だが私へのダメージはオレイカルコス・キュトラーが吸収する!

命拾いしたな、瀬人!

さぁ、どうした?名も無きファラオ。

名も無きファラオ、瀬人!
所詮貴様達も運命の歯車のひとつに過ぎぬ!
素直にそれを受け入れるが良い!
……ん?

ほぅ。
ラフェール。お前の口から、そんな言葉を聞こうとはな!

ラフェール。お前は本当に、自分の心から闇が消えたと思っているのか?
憎しみ、悲しみ、絶望。
確かに人は、心の闇を消し去る事は出来る。
何故?フッ。それは、それが人の真実の姿ではないからだ。

そう。人の心の闇が消えるなど、ほんのひと時の事だ!
この石室を、見渡してみるがいい!
これまでにも多くの賢者と呼ばれる者たちが、心の闇から逃れようと苦悩し、それに打ち勝つ術を見つけた。
だが皮肉にも彼らが証明したこと。
それは人の精神がそこに留まれるのはほんの一瞬でしかなく、
心の闇に打ち勝ち続けるには、いまだ人の心はあまりにも弱く、はかない、という事だ。

フフフ、ハッハッハッハ!
教えてやろう。
心の闇とは、その正体とは、人間が不平等であるという思いだ!
お前達は、心のどこかで思っているだろう。人間は平等だと!

まぁ、可能性という曖昧な尺度で測るなら、確かに人は平等だ。
しかし現実はどうだ?
富に恵まれた者と貧困に苦しむ者。
才能容姿に恵まれた者と生まれながらに忌み嫌われる者。
この世界は、不平等という運命、心の闇に満ちている。そして、人はそれを乗り越える事は出来ない。
それがこの世界の真実なのだ。

だから私は、この世界を作り変える!
心の闇に打ち勝つ事が出来る、完璧な人間を目指して!

ラフェール。そしてヴァロン、アメルダ。
お前達こそ、生きながらにして心の闇を受け入れられる強靭な精神の持ち主。
私よってそう運命付けられた者たちだというのに……。

運命はより強き者によって作られる!
アメルダ。海馬コーポレーションの兵器により愛する弟を失い、心の闇に染まった者。
だが、あの戦場で彼の弟を死に至らしめたのは、本当に海馬剛三郎だったのか?

ヴァロンの育った施設を、無残にも焼き払ったのは?

ラフェール。
何故お前を乗せた船は、海底火山の噴火する航路を進んだのだ……?
そして、何故お前だけが生き残る事が出来た?



【ラフェールの過去の回想】
(呪文)



お前達の運命は、最初から決まっていた。
私はただ、少し後押しをしただけだ。

私には必要だったのだよ。
やがて復活するであろう伝説の竜たち、そして選ばれしデュエリストたちに匹敵する手駒が。
私を、心の底から崇拝する、強力な手駒が!

ドーマの使命の前には、取るに足らぬ事だ!
フッフフフフフ……。

フフフフ……。
一度発動したオレイカルコスの結界が、消える事はない!
それは、お前が再び心の闇に囚われた証!
我が神の、復活の糧となれ!

ラフェール、お前はその身を持って証明した。
人の心の闇は、決して消えることはないと。

私のターン!これで邪魔はなくなった。
名も無きファラオ、瀬人!
オレイカルコスの結界、その真の力を見届け、我が神の生贄となるがよい!

そう、発動せよ!
オレイカルコス第3の結界、オレイカルコス・トリトス!

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最終更新:2010年02月26日 22:08