【童実野美術館の回想】
そしてそのファラオと争っているのは若き神官です。
彼の上に描かれているのは紛れもなくブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン。



さっきのお嬢さんが心配で。
私(わたくし)もよろしいですか?

どんな事も、人は目を背けてはなりません。
お嬢さん。たとえ、悲劇に満ちた世界であっても、必死に手を伸ばし、
その光景を目にしたいと願った者もいたのです。
古代エジプトの時代から、私達墓守の一族はある使命を守るために、多くの犠牲を払ってきました。
千年アイテムに秘められた、大いなる力を…!
あぁ…。
遊戯。ファラオの意思を包み宿す選ばれし者。
……分かりました。お話しましょう。
イシュタール家の惨劇を。


私達イシュタール一族は、2つの千年アイテムと、ファラオの記憶のありかを守る墓守の末裔なのです。
私達は人の世を離れ、地下深き場所にひっそりと暮らしていました。
一族を継ぐ者は、墓守の儀式によりファラオの記憶を背に彫り刻まれ、俗世に触れる事は一切禁じられていました。
それが、弟マリクに課せられた生涯。
悲劇は5年前。
マリクが儀式を受けてから、1年後のことでした。



【5年前】
シッ!マリク、声が大きいわ。
もし父上に知られたら大変な事よ!一族の掟を破る事は、絶対に許されないんですから。
あ…。
ん…。(迷っている)
分かったわ。朝になったら出ましょう。
でも、いいわね。1時間だけ。
時間が来たら必ず戻るわよ?

その太陽の光こそ、マリクが初めて全身に浴びる光だったのです。(現在のイシズのセリフ)

マリク、絶対にこの世界のものに手を出しては駄目よ。
あっ!
マリク?
あっ!マリク、いらっしゃい!
あれがテレビよ。
オートバイよ。
あぁ……。
マリク、もう時間よ!帰りましょう!
これ以上駄目よ。約束でしょ?
駄目よ!父上に見つかったらどうするの?
……っ。しょうがないわね。父上に絶対見つかっちゃ駄目よ?
さぁ、行きましょう!……ん?

ファラオ?あなたは誰?
あ、あなたは?待って!

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最終更新:2007年11月22日 16:25