「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-58j

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匿名ユーザー

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 ……なるほど、凍らせる能力なのだろう
 何度溶かしても、氷の剣を出してくる。それだけではなく、足元も凍らせてくる

(相性の問題で言うと、普通に考えればこっちが有利なんでしょうけれど)

 それでも、油断はしてはいけない
 アンナは、そう考えていた
 勝負において最も危険なのは、油断、慢心、そして軽率
 慎重たれ、しかし大胆たれ
 慢心していても勝負に勝てるのは、「首塚」首領たる「将門」様のような圧倒的な存在だけ
 そして、自分にはまだ、それだけの圧倒的な力はない
 だから、油断しない。慢心しない。軽率な考えは抱かない
 本当であればもう少し距離を詰めて攻撃を続けたいところであるが、あまり接近し続けるのも危険だろう
 ……一瞬で凍りつかされてしまえば、そこまでなのだから

(あの子の能力の効果範囲がわかればいいんだけど……)

 こちらの能力が届く範囲は「視界が届く範囲」……自分の父親と同じだ
 彼女、桐生院 キラの能力が視界が届かない範囲まで届く場合、こちらは不利となるだろう

(それでも、相手の動きはまずは封じたいわね)

 だから、発動する
 自身が契約している都市伝説による能力を
 先程までは足元を「溶かす」ことで動きを封じようとしていたが、そちらはすぐに対処される
 ならば、別のものを溶かすとしよう
 幸いにして、この銭湯ステージは町中をイメージした作りになっている
 …町中以外のステージだったのは、優とゴーレムの試合くらいだろうか
 戦いを魅せやすいステージとなると、町中の方がいいのだろうかと勝手に考えながら………見た先は、キラの周辺の建物

 能力を使い、効果が発動するまで少し時間がかかってしまうのがこの能力の欠点だ
 前もってある程度能力を発動させていた地面に、先に効果が現れる

「っわ、わわ……!?」

 キラの対応は早い
 すばやく地面を凍らせて溶けた地面に足がめり込むのを防ぎ、こちらへと氷の剣を生成しながら接近してくる
 その攻撃を避けながら、能力の発動を続ける

 ……そろそろ、いける!

 キラが作り出した地面の氷を利用して、滑るように移動してキラから距離を取った
 そして、能力により「温度をあげていた」建物へと止めを刺すように強く、能力を使った


 溶けた、融けた
 キラが立っている位置の左右の建物が、地面が
 ほぼ同時に、溶け融ける
 足元のバランスを崩した上で、建物のいち部を溶かし、崩した建物の上層を彼女に向かって崩していく
 一歩間違えば下敷きになって大惨事だが……恐らく、大丈夫だろう
 彼女も契約者なのだから


 溶かす事、融かす事
 それが、アンナが契約した「人肉シチュー」の能力だ
 見える範囲の者の、物の温度をあげていき、融点に達した時点で溶かし融かす
 その都市伝説で語られている、長時間風呂で煮込まれ煮崩れた女性のように溶かし崩すのだ
 本来、人間にしか効果が及ばないその能力を契約によって人間以外の物体にすら効果が及ぶようになった
 ……もっとも、元から実体のないものには効果が及ばないのだが


 ………さぁ、どう動く?
 圧倒的質量をキラの頭上へとふらせながら、アンナは次のキラの動きを警戒した



to be … ?





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