宴会の風景~姫さん(合わせ鏡のアクマ 50・合わせ鏡のアクマ 51より)
…………い。お…………い。………きてー。起きてってばー」
そんな呼びかけと、ほっぺをぺちぺち叩かれる感触に、こっちは目を覚ました。
「う、ん………あさですかー?」
まだぼんやりしている頭をなんとか動かし、体を起こす。
呼んでたのは誰なのかなー、と横に目を向けると、
呼んでたのは誰なのかなー、と横に目を向けると、
「おーい、寝ぼけてないのー」
目の前に、手をひらひら振っている姫さんの姿が。
「あ、ごめんなさい………って、ん?」
あれ、確か連絡先交換してもらって、それから………?
どうしたんだっけ? と首を捻ると、
どうしたんだっけ? と首を捻ると、
「ああ、あなたいきなり寝ちゃったのよ。顔赤かったし、お酒でも飲んでたの? 未成年なのに」
「えっと、あの……その。これにはちょっと事情がありまして………」
「飲んでたの? 未成年なのに。ダメなのに」
「いえ、あの、その………すいません」
「えっと、あの……その。これにはちょっと事情がありまして………」
「飲んでたの? 未成年なのに。ダメなのに」
「いえ、あの、その………すいません」
うなだれるこっちを見て、姫さんはアハハ、と笑う。……うぅ、ひどい。絶対面白がってるよこの人!
「アハハハ、ごめんごめん。宴会だし、そのくらい別にいいわよ」
それより、と姫さんは言葉を切り、
「なんで××だけじゃなくて、あなたまで"姫さん"って呼ぶのよ?」
ちゃんと名前あるのに、と口を尖らせる姫さん。
いや、そういわれても………。
いや、そういわれても………。
「××さんもそう呼んでましたし、呼びやすいので………。えっと、ダメですか?」
とりあえず訊いてみる。
"姫さん"って呼び方、覚えやすいし呼びやすいし、それに可愛らしいしでいいことづくめだと思うんだけどなあ………。
"姫さん"って呼び方、覚えやすいし呼びやすいし、それに可愛らしいしでいいことづくめだと思うんだけどなあ………。
「や、まあ……別に絶対ダメってわけじゃないけれどね………」
ちょっと複雑そうな顔でそういう姫さん。
なんだか悪いけど、これからも"姫さん"と呼ばせてもらおう。
なんだか悪いけど、これからも"姫さん"と呼ばせてもらおう。
「……まあ、それはそれとして! 体、大丈夫?」
本当にいきなりコロっと寝ちゃったから少し心配してたのよねー、と姫さんはいう。
……いい人だなあ、この人。
体は………なんともない。頭は少し痛い気もするけど、たぶん大丈夫だと思う。
なので、
……いい人だなあ、この人。
体は………なんともない。頭は少し痛い気もするけど、たぶん大丈夫だと思う。
なので、
「えっと、大丈夫です。心配してくれて、ありがとうございます!」
笑顔でそう答える。
誰かに心配してもらえるというのは、とても嬉しいことだ。
誰かに心配してもらえるというのは、とても嬉しいことだ。
「そう。だったらよかったわ。私は××達が待ってるだろうし、戻るけど……あなたはどうするの?」
うーん、どうしよう?
もうちょっといたいけど、時間が時間だしなあ………。
もうちょっといたいけど、時間が時間だしなあ………。
「えーと、もう少しだけ顔を出して、それから帰ろうと思います」
「そっか。じゃあ、先に行ってていいわよ。私はこの布団返してくるから」
「え、いいですよ! 悪いですし……自分で返してきます!」
「いいのよ、遠慮しない! 宴会なんだし、これくらいはサービスよ!」
「そっか。じゃあ、先に行ってていいわよ。私はこの布団返してくるから」
「え、いいですよ! 悪いですし……自分で返してきます!」
「いいのよ、遠慮しない! 宴会なんだし、これくらいはサービスよ!」
そういってくれる姫さん。
まだちょっとふらふらするから、とってもありがたいんだけど、やっぱ悪いよなあ。
でも、断るのも失礼な気がするし、ここは甘えさせてもらおう。
まだちょっとふらふらするから、とってもありがたいんだけど、やっぱ悪いよなあ。
でも、断るのも失礼な気がするし、ここは甘えさせてもらおう。
「えと、じゃあ、お願いします」
「よし、私に任せなさい!」
「よし、私に任せなさい!」
元気よく答える姫さん。
そのままお布団を抱えて歩いていこうとする姫さんに、あわてて声をかける。
そのままお布団を抱えて歩いていこうとする姫さんに、あわてて声をかける。
「あ、あの、姫さん!」
「? なに?」
「? なに?」
振り返って、聞いてくれる姫さん。
「えっと………また今度、一緒に遊んでもらえませんか?」
そんなこっちの言葉に、姫さんはにっこりと、とても魅力的な笑顔で、
「ええ、もちろん! だって私達、友達でしょ?」
そう、いってくれた。
…友達、かあ。
どうしよう。ホントに、すごく、ものすごく嬉しい。
精一杯その嬉しさを表すように、満面の笑顔を浮かべて―――。
…友達、かあ。
どうしよう。ホントに、すごく、ものすごく嬉しい。
精一杯その嬉しさを表すように、満面の笑顔を浮かべて―――。
「―――うん! ありがとう!」
様々なことがあった、その宴会の日に。
こっちに、とても大切な友達ができた。
こっちに、とても大切な友達ができた。