弱そうな《七人みさき》の1人があるものを指さしながら言った。
そこにあるのは、男たちの死体の上で浮いている3つの人魂(?)。

「あぁ、この人たちの残滓ですか。イりません、此処で消えてもらいます。
 私の力になる価値なんてありません」

人魂のようなものをまとめてギュッと握りつぶし。契約者の少女はそう言った。
《七人みさき》の彼女たちも同じ思いでその行為を見ていた。

少しの間話し合っていた契約者の少女は、都市伝説である少女たちに笑いながらこう言った。

「まぁ。これからも、よろしくお願いしますね」
「「「「「「こちらこそ」」」」」」


(これが、私《七人みさき》の主、美咲の始まりだよ。
 え? 話し方が違いますか。それは当然なことさ。
 何故って、それはだね……………………………………)


END

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