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単発 - 都市伝説と戦わない「キ印」

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匿名ユーザー

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学校からの帰り道、私は初めて万引きをした。
最近できたばかりの雑貨店で、瑪瑙のブローチを万引きした。
黄色と黒の縞々で、中央に非ユークリッド幾何学的にねじれ曲がった三本のラインが入った不思議な不思議な金細工のブローチ。
前から欲しくてしょうがなかったのだけど、私のお小遣いでは買えないし、どうせお父さんもお母さんもあの店のものは買ってくれない。
大人たちはあの店に近寄ってはいけないなどと言っているのだから。
店番のおばあさんは何時も眠っているし、万引き自体はとても簡単だった。
やり方も他の子から教えてもらったのだ。
皆がやっている。私は悪くない。心のなかで何度も繰り返しながら私はブローチをポケットに入れた。
家に帰ると両親は居らず、妹が一人でテレビを見ていた。
私はこっそり自分の部屋に戻ってブローチを眺めた。
その時、背後からいきなり妹に声をかけられた。
どうやら私のブローチに興味を示したらしく、自分にも見せて欲しいのだという。
私は断った。これは私のものだ。私だけの宝物だ。私以外の誰にだってこれを持つ資格は無い。
どんなところにあったとしても私はこれを奪いとろうとしただろう。
妹は素直に私の言うことを聞かず、私の手からブローチを奪い取った。
私はそれを取り返そうと彼女と取っ組み合いの喧嘩をする。
そうしていると玄関のドアが開き、母が帰ってくる。
彼女はすぐにここまで来て、私と妹が喧嘩している姿を見る。
私は母に怒られることを覚悟した。
だが母のとった行動は意外なものだった。
彼女もそのブローチを見るなり取っ組み合いに参加し始めたのだ。
私の髪を引っ張り、妹の頬を引っかき、彼女もまたブローチを手に入れようと必死である。
やっぱりそうだ。これはそれ程に価値のあるものなのだ。
だったら絶対に渡すわけにはいかない。私も母を殴り、妹を蹴って自分だけブローチを手に入れようとする。
妹が母親の足を捕まえた。そしてその拍子に母はバランスを崩してタンスの角に頭をぶつける。
キヒィという悲鳴を上げて母は動かなくなってしまった。
私は怖くなって妹に向けてあんたが殺したんだあんたが殺したんだと連呼しながら掴みかかった。
半狂乱になった妹は筆箱から鉛筆を取り出して私の喉に突き刺す。
私は慌てて彼女の目を指で突き刺して彼女にブローチを目で見れないようにしてあげた。
こうすれば手に入れた所で意味は無い。いい気味だ。
笑おうとした所で呼吸が上手くできなくなって、私と妹はその場に倒れてしまった。
……それからどれほどの時が過ぎただろう。私は何故か意識を失わずにその場に倒れている。
家のドアが開く音。多分お父さんが帰ってきたのだ。何故か私の部屋に足音が一直線に向かってくる。
娘の部屋に勝手に入る気なのだろうか? だとしたら最悪だ。私の部屋の前で足音は止まり、扉は開く。
其処に居たのは見たこともないような色彩のボロ布を纏ったみすぼらしい老人だった。
ガイ・フォークス・デイのマスクをしているのでそれが本当に老人かどうかすら解らない。そんな雰囲気がしただけだ。
老人は私の目を取り出して妹の潰れた眼窩にはめ込んだ。
何故それが解ったのかというと老人は一個ずつ目を取り出してはめ込んだからだ。
痛みは無い。でも今にも気が狂いそうなほど怖い。それを声にすることはできないけど。
老人は次に私の頭を切り開いて、私の脳みそを取り出した。彼は母の頭も同じように切り開いてから私の脳をその中に入れた。
何故それが解ったのかというと今度は私の視界が母親のものになったからだ。
そして老人は何も言わずに部屋から出て行き、後には私の死体だけが残った。

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