「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・万能の魔法使い-06

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匿名ユーザー

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 黒く焼け焦げた死体一つ
 苦悶の表情を浮かべた外傷のない死体が5つ

「…これは、ひどいな」
「はい…」

 眉をしかめた影守の言葉に、美緒が小さくうなづく

 …ビルの壁に、妙な落書きが書かれているという通報
 その落書きが、クレヨンで…それも、赤で書かれていたということから、「赤いクレヨン」の結界であると、美緒は判断
 美緒は、影守に同行してもらい、現場に来たのだが…
 すでに、「赤いクレヨン」による結界は、解除された後
 そして、そこにあったのは…冒頭で描写した、六つの死体
 その死体の一つが赤いクレヨンを所有していたことから、結界は被害者が張ったものであると判断

 …最後に
 苦悶の表情を浮かべた死体の内、半分程が、性格的に悪質であると、「組織」がマークしていた契約者であるとわかり…

「誰かを襲って返り討ちにあった。そんなところだと思う」

 そう判断しながらも。影守は考える
 さて、この死体は、どうやって作り上げた?
 すべてが黒焦げなら判断しやすい
 すべてが、苦悶の表情を浮かべた外傷のない死体なら判断しやすい
 だが、よりによって、一つだけ黒焦げで、あとは苦悶の表情を浮かべた外傷のない死体
 少々、判断しにくい
 ……どんな都市伝説能力を使った?

「襲われたのが、複数だって可能性もあるわよね?」

 そういって姿を現したのは、希
 …左腕だけの姿だとアレなので、仕方なく、今は全身出現させる

「そうですね、その可能性もありますが…」
「ただ、こいつらはターゲット…それも、女性が一人でいるところばかりを狙っていた連中だからな」
「襲われたのは一人だった、と考えるのが自然か。結界をものともしない仲間がいない限りは」
「そうなりますね。襲われた人物が、多重契約者だった可能性もありますが…」

 都市伝説事件は、どうしても奇怪な死体が多い
 そこから、犯人の能力を絞り込むことが可能になることも多いのだが、今回のようなパターンだと、逆に混乱してしまうこともしばしばだ

 ただ 今回、幸いだったのは


「あぁ、それ。「終末の火」が作った死体だぞ」


 即座に、その正体を見抜いてくれる存在が、ちょうど傍に現れた、ということだろうか

 ひら、と
 美緒の周囲に、漆黒の蝶が舞い飛び出す
 影守と希が、素早く警戒態勢を取った
 そんな中、美緒だけは一切、警戒した様子がなく

「カラミティ?」

 と、声の主の名前を呼んだ
 漆黒の蝶が群れをなし、一か所に集まりだして………(自称)大魔法使い カラミティ・ルーンが姿を現す
 普段は、ヨーロッパ(と、言うか、多分異空間辺り)に引っ込んでいるはずのカラミティ
 だが、彼は、広瀬 美緒という女性の友人でもある
 彼女に会うために、昨年からちょこちょこと日本に姿を現しているのだ
 ……まぁ、美緒に会う為以外にも、どうやら理由があるようなのだが…「組織」としても、警戒しているところだ

「何しに来た」

 美緒を庇うように立ち、カラミティを睨み付ける影守
 影守からすれば、美緒は、カラミティという魔法使いの危険性を、正確に認識できていないように思えるのだ
 …自分が警戒し、彼女を守らなければ

「何しにって、美緒が悩んでたみたいだから。俺様、答えがわかるから、教えに来たぞ」

 そんな影守の警戒に、気づいていないのか気にしていないのか
 カラミティは、あっさりと質問に答えた
 美緒が、影守に庇われた状態のまま、小さく首をかしげる

「「終末の火」、ですか?」
「あぁ。そうだぞ。「教会」13使徒の一人だ」

 美緒の質問に、カラミティは素直に答える
 …影守と希が、美緒に窺うような視線を向ける
 美緒は、小さく頷いて見せた
 ……カラミティは嘘をついていない、と

「「教会」、か。確か、あそこは学校町には不介入の立場をとっているんじゃなかったのか?」
「そうらしいけど、今、「13使徒」、全員学校町に来てるぜ」

 影守の言葉に、カラミティはさらりと答える
 全員?
 …「13使徒」というその名前自体は、影守も「組織」で聞いたことがある
 ただ、メンバーの詳細などは一切わかっていないし、そもそも、日本にいる以上、関わる事はないと思っていたが…

「カラミティ、その、「終末の火」とやらの、詳しい情報、わかりますか?」
「姿とかはわかるぞ。何なら、見せるか?」

 つい、とカラミティが杖を振る
 現れたのは、大鏡
 そこに、パっ、と映し出されたのは……中学生程度の年齢と思われる、西洋人の少女

「…何の冗談だ?」
「冗談じゃないぞ。「13使徒」が一人、「終末の火」。炎で焼け焦げた死体と毒でもがき苦しんだ死体がセットだし、間違いないだろ。何だったら、ここで起こった事の様子も見せようか?」

 眉をひそめる影守と美緒の様子に首をかしげながらも、カラミティは大鏡に映像を映し続ける
 映し出された少女は、どこからか見られている事実になど、さっぱり気づかず
 ただ、年ごろの少女のように、学校町の繁華街を散策中のようだった







to be … ?





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