出典辞典
不思議の国のアリス
[概要]
キャロル・ルイスことチャールズ・ラトウィッジ・ドジスン作。1865年出版……と、ずらずらと説明する必要が無いほど超有名。
もとはといえば、テムズ川のボート下りの途中、すなわちかの名高き「黄金の午後」にドジスン先生がリドル家の3人姉妹にせがまれ即興で作り上げたお話。姉妹はこの話をお気に召し、ドジスン先生は「地下の国のアリス」を書き上げ、クリスマスプレゼントにした(なんとドジスン先生自筆の挿絵付き!)。そののち、友人のジョージマクドナルドのすすめで「不思議の国のアリス」をテニエルの挿絵とともに出版。初版2000部を回収させるなどゴタゴタはあったが、新版はその年の内に刷られ、ベストセラーとなるに至る。
キャロル・ルイスことチャールズ・ラトウィッジ・ドジスン作。1865年出版……と、ずらずらと説明する必要が無いほど超有名。
もとはといえば、テムズ川のボート下りの途中、すなわちかの名高き「黄金の午後」にドジスン先生がリドル家の3人姉妹にせがまれ即興で作り上げたお話。姉妹はこの話をお気に召し、ドジスン先生は「地下の国のアリス」を書き上げ、クリスマスプレゼントにした(なんとドジスン先生自筆の挿絵付き!)。そののち、友人のジョージマクドナルドのすすめで「不思議の国のアリス」をテニエルの挿絵とともに出版。初版2000部を回収させるなどゴタゴタはあったが、新版はその年の内に刷られ、ベストセラーとなるに至る。
Forestとの関わりは、それほど論じる必要もないだろう。黒のアリスを含めて、この作品が元ネタとなっている小道具は山ほど登場するし、アケルが雨森や伽子を相手に物語を作り上げていく様はドジスン先生とリドル家の少女たちを彷彿とさせる。違いと言えば、ドジスン先生はロリコンではないが、アケルはそうでない、というぐらいだろう。
[構成]
- ウサギの穴へ落っこちて “Down the Rabbit-Hole”
- 涙のプール “The Pool of Tears”
- コーカス・レースと長いお話 “A Caucus-Race and a Long Tale”
- 白ウサギ、小さなビルを送り込む “The Rabbit Sends in a Little Bill”
- 芋虫からのアドバイス “Advice from a Caterpillar”
- 仔ブタと胡椒 “Pig and Pepper”
- マッドティーパーティー “A Mad Tea-Party”
- 女王様のクロケー場 “The Queen's Croquet-Ground”
- 代用海ガメの話 “The Mock Turtle's story”
- ロブスターのカドリール “The Lobster-Quadrille”
- 誰がタルトを盗んだのか? “Who Stole the Tarts?”
- アリスの証拠 “Alice's Evidence”
鏡の国のアリス
[概要]
「不思議の国のアリス」の続編。1871年出版。
ポーンのアリスがクイーンにプロモートするまでを描いた作品。構成もチェスのルールに(忠実にではないが)基づいている。
知られているようで意外と知られてない作品で、映画やアニメのせいで大抵のひとが不思議の国とごったまぜにしている。例えば、女王様と言っても、こっちにでてくるのはチェスの女王様だし、ハンプティダンプティはこっち。まがいウミガメはあっち。ジャバウォックはこっち。
…とまあ、一回読み直して見る方が早いかも。その時には「かつらをかぶったすずめばち」も忘れずに。
「不思議の国のアリス」の続編。1871年出版。
ポーンのアリスがクイーンにプロモートするまでを描いた作品。構成もチェスのルールに(忠実にではないが)基づいている。
知られているようで意外と知られてない作品で、映画やアニメのせいで大抵のひとが不思議の国とごったまぜにしている。例えば、女王様と言っても、こっちにでてくるのはチェスの女王様だし、ハンプティダンプティはこっち。まがいウミガメはあっち。ジャバウォックはこっち。
…とまあ、一回読み直して見る方が早いかも。その時には「かつらをかぶったすずめばち」も忘れずに。
[構成]
- 鏡の家 "Looking-Glass house "
- 生きた花のお庭 "The Garden of Live Flowers "
- 鏡の国の昆虫 "Looking-Glass Insects "
- トゥィードルダムとトゥィードルディー "TWEEDLEDUM AND TWEEDLEDEE"
- ウールと水 " Wool and Water "
- ハンプティ・ダンプティ " Humpty Dumpty "
- ライオンとユニコーン "The Lion and the Unicorn"
- 「ぼくならではの発明」 "`It's my own Invention'"
- アリス女王 "Queen Alice"
- ゆさぶる "Shaking"
- 目をさます " Waking "
- どっちが夢を見ていたのか? "Which Dreamed it?"
ナルニア国物語
[概要]
C・S・ルイス作。並行世界のナルニア国を舞台としてイギリスの少年少女が冒険する物語。
C・S・ルイスが敬虔なキリスト教徒だけあって、ベースはキリスト教。アスランはそのままキリストで、石包丁はロンギヌスの槍、といったように、話の流れも聖書に沿っている。そのせいで少し宗教臭いのがたまにきずだが、それを補って余りある魔力がこの物語には満ちている。リーピチープ好きなら読んで損はない。
C・S・ルイス作。並行世界のナルニア国を舞台としてイギリスの少年少女が冒険する物語。
C・S・ルイスが敬虔なキリスト教徒だけあって、ベースはキリスト教。アスランはそのままキリストで、石包丁はロンギヌスの槍、といったように、話の流れも聖書に沿っている。そのせいで少し宗教臭いのがたまにきずだが、それを補って余りある魔力がこの物語には満ちている。リーピチープ好きなら読んで損はない。
[既刊リスト]
- 「ライオンと魔女」 The Lion, the Witch and the Wardrobe
- 「カスピアン王子のつのぶえ」 Prince Caspian
- 「朝びらき丸 東の海へ」 The Voyage of the Dawn Treader
- 「銀のいす」 The Silver Chair
- 「馬と少年」 The Horse and His Boy
- 「魔術師のおい」 The Magician's Nephew
- 「さいごの戦い」 The Last Battle
ゲド戦記
[概要]
アーシュラ・K・ル=グウィン作。アースシーを舞台とした魔法使いゲドの物語。
「ナルニア」のような子供向けの明るい童話というよりは、どちらかといえば暗い物語で、話の重心は外世界の輝かしさではなく、それぞれのキャラクターの内世界に潜む暗闇に置かれている。ゲド戦記が単なる「童話」に終わらず、ファンタジーとして人々の心に訴えかける魅力を持っているのは、この視点の深さのせいだろう。
この作品に通底する「内心の問題は自分で内的に解決するしかない」という精神はForestに通じるものがあり、この作品がForestに世界観の面で大きな影響を与えている理由もうなずける。特に、はじまりの物語の真の名前のくだりは灰流がそのまま借用したものだろう。
アーシュラ・K・ル=グウィン作。アースシーを舞台とした魔法使いゲドの物語。
「ナルニア」のような子供向けの明るい童話というよりは、どちらかといえば暗い物語で、話の重心は外世界の輝かしさではなく、それぞれのキャラクターの内世界に潜む暗闇に置かれている。ゲド戦記が単なる「童話」に終わらず、ファンタジーとして人々の心に訴えかける魅力を持っているのは、この視点の深さのせいだろう。
この作品に通底する「内心の問題は自分で内的に解決するしかない」という精神はForestに通じるものがあり、この作品がForestに世界観の面で大きな影響を与えている理由もうなずける。特に、はじまりの物語の真の名前のくだりは灰流がそのまま借用したものだろう。
ちなみに、ゲド戦記の訳者は清水眞砂子さんで、この人は随筆家としても有名。ゲド戦記の訳者にふさわしく、孤独であることの意味や、人間社会に対する冷めたものの見かたを滑らかな筆致で描く人なので、ゲド戦記が好きな人にはおすすめ。
[既刊リスト]
- 「影との戦い」A Wizard of Earthsea(1968年)
- 「こわれた腕環」The Tombs of Atuan(1971年)
- 「さいはての島へ」The Farthest Shore(1972年)
- 「帰還 -ゲド戦記最後の書-」Tehanu, The Last Book of Earthsea(1990年)
- 「アースシーの風」The Other Wind(2001年)
- 「ゲド戦記外伝」Tales from Earthsea(2001年)
関連:はじまりの物語・Ⅰ
指輪物語
[概要]
J・R・R・トールキン作。1954年から1955年に三巻で出版。舞台となるのは人間やホビット、エルフ、ドワーフ、トロル、オークなどが住む中つ国(Middle-earth)。ファンタジーという分野の中で、原点と呼べるのがこの本だ。ファンタジー好きだと公言してる奴で、まだこれを読んでいないと言うのならばモグリだと判断しても構わない。
もう50年も昔の本だが、あと50年,60年経とうと、必ず読まれていると断言できる数少ない本の一つである。
J・R・R・トールキン作。1954年から1955年に三巻で出版。舞台となるのは人間やホビット、エルフ、ドワーフ、トロル、オークなどが住む中つ国(Middle-earth)。ファンタジーという分野の中で、原点と呼べるのがこの本だ。ファンタジー好きだと公言してる奴で、まだこれを読んでいないと言うのならばモグリだと判断しても構わない。
もう50年も昔の本だが、あと50年,60年経とうと、必ず読まれていると断言できる数少ない本の一つである。
[既刊リスト]
- 「影の帰還」 The Return of the Shadow
- 「指輪の仲間」 The Fellowship of the Ring
- 「アイゼンガルドの反逆」 The Treason of Isengard
- 「モルドールへの旅」 The Journey to Mordor
- 「指輪戦争」 The War of the Ring
- 「王の帰還」 The Return of the King
ピーターパン
[概要]
ジェームス・マシュー・バリー作。
ピーターパンの初登場は、ジェームズ・マシュー・バリの「小さな白い鳥」という小説。そこから戯曲「ピーターパン」と、小説「ケンジントン公園のピーターパン」が生まれる。後に、長編として、「ピーターパンとウェンディ」が書かれる(今日、普通に「ピーターパン」と言われるものはコレ)。
世間ではディズニー版のピーターパンの方が有名か。ただし良くも悪くも原作とは別物。あの独特の毒が抜かれてしまっている。(雨森は「改悪」と言うだろう)
ジェームス・マシュー・バリー作。
ピーターパンの初登場は、ジェームズ・マシュー・バリの「小さな白い鳥」という小説。そこから戯曲「ピーターパン」と、小説「ケンジントン公園のピーターパン」が生まれる。後に、長編として、「ピーターパンとウェンディ」が書かれる(今日、普通に「ピーターパン」と言われるものはコレ)。
世間ではディズニー版のピーターパンの方が有名か。ただし良くも悪くも原作とは別物。あの独特の毒が抜かれてしまっている。(雨森は「改悪」と言うだろう)
[補足]
新潮文庫の「ピーター・パン」が、「ケンジントン公園のピーターパン」。岩波少年文庫の「ピーター・パン」は、「ピーターパンとウェンディ」なので、混乱無きよう。
新潮文庫の「ピーター・パン」が、「ケンジントン公園のピーターパン」。岩波少年文庫の「ピーター・パン」は、「ピーターパンとウェンディ」なので、混乱無きよう。
[既刊リスト]
- 「小さな白い鳥」(1902年)
- 「ピーター・パン 大人になりたがらない少年」(1904年)
- 「ケンジントン公園のピーター・パン」(1906年)
- 「ピーター・パンとウェンディ」(1911年)
キャッツ
[概要]
原作である詩はT・S・エリオット作。1939年出版。のちにミュージカル化され、1981年に初公演。詩集は15篇から成り、ほぼ一匹一篇のペースでそれぞれの猫達の生き様を詠みあげている。ミュージカルはそれにストーリーとキャラを追加・変更し、音楽をつけたもの。
Forestはミュージカルの方を元ネタとしているので、ミュージカル版のストーリーを踏まえていたり、グリザベラというミュージカルオリジナルのキャラが登場してたりする。
というか、リドルの元ネタが雨森の本棚なら、なぜ出典がミュージカルの方なのだろうか?
原作である詩はT・S・エリオット作。1939年出版。のちにミュージカル化され、1981年に初公演。詩集は15篇から成り、ほぼ一匹一篇のペースでそれぞれの猫達の生き様を詠みあげている。ミュージカルはそれにストーリーとキャラを追加・変更し、音楽をつけたもの。
Forestはミュージカルの方を元ネタとしているので、ミュージカル版のストーリーを踏まえていたり、グリザベラというミュージカルオリジナルのキャラが登場してたりする。
というか、リドルの元ネタが雨森の本棚なら、なぜ出典がミュージカルの方なのだろうか?
[補足]
日本におけるミュージカル『キャッツ』は、西新宿の仮設劇場にて初演されたという縁がある。新宿での公演は1983~84年と86~87年。年代的に雨森は難しそうだが、灰流であれば、真っ黒な布地にふたつの猫の瞳が輝くキャッツテントでの観劇の機会があってもおかしくはない。
日本におけるミュージカル『キャッツ』は、西新宿の仮設劇場にて初演されたという縁がある。新宿での公演は1983~84年と86~87年。年代的に雨森は難しそうだが、灰流であれば、真っ黒な布地にふたつの猫の瞳が輝くキャッツテントでの観劇の機会があってもおかしくはない。
[ネコ一覧]
- ガンビーキャットおばさん(The Old Gambie Cat)
- グロウルタイガー(Growl tiger)
- ラムタムタガー(Rum Tum Tugger)
- マンゴジェリー(Mungojerrie)
- ランペルティーザー(Rumpelteazer)
- デュートロノミー爺さん(Old Deuteronomy)
- ランパスキャット(Rumpuscat)
- ミスターミストフェリーズ(Mr.Mistoffelees)
- マキャヴィティ(Macavity)
- ガス(Gus)
- バストファー・ジョーンズ(Bustopher Jones)
- スキンブルシャンクス(Skimbleshanks)
ピーターラビット
[概要]
ビアトリクス・ポター作・絵。1901年私家版、1902年ウォーン社版刊。
野ウサギの子供「ピーターラビット」を中心とした動物達の、イギリス湖水地方が舞台の絵本シリーズ。青色のコートを着ているウサギの絵は一度は見たことがあろう。一度も見たことがないという人は最寄りの本屋の童話コーナーか、三菱UFJ信託銀行の支店に行けばよい。
ビアトリクス・ポター作・絵。1901年私家版、1902年ウォーン社版刊。
野ウサギの子供「ピーターラビット」を中心とした動物達の、イギリス湖水地方が舞台の絵本シリーズ。青色のコートを着ているウサギの絵は一度は見たことがあろう。一度も見たことがないという人は最寄りの本屋の童話コーナーか、三菱UFJ信託銀行の支店に行けばよい。
[既刊リスト]
- 「ピーターラビットのおはなし」 The Tale of Peter Rabbit (1902年)
- 「ベンジャミンバニーのおはなし 」 The Tale of Benjamin Bunny (1904年)
- 「ティギーおばさんのおはなし 」 The Tale of Mrs. Tiggy-Winkle (1905年)
- 「『ジンジャーとピクルズや』のおはなし」 The Tale of Ginger and Pickles (1909年)
- 「フロプシーのこどもたち」 The Tale of the Flopsy Bunnies (1909年)
- 「キツネどんのおはなし」 The Tale of Mr. Tod (1912年)
関連:Ⅴ ザ・ゲーム
ウォーターシップダウンのうさぎたち
[概要]
リチャード・アダムス著。1972年出版。
ヘイズル率いるウサギ達が故郷のサンドルフォードを離れ、ウォーターシップダウンにたどり着くまでの冒険話。
ピーターラビットとはまた異なる種の物語で、ガスで仲間が虐殺されたり、別の群の策謀で仲間が死にかけたりと、良く言えばリアルで、悪く言えば少しえげつない。しかしそれもまた魅力のひとつで、マイナーだがコアな人気を持つ物語である。
リチャード・アダムス著。1972年出版。
ヘイズル率いるウサギ達が故郷のサンドルフォードを離れ、ウォーターシップダウンにたどり着くまでの冒険話。
ピーターラビットとはまた異なる種の物語で、ガスで仲間が虐殺されたり、別の群の策謀で仲間が死にかけたりと、良く言えばリアルで、悪く言えば少しえげつない。しかしそれもまた魅力のひとつで、マイナーだがコアな人気を持つ物語である。
宝島
[概要]
ロバート・ルイス・スティーブンソン著。1883年出版。
ベンボー亭に泊まっていた海賊の元に元仲間が来襲。ベンボー亭を切盛りしていたジム・ホーキンズはたまたま海賊の地図を手に入れ、医者のリヴジー先生と地主のトリローニ、そして片足のバーベキューやスモレット船長などの船員とともに宝探しに出かける。というお話。
この作品の魅力は、細々と解説するよりも、『宝島』の前文を引用しておいたほうがよいだろう。
ロバート・ルイス・スティーブンソン著。1883年出版。
ベンボー亭に泊まっていた海賊の元に元仲間が来襲。ベンボー亭を切盛りしていたジム・ホーキンズはたまたま海賊の地図を手に入れ、医者のリヴジー先生と地主のトリローニ、そして片足のバーベキューやスモレット船長などの船員とともに宝探しに出かける。というお話。
この作品の魅力は、細々と解説するよりも、『宝島』の前文を引用しておいたほうがよいだろう。
読もうかどうか迷っている人へ
もし船乗りが歌うように語れば
嵐に冒険、暑さに寒さ
帆船、島々、孤島への置き去り人
そして海賊、埋蔵金
全ての古いロマンスが
昔そのままに再び語られれば、
昔の私をかくも喜ばせたように
今の若者たちだって喜ぶだろう。
まあいい、とにかく飛びつけ! とはいえ、
もし教養ある若者が歴史を知りたい気持ちを失って、
もうキングストンやバレンタインの勇者、
森と湖のクーパーを望まないなら、
まあそれもいいだろう!
それなら私や私の海賊たちは、
あの作者や登場人物が眠る
墓場を分かち合うこととしよう。kakoto訳『宝島』前文より
床下のこびとたち
[概要]
メアリノートン作。1952年に出版されたのをはじめとして、全部で6作が発表されている。
話はアリエッティ・ホミリー・ポッドの一家を中心に展開され、一作目では三人のソフィーおばさんの家での生活の様子とそこから離れることになった顛末が描かれる。二作目ではその家を出て野に入った一家の冒険がかかれ、三作目では三人が新たな生活の地を求めて再び冒険に乗り出す様子がかかれる。楽しいお話ながらも、人間に対する苦い視点が全体を貫いていて、なお読まれていく価値のある作品であろう。
メアリノートン作。1952年に出版されたのをはじめとして、全部で6作が発表されている。
話はアリエッティ・ホミリー・ポッドの一家を中心に展開され、一作目では三人のソフィーおばさんの家での生活の様子とそこから離れることになった顛末が描かれる。二作目ではその家を出て野に入った一家の冒険がかかれ、三作目では三人が新たな生活の地を求めて再び冒険に乗り出す様子がかかれる。楽しいお話ながらも、人間に対する苦い視点が全体を貫いていて、なお読まれていく価値のある作品であろう。
なお、最近、どこぞの映画会社がこの作品を映画化したのを機に、大幅に増刷されたもよう。
蝿の王
[概要]
ウィリアム・ゴールディング作。1954年出版、つまり、かの漂流物時代からおよそ100年後の作品。
未来の世界大戦に疎開途中の子供をのせたイギリスの飛行機が無人島に墜落して、生き残った子供達だけで脱出を模索するという冒険小説。
とまあ、いわゆる漂流記物の話の筋だけはなぞってるが、内容はまったく逆。他の子供を拷問するのは当り前。果ては仲間をリンチして殺したりするなど、徹底してブラックで、所々やりすぎてて逆に笑いを誘うほど(特にラストはひどい)。実にゴールディングっぽい作品といえる。
ちなみに蝿の王とは悪魔ベルゼブルのこと。
ウィリアム・ゴールディング作。1954年出版、つまり、かの漂流物時代からおよそ100年後の作品。
未来の世界大戦に疎開途中の子供をのせたイギリスの飛行機が無人島に墜落して、生き残った子供達だけで脱出を模索するという冒険小説。
とまあ、いわゆる漂流記物の話の筋だけはなぞってるが、内容はまったく逆。他の子供を拷問するのは当り前。果ては仲間をリンチして殺したりするなど、徹底してブラックで、所々やりすぎてて逆に笑いを誘うほど(特にラストはひどい)。実にゴールディングっぽい作品といえる。
ちなみに蝿の王とは悪魔ベルゼブルのこと。
関連:Ⅲ 新宿漂流
ガリヴァー旅行記
[概要]
ジョナサン・スウィフト作。1726年初版出版。1735年完全版出版。
何の間違いか、子供向けのお話としても人気があった作品で、ディズニーも映画化している。(もちろんディズニーテイストで)
本編は批判・風刺・皮肉、そして壮大な内輪ネタの嵐。巨大ネズミや不死人からはては交霊術まで出てきて、もはやなんでもあり状態。しかも何の暗喩かは知らないが、トイレ関係の話が何度も何度も出てくる。
この作品の政治性が同時代の人にはウケたらしいが、現代人にはあまり通じないと思われる。子供のころ絵本で親しんだ人は軽いカルチャーショックを受けるかもしれない。
ジョナサン・スウィフト作。1726年初版出版。1735年完全版出版。
何の間違いか、子供向けのお話としても人気があった作品で、ディズニーも映画化している。(もちろんディズニーテイストで)
本編は批判・風刺・皮肉、そして壮大な内輪ネタの嵐。巨大ネズミや不死人からはては交霊術まで出てきて、もはやなんでもあり状態。しかも何の暗喩かは知らないが、トイレ関係の話が何度も何度も出てくる。
この作品の政治性が同時代の人にはウケたらしいが、現代人にはあまり通じないと思われる。子供のころ絵本で親しんだ人は軽いカルチャーショックを受けるかもしれない。
[構成]
- はしがき
- リリッパット国
- プロブディンナグ国
- ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリップ、日本
- フウイヌム国
- ガリヴァー船長より従兄シンプソンへ宛てた手紙
- 出版社より読者へ
くまのプーさん
[概要]
A・A・ミルン作。E・H・シェパード画。1926年1作目出版。日本語版の訳者は石井桃子さん。
あらすじ、というか個々のお話は知られてる通り。対照的にそのラストはあまり知られていないが、実に深く、感動的。このラストのためだけにでも読む価値は十分にあろう。有名な話だが、各々のキャラクターは基本的にモデルがあり、ロビン君はミルンの息子のクリストファー・ロビン、各々のキャラクターはそのぬいぐるみがモデルである。例外はオウルとラビットで、彼らにはぬいぐるみがない。ラビット(とカンガとルー)は森には出てこないようだ。
この項目ではディズニー関係には立ち入らないことにする。雨森の言うとおりアレは別物だし、それにまつわるゴダゴダはそれだけで一冊の本が書けてしまう。
A・A・ミルン作。E・H・シェパード画。1926年1作目出版。日本語版の訳者は石井桃子さん。
あらすじ、というか個々のお話は知られてる通り。対照的にそのラストはあまり知られていないが、実に深く、感動的。このラストのためだけにでも読む価値は十分にあろう。有名な話だが、各々のキャラクターは基本的にモデルがあり、ロビン君はミルンの息子のクリストファー・ロビン、各々のキャラクターはそのぬいぐるみがモデルである。例外はオウルとラビットで、彼らにはぬいぐるみがない。ラビット(とカンガとルー)は森には出てこないようだ。
この項目ではディズニー関係には立ち入らないことにする。雨森の言うとおりアレは別物だし、それにまつわるゴダゴダはそれだけで一冊の本が書けてしまう。
[既刊リスト]
- 「クマのプーさん」Winnie-the-Pooh (1926年)
- 「プー横丁に立った家」 The House at Pooh Corner (1928年)
1:ロリーナ・シャーロット・リデル(Lorina Charlotte Liddell,13才)、アリス・プレザンス・リデル(Alice Pleasance Liddell(en),10才)、イーディス・メアリ・リデル(Edith Mary Liddell - 8歳)の三人のこと