「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-53

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
 体育の時間と言うものは、どうしても運動神経が良い子が目立つものだと思う
 いや、運動神経が絶望的に悪い子も、嫌な意味で目立ってしまうかもしれないが。やはりどちらかと言うと目立つのは運動神経の良い生徒

 自分は、運動神経は決して悪い方ではない
 スポーツは、ある程度一通りできるつもりだ。もちろん、できないふりもできるけれど

 ……そんな自分が、あまり注目を集められない
 そして、自分よりも運動が(ぽっちゃりな見た目に反して)できるCですら、あまり目立てないこの現状
 Cが目立てないのなら、これはもう仕方ないかな、と、最近は思うようになってしまった
 本日の体育の時間は、二つのクラスでわかれてバレーボールの試合
 先程から、Yがばりっばりに目立っている
 新体操以外にもスポーツ万能たるYは、バレーボールではどのポジションもそつなくこなせていたのだ
 当人いわく「バレーボール部員には負ける」との事だが、そう言いつつも隣のクラスのバレーボール部員といい勝負をしている
 そんなYと、同じくらいに目立っているクラスメイトが、一人
 唯と言う名前の彼女は、一言で言えば「巨乳」である。それはもう、女としては「っく、負けた…!」と言いたくなるサイズの巨乳だ。もっとも、当人は「重たくて肩こる」と発言していたけれど
 自分だって、ナイスバディと言う自覚はあるが、唯の巨乳にはかなわない、そんな巨乳
 彼女は運動神経もYと同等程度にあり、なおかつ、運動中、その胸が情け容赦なく揺れるわけで
 わかる、大体育館の網幕の向こう側で、男子が視線を唯に集中させているのは

(全く、男共は………)

 その視線、こっちに向けてもいいのよ
 あぁ、けれど、やっぱりと言うべきか、R逹は違う
 唯のボインボイン揺れまくっている胸元など、ちっとも気にしていない
 流石だよくやった、と言いたいのだけれど、こっちにも注目しないのは腹立つ

「えと、咲夜ちゃん、どうかしたの?」
「え?あ、うぅん、なんでもないよ、かなえ」

 きょとん、としながら首をかしげてくるCにそう答えておく
 どうやらCは、男共の視線はあんまり気にしていない、と言うより気づいていないようだ
 全くもって純粋な子であり、ちょっと将来心配になったりもする

「それにしても、優も唯もすごいなぁ。運動、それなりに出来るつもりだったのに、自信無くしちゃいそう」
「二人共ね、中学生の頃から、すごかったんだよ」

 中学校も同じだったの、とかなえは笑う
 そうか、昔からすごかったのか。それは、注目の的だろうなぁ

「唯ちゃんね、中学生の時、剣道の大会の女子の部で、優勝した事もあるの。他の運動も大体できるし、すごいなぁ…」
「かなえだって、薙刀、結構な腕前なんでしょ?他の運動だってしっかり出来てるし」
「うぅん、私は薙刀もまだまだだから」

 もうちょっと、うまくできるようになりたいんだけど、とCは苦笑する
 普段はぽややん、としている事が多いCだが、薙刀に関してはしっかりしている、と言うか、上へ上へと目指そうとしている傾向がある
 あんまり目立ちたがらないが、薙刀に関しては別なのだろう
 それだけ、打ち込んでいる。全力を注いでいる、そういうことだ

「あ、そういえば。さっき、唯が中学の時、剣道の大会で優勝したって言ってたわよね?唯って剣道部だっけ?」
「んっと、今もそうじゃなかったかな」

 どうだったっけ。普段、あんまり話すわけじゃないから気にしてなかった
 剣道かー。正直、やってる様子がぱっと浮かばない
 と、言うか、あの巨乳が剣道着の中に収まるのか、ってその方が心配になってくる。いや、晒とか巻いたりするんだろうなー、とも思うんだけど

 唯がYに張り合うように果敢に動いているその様子を見ながら、この日の体育の授業の間、そんな事を考えていた





 今日の学校帰りは、Hと一緒になった
 HはLと一緒に帰ろうとしていたようだったが、LはYと一緒に保険委員会の会議があったようで。更にその後はまっすぐ教会の手伝いに行くとかで、無理だったらしい
 そのチャンスを逃さず、Hと一緒に帰ると言うラッキーを手にすることが出来た自分は偉い、と言いたいのだけれど

「憐はもうちょい、自分のための時間持ってもいいんだと思うんだがなぁ。アーチェリー部の活動辺りがそうなんだろうが、それ以外は委員会の仕事に教会の手伝いに。家でも家事積極的にやってるっつーし」

 ……うん…………うん
 本当、HはLの事ばっかり考えてるというか何と言うか!!
 ブレないってのはある意味いいことかもしれないけど!そこは!!ブレてもいいから!!!

「当人が好きでやっているならいいんじゃない?無理矢理やらされてるって訳じゃないんでしょ?」
「そうなんだけどよ……」

 そうなんだが、と、繰り返して

「あいつは、昔から。自分よりも他の奴の事ばかりだから」

 昔から
 付き合いが長いから、それこそ昔からLを見続けてきたからの言葉だろう
 ……うん、昔から、ずーっと見てたんだ、と思わなくもない
 それもこの無自覚ナチュラルホモが悪い

 あ、待てよ
 そう言えば……

「ねぇ、遥。憐の事、昔から知ってるのよね?」
「うん?当たり前だろ。幼馴染なんだから」
「それならさ………憐って、昔は今と雰囲気とか違ったらしいけど、本当?」

 「三年前」
 それを境に、Lは変わったらしい、ということがわかっている
 それなら、以前のLとはどんな人物だったのか
 なんとなく、気になっていたのだ

 こちらの言葉に、Hは「誰から聞いたんだ?」と首を傾げつつ、答える

「そうだな。昔はおとなしかったし、ずーっと、俺や直斗の後ろに隠れてた」
「そうなんだ?今は、むしろ直斗とかと並んでる事多い感じだけど」
「今はな。前までは、とにかく気が弱くて、おとなしくて………でも」

 …こうして
 Lのことについて話しているHは、楽しそうで

「でも、芯はしっかりしてて、やるべき時はやる奴だよ。それは、昔も今も変わらねぇ」

 とても、誇らしそうで
 …………けれど、なぜだろうか
 語るその表情の奥底に、後悔にも似た感情が見えたような、気がしたのは












 貴方は笑う、いつでも優しく
 貴方は笑う、いつでも悲しく

 笑っていてください
 どうか、どうか

 貴方は、笑っていれば、大丈夫




               Red Cape




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー