Aphmau(詳細・ネタバレ編)


  • ヒューム♀、独自フェイス、通常配置無し
  • 家族構成:兄(Razfahd)、父(Jalzahn)死去、母(ジュブリール)死去
  • アトルガン皇宮に仕える宮廷傀儡師の15歳の少女。
  • 一人称は「マウ」Nashmeira時は「わらわ」


特記事項
  • 本名:アトルガン皇国マジャーブ朝第16代聖皇ナシュメラ2世
  • 「傀儡師アフマウ」であり、「聖皇ナシュメラ2世」でもある。一人二役を演じていた。
  • 本来の15歳の少女としての本来の姿が「アフマウ」と言えるかもしれない。
  • 兄の配慮で、常に不滅隊が彼女の護衛に当たっている。
  • 「お忍び」の間も、不滅隊はひそかに尾行をしている。
  • 聖皇として、そして過去についてはNashmeira参照。


アヴゼンとメネジン


  Ovjangはカーマインスコーピオー(魔道士フレーム)。Mnejingはホワイトキャンサー(白兵戦フレーム)。Mnejingが最初に開発されたオートマトンであり、元来の持ち主はアフマウの父であり前聖皇ジャルザーンである。開発したのは、現在もアトルガン白門のオートマトン工房の工房長であるGhatsad
  二体のオートマトンは一対のように動き、お互いに映像を送受信する能力が備わっている。そして、どちらかが必ずアフマウの傍に控えている。行動としてはOvjangは高笑いや投げキッスなど女性的な動きが目立つのに対し、Mnejingは高圧的な動作が多い(もっともオートマトン自体が可愛らしい為威圧感はない)。


一対のマトンには、通常のオートマトンには無い性能が備わっている。

  両親を失い悲しみに暮れていた幼いアフマウが魔笛に触れた時から二体は勝手に動くようになったという。独りぼっちだったアフマウを元気付けたのはOvjangMnejingだった。以来彼女の話し相手や「お忍び」のお供等として活躍している。
  一部のオートマトンのパーツには人の魂が記録として組み込まれている事があるという。父ジャルザーンが初めて開発されたマトンの主、そして母ジュブリールはオートマトンの操作に秀でていたとの噂も高かった。魔笛の影響かはさておき、ミッション開始の段階ではOvjangには母の魂が、Mnejingには父の魂が宿っており、共に娘の成長を見守っている(お互い行き来できるのか、口調が入れ替わってる場合もある)。


いつでもアフマウの傍にはどちらかのマトンがいる。

  Razfahdの策によりアレキサンダーのパーツとされてしまったOvjangMnejingは、一度消滅している。「ラグナロク」の後、生みの親Ghatsadはアレキサンダーの崩れた体から二体のパーツを持ち帰り、更に皇室の王冠を溶かし歯車にし、復活させた。改めてナシュメラの再戴冠式の際に彼女と再会を果たす。
  ただし、Mnejingには兄Razfahdの魂が宿った様子。同時にOvjangは、旧Mnejingの口調で話すようになる(行動は元来のOvjangのようだが)。これにより両親だけじゃなく、和解した兄も、彼女を傍で見守る決心が伺える。

アフマウとリシュフィー

  あらゆる場面で、アフマウと付き添い人のRishfeeを見掛ける事ができる。具体的に例を出すと、初めてアフマウがサラヒム社を訪れた時、戦火の中のアルザビへ飛び出した時、そしてアフマウ失踪時の捜索等。


アフマウを寺院から迎えに来た一人にRishfeeもいる。

  不滅隊の一員であるRishfeeは、アフマウの兄・Razfahdの命により監視兼護衛を勤めていると思われる。最低でも4年、彼が常に彼女の傍らにいた事になる。二人の関係が分かるシーンをアトルガンミッションよりピックアップしてみた。


「赤い」服に着替え、はしゃぐアフマウとOvjang

それは、二人(?)が前から暖めていた「ある作戦」実行の合図でもあった。

チラッ……。(どうみてもRishfeeと眼が合ってるようにみえr

唐突に眠くなった振りをするアフマウ。

大げさなくらいに、眠さをアピール。

その後部屋から出て行き、街へ飛び出す。

ずっとその場に居たRishfeeは一人になってから溜息をついた。

  このように、頻繁に街へと抜け出す彼女を黙認し、こっそり護衛したと思われる。またこれがAmnafに「彼……青魔道士になるには人が良すぎたから……」と言わせた所以かもしれない。


  なお、ミッションでアフマウが失踪した時にRishfeeは冒険者に「他の不滅隊に見つかる前に」彼女に会わないと、と漏らす。それは、他の不滅隊メンバーなら彼女の言い分も聞かずに皇宮に連れ戻すから、という彼の優しさからかもしれない。
  そして実兄Razfahdよりも「お兄ちゃん」らしい関係をアフマウと築いている辺り、なんとも皮肉なものである。

アフマウが見せるリシュフィー、そしてラズヴァードとの関係

  Rishfeeとは、聖皇就任と同時に護衛として、そして身近で見守ってくれ、かつある程度我侭を黙認してくれる(ちょろい?)相手として、気を許しているようにも見えるアフマウ。その立場は、Rishfeeの仕事への真面目さと、アフマウを見守る優しさの為に、常に線引きはされているものの、アフマウ自身、上記のようなお茶目なやりとりをしているのを見ている限り、それなりに慕っているとも受け取れる(クエスト「天駆ける剣」等でも護衛であるRishfeeが皇室に戻って無断外出を問われても彼が味方として守ってくれるような発言もしている)。
  上記の、皇室を抜け出すエピソードも、保護者として認識しているRishfeeの目を盗んで抜け出す様は、まるで門限後の過保護な家族の目を誤魔化して家を飛び出そうとしている年頃の少女となんら変わらない、幼いあざとさと悪知恵が見え隠れしている。本気で脱走するなら、そもそもこのような下手な芝居そのものがご法度である。それをしてしまうアフマウの態度こそが、Rishfeeをまるで身内の「過保護」な保護者として認識している現れに見える。そして実際に皇室内での警護がRishfeeの「甘い」ものとは掛け離れた厳重なものとなったとき、アフマウは形跡を残さずにその包囲を抜け出している為、元々本気を出せば不滅隊そのものを煙に巻くことだって出来るわけだ。


ある意味計算高い行動ともとれるが、実際はアフマウが無意識にRishfeeを慕って信頼してるからこそ起こした芝居だったと、後ほどの脱走劇から見えてくる。

  実際、上記の「赤い服」で決行した「脱走」作戦は一人の女の子としてのアフマウの好奇心からくるものだった。Rishfeeもため息をつきながらそれを黙認しながら、彼女の安全の為にこっそり尾行していったようだ。そして、実際にアフマウ達がこっそり皇室を抜け出した当初の目的は、かつてRazfahdに連れて来てはもらったものの、「あのときはおなかを壊すからってマウたちは何ひとつ、味見すらさせてもらえなかった」白門の茶屋・シャラトトのスイーツを思い切り堪能するためのものだった。


女の子なら誰もが大好きなスイーツ(笑)。それは皇室の者でもかわらない。

しかしそこで、「マウの傭兵」こと冒険者と、アフマウにとって「宿敵」Karababaが談笑する場面に遭遇してしまう。しかもKarababaはアフマウの憧れのスイーツを先に、目の前で堪能していた。

二人の会話を盗み聞きしようと、なんとアフマウ達は2人が座っているテントの上に登り…・・・。

  本来なら庶民に成りすまし、シャラトトでスイーツを食べて戻ってくるだけと思われたアフマウの冒険は、このとき目の前で憎きKarababaが口にしてご機嫌な様子、更に「マウの」と宣言している冒険者(プレイヤー)と仲良く話している様子からくる嫉妬心で、Karababaに一泡吹かせよう、という悪巧みへと発展してしまう。そしてアフマウとOvjangは危険なエジワ蘿洞にまで足を運ぶ事になる。そこの遺跡に興味を示したKarababaは冒険者を傭兵として雇い、探索し、あわよくばオルデゥーム時代の遺物を持ち帰る予定だったからだ。
  アフマウ達はエジワ蘿洞で先にこのオルデゥーム時代の遺物を手に入れる事でKarababaに悔しい思いをさせたかったのだと思われる。冒険者とKarababa達より先にエジワにたどり着き、アフマウとOvjangは早速遺跡発掘を始めた。

Ovjang :サクサクサクサク……!
Aphmau :すてき、すてきー。
Ovjang :サクサクサクサク……!
Aphmau :がーんばってー♪
Ovjang :サクサクサクサク……!
Aphmau :どーんどん、掘ってー!ごー、ごー♪


モンスターや獣人が蔓延るエジワで、なんとものどかなやりとりをしている。

  しかし、エジワ蘿洞は、モンスターだけでなく巨大なクモ(景色の一部であり、実質的オブジェだが)、そして獣人キキルンのトレジャーハンター・・・・・・と言うと聞こえがいいが、実際は追い剥ぎ等の悪事を働く一派も居る危険地帯であった。不思議な渦巻状の石を見つけたアフマウ達も、この危険なキキルン達に見つかってしまい、ピンチに陥る。


Wawaroon達に追い詰められながらも、挑発してしまうアフマウの世間知らずさも伺える場面だ。

  軽い冒険だった予定が、この後アフマウ達はさらにピンチが続き、エジワで気を失う事態になってしまう。おそらくは、町内に居る間は安全と思い自由に行動をさせていたRishfeeも(どこまで事態を把握していたかは不明だが)エジワでアフマウが危険な目にあう可能性も察知し、不滅隊及びRazfahdに報告したものと思われる。
  アフマウ達と共に巻き込まれ、意識を失っていた冒険者が立ち直る頃には、現場にはRazfahd達が既に到着しており、アフマウの様態を見守っていた。


アフマウは確かに危険な目にあってはいるが、大事にならなかったのはRishfeeが護衛していたからではないだろうか(おそらくKarababaとアフマウ達が対峙した場面は応援を要請していた為に居なかったと思われるが)。

気を失ったアフマウの手を取り、顔を覗き込むRazfahdの様子は、心配性の兄そのものだ。

  このように、普段のアフマウは二人の「兄」RazfahdRishfeeが見守っている中で行動をしていた。しかし決定的に違う、アフマウから見るRazfahdRishfeeの差は、二人への態度から見て取れる。実際、上記のRazfahdがアフマウを心配し、(エジワでの一連の出来事は一切他言無用と釘は刺されるが)彼女を多少なりとも守った冒険者にお礼を述べる場面は、アフマウ本人はまだ意識が朦朧としている為に知らない出来事である。

  アフマウとRazfahdの、彼女視点から語られる二人の関係はミッションを通して明かされていくが、それは兄妹というにはあまりに距離があるものといえる。それは共に皇室と深い関わりを持った出生である事、異母兄妹の可能性が高いことなどからでも伺える。
  しかし、この関係をRazfahd視点から見てみると、まだ幼いアフマウを皇国のどす黒い暗黒の歴史や裏で行われている研究や行為、政治的な汚い部分から彼女を守ろうとしていることが伺え、決してアフマウを邪険にしているわけではなく、逆に(Ovjangからからかわれる程に)過保護な兄心からくるものだと判る。年齢が離れた兄として、そして皇国の政治に深く関わっていく宿命にあった男児だからこそ、アフマウよりも遥かに長く、そして多くの事を知っているRazfahdは、幼少時代から別々に育った妹アフマウを気遣い、寂しい思いをさせないようにMnejingを贈った過去もある。アフマウ自身、その過去を今も大事にしているように語っているが、実際のRazfahdへの態度を見ている限りは、二人の間に距離を持たせる最大の要因は皮肉にもRazfahdが彼女を政治から遠ざけた結果からくるものだろう。


結果的に現在のアフマウはRazfahdに対しては萎縮している印象を受ける。

  はっきりと言ってしまうと、アフマウこそが、現在の聖皇Nashmeira二世その人であり、Razfahdは宰相としてサポートしながら、政治的・軍事的業務は一手に引き受けている。二人の関係をこの「聖皇と宰相」という限定した枠の中で見ると、どちらかというと良好なものであるといえる。


Razfahdの「聖皇」への忠誠心はミッション冒頭からクエストに至るまで、ゆるぎない描写で統一されている。

  聖皇としてのNashmeira=アフマウは、全ての指揮を宰相Razfahdに預け、信頼しているのは会話からも見て取れる。そこ自体はアフマウ自身も「兄様」と慕っているし、Razfahdから聞かされている事は(ラミアや鉄巨人の伝説等)は純粋に信じている様子である。しかし、だからこそ聖皇としてのNashmeiraと、本来の自分「アフマウ」としてのRazfahdとの距離感に悩んでいる様子も見せている。一番判りやすい部分をいうと、本心や願望を語るときはNashmeiraとしてRazfahdに語る手法だ。アフマウ自身が、皇国で噂になっている幽霊船に興味を抱いている場面では、自分から出掛けるのは兄としてRazfahdが反対するのは目に見えていた彼女は、ヴェールを通した「聖皇」が「命令」として、幽霊船の調査にアフマウを任命する芝居をする。「聖皇」の命令であるなら宰相としてのRazfahdも呑み込まざるを得ない、と理解した上での行動だ。そして実際に、芝居自体には不快感を隠しきれないながらも、Razfahdはその要望に応える結果になっている。
  しかし、これはあくまでNashmeiraの存在を利用した場合にのみアフマウが出来る自己表現であり、通常の彼女はRazfahdに口答えが出来ず、黙り込んでしまう。基本的には(後ほど愚痴る事はあっても)感情を押し殺すかのようにうつむき、従順に従うのだ。その様子は、4年前、ワラーラ寺院に預けられていたアフマウをRazfahdが迎えに来る場面から見え隠れしている。


それまでは独りでマトン達と過ごしていたアフマウは、連絡が途切れた兄への寂しい思いを募らせていた。しかし突然再会をした彼には何も告げず、静かに従い、皇室へ戻った描写がなされている。

  だが、忘れてはいけないのが、アフマウの本質である。上記のイベントの一連でも判っていただけると思うが、アフマウの素顔は、好奇心旺盛でやんちゃで、時々年齢より幼い言動さえみせる等身大の一人の少女である。聖皇Nashmeiraとして振舞う場合は当然、その役割に沿って発言をするが、本来は聖皇に就任した後も(クエスト等で見られるように)年の近い異国からの少女に興味を持って友達になろうと通い詰めてみたり、町が獣人軍に襲われていると聞いて、戦乱の中飛び出して幼い女の子を助けたりしている。そんな本来の彼女の、イキイキとした姿はRazfahdとの場面では全く見られない。そのとき彼女のそばにいるのは、実兄Razfahdではなく、彼が護衛として就けたRishfeeなのだ。


同じ皇室が場面でも、このようにくつろいでテレビ(?)を見たり

Ovjangとはしゃいだりする時は、Razfahdはいない。彼女の我侭に付き合ってくれるRishfeeだけが側に居るときだけである。

  単純に二人の関係を考えると、RishfeeRazfahdの命によりアフマウを護衛する「保護者」であり「監視役」である。しかしRishfeeの優しさの為か、ある程度アフマウも自由に行動させて貰えるからこそ彼女もそれに甘え、多少のムチャをしてしまう。本来ならRazfahdの「手先」Rishfeeも警戒してもよさそうだが、アフマウ自身の言動からはその様なバリアは感じられない。それどころか、実兄Razfahdに対する時よりもずっとストレートに素直にその感情をぶつけるシーンもある。


はっきりと自分の意思をぶつける相手がRishfeeであるアフマウ。

  この時のアフマウは、親友であるOvjangが行方不明となり、何としても探し出したい悲痛な願いがあった。Rishfeeもまたそれを理解し、Ovjangがいなければアフマウが無茶をし、皇室を抜け出して探す事も予測していた。気を失っていたアフマウを見つけたエジワでOvjangが行方不明となったと予想したRishfeeは彼女を追いエジワで同様に手掛かりを探していたのだ。実際には、不滅隊は蛮族の監視や、アシュタリフ号の捜索で忙しくてOvjangを捜索する人員を割けないのが現状であり、アフマウはそのこと自体に腹を立て自ら捜索に飛び出していたが、Rishfeeもまた、そんな彼女の気持ちを汲み取っていたのだ(その事を責められても許しを請うことしか出来なかった)。
  アフマウもその事を理解しているからこそ、やりきれない怒りを彼にぶつけはするものの、必要以上に責め立てる事はしなかった。そして、その後Ovjangらしきオートマトンがマムークにあるかもしれないと聞いた時、アフマウは迷わず捜索に出ると決意する。

Aphmau :今度こそ決めた!マウ、マムークに行く!……リシュフィーもついてきてくれるわよね?
Rishfee :お止めしても無駄なのでしょう?どうしても、行かれるというのであれば…… ……?ところで「も」とは?
Aphmau :そんなの決まってるじゃない。だって、<PC Name>はマウのこと見張ってなきゃダメだもん♪
Mnejing :……丞相の命ではあるが、な。

  最後の台詞は、確かに冒険者の事をさしているが、宰相の命でアフマウを「見張る」立場にあるのは冒険者だけではない。しかもアフマウはRishfeeが最終的には自分の願いを聞き入れ、マムークへ行く事を承諾する事も予想し、それなら一緒に来て欲しいと頼んでいるのだ。Rishfeeが訪ねる「も」は、アフマウにとっては「冒険者も、そしてRishfeeも」という意味である。


そして本当にマムークまで一緒にくるアフマウとRishfee。ある意味この上ない信頼関係である。

  なお、皇室の外で色々な出来事を体験し、自分とは敵対する立場にある者達の話も聞き、幼かったアフマウの考え方や行動に変化が見えてくる。着実に人間として、そして聖皇として成長している証である。そして自分には知らないことがまだまだあると確信したアフマウは、初めてRazfahdに、正面きってその意志を伝えるにまで至る。


しかしそれは、皮肉にも兄の保護下から離れたいという、決別の意志でもあった。アフマウの精神面の大きな成長がみえるこのシーンから物語は大きく変化を見せていく。




最終更新:2008年11月10日 17:12