Excenmille / 少年時代(詳細・ネタバレ編)


  • エルヴァーン♂、2A(銀髪・Lサイズ)、北サンドリアD-9
  • 家族構成:父(Alphonimile)、母(オークに殺され死去)
  • フルネームはExcenmille Aurchiat
  • 少年騎士団団長。



親子の確執

  冒険者が過去のサンドリア・番犬横丁を訪れると、少年の声が聞こえてきた。先日冒険者がコッソリ逃がす事になってしまったオークの事で口げんかをしているようだ。


Excenmille :……大人が何もしないならオレたち少年騎士団が、そのドッグとかバックとかいう奴をやっつけてやるよ!
Alphonimile :……エグセニミル。軍の事情に口出しをするな。お前は家に帰っておとなしくしていろ。
Excenmille :……!!
Excenmille : 大人はいつだってそうだ……。あのときだって、大事なときに親父は……!

  少年の名前はエグセニミル。現代では遠征でクリスタル大戦時から戦い続けた北国からサンドリアに帰国し、バリスタの開催を進言した猛者として知られている。


そんなエグセニミルを呼び、駆け寄るもう一人の少年。

Excenmille :……ラーアル(Rahal)。どうした、そんなにあわてて。
Rahal : ビスティヨ(Bistillot)の奴、ついに例のブツ、完成させたらしいぜ!
Excenmille : 本当か!?
Rahal : ああ!だからいつもんとこ、早く行こうぜ。

  こちらの少年は、後のサンドリア王立騎士団団長である。しかし、今ここに居るのは当時の、幼馴染の少年二人。Rahalが持ってきた情報に目を輝かせて、今さっきまで声を荒げていた男性に振り返る。

Excenmille :……ふんっ、覚えておけ。こんな戦争、オレが終わらせてやる!大人なんかに任せてられっか!

  そういって二人は石畳を駆けていってしまった。一方残った男性は門番の情報によるとAlphonimile伯爵。先ほどのエグセニミルの父親である。


父親Alphonimile伯爵。余談だが現代のExcenmilleと同じフェイスである。

  門番と冒険者のほうに歩み寄ってきた彼は、先ほど息子に向けた威厳に満ちた口調ではなかった。

Alphonimile : 跡継ぎ息子がああなったのも、私の不徳の致すところか……。王都がオークの禿鷲軍団による包囲の憂き目に遭って以来、治安は悪化の一途をたどっている。わが軍の騎士に対し次々にトンベリの刺客が放たれ、過日、ついに神殿騎士団長ムシャン様までが兇刃に倒れた。そして、吊り牢の脱走事件。王都にまだ、賊が潜んでいるやもしれん。貴公らも、ゆめゆめ油断なされぬよう。

  気遣いの紳士である。門番は更に、先日のAlphonimile伯爵のジャグナーでの一戦の話もしてくれた。

Louxiard : ジャグナーの戦い以来、伯爵も心労が絶えないな。あのとき伯爵が、充分な兵を動かせていれば、ノルバレン騎士団も壊滅を免れたものを……伯爵と、亡くなったムシャン様の尽力で実現しかけていた王立騎士団と神殿騎士団の共同作戦も、実現が難しくなった。

  クリスタル大戦という大規模な戦火の中、一人の軍人としての様々な苦労、努力。そして息子の反抗。これも、上記の会話に出ているオークの襲撃の時に彼の妻(エグセニミルの母)も犠牲になってしまい、その時王都に居なかった彼を息子が責めている為だと後の話でわかる。二人を後にし、ゆっくりと歩き去るAlphonimileの背中には哀愁すら感じてしまう状況である。


父の心子知らず。

  なお現代での情報だと、エグセニミルは父について従軍、少年ながら初陣を勝利で飾るも、ザルカバード会戦で父を失う。戦場でオルシャー家当主の地位を受け継ぎ、そのまま転戦する事になっているので、和解する事にはなるようだ。


少年達の贈り物

  エグセニミルとRahalが向かったのは番犬横丁の奥広場。同じような鎧をまとった少年達が集まっていた。彼らは「少年騎士団」。自主的に結成した騎士団であり、当然公式に許されているものではない。むしろ大人たちの騎士団を真似ている、少年達の遊びの延長に近いものだ(実際は「遊び」だが本人達は至って真面目で本気)。


  上記の喧騒の後、少年達の後をついてきた冒険者に気づき、慌てる少年騎士団の面々。「少年騎士団則その3」により、ここに大人がいてはいけなかったのである。凄まじい勢いで冒険者に食って掛かるエグセニミルだが、更に来訪者が現れ会話が途切れる。


  彼女はAltennia。ボーレル家の者であり、王立騎士団の従騎士でもある。任務の傍ら少年騎士団の面倒も見ているようだ。エグセニミルに「変な大人(冒険者)」を追い払うようにせがまれ、Altenniaは少年達と離れた場所で冒険者と話をすることになった。冒険者は彼女に、オークを逃したのは自分だった事、そしてそれにまつわる不審な点を報告した。
  そのオークは、自分は魔法に掛けられて姿を変えられたエルヴァーンだと冒険者に話し、とある指輪を証拠としてみせた。その指輪は、Altenniaの家系でもあるオシャー家のものだったのだ。彼女はそれを信じてくれた。そして、それらの要素を軍の中で調べてみるのと引き換えに、いつも傍に居て危険を冒さないように見守れない少年達を、代わりに後見人を務めてほしいと頼んできた。もちろん、調べる際に、冒険者がオークを逃がしてしまった犯人であるのを内緒にするのも含まれているので冒険者は承諾せざるを得ない。


Altennia : ねえ、みんな聞いて!この<PC Name>さんを少年騎士団の仲間にしてあげて。
Excenmille : お、おいっ!?アルテニア、なに勝手なこといってんだよ!そんなのダメに決まってんだろ!
Rholont : エグセニミル団長、我輩も反対であります!
Rahal : うん。僕も反対だな。大人が入ったら少年騎士団じゃなくなるし。
Bistillot :……ボクも反対ですね。そもそも素性のわからない人物を仲間と認めることが、どれだけの危険を伴うか、その確率は……
Altennia : もう、そんなこといいから!みんなそんな冷たいこと言わないで、仲よくしてちょうだい。じゃ、あたしはこれから任務があるから戻るわね。いい? ぜったい仲よくするのよ!
Excenmille : アルテニアずるいぞっ!こいつも一緒に連れてけよ!

  結局、「変な大人」を退散させられなくなったどころか、仲間に入れないといけなくなってしまった少年騎士団。エグセニミル団長の決断に従うと皆合意し、エグセニミルは「例のブツ」をBistillot作戦本部長に要求した。それを使って、冒険者が少年騎士団に相応しい人材か、新入り入団テストをするらしい。「例のブツ」とは少年達が金の羽根と貝殻を使って作り上げた「お守り」だった。それをサンドリアにいる正規騎士団の人々に配ってくる、というのがテストの内容だった。

  そして無事に指定された軍人達にお守りを配った冒険者は、新入りとして少年騎士団の会議に参加することを許された。


オーク軍団掃討作戦

  ある日少年騎士団は大人たち(騎士団のと思われる)の情報を手に入れた。サンドリアを襲ったオーク族の禿鷲軍団がバタリア西部にいるのを急襲する予定だったらしいが、ムシャン神殿騎士団長が暗殺されて牛歩状態にあるという。大人の騎士団が躊躇うそのオーク軍団に、エグセニミルは勇み足になった。


Excenmille : よーし、決定!明日はドッグヴデッグ軍団の掃討作戦だ!バタリア丘陵に行くぞ!
Bistillot : 団長、この場合は掃討というよりむしろ……
Rahal : ま、待てよ。作戦名はともかく、大人の騎士団が総がかりでやっとの相手をどうやって僕らが倒すんだ?
Excenmille : それは、行ってから決める。
Rahal :……。

  団長の発言に流石に困り果てるRahalと他の隊員。そこにAltenniaが様子を見にたずねてきた。


一同「………」

Altennia :…………。

Altennia :……とてもとても怪しい。静かすぎる。……あなたたち、また無謀な計画考えてるんじゃないでしょうね?以前みたく「ゲアルバン島の巨人偵察作戦」なんてことしたらぜったい承知しないわよ。
Excenmille : そ、そんなことぜったい考えてねぇって!オレたちはただ掃討作戦……。
Altennia :……掃討?掃討作戦って、何の、かしら?
Excenmille : そ、それは……。
Bistillot : 団長、くりかえしますがこの場合は掃討というよりむしろ……
Rahal : 領地内の「ゴミ掃討作戦」さ。
Excenmille : そ、そのとおり!お前ら!ボケっとしてないでホウキを持て!ついでに雑草も根絶やしにしろ!

  隊員たちは掃除道具を取りに(行くフリ)走った。それを見て安心したAltenniaは、冒険者に再び少年達の「見張り」を頼んで隊に戻っていった。


エグセニミルはAltenniaが苦手らしい。

  それを見ていたエグセニミルは、彼女に告げ口したら即除隊と冒険者に釘を刺し、本来の作戦である「オーク軍団掃討作戦」は後日、有志を募って決行することにした。


  しかし後日、集合場所に立ち寄ると、そこに居たのは警備隊長のRholontのみ。彼がエグセニミルから託った伝言によると「大人たちに先を越されるのがイヤだから先に行く」との事。Rholontの推測だともうジャグナーに到着するのでは、と聞き冒険者は慌てて少年達の後を追った。

  そして東ロンフォールを抜けジャグナーに入った辺りでRahal達が駆け寄ってきた。バタリア丘陵へ向かうためにジャグナー森林を抜けようとした少年騎士団は、ジャグナーに潜んでいたオークに襲われ、必死で逃げてきたところだったのだ。しかし、そこにエグセニミルの姿は無かった。


  一方その頃、エグセニミルは二匹のオークに、メシューム湖のほとりまで追い込まれていた。Zogbogと名乗る片方のオークは流暢に人の言葉を話し、一緒にいるFingerfilcher Dradzadに状況をオーク語(?)で説明しながらエグセニミルを言葉で追い詰めていった。

Excenmille : くっ……子供だからって、なめるなよっ!


トレーラー等にも使われていた場面。

  窮地に立たされ剣を抜いたエグセニミル。Zogbogは、そんな彼の目にどことなく見覚えがある、と言い出した。

  Rahalは他の隊員たちに、サンドリアに戻ってAltenniaに状況を報せるように要請。そして彼は冒険者と共にジャグナーのどこかにいるエグセニミルを探し出す事にした。そして二人は二匹のオークに囲まれているエグセニミルを無事に見つけ出した。


即助太刀に入る二人。

Zogbog : (クレック?)……誰だ!?
Excenmille : お前は……し、新入り!?
Rahal : エグセニミル!!
Excenmille :……ラーアル!!
Zogbog :…………エグセ……ニミル……だと?

  そこでZogbogは冒険者に気づいた。Zogbogこそ、サンドリアで牢に入れられ、冒険者に指輪を見せ本当はボーレル家の者でありエルヴァーンだと言い、冒険者が逃がしたオークだった。

Zogbog : お優しい方、申し訳ない。牢を出た後、ワタクシはひとつ重要なことを思い出してしまったのだ。そう……ワタクシはエルヴァーンのような野蛮な連中とは違う。オレサマは初めから嘘つきなオークだったんだってなァ!!
Fingerfilcher Dradzad : ケェェェェェッグ!!

  冒険者に襲い掛かるオーク。しかし冒険者たちは辛うじてFingerfilcher Dradzadを下した。

Zogbog : グッ……!エグセニミル!いずれオレサマは貴様の命をもらいにゆく。貴様はオレたちの……仇敵だからな。 覚えていやがれ!


ジャグナーの奥へと走り去るZogbog。少年達の初陣は勝利に終わった。

そこにAltennia達が駆けつけてきた。少年騎士団の少年達の報せで走ってきたのだった。


少年達の無事を確認した部隊は、護衛をAltenniaに任せ、先に帰った。

  早速説教を始めるAltenniaだったが、全く悪びれもしないエグセニミル。彼女は諦めて、とにかく今は無事を喜ぶことにした。そして、二人を助けた冒険者に礼を述べるAltenniaだが、それをエグセニミルが割って入った。

Excenmille : べつにお前が助けになんかこなくても、あんな奴ら、オレひとりでぶっ倒せたんだからな!それになぁ、お前、オークの嘘にだまされて脱走手伝うなんて、どんだけマヌケな奴なんだよ!ほんと、信じらんねぇぜ。
Rahal : でも、<PC Name>が頼りになることはよくわかったよ。

どこのツンデレですか?

  そういって、冒険者に初めて笑顔を見せ、先にサンドリアへ帰るべく走り出す二人。それはエグセニミルに気に入られた印だと笑うAltennia。そして、彼女はエグセニミルの事を、少し語りだした。オークが王都を襲った時にエグセニミルの母親が殺されてしまった事。その時父親のAlphonimile伯爵は遠征していて不在だったこと。そしてそれらがエグセニミルに父親と大人達へ不信感を抱き反発するようになったきっかけになったこと。


そして走っていた二人の少年は

振り返り、冒険者に少年騎士団の敬礼をした。

  彼の元気な姿に安堵しつつ、二人に今日の罰に敷地内の草むしりをさせる、とチョコボでAltenniaは追いかけていった。

  なお、彼の物語の続きはこちらのページ へと続いていく。




おまけ・エグセニミル少年の懇親の笑顔。可愛げない。


最終更新:2008年04月26日 20:46