少年騎士団
The Young Griffons
関連イベント
- クエスト「少年たちの贈り物」「オーク軍団掃討作戦」「巨人偵察作戦II」「ちいさな勝利、ひとつの決意」「羽撃け、鷲獅子」等
特記事項
- サンドリアの少年たちが非公式で結成している「騎士団」。
- 団長はExcenmille、副団長はRahal。
- 他に警備隊長のRholont、作戦本部長Bistillot。通常時Rholontと佇んでいる他三名は現在役職無し、もしくは不明。
- クエスト専門キャラクターとしてCyranuce、Machegueも団員として確認されている。
- クエスト外では、オーク戦車で遊んでいるようで、中にBistillot以外の子も居るような発言が聞こえる。
- 主な活動はどこからか仕入れた正規騎士団の情報を元に先回りして「オトナたちを出し抜こう」とする事。
- 実際にはクエストで冒険者に配らせた(騎士団長達に)リンクパールから会話を盗み聞きしているようだ。
- 貴族・騎士団員(長)の子息も参加している為、従騎士のAltenniaが目付役のような役目として少年騎士団の面倒を見ている。
本人達は、本気です。
基本的にクエで主軸になる4人。
王都の子弟により結成された、少年たちの騎士団。勿論、公式なものではないが、本人たちが思っているより周囲は存在は知っているようだ。元々は父親に反発し、暴走しやすい性格である
Excenmilleが強引に周りを巻き込んで結成した感も否めないが、一種の遊びとして受け止めているのか、皆ノリノリで騎士のロールプレイをしたり、オトナ達の情報を盗み聞きしては危険な「作戦」を決行している。
基本的には、団員じゃない者(特にオトナ達)を追い払ったりする
Rholontが少年騎士団の基地となっている番犬横丁の出入り口を警護している。皮肉を言いながらも、集まった情報を処理し、基地にあるオーク戦車の中で「引きこもって勉強をしている」らしい
Bistillotが作戦を練ったり必要な小道具を用意している。そしてその内容の詳細は理解できないものの(実際説明する
Bistillotを「うるさい」とさえぎる事もある)会議でテンションをあげてしまった
Excenmilleがそのまま街を飛び出し、他のメンバーもついていく、といった行動パターンのようだ。また、時には一緒に楽しみ、時には危険を察知し大人の救援を求めたり、総じて肝心な所は
Rahalがフォローをしているようである。
また、今まで言葉を濁して「どこから情報を手に入れている」かを誤魔化していた少年騎士団だったが、クエスト「ちいさな勝利、ひとつの決意」では、クエスト「少年たちの贈り物」で入団試験として冒険者が正規騎士団の面子に配らされた「金の羽根」にリンクパールを仕込み、そこから会議等を盗み聞きして情報収集をしていた事が判明した。意外にそういう悪知恵が働くようだ。
知的だが悪ノリしがちな作戦本部長と、暴走気味の団長に振り回される事が多い
Rahal。
少年騎士団は、主に大人たちから聞き出した次の作戦を先回りして、あわよくば出し抜こうとしてる節が強く、強力なオークがひしめくジャグナーやブンガール、果てはバタリアにも向かおうとする。それは当然のように危険を伴うものであり、時にはオークに見つかり大ピンチになることも多いようだ。万が一の事態が起きないように、従騎士である
Altenniaが任務の合間に彼らの基地を訪れては面倒を見ている。しかし激化するクリスタル大戦の中、いつも彼らのそばに居られるわけでもない彼女は、少年たちが心配のようで、冒険者(プレイヤー)に彼女の不在時等には彼らを守って欲しいと頼む。
なお、「騎士団」と名乗っているだけあり、基本的にそれぞれが伯爵等の階級を持った家の出身と思われ、少なくとも
Excenmilleと
Rahalは現代でも「当主」となる正当な血筋であることが分かっている。その為の英才教育も受けており、全員が装備している武器も本物のようである。クエストでは
Excenmilleと
Rahalは実際にその戦闘能力の高さをイベントで垣間見せてくれている。
プレイヤーと共に、果敢にオークたちと戦う。
ちなみに、彼らが戦う姿を見せてくれるのは過去世界ジャグナーでのイベントであり、そこのオークたちはLv75のプレイヤーでも余裕で絡まれる地域である。そこで(雑魚らしいオークを相手にしているとはいえ)善戦してしまう
Excenmilleと
Rahalは、伊達に騎士団を結成していない、といったところだろうか。他のメンバーはサンドリアへ救援を求めに送られていたり、
Rholontに至っては自主的に「お留守番」をしていたりするので、全員が戦闘に長けているわけではないようだ。
アルテニアと少年たち
実質的に
Altenniaは彼らにとっては姉のような存在であり、特に軍に所属している親兄弟が多いと思われるこの時代に、そのように心配をしてくれる存在は貴重なものと思われる。危険そうな作戦を共謀する少年騎士団をしっかりと叱る、いいお姉さんである。特に
Excenmilleの父にあたる
Alphonimileとも面識があるようで、その分責任感も彼女にあるのかもしれない。
一方、少年騎士団のメンバー達にとっては、国の為に行っている崇高な作戦を邪魔されていると思っている節があり、極力彼女に(危険を伴う)作戦をしていることはバレないように努力しているようだ。彼女の鋭い質問に全員で黙り込んでそっぽを向いたり、実は掃除をする計画を練っていると嘘を全員で押し通そうとする連帯感を見せる場面もある。
もっとも、所詮は子供たちなので、バレバレの場合が多い。
特に
Excenmilleは、彼女が苦手のようで、実の父親や冒険者に対しては迷い無く抵抗を見せるのに対し、
Altenniaが怒ってきた場合は、腕を組んでそっぽを向いたり、頭をかきながらはぐらかすのが関の山のようだ。元々、大人は禁止されていた少年騎士団に冒険者が関わるようになったきっかけも
Altenniaである。いつも傍にいれない自分に代わって少年達を見守って欲しいと頼む彼女は、半ば強引に、少年達を「仲間に入れてね」と説得してしまう。これにはメンバー達はそれぞれ反対意見を述べるものの、最終的には
Excenmilleに決断を求める。そして
Excenmilleは
Altenniaの頼みもあるためか、冒険者に「入団試験」を課す事でその決断を出す事にした。
しかし、少年たちはいつまでも「子供」というわけではない。無謀とも言える作戦の中で、少しずつ、しかし確実に成長をしていっている。そしてクエスト「ちいさな勝利、ひとつの決意」では、本当にピンチに陥ってしまった
Altenniaを救うべく危険を顧みずに走り出す。彼女が困った時に颯爽と現れるナイトとして登場するのだ。
エグセニミルの決断がもたらしたモノ
皆に問い詰められて「こっちが聞きたいぐらいだ。」と答える
Rahal。
Rholont :そ、それでそれで?初めての戦場はどうだったのでありますか!?も、も、もしかしてもう、敵の将軍の首級をあげて初手柄を飾っちゃってたりとか!?
Excenmille :そんなんじゃねぇ……
Rahal :エグセニミル?
Excenmille :そんなんじゃねぇんだ!戦場は……戦場は……
いつもの自信満々な団長の口ぶりではない。皆一瞬沈黙する。
Rholont :……。
Bistillot :……まさに地獄、といったところでしょうか。
Machegue :あんちゃん ぼ、ぼく、おしっこ漏らしそう……。
Cyranuce :くそっ、おれだって…………怖いさ。
Rahal :……エグセニミル。それで、どうするんだ、これから?
Excenmille : だから……本日をもってオレらの騎士団は解散だ!
予想の斜め下をいく団長の突然の解散宣言。
Rahal :ほ、本気なのか!?
Excenmille :ああ……。
Rahal :……待ってよ。確かに、君は戦場で辛い思いをしてきて大変だったと思う。だけど……そんな戦況だからこそ大人だけに任せておけないんじゃないか!
Excenmille :無理なんだよ……。
Rahal :な!?
Excenmille :本物の戦場で、子供はただの足手まといなんだよ!
Cyranuce :だ、団長だって、同じだろ!
Rahal :おい、待てよ!そんな自分勝手なこと、許さないぞ!思い出してみろ。騎士団を始めたのは誰だ?エグセニミル、お前だ!大人たちだけに、この街を任せておけない……僕らの力で守らなきゃって!それなのにお前はこの街を……僕らをおいて……なにが遠征だ!ふざけるな!
Rahal :……いや、もういい。エグセニミル……君はもう、大人になったんだから……身勝手でいつも言い訳ばかりしてる僕らの大嫌いだった大人になったんだ!
Excenmille :……!?ラーアル……お前に……お前なんかに、オレの気持ちがわかるもんか!
Excenmille :子どもの遊びの時間は終わったんだよ!
そういって、硬直したほかの団員に声も掛けず
Excenmilleは立ち去っていった。収まらない怒りに拳を震わせながら
Rahalもまた、秘密基地を飛び出していった。
エグセニミルの旅立ち
Rholont :タブナジア?
Cyranuce : おれ、知ってる。父上と母上が話してた。タブナジアは今オーク軍に包囲されつつあるって。
Altennia :……ええ、そうよ。だからこそ、エグセニミルのお父さまアルフォニミルさまは、騎士の義務を果たすため救援に向かわれることを決意されたの。
Altennia :タブナジアは難攻不落の天然の要害。オーク軍が二千や三千、来ようと、びくともしない。そう、アルフォニミルさまはおっしゃるんだけど……。
タブナジアについては、現代からきた冒険者としては史実としてどのような状況になっているか想像がつくだろう。この後、タブナジアはアルタナ連合軍により『囮』として使われ、滅亡する……。そそくさとその場を立ち去った
Altenniaは、勿論『未来』については知らないけれど少なくとも現在危うい立場にある、もしくは危険な作戦が立てられている事を知っているのかもしれない。少年たちは見送りに行くと約束する。しかし
Rahalがこの件について言葉を発したのは
Altenniaが去った後だった。
Rahal :あいつは僕らの騎士団を捨てたんだ。見送りなんて……行く必要あるもんか。
それを聞いた少年騎士団の面子は、口々に「じゃあ自分も行かない」といい始め、冒険者にも「もちろん<PC Name>どのも行かないですよね?」と確認してきた。返答を待たず、少年たちは「反対ゼロ」を宣言し、少年騎士団は
Excenmilleを見送らない事で「一致団結」した。
しかし冒険者は旅立つ赤鹿騎士団が集っている「中門」へ向かった。そこには
Excenmille、そして
Altenniaの姿があった。
Excenmille :おっ。さすが、オレらのエース。一番のりだぞ!……っと、わりぃ。騎士団はもうないんだったな。
そういって、いつもの自分らしく振舞おうと
Excenmilleだったが、心境は掛け離れたものだったようだ。笑顔は消え、うつむいた彼はポツリとつぶやいた。
Excenmille : なあ……<PC Name>……。あれでよかったのかな?……い、いや、なんでもない。忘れてくれ。
Excenmille : ち、違う!オレはあいつらを死なせないために……
初めて冒険者に見せる
Excenmilleの弱気。戦場で「子供の」無力さを誰より体験してきた
Excenmilleは、団長だからこそ少年騎士団を解散する決断を下したのだろう。その時の不安や恐怖を誰にも打ち明けず、友達を守る為に敢えて強い口調で「先に大人になった」事を演じたのかもしれない。しかしその本心は不安でいっぱいの、一人の少年のままだった。
その表情で全てを理解した
Altenniaは、そのまま何も言わずに
Excenmilleを抱きしめた。最初は驚き抵抗する
Excenmilleだったが、緩まない
Altenniaの腕の力に気付き、顔を覗き込んだ。そして、静かに抵抗をやめた。
Altennia :約束なさい!絶対に……絶対に、あなたも生きて帰ってくるのよ。
Excenmille :……うん。
ラーアルの心境
Excenmilleは
Rahalにとって、最も身近な親友であり、幾つもの危険な戦いを共に潜り抜けた戦友にもなっていた。突然彼と少年騎士団を突き放すような解散宣言は、当然衝撃だっただろうし、裏切りとも感じてもおかしくない。更に、二人の口論から察するに、
Excenmilleは元々の「正規騎士団に入隊する」までの経緯、決意について何も話していない可能性もある。
元々
Excenmilleは思いついたら行動し、理論付けは後からするタイプだった。今回も、一人で悩み、決断し、騎士団入隊が決定してから
Rahalらに告げた可能性は高い。しかし今回は「少年騎士団団長」としての決断というより、
Excenmille個人のものである。少年騎士団解散の宣告は、その産物ととられてもおかしくはない。
この時点では、
Excenmilleと
Rahalの間には絶対的な差があり、それが結果的に溝になっている。それは「本当の戦争を体験した」かどうか、だ。そして勿論、遠くにいた
Rahalは、旅立つ直前の
Excenmilleが明かした本心は聞いていないと思われる。
結果的に、最後の見送りをするかはともかく、
Rahalは衝動的に
Excenmilleの旅立ちに立ち会ったものと思われる。かけがえの無い親友だから。しかし、言い争ったままの決別、そして自分達を置いて一人「大嫌いな大人」に成長していく
Excenmilleへの劣等感、嫉妬が勝ってしまった為に、直接会う気持ちにはなれなかったのかもしれない。それこそが、
Rahalがまだ子供である、ということも表している、絶妙なシーンである。
それにしても、出発を少年騎士団に伝えにきた
Altenniaには「はい。おれたちも、すぐに行きます!」と約束したにも関わらず、うつむき「僕はいかない」と告げた
Rahalの気持ちを汲み取り、「んじゃ、おれもやめた。」と空気を読んだ
Cyranuceが若干不憫でもある。
秘密基地を守れ!少年騎士団最大の危機
Excenmilleがサンドリアから旅立ち、しんみりする少年騎士団の面々。しかし更なるピンチが訪れる。彼らにとっては最大の敵・イヤな大人の代表といえる鉄羊騎士隊の隊長
Rongeloutsが突然来襲したのだ。
Vailanice :すまない、みんな。どうしても次の作戦でその戦車が必要なんだよ。
Rongelouts N Distaud :ヴェラニス!……ガキに教える必要はない。
Vailanice :はい、隊長。ですが、それでは彼らがあまりにも不憫です。なにしろ、この戦車は……
Bistillot :まさか!?ロンジェルツさま。もしや、この我々の基地を模擬戦の標的にされるつもりでは?
Rongelouts N Distaud :はて、どうかな?ガキが知る必要はないことだ。
Bistillot :やはり……この移動基地は僕がひと月もかかって、人間でも動かせるように改造したものです。 壊さないでください!
Rongelouts N Distaud :ほう。そいつはまだ動くのか?
Bistillot :!!
Rongelouts N Distaud :ならば、なお都合がいい。どうやら、貴様だけは役に立つミジンコのようだな。
絶句する少年騎士団を尻目に、高笑いを残して立ち去っていく
Rongeloutsと、申し訳なさそうな表情を残して後を追う
Vailanice。「秘密基地」は上記の会話の通り、
Bistillotが知恵を一ヶ月注ぎ改良した努力の結晶であり、同時に少年騎士団を象徴する存在でもあった。
鉄羊騎士隊と一戦交えても死守すると宣言する
Rholontだったが、あまりに非現実であると
Cyranuceが言い返す。何より、今は団長がいない。
Excenmilleの不在が団員を更に弱気にさせていると感じた
Rahalは黙り込んでいた。打開策を思いついたのは、「秘密基地」を誰より大切にしていた
Bistillotだった。
作戦は、一見簡単なものだった。「秘密基地」のダミーを作ればいい。鉄羊騎士隊の二人が、オーク戦車の構造をあまり知らない風だと見抜いた
Bistillotは、ハリボテでも充分代理として通用するとふんだのである。そして、もし予定より早く(ダミーを用意する前に)鉄羊騎士隊の
Vailaniceが回収しに現れたら「整備中」と嘘を言って時間を稼ぐ。
途方も無い計画だったが、不可能ではない。少年騎士団は希望の光を見出し、一致団結。
肝心のオーク戦車の装甲の回収は、一番実力がある冒険者に託された。壊れていても構わないが、戦車があるような危険地帯に潜り込みサンドリアまで持ち帰るには少年達では時間が掛かりすぎるからだ。その間に少年騎士団の面々は木工ギルドから廃材をかっぱらい、冒険者が持ち帰ったオーク戦車を「秘密基地」の代理に仕立て上げるべく修理する作戦が決行された。
Rahal :もう、裏切り者のエグセニミルなんか、僕らに必要ない。僕らの基地は、僕らの力で守るんだ!
Machegue :おう!!
Rahalのセリフには、とても深い感情が込められているのは容易に想像がつく。このような騎士団の窮地になると「団長がいない」と不安になる面子の弱さを、このピンチを乗り越える事で吹き飛ばそうとしているのだ。それは同時に、自分の中の
Excenmilleに対する複雑なわがたまりに何らかの決着を見出そうとしていたのかもしれない。
無事にオーク戦車の装甲を持ち帰った冒険者を出迎える
Rholont。装甲の痛みは少なく、車輪等を取り替えたらなんとか誤魔化せそうだった。早速番犬横丁から大通りへオーク戦車を運び出し修理作業に入ろうとする少年騎士団だった。
力を合わせて頑張る少年騎士団だったが……。
Rholont :緊急警報! 緊急警報! 鉄羊騎士接近中!
Rahal :で、あいつらは「張りぼて」にひっかかったのか?
Bistillot :ええ。ヒゲ隊長は騙されたのですが……
Machegue :が?
Bistillot :もっと、重要なものがその基地で見つかったらしく、途中で張りぼての件は後回しに……。
Cyranuce :おいおい。あんなに苦労して作ったのに、後回しだって?
Machegue :ねえ 待ってよ、あんちゃん。と、いうことは……
Rholont :うん、作戦は成功。我輩たちは邪悪な大人から見事基地を護りきったということであります!
Machegue :やったぁ!騎士団、ばんざ~い!!!
団長がいなくても、自分達で秘密基地を守りぬくことに成功したと湧き上がる少年騎士団。それを静かに見守っていた
Rahalは、ある決意を胸に、皆の前に立った。
Rahal :……みんな、聞いてくれ。やっぱりエグセニミルの言ったとおり「少年騎士団」は解散する。
Cyranuce :な、なんだって!?
少年騎士団解散、そして……
遂に、副団長の
Rahalまでもが解散を宣言した。作戦は成功しただけに驚く一同。
Rahal :そして……新たに「鷲獅子騎士団」を結成する!
Bistillot :グリフィン……?国章の聖獣を名乗ろうというのですか?
Rahal :ああ。いま、その要塞では僕らの国の存亡に関わる、なにか大きなことが起きようとしているんだと思う……。それを、あんな……ロンジェルツみたいな、いい加減な騎士たちに任せておけないだろ?
Cyranuce :うん。
Rahal :だから僕らが少年を捨てて大人の騎士になるしかないんだ。
Rholont :なるほどであります!
Machegue :でも、団長が……。
Rahal :心配するな。僕が新団長になる!……みんなが認めてくれるならね。
Bistillot :副団長……いえ、ラーアル団長!僕らはその言葉をずっと待っていました。
Machegue :ラーアル団長、ばんざい!鷲獅子騎士団、ばんざい!
Rahal :ありがとう……。では、最初の命令を伝える。鷲獅子騎士はガルレージュ要塞に急行。ロンジェルツの目的を調べるんだ!
Cyranuce :おう!
新たな騎士団の結成に一気に盛り上がる。
Rholont :あの……団長。我々の領地と基地はどうなるでありますか?
Rahal :ロロン、ビスティヨ。君たちが護ってくれないか?
Rholont :や、やっぱり……。
うつむく
Rholont。一番集会では張り切り、表情豊かに団長達を出迎え見送り、場を盛り上げてきた
Rholontだが、いざ出陣となると恐怖で自ら「留守番」を申し出ていた。無茶をする少年騎士団を叱りに来た
Rongeloutsや、巨人族を見ただけで腰を抜かしてしまう有様である。普段の彼の言動から、騎士団の一員になる憧れは容易に想像がつくが、同時にその勇気と実力が無いと一番感じているのも他ならぬ本人なのかもしれない。しかし新団長
Rahalはそんな
Rholontに笑顔でこう続けた。
Rahal : 騎士団には帰るべき城が必要だ。ロロン……君には、その城主になってもらいたいんだ。
Rholont : じ、城主!!!
Rholont : 了解であります、新団長!このロロン。我輩の命に代えてもこの城を護りぬく所存であります!
Rahal : ははは、頼むよ。
弱い者でも仲間である。こうやって新しい騎士団にも
Rholontの居場所をしっかり作ってあげる優しさこそが
Rahalの団長としての度量を示すと同時に、新たな騎士団の一員となった面々が彼を慕う要素として強調された。
剣を天高く掲げ、
Rahalは少年騎士団の解散と、鷲獅子騎士団の発足を宣言する。
少年騎士団が象徴する「子供」時代
言うまでも無く、少年騎士団の今までの活動は
Rongeloutsがいうように「戦争ごっこ」である。「いい加減な大人たち」に反発する彼らが結成したのが、彼らが嫌っている「大人たち(
Rongeloutsや
Alphonimile)」が率いている「騎士団」であることは、皮肉でもあり、実に子供らしく微笑ましい発想である。
Bistillotの頭脳と
Excenmilleの行動力、そして
Rahalの機転は、大人の想像を上回る働きをみせ、時にはトラブルを起こし、時には度肝を抜く功績も残していった。
しかし、危機を乗り越えるごとに、団長、そして副団長は戦場の厳しさを少なからず体感していった。それは、二人のセリフににじみ出ている。
Excenmille :子どもの遊びの時間は終わったんだよ!
Rahal :だから僕らが少年を捨てて大人の騎士になるしかないんだ。
一見、辿り付いた決断は同じにみえる二人の発言。しかし、この時の
Rahalは上記コラムにもある通り、一人大人の階段を登り出した
Excenmilleへの劣等感に支配されている時期でもあった。そして、少年騎士団が
Excenmille無しで危機を乗り越えた団結力を見届け、解散を宣言した。これは、「エグセニミルがいなくたって僕らは立派に作戦をやり遂げることができるんだ」と独り言のようにつぶやいた
Rahalの言葉がその本心を明かしている。
Excenmilleは、既に
Rahalの中では自分達を置いて遠くへ行ってしまった「裏切り者」であり、「大人」の一人と見なしているといえる。そして置いていかれた少年騎士団の面々と共に苦難に立ち向かい、打ち勝った。
Rahalの解散宣言は、むしろ「自分達の力で
Excenmilleに追いつく」という決意も込められていたのではないだろうか。
喧嘩をしていたとはいえ、
Excenmilleの見送りにこっそり参加していた
Rahalの孤独と嫉妬。それは少年騎士団の結成のきっかけとなった
Excenmilleの父
Alphonimileへ対する反抗心に似た一面もある。肝心なときに側に居てくれなかったという不可抗力の裏切り、そして最終的には「住む世界が違う」といった理由からの対立。信じれないと言いつつも、追いつこうとするが故に騎士団を結成したかつての
Excenmilleとクエスト「羽撃け、鷲獅子」終盤の
Rahal。
Rahal :それなのにお前はこの街を……僕らをおいて……
結局、この段階での
Rahalの本心、そして原動力はこのセリフに凝縮されているのではないだろうか。
そして、続くクエスト「それぞれの死地へ」にて、実際にガルレージュ要塞に乗り込んだ
Rahal達鷲獅子騎士団は、遂に戦争に巻き込まれていく事になる。
関連動画
最終更新:2008年10月24日 17:51