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Razfahd(詳細・ネタバレ編)


  • ヒューム♂、2a(黒髪)、通常配置無し
  • 家族構成:妹(Aphmau)、父(Jalzahn)死去
  • 若年でありながら聖皇より意を受け、最も近き位置で政に従事しているアトルガン皇宮の宰相。
  • 本来聖皇親衛隊の不滅隊を直属部隊として率いる。


特記事項
  • 前聖皇ジャルザーンの息子であり、Aphmauこと現聖皇Nashmeira2世は妹。
  • Aphmauの母・ジュブリールへの言動により、実母ではないと推測される。
  • 元々は第一皇位継承者であったが、父の反対を押し切って参戦した東方戦線で瀕死の重傷を負った際、再生力の高い魔物の血を輸血し、それを理由に皇位継承権を外される。
  • 父の遺志を継ぐため、あるいはそれ以上に自らの理想のために、伝説の鉄巨人にしてアトルガン皇国の守護神Alexanderを復活させることにより、戦乱に決着をつけようと行動。
  • 最終的にそのやり口・価値観がAphmau、つまり聖皇Nashmeiraと相反する為に対立することになる。そして、それはプレイヤーとも対立する事を意味している。
  • ミッションでの彼の動向はRazfahd(ミッション編)を参照して頂きたい。


皇位継承の謎・流れる青き血

  前聖皇ジャルザーンの長子であるラズファードがなぜ宰相という立場に現在いるのか。また、何故その妹であるAphmauが現聖皇に就いているのか。その詳細はアトルガンミッション中盤まで謎とされ、Aphmauすらその実情を知らず「聖皇になんてなりたくなかった」とラズファードに感情をあらわにする。そんな彼女を説得するため、また真相を伝えるためにラズファードはアラパゴにて彼の隠された過去を語りだす。


  事の発端はラズファードが行方不明となったAphmauを捜索するために、錬金術ギルドの協力のもと、ラミアを笛で従わせる場面を、Aphmauが成り行きで見てしまった事に始まる。ラミアとはアラパゴに住む獣人であり、合成獣……すなわち人間が作り出した人工的な生命体である。彼女達はこのアラパゴを根城とし、人を襲い、頻繁にアトルガン皇国にも攻め入ろうと軍を進める、いわばアトルガンの敵である。そう教えられ信じていたAphmauにとっては、兄とラミアが手を組んでいる光景が信じられなかった。
  最初は「今に分かる事だ」と事情を説明しないラズファードに憤り、Aphmauは押し隠していた本心、すなわち聖皇の座はほしくなかった事をぶつける。聖皇という強大な役割、プレッシャーを彼女に押し付け、肝心なことは「子供だから」と教えてくれない、それが彼女の言い分だった。そして必死になだめすかせるラズファードにとうとうその言葉を放ってしまう。

Nashmeira : だったら……だったら……兄さまが聖皇になればよかったじゃないっ!
Razfahd : ふざけるなっ!いいか、聞けっ!……俺はかつて、第一皇位継承者だったのだ……。しかし、父君がいまわの際に後継者として口にされたのはお前の名だった……。

Razfahd : その理由、……教えてやろう。そのとき、俺の身体には……こいつらと同じ、魔物の血が流れていたからだ……。お前が嫌い父上も蔑んでおられた、ラミアと同じ青い血がな……。
Nashmeira : !!……どういう……こと……?
Razfahd : これだけは、言いたくなかったが……お前が寺院に預けられた後のことだ……俺は東方戦線で父上の命に背いて前線で戦い、瀕死の重傷を負った……。
Nashmeira :……そんな!
Razfahd : 一か八か再生力の高い魔物の血を輸血する他、助かる術はなかったのだ……。
Nashmeira :……マウ、知らなかった。
Razfahd : もう、わかったな?
Nashmeira :……はい。


  東方戦線とは、少なくとも近年においてアトルガン皇国と激しく争っている模様は、街中や他のキャラクターの時代背景等からでも読み取れる(参照:GadalarGessho)。そんな戦火の中に前聖皇ジャルザーンは長男であり第一継承者候補であるラズファードを送りたくなかった。しかし、愛国精神が強く幼少から皇位継承を意識して育てられた(と推測される)ラズファードはその反対に背き戦線に立ち、重症を受けてしまった。そしてその延命のために用いられたのが青魔道士が用いる生命力の高い「魔物の血」。すなわち彼は生き延びるために人間である事を捨てざるを得なかった。青魔道士とは本来皇国の為に禁術を使いその肉体に魔物の血肉と力を宿す、言わば人型の兵器である(人の心を保ち、優しさを維持するのは命取りといったような内容をAmnafも別件でほのめかす)。
  その後ラズファードが追放されていないところを見ると、前聖皇ジャルザーンが彼の判断を100%否定しないのが伺える。人間でなくなってしまった息子を真に嫌悪するならば宰相に現在いないだろうし、追放、果ては死刑だってありえたかもしれない。しかし皇位継承となると、話は別。錬金術に過去から精通していたアトルガン皇国は、兵器としてラミアやキメラといった合成獣を生み出し戦場で使用してきた(生前のLuzafの軍隊もラミアに壊滅されている)。そして不滅隊として青魔道士を抱え込み、半ば強引な手口で手術のようなものを施し、魔物の血肉を己の物にする(クエスト「渇望」より)。そのような者達を手ごまとして扱っている以上、同等の目で見てるとは思いがたい。むしろ人ならざるものとして軽蔑していたのではないだろうか。ラズファード自身、「父上も蔑んでおられた」と説明しているように。
  しかし、ラズファードは皇位継承の剥奪等については恨んでいる様子は特になく、またその皇位を継承したAphmauにも宰相として仕えている。これは、戦線に赴いたと書いてある以上、彼は当時既に成人していると思われ、手術を受けたことに関してもそれなりに覚悟をもってしたものと思える。父の合成獣や青魔道士への感情を知っていれば、皇位継承の剥奪は容易に推測出来るだろうし、その際に妹にその地位と責任が向けられる事も予想の範囲内といえる。そしてまだ幼い妹を、宰相という別の形で政治的に支えようと決意したと思える。
  最後に、ラズファードの過去を知った上で、冒頭のAphmauとのラミアをめぐるやりとりを見直すと新たな側面が見えてくるかもしれない。

Aphmau : なによ。に、兄さまこそ……こんなとこでそ、そんな、皇国の敵の蛮族の女……ラミアなんかと仲良くして……。
Razfahd : わからんのか?お前を捜すためだ。
Aphmau : だからって、そんな……ラミアは敵よ? 邪悪な蛮族なのよ!?兄さまだって、子供のころ、マウにそう教えてたじゃない!……ちがうの!?
Ovjang : じょうしょう!あふまうノしつもんニ、こたエヨ!
Razfahd : 落ち着け。アフマウ……。
Aphmau : 誤魔化さないで!
Mnejing :……答えぬということは、答えられぬということか……。
Razfahd : そうではない。いいか、アフマウ……彼女らはお前の憎む狡猾なラミアではない。我が軍を助けてくれている……いわば、人間の味方なのだよ。我々に害をなすことは絶対にない。


これは、自らの今の姿をラミア達と重ねてAphmauに語っているように思えなくもない。


修羅の道・宰相の真の目的

  長年ワラーラ寺院に預けられ、皇室と隔離した形で育ったAphmauに対し、ラズファードに関してはそのような描写はない。これは第一皇位継続者として宮内で育てられたものと思われる。その為Aphmauに比べて遙かに皇室の歴史に詳しく、皇室が携わった研究等にも精通しており、また聖皇とあるべき信念に関しても確固たる拘りがあるのは、ミッション中見て取れる。そして、宰相という立場をもって、Aphmauの知らない所で(むしろ聖皇の立場を嫌がる彼女に知らせていないのかもしれないが)彼が何を成し得ようとしていたのか。


初登場時は「お戯れが過ぎる」と言いながら聖皇に忠誠を尽くしていた。

  ミッションの序盤ではAmnafらの報告等をもとに「何かを探している」素振りを見せるラズファード。実際、最初はNashmeiraとしてのAphmauにもその経緯を報告している場面もある。その実態はAphmauが皇室を飛び出し、彼女の聖皇としての実権をラズファードが剥奪し、自らのものにしたときに明らかになっていく。


  Aphmauと対立する立場になったラズファードは、それまでは手を出さなかった彼女のオートマトンのOvjangMnejingを手に入れ、マトン工房長Ghatsadを皇宮に招きいれ、今までの計画の全貌を明らかにする。

Razfahd : 900年もの長きにわたり歴代聖皇は、各地に散らばった鉄巨人の骸をこうして接ぐことを夢見てきた。そのために、失われた魔笛を求め内に外に無益な争いを繰り広げてきた……。
Ghatsad : 恐れながら、壮大な回り道でしたな。
Razfahd : ああ……。だが、父上は違った。
Ghatsad : 御意。偉大なるジャルザーン様は、鉄巨人を、そして魔笛を御自分で作ろうと思い立たれました。
Razfahd : 「……必ず道はある。もし無ければ作るまで……。」…父上の口癖だった。
Ghatsad : そしてラズファード様は、その御遺業を立派に引き継がれておられます。
Razfahd : 言うな。父はきっかけに過ぎん。私には、私の理想がありやっているだけのことだ。
Ghatsad : 失礼致しました。
Razfahd :……アレキサンダー様はこの巨大な「アルザダールの鉄巨人」のように、あの「機関巨人」を「よりしろ」として選ばれるだろうか?
Ghatsad : 弱気は禁物ですぞ。アレキサンダー様は、この世でもっとも強きものを愛されると云います。計算では、機関巨人はアルザダールの鉄巨人を数倍上まわる絶大な火力を発揮できる筈なのです。それに、私には確信があるのです。アレキサンダー様はご降臨の日を待ちわびておられる……。私は、その御意志に従ったに過ぎぬ、と。
Razfahd : そうだな……。だが、我々が感傷に浸る暇などない。ゴルディオスを紐解くまでは。
Ghatsad : はい


  まず、この一連でアトルガン皇国の血塗られた歴史が伺える。900年もの長きに渡る戦乱の歴史、それは国内外に問わないものでありその断片も街中での会話(NPC等)からも伺える。それは他国の侵略を危惧しての領地拡大・自己防衛等も含まれるし、またその圧倒的武力を示し抵抗勢力を沈めたり(Luzafの過去に描かれるイフラマド侵略もこれに当てはまる)またアルザダール海底遺跡等、「鉄巨人」のパーツを手中に納める為の侵略・略奪もあったと思われる。そしてその大半が(自国の防衛等を除外すれば)伝説の「鉄巨人」、アトルガン皇国の守護神であり「白き神」としてヴァナディールでも知られているAlexanderの再臨の為でもあった。
  900年もの皇室の悲願の象徴ともなったAlexanderの復活の手掛かりを発案したのは前聖皇であり、ラズファードらの父親にあたるジャルザーンだった。最初のオートマトン「Mnejing」を手に入れ、Ghatsadを自分の教師として召し抱えた彼は、皇宮内でオートマトンは発展を遂げたとされる。そしてオートマトンをヒントに、長年見つからなかった鉄巨人のパーツ及び魔笛を自ら作り出し、それにAlexanderを降臨させる案を考案・実行する。しかし4年前に流行り病で亡くなったとされている。ラズファードはその意思を継ぎ、Ghatsadにアルザダール海底遺跡の研究を依頼し、Nashmeiraに代わりその作戦を進めていた。
  その理由は、900年もの間皇族が求めていた悲願であると同時に、Nashmeiraも語るように、永い間続いている戦乱に終止符を打てる秘策としてAlexanderを使えると思ったからと推測される(実際、Alexanderの大半の皇室関連の知識は「兄さま」であるラズファードが教えた物である描写も多いため、彼の影響は強いのは容易に想像できる)。そしてAlexanderをオートマトンに降臨させる理由は単純に「長年見つからない」以外にもうひとつあった。


Ghatsad :……ルザフの件、まことですかな?
Razfahd : フッ、まさか。
Razfahd : だが、機関巨人が完成に近づいたとき、やつもまた蘇った。……偶然ではあるまい。
Ghatsad : 神々の御意志が介在していると……?
Razfahd : あるいは……な。だから、巨人との因果関係がはっきりするまでやつは生かしておくつもりだ。
Ghatsad : しかし、それでは……。
Razfahd : 安心しろ。冥界の連中が望む最終決戦ラグナロクとやらは起こさせぬ。審判の日の鍵は、すべて我が手中にあるのだ。私は御してみせる。それが神であろうとな……。

  Alexanderと対を成す「黒の神」Odinと、二神が織り成す審判の日・ラグナロク。奇しくもAlexanderの復活が間もなく、と言える程にラズファードの計画が進む中で街中に広がる不穏な噂、「漆黒のLuzafと「冥路の騎士」の目撃談。それらは、かつての皇国の宿敵・イフラマドとその神Odinに纏わる物である。ラグナロクとは「天には後に起こる天変地異の原因となる大穴が空き、エラジア大陸は焦土と化した」との伝説も残っており、それは大陸ごと荒れ果てる惨事を引き起こしてしまう。ラズファードはAlexanderをオートマトンという、からくり士の手により制御・コントロールが出来る媒介に憑依する事により、その力を御しラグナロクを避けつつその力を手に入れようとしていたのだ。
  この発想はおそらく先代のジャルザーンの時代からあったものと思われる。何故ならその妻であり優秀なからくり士でもあったジュブリールが、Alexanderの媒介として作られていたゴルディオスの要となるパーツをOvjangMnejingの体内に隠していたからである。そしてそれはジャルザーンも聞き届け、ゴルディオスの完成に至らなかったとも思われる。二人の意思は、OvjangMnejingを通して、ラズファードとプレイヤーに明かされていく。

Mnejing : 『誰かは知らぬが、アルザダールを完成させゴルディオスの結び目を断ち切ったわけだ。おめでとう!とりあえず、そう言っておこう。ウルグーム最強の「光の力」を手に入れるんだからね。』
Ovjang : 『けれど、アレキサンダーの力は諸刃の剣……その無限の星気…… 一歩使い道を誤れば、身を滅ぼすことを伝説が、そして遺跡が物語っています。今なら、まだ間にあう。心あるならば、すぐにプログラムを停止させなさい。貴方が賢明な判断を下さんことを……。』

  二人はAlexanderの危険性を、最後のパーツが組み込まれているOvjangMnejingを通して訴えた。しかし、ラズファードはこれを聞き入れずゴルディオスにAlexanderを降臨させてしまう。


  これは上記のコラムの通り、ラズファード自身自ら戦線に立つ軍人気質であり、おそらくは「武力を持って武力を制する」つもりであり、実際にその動向を危惧していた四国の飛空艇を打ち落とす暴挙に及ぶ。なおサンドリアのTrion王子も、聖皇Nashmeiraならば四国とアトルガンの戦争は免れるだろうが、宰相なら彼の国との戦は避けられぬ、と発言しており、それは現実のものになりつつあった。ラズファードはオートマトンの性能を過信し、Alexanderを降臨させた時点で道は決定したのだ。
  Nashmeiraがラズファードを説得し、戦争とラグナロクを止めさせる決心を固めていた頃、ラズファードは四国の50隻もの飛空艇の艦隊と対峙する決心をし、GhatsadAlexanderが降臨したゴルディオスに指示を出していた。二人の相反する願い、決意は、直接のやりとりで見て取れる。


Razfahd : いいだろう……。話を聞こうか?
Nashmeira :……もう、その人形を争いの道具に使うのは、やめてください。
Razfahd : フッなにを言いだすかと思えば……。ナシュメラ、お前だって機関巨人の完成をずっと心待ちにしていたではないか……。
Nashmeira : 確かにそうだった……でも<PC Name>やルザフと出会いわたしは、いろいろなことを知ったの。その人形を使ってアレキサンダーを降臨させてしまうとラグナロクが起きてしまうのよ!そうしたら皇国も、アルザダール文明みたいに一夜にして滅んでしまうって……。

Razfahd : 情けないぞ、ナシュメラ。いまだ、冥界の亡者に毒されたままか?ラグナロクなどと……。アレキサンダーの神威がウルグームをあまねく照らした、その時こそ真の平和が皇国にもたらされる。それが審判の日だ。ラグナロクなど、その失敗例に過ぎぬ。 安心するがいい。この巨人の心臓たる魔笛はすべて、我が皇国の現代技術の粋を集め完成させたもの……アルザダールの轍は踏まぬよ。
Nashmeira : 兄さま!人が神を御せると本気で思ってるの?ううん、たとえできたとしたって、神から与えられる平和なんて……そんなの、まやかしよ。アトルガンは……いえすべての国は、個々の人間が形づくっているもの。平和だって国と国が協力し合って初めて価値があるものじゃなくて?神さまは、その人間の努力を認めて、祝福してくださるのよ。
Razfahd : 言うようになったな、ナシュメラ。だが、それは理想に過ぎん……。お前も知ってのとおり我が皇国は疲弊しているのだ。もはや、かつての大国としての威信は衰え、諸外国や蛮族は虎視眈々と付け入る隙を窺っている……このままでは民が餓えるのも、そう先のことではあるまい。そのためには多少の犠牲は、やむを得ぬと知れ。
Nashmeira : 兄さま、お願いよ!ここにいる<PC Name>だってきっと協力してくれるわ、だから……もう一度、中の国と交渉を!
Razfahd :……もう遅い。西の諸国は大飛空艇隊を差し向けて我が国の領空を侵犯してきている。
Nashmeira : !!
Razfahd : あれを放置すればアルザビは火の海に包まれるのは必定……数多の皇国民が犠牲となるだろう。すべてが動き出してしまった後なのだ。もう、止められぬ……お前にも、私にも……。
Nashmeira :……でも!
Razfahd : ナシュメラ。私は、後世に悪名を残すことを厭わぬ覚悟だ。もはや、お前は預かりしらぬことと思え。……だが、今はこれ以上の邪魔だては許さん。
Nashmeira : 兄さま……!

  この後、自らの計画に仇成す者として、ラズファードはゴルディオスに乗り込みプレイヤーと戦う事になる。しかし、戦いの最中、ゴルディオスの制御は不能になってしまう。

Razfahd :……て、停止しただと?応えてくれ、アレキサンダーよ!どうしたというのだ!? な……操縦桿が勝手に?ガッサドッ!いったい、どうなっている!?
Alexander :……私は……アレキサンダー私を……畏れよ……私を……崇めよ……。
Razfahd : なんだ?この耳元で鳴り響く声はっ!?
Ghatsad : なぜだっ? どうして外部からの操作を受け付けん。まさか……まさか……
Alexander : 私を……空へ……私に……陽を…….。
Nashmeira : 兄さま……!?

  Alexanderの意思はゴルディオスを支配し、制御不能になった。やはり、神の意思をコントロールする事は不可能だったのだ。そしてその場に駆けつけたLuzafの体内からOdinが現れ、ラグナロクが訪れてしまう。
  最後に明記しておきたいが、ラズファードはこの一連を私利私欲のために行った事ではない。900年ものアトルガン皇室の悲願を幼少の頃より教えられ、刷り込まれた。そして妹Aphmauに語ったように、Alexanderはアトルガンに平和をもたらす希望の象徴と信じて疑っていなかったのではないだろうか。そして幼い聖皇に代わり世界を敵に回してもアトルガンとその人々を守ろうとした。その果てに彼が望んだ物とは………(下記参照)。ラズファードは単純な悪役等ではなく、様々な歴史、思惑、信念が生み出してしまったダークヒーローに近い存在なのである。



アフマウの「兄さま」の素顔

  実質的にはアトルガンミッションの「敵」であり妹Aphmauと対立する立場にあるラズファードだが上記の通り、決してAphmauを憎んだりしている訳ではない。そして、Aphmauのようにメインキャラクターとしてプレイヤーと密接に関係してはいるものの、本心は決してプレイヤーに向けては語らない(敵だから)。


危険なエジワに自ら救出に向かう場面もある。

  結論からいうと、ラズファードはAphmauをとても大事にしている。しかし対立するまでには幾つもの状況やすれ違いがある。プレイヤーはあくまでAphmauと共に行動しているのでその詳細は直接語られる事はないが、ラズファードと他のキャラクター達とのやりとり等で断片的に彼の思惑が見えてくる。

アフマウの母・ジュブリールの存在

  まずラズファードとAphmauの関係を語るにはジュブリールの存在を語らなければならない。ジュブリールは、Aphmauの母であり、上記にもある通り奇才のからくり士でもあった。しかしラズファードが彼女を語る際、非常に意味深な言い方をする(なおジュブリールの話をする相手は彼女の師でもあるGhatsadとのやり取りが多い)。


Razfahd : 無理もない。ナシュメラの母ジュブリールは、変わっていたが頭の切れる女だった。
Razfahd : 幼き頃、あの女の余興につきあい私も人形操作の手ほどきを受けたが……。
Razfahd : ふっ……小賢しい女よ。最後まで小細工をろうしおって……。

  実母であるなら「あの女」等という言い方はしない。また、そのような態度を実母にするならば、その経緯も描写されると思われるが、そのようなシーンも特にない。アトルガン皇国に正室・側室という概念はあるかは分からないが(更に勘ぐると愛人という可能性も無いわけではない)、NashmeiraことAphmauの母親と明記されているジュブリールがラズファードの実母でもある可能性は非常に低いと思われる。これはすなわち、ラズファードとAphmauは同じ父を持つ異母兄妹の可能性が高い。
  なお、「余興」とは言っているが、ジュブリールはラズファードにオートマトンの扱いを教えていたり、それに関してラズファードもこのように振り返っている:

Razfahd : 彼女が取り付けた行動パターンを覚えさせる装置のおかげで初心者の私にも、まるで生きているようにMnejingを動かすことができた。

  これはジュブリールの才能を示すエピソードでもあるが、そもそも、ジュブリールとラズファードは血縁関係ではなく、皇室ともなれば彼女が直接相手をする必要性も特にないはずである(彼女自身が子守役として召抱えられていたならともかく)。更に「Mnejing」は前聖皇ジャルザーンにとっては最初のオートマトンであり、彼女自身が「プログラミング」という、彼女が開発したと思われるマトンの機能を搭載している。それをわざわざオートマトン初心者のラズファードに扱わせたのを考えると「実験的に初心者にも扱えるか見た」というより「彼女自身がラズファードを可愛がっていた」方が自然ではないだろうか。
  また、ゴルディオスにAlexanderを降臨させる際にも、マトン達を通して彼女の意思が語りかけてくる(上記コラム参照)。ここで注目してほしいのは彼女がこれを成し得るのは「ラズファード」と特定していない所である。生前当時の彼女からしたらラズファードは確かにまだ幼い子供だった(12年前)筈だが、彼が皇位継承したら前聖皇ジャルザーンの意思を継ぎ、Alexander降臨計画を進める事を予想するのは簡単な筈である。また少しでもネガティブな方向にラズファードを見ていたならばOvjangMnejingを破壊してでもそれを成し遂げる事も想像出来たように思える(実際している)。そもそもそこまで疑うのならば最初からラズファードに改造したMnejingを見せないのではないだろうか。
  いずれにしろゴルディオスの作成・Alexanderの降臨の障害のように扱われてるジュブリールがもし、生前ラズファードに愛情を持って接していたとしたら、この扱いは皮肉なものである。


4年前の迎え・ラズファードとリシュフィー

  そして父である聖皇ジャルザーンが病死した後、ラズファードは自らワラーラ寺院に出向き、そこに預けられている妹Aphmauを迎えにいく。


  この場面はAphmauの回想シーンであり、ラズファードが比較的威圧感を感じさせる雰囲気で描写されている。もしラズファードが歴史ドラマ等でもあるように「幼い人物に即位させ、自分が影から操る形にする」予定であったのなら自らAphmauを迎えに行く必要性は特にない。むしろその作業は部下に任せて皇室内でじっくりその威厳を刷り込んで服従させる方が効果的に思える。
  何より、Aphmauがワラーラ寺院に預けられ、孤独と悲しみで塞ぎがちになっている彼女を支えたのが、彼が贈ったとされるマトンである。


Ovjangは母から、Mnejingは兄から貰ったとNadeeyに紹介した。

  二体が魔笛の力で話せるようになったときAphmauは「父さまや兄さまも同じ街にいる」と感じ元気を取り戻したと語っている。この際、彼女はラズファードからの手紙が途絶えて寂しかったとも発言しているが、病に倒れたとされる聖皇ジャルザーンを想像すると、その後の政権のやりとりや政治的な後継、処理等息子のラズファードが行っていたと思える。そんな状況の中、彼女を迎えにラズファード自らワラーラ寺院に現れたのである。
  この時従者として同行していたRishfeeが、以後目付役としてAphmauに連れ従う事になる。不滅隊所属である彼は、元々ラズファードの部下でもあり、ミッション序盤等ではAphmauの保護者的役割を果たしながらラズファードにも情報を報告する場面が多く見られる。その後の流れ、及び他クエストでは、Aphmauに振り回され気味のRishfeeの描写が増えるものの、気絶に追い込まれた自分自身よりもAphmauの心配をしていたり、皇宮を抜け出し町へ飛び出すのを黙認したり護衛したり、彼女が強く発言をすると言い返せない等、Rishfeeの彼女への配慮や気配りが見て取れる。ラズファードが「人が良すぎる」と同僚にまで言われるRishfeeを妹の護衛に就かせたのは意図的である、と思うのは勘繰りすぎだろうか。


以後4年もの間Aphmauと連れ添う事になる。実兄ラズファードより近い存在かもしれない。

  またミッション冒頭でAphmau=Nashmeiraと名言されていない場面では彼女が一人二役をしているが、この際Rishfeeだけでなくラズファードもその芝居に一役買っている事も指摘しておきたい。あれは、Aphmau自身が聖皇という立場を嫌がっての行為なのか、はたまたラズファードの案かは不明であるが、ラズファードも「一人二役」を可能な限り尊重し(Aphmauが調子に乗るとNashmeiraとしての振る舞いでも叱る場面もある)、その芝居に従っている。


暴走する妹とのパイプライン・プレイヤーの立場

  アトルガンミッション中頻繁に行方不明を繰り返し、Rishfeeをはじめとする不滅隊をもまいてしまうAphmau。しかし彼女はあらゆる局面においてプレイヤーである冒険者を信頼し、助けを求める。そして西の国から訪れた傭兵として不滅隊やラズファードからマーキングされていた冒険者はミッション初期の段階でGhatsadから「鈴」を付けられる事になる。これは、後々Rishfeeがミッションから姿を消した後のAphmauの動向を調べるための強力な手駒になるとラズファードも思ったようである。


  Aphmauが自らの意思で皇室を離れた後、ラズファードは冒険者を皇宮に呼び、不滅隊隊長Raubahnを改めて紹介し、その忠誠心はどこにあるのか、と冒険者に問いかける。これは手駒として最終的に誰の為に動くのか(この際サラヒム社除外、元よりラズファードは冒険者名指しで手紙を送ることが多々ある)釘を刺している。「マウの傭兵」としてAphmauに慕われる分には構わないが、兄妹の対立が濃厚になりつつある中で、どちらの味方につくのが得策か。その後ラズファードや不滅隊に会う都度、冒険者は毎回念を押されるようになる。これは、ラズファード自身が冒険者を信頼しているか、というより不穏な動きを感じれば不滅隊が即座に対処する、という脅迫にも似た関係でもある(特にRaubahnはとても怖い)。


見知らぬ男・ルザフ

  Aphmauの失踪そのものは、最初は行方不明のマトンを求めてであるが途中でLuzafと出会い、彼に自ら付いて行ってしまう事に変化していく。当然成り行きを知らないラズファードは必死に妹を捜索し、最終手段であるラミアまでも投入するに至る。しかしその場面を目撃してしまったAphmauは、ラズファードを問い詰める為に飛び出してしまう。


Razfahd : !……お前……。
Aphmau : 兄さま、ここで……何してるの?
Razfahd : さらわれたと聞いた…………無事なのか?
Aphmau :……見ての通りよ。
Razfahd : 貴様か?アフマウをかどわかして……
Aphmau : 違うわ!マウが勝手に彼についてったの!
Razfahd : なに?どういうつもりだ!?見ず知らずの男についていった、だと……お前は、自分の立場をわかっているのか?
Luzaf :……。
Aphmau : なによ。に、兄さまこそ……

  妹の安否を確認した途端、同行していたLuzafを問い詰めるラズファード。そしてAphmauにも詰め寄る。確かにAphmauは聖皇という特殊な立場でもあるが16前の若い娘でもある。そこを重点に置くと、上記のやりとりは「変な男についてった年頃の妹が心配で仕方ない」兄の発言に思えてならない。後にそれが「漆黒のLuzaf」と推測するラズファードの発言もあるが、この場面ではそれがすっぽ抜けている。Luzafじゃなくても絶句物である。
  しかもこの後Aphmauはラズファードに自らの意思でLuzafについて行くと言い残し、気絶してしまったLuzafを救う形でその場から消える。必死に捜索をしていた兄としてはあまりにも報われない。


取り残されたラズファードの後姿には何とも言えない哀愁すら感じる。

  そして再びこの面子が揃うのはハザルム試験場である。Odinとの契約が履行されてしまったLuzafは「冥路の騎士」として認められてしまう。その場を抑えに不滅隊と共に現れたラズファードはLuzafの部下だったシャドウ達を一掃し、二人の前に姿を現す。


Razfahd : お手柄だぞ。ナシュメラ。
Nashmeira :……兄さま!
Razfahd : 次期冥路の騎士と、外国の密偵を一網打尽にするとは。
Luzaf : くそっ。
Razfahd : 下手なことはやめてもらおうか。漆黒のルザフ……それとも、冥路の騎士とお呼びすべきか?ハザルムに潜り込んでいた貴様の手下はすべて、捕らえさせてもらったよ。それから、貴様の噂を聞きつけてこの付近に参集しつつあった、イフラマド系の民衆もね。我々に非協力的とはいえ、あやつらも我が皇国の民ではある。無益な流血は避けたい。わかるな?
Luzaf : くっ。
Nashmeira :……!
Razfahd : 連れていけ。反アストラル拘束帯で厳重に縛れ。油断するなよ。
Wharudu : はっ。
Nashmeira :…………。

  すっかり悪役である。相手が反アトルガン要素の「漆黒のLuzaf」ではあるものの、イベント関連では最多の不滅隊員を導入してのLuzaf捕獲。更にAphmauに全権剥奪の現実を突きつける。これは実際、聖皇の身でありながら敵のLuzafを(成り行きはともかく)擁護したから仕方ないのかもしれない。しかし、その後にこのようなやり取りを繰り広げる。

Razfahd : 残念ながらお前には、もう何の権限もない。
Nashmeira : そんな……兄さまは聖皇を……マウを裏切ったの?
Razfahd : ふっ、裏切った……か。お前にそれを言われる筋合はない。

  ラズファードは妹が「裏切った」とこの時言い切っている。上に書いたとおり、彼女の立場上確かにそういわれても仕方がない。しかしLuzafと初めて対峙した時のやり取りを思い出すと「おいたが過ぎた妹をお仕置きする兄」にも見えてしまう。実際、この後Aphmauは権利を奪われ自室に閉じ篭り、ラズファードは彼女の協力次第で捕獲したLuzafの処罰を考える、という展開になる。皇室・聖皇・宰相等の単語に惑わされやすいが、この一連はスケールのでかい兄妹喧嘩である。


最後に言えた本心

  そもそも、ラズファードがミッション中に行っている事は「Aphmauの代わりに」鉄の巨人復活を計画していたり「Aphmauを心配して」行方不明捜索をしたりしている場面が大半である。つまり、全ての行動はAphmauの為なのである。しかしその弁解がうまく行かず、二人はすれ違いを重ね、最終的には対立し、敵としてお互いの道を阻む結果となってしまう。
  そして皮肉にもラズファードが本心をAphmauに伝える事が出来たのは最後の最期、別れる瞬間であった。

Razfahd : (ナシュメラ……。)
Nashmeira :……兄さま……?
Razfahd :……安心しろ……。……愛する……アトルガン……神々の……好きにはさせん……。
Nashmeira :……ねぇ、兄さま なんて言ってるの? よく聞こえないわ……。
Razfahd : もう……一度……お前の……笑顔……が、見たかった……。
Nashmeira :……ま、待って!
Razfahd :……さらば……だ……
Nashmeira :……マウを……マウを独りにしないで……兄さま……兄さまぁ!!!

  神の意思を制御しようとし、他国を敵に回し、50艘もの飛空艇にも怯まなかったラズファード。全ては、もう一度妹の笑顔を見るためだったのだ。