Wolfgang (詳細・ネタバレ編)


  • ヒューム♀、2a(黒髪)、通常配置無し
  • 家族構成:父(ブランドルフ)死去
  • ジュノ親衛隊隊長を務める。父親も元ジュノ親衛隊


全ミッションに登場していたり、何気にプレイヤーと触れ合う機会が多いイベント用NPCの一人である。そんな彼は仕事柄ときには同志としてときには障害として登場することになる。


ジュノ親衛隊隊長の仕事



  ジュノ親衛隊の最も基本的な仕事はジュノに訪れるときに垣間見れる。街中を巡回し、パトロールする事が最も基本の仕事のようであり、これはプレイヤー達も含め三国からいろいろな人が行き来している。それは、素性の分からない人物も多く訪れている事になる。町を巡回し、問題があれば解決の為に犯罪者を取り締まる、警察的な役割をしているのがジュノ親衛隊である。初めてプレイヤーに会った際にウォルフガングがプレイヤーに冷たいのもこの為である。まだ名声もないプレイヤーは一般人と大差はなく、むしろ腕一つで仕事を探すゴロツキとように写っていたのかもしれないからだ。


時によっては部下を引き連れている。

  また、「親衛隊」ということで、ジュノ大公直属の部隊でもある。その為にジュノ大公であるKam'lanautやその弟Eald'narcheの命により直接動く場合も多くある。それは本人にとって不本意な役割であったり(Verenaの拉致等)、これから起こりそうな未知の出来事の捜査(プロマシアミッション冒頭等)も含まれている。これはNPC(ウォルフガング)視点から見ると、敵の存在や目的など不明な場合もあるため大変危険な仕事なのは容易に想像つく。
  そしてKam'lanautらだけではなく、ジュノ大公直属研究機関「アルマター機関」の命令にも従っているらしく、Esha'ntarlNag'moladaの命令に従うシーンがプロマシアミッションで多く見られる。また、命令によってはジュノから遠く離れた地域でも調査に赴いている場面も見れる。


その際他のNPCとの会話もある。

  仕事の為にプレイヤーに対しても冷たい態度をしたり、犯罪者(指名手配)として取り締まろうとする(プロマシアミッション)場面もあるが、それは仕事に徹している彼の一面に過ぎない。クエスト「亡き夫へのキャンドル」では、彼が巡回の合間を縫って上層で一人暮らしする未亡人Ilumidaのもとを訪れる場面に出くわす。Ilumidaの夫は、かつてジュノ親衛隊隊長だったウォルフガングの父の部下であった。クリスタル大戦時に帰らぬ人になってしまった部下を憂い、父はIlumidaに生活費を毎月届けていた。そしてその父もまた大戦時の傷が災いしこの世を去ることになるが、その遺言に従いウォルフガングがその作業を引き継いで今も定期的に彼女の家を訪れて様子を見ているようだ。このシーンは、彼の実直でまじめな素顔が垣間見れる貴重な場面である。
  なお、ジラート・プロマシアミッションではKam'lanautをはじめEald'narcheEsha'ntarlといったジュノの中枢的人物が揃ってジュノ不在(行方不明・遠征等)になる。その為か、三国からの代表を集める席ではウォルフガングがジュノ代表として出席・まとめ役を務めているシーンがアトルガンミッション等で増えてくる。ストーリー上止むを得ないだろうが、あの濃い面子と渡り歩くウォルフガングは、登場当初の生真面目で冷たい印象の彼を想像すると面白くもあり、彼の(柔軟性的な意味で)成長が伺える。


この面子をまとめるのは大変に違いない。


各ミッションでのウォルフガング

三国共通ミッション

三国の大使を訪れる際、プレイヤー(冒険者)と初対面。
Monberauxも登場する。大使らやMonberauxに「行動を慎むように」忠告していく。
魔晶石ミッション完了時に、Eald'narcheからVerenaを連れて来るように言われる。

ジラートの幻影

Eald'narcheの命令に従いVerenaの拉致を実施した事が判明する。
ミッション内のジラート兄弟の真の目的等は知らないものと思われる。

プロマシアの呪縛

「アルマター機関」の命令によりデルクフの塔を捜査。
Bahamutの攻撃により地震が起き、デルクフの塔奥の扉が開く。
未知の部屋を発見、謎の少年を保護する。

ミッション開始を思わせる重要なシーンの主要人物として登場。
意識がない少年をMonberauxに預け、意識が戻り次第重要参考人として尋問する予定。


タブナジアから戻った冒険者を「反逆罪の嫌疑」で拘束しようとする。
それが「天晶堂」だった為にAldoの機転により冒険者は助かる。
ル・ルデの庭、大公の間に弁明に行った冒険者を仮拘束。
Esha'ntarlに要請された冒険者を謁見の間に案内する。

ジュノを訪れた際、ウォルフガング思い出の場所に居合わせる(下記参照)。

Nag'moladaと共に飛空艇で移動開始。(親衛隊は専用船)
ジュノからEsha'ntarlNag'moladaが行方不明になりパニックになる。
Esha'ntarlが戻り、その命令によりジュノ戦闘艇隊全船出撃準備をする。

Bahamut奇襲は失敗したものの打撃を与えた事でジュノと冒険者達と共同作戦を張る事に。
Esha'ntarlのもとへ冒険者を案内してくれる。

全てが終わり、Esha'ntarlのエピローグで冒険者にEsha'ntarlからの伝言を伝える。その際、ウォルフガング自らの感謝の気持ちも述べてから走り去る。

Wolfgang:<PC name>、これもすべて、おまえたちの働きがあってのことなんだろう?心から礼を言う。ありがとう。

アトルガンの秘宝

Pieujeの要請により、四国共同会議を行う。
不穏な動きを見せ続けるアトルガン皇国に警戒を続ける四国の代表の一人として会議に参加。
ジュノ代表として異国の聖皇の戴冠式に参加。



埋もれた思い出・ウォルフガングの素顔

  プロマシアミッション「第5章 帰路を踏みしめ 第3節第2小節 みっつの道-礼賛者」にて、ジュノ親衛隊長としてではなく、ウォルフガングの素顔が見れるイベントが発生する。ジュノを守る為に時には悪役にもなる彼の過去、そしてその思いが垣間見れる。

  封筒の地図に従い、ジュノを出たバタリアの門の側を調べる冒険者。しかしそこには目ぼしいものは無かった。そんな冒険者の背中に声をかけるのがウォルフガングだった。


Wolfgang:そんなところを調べても意味はないぞ、おまえにはな。

  そして冒険者が調べた辺りにしゃがみこむウォルフガング。彼は、その場所に用事があったのだ。


Wolfgang:ここだったか……。すっかり忘れていた。

Wolfgang:昔、ジュノに2人の幼なじみの少年がいてな。いつも一緒に街の中を走りまわっていて、いろんなイタズラもした。ケンカもしょっちゅう。そんな2人が、ある日ガラスのかけらを拾った。本当に何の変哲もないガラスだったけど、2人にとってそれは宝物になった。そのガラスを通して見る風景はとても不思議で、美しかったんだ。2人は奪い合うようにして、それを楽しんだ。ついには街の中だけでは飽きたらず父親の言いつけも聞かずにこっそり橋を抜けてここまで来た。今のおまえや俺ならばここへ来るのはたいしたことでもないんだろうが、子供にとっては大冒険だ。でも、その大冒険の先には大きな宝物が待っていたんだ。ここからガラス越しに見るジュノは雄々しく、猛々しかった。2人は自分たちの街がこんなに美しかった、ってことにその時初めて気づいたんだ。それからも、父親の目を盗んではここへ来てジュノを見ていた。だけどそんなある日、少年の1人がこう言った……。
Monberaux:ガラスを通さなくても、ジュノはとてもキレイに見えるよ。


Monberaux:ここは久しぶりですね、ウォルフ。

  そこに訪れたのは彼の幼馴染でもあるMonberauxだった。

Monberaux:いやぁ、ホントにきれいだ……。そう思わないか、ウォルフ?
Wolfgang:モンブロー、ここへ何をしに来た?
Monberaux:いや、久しぶりにジュノを眺めたくなっただけですよ。ウォルフこそ、何の用で?
Wolfgang:……たまたま通りかかっただけだ。
Monberaux:そうですか……。
Wolfgang:……。
Monberaux:ウォルフ。
Wolfgang:何だ?


Monberaux:あのガラスは僕のものですよ?
Wolfgang:なにっ!?

  先ほどの話の少年とは、ウォルフガングとMonberauxの少年時代の話だったのだ。

Monberaux:あれを2人でここに埋める時に言ったじゃないですか、『モンブロー、これはおまえのものだ、 俺にはもう必要ない』って。
Wolfgang:ヌッ……、俺がそんなこと言ったか?証拠は? 証明書はあるのか? 署名付きで?
Monberaux:ハッハッハッ、変わってませんね、ウォルフ。ウソですよ、欲しければ掘り起こしてもいいですよ。


Wolfgang:……いや、いい。あれは2人の少年たちのものだしな。
Monberaux:ウォルフ……?
Wolfgang:それに俺は、またガラスをここに埋めに来たんだ。いつの間にか自分が持っていた、な。


Wolfgang:いつからか、自分が何を守っているのか分からなくなっていた。あの時、親父が命をかけて守っていたものが何なのか分かったような気がしていたけど、何も分かっちゃいなかったのかもしれん。でも、もしかすると、今ここに来て少しだけ、本当に少しだけ、それが分かったような気がする。……そう思いたい。

  そう言い残して、ウォルフガングは「あるものを失くして」(これは冒険者が求めていたキーアイテムであり、ウォルフガングは減俸と始末書と引き換えに遠まわしに助けてくれたのと同時に「その時はおごれ」とMonberauxとの変わらぬ友情も見せながら)ジュノに戻っていった。そして残された冒険者にMonberauxがこう付け加えていった。

Monberaux:本当に変わってませんね……、やっぱり。安心しました。
Monberaux:さぁ、あそこを掘ってみるといいでしょう。きっとあなたに必要なものが埋められてます。でも、ガラスは持っていかないでくださいね。あれは2人の少年の、とても大切な思い出ですから。

  この場所、そしてガラスの思い出は、ウォルフガングにとっては、ここでジュノを眺めて、その平和を守りたいと思った気持ちに、原点に戻るために訪れる大切な場所なのかもしれない。


その背中には、実は色々なものを背負っているのかもしれない。


最終更新:2008年05月11日 17:05