クリス
止めなさい、サニー。
お客様に失礼よ。
私はクリス。そしてこの子はサニー。
無事で良かったわ。あんな所から落ちて、怪我一つないなんて奇跡ね。
気をつけて。この辺は獣だって足を踏み外すわ。
ダメよ、行っちゃ!
現われるわ。あの人の心を映すものが。
アイアンハート
うん?
おお。
気がついたかね。
私の名はアイアンハート。この谷の番人じゃよ。
ほれ。これは君のじゃろ?
珍しいカードを持っておるな。
では、預かっておこう。
彼は麓の町に預けてきた。君達とは違い、死人のような冷たさじゃったのでな。まるで魂を抜かれたような。
その昔、大地と人間は、愛と知恵の元に一つじゃった。大地には優しさと善意が溢れ、孤独な人間などどこにもいなかった。
時は変わったのじゃな。君にはどうしようもない孤独が漂っておるようじゃ。
会ってどうするね?
うぅむ。ならばついて来なさい。
この先に石の荒野と呼ばれる場所がある。
人の魂のかけらは、色々なものに宿る。
その人が触れた木々や草花、踏みしめた大地……石の荒野、そこはこの世界に漂う魂が集まると言われている場所じゃ。
だが、そこにはあらゆる悪霊も集まる。一度足を踏み入れたら、生きて返れる保証はない。
それでも行くかね?
あれが石の荒野の中心。己の心を映す場所じゃ。
うん。
ここから先は亡者達の巣窟でもある。鉄の意志を持つ者でなければ帰ることはできん。
彼に引かれた怨念が集まってきたのじゃ。
亡霊の声
(女)うふふ……あはは……うふふっ……
(女)あははははっ……ははははっ……
(男)わははは……
(女)あははははっ……
(男)わははは……
最終更新:2009年04月19日 17:26