ある組織

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ある組織

 30年前、東方の大陸の傍に位置し、4つの大きな島と無数の小島から
構成されるこの国に、異世界の魔道士によって時空の扉が開かれた。

 魔道士の消息はその後まったく掴めていないが、扉からは彼以外にも
多数の生物が入り込んだ。
 それらは大小様々で多様な生態を持っていたが、その殆どが他者に寄生、
憑依し操る事により、精神エネルギーを摂取する性質を持っていた。
 この世界は、彼等にとって珍味溢れる桃源郷だったのである。

 ――仮に彼等の事を【妖魔】と呼称する。

 異世界の住人のうち、そういった性質を持たない知能の高い者たちは、
他の世界に影響が及ぶ事を懸念し、討伐部隊を差し向けた。

 ――同様に、彼等の事は【妖精】と呼称する。

 物理的捕食による大量虐殺の可能性が低い事は不幸中の幸いであったが、
その分、発見・駆除の作業は困難を極めた。

 そうした中で、人類に最初の協力者が現れた。
 天川芽生【あまかわ・めい】である。

 人間でありながら強大な魔法の素養を持っていた彼女は、驚異的な妖魔
検知能力を有し、10歳から17歳までの7年間で目覚ましい戦績を上げる。
 もちろん彼女一人で全国をカバーする訳には行かなかったが、要所で
彼女を伴った殲滅戦を行なう事で、北と南の2島の一部にまで【妖魔】を
追い詰める事に成功したのだ。

 だが、ある日突然、彼女の能力は消えてしまった。
 本当に、なんの前触れもなく。

 その機に乗じた【妖魔】の反抗はすざましいものであった。
 【妖精】の索敵網の乱れに乗じ全滅の危機を逃れた【妖魔】たちは、
再び全国に潜伏。
 戦況は広域に渡る対ゲリラ戦に逆戻りしてしまったのである。

 その後の調査により以下のような事が解ってきた。

 ・人間の殆どは、魔力的素養をまったく持たずに生まれる
 ・魔力の素養を持つわずかな人間の男女比は男1に対し女99である
 ・中でも十代までの少女に限っては、0.01%に魔法の素養が認められる
 ・ただ個人差はあるが、十代までの一定期間にしかその力は発揮されない
 ・【妖精】のサポートを受ける事で、その力は増幅可能である

 戦いの中でその数を減らしてしまった【妖精】達は、同じく残り少なく
なり全国に散らばった【妖魔】達に対して以前のような大規模な掃討戦を
行なう事が困難になった。

 そこで、各地に十代の少女を中心に魔力の素養を持つ者の資質と性格を
調査する駐在スカウトを配置。
 現地生活に根ざした索敵網兼掃討要員として、人間を組織に組み入れる
事にしたのだ。

 だがそのスカウト活動は困難を極めた。
 なにしろこんな胡散臭くてややこしい事情を下は5、6歳からの少女に
説明し、協力を仰ぐのだ。
 酷い時にはまともに話も出来ず、果ては親や近所の人たちに石をもって
追われる日々が続いた。

 そこで目をつけたのが当時流行していたテレビまんがである。

 少女達が憧れる『魔女っ子ルルちゃん』や『秘密のマリアちゃん』を
参考に、愛と正義の為に敵と戦うというモチーフを導入。
 天川芽生をモデルにした『魔法少女ミルキーメイ』というアニメ番組
を企画制作、放映したのだ。

 ――効果は絶大だった。

「メイちゃんになりたい」と志願者が殺到し、瞬く間に全国48都道府県
を網羅する魔法少女による【妖魔】警戒網が完成したのである。

 だが短ければ数日、長くても十数年で力を失う少女達に頼った警戒網は
継続的なスカウト活動による地道な補強作業を常に必要とした。
 そして今も、トリオでキューティア第三期、Maximize-Zero編 が放映
されているのである。
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