428 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[流れを変えるぜsage] 投稿日:2006/11/11(土) 23:38:07 ID:wQb42Pe2
「スネーク、そろそろ起きろ、学校に遅れるぞ。」
「ん……大佐?何を言っているんだ。今は夏休み中で学校は休みじゃなかったのか。」
「寝ぼけているのか。スネーク、学校に転入する前から学生気分か。まだ6月15日の水曜日だぞ。」
「ふぅむ……珍しく夢でも見たのかもしれん。大佐、これから雛見沢の分校に行けばいいんだな?」
「ああ、スクール生として学び舎に進入すれば誰にも怪しまれん、今から出れば時間的な猶予は確保できるだろう。」
「そうか。なら急ごう、弓が教師として仕事を始めればしばらくは接触出来なくなるかもしれん。」
「それがいいだろう。ああ、それとだスネーク。東京という組織はメディウムの情報通り存在していた。
任務の弊害になる可能性があると上に掛け合ってみる。だが交戦は避けろ、君の正体はまだ明かすわけには行かない。」
429 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/12(日) 00:37:45 ID:Q3YrtQtm
「ここが雛見沢の分校か、規模はそれほど大きくは無いみたいだな。」
「おはようございます、こんな朝早くに何かご用ですか?」
「ああ、この雛見沢分校の教官に用があってな。」
「そうでしたか。まだ生徒が来るまでもう少し時間がありますから職員室でお伺いしましょう。」
「ああ、宜しく頼む。多分、書類はもう届いてると思うんだが。」
「あー、もしかして転入生の……。わかりました、どうぞこちらに。」
「ところでお父さん、スネーク君はどちらに?今日転入してくる予定だとお聞きしましたがー……。」
「ん?何を言っている、俺がそのスネークだが。」
「――――え?」
「だから、書類に書いてあったろう。受け取ったんじゃなかったのか?」
「へ?あれ、あの、書類は確かに受け取ったのですが、えっと……」
「ちょっと、その書類を見せてもらっても構わないだろうか。」
「は、はい、これです、どうぞ。」
「――なんじゃこりゃあ!ソリッド・スネーク12歳、得意教科算数と体育で、嫌いな教科は道徳?
好きなものは蛙で嫌いなものはカレー?それから……」
「ということは、貴方がスネーク君……?」
「ああ、何度もそうだと言ってるぅご!?」
「カレー嫌いな子はいねえええええええええかあああああああああああ!!!」
「た、大佐ぁ!どういう事だ!!げッ・・・ゴホッ!ぐっ……」
「スネーク!そいつがコードネーム弓だ!問い合わせてみたところ、彼女は無類のカレー好きらしい。
カレーが嫌いだとは口が裂けても言うな、だそうだ!書類の方はワタシは知らん。どうにかしてなだめてくれ!」
「そうは言うがな大佐!……うっ」
「どうした!スネーク!スネェェェエエエエエくううううううう!!」
430 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/12(日) 00:54:41 ID:CFItL8+6
前レスで、あんなに禁忌を犯してはいけませんといったのに…駄目ですね、記憶継承失敗。
あーっと、私のフルネームを続けて読んではいけませんよ☆
D E A D E N D (5/100点:採点者 知恵留美子先生)
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431 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/12(日) 01:27:36 ID:Q3YrtQtm
「――丈夫ですか、スネークさん、スネークさん。」
「う――。妙な化け猫みたいなヤツと知恵先生が……」
「はっはっは、知恵先生はカレーの事になると加減しませんからな。その様子だと着任早々してやられたみたいだ。」
「――あなたは?」
「おっと、こりゃ失礼。私は海江田と申します、この分校の校長をやっています。あなたの事は知恵先生から聞きました。
ウチは万年教員不足なので丁度良かったですよ。意識が大丈夫ならこれから生徒と顔合わせをしましょうか。」
「はぁ……。」
「書類にイタズラをしたのは古手梨花という子ですね、この書類の可愛らしい丸文字を見ればわかる。
でも、怒らないでやって下さい。これでも入ってきたばかりのスネーク先生が緊張しない様にと気を遣ってるみたいなので。」
「俺が、先生だと?」
「ええ、書類はどこかにやってしまいましたが問題無いでしょうな。これから知恵先生の補佐を宜しく頼みますよ。」
「……わかった。」
432 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/13(月) 01:03:43 ID:sroEIk+v
「ここが教室、人数こそ少ないが元気がいいですからな。後は知恵先生が面倒を見てくれるであろう。では、わしはこれで。」
「……教室って事は座学だな。何を教えてるのかはわからんが。」
扉を叩いてからスライド式の扉を開く。その時ぺきっと何かが折れる音がした、それが何かを考える前に身を引いた。
一瞬遅れて立っていた場所にガンッと何かの入ったバケツが落ちる!
その地面に落ちた衝撃でバケツの中に入っていた真っ黒な液体が襲い掛かかって来た。
液体がかかるすれすれで転がって避けるが、その無意識の動きを読むように釣り糸が仕掛けられていた!
ピーンと張られていた糸は即座に仕掛けを動かし、体勢の戻っていない体に容赦無く癇癪玉やロケット花火が浴びせられる!
その癇癪玉に混じって一本の矢が飛んできて横っ面に当たる!吸盤が頬に張り付いた。
よく見ると、水場の台の下に糸に繋がれたスリングやら着火装置が仕掛けられている。これが本物の爆薬だったと思うとぞっとする。
「……大丈夫ですか?スネークさん。」
「……知恵先生、さっきの続きにしちゃあやりすぎじゃないのか。」
「いえいえ、これは生徒の歓迎の挨拶です。許可したのは私ですが。」
「……。」
「ほらほら、そんな所で寝っ転がってないで起きてください、生徒達が待っていますからね。」
「……はぁ、色々聞きたいことはあるが後回しか。」
「ええ、今は授業中ですからね。お昼休みまでは待ってください。」
「よし、じゃあ行くか。ちなみに、俺は何を教えればいいんだ?」
434 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/14(火) 00:49:21 ID:mo2mnLRt
「みなさん、今日から授業をして下さる新しい先生を紹介しますね。スネーク先生、どうぞ。」
「ソリッド・スネークだ。今日から短期研修生としてしばらく皆と一緒にこの学校で生活する事になった、宜しく頼む。」
「あれ、どういうことかな?かな?」
「マジかよスネーク!雛見沢への用事って学校の先生やりに来る事だったのか?」
「こらこら前原君、授業中です!それに先生を呼び捨てにするとは何事ですか。」
「ああ、いや。俺は圭一達とは面識が会ってな。皆も俺の事は呼び捨てで構わん、まだ正式に先生になったわけじゃないからな。」
「先生が歓迎の挨拶に加減は要らないってこういう訳でございましたの?」
「みー、多分ちょっと違うと思いますですがきっとそうなのです。知恵もスネークもボク達を驚かせようとして黙ってたのですよ☆」
「はーい皆傾注傾注~、このまんまだと収集付かなくなりそうだからスネーク先生への嬉し恥ずかし千の質問コーナー行っちゃうよー!
質問は一回につき一個まで、好きな食べ物からスリーサイズや下着の色までなんでもあり!さーさー手ぇ挙げた挙げた!」
435 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/14(火) 02:53:52 ID:PBgfjX6Y
質疑応答だと…? 予想外の展開に俺は正直、内心慌てた。
まだこの段階で、ここの子供たちに俺の偽装潜入の「顔」を不審に思わせるような言動は
慎まねばならない。
だが大丈夫だ。フォックスハウンドは伊達に数週間に及ぶ対拷問・対尋問訓練を隊員に課してはいない。
どんなプロであろうと、俺の口から俺の正体に関する情報を引き出す事は出来ない。
最初に手を挙げたのは… 竜宮レナと言ったな。
「えっと、スネーク先生には… どうしようもなくかぁ~い~! …って、
お持ち帰りしたくなる物ってあるのかな? かな?」
簡単すぎる質問に俺は胸を撫で下ろした。
「段ボール箱だな」
一瞬、教室の中が静まり返った。みなきょとんとして俺の顔を見つめている。
いま俺が発した単語をよく聞き取れなかったのだろう。俺はその言葉をもう一度繰り返した。
「段ボール箱、と言ったんだ」
「あのあの… 段ボール箱ってあの… 荷物を入れる厚紙製のあの箱の事かな? かな?
それがかぁいいって…? どういう…?」
「貴様、段ボール箱を侮っているなッ!!」
俺の声は雷鳴のごとく教室の中に響き渡った。一瞬、外から聞こえていたセミの声がやんだ。
「段ボール箱こそは、敵の目をくらます最高のカムフラージュ装備だ!
スニーキングミッション… すなわち潜入任務の必需品だ!
古来、多くの潜入工作員が己の生命! そして任務の成否を段ボール箱に託して来た!
この半世紀、世界の軍事バランスの均衡の上に成り立つ平和は
常に段ボール箱によって保たれてきたんだ!
ただし、段ボール箱は紙だ! 手荒い扱いをするとすぐ駄目になる!
段ボール箱もまた使用者に生命を預けている事を忘れてはならない。
段ボール箱は大事に使え。丁寧に扱えば段ボール箱もきっとお前に応えてくれる。
真心をこめて使うんだ! 必要なのは段ボール箱に対する愛情! ただそれだけだ!
お前は段ボール箱の流す涙を見た事があるか!?
段ボール箱の喜びと悲しみを知っているか!?
それを知る者だけが、段ボール箱に愛される資格を持つのだ!
了解したかッ! 竜宮レナ!」
「サー! イエス! サー!」
レナはビシッと背筋を伸ばしそれはそれは見事な敬礼をしてから席につき、そして溶け崩れた。
「はぁぅ~、圭一くん… 今日、帰り… セブンスマートに寄ってこ…
あそこ、とてもかぁいぃ段ボール箱さん、お持ち帰りさせてくれるんだよ? だよ?」
「おい、しっかりしろ…! レナ! 段ボール箱のどこが可愛いんだ! お~い!」
「なんか、昨日は気づきませんでしたけど、とてつもない固有結界の持ち主のようでございますわね…」
「みー… 入江のメイドインヘブンとタメを張りそうなのです…」
「つ、次の質問、言ってみようか… ほら、誰か!」(;´・3・)ノシ
440 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/15(水) 03:54:18 ID:PMm4zsIL
「ではわたくしが質問いたしますわ。スネーク先生のキライな食べ物はなんでございますの?」
「……強いて言えばロシア軍のレーションかな… あと、サンゴヘビは不味かったな…」
「ヘ… ヘビ…?」
「いや、ヘビが嫌いなわけじゃないぞ! むしろ好きな方だ! 親父の代からな!
ヘビの中にも美味いものと不味いものがある。それだけの事だ」
「もう… 分かりましてございますわ…」
「え~と、次の質問、いってみよう…」(;´・3・)ノシ
441 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/15(水) 05:24:52 ID:eCSTzhB0
「じゃあ逆に好きな食べ物は何かな?何かな?」
「カロリーメイトと即席ラーメンは美味かった。……当然カレーも大好きだ、もっぱらレトルトだけどな。」
「なんだかお手軽な食品ばかりですわねぇ、やっぱり男性ですから料理は苦手な方ですの?」
「サバイバルが趣味でね、ここ数年はアラスカ暮らしが長かったから料理は野外調理ばっかりだ。」
「だから好物が蛇だったのか。それにしてもサバイバルかぁ、ここには自然が多いからキャンプやるのも楽しそうだな!」
「お、圭ちゃんもアウトドア派かぁ、確かに夏休みに皆でキャンプってのも良さそうだねぇ。」
「みー、夏休みはもうすぐなのです☆日取りを決めておくのも悪くないと思いますですよ?」
「そうだね、ちょっと先だけど近いうちに決めておこうかね。おっといけない、脱線しちゃったよ。さあさあ次の質問は~?」(;´・3・)ノシ
446 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 11:22:38 ID:fPzYyfrS
立てこもり事件魅音虐待中、立ちふさがった圭一にレナが
圭一くんどいてっ!!そいつ殺せない!!と言い出す。
448 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/18(土) 22:24:57 ID:kIiTrpYa
「>>446…って状況が起きたら、先生だったら… いやスネークだったらどっちの味方する?
これが俺の質問だ。どうだい?」
「ちょ、ちょっと圭ちゃん…? おじさん、ちょっと質問の意味分かんないんだけど?」
「はうぅ… 圭一くん、それってレナが犯人なのかな? なのかな?」
なるほど… この前原圭一という少年の質問はなかなか侮れない。
立てこもり犯と人質、どちらも大切な友人でどちらも傷つけたくないのに、事態は切迫し、
二律背反に追いやられる状況か…
フォックスハウンドの入隊試験の時もこの手の状況判断テストはやらされる。
「正直、ディテールの曖昧な質問は苦手だが答えてみよう。
俺は可能な限り、レナと魅音の双方を救う方法を探すだろう…
俺が考える限り、その二人には敵対する理由は本当は無いんじゃないのか?
何かの間違いで、あってはならない状況に陥ったんじゃないのか?
だとしたらその状況に押し流されて片方の味方をするのは、状況に敗北した事になる。
だったら俺は… 二人を救うためにその状況そのものと戦う事を選ぶ。
君もきっと同じ答えを出すんじゃないのか? 圭一」
「……」
「あれれ… なんか格好いいねえ。ちょっとおじさん感動しちゃったよ…」
「はう~、今のお話だと、レナと魅ぃちゃんは、スネークと圭一くん二人に守ってもらって
るんだよね? それってなんか素敵だよ~☆」
「分かった… ありがとう、スネーク」
圭一はにっこり笑って、席についた。
「ねぇ、圭一くんははどうしてあんな質問を思いついたのかな? かな?」
「いや、別に何でもないんだ… この前見た、夢の話なんだ… ちょっとうなされてな」
「はぅ… 夢…?」
古手梨花が目を大きく見開いて驚きを込めて前原圭一を見つめているのに俺は気付いた。
453 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/20(月) 16:23:44 ID:96n4xM4H
今の質問はたしかに妙な印象を受ける内容だった…ふむ、先日の話から推測するに…どうやら単なる圭一の『夢』ではなかったようだな。
「(とても鵜呑みに出来るような内容じゃないが…)」
あのレナという少女をそこまで狂わせる…と。
なるほど、雛見沢症候群とやらの危険性が垣間見えてくる。
「質問は以上か?」
事情も事情だ。あまり詮索されても困る。
この辺で区切りを付けさせてもらうとしよう。
そう考え、教室を見渡した…その時。
「………」
彼女、古手梨花の手が挙がっていた。
その眼から、これが大事な問い掛けであるということがわかった。
「………スネーク、貴方は…いざというとき、私達を守ってくれますですか?」
…決まっている。
「それが任ム…じゃ、なくて…教師としての使命なら、命を懸けて守ってやるさ」
「………
み~
ありがとうなのです」
454 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/20(月) 20:08:23 ID:eDUlPBuh
「さて、皆さん、もう質問はいいですね? じゃあ、スネーク先生の受け持ちを…」
「あ~! 待って待って! 待ってよ、知恵先生~! うっかりしてたよ!
肝心のあたしがまだ質問してないよ~?」(´・3・)ノシ
「園崎さん、あなた委員長でしょう? もう… 早く済ませて下さい」
「じゃあ、スネーク先生… 昨日から気になって事があるんだ。
是非こりゃ聞いときたくてね… ズバリ、先生の得物は何だい? M1911A1? USP?」
園崎魅音の口から出た銃器の名称に俺の全身の血液がたちまち凍りついた。
彼女は挑発するように俺の目をじっと覗き込み、何もかも分かっているんだ
といいたげな不敵な笑みを口元に刻んでいた。
「私さー、昔、ばっちゃに言われてアメリカまで葛西たちと…
いや、葛西って、本家に出入りしてるやたら世話焼きなおじさんなんだけどね…
射撃術のレッスンっての受けにいったことあるんだよね。
そこにいた海兵隊上がりの射撃のコーチの手にあったのと同じタコが、
先生の指にもあるんだよね… おじさんの目は誤魔化せないよ~
それって相当やり込んで来たベテランの証拠だよね…?」
まずった… 俺のアンダーカバーのマスクはたった今剥がれた。
園崎魅音…! “ザ・リーダー”! 間違いない…! こいつは俺の正体を…!
大勢の子供たちの目の前で暴く気か! ここで決着をつけようというのか!
俺は全神経を「その瞬間」に向けて集中させた!
「やるんだろ? サバゲー…! 得物はなんだい!?」
俺は足首に隠してあるハッシュパピーを引き抜く寸前でかろうじて踏みとどまった。
「あ、ああ… まあ、SOCOMピストルやハッシュパピーなら…」
「あはははは! やっぱりだったねえ! それにしても渋い銃器の選定だね!
まるでプロの潜入工作員みたいだよ!」
「さあさあ、もういいでしょう、園崎さん。席に戻って下さい」
「はいはーい」
「みー☆」
「な、なに? 梨花ちゃん…? おじさんなでなでしても何も出ないよ?」
「魅ぃは時々、凄いのですよ? 余人の追随を許さぬ空気の読めなさなのです」
「いやいや、梨花ちゃん…? おじさん、空気くらい読めるよ~?」 (´・3・)ノシ
「みー☆ なでなで。にぱー☆」
455 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 21:18:08 ID:fvo6EjLS
………肝が冷える、という諺の意味がわかった気がした。
背中に変な汗が滲み出ているのを感じる。
しかし安心して良いものかどうか…まあ、とりあえずこの場は何事もなくやり過ごせそうではあるが。
「全く園崎さんは…それじゃあ皆さん、スネーク先生に改めて御挨拶しておきましょうね」
「「「よろしくお願いしまーす!」」」
「…ああ、よろしく」
「スネーク先生には…そうですね、体育を担当していただきましょうか」
…何となく見た目で判断されているような気がする…。いいのだろうか…教師がそんな感覚で動いて。
「…構わんが…知恵先生にも先生なりのカリキュラム等があるんじゃないか?いきなり俺が別のことを始めてしまうと混乱してしまうんじゃ…」
「ああ、大丈夫ですよ。体育は運動さえしていれば好き勝手にやってもらってますから。そろそろちゃんとした授業スタイルにすべきかな、と考えていましたので、ちょうどいいと思いまして」
「なるほど。了解した」
しかし随分と自由な学校だな。
480 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[] 投稿日:2006/11/29(水) 22:16:20 ID:Wu9bJHwg
TIPS 鷹野の苦悩
「はい、保障します。この研究が完成すれば高野氏の論文は世界的に有名なものになるでしょう。
資金は東京を経由して渡されます。ええ、こちらの指示通りに研究さえ進めてくれればいくらでも。
結果の報告ですか?問題ありません。こちらから向かわせます。
『愛国者は』と聞かれたら『らりるれろ』と答えてください。
ええ、それでは宜しくお願いします。鷹野二佐。」
ガチャッ! ・・・ツー ツー ツー
電話が切れた。私は研究を続けられる。研究を完成させられる。
3ヶ月しか続けられないと思っていたのになんという幸運だろうか。
この研究の内容は入江には伝えられない。私が個人で研究をしなければならない。
しかし、このような研究をすることをおじいちゃんは・・・
…今は研究をすることが先決だ。与えられた研究課題をクリアするにあたって
この病気の全貌は解明されるだろう。あとはどうなろうと私にとってはどうでもいいことだ。
雛見沢症候群を解明し、おじいちゃんの論文が真実であることを奴等に知らしめてやるのだ。
495 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/08(金) 19:12:41 ID:oiHvyzQF
「深呼吸ー! …………よし、準備体操終わり!」
「ではスネークさん、私は職員室に戻りますので後の事はよろしくお願いしますね。」
「ああ、分かった。この時間一杯スポーツをしてればいいんだな。」
「あ、そうか。今日はいつもと違ってスネークが居るからちゃんとした授業になるのか。」
「さてスネークはいったいどんな体育をやるのかな? やるのかな?」
とは言われたものの、いまいち勝手が分からない為に勝手がわからない。
そこへすっと魅音が俺の目の前に立ち、鶴の一声で全員を静める。
「みんないいかな~?! 傾注傾注~!! 今日はスネーク先生が居るから皆でスネーク先生を交えて
ゲームをしようと思う! 競技内容は……そうだねぇ、警ドロでいこうか!」
委員長である彼女に任せた方がスムーズに事が進むだろう、ここは彼女に任せよう。
「ああ、それでいこうか。悪いが続けてルールの説明を頼む。」
「オーケー、まず捕まったら校舎前の電柱の周りに集まること。以降泥棒側の誰かが電柱に触るまで
周りで座っている事、当然誰かが電柱に触ったらまた逃げてねー、あ、触った人はその場で脱獄成功!
って宣言してね、ズルして黙って逃げるのを防ぐ為にね。」
「警ドロ? ああ、鬼と逃げる側のグループに分かれてやる鬼ごっこみたいなアレかあ!」
「場所によってドロ巡とかドロ探とか呼び方が色々あるけど圭一くんははじめて?」
「ああ、だけど魅音が言い出したって事は罰ゲーム有りだ。そうなる以上は初めてだろうと負けられねぇな。」
「そうそう、当然、わかってると思うけど…部活メンバーには一般参加者とは別に罰ゲームが付くからね。」
「罰ゲームの基準は何ですの?」
「そうだねぇ、じゃあこうしようか!部活メンバー全員が警察で、それ以外は皆ドロボウ側。んで、最後まで
残った人がそれぞれ警察側に一個命令。撃墜スコアが一番多かった警察はそれとは別に警察側に一つ命令。
撃墜スコアは留置所、つまり電柱周りで最後に座ってた人の数のみカウント!」
「みー、つまり終了間際に電柱に触られたらボク達大変なことになるのです。」
「そうだねぇ、そうなっちゃうねぇ。」
「ちなみに、全員捕まえた場合はどうなるのかな? かな?」
「お、レナったら強気だねぇ、くっくっく!そうなるのは目に見えてるけどね。その場合は撃墜スコアの罰ゲームのほうだけで
泥棒側は権利失効、つまりは泥棒側はノーリスクハイリターン。あ、スネーク先生だけは皆の肩代わりってことで罰ゲームね。」
「それ乗ったぜ、上等じゃねえか!なぁ、みんな!」
トントン拍子に話が進んで授業がいつのまにか罰ゲームを賭けた地獄の追いかけっこに変貌していた。
やはり競技くらい自分で決めるべきだったか!
「な、何!そりゃあ一体……」
「まーまー先生、最後まで先生が逃げ切れば済む話、得意でしょ、こういうの。」
「あー……まあ、そりゃあ……」
「ほらほら時間が勿体無いから始めよう! 私達は2分後に追いかけるからね。よーいスタート!」
499 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/09(土) 03:18:04 ID:yjH36MdA
知恵の独り言
「今日はチキンカレーが食べたい気分だわ。野菜はカレー菜園で足りるんだけど
あいにく鶏肉が手に入らなかったのよねぇ…鶏小屋作って教育の一環として子供
たちに世話させればよかったわ。何か代わりになるものは…そう言えばヘビって
確か、皮剥いで焼いたら鳥肉に似た味になるのよね。ヘビならこの辺でも居そうな
ものなんだけど…スネーク先生って、何かサバイバルの知識とかありそうねぇ…
何かにかこつけて、ヘビ狩りしてもらえないかしら…スネークって言うくらいだから
案外あっさりとしてくれるかも☆
でも、スネークって変わった名前よねぇ。ヘビって言う意味でしょ?本名なのかしら?
ヘビねぇ…ヘビ…鳥肉みたい…鶏肉…チキン…まさかねぇ、でも、ウフ、ウフフフ…」
ガサッガサッ(引き出し明ける音)ジャキーン、ジャキーン、ジャキーン、ジャキーン、
ジャキーン、ジャキーン…ガラガラッ「誰?」「先生!?その指の間に挟んでるも(モゴ
モゴ)」「この間、鬼隠しに遭った**君の事、覚えてるよねぇ?可哀相に…世の中に
は知っていい事といけない事があるってことをあの子は理解出来なかったの。○○君
は理解出来る賢い子、でしょ?」…ウンウン…「じゃあ先生が持っているものは、6本
のチョーク、だよねぇ?」…ウンウン…「そう、やっぱり○○君は賢い子ねぇ、嬉しいわ
先生!」…ウンウン…「じゃあ、○○君これからも賢い子でいてね……いてくれなきゃ
…先生…嫌だよ」
500 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/09(土) 08:54:40 ID:9IVrqYTv
魅音のその合図で子供達は思い思いの方向へ散っていった。
運動慣れしているのか子供達はとても足が速い、それに散り散りになって逃げる事で纏めて捕まる確率を減らしている。
やはり彼らのホームグラウンドである以上地の利は彼らに味方する。
さらに、子供達の中でも特に運動が得意なのか素早いグループ……あれは富田君と岡村君だったか。
互いに目配せすると全く逆方向に走って行った。なるほど、どちらかが残ってさえ居れば復帰するチャンスが増える。
チーム戦の理に適った定石の逃げ方だ。
俺は、とにかく彼らの視線から外れる為に校舎裏へと逃げ込んだ。
普通なら相手が5人居る時点で囲まれたらお終いなのだし、かくれんぼではないのでこちらに逃げたのは丸見えだ
しかし校舎裏は逃走ルートが限られ袋小路になりやすいのでそれを重々承知している子供達はこっちに逃げてこない、好都合だ。
さて、少々大人気無いと言われるかもしれんがこれが彼らの言う勝負だと言うのなら本気で逃げるとしよう。
まず掌に4つ並べられる程度の石をいくらか拾い集め、小分けしてポケットに仕舞う。
多少大きめでも時間があまり無いので構わず拾う、この時点で40秒。
次に焼却炉脇の物置の屋根へ登る。ここで伏せるか、いや、ここは囲まれたら一巻の終わりだ。
校舎二階の窓は……開いた、そのまま校舎内に入る前に窓の回りを確認してから中をそっと覗き込む。
脳裏には先程の沙都子が仕込んだトラップの事が思い浮かんでいた。
案の定というか、そのまま飛び入っていたら踏んでいただろう位置にバケツが置いてあった。
これがトラップだとしたら彼女なら何を仕掛けるだろうか、バケツに液体を入れておく?
何かが入っていた形跡はあるが乾ききった跡がある。いや、どこからか持ってきて仕掛けは別?
それも否定する、バケツの底と周りに埃がうっすらと積っている、なら何かの落下地点の目印か?
仕掛けがあるかと慎重に天井を見上げるとそこに染みのようなものがあった。もしや雨漏りを受け止めるバケツだろうか。
……これは大丈夫、そう核心して窓の縁に手をかけて中に入ろうとした。
バチっと軽い音がしてネズミ捕りがご丁寧に小指を挟んだ。声を上げる程じゃないが……地味に痛い。
確かにここは格好の隠れ場所だ、多分圭一が来たら引っかかる様にセットしてあったのだろう。
圭一なら思わず痛てっ!と多少は声を漏らしてしまっていたかもしれない。
当然他のトラップが無いか入念にチェック……結局何もなし、窓を調べるだけで結構掛かってしまった。
中に入って窓を閉めた時点で外のあちらこちらから警察側……つまり部活メンバーの声が聞こえた。
他の窓や空き教室など逃走ルートを調べながらしばらく上から彼らのお手並みを拝見することにしよう。
503 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/10(日) 08:03:41 ID:lObyf8tJ
すぐに追われると思ったが意外にも彼らは方々に散った泥棒を片っ端から捕まえ始めた。いや、片っ端というのは御幣がある。
彼らは足が速い子、つまり捕まえた後で「脱獄」させない様に可能性から潰してるらしい。その合間にも足がもつれた子や、
追い立てられ、逃走経路をうっかり間違えた子を次々に捕まえていく。その様子はさながら狩猟そのもの。
「梨花、そっち側から追い込んで下さいましっ」
「必要ないのです、ボクがそのまま捕まえちゃったのです☆」
あの富田君も岡村君も梨花ちゃんと沙都子の挟み撃ちにあえなく御用となっている、むしろ飛び込んでいった様にも見えたが。
「あっ、クソっ! また魅音かよ!」
「遅いッ! 遅いよ圭ちゃん!! 捕まえるならあと五秒早く捕まえる事だねぇ!!」
魅音は梨花ちゃん達や圭一が追い立てた獲物を掻っ攫う様に捕まえ堅実にスコアを伸ばしていった。
彼らは仲間内でも対立しているので横取りに容赦が無い、自分だけで一人捕まえるくらいなら逃がしてでもガシガシ割り込んでいく!
圭一は四人に比べて僅かに速度が足りず、魅音や沙都子に横取りされる事が目立ちスコアが伸び悩んでいるみたいだ。
あと、電柱の所に居るらしく空き教室からは見えないが「はぅ~必死に向かってくるのがかぁいいよぉ~!」などと
聞こえるものだからレナも電柱狙いで走ってきた子達を何人か捕まえているのだろう。
時折、圭一達は何かを探すように辺りを見回しているが、次の獲物の選定か、はたまた俺を探しているのか……
残り時間10分にして、何人かを残しほぼ全員が捕まってしまった。さも当然の様に一度も脱獄は発生していない。
しかし、彼らはここで急に追いかけるのを止めてしまった。集まって何か話し合っているみたいだ。
……そろそろ俺を捕まえる算段でもしているのか。
真っ直ぐ彼らが校庭から校舎に走ってくる。
二人分、校舎の外側から回り込もうとする足音が一人……二人止まった!?
いや、真っ直ぐにこっちに上がってくる、隠れていることはとっくにバレてたか!もう一人は電柱の牽制だろう。
俺は前後の扉を開けてある空き教室へと滑り込み、陽動の為の石を握り締めた。
「居るんだろ、スネーク。」
カツン。
……来たのは圭一か。俺は音だけで応答した、石を投げて自分と向かい合った側で音を鳴らした。
教室に入って来たらすれ違いざまに逃げる為に、圭一に位置を悟らせない必要があったからだ。
「スネーク、俺はスネークを捕まえに来たんじゃない、話がある。
このままじゃスネーク側は全滅確定だ、このままじゃスネークの罰ゲーム確定、撃墜スコアが最低の俺もな。
そこでだ、俺が魅音達を誘導するから逃げて皆を脱獄させてくれ!!」
俺は腕を組み、少しだけ思案した。押されてるとは言えこのまま圭一の策略に手を貸していいものかどうか。
……勝負は非情な物。やはり、はいそうですかと素直に応じるわけにはいかないな。
それに全員捕まえ損ねたら魅音達も罰ゲームに巻き込むだろう。
校舎裏でレナ達が騒いでいる、圭一の裏切りに気付いてこっちに来るのも時間の問題かもしれない。
「時間が無い、圭一走れ! 仕掛けるぞ!」
「おう!」
圭一は即座に振り向くと一目散に階段を飛び降りて行った、俺は教室のベランダからに下を覗き込む。
下を見ると、圭一と電柱前で待っていた魅音が鉢合わせしていた。電柱前で待機しているという事は魅音が撃墜スコアで
他のメンバーを上回っていて俺を追う必要があまり無かったのだろう。圭一が「スネークがどこにも居ねぇ!」と騒ぎたて
電柱周りに座っている生徒共々魅音を驚かせた、その騒ぎを聞きつけてレナと梨花ちゃんと沙都子が校舎前に戻ってきた。
……頃合だな。
504 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/10(日) 10:38:44 ID:lObyf8tJ
「待たせたな!」
皆が一斉に上を向いた。俺は空き教室から直接ベランダに出て、電柱を鷲掴みにした。
……よく見ると、俺を除いて全員捕まっている。校舎裏にまわったのを見て突っ込んだ所を魅音に返り討ちにされたって所か。
「な……そんな事ってぇ……!!」
「ふふふふふ……わっはっはっは!! 確かに上のほうでも電柱は電柱だよなぁ!!」
「け、圭ちゃん……あんた…まさかぁ…ッ!!」
「そのまさかだ魅音ッ! これで全員脱獄、警察側である俺達は皆仲良く大量の罰ゲームだ!」
「う……迂闊でございましたわ……! こんなことならスコアを捨ててでもスネークさんを抑えるべきでございしまたのに……!」
「圭一が負けてる状況ですんなり捕まえるわけがなかった……またしても圭一にしてやられたのです……。」
「け、圭ちゃんがスネーク先生と組んで……!負けるくらいなら全員落とすか、圭ちゃんらしいやり口だねぇ……」
「でも、まだチャイムは鳴ってないんだよぉ!」
レナが我先にと状況が飲み込めずまだ座っている生徒を捕まえに行くが、それを遮る様に俺は叫んだ。
「そうだ、まだ勝負は終わってない!! まだ脱獄も成立していない!!」
「え?! それはどういう……あっ!」
「スネークはまだ脱獄成功の宣言をしていないのです……」
「悪いがこれも勝負でな。終了間際に宣言させてもらう!」
「……まいったねぇ、こりゃ王手飛車取りって感じかい?」
「スネーク……逃がそうとしたのを逆手に取るなんてやっぱり手強いぜ……なら今から捕まえてやる!」
「一人でも捕まえに来たらその時も宣言させてもらう、初動が遅れて罰ゲーム確定だな。全員で来ても逃げきって罰ゲームだ
……だがこのまま膠着状態ってのも体育の授業としては面白くない。ルールを変えようじゃないか!」
「おじさん達に勝負を挑もうって事かい! スネーク!」
「全員だ。本来なら負けてただろうし座ってるのも飽きたろう。全員で俺を捕まえてみろ! 捕まえた奴が俺に1つ命令!」
「で、スネークが逃げ切ったらおじさん達に命令ってことだねぇ! 上等!!」
……これでいい、罰ゲームは俺か皆が一つだけ、少なくとも圭一が予測していただろう盛大な罰ゲームは回避した!
あとはこの人数から見付からない様に逃げ切れば良いってわけだ、何時もの様に。
「そういう事だ、かかって来い!」
513 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 02:37:03 ID:9c64jUbc
「そういう事だ、かかって来い!」
そう言い放ち、即座にベランダから教室へ、そして廊下へと戻る。
いくらスクールとしての人数が少ないとはいえ狭いスペースで三十人近い子供達を相手に何時までも逃げ切れるとは思えない、
子供達がどういう行動に出るかは全く予想がつかないが、校舎から出ようとすれば人数を生かして一瞬の内に俺を囲むだろう。
とは言ったもののまだ俺にも勝機はある。あと7、8分という時間制限だ。
だが、子供達も時間制限があるのは承知のはず、このまま終了まで待ち続けている事はありえない。
まずは校舎内に入ってくる子をやり過ごす必要がある、部活のメンバーが真っ先に来るか他の子達が来るかは分からないが
いずれにせよこの場に留まる事は校舎二階から包囲網の真っ只中へ飛び降りる事を意味する、どこかへ身を隠さねばなるまい。
このまま屋上に逃げる手もあるが下から丸見えで、足場も不安定なので追ってきた子供達も危ないのでこれは抜きにする。
とすると一階、それも簡単には見付からない場所……
とにかく子供達が校舎に押し入る前に階段を降り、隠れる場所を探すことにした。
まずはトイレ、セオリーだが袋小路だ、対策無しでは五分と持たないだろう。
職員室や応接間は安全に見えるが入られたら一発だ、よってここもパス。
応接間反対側の倉庫……一応隠れられる可能性がある、中の荷物の具合によってはトイレよりもマシかもしれない。
音を立てない様に慎重に倉庫に入る、外が騒がしくなってきているので包囲網が出来上がっている頃か。もう隠れないと危ない。
倉庫の暗さに慣れるまでのもどかしさを感じつつも、手探りで倉庫の隠れられる場所を探す。
ガサゴソと慎重に探っていると、間違いようがない、懐かしい手触りの物を探り当てた。これはたった今一番欲しかった物……
序々に倉庫の闇に目が慣れ、それが何なのかをはっきりと確認した。……いける、これさえ有ればあと一時間だって隠れられる。
俺の手には、梱包用のビニール紐で十字に縛られた、サイズが大きめのダンボールの束が握られていた。
516 名前:視点変更[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 03:05:53 ID:9c64jUbc
――スネーク先生が校舎の奥へと消えていった後、前原さん達はスネーク先生をどうやって捕まえるかを話していた。
「さーて沙都子、これからスネークはどうやって逃げると思う?」
「そうですわねぇ……今までの行動から考えると、多分スネークさんは窓から飛び降りて逃げることもやりかねませんわ。」
「開始から二分足らずで二階に入っちまうんだもんな、ありえねぇ話じゃないな、そりゃ。」
「とりあえず逃げ道は全部塞いだ方がいいねぇ。よし、身体の小さい子は物陰に隠れて先生が飛び降りないかチェックにまわって!」
委員長の合図で年少組の子が校舎裏に走る、「先生捕まえられるかなー」なんて声が聞こえてくるけれど同じ気持ちだ。
僕は罰ゲームにあんまり興味無いし、別に僕や前原さん達やスネーク先生が捕まえられなくても構わない。
でも前原さんがまた何かをやってくれるんじゃないかって少し期待している。
「それからどうするのです?」
「逃げ道を塞いだ上で取る行動はただ一つ。スネークを追い詰めるだけよ。」
「でも、スネークはどうにかして逃げちゃうんじゃないかな?かな?」
「レナ、周囲が全部塞がれてる時に逃げるにはどうしたらいいと思う?追跡者をやり過すんだよ。」
「なら、やり過ごせないくらい、わんわんのおまわりさんを入れてあげればいいのです。」
「つまり少しずつ校舎に入っていって隠れる場所を削りながら時間までに先生を校舎から炙り出せばいいのでございますわ!」
「そういうこと、隙間が無ければ逃げられないからね。そしておじさん達がそこをおいしくスネーク先生をいただくって寸法さ。」
「でもよ、魅音。探してる間に時間が無くなったらどうするんだ?もう残り時間7分ちょいだろ。」
「それは愚問だよ、圭ちゃんならどうすれば延長戦に持ち込めるか解かるでしょ。」
「ん?延長戦……あ、そういうことか! やろうぜ、俺達に勝負を挑むって事がどれだけ馬鹿な事だったかスネークに教えてやる!」
「くっくっく、やっと圭ちゃんに火ぃ点いたねぇ、じゃあレナ、沙都子、梨花ちゃんも準備はいいかい?」
「当然ですのよ、魅音さん。時間が無制限ならどうあがいても勝負はこっちのものでございますわ!」
「ボクが捕まえたらスネークへの罰ゲームは皆のお願いをいっこずつ聞いてまわるにしますです。」
「りりり梨花ちゃん、それって……はうーっ☆ 可愛くなったスネークお持ち帰りぃーーーー!!」
「よーし、なら早速行こうか。先鋒は圭ちゃん、次鋒は梨花ちゃんで次がレナ、それでダメなら沙都子と私で行くよ。」
……例え相手がスネーク先生でも本気になっちゃった前原さん達にかかったらいくらなんでも勝てないんじゃないか。
もう何かしらの作戦を思いついてるみたいだし、勝負は決まったも同然なのかもしれない。今回はどんな勝ち方になるかな?
「よっしゃあ! まずは俺からだな。おーい! 富田くん、岡村くん。一緒に来てくれ!」
急に僕と岡村くんが前原さんに呼ばれた。
「前原さん、もしかして僕達も校舎の中に入って先生探すんですか?」
「二人とも、すまねぇが手を貸してくれ。相手が相手なだけに今回は俺達も手を抜くわけにはいかないんだ。
成功したらメイドスネークでもネコミミスネークでも好きな格好をさせてプレゼントしてやるぜ!」
「「いや要りませんって。」」
僕と岡村くんが同時に突っ込む。うん、悲しい程に息がピッタリだ。
「冗談だって! ちょっと耳かせ…成功したら謝礼は次の罰ゲームで必ず沙都子と梨花ちゃんをお持ち帰りさせてやるから、な。」
……ああ言ったが、僕は前原さんとスネークの一騎撃ちが間近で見られるなら無条件でついていっても別に構わなかった。
でも、高く売れるものは売っておく、前原さんの行動に習ったギブアンドテイクの法則だ。
「「そこまで言うのなら……引き受けますよ、前原さん。男と男の約束ですからねっ!」」
「よっしゃあああ!! 打倒スネーク!!! 行くぞ富田くん! 岡村くん!」
「「ぅおおおぉーーすッ!!!!」」
517 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 09:29:41 ID:fyyaGNYs
TIPS:「興宮ストアさま」
これまで多数の業者さん向け段ボール箱を提供してきた経験から、当社では
独自の商品として米軍仕様サイズのハコをお薦めします。
私どもの工場は米軍厚木基地に近いこともあり、米軍関係者家族の引越しに
使用するための3つの規格サイズの段ボール箱を1970年ごろから継続的に受
注しています。この箱には次のような特長があります。
○三種類のサイズの箱が混在しても、トラックやカーゴコンテナに積み込んだ際
に無駄な空間が少なく効率よく積めるよう熟慮されたサイズ構成。
○きっちり積み上がるので荷崩れなどのトラブルが起こりにくい。
○S、M、Lの3種類があれば、通常より嵩張ったり重量のある商品であっても
無理なく効率よくパッキングできるゆったりサイズ。
○見た目にも美しく、上質で頑丈な強化段ボール紙(専門的にはK5ライナー・
中芯180グラムという紙質)を使用していて、箱の寸法が揃っているから、
倉庫に積み上げたままでもピッタリ美しく収納できる
段ボール箱を「単なる一時的な運搬のための箱」としてではなく「生活と経済を
効率よく確実に移行するための戦略的容器」というロジスティックス(兵站)の思想で
洗練するとこのカタチに行き着く、段ボール箱の決定版です。
アメリカンサイズで、日本で一般に使われている箱に比べると容量たっぷりな上に
他社製品より強度も高い当社の段ボール箱は大変に好評で、日本全国で商品運搬
に使用されております。
現在、御社でご検討中の「愛媛みかん」梱包用段ボール箱に、ぜひ当社の製品
をご検討下されば幸いです。
526 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/20(水) 23:43:33 ID:kg6DUiNY
校舎内に入ると急に静かになった様な感覚がした、校舎の中と外が違う世界になった様な錯覚さえ覚える。
あのいつもなら煩い位に鳴くひぐらしも、僕達の邪魔をしない様に静かにしてくれているみたいだった。
スネーク先生が外に出れば外の皆が騒ぎ出すだろうし、皆の目を掻い潜って逃げられるとは思わない。
……絶対にこの校舎のどこかに隠れてる、それを今から探し出すんだ。
「まず俺は二階を見てくる、富田君は階段の踊り場で俺と入れ違いになったスネークを捕まえる役、岡村君は一階を探してくれ。」
「了解、ところでもし一階にスネーク先生が居たら?」
「そのまま追ってくれ。外に逃がせば魅音達が待ち構えてるから任せればいい、今回はスネークとの勝負だからな。」
「じゃあ、僕は職員室から探しますね。もしかしたら、ってこともあるかもしれないし。」
「おう! じゃあ行ってくる。富田くんも岡村くんも頼むぞ!」
そう言って前原さんは階段を軋ませながら昇っていった。岡村君も職員室へと走っていく。
それを見届けてから僕は言われたとおりに前原さんの昇っていった階段を見張る。
………………………………おかしい。圭一さんはおろかスネーク先生も岡村くんも,こない。
こうして階段の上をずっと見ているが一向に何も起きる気配が無い。
……何分立ったろう。もしかして、まだ2、3分? 時計が無いからどのくらい待っていたかが分からない。
自分の感覚がここまでアテにならなくなるとは思わなかった。
物音がすればそっちの方へ視線をやって確認する。……でも、誰も居ない。
もしかして職員室の知恵先生や校長先生も居ないんじゃないか、それよりもこの校舎には僕しかいないんじゃないのか?
……もしや前原さんに何かあったんだろうか、岡村くんは?スネーク先生がいつのまにか僕達の裏をかいて、
校舎から逃げているかと思うと、とにかくここにじっとしているのが辛くなってきた。
僕もどこかを探した方がいいか悩んでいるとまたごそっと何かの物音がして、振り向くと僕の視界の端に動くものが…
見間違えでなければ多分廊下にあったのはダンボール……でも何故こんなところに?
確かめに行こう、そう意を決して階段を下りていく。廊下に出てダンボールみたいなのが逃げたと思う外に行く方に目をやった。
下駄箱の方にはやっぱり何も無かった、見間違いかな?
そこで反対側を見る。
「うわっ!?……お、おい、どうしたんだよ……」
527 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/20(水) 23:58:28 ID:kg6DUiNY
そこには青い顔をした岡村くんが、座り込んで震えていた。
「富田くんか……いや、何でもないんだよ……ごめん、大丈夫だから……。」
どう見ても何かあった様にしか見えないが、堅く口を結んでしまったのか、それ以上は喋ろうとはしなかった。
外の方では委員長や沙都子ちゃんが叫ぶ声が聞こえている。前原さんと大声で話してるみたいだ。
…スネーク先生は上には居ない? …間違いなく? ……屋上まで調べたけどやっぱり下みたいだ?
という事は前原さんが戻ってくるはず。
外から聞こえてきてた会話からまもなく前原さんが階段を駆け下り戻ってきた。
「どうしたんだよ二人とも、何かあったのか? ……おいおい、顔が真っ青だぜ、岡村くん。」
こっちに気付いた前原さんが駆け寄りながら岡村くんに声をかける。
……そのまま前原さんに事情を話してもいいものだろうか、岡村くんは何でもないなんて強がるし……。
僕がどう言っていいか迷っていると、岡村くんが青い顔のまま口を開いた
「はは……大丈夫、大丈夫っすよ……前原さん……ちょっと知恵先生に禁句言って絞られただけなんで……。」
「……案外命知らずだな、岡村くんも。それよりスネークは見付かったか?」
前原さんが振り向き、僕達に背に向けながら無理矢理に話を打ち切った。
それに合わせて僕も話題を変えようとする。
「いいえ、あ、でも前原さんが来るちょっと前にダンボールを見た様な……見間違いかもしれませんが。」
「ダンボール? それだ! それどこ行った!?」
「玄関の方に行ったと思うんですけど……確証はありませんよ。」
「いいや、スネークのダンボール好きは監督のメイド好きに匹敵する、ダンボールと来たら間違いなくスネークだ!」
「確かにさっきの質問でもすごい勢いでダンボールを語ってましたね。」
「ああ……でもあれ聞いてて本当はスネークがスパイ映画に出てるような人かと思ったぜ、ゲームにもなってたりして。」
「はははっ、流石にそれは無いですよ。……さて、じゃあどうしますか?あまり時間が残ってませんよ?」
「そうだな……でも後はこの一階だけだ。スネークは必ず見つかるはずだ、虱潰しに探すぞ。富田くんは俺と一緒に。
岡村くんは……保健室の方を探してくれ、ベッドの中とかなるべくゆっくりな。」
「すみません……あ、そうだ……前原さん、職員室には知恵先生しか居なかったから違う場所を探して下さい……
まだカレーの事で怒ってるから絶対に入らない方がいいと思いますよ……。」
「そうだな、知恵先生は怒らせるとおっかねーからなぁ。ともかく別の場所だな、分かったぜ。」
535 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/12/27(水) 03:29:47 ID:37D1dZFb
僕達は岡村くんと別れてスネークとの勝負に戻ることにした。
時間はもうあまり残ってないはず、前原さんにはどうにかして延長戦に持ち込む秘策があるらしいけど……。
「さて、入り口の方から探せば俺達にも捕まえられるチャンスがあるな、行ってみるか。」
「あ、待ってください。あのトイレの扉……不自然にちょっとだけ開いてないですか?」
「お、でも女子トイレだろここ……こんな所に隠れたってのかよ……。」
「どうするんですか? ま、まさか……前原さんも女子トイレに……入るんですか……。」
「当然だ、この程度の障害で、この前原圭一は止められないぜ!」
「だだだダメですよ前原さん! 女子の誰かに見られたらどうするんですか!」
「大丈夫だってば、俺と富田くんしか居ないから問題無いぜ、スネークも中に居るだろうからな。」
「やっぱりダメですよ圭一、梨花ちゃんに見られたらきっと大問題なのです。」
「そりゃあ梨花ちゃんが居たら流石に俺でも躊躇するだろうけどここには……ここには……」
「みぃ?」
「梨花、ちゃん?…………ちちち違うんだ梨花ちゃんこれは俺が変態趣味に目覚めたとかそういうのじゃなくてスネークが」
「分かってますですよ、圭一はそんな事しないはずなのです。それよりも校長を押さえる様にって魅音からの伝言なのです。」
「もう時間か、でもスネークはこの中に居るはずだぜ? スネークさえ捕まえちまえばもう終わりだろ。」
「圭一……入っちゃうのですか? 女子トイレに?」
「う……ぐ……なら、梨花ちゃんが勝つ前に終わらせてやるまでだ!!」
そういうと前原さんは勢い良く走りだした、職員室には知恵先生しか居ないって聞いてるから応接室に飛び込んでいった。
梨花ちゃんは悠々とトイレに入り、コンコンと個室の戸をノックしてわずかに開いていた戸を開けた。
「有無を言わさず入るのですよ~……ダンボール?」
「梨花ちゃんどうしたの?スネーク先生居た?」
「便座の上にダンボールが乗ってるのですよ、富田。今から開けますですよ、んしょっと。」
梨花ちゃんが開けた戸の向こうでダンボールを開けようとしているのを他所に勢い良く扉が開く音がした!
思わずそちらの方を見るとそこには大きめの「愛媛みかん」の箱が倉庫から! じゃあトイレのダンボールは囮?!
勢い良く飛び出したそれは外に、つまり僕の居る方に向かって猛スピードで走り出す!
その時応接室から前原さんが叫びながら出てきた!
「校長が居ねぇぞ!って何だありゃあ!?」
「多分スネーク先生です前原さん! 挟み撃ちに!」
「わ、わかった! 逃がすなよ富田くん!!」
「は、はい、ってうわっ! 無理ですよこんなの!」
迫り来るダンボールの勢いを受け止める事も適わずあっさりと道を明け渡してしまった!
ダンボールは壁を擦りながら僕に当たるか当たらないかの所を走り抜けて行く!!
「くそっ! レナ!! 魅音!! 沙都子!! そっちにダンボール被ったスネークが行ったぞ!!!」
前原さんが追従しながら外に向かって叫ぶ!すぐに校舎の外で待ち構えていた委員長達が押し寄せてきた!
「後は任せて圭ちゃん!! これで決着着けるよっ!!」
「これで勝利はダンボールと一緒におっ持ち帰りぃいい!!」
委員長とレナさんの二人掛かりでダンボールが押さえつけられる!
あれだけの勢いがあったダンボールは、元々生徒を跳ね飛ばすつもりなんてなかったかの様にあっさりと止まってしまった。
「……違いますわ。足音がスネークさんのものではありませんわ。」
540 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 00:33:13 ID:L66a6quw
後ろでそれを見ていた沙都子ちゃんがそう言ったのがわずかに聞こえた。
「え? 沙都子、どういう事?」
「良くぞ見抜いた、北条君!!」
「こ、校長先生かな、かな?」
「いかにも!! 偶には勝負事に混じるのも悪くは無いな!! がっはっはっは!!!」
とダンボール箱の上蓋がボスン、と音を立てて開き、中から校長先生がビックリ箱よろしく飛び出してきた!
「こ、校長! 授業の合図の鈴は!?」
校長がダンボールから出てきて思わず立ち止まっていた前原さんが校長先生に詰め寄った!
「あれならスネーク君に貸したぞ、今回だけといわれての。」
校長先生まで巻き込まれているなんて考えてなかった、予想外の出来事にその場に居た校長を除く全員が真っ青になっていた。
「そうだ梨花ちゃん! トイレのダンボールは!?」
「……カラッポなのです。」
「な、なら教室!!」
「居ませんでしたわよ。ダンボールすら置いてませんわ!」
「保健室は岡村くんが居るし職員室は知恵先生、トイレは無人で応接室は俺だろ……二階も時間を割いて探しきったはずだ……。」
「圭一さん! 倉庫は探しましたの!?」
「え? あ!? そこはまだ調べてない!!」
「レナ! 時間はあと、どのくらい残ってる!?」
「えっと……あと一分だよ! 行こう、魅ぃちゃん!!」
「場所さえ分かれば15秒で十分だぜ!!!」
校長を残して皆が走り出す!!僕も少し遅れてそれに続いて走った!!
「ふむ……スネーク君にも手を貸した事であるから廊下を走った事には目を瞑ろうではないか。」
背中の方で取り残された校長のそんな呟きが聞こえた。やっぱり何でもない時に走っていたらそのまま怒られてたのかな……。
「スネーク覚悟!!! ってまたダンボールかよ!!」
そこには開けて下さいと言わんばかりに大きさの異なる二つのダンボールが並べてある。
大きい方のダンボールは底の蓋が開いていて、さっきの校長みたいにそのまま走り出せそうな置きかたで
あたりを見回しても他に隠れる場所なんかない! 絶対にどちらかのダンボールに隠れているだろう。
「はぅ……大きいダンボールと普通のダンボール……どっちも開けちゃえ!」
「しかし普通の方はやたらとガムテープでグルグル巻きにしてありますわねぇ。
……重さも大人一人分なら入ってそうな感じですわね。でもこれ持ち上げても底が抜けそうにないですわよ?」
「時間が無いのです、無理矢理引き剥がした方が早いのですよ。」
「大きいダンボールは地面に一枚ずつ張ってあるだけだからすぐ剥がせるけど……って中身もダンボールじゃないこれ!」
「しかもご丁寧にガムテープまでガチガチに張ってある上にハズレって書いてあるぜ! くそっ!! じゃあそっちか?!」
その時だった、ガチガチに固めてあるはずのハズレダンボールの底が開いて前原さん達を振り払って逃げだした!
接着してあったのは上だけだったのか!
「今度こそ逃がすかよッ!! っとうおっ?!」
前原さんが逃すまいとガッチリとダンボール箱を抱えたが、ダンボールが跳ね上がり、前原さんを残して中身が逃げ出す!!
スネーク先生がダンボールを脱ぎ捨てて逃げながら、校長先生のベルを手に持ち鳴らそうとしていた。
「うわあぁ!!!」
が、前が見えていなかったのか、それとも勢いが強すぎたのか入り口でずっとみていた僕とぶつかってしまった!
その時スネーク先生の鳴らしたいつもより乱暴なベルの音で、勝負は幕を降ろした。
最終更新:2007年03月14日 15:06