案内人(兄)

ここから先は死者の領域だ。日暮れとともに闇が全てを食らう。生きている奴の魂もな

大戦前、イギリスの発掘隊の一人が最期にこう言い残して息絶えたんだとよ、「闇のゲーム」ってな

これまで誰も解き明かせねえ罠が仕掛けられてるんだ。
きっとその奥にはとんでもねえお宝が眠ってるに違いねえ。
けど旦那、約束だぜ、オレ達はあんたみてぇな命知らずとは違う。
目的の墓の入り口までは案内する、だがその先のお宝までは旦那がオレ達を案内するんだ。

旦那、ずっと聞きたかったんだが、変わった格好してるな。
墓の中で誰かにプロポーズでもするつもりか?

今夜のゲームは負けたら身ぐるみ剥がされるだけじゃすまねえかもしれねえ、気を付けてくれよ

こいつは

こっちもだ。さっそくお宝だぜ

おう

ここでおしまいかよ

ん?

あんた、古代文字が読めるのか

なんだ!?
こいつはいったい

なら進もうぜ、あの先にお宝があるに違いねえ

うるせえ!
よく聞け、オレ達が危険を冒すわけじゃねえ。奴がゲームをクリアし、オレ達はお宝を頂くだけだ。
なぁに、心配いらねえ、いざとなりゃ

よし

このままじゃ

くそう
おいてめえ、はやく渡れ! ぐずぐずすんな、お前が先頭で渡るんだ!

なんとかしろ

この見掛け倒しが! 何がゲームの相手に敬意を払うだ

左足?

ムシャラ!

さあ、先に進め


案内人(弟)

引き返すなら今のうちだぜ、旦那

この谷で発見された墓の数は60以上、
だが目的の王墓だけは、まだ誰一人その奥へ辿り着いた者はいねえって噂だ

ああ

こっからはあんたが先だ、ミスター武藤

兄貴、あれは

兄貴

へへへへ

なんだよ、あれを見つけたのはオレ達だぞ

なんだ、行き止まりじゃねぇか
宝物なんてどこにあるんだ

けど、どこにも入り口なんて…うおお!?

何だ、ここは…

あ、兄貴、オレは嫌だ、こんな所で死ぬなんて…オレは引き返すぜ

兄貴…

あ、ああ

うわ壁が

そんな歩き方したことねえ!

うう…うわああっ あああぁああああ!!!

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最終更新:2009年10月19日 21:44