「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-極秘資料-3

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匿名ユーザー

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プロジェクト名 Intentionally Piece

H-350 契約都市伝説:ノストラダムスの予言         都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-351 契約都市伝説:にがよもぎ              都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-352 契約都市伝説:ル・ガルー              都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-353 契約都市伝説:死の乙女               都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-354 契約都市伝説:ヴルコラカス             都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-355 契約都市伝説:ミミズバーガー            都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-356 契約都市伝説:鬼太郎女               都市伝説に飲み込まれた直後自殺
H-357 契約都市伝説:赤紙青紙               都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-358 契約都市伝説:人面犬                都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-359 契約都市伝説:夜彷徨う鎧武者            都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-360 契約都市伝説;性的欲求が強い者は髪が伸びるのが早い 経過観察中
H-361 契約都市伝説:黒いキューピー人形          都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-362 契約都市伝説:コインロッカーベイビー        都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-363 契約都市伝説:ボギーマン              都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-364 契約都市伝説:口裂け女               都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-365 契約都市伝説:殺人蝋人形              都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-366 契約都市伝説:カーネル・サンダースの呪い      都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-367 契約都市伝説:ネッシー               都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-368 契約都市伝説:ザ・フック              都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-369 契約都市伝説:タコ妊娠               都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
H-370 契約都市伝説:エイズ・メアリー           都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄
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H-360 捕縛作戦 記録映像
閲覧しますか?






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映像は、ところどころ砂嵐が入り乱れている
音声も完全なものではなく、真実の全てを記録していながら、真実を伝えると言う役目を完全には果たしていない……



 黒い嵐が吹き荒れている
 悲鳴が、絶叫が上がり、一人、また一人と死んでいく
 都市伝説が、都市伝説契約者が、「組織」の黒服が
 その黒い嵐に飲まれ、死んでいく

 その様子を、一人の少女が唇を噛み締め、見詰めていた
 小さな体が、カタカタと震えている
 唇を震わせ、何事か呟いているのだが…その声は、悲鳴と絶叫にかき消され、聞こえない

 黒い嵐は周囲のものを殺し尽くし、とうとう、少女に向かってきた
 少女を庇うように、顔に縫い目の入った黒服の男が立ちはだかる
 ……しかし、その黒服も、一瞬で黒い嵐に飲み込まれて
 次の瞬間、その大きな体はバラバラになされて、投げ出された
 ごとりっ
 少女の足元に、頭が落ちる

「………ン、様………に、げ」
「………わ、は」

 少女は
 自分に向かってくる、その黒い嵐の中心の……この、大虐殺を行っているその男を見つめて
 体を震わせ…呟く

「妾は……何と言う事を、してしまったのじゃ……!」

 ゆっくりと、その男は少女に近づく
 何十人もの都市伝説を、都市伝説契約者を、「組織」の黒服を殺したのは…その男の、長く伸びた髪だった
 どんなに切り裂かれても、どんなに引きちぎられても伸び続ける髪は、対象を絡めとり、体に食い込ませ引き裂き、引きちぎる
 無理矢理に契約させられた都市伝説を、この男は完全に使いこなしていて

 その力を、復讐と言う名の虐殺に使っていた

 しゅるり
 髪が、少女に絡みつく
 少女は、逃げようともしない

「-----お嬢様!!」

 頭だけの状態で、顔に縫い目のある黒服が叫ぶ
 それでも、少女は逃げない
 体に食い込む髪の毛を感じながら…


 絶望したような
 安堵したような
 そんな顔で、笑った


「…お前を、化け物にしてしまったのは、妾じゃ……お前は、妾が憎かろう?」

 …ぴくり
 男の、虚無としか言いようがないその顔に…一瞬、動きが見えた
 少女は、ゆっくりと続ける

「妾が憎いだろう?憎かろう?さぁ、妾を殺しておくれ。そして…妾以外の研究員達を、許してやっておくれ。全ては、妾の我侭による罪じゃ」

 …食い込む髪の動きが止まる
 男が、少女をじっと見詰めている

「妾は…ただ………………かった。だが、その願いは、きっと叶わぬものなのだろう。妾の、そんな叶わぬ願いを叶える為の我侭で、たくさんの犠牲が出てしまった。お前は、まだ自我があるようじゃが、お前以外は皆自我を失い、失敗作として廃棄されてしもうた」
「…………」

 男は
 静かに、少女の話に耳を傾けている
 どんな言葉も届かなかった男が、ただ静かに、少女の話を聞いていた

「お前は…恐らくは、プロジェクト「Intentionally Piece」における、唯一の成功例じゃろう。だが、同時に…最大の、失敗作。「組織」が制御できず、「組織」にこれだけの被害を出してしもうたのだから…きっと、「組織」はお前を廃棄しようとするのじゃろうな」
「………………俺、は」
「じゃが、それはお前の存在が、「組織」に報告されたら、じゃ」

 少女は、男から視線を逸らさない
 自分が生み出してしまった化け物から、決して視線を逸らさない

「ここで、妾を殺してくれるならば…お前の存在は、「組織」に報告せぬ」
「…!?お、お嬢様、何を…」
「G-No,1、決して喋るでないぞ?」

 頭だけにされた部下に、少女は少し悲しそうに笑った
 …ゆっくり、男に視線を戻す

「さぁ、妾を殺すのじゃ。もはや、願いは叶わぬと妾は知った。この世に生きる理由もない」
「…………」

 静かに、静かに
 男は、少女をじっと見つめる
 ゆっくり、その口を開いて……






 -------その瞬間、映像は途絶えた
 ただ、砂嵐の映像だけが続く
 あの後、一体何があったのか
 それは、「組織」の記録内にすら残っていない


 ただ、その時の当事者達だけが
 あの時の生き残りだけが
 その事実を記憶し、背負い続けている






fin






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