ここで村田氏は、「想定タイトルは『ファイナルファンタジー』です」と、「Crystal Tools」の存在意義をあらためて協調した。
「ファイナルファンタジー」シリーズは、同社のフラッグシップタイトルであり、先端の技術と人材が投入される最大のプロジェクトである。
村田氏率いる研究開発部は、本プロジェクトを担当するにあたり「『ファイナルファンタジー』の開発に必要なものは何なのか?」
という命題を設定し、検討を重ねた。
研究開発部が出した結論は、「『ファイナルファンタジー』シリーズは、キャラクタに非常に比重が置かれたゲーム」。
村田氏は「とにかく“魅せることありき”であり、どのようなキャラクタが、どのような世界観の中で、
どのような活躍をするのかみたいなところからゲーム作りが始まるところがあり、
ひょっとすると皆さんから見ると特異に写るかも知れない」と自社タイトルの特徴を冷静に分析した。
ポイントとしては、キャラクタのアニメ的な“溜めの格好良さ”や“ポーズの格好良さ”、格好良く魅せるためのデフォルメ的表現、
ビジュアルエフェクトの美しさ、ライティングやブラーと言ったポストエフェクト処理など。
何より格好良さが重視され、厳密さや正しさより優先される。
村田氏は「『ファイナルファンタジー』は画面で見て格好いい、なんか気持ちいいというビジュアルデザインを目指している」と説明した。
極めてファジーな表現だが、「FF」ファンならなんとなく共感できる発言だ。
スクウェア・エニックス研究開発部部長村田琢氏
最終更新:2020年07月11日 17:21