天晶堂
Tenshodo
ジュノ下層・競売左に本店を構える巨大「商業」組織。世界各国に広くネットワークを広げ、独自のルートで独特の商品を提供しているが、売買は会員のみが対象になっている。あらゆる場面で冒険者(プレイヤー)がかかわりを持つことになるこの天晶堂は、純粋な商業組織とは言い切れない、裏の顔も持ち合わせている。
関連イベント
- 三国共通ミッション
- ジラート&プロマシアミッション
- シーフAFクエスト
- フェローシップクエスト
- 「買い取りなら天晶堂」「天晶堂での取引」「仲良くしたい?」「手ごたえは宝石」「アトルガン皇国へ」「猛き獣の拳を」「腕におぼえあり!」「武に賭けた想い」「世界に在りて君は何を想うのか?」等
特記事項
- 創立者、先代頭目はグレッゾ、現在は養子Aldoが頭目を務めている。
- 本店はジュノ下層、バストゥークに大規模支店を持っている。ノーグ、ナシュモにも売店が存在する。
- 売買・本店に入るには会員証が必要となり、ミッションの進行、紹介状をもらう・買い取る、名声を上げて「天晶堂入会申込書」を入手する等で入手が可能。
- 独自の名声システムが存在し、クエストをこなす事で上昇する。クエストの発生に主に関わっている上に名声が上がると販売品の値段が下がっていく。
高級宿泊施設・海神楼(Neptune's Spire)
細やかなサービスと落ち着いた雰囲気に定評のある高級「ホテル」。利用する者は当然のように宿泊の為に利用している(フェローシップクエスト等)。しかし中にはうわさに高い天晶堂と関わっている施設ではないかと、探りを入れている客もいるようだ。
中は暖かな明かりが廊下を灯している、外の喧騒を忘れさせる上品な雰囲気。
入ってすぐ右側に受付兼売店がある。ここで入会関連のヒントと、名声を見極める為に売店を覗く冒険者も多い。
各部屋にはベッドと机、暖炉が設置されている。実際に自由に出入りできる部屋はこの1つだけ。
廊下の突き当たりにある意味深な扉は、一般客は入れない。受付嬢のGhebi Damomoheに「あるもの」を見せると、その扉が冒険者に開放される事になる。売店自体は、会員証の有無に関係なく開かれている。
入会して判る事であるが、この「海神楼」はあくまで天晶堂本店であり本拠地として奥にある施設をカモフラージュするためのものである。実際に宿泊している人々も上写真のSutarara以外は直接的・間接的な「関係者」だったりするようだ。また
Aldoの知人を匿ったりする為に使用されることもある。
天晶堂本店・本拠地(Headquarter)
会員証を手に入れた者のみに開かれる奥の扉。そこは「海神楼」とは打って変わって、裏の世界への入り口を思わせる細長く暗い通路だった……。ここは三国共通ミッション以降の物語に関わるだけでなく、ジュノや他国との関連性もあるクエストが多く発生する。
海神楼の最奥の扉を開くと意味深な通路が。海神楼とは対照的に薄暗い。
扉を開くと物珍しい商品が並ぶ売店が視界に入る。ここが天晶堂本店である。
部屋には売店だけでなく、各種クエストに関わるNPCも多く存在する。
屏風等、東洋の調度品が洋風の内装で際立つ。
腹当系の赤い和風の鎧(とベレー帽)が天晶堂のメンバーの基本スタイルのようだ。会員制特別商業施設、を具現化したような内装になっており、洋風なインテリアに刀、東洋風焼き物、屏風、掛け軸等が飾られている。会員にのみ解放された特別売店も、モンク・忍者・侍の装備品を主軸に東方を強く連想させる素材や道具も多く売られている。独自ルートで手に入れているらしいが、未実装の「東の国」との関連性を強く感じさせるラインアップだ。
またここのNPCで発生する数々のクエスト・ミッションイベントで天晶堂の本質を垣間見ることになっていく。基本的に入手困難な「ブツ」を天晶堂から手に入れる為に物々交換を持ち掛けられたり、密輸を頼まれた際に運び込む先もこの天晶堂である。純粋な「特殊ルートを用いた販売」だけが目的の組織ではないのが伺える。
天晶堂最深部にある頭目の部屋(Aldo's Room)
天晶堂本拠地の更に奥にある扉。そこの廊下をたどって行くと最深部にある部屋に辿り着く。そこには「お頭」とも呼ばれる、頭目
Aldoの部屋(オフィス?)がある。
アルドのデスク周り。珍しい巻物や刀、槍が飾られている。また、船の舵も壁に掛けられている。
その向かって右の壁に貼られた巨大な地図を見つめる
Aldo。更に奥に扉が見えるが、自由に入る事はできない。
壁に掛けられた舵が象徴するように、天晶堂の特殊ルートとは主に「海」に関連している事を連想させられる。これはジラートミッション以降、アトルガンミッションの冒頭等でも言われているが、天晶堂は船を所有しており、一部海のルートを牛耳っている。海賊との関連性も高く、特にノーグの海賊の頭領
Gilgameshとは先代頭目の頃からの付き合いである。
天晶堂の本質
平たく言うと、裏取引により入手した「商品」を売買する商業機関であると同時に、個人的な取引で密輸や「闇のルート」で手に入れた物品を売買する、現実世界で言う所のマフィアに近い組織である。現在はまだ未実装である「東の国」からの商品と思われる物を会員に開放する他にもモンスターのドロップ品という、冒険者だからこそ入手出来るものと、クエストミッションで必要なだいじなものと交換する事により貴重な品物を入手、売りさばいていると思われる。
またノーグの海賊とは頭領同士の個人的な付き合いだけではなく商売としても手を組んでおり、ノーグの名声は直接天晶堂の名声にもつながっている。更にアトルガンへのルートが開放された時も、その許可証を発行するのがこの天晶堂であり、海路の影響力の高さを伺わせる。
更にはサンドリアのブルゲール商会とも強い結び付きがあり、商売敵というよりも協力者としての関わりがクエスト等で伺える。密輸での繋がりがその最たるものである。
また、伝説のお宝等にも興味を示しており、特別に依頼して入手しようとする時もある。特にアトルガンに纏わる品物はまだまだ四国には珍しい存在であり、独自の進化を遂げたアトルガンの文化が作り出した魔具はおそらく高値で取引できるものと予想される(実際にこの「秘宝」は入手できなかったようだが)。
天晶堂から見る冒険者の立ち位置
総じて言うと、天晶堂から見た冒険者とは、本来一般人に入手困難と思われるモンスターのドロップ品を手に入れる実力がある為に、そちらの商品を「取引」により天晶堂が扱う独自の品と物々交換する為に協力する「商売仲間」に近い存在といえる。これらのクエストに関連するキャラクター、特に
Garnevや
Faurselの台詞がこれを表現していると思う。しかし逆に言うと、これはあくまでもクエスト等の「お使い」的な関係の場合である。
三国共通ミッションに始まり、ジラート、プロマシアと、冒険者は天晶堂、そしてその頭目である
Aldoと関わっていく事になる。特にジラートミッションでは
Aldoとその妹
Verenaが深く関わっていく為に、非常に密接した、個人的な付き合いをしていく事になる。ジュノに辿り着き、活躍しだしたばかりの冒険者と出会い、やがては個人的に、心情的にも物理的にも冒険者に救われていく
Aldoは、ある意味その成長を長期にわたって見守る一人となっていく。それを象徴するセリフがジラートミッション終盤で彼の口から聞ける事になる。
Aldo : お前が初めてここに顔を出した時にはまたヒヨッコのおでましかと思ったけど、いつに間にか腕っぷしの強い、タフな冒険者に成長しやがってた。
そして、タフな冒険者へと成長していったプレイヤーに何度も助けられ、
Aldo自身、冒険者であるプレイヤーへの信頼も厚い者になっていったようである。本来なら天晶堂に誘いたいという
Aldoだが、同時に冒険者はそのような器に収まるような生き方をしていない事も熟知している。その自由さに一抹の羨ましさを含ませながら、旅の途中で思い立ったらいつでも遊びに来いと告げる。天晶堂との関わりは冒険者にとっては通過点に過ぎない。それを一番肌で感じているのが
Aldoなのかもしれない。
バストゥーク支店(倉庫街に隠された裏の店)
冒険者たちが最初に「天晶堂」の存在を知るのはジュノ本店ではなく、こちらの怪しさ満載のバストゥーク支店ではないだろうか。ここでは数々のクエストだけではなく、天晶堂の名声を上げる為に何度も繰り返し出来る「買い取りなら天晶堂」やモンクの最初の難関である「猛き獣の拳を」が発生する場所としても有名。
「Warehouse 2」と書かれた扉の奥にひっそりと存在している。
手前の中年NPCが支店の支配人のようだ。奥には用心棒と思われる
Kagetoraもいる。
地下室も天晶堂のメンバーが居る。クエスト関係者だけでなく、箱に隠された位置に販売担当者も。
主要人物
多くのミッション・クエストに関連性を持ち、各国(タブナジア等も含み)とも大きく関わっている天晶堂。その存在は他国の世界設定を語る上でも重要な人間関係などが存在している。
現頭目:
Aldo
元々はタブナジア侯国出身で、先のクリスタル大戦でタブナジアが消滅した時に家族とはぐれてしまった。その時にタブナジア公認海軍の一員だった
Gilgameshに保護され、更に養父となるグレッゾに預けられた。以降は実の子のように育てられ、グレッゾの意志を継ぎ現在頭目を務めている。そのカリスマ性や強さに憧れて忠誠を誓う天晶堂メンバーも多い。本気で怒った時は手がつけられなくなるらしいが、基本的には義理人情にあつい人物。
令嬢:
Verena
先代頭目グレッゾの実の娘であり、
Aldoの義理の妹である。兄
Aldoが溺愛気味であり、メンバーも暖かく見守っているようで、素直に育っている。獣人の心を読み理解する特別な能力があり、それにより身近に感じている獣人と人間が、いつか共存出来る世の中を望んでいる。
番外編・各ジョブと天晶堂の関わり
ここでは実際のヴァナ・ディールでの歴史・動きを含めて、一部ジョブにとっては切っても切れない縁の天晶堂について語ってみる。
モンクとの関係
実は天晶堂と最も縁が深いジョブはこのモンクだったりする。これはクエストだけに限ったことではない。「ジラートの幻影」発売前まで道着や忍装備等の和風装備が着れたのはモンクだけであった。しかし合成もまだレシピが少なく、職人が少なく、競売も今ほど発展していない時代は、大半のモンクは(他のジョブもそうだったが)膨大な金額が常である「店」で買うのが常だった。そしてAF実装前・装備可能LV直前の「忍一式」等の上位道着は天晶堂本店でしか手に入らない高級品だった。まだスムーズな金策を誰もが模索中の時代に、この忍一式で身を包むのがモンクの最高のステータスだったと言える。それ故に天晶堂のふっかけ値段と文字通り格闘したモンクも多かったのではないだろうか。
そして実はAFとはまったく関わりがないものの、まったく別の部分でモンクの証とされる「帯」を入手できるのも天晶堂のクエストからである。「猛き獣の拳を」「腕におぼえあり!」「武に賭けた想い」がこれらのクエストであり、順番に紫帯、茶帯、黒帯を入手するための鬼門だ。どれも妥当Lvでのソロは難しいNMのドロップ(しかも100%落ちない、ExRare属性の為に競売で売買不可能)を必要とする、難易度の高いものばかりであり、まさに力を試す意味合いが強い。それ故に競売に出た場合の値段も高く、茶帯までのクエストは全プレイヤーに開放されている為にモンクを志すプレイヤーではないジョブの者も「金策」として立ちはだかった。
特に茶帯で必要なMorbolgerの「モルボルガーのつる」は現在も悪夢のような存在だ。
更に「ジラートの幻影」実装後は侍と忍者の登場・ノーグクエスト(特に空蝉の術習得クエスト)の発生の為の名声を上げる作業が必要となり、名声が特にあがるこれらのクエストを狙うプレイヤーも爆発的に増えた。その為に純粋に「帯」を求めるモンクにとってはNMを倒す以前の、壮大な奪い合い合戦を制しないといけないという、まさに「今度はプレイヤーが相手(敵)です」と言った状況が続いた。「名声用」「金策用」「暇だから」といったサーチコメントの他のAFに身を包んだ他プレイヤーと対峙する場面も各サーバーで見られた。
現在ではBC等でも妥当品物が手に入る等、すずめの涙ほどではあるが緩和されている(つもり)。それと同時に高Lvのモンクしか受けれない「黒帯」取得用クエストも実装されたが、この難易度も飛びぬけたものである。現在も天晶堂に浅からぬ感情を抱いている心のメインがモンクの冒険者も少なくないのではないだろうか。
シーフとの関係
モンクとは対照的に、AFクエストのみの付き合いとなるシーフだが、その内容のインパクトは強い。天晶堂から直接召集を掛けられた冒険者を含めるシーフのNPC達が一同に集うシーンで始まる。ストーリーの流れの通り、天晶堂の一員と名乗る
Vauderameからの依頼でプレイヤーはかつてヴァナ・ディールにその名を轟かせた「アタルフォーネ盗賊団」の残党を世界各国から探し出し接触していく、といった内容である。
各国を代表するシーフNPCも登場する、まさにシーフの為のクエスト。
このクエストで注目すべき点は、当時はまだ未実装であった「タブナジア」や「アタルフォーネ盗賊団」等が随所にキーワードとして登場し、後に発売された「プロマシアの幻影」への伏線を大量に盛り込んだものとなっている。サンドミッションの終盤等、その存在そのものがかなり熟練した冒険者しかまだ触れられない情報を、別の切り口からシーフは見ていく事になる。そしてアタルフォーネ盗賊団とその歴史、残党、そして謎の人物
Vauderameの正体……全ては「プロマシアの幻影」の重要人物の一人の核心に迫るものであり、おろらくは「プロマシアの幻影」のみでは見えてこないその人物の設定の一部を垣間見れるのがこのシーフAFクエストの一連であり、「プロマシアの幻影」のエンディングでのその人物の辿り着く道を見て全てを理解出来たのは当時シーフAFクエストをこなした者だけだった。
シーフ等の初期ジョブのAFクエストが実装された当時からこれらの伏線を盛り込んだ事は今改めて見ると脱帽ものである。しかし全プレイヤーに開放されていない情報(イベント)でもあるため、それをフルに堪能出来たプレイヤーは(当時は特に)少なかった、とも言える。
またシーフに有用なサポートジョブとして忍者が主流となりだした時期以降は下記と同様の理由で天晶堂に通った者も多かったと思われる。
侍&忍者との関係
実際にこの2ジョブと関わりが深いのはノーグ(やバストゥーク)に居る人物の方が多い為、売店以外に天晶堂が関わる場面は実はあまりない。しかしノーグの名声は天晶堂のものと連動している要素が強い為に、完全に無視できる存在には程遠いのも事実である。特に忍者には必須とされている「空蝉の術:壱」が報酬となるクエストは名声をかなり上げる必要があり、苦労したプレイヤーも当時は多かったと記憶している。この際、いちいち交通が不便なノーグに行って名声を確認したりクエスト発生を見るよりも、天晶堂本店の入り口・海神楼の売店の値段で名声を確認するプレイヤーも多かった。〇〇が〇〇ギル以下になれば名声がある程度把握できるというシステムを利用した方法であり、当時多くのプレイヤーの拠点であったジュノでそれが可能という事もあり利用する者も多かった。
またモンクと同様に、まだレシピが解析されていない武防具等の販売、一部の忍術用媒介やその素材を売っているということもあり、多くの侍や忍者に愛用されていた。更に海神楼では「おにぎり」も販売されていた事から侍が足しげく通った時代もあった。
しかし総じてプレイヤーとは広く浅く、といった関係の方がしっくりするのが天晶堂ではないだろうか。
最終更新:2008年10月24日 17:41