Atarefaunet (詳細・ネタバレ編)


  • エルヴァーン♂、不明(現在、登場時は常に変装)、通常配置無し
  • ヴァナ・ディールをかつて震撼させた「アタルフォーネ盗賊団」の頭領。
  • 賞金稼ぎに捕らえられサンドリアで死んだとされている。
  • 実はヒッソリ生き延びていて、意外な姿でプレイヤーの前に現れる。


現在、関係シーンの大部分はLouverance/裏として登場する。

関連イベント
  • プロマシアミッション
  • シーフAFクエスト
  • クエスト「卑しき血流れず」等

※ここでは彼の「正体」を知った上、を前提に「アタルフォーネ」についての全貌をまとめてみる。


「卑しき血流れず」・アタルフォーネの背景

  Francmageがザルカバード調査隊に出たその後は、彼自身の孫Louveranceだけではなく、アタルフォーネ自身にも大きな影響を与えている。ボストーニュ監獄にて断末魔を上げ謎の死を遂げたFrancmageの末路は、サンドリア中の噂となった。そしてその議論の果てにFrancmageのひとり息子であり、王立騎士団員、父の死後ミスタル家当主を継続したレゼルビュー・M・ミスタルと、元々不仲であった公爵家、神殿騎士団員のエプリフォーン・レヴメルは決闘をする事になった。


決闘シーンより。同じフェイスであるのが残念だが、手前のウォーアクトンがミスタル氏、奥のノーブルがリヴメル氏と思われる。

  しかし決闘そのものがサンドリアでは違法とされていたため、両家とも伯爵の位を剥奪され追放された。実は、アタルフォーネはこの「リヴメル家」の出であり、エプリフォーンの息子と推測される。
  神殿騎士団に所属していた父の影響か、サンドリア大聖堂に纏わる伝承や噂話にも精通しており、またタブナジア聖堂にも非常に詳しい(これは裏表の事情、共に)。おそらくはサンドリアを追放後、リヴメル家はタブナジアへ逃げ延びたと思われる。

「ラテーヌの緋の雷鳴」・アタルフォーネ盗賊団

  元公爵家の出であるアタルフォーネが、何故盗賊団になるかは現状不明であるが、その頭領として名を轟かせ、一般市民から聖職者、政治家まで震え上がらせた。「盗賊団」というだけあり窃盗強盗をはじめあらゆる犯罪に手を染めたが、実はアタルフォーネ盗賊団はそれだけに留まらない。彼らは盗賊団としての一面の他に、金を積めば仕事を請け負うという裏の顔があった。
  彼等を用いれば依頼主は全く疑われることなく目的を果たせるため、汚い内容の仕事を依頼していた者はかなり多くいたようである。それはタブナジア大聖堂やサンドリアのテュロム伯爵も含まれていた。アタルフォーネ盗賊団にとっては、これは膨大な資金の収入源になると同時に裏の各種情報や物流ルートを確保出来るだけでなく、いわゆる「お偉いさんの弱みを握る」という盾にも矛にもなり得る有用な情報の収入源にもなった。
  しかし、アタルフォーネとその盗賊団はその悪名高さ故にその首には高い賞金が掛けられていた。そして20年前の大戦直後、アタルフォーネが黄金のたてがみと銀刀のイズメニオスという2人組の賞金稼ぎによって捕らえられ、サンドリアで拘束された。アタルフォーネ自身は死罪を免れない犯罪者であるが、その罪状が調査された場合、裏の繋がりがバレてしまう恐れがあり、裏取引をしていた者達は震撼した。特にテュロム伯爵は焦りから牢の番人を買収し、アタルフォーネの食事に毒を盛らせて暗殺を図った。
  一方、アタルフォーネを捕まえた賞金稼ぎの二人は、タブナジア大聖堂から神都アル・タユへの道を探るようにと密命を受けていたものの、その核心に迫ると今度は逆にタブナジア大聖堂から口封じのために暗殺者を雇っていた。賞金稼ぎが、今度は追われる身になったのだ。その逃亡の果てに逃げ延びた「黄金のたてがみ」ことVukki-Chebukkiは、アタルフォーネ捕獲によって得た大金で遙か南の孤島を買収し、身を隠す事にした。
  そして獄中で死亡したと思われたアタルフォーネだったが、実はそれは彼の計画のうちだった。彼は公開処刑ではなく暗殺であることを利用し、死んだフリをして周囲を欺き脱獄を果たす。そしてその存在を闇へ葬り、西の国へと逃亡した。そして腹心であるVauderameに、かつての同士である盗賊団の生存者との連絡を任せ、アタルフォーネは次の作戦の準備を始めた。異国で資金と武力を蓄えつつ、Vauderameにも指示をだし、ついにはその作戦の足がかりとなる人物を手中に収めた。
  そして現在、アタルフォーネとその伝説の盗賊団がヴァナ・ディールに舞い戻ったとの噂が広がる。詳細や確固たる目撃情報も少ないが、何かしらアタルフォーネ盗賊団が水面下で動いていると思われる。

盗賊団から騎士団へ・アタルフォーネ達の今後

  表立った行動が出来ないアタルフォーネに代わり、その腹心Vauderameはヴァナ・ディールに留まり、あらゆる手札を用意しだした。大戦直後、彼はある人物と出会い、匿っていた。その者は記憶喪失となり、実際に「手駒」としての真価が出たのは近年のようである。しかし記憶が戻った現在、その血筋は彼らの真の目標を目指す頭として掲げるには充分だった。その人物とは、タブナジア侯国首長アルテドール侯の嫡子であるRochefogneRochefogne自身、タブナジアとサンドリアにまつわる聖剣を追っている立場である為、Vauderameはサンドリアミッションで、その相棒として登場している。
  更にVauderameは10年前から天晶堂に潜伏(といっても最終的な目標はAldo らと一緒の為、合意の上とも考えられる)、裏世界の情報とパイプラインを確保した。Rochefogneの記憶が戻り、動き出した時期と同じ頃、VauderameはシーフAFクエストにて、アタルフォーネの盗賊団の生き残りと連絡を取る事に成功していった。


  一方、テュロム伯爵の周りにも数々の噂が飛び交い、それは脅迫を受けているというものからさる騎士を暗殺しようとしてる、というものにまで及んでいる。アタルフォーネ盗賊団が動き出している同時期にこの噂はタイミング的にも合致しすぎている。加えてテュロム伯爵はアタルフォーネにも色々と因縁がある。なお、テュロム伯爵は現時点では脅迫に屈していないとされているが、現在彼の領地であるギルド桟橋の一帯をかつて仕切っていたミスタル家の正当後継者もサンドリア近辺で目撃されている事もあり、そちらに関しても色々不穏な噂と憶測が飛び交っている(クエスト「貴き血流れて」「脅迫者」等より)。
  そしてそのミスタル家の末裔・Louveranceの元にも正体不明な案内人が登場し、取引を持ちかけた事が分かる(クエスト「ウルガラン越え」)。その取引とは、移動が困難なウルガラン山脈の奥地にLouveranceを誘い出し、弱っている所に交渉を持ちかけたという物で、半ば強制とも取れる状況だったようだ。それは、自らの素性を隠しつつも表立って行動するため、自分がルーヴランスを名乗る事を認めさせるものだった。Louverance曰く「その取引はお互いに有益」との事で、応じている。そして、その取引を持ちかけて、Louveranceを語るようになった者こそが、ヴァナ・ディールに舞い戻ったアタルフォーネ本人である。この後アタルフォーネはLouveranceの偽者としてプレイヤーと接触し、行動を共にする事になる。


物語が明かす彼らのこれからの目標
  実に20年もの歳月を掛けて、今後の目標に向けての下準備をしていたといっても過言ではない。そして先代からの因縁もあるLouveranceを語ってまで成し遂げたい事。それはアタルフォーネらにとって非常に重要な目標であることは容易に伺えるが、はたしてその目標とは何か。
  シーフAFクエストの最後でVauderameは「アタルフォーネ盗賊団」としてではなく「ヴォーダラム騎士団」として今後行動をする事を仲間たちに宣言している。自らの過ちでタブナジアを滅ぼしたと言い、その事件をサンドリアに告げたRochefogneはタブナジア侯国首長であり、その過ちを正し祖国再建を願う彼を囲い、騎士団として従うというのだ。
  実際、Louveranceとしてタブナジアを訪れその現状を目の当たりにしたアタルフォーネも、タブナジアへの想いを語る場面がある為、アタルフォーネ自身もタブナジア再興は最終目標の一つと掲げているのは明白である。そして救助活動を名目にタブナジアを「荒らした」ジュノの使者(Nag'molada)への嫌悪も露にしている。彼らはあくまで、荒れ果て、今もなお魔物に怯え、小さな町で寄り添うように生きている祖国の者達に、三国の真実を告げ、新たな国家として立ち上がる事が目的のようだ。しかも、その中枢に必ず自分達が要るように、慎重に手を打っている。それを成し遂げ、最終的にはリヴメルの名前を歴史に残す事こそが、アタルフォーネ自身の野望でもある。

仮初の姿と過去との決別・ルーヴランスとの決着

  プロマシアミッションの最後、二人のルーヴランスのエピローグとして「悠久の名を求め」が存在する。ルーヴランス視点の物はLouverance/表 (詳細・ネタバレ編)でまとめているが、実はそれが全貌ではない。ここではアタルフォーネ視点で、その後の一連をまとめる。
  まずはルーヴランス編の最後の部分だが、二人はお互いの決別の為にウルガランで決闘をする。これは皮肉にも、自分達の父親が同様に犯し、伯爵剥奪の原因にもなった行為と一緒である。


この時点で勝者はLouveranceとされ、彼自身満足げに新しい冒険へと旅立っていく。

改めてみると露骨過ぎる、「死を暗示する演出」とも言える。

  この時赤ルーヴランスことアタルフォーネは決闘に「負けた」のだ。そして死を強く印象付け、Louveranceはそれで決着が付いたと高笑いをし、その場を離れていく。

  そしてサンドリアに戻ったプレイヤーを待っているのは、アタルフォーネからの伝言をLouveranceに伝え、ウルガランに導いた修道僧。


Meransarget:え?相手の方は命を落とされたと?それは痛ましい。その方のために、私が祈りを捧げましょうか?

Meransarget:やれやれ、おまえの無反応さには呆れるな。俺の芝居は退屈か?仕方ないか。今まであったことを思えば、おまえがちょっとやそっとのことで驚くはずもないからな。では再会を祝そう。このくだらない世界に、ダラダラと続く日常に。

  名前こそは違うものの、初めて「アタルフォーネ」として彼がプレイヤーと会話をする貴重なシーンである。ウルガラン山脈での決闘はLouveranceに彼が「死んだ」と思わせる芝居だったのだ。アタルフォーネは、プロマシアミッションでの一連により、彼の計画が失敗したことを愚痴りだす。その力に興味を示していたタブナジアの魔晶石はPrisheが消滅させ、アル・タユに眠ると思われた財宝も手に入らず西国の資産家との取引も白紙に戻ったらしい。Louveranceという隠れ蓑を使って正体を探っていた枢機卿Mildaurionも敵にまわすはこれ以上ない愚策と悟り、そもそも「楽園の扉」アル・タユを実際に見て興味も失せたという。


Meransarget:……しかしまぁ、いい。これ以上、奴の名を名乗らずに済むようになるだけマシだ。凡庸な人間になりきるは楽だが、身のほど知らずの愚か者になるのは苦行だからな?おまえも奴と何度か会ってわかっただろう? ミスタル家に生まれつく者は皆、熱血で目立ちたがり屋……そのうえ愚か者だ。なにしろ、奴はミスタル家を貶めるもととなった「決闘」を二つ返事で受けてたったんだぜ?
Meransarget:……なに?だからこそ、あんな芝居で片がついたわけだと?そうだな。俺の望みを叶えるためには、名を変え、今一度、再出発すればいいだけのことだ。「再生の鏡」さえあれば、私にはどのような罪も見ることができる。どのような者でも俺に協力することだろう。タブナジア復興、侯爵家の再建、騎士団の新生。そして……レヴメルの名が復活する。
Meransarget:<PC name>、俺も奴も、ひとつだけ似ていることがある。歴史に「名」を残すまで、決して諦めぬということだ。

  初めて彼自身の言葉で語られる彼の目指す先。恐らくその為には、今後も手段は選ばず ただひとつ、それを目指すのだろう。プロマシアミッションを通して、正体を偽りながらも運命を共にしたプレイヤーにそれを語った彼は何を思っているのだろうか。


Meransarget:では、失礼するよ。さようなら、<PC name>。

  そして背中を向け、歩き出す彼。その先に待っているものとは……。



決別の時

  プロマシアミッション最後のムービー(エンディング)ではアタルフォーネとLouveranceの真の別れが描かれている。


ミザレオの小屋で、決意したかのように剣を背中に収め遠くを見つめる。


橋ですれ違う、片方はプロマシアミッションでの装束、もう片方は今は亡きサンドリアミッションでの装束の「Louverance」二人。


立ち止まり、振り返る旧装束の(本物の)Louverance。もう一人は、わき目も振らず真っ直ぐ、信じた道を歩き続ける。変装はしているがフェイスマスクの色でアタルフォーネだとわかる。



最終更新:2008年05月11日 16:49