行くよ。僕のターン。僕はモンスターを守備表示で召喚。
さあ、君のターンだ、もう一人の僕。
僕のターン。僕は再び、モンスターを守備表示で召喚!
うあ……ううっ!
僕はクリッターの効果で、守備力1500以下のモンスターを1枚デッキから手札に加え、デッキをシャッフル!
僕のターンだ。僕はカードを1枚伏せて、マジックカード、手札抹殺を使う!
これで、僕と君の手は変わった。
何故そんなことを言うの。
もう一人の僕、確かに君は強い。一見君は完璧さ。けど僕にはよくわかる。君の弱点、心の闇が!
そうさ。君は心の底ではとても傲慢なんだ。プライドにこだわって、いざとなれば自分の考えだけを貫こうとする。
でもそれじゃダメなんだ。たった一つの価値観なんかで、人の心は割り切れない。たとえ自分が傷つこうと、相手の心の闇ごと背負う覚悟がなければ、人の苦しみや哀しみは絶対に見えてこない。
羽蛾君だって舞さんだって、いやドーマの三銃士だって、みんなが苦しむ悲鳴は聞こえてこない!
そうさ。でも今の君じゃ誰も救えない。自分が傷つくのを恐れているだけの、憶病者の君にはね!
そんな君が人々の上に立つ王だったなんて、笑わせるよ!
どうして、こんなものが僕のデッキにあるんだろう。
今の僕は、君の心の闇を映す鏡。だからこんなものが僕のデッキにあるんだ。こんなカードが……
オレイカルコスの、結界!
決着をつけよう、名もなきファラオ!
さあ、手札抹殺の効果で、手札を入れ替えるんだ。
僕はマジックカード、死者蘇生を発動!
甦れ、ブラックマジシャン・ガール!
更に、翻弄するエルフの剣士を召喚!
さあ、モンスター達よ!
オレイカルコスの力を得よ!
エルフの剣士、マグネットウォーリアαを攻撃!
ブラックマジシャン・ガール、ブラックバーニング!
さあ、君のターンだ。
僕のターン。攻撃表示で、クイーンズナイトを召喚。
そしてマジックカード、魔術の呪文書を発動! ブラックマジシャン・ガールの攻撃力が、500ポイントアップ!
クイーンズナイト、バフォメットを攻撃。
そしてブラックマジシャン・ガール、ブラックバーニング!
エルフの剣士、ダイレクトアタック!
さあ、どうしたのもう一人の僕。
まだだよ。まだこれからだ。
ふはふふふふ……
こんなことじゃ、僕には勝てないよ。
僕のターン。エルフの剣士を生け贄に、カタパルトタートル召喚!
そうさ。カタパルトタートルの特殊効果は君も良く知ってるだろう。このターンで君は終わりだ、名もなきファラオ!
生け贄となれ、クイーンズナイト!
クイーンズナイト、射出!
さあ立て! 名もなきファラオ! 次の攻撃で終わりだ。
これで、これで最後だ!
僕は、ブラックマジシャン・ガールを生け贄に!
射出!
ディバイン・ウィンドは、効果を倍増し跳ね返すトラップ。
もう一人の僕……
もう一人の僕、どんなに苦しくても迷わないで。絆を信じて。君は一人じゃない。いつも君を信じている仲間や、モンスター達が、一緒に……
離れていても、僕は……傍に…………い……る…………
最終更新:2009年04月19日 17:23