京介「俺の彼女と妹と元カノと幼馴染が修羅場すぎる!」

あやせ(お兄さんが受験勉強に集中する為に一人暮らしをして…)
あやせ(A判定を取ったお兄さんは無事に家に帰る事になった)
あやせ(アパートの部屋のカギを返しに行く時に、わたしは告白をした)
あやせ(そして--------------)

あやせ(先日、わたしとお兄さんは恋人関係となった)

あやせ(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ)
あやせ(無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理)
あやせ(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいよーーーーーーー)
あやせ(どうしてこうなったの!?)

あやせ(でも、お兄さんと恋人か…)
あやせ(えへへ//)

ガララララッ

あやせ「こんにちはー」
京介「おっ、来たか」
あやせ「は、はい。あの…桐乃は?」
京介「今は出かけてるよ。気を使ってくれてるみたいだな」
あやせ「そうですよ。桐乃はとっても気が効くんですから」
京介「ははは。そうだな。ほらあがれよ」
あやせ「あっ…えーとその…」
京介「ん?どうした?」
あやせ「こ、この服…冬の新作なんですが、どうでしょう?そそります?」
京介「ぶはっ!なっ!?」
あやせ「ひ、人が頑張って言ったのに!何て顔してるんですか!」
京介「ああごめんごめん。いやさ、顔真っ赤になって聞いてくるあやせが可愛すぎてな」
あやせ「はあ!?可愛い!?な、なにを言ってるんですか!ブチ殺しますよ!」

京介「おいおい。そんな嬉しそうにすんなって。ほらあがれあがれ…」
あやせ「むーっ。お兄さん彼女慣れしてますね…」
京介「なに?焼きもち?」
あやせ「何でそう嬉しそうなんですか!もうっ知りません!」
京介「え?あっ、待ってくれ。俺に案内させてくれよ」
あやせ「ふんっ」

京介「せっかく付き合って二日目なんだし、出かけようぜ」
あやせ「いえ、今日はお出かけというより、これからの事をお兄さんと話し合いたくて」
京介「話し合い?デートの日程とかか?」
あやせ「で、でーと!?あ、あの…わたしまだそういう単語が恥ずかしいというか…って、お兄さん気軽に言いすぎです!」
京介「ハァハァ。ピュアなあやせたんマジ可愛い…ハァハァ」
あやせ「…」

京介「え?何で目から光沢が無くなって…あれ?携帯でなにをするんですか?」
あやせ「えーと、警察ですか?ええここに性犯罪者が…はい」
京介「お願いします!冗談でもやめてください!」
あやせ「土下座が上手になりましたね」
京介「おう!今ならジャンピング土下座だって余裕でできるぜ!」
あやせ「では、本題に入ります」
京介「ああ」
京介(桐乃の事か…あやせと桐乃は親友。今回俺と付き合った事で、二人の関係にヒビが…とかは絶対に阻止しないといけねーな)
あやせ「大方、予想は付いていると思いますが」
京介「ああ」

あやせ「これからのお互いの呼び方についてです」
京介「ああ……………………はあ?」
あやせ「やはり恋人同士になった以上、呼び方は重要だと思います」
あやせ「わたしもいつまでもお兄さんを『お兄さん』と呼ぶわけにはいきません」
あやせ「それにそのうち桐乃はわたしの、い、い、妹になる可能性だってあるんですから」
あやせ「姉のわたしがいつまでも『お兄さん』と呼んでいたら、桐乃が『兄貴』って呼びにくいでしょうし」
京介(彼女=婚約者って事か?)
京介(マジ重え。この女マジ重い)
京介(でも、真面目に顔真っ赤にしながら語るあやせたんマジ天使可愛い)
京介「えーと、そうだな…何がいいかなー。あやちとか?」
あやせ「ハァ?何ですか、そのおバカ声優みたいなあだ名は?そうじゃありません。わたしのことはは今まで通り『あやせ』って…呼んで欲しい…です。」
京介「わかった。『あやせ』…これでいいな」
あやせ「ちょっちょっと!真剣な顔して見ないでください!」
京介「照れてるあやせも最高に可愛いぜ」
あやせ「なっなあああーーーーーっ、通報しますよ!」
京介「あやせは俺の最高の彼女だから何の問題もない」
あやせ「あっああああああああああああ」

バキッ

京介「な、なぜだ…」
あやせ「顔が近すぎます!そういうのは…あと1年くらい付き合ってから…」
京介(こ、これは…先が思いやられる)
あやせ「で、お兄さんはこういう風に呼んで欲しいとかないんですか?」
京介「………………………」
あやせ「…」
京介「………………………」
あやせ(ど、どうしよう…)
京介「………………………」

あやせ(真剣に考えてるお兄さんカッコいい)
京介(俺を見てあやせが微妙にニヤついてる…可愛いな畜生!)

あやせ「ま、まだですか?」
京介「キョンくんがいいな」
あやせ「キョンくん♪」
京介「な・あ・に?」

あやせ「年下にくん付で呼ばれたいとか、ドン引きです」
京介「うわあああああああああ。一瞬最高に幸せだった俺の時間があああああああああああああ」
あやせ「そ、そんなに良かったんですか?」
京介「当たり前だろ!下の名前をくん付って黒猫ですらやってくれなかったんだぜ!」
あやせ「むっ。そうなんですね。じゃあ考慮しておきます」
京介「え?してくれないの?」
あやせ「だから考えておきます!どうせ先は長いんですし」
京介「ああそうだな」
あやせ「えーと、その…」
あやせ(どうしよう。この後なにをするか全然考えてなかった)
京介(ど、どうしよう…すっげームラムラしてきた)
京介(て、手を繋ぐくらい別にいいよな?)

京介「そうだ!桐乃から押しつけ…借りたエロゲやらないか?」
あやせ「はあ?」
京介「って、冗談だ。ほら空気が静かになっちまったから」
あやせ「そんな事より、まだそんなゲームを持ってるんですか?」
京介「…へ?」
あやせ「前は特に気にしませんでしたが、今はわたしと恋人なんですよ!許しません!」
京介「なっ」
あやせ「そういえば、桐乃からベッドの下がどうのこうの聞いたことがあります。すぐにベッドから離れてください!」
京介「はあ!?」
あやせ「それにメガネ物の本が好きなんでしたっけ?まったく男って生き物は視力が悪い人に失礼です」
京介「あ、あやせ!」

ギュウウウ

あやせ「お、お兄さん!?だだだだだだだ抱きついてきた!?」
京介「落ちつけあやせ…俺はお前のメガネ姿が見たい」
あやせ「へ?は?」
京介「伊達メガネでもいい。今度かけてきてくれないか?」
あやせ「お、お兄さんがそこまで言うなら…まったく仕方がない変態、か、彼氏さんですねっ」
京介「ああ、お前の彼氏は変態さんなんだよ」
京介(よし!エロ本は誤魔化せたな)
あやせ「では、お兄さんの好みを把握するためにも、全部没収…」
京介「マジで勘弁して下さい!」
あやせ「わたしと言う…か、彼女がいるのにまだそんなのが読みたいんですか?」
京介「いや、お前がいるし、もう読むつもりはないんだが」
あやせ「は、はあ!?」
京介「おい、いちいち照れるな」
あやせ「照れてなんかいません!」
京介(誤魔化せたか?)
あやせ「じゃあ、なおさらそういう如何わしい物は入りませんよね?」
京介「違うんだ!ただお前に見られるのが恥ずかしいだけなんだ!だから俺に処分させてくれ!」
あやせ「そうなんですか?」
京介「ああ、お願いだ!頼む!」
あやせ「…はぁ~。わかりました。だから土下座はやめてください」
京介「も、もうちょっとだけ」
あやせ「いえ、やめてもらわないとわたしが困ります」
京介「しかし、ここからだと、あやせのスカートの中が…もう少しで…」
あやせ「死ねーーーーーーーーーーっ。変態!!!!!!!!!」
あやせ「死ね変態!死ね!」
ガスガス
京介「ありがとうござます!ありがとうござます!ありがとうござます!」

ガチャッ

黒猫「な、なにをやってるの?あなたたち…」
あやせ「黒猫さん!?」
京介「ど、どうしたんだ?桐乃はいないぞ?」
黒猫「いえ、先輩が無事A判定を取ったと聞いたからお祝いに」
あやせ「違うんです!これはお兄さんが踏んでくれって頼んでくるから仕方なく」
京介「俺はそんな事頼んでねーぞ!」
あやせ「って言いながら、わたしのスカートの中覗いていたくせに」
黒猫「なっ!?」
京介「勘違いすんなよ黒猫!俺は立派に紳士的に覗いてだな!」
黒猫「そ、そんなのが見たいならいつでも見せてあげるのに…」
京介「なっ!?」
黒猫「先輩が望むなら私はいつだって…」
京介「黒猫…」
あやせ「どういうことですか?」
京介「あ、あやせさん?目から光沢が…」
あやせ「今ときめきましたね?トキメキましたよね!?トキメイたよね!?」
京介「ちっ、違うんだ。高校生男子にとって衝撃的な瞬間だったから反応しちまっただけで!」
あやせ「わたしがお兄さんの彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに」
あやせ「許せない。お兄さんは余所の女ばかり見て。許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない」
京介「許してくれあやせ!」
あやせ「やだなーお兄さんは。わたしは怒っていません。ただ許せないだけ」
京介「お、俺はただ…その…あやせが焼きもち焼いてくれると嬉しいな~って思っただけなんだ!」
京介「本当にちょっぴりだけ見れたらいいなーとか思っただけで、本心はあやせの事しか考えてないんだ!」
あやせ「え?焼きもちを焼いてほしかった?わたしの事しか考えてない?」
京介「あやせ!!!好きだあああああああ!俺はお前の事しか考えてない!!」
あやせ「あ…あぅぅ…」
あやせ「ま、まったく、そういう冗談は今後やめてください」
あやせ「焼きもちが見たいっていうのは仕方ありませんが、わたし怒っちゃいますよ」
京介「ああ、気を付ける…本当にな」
黒猫「ちょろいわね」
京介「ああまったくだ」
あやせ「え?」
京介「ごめんなさい。冗談です。だから包丁はしまってください」

………

あやせ「ところでお兄さんの元カノ…元彼女さんは何をしに来たんですか?元カノさん?」
黒猫「ぐっ…さっきも言ったけどA判定の…」
あやせ「ではお引き取りください。昨日話した通り、わたしが、かっ彼女なんです。わたしの許可なく…そのお兄さんに近寄らないでください」
京介(まだ『彼女』って単語に羞恥があるのか?いちいち頬を染めて言うあやせたんマジ可愛い)

黒猫「ふんっ。そういえば何だったかしら?パンツ?ふふっその程度で騒ぐなんてね」
あやせ「何ですか?」
黒猫「先輩は私の胸…おっぱいを揉みたいって言ってきた事があるのよ」
京介「ぶっ!!!」
あやせ「なっ!?」
黒猫「ふんっ。あなたにはその覚悟があって?」
あやせ「なっななななななな」
黒猫「ああそもそも覚悟以前に言われた事がないのよね?ふふ無様ね」
あやせ「お、お兄さん!?」ギロッ
京介(え?今すぐに言えって事!?やだよ!言ったら殺すだろお前)
京介「…」
あやせ「ぐ、ぐぬぬぬぬぬぬぬ」
黒猫「ふふっ」
あやせ「で、でもっ!」
黒猫「なにを言われても負け犬の遠吠えにしか聞こえないわよ?」
あやせ「触らせてない癖に!」
黒猫「え?なっなななななんでそうなるのかしら?」
あやせ「さっき、おっ…あれを『揉みたいって言ってきた事があるのよ』って言いましたよね!?」
黒猫「い、言ったかしら?」
京介(黒猫!自分で言ったことで照れるな!)
あやせ「言いました!実はそれってつまり…言われただけで触らせてないんでしょう!?」
黒猫「なっ!?」
あやせ「ふふふふふっふふふふふふ。どうやら図星のようですね。ねえ泥棒猫さん?」
黒猫「そ、それでも言われた事がないあなたよりマシよ!」
あやせ「わたしだったら触らせてあげます。ええこれが、あなたとわたしの差です!」
京介「え?いいの?」
あやせ「……は?」
京介「い、いいのか?」
あやせ「………………せ、成人したら…」
京介「うおおおおおおおおおおおおお!やったあああああああ!あと5年くらいか!?楽しみだぜ!」
あやせ「も、もうっ。セクハラですよお兄さん」
京介「あやせだってまんざらじゃないくせに」
あやせ「もうっ知りません」
黒猫「ぐっ」
あやせ「わかりましたか?お兄さんの初のお相手はわたしと決まってるんです」
京介「いや、それだと本当にいかがわしい事に聞こえるぞ?」
あやせ「え?…あっ…」
黒猫「ふ、ふっ。そんなに恥ずかしい事なら無理しなくてもいいのよ?ねえ先輩もそう思うでしょ?」
あやせ「だ、ダメです!お兄さんの初めては全部わたしって決まってるんです!そうですよね!お兄さん?」
京介「は?え?…あっ、悪いけど俺の初めてって桐乃で…」
黒猫「なっ」
あやせ「はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

京介「ほら、あやせは見た事あるだろ?俺とあやせが初めて会った時に、桐乃と俺が倒れて…その時に俺の手が桐乃の胸に」

ガチャッ

桐乃「この変態!シスコン!強姦魔!!!!!!」
バキッドカッ
京介「」
あやせ「桐乃!?出かけてたんじゃ」
桐乃「え?ああ、こいつが勝手に勘違いしてただけで、あたしは隣で勉強してたの」
黒猫「へぇ~、勘違いねぇ~。本当は隠れてた…とかかしら?」
桐乃「なんであたしがそんな事する必要あるのよ!」
黒猫「だって、玄関に靴がなかったもの」
あやせ「大丈夫。わたしは桐乃を信じるよ」

桐乃「ありがと。あやせ…でも気をつけないといけないよ?」
あやせ「え?」
桐乃「ここの壁って意外と薄いの。だから聞き耳を立てればだいたい聞こえてくるんだよ?」
あやせ「え?え?まさかさっきの会話、桐乃に聞こえてたの!?」
桐乃「えーと、だいたいかな」
黒猫「あら?おかしいわね。聞き耳を立てればだいたい聞こえる?」
黒猫「あなたは勉強をしていた。ということは聞こえないはずよね?」
あやせ「え?桐乃?」
桐乃「い、いやー、実を言うとあまり聞こえてなかったの。ただあやせに忠告をしておきたっただけで」
あやせ「そっか。ありがとう桐乃」
桐乃「う、うん」
黒猫「あら?良心が痛んだのかしら?」
桐乃「うっさいつーのっ!バカ猫!」
桐乃「ほら行くわよ」
黒猫「え?」
桐乃「あやせは京介に会いに来てるんだから!あなたはあたしの部屋に来なさい!」
黒猫「私は先輩に用事が…」
桐乃「いいから来いっ!」
黒猫「仕方ないわね」
桐乃「邪魔して悪かった。ごめんねあやせ」
あやせ「え?ううんいいの。わたしは桐乃の事も好きだから」
桐乃「ありがと…じゃあね。あやせ」
黒猫「また来るわ」

………

京介「」
あやせ「ふーっ。お兄さんがまだ気絶してるから、何とかベッドに移動させたけど…」
あやせ「…」
あやせ「あ、あー。わたしも眠くなってきちゃったかも」
あやせ「お兄さんが寝てるけど、気絶してるからなにも問題ないよね」
あやせ「それにベッドは一つだから、仕方ないよね」

ドサッ

あやせ「っ~//」
あやせ「お兄さんの顔が…すぐ横に…」
あやせ「うわぁ…お兄さんの心臓の音が聞こえる…」
あやせ「どうしよう…わたしすっごくドキドキしてるかも…」

「やっぱり無理!あたしもう無理!」
「もう少し待ちなさい!あの雌狐が本性を現した瞬間を激写すれば…くくく」

あやせ(隣の部屋の桐乃の声が聞こえてくる…ケンカしてるのかな?大丈夫かな?)
京介「んっ」
あやせ「」ビクッ
京介「…」
あやせ(お、起きてないよね?)
あやせ「それにしてもお兄さんの胸板…」

スリスリ

あやせ「えへへ…ずっとお兄さんとこうしていたかったの…」
あやせ「お兄さんお兄さん」

ガチャッ

麻奈実「」
あやせ「くんかくんか……………………え?」
麻奈実「ご、ごめんなさい!」

ガチャッ

京介「ご、誤解だーーー麻奈実ーーーー!帰るな!」
あやせ「え?」
京介「あ」

………

あやせ「ど、どこから起きてたんですか!?」
京介「ボコボコにしないでください。また意識が飛びそうだ」
あやせ「お兄さん?わたしはどこから?って聞いてるんですよ?」
京介「あやせが俺を無理矢理ベッドに乗せてくれた時」
あやせ「…」
京介「いや、普通に考えてか弱い女の子が、俺みたいな男をベッドに乗せるのは無理だろう。俺が少しずつ動いてたんだ」
あやせ「か、か弱いってそんなぁー」
京介「あやせは可愛いなー」
あやせ「ご、ゴホンっ。お兄さんはなにも見てないし、聞いていない!それでいいですね?」
京介「『えへへ~』って言いながらスリスリしてくるあやせ…マジ可愛かったなー」
あやせ「…………………………………………………………………」
京介「ああ、俺はなにも見てないし、聞いていない!命をかけるぜ!」
あやせ「じゃあ死んでください!」
京介「なっなんだと!俺は選択肢を間違ってないはずだ!」
あやせ「ええ、わたしが間違っちゃいました。だから死んでください」
京介「理不尽だああああああ」
麻奈実「え、えーとわたしお邪魔だよね?帰ろうかな?」
京介「いや、いてくれ。この流れだと殺戮ENDだ」
あやせ「むっ。それだとまるでわたしが殺戮者みたいじゃないですか?」
京介「そんな可愛い顔しても騙されないからな!さっき明らかに変な目してただろ!」
あやせ「心外です!」
麻奈実「え、えーとー」

京介「ああそういえば、麻奈実は何をしに来たんだ?連絡も無しって珍しいな」
麻奈実「きょうちゃんにお祝いをしようと思って来たの」
京介「おおっ。情報が早いな。無事A判定とったんだぜ!」
麻奈実「ううん。そっちじゃなくてあやせちゃんと付き合ったことに関して」
あやせ「は?」
麻奈実「おめでとうきょうちゃん」
京介「え?あ、ああ」
麻奈実「きょうちゃんとあやせちゃんはとってもお似合いだと思うんだ」
京介「そ、そうかな?」
あやせ「…」ギロッ
京介「そ、そうっすよねー」
麻奈実「でもね、どんなにお似合いでも、すれ違いとか困る事とか大変な事とかあると思うの」
麻奈実「だからそういう時は、遠慮なくいつだってわたしを頼ってください」
京介「おう…いつも心配かけて悪いな麻奈実」
麻奈実「それはいいっこ無しですよ。おじいさん」
京介「はは。何言ってんだ。おばあさんは」
麻奈実「えへへ」
あやせ「お姉さん…なにを言ってるんですか?」
麻奈実「え?どうかしたの?」
あやせ「お姉さんはどうしてそんなに余裕なんですか!?」
あやせ「今お兄さんはわたしの大切な人なんですよ!」
麻奈実「わたしにとっても大切だよ?」
あやせ「でも、お兄さんの中では今はわたしが一番大切なんです!そうですよね!お兄さん!」
京介「え?ああ、そうだぞ。一番大切だ」
あやせ「ほら見てください。だというのに何ですか?その余裕は」
麻奈実「うーん。そうだねー。だって『今』はでしょ?」
あやせ「え?」
麻奈実「将来の事は誰にもわからないよね?もちろんあやせちゃんにも」
あやせ「それはお姉さんだって同じじゃないですか!」
麻奈実「わたしにはわかるよ?」
あやせ「へ?」
麻奈実「だって、わたしはきょうちゃんの事なら何でも知ってるし、わかるんだよ?」
京介「ふ、二人とも落ちついて」
麻奈実「きょうちゃんは黙ってて」
京介「は、はい」
あやせ「お姉さん…それは傲慢ですよ」
麻奈実「きょうちゃんはわたしの事の言う事を何でも聞いてくれるんだよ?」
あやせ「それはわたしだって同じです!」
麻奈実「あやせちゃんの場合はきょうちゃんに無理させてるよね?」
麻奈実「でも、わたしはきょうちゃんの事何でも知ってるから、無理させない程度のお願いができるんだ」
あやせ「え?は?」
麻奈実「あやせちゃんと一緒だったら、近い将来にきょうちゃんは無理をして壊れちゃう」
麻奈実「でも、きょうちゃんは経験をしないとわかってくれない」
あやせ「だ、だから、わたしと黒猫さんと…」
麻奈実「それは違うよ。勝手に二人がわたしのきょうちゃんを好きになっただけだから」
京介「麻奈実!」
麻奈実「怒るよ?」
京介「は、はい」
麻奈実「それにきょうちゃんに、あやせちゃんは勿体ないよ」
あやせ「そんな事ありません!」
麻奈実「若気の至りだと思うんだ。あやせちゃんにはきっとすっごくいい男の子が見つかるって思う」
あやせ「わたしはお兄さんがいいんです!お兄さんじゃないとダメなんです!」
麻奈実「きょうちゃんみたいに普通の男の子と、あやせちゃんみたいにすっごく良い女の子は合わないんだよ?」
あやせ「だ、だからお兄さんにはお姉さんが合うって言いたいんですか!?」
麻奈実「そこまで言わないよ?だって最後に選ぶのはきょうちゃんだから」
あやせ「…」
麻奈実「どう?考え直してくれたかな?」
あやせ「そのすっごく上から目線気に入りません!」
麻奈実「ふふっ♪」
麻奈実「わたしも今のあやせちゃんの立ち位置は、すっごく気に入らないかも」

京介「おい止めろ!二人とも!」

あやせ「…」
麻奈実「…」
京介(や、やべぇ、今にも取っ組み合いが始まりそうだ。なんとかして止めねーと!)

ガチャッ

桐乃「うっさあああああああああああああい!」
あやせ「き、桐乃?」
麻奈実「桐乃ちゃん?」
黒猫「ふふふふふ、安心しなさい。私もいるわ」

桐乃「いい?こいつは…京介はあやせを選んだの!悔しいけどあやせを選んだの!」
桐乃「だからあたし達は祝福をしてやるべきだと思うの!」
麻奈実「…でも、あやせちゃんは未だに『お兄さん』って呼んでるね?」
麻奈実「これって恋人同士って呼べるのかな?」
あやせ「うっ」
黒猫「ふふふ。やはりここは元カノの私が復帰するべき所かしらね?」
桐乃「バカ猫!空気読め!」
黒猫「それとも…実は既にやってたりするのかしら?」
あやせ「へ?」
黒猫「察しなさい。実は二人っきりの時は呼び方が違うとか…そういうのかしらね?」
あやせ「え?いえ…あの…」
麻奈実「…」
京介「いや、わかった。それでこの場が収まるなら…ほらあやせ…あれで呼んでくれ」
あやせ「え?ええーーー!?」
京介「俺とお前が二人っきりでいる時のあれで」
あやせ「で、でも、みんないるし…」
京介「お願いだ!あやせ!」
あやせ「わ、わかりました…えーとその…」
京介「頼む!」
あやせ「キョンくん。ずっとずっと好きだよっ」
京介「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおやったああああああああああああああああああ」
あやせ「っ~~~~~//」
京介「あやせ!俺も好きだああああああああああ」
あやせ「ば、ばか!ばかばかっ!もうっそんなに喜ばないでくださいっ」
桐乃「ふへへぇ~ポカポカと京介を叩いてるあやせ…マジ可愛い」
黒猫「…桐乃?無理しなくていいのよ」

麻奈実「きょうちゃん?」
京介「おう。どうした?」
麻奈実「正座っ!」

京介「お、おう」
麻奈実「年下にくん付で呼ばせるってどういうことですか!?」
京介「い、いや、地味に憧れていて…」
麻奈実「そ、そうことは同級生のわたしに言ってくれれば…」
京介「へ?」
桐乃「って、麻奈実………さん!?どさくさにまぎれてなにを言おうとしているの!?」
麻奈実「ち、違うの。これはキョンくんのしつけで」
黒猫「躾ですって?幼馴染ごときが偉そうね。あなたもそう思わない?キョンくん?」
桐乃「って何であんたらがナチュラルに呼んでるのよ!こ、こいつ…ききききキョン…って呼べるか!こんな名前!」
あやせ「皆さん!キョンくんの、か、彼女はわたしなんです!呼んでいいのはわたしだけですよ!」

京介「…どうしてこうなった…」
京介「俺はあやせとイチャイチャしてただけのはずなのに!」







京介「俺の彼女と妹と元カノと幼馴染が修羅場すぎる!」





       終わり

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最終更新:2013年11月23日 19:38